特許第6762009号(P6762009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000004
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000005
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000006
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000007
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000008
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000009
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000010
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000011
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000012
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000013
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000014
  • 6762009-体液粘性測定装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762009
(24)【登録日】2020年9月10日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】体液粘性測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/06 20060101AFI20200917BHJP
   G01N 11/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G01N11/06 Z
   G01N11/00 C
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-159498(P2016-159498)
(22)【出願日】2016年8月16日
(65)【公開番号】特開2018-28451(P2018-28451A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】506087705
【氏名又は名称】学校法人産業医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲児
(72)【発明者】
【氏名】小林 孝一朗
(72)【発明者】
【氏名】大野 宏毅
(72)【発明者】
【氏名】徳井 教孝
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−528501(JP,A)
【文献】 特表平09−504372(JP,A)
【文献】 特表2009−511886(JP,A)
【文献】 特開2004−132966(JP,A)
【文献】 特開平09−257681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00
G01N 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を流れる体液の粘性を計測する体液粘性測定装置であって、
前記流路に設けられ、外部の電源に接続される第1の導電部と、
前記流路に設けられ、該流路内の前記体液を介して前記第1の導電部に電気的に接続される第2の導電部と、
前記第2の導電部に接続された出力端子から出力される電気信号が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から前記体液の粘性を算出する演算手段とを備え、
前記第1、第2の導電部は、合わせて少なくとも3つあって、それぞれ前記体液の流れに沿って前記流路の異なる位置に配されていることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の体液粘性測定装置において、前記演算手段は、更に前記出力端子から出力される電気信号の大きさから前記体液の電気伝導性及び粘性を算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部は、前記体液の流れに沿って交互に配置されていることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部の配置ピッチは一定であることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路の幅は、前記体液が毛細管現象によって流れる大きさであることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部は一つの前記出力端子に接続されることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部はその電気的状態がそれぞれ独立に監視され、各該第2の導電部に前記体液が接触した瞬間の時刻が記録されることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路の前記第1、第2の導電部の配置領域の下流側で、前記体液に試薬液を合流させて、該体液及び該試薬液の混合液の粘性を所定の値に調整する液供給機構と、前記混合液の電気伝導率及び電解質濃度を計測する濃度導出手段とを更に備えることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項9】
請求項8記載の体液粘性測定装置において、前記演算手段は、前記濃度導出手段が計測した前記混合液の電解質濃度を用いて前記体液の粘性を算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、それぞれ、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットP、Qが設けられ、該電極ユニットPの該流路の出側は、該電極ユニットQの該流路の入り側に、前記体液から特定の物質を取り除くトラップを介して接続され、前記演算手段は、前記電極ユニットP、Qを流れる前記体液の粘性をそれぞれ算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路及び合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部を有するチップと、前記チップが装着される被装着体とが設けられ、前記被装着体には、装着された前記チップの前記第1の導電部を前記電源に接続する第1の回路と、装着された該チップの前記第2の導電部を前記出力端子に接続する第2の回路とが設けられていることを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットRと、前記電極ユニットRと同じ構造の電極ユニットSとが設けられ、前記演算手段は、粘性が判明している標準サンプル液を前記電極ユニットSの流路に流して算出した前記標準サンプル液の粘性を基に、前記体液を前記電極ユニットRの前記流路に流して算出した前記体液の粘性を補正することを特徴とする体液粘性測定装置。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットR’と、前記電極ユニットR’と同じ構造の電極ユニットS’と、前記電極ユニットS’の流路に、前記体液の粘性を変化させる粘性調整液を供給する液供給手段とが設けられ、前記演算手段は、前記電極ユニットR’の流路を流れる前記体液の粘性及び前記電極ユニットS’の流路を流れる前記粘性調整液及び前記体液の混合液の粘性をそれぞれ算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液の粘性を計測する体液粘性測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体液の粘性を計測することは、健康状態を知る上で有効である。例えば、人の場合、脱水状態になっていたり、心筋梗塞や脳梗塞等を患っていたりすると、血液の粘性が上昇することが確認されている。また、血液粘度が上昇すると糖尿病発症のリスクが大きくなることが知られている。
体液の粘性の計測には様々な方法があり、その具体例が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、基準粘度を有する基準流体と粘度を測定しようとする測定対象流体とを管の両側からそれぞれ注入し、管に一定間隔で連結された複数のカウンティングチャンネルのうち、測定対象流体が流れ込んだ数によって、測定対象流体の粘性を計測する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−520676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、計測精度がカウンティングチャンネルの配置ピッチに依存するという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、計測精度が構造に依存するのを抑制した上で体液の粘性を計測可能な体液粘性測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る体液粘性測定装置は、流路を流れる体液の粘性を計測する体液粘性測定装置であって、前記流路に設けられ、外部の電源に接続される第1の導電部と、前記流路に設けられ、該流路内の前記体液を介して前記第1の導電部に電気的に接続される第2の導電部と、前記第2の導電部に接続された出力端子から出力される電気信号が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から前記体液の粘性を算出する演算手段とを備え、前記第1、第2の導電部は、合わせて少なくとも3つあって、それぞれ前記体液の流れに沿って前記流路の異なる位置に配されている。
【0006】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記演算手段は、更に前記出力端子から出力される電気信号の大きさから前記体液の電気伝導性及び粘性を算出するのが好ましい。
【0007】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部は、前記体液の流れに沿って交互に配置されているのが好ましい。
【0008】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部の配置ピッチは一定であるのが好ましい。
【0009】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記流路の幅は、前記体液が毛細管現象によって流れる大きさであるのが好ましい。
【0010】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部は一つの前記出力端子に接続されるのが好ましい。
【0011】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部はその電気的状態がそれぞれ独立に監視され、各該第2の導電部に前記体液が接触した瞬間の時刻が記録されるのが好ましい。
【0012】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記流路の前記第1、第2の導電部の配置領域の下流側で、前記体液に試薬液を合流させて、該体液及び該試薬液の混合液の粘性を所定の値に調整する液供給機構と、前記混合液の電気伝導率及び電解質濃度を計測する濃度導出手段とを更に備えるのが好ましい。
【0013】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記演算手段は、前記濃度導出手段が計測した前記混合液の電解質濃度を用いて前記体液の粘性を算出するのが好ましい。
【0014】
本発明に係る体液粘性測定装置において、それぞれ、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットP、Qが設けられ、該電極ユニットPの該流路の出側は、該電極ユニットQの該流路の入り側に、前記体液から特定の物質を取り除くトラップを介して接続され、前記演算手段は、前記電極ユニットP、Qを流れる前記体液の粘性をそれぞれ算出してもよい。
【0015】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記流路及び合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部を有するチップと、前記チップが装着される被装着体とが設けられ、前記被装着体には、装着された前記チップの前記第1の導電部を前記電源に接続する第1の回路と、装着された該チップの前記第2の導電部を前記出力端子に接続する第2の回路とが設けられていてもよい。
【0016】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットRと、前記電極ユニットRと同じ構造の電極ユニットSとが設けられ、前記演算手段は、粘性が判明している標準サンプル液を前記電極ユニットSの流路に流して算出した前記標準サンプル液の粘性を基に、前記体液を前記電極ユニットRの前記流路に流して算出した前記体液の粘性を補正してもよい。
【0017】
本発明に係る体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットR’と、前記電極ユニットR’と同じ構造の電極ユニットS’と、前記電極ユニットS’の流路に、前記体液の粘性を変化させる粘性調整液を供給する液供給手段とが設けられ、前記演算手段は、前記電極ユニットR’の流路を流れる前記体液の粘性及び前記電極ユニットS’の流路を流れる前記粘性調整液及び前記体液の混合液の粘性をそれぞれ算出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る体液粘性測定装置は、流路に設けられた第1の導電部と、流路に設けられ、流路内の体液を介して第1の導電部に電気的に接続される第2の導電部と、第2の導電部に接続された出力端子から出力される電気信号が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から体液の粘性を算出する演算手段とを備え、第1、第2の導電部が、合わせて少なくとも3つあって、それぞれ体液の流れに沿って流路の異なる位置で体液に接触するので、計測精度が構造に依存するのを抑制して、粘性を計測することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る体液粘性測定装置の説明図である。
図2】同体液粘性測定装置の電極ユニットの説明図である。
図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、同体液粘性測定装置のチップの部分断面図及び第1、第2の変形例に係るチップの部分断面図である。
図4】複数の電極ユニットとトラップの接続を示す説明図である。
図5】複数の電極ユニットと液供給機構の接続を示す説明図である。
図6】試薬液を体液に合流させる電極ユニットの構成を示す説明図である。
図7】標準サンプル液を利用して電気伝導率及び粘性を補正するために使用される電極ユニットR、Sを示す説明図である。
図8】体液の粘性及び粘性調整液と体液の混合液の粘性を計測するために用いられる電極ユニットR’、S’を示す説明図である。
図9】時間の経過による出力電流値の変化を示すグラフである。
図10図9のグラフの一部を拡大したグラフである。
図11】第2の導電部にシングルチップマイコンを接続する例を示す説明図である。
図12】シングルチップマイコンで生成されるデジタル信号の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2図3(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係る体液粘性測定装置10は、流路11を流れる体液Fの粘性を計測する装置であって、流路11に設けられ、外部の交流電源(外部の電源の一例)Vに入力端子40を介して接続される第1の導電部12、13、14、流路11に設けられた第2の導電部15、16、17、18、及び、第2の導電部15、16、17、18に接続された出力端子19から出力されている電気信号が単位時間当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から、体液Fの粘性を算出する演算手段44を有している。以下、詳細に説明する。
【0021】
粘性の計測対象である体液Fは、電解質溶液であり、例えば、人の血液、髄液、汗、唾液、涙である。
体液粘性測定装置10は、図1図2に示すように、交流電源Vにスイッチ20を介して接続される電極ユニット21を備えている。電極ユニット21は、図1図2図3(A)に示すように、流路11が設けられ、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18を具備するチップ22と、チップ22が装着される被装着体23を有している。
【0022】
チップ22は、図2図3(A)に示すように、前後に長い矩形状の板材24及び上側に板材24が固定された前後に長い板状のベース部材25を備えている。
板材24には、底面側に板材24の長手方向に沿って凹部26が形成され、板材24の上面から凹部26の一側にかけて形成された開口部27及び板材24の上面から凹部26の他側にかけて形成された開口部28が設けられている。本実施の形態では、開口部27が体液Fの導入口、開口部28が体液Fの排出口であるが、開口部28を体液Fの導入口、開口部27を体液Fの排出口として利用してもよい。
【0023】
チップ22の流路11は、板材24の底面をベース部材25の上面に接触させて固定することで板材24の凹部26の開口がベース部材25の上面で塞がれて形成されている。流路11は親水性を有し、流路11の幅は、体液Fが毛細管現象によって流路11内を移動できる大きさであり、例えば、10μm〜500μmの範囲である。そのため、開口部27から体液Fが導入されると、体液Fが毛細管現象によって流路11内を開口部27側(一側)から開口部28側(他側)に進行し、流路11内には一側から他側に向かって流れが生じる。
【0024】
本実施の形態では、シルウェット(Silwet)を含有したPDMS(ジメチルポリシロキサン)によって板材24を形成し、流路11の親水性を確保しているが、親水性処理は、これに限定されるものではない。
【0025】
ベース部材25の上面には、第1の導電部12、13、14をそれぞれ有する導線32、33、34及び第2の導電部15、16、17、18をそれぞれ有する導線35、36、37、38が設けられている。なお、本実施の形態では、ベース部材25がガラスによって形成されているが、これに限定されない。
【0026】
そして、導線35(導線32〜34、36〜38についても同じ)は、図2図3(A)に示すように、第2の導電部15(導線32〜34、36〜38については、それぞれ第1の導電部12〜14及び第2の導電部16〜18)が流路11内に配されていればよく、本実施の形態のように、ベース部材25の左端から右端に渡って、導線35全体が、ベース部材25の上面に密着している必要はない。
例えば、図3(B)に示すように、第2の導電部15を流路11の上側に固定して、ベース部材25から離れるように導線35を配線してもよいし、図3(C)に示すように、一端が流路11内に配されるように導線35を配線してもよい。これらは、導線32〜34、36〜38についても同じである。
【0027】
流路11においては、図1図2に示すように、体液Fの流れに沿って、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18が順に並べられている(即ち、第1の導電部及び第2の導電部は体液の流れに沿って交互に配置されている)。
従って、開口部27に導入された体液Fは、流路11内を進みながら、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18に順に接触し、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18は、体液Fの流れに沿って流路11の異なる位置で体液Fに接触する。
【0028】
また、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18の配置ピッチは一定である。よって、開口部27から導入された体液Fは、一定(実質的に一定)の時間間隔で、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18に順に到達する。
【0029】
体液Fは電気伝導性を有するため、開口部27から導入された体液Fが第2の導電部15を通過して第1の導電部12まで達し、流路11の開口部27から第1の導電部12までの領域全体に体液Fが存在する状態になった際、第2の導電部15は、流路11内の体液Fを介して、第1の導電部12に電気的に接続される。その後、体液Fが第2の導電部16まで達した際には、第2の導電部16が、体液Fを介して、第1の導電部12及び第2の導電部15に電気的に接続される。そして、体液Fが第2の導電部18まで達した際には、全ての第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18が、体液Fを介して電気的に接続される。
【0030】
被装着体23は、図1図2に示すように、内側にチップ22が嵌め込まれる枠部39を備えている。枠部39には、交流電源Vに接続される入力端子40と、入力端子40から3つに枝分かれした導線を有する回路41(第1の回路)が、左側に設けられ、出力端子19と、出力端子19から4つに枝分かれした導線を有する回路42(第2の回路)が、右側に設けられている。
枠部39の内側にチップ22が嵌め込まれる(即ち、被装着体23に、チップ22が装着される)ことによって、チップ22は、第1の導電部12、13、14が回路41を介して入力端子40に接続され、第2の導電部15、16、17、18が回路42を介して出力端子19に接続される。
【0031】
即ち、複数の第2の導電部15、16、17、18は回路42に接続され、回路42は第2の導電部15、16、17、18を一つの出力端子19に接続する。以下、特に記さない限り、チップ22は被装着体23に装着されているものとする。
出力端子19には、図1に示すように、スイッチ43を介して、演算手段44が接続されている。スイッチ43は、図1に示すように、演算手段44の接続先を、電極ユニット21の出力端子19から、較正(校正)用の基準抵抗44aに切り替えることができる。
【0032】
演算手段44は、時計機能及び出力端子19から出力されている電流(電気信号の一例)の値を計測する機能を有し、計測した電流値を時刻情報に関連付けることができる。
開口部27に導入され流路11を進む体液Fの先頭部が開口部28に向かって進むのに従って、体液Fの先頭部は、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18を順に通過し、出力端子19から出力されている電流値(以下、単に「出力電流値」とも言う)は段階的に上昇する。出力電流値の段階的な上昇は、体液Fの先頭部が第1の導電部12に到達してから開始する。
【0033】
演算手段44は、出力電流値が所定の時間長(本実施の形態では、0.5〜3秒間)当たりに予め定められた値以上上昇する時刻を検出して、出力電流値の段階的な上昇が生じたタイミングを検知できるように設計されている。演算手段44には、以下の値が予め登録されている。
【0034】
登録されている値:第2の導電部15から第1の導電部12までの距離、第1の導電部12から第2の導電部16までの距離、第2の導電部16から第1の導電部13までの距離、第1の導電部13から第2の導電部17までの距離、第2の導電部17から第1の導電部14までの距離、第1の導電部14から第2の導電部18までの距離
【0035】
流路が毛細管である場合(つまり流路の断面が円形である場合)は、流路内を移動する流体の運動方程式は容易に解くことができ、Washburnの式として知られる周知の結果が得られる。直径Dの毛細管中を移動する、粘性率η、表面張力γの流体の場合、Washburnの式は以下の式(1)のように表される。
【0036】
【数1】
【0037】
ここで、Lは流体の毛細管中への侵入距離、tは流体が毛細管中に侵入を始めてからの時間、θは接触角である。
【0038】
一方、本発明のように、流路の断面が円形ではなく矩形である場合は、1)流体の運動が軸対称でないことに加え、2)流体の接する4つの面の接触角がすべて同じとみなすことができない等の理由で、流体の運動を解析的に解くことは困難である。しかし、式(1)からの類推で、流体の侵入距離Lと侵入時間tの間に、以下の式(2)の関係が成り立つことが容易に推測され、これは実験的に確認することができる。
【0039】
【数2】
【0040】
ここで、Cは、流路の幾何学的形状(幅と高さ)及び流路内表面の性質(それぞれの面の接触角)によって決まる流路固有の定数である。定数Cの値は、粘性率η及び表面張力γの判明している体液類似の電解質溶液(基準溶液)の流動を記録することによって決定することができる。
【0041】
演算手段44は、体液Fの先頭部が第1の導電部12から第2の導電部16まで移動することによって、出力電流値の1回目の段階的な上昇タイミングと出力電流値の2回目の段階的な上昇タイミングの時間間隔を検出し、検出した時間間隔及び第1の導電部12から第2の導電部16までの距離を、上述した式のt及びLにそれぞれ代入し、体液Fの粘性を算出する。
【0042】
演算手段44は、同様の手順で、体液Fの先頭部の第2の導電部16から第1の導電部13までの移動、体液Fの第1の導電部13から第2の導電部17までの移動、体液Fの第2の導電部17から第1の導電部14までの移動、及び、体液Fの第1の導電部14から第2の導電部18までの移動によって、それぞれ体液Fの粘性を算出する。
【0043】
よって、演算手段44は、出力電流値が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から体液Fの粘性を算出することとなる。「出力電流値が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミング」としているのは、体液Fの先頭部が第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14又は第2の導電部18を通過していないタイミングでも、出力電流値が多少上下することがあることから、体液Fの先頭部が第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14又は第2の導電部18を通過したタイミングを確実に検出するためである。
【0044】
本実施の形態では、開口部27から導入された体液Fが第2の導電部18まで移動する間に、体液Fの粘性を5回計測することができる。体系Fの粘性を計測するためには、少なくとも2回の出力電流値の段階的な上昇を要することから、第1、第2の導電部は、合わせて少なくとも3つあって、それぞれが流路の流れに沿って異なる位置に配されていることが必要である。
【0045】
また、演算手段44は、出力電流値が段階的に上昇するタイミングの時間間隔から体液Fの粘性を算出するのに加え、出力電流値の大きさからも体液Fの粘性を算出可能である。以下、出力電流値の大きさから体液Fの粘性を算出する方法を説明する。
演算手段44は、体液Fの先頭部が、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18を通過するごとに変化する出力電流値の大きさから、入力端子40、出力端子19間のインピーダンス(本実施の形態では、合成抵抗値)を求める。
【0046】
そして演算手段44は、求めたインピーダンスを基にして体液Fの電気伝導率(電気伝導性)及び粘性を導出する。入力端子40、出力端子19間のインピーダンスは、体液Fの電気伝導率によって決定されること、並びに、体液Fの電気伝導率と体液Fの粘性の間に直接的な相関関係があることは周知である(電気伝導率と粘性の間に相関関係があることは、例えば、Walden則によって知られている)。
【0047】
よって、演算手段44は、入力端子40、出力端子19間のインピーダンスから体液Fの電気伝導率及び粘性を求めることが可能である。なお、入力端子40、出力端子19間のインピーダンスは、出力電流値が段階的に大きくなるのに応じて段階的に小さくなる。
演算手段44による体液Fの粘性の導出には、出力電流値が段階的に上昇するタイミングからなされるもの(流体力学的観点による計測)と、出力電流値の大きさからなされるもの(電気伝導率を基にした計測)があり、状況に応じて、正確な値を選択可能である。
例えば、血液の凝固を抑制する抗凝固剤を血液に混合した場合には、電気伝導率に影響が出るため、流体力学的観点による計測値を選択することが考えられる。
【0048】
ここで、演算手段44は、出力電流値が段階的に上昇するたびに、流体力学的観点による体液Fの算出と、電気伝導率を基にした粘性の算出を行う。よって、所定量(第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18の全てが流路11内の体液Fで電気的に接続される量)の体液Fを開口部27から導入することによって、演算手段44は、体液Fについて、流体力学的観点並びに電気伝導的観点の2種類の測定方法で粘性をそれぞれ複数回算出可能である。
【0049】
そして、演算手段44は、異なる測定方法で算出した複数の粘性値(本実施の形態では粘性係数)を基に、体液Fの最終的な粘性値を得る。例えば、算出した複数の粘性値の平均を最終的な粘性値にすることや、2つの測定方法のうち、粘性の各測定値にばらつきが小さい方を選択して最終的な粘性値を得ることができる。本実施の形態では、開口部27から導入された体液Fが第2の導電部18に到達するまで、出力電流値が段階的に6回上昇することから、演算手段44は、流体力学的観点からの粘性の計測を5回行い、体液Fの電気伝導率の値からの粘性の計測を6回行うこととなる。
【0050】
また、算出された各粘性値に所定以上の差異が生じた場合や、出力電流値が所定の時間間隔で段階的に上昇しない場合、演算手段44は、異常ありを意味する信号を出力するように設計されている。
本実施の形態では、図1に示すように、演算手段44が主として2つの電気回路45、46によって構成されているが、電気回路の数は2つである必要はない。
また、本実施の形態では、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18が合わせて7つであるが、第1、第2導電部は合わせて少なくとも3つあればよい。
【0051】
また、本実施の形態においては、電極ユニット21が1つのみであったが、図4に示すように、2つの電極ユニット48、49(電極ユニットP、Q)を設けることも可能である。電極ユニット48、49はそれぞれ、基本的に電極ユニット21と同じ構造を備え、流路11、及び合わせて7つ(即ち、合わせて少なくとも3つ)の第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18、及び出力端子19を有している。
【0052】
電極ユニット48の流路11の出側(他側)は、電極ユニット49の流路11の入り側(一側)に、体液Fから特定の物質(例えば、体液Fが血液の場合、特定の物質は血球)を取り除くトラップ50を介して接続されている。なお、電極ユニット48、49において、電極ユニット21と同様の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する(以下同じ)。
【0053】
従って、電極ユニット48の開口部27から導入された体液Fは、電極ユニット48の流路11を通過し、トラップ50で特定の物質が取り除かれた後、電極ユニット49の流路11を流れる。そのため、図示しない演算手段は、電極ユニット48の出力端子19からの出力電流値を基に、特定の物質が取り除かれていない体液Fの電気伝導率及び粘性を算出(粘性については2つの測定方法で算出、以下同じ)し、電極ユニット49の出力端子19からの出力電流値を基に、特定の物質が取り除かれた体液F(例えば、血球が除去された血漿を含む血液)の電気伝導率及び粘性を算出する。
【0054】
また、図5に示すように、流路11の第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18の配置領域の下流側で、体液Fに試薬液を合流させて、体液F及び試薬液の混合液の粘性を所定の値に調整する液供給機構52を設けてもよい。
図5に示す例では、電極ユニット49の下流側に、電極ユニット49の流路11の出側に流路11の入り側が接続された電極ユニット51が設けられ、電極ユニット49の流路11と電極ユニット51の流路11の接続領域に、液供給機構52が管を介して連結されている。
【0055】
電極ユニット51は、基本的に電極ユニット21と同じ構造を備え、液供給機構52は、例えば、ポンプ及び電磁弁を有して構成可能である。
液供給機構52は、例えば、体積比で体液Fの略20倍の蒸留水(試薬液の一例、以下、単に「水」とも言う)を、電極ユニット49、51の間で、体液Fに合流させて、体液F及び水の混合液の粘性率を水と同レベルにする。電極ユニット51の出力端子19には、出力端子19からの出力電流値を基に電極ユニット51の流路11を流れる混合液の電気伝導率及び混合液の電解質濃度を計測する図示しない濃度導出手段が接続されている。濃度導出手段は、例えば、ソフトウェアプログラムがインストールされた電子計算機によって構成可能である。
【0056】
試薬液を体液Fに合流させる構成は、直列接続した2つの電極ユニットの間に液体供給機構を設けるものに限定されない。例えば、図6に示すように、2つの電極ユニット55、56を設け、電極ユニット55、56の各流路11に共通する一つの開口部27から導入された体液Fが電極ユニット55、56の各開口部28に向かって送られるようにし、開口部27と電極ユニット55の間に電極ユニット55の流路11に送られる体液Fに試薬液を合流させる液供給機構52を設けるようにしてもよい。
【0057】
演算手段は、濃度導出手段から、濃度導出手段が計測した電気伝導率及び電解質濃度を取得可能であり、濃度導出手段が計測した混合液の電気伝導率又は混合液の電解質濃度を用いて体液Fの粘性を算出する。
ここで、インピーダンスを基に体液の粘性を算出する計算式には、その体液の電解質濃度が必要である。この点、体液の電解質濃度の値は体液の種類ごとに一定範囲であり、ばらつきが小さい。よって、計算式に電解質濃度の予め定められた値を代入すれば、電解質濃度を計測せずとも、対象とする体液の粘性を算出することができる。但し、電解質濃度をより正確に算出する観点においては、計測した電解質濃度を計算式に代入して粘性を算出するのが好ましい。
【0058】
また、図7に示すように、電極ユニット21と同じ構造の2つの電極ユニット53、54(電極ユニットR、S)を設け、電極ユニット53の流路11に体液Fを流し、電極ユニット54の流路11に粘性が判明している標準サンプル液を流して、算出した体液Fの粘性を補正することもできる。
演算手段は、電極ユニット54の流路11に流した標準サンプル液の粘性及び電極ユニット53の流路11に流した体液Fの粘性をそれぞれ算出し、算出した標準サンプル液の粘性(具体的には、算出した標準サンプル液の粘性と、粘性が判明していた標準サンプル液の粘性の差)を基に、算出した体液Fの粘性を補正する。計測時の温度など環境の違いにより、算出される体液Fの粘性には多少の誤差が生じることが考えられるため、標準サンプル液の粘性を基に、算出した体液Fの粘性を補正するのは、より正確な粘性を得る上で好適である。更に、例えばサーミスター素子などの温度測定手段を電極ユニット上に設置して計測時の温度を記録し、より正確を期すこともできる。
【0059】
更に、図8に示すように、電極ユニット21と同じ構造の2つの電極ユニット58、59(電極ユニットR’、S’)及び電極ユニット59の流路11に体液Fの粘性を変化させる粘性調整液(例えば、凝固刺激試薬)を供給する液供給手段60を設け、演算手段が、電極ユニット58の流路11を流れる体液Fの粘性及び電極ユニット59の流路11を流れる粘性調整液及び体液の混合液の粘性をそれぞれ算出するようにしてもよい。これによって、例えば、粘性調整液が血液(体液Fの一例)を凝固する効果を容易に計測することが可能である。
【実施例】
【0060】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
本実験においては、合わせて7つの第1、第2の導電部を有する電極ユニットを採用し、流路にショ糖を加えて粘度を上げた食塩水(以下、単に「食塩水」とも言う)を流した。図9図10に、計測された出力電流の時間軸に対する推移を示す。なお、図10のグラフは、図9のグラフの一部を拡大したものであり、図10には、段階的に上昇する出力電流それぞれに対応する合成抵抗の値を記している。
図9図10より、段階的に上昇する出力電流の各上昇値が略同じであること、並びに、出力電流が5〜6秒間隔で段階的に上昇したことが確認できた。その結果、段階的に上昇する出力電流それぞれから電気伝導率及び粘性を算出できることが分かる。
なお、図9において、Dは食塩水を導入した時点を示し、Wは流路に水を流して食塩水を洗い流した時点を示す。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、体液の粘性の計測は流体力学的観点からのみでもよい。その場合、電流の大きさを定量的に記録する必要はなく、体液が第2の導電部に到達した時刻(体液が第2の導電部に接触した瞬間の時刻)のみを正確に記録すればよい。つまり、電流値をアナログ値として記録する必要はなく、デジタル値として記録すればよいこととなるので、図11に示すように、シングルチップマイコン61を用いた簡素な構成にすることができる。
【0062】
図11に示す例では、複数の導電部15、16、17、18(第2の導電部)がそれぞれ独立してシングルチップマイコン61の4つのチャンネル(入力端子)に接続されている。シングルチップマイコン61は、標準的に装備しているインプットキャプチヤー機能によって、導電部15、16、17、18の電気的状態をそれぞれ独立に監視し、4つのチャンネルの電圧値が変化したタイミング、即ち体液Fが導電部15、16、17、18に到達したタイミングの時刻を読み取って記録する。図12に示すt0、t1、t2、t3はそれぞれ体液Fの先頭部が導電部15、16、17、18に到達したタイミングを意味し、各チャンネルに対応するデジタル値はt0、t1、t2、t3で非連続的に上昇する。体液Fの粘性は、t0、t1の時間間隔、t1、t2の時間間隔、t2、t3の時間間隔を基に計測される。
そして、第1の導電部に交流電源を接続する代わりに、図11に示すように、直流電源Eを接続するようにしてもよい。
【0063】
また、体液が毛細管現象によって進む流路の代わりに、体液がポンプあるいは重力によって進む流路を採用してもよい。但し、毛細管現象によって体液が進行する流路を採用した場合、粘性を計測するために要する体液の量を少なくすることができる。
そして、本実施の形態では交流電源から入力端子に与えられる交流電圧の周波数が単一で一定であるが、入力端子に周波数が異なる複数の交流電圧を与えることもできる。入力端子に周波数が異なる交流電圧を与える場合、演算手段は、電気伝導率から粘性を算出するのに当たり、各周波数のインピーダンスを求めて体液の粘性を算出することとなる。
【0064】
また、第1、第2の導電部が体液の流れに沿って交互に配置されている必要はない。更に、第1、第2の導電部の配置ピッチは一定でなくてもよい。
更に、第2の導電部が複数個ある場合、複数の第2の導電部を、一つの出力端子に接続する必要はなく、それぞれ別個の出力端子に接続してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10:体液粘性測定装置、11:流路、12〜14:第1の導電部、15〜18:第2の導電部、19:出力端子、20:スイッチ、21:電極ユニット、22:チップ、23:被装着体、24:板材、25:ベース部材、26:凹部、27、28:開口部、32〜38:導線、39:枠部、40:入力端子、41、42:回路、43:スイッチ、44:演算手段、44a:基準抵抗、45、46:電気回路、48、49:電極ユニット、50:トラップ、51:電極ユニット、52:液供給機構、53、54、55、56、58、59:電極ユニット、60:液供給手段、61:シングルチップマイコン、E:直流電源、F:体液、V:交流電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12