(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母の、難燃剤としての使用方法において、前記少なくとも1種の金属酸化物中の金属は、Zn、V、Cu、Mn、Fe、Co、Nb、Mo、W、Snから選択される少なくとも1種の金属である、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母の、難燃剤としての使用方法。
成分Cは、ホスフィン酸塩、ハロゲン含有難燃剤、リン、メラミン化合物またはこれらの2種以上の混合物である、請求項5から11までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母の、難燃剤としての、殊に熱可塑性成形材料用の難燃剤としての使用、これを含む熱可塑性成形材料、その製造方法、成形品、繊維またはフィルムを製造するためのその使用、およびこの種の成形品、繊維またはフィルム、およびその製造方法、ならびに被覆された雲母に関する。
【0002】
金属酸化物で被覆された雲母小板は、効果顔料として公知であり、例えばWO 2011/095326に記載されている。この雲母小板は、ここでは、TiO
2およびZnO、ならびに場合によりCaOの組合せで被覆される。こうして得られた効果顔料は、装飾被覆、プラスチック、ペイント、塗料など中で使用される。難燃剤としての使用は記載されていない。
【0003】
熱可塑性ポリマー用の難燃剤は公知である。独国特許出願公開第19960671号明細書(DE-A-199 60 671)には、ホスフィン酸塩およびメラミン化合物のような通常の難燃剤の他に、金属酸化物、金属水酸化物または他の塩との組合せも記載されている。とりわけ、この場合、酸化亜鉛が言及されている。
【0004】
本発明の課題は、公知の難燃剤と組み合わせて、少量で難燃性の明らかな改善を引き起こす難燃剤を提供することである。
【0005】
この課題は、本発明の場合に、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母を難燃剤として使用することにより解決される。
【0006】
さらに、この課題は、
a)成分Aとして、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー5〜99.9質量%、
b)成分Bとして、金属酸化物で被覆された少なくとも1種の雲母0.05〜10質量%、
c)成分Cとして、成分Bとは異なる少なくとも1種の難燃剤0.05〜50質量%、
d)成分Dとして、成分Aとは異なる少なくとも1種の官能性ポリマー0〜35質量%、
e)成分Eとして、ガラス繊維0〜60質量%、
f)成分Fとして、他の助剤0〜10質量%
を含み、成分A〜Eの全体量は、100質量%となる、熱可塑性成形材料により解決される。
【0007】
さらに、この課題は、内容物質を混合することによる、この種の熱可塑性成形材料の製造方法により解決される。
【0008】
さらに、この課題は、成形品、繊維またはフィルムを製造するための、この種の熱可塑性成形材料の使用により解決される。
【0009】
さらに、この課題は、この種の熱可塑性成形材料からなる成形品、繊維またはフィルムにより解決される。
【0010】
さらに、この課題は、この種の熱可塑性成形材料の溶融、押出および引き続く付形による、成形品、繊維またはフィルムの製造方法により解決される。
【0011】
さらに、本発明の対象は、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された小板状の支持体、例えば雲母、ガラスフレーク、アルミニウムフレーク、好ましくは雲母であり、この場合、少なくとも1種の金属酸化物は、ZnOおよび/またはV
2O
5であり、かつ被覆された小板状の支持体、好ましくは雲母を基準として最大20質量%の他の金属酸化物が被覆として存在するものである。
【0012】
本発明の場合に、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母が、僅かな添加量で既に、熱可塑性成形材料の難燃性を有意に高めることが見出された。
【0013】
雲母の被覆について、Roempp, Chemielexikon,第9版,見出し語「Glimmer」を指摘することができる。雲母は、フィロケイ酸塩(層状ケイ酸塩、シート状ケイ酸塩)に属する。これは、1つの面に沿ってたやすく剥がすことができる、アルカリ、ヒドロキシル、およびしばしばフッ素も含むアルミノケイ酸塩である。例えば、本発明により使用可能な雲母は、黒雲母および白雲母である。さらに、絹雲母、ソーダ雲母、リシア雲母、金雲母、および真珠雲母が適している。
【0014】
雲母は、主に単斜晶結晶系で、大抵は六辺の平らな小板として、または六方対称を装う板状ないし短柱状のクリスタリットとして結晶化する。雲母構造の基本単位は、六方対称を示す2つの四面体層の間にカチオンを有する八面体層を含む、サンドイッチ状の階層パッケージとして表すことができる。天然由来のものの他に、雲母は、SiO
2、MgO、Al
2O
3およびK
2SiF
6からなる融液をゆっくりと凝固させることによっても人工的に作り出すことができる。
【0015】
本発明の場合に、雲母は少なくとも1種の金属酸化物で被覆される。この場合、少なくとも1種の金属酸化物中の金属は、好ましくは、Zn、V、Cu、Mn、Fe、Co、Nb、Mo、W、Snから選択される少なくとも1種の金属である。
【0016】
特に好ましくは、少なくとも1種の金属酸化物中の金属は、Znおよび/またはVである。
【0017】
被覆の金属酸化物の量は、被覆を備えた雲母の全体量を基準として、好ましくは0.1〜90質量%、特に好ましくは5〜80質量%、特別好ましくは20〜50質量%である。
【0018】
好ましくは、少なくとも1種の金属酸化物は、ZnOおよび/またはV
2O
5であり、かつ被覆を備えた雲母の全体量を基準として、最大20質量%、好ましくは最大10質量%、殊に最大5質量%、特別には最大1質量%の他の金属酸化物が存在する。
【0019】
本発明の一実施態様の場合に、ZnOおよび/またはV
2O
5のみを、雲母の金属酸化物の被覆として使用する。
【0020】
雲母の被覆は、WO 2011/095326に記載されたように行うことができる。製造のために、一般に、雲母を水中に懸濁させる。その後に、この懸濁液に、金属酸化物を形成する金属塩の溶液を添加する。この場合、pH値を調節することで、金属を含む化合物の沈殿を行うことができる。一般に、金属酸化物または水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、ホウ酸塩または混合物が堆積され、これらを熱処理後に主に金属酸化物に分解することができる。こうして被覆された雲母を液体から分離した後に、乾燥しかつ焼成する。非金属添加物(Cl、P、B、炭酸塩、…を含める)の0〜20%の範囲内での導入は、この場合、適用のために好ましいことがある。
【0021】
pH値の調節は、好ましくは、酸またはアルカリ液によって行われる。この場合、例えば、アルカリ金属アルカリ液、アルカリ金属炭酸塩溶液、アルカリ土類金属アルカリ液、またはアルカリ土類金属炭酸塩溶液、アンモニア溶液、HCl、H
2SO
4、HNO
3、ならびに炭素含有の酸および塩基、例えばトリエタノールアミンまたはメタンスルホン酸が適している。
【0022】
金属酸化物の析出は、支持体の表面がほぼ均一に覆われるように行われる。
【0023】
pHは、析出の間に一定に保持することも、変更することもできる。
【0024】
この場合、添加物を層中に均一に分配することができるが、被覆の所定の箇所または層深部に集中させることもできる。
【0025】
欧州特許出願公開第1469040号明細書(EP1469040A2)、DE3137808、DE3151343およびDE3151354は、本発明により適した粒子サイズおよび化学組成を示す小板状の支持体上への多様な金属酸化物の析出を記載している。
【0026】
懸濁液の加温は、好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃の範囲の温度に行われる。乾燥は、好ましくは、80〜150℃、特に好ましくは90〜130℃の範囲の温度で行われる。焼成は、好ましくは500〜1500℃、好ましくは600〜1200℃、殊に700〜1000℃の温度で行われる。あるいは、乾燥および焼成を、1つのプロセス工程で直接連続して行うこともできる。
【0027】
乾燥および焼成は、生成物中に残留するヒドロキシル基または水を除去し、または酸化物に変換するという付加的な利点を有する。
【0028】
雲母の平均粒子サイズは、自由に選択することができる。好ましくは、この平均粒子サイズは、光散乱により決定して、1〜200μm、特に好ましくは5〜100μm、殊に8〜80μmである。このd
50値は、例えばMalvern 3000を用いて光散乱により決定することができる。
【0029】
特性(例えば機械的特性)をさらに改善するために、金属酸化物で被覆された雲母の熱処理の後に、表面に、例えば二官能性分子を添加することにより、プラスチックに対する適合性を高めることも、性能をさらに改善することもできる。二官能性分子として、シラン、ホスファートおよびカルボキシラートが適している。
【0030】
この層を施すために、場合による焼成の後に、金属酸化物で被覆された小板状の支持体を、二官能性分子と反応させる。この二官能性分子は、この場合、純粋な成分として、または予備反応させてまたは希釈して導入することもできる。金属酸化物で被覆された支持体は、この場合、好ましくは運動させることができる。これは、懸濁液中でまたは乾燥した状態で実施することができる。
【0031】
このために、欧州特許第0492223号明細書(EP0492223B1)、欧州特許第0688833号明細書(E0688833B1)、欧州特許第1478699号明細書(EP1478699B1)、EP0888410およびEP0632109を指摘することができる。
【0032】
少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母は、本発明の場合に、好ましくはプラスチック中で、難燃剤として使用される。これは、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックであることができ、好ましくは熱可塑性プラスチックであることができる。
【0033】
成分Aとして適したプラスチックの例は、モノオレフィンおよびジオレフィンからなるポリマー、例えばポリエチレン、多様な分子量のポリプロピレン、モノオレフィンとジオレフィンとのコポリマー、炭化水素樹脂、ビニル芳香族モノマーを基礎とする芳香族ホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリスチレンおよびポリメチルスチレン、グラフトコポリマー、例えばビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、エチレン系不飽和酸およびその誘導体を基礎とするポリマー、例えばポリアクリラートおよびポリメタクリラート、不飽和アルコールおよびアミンを基礎とするポリマー、環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキシドおよびポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリアミドおよびコポリアミド、ポリ尿素、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリカルボナート、ならびにこれらのポリマーの2種以上のポリマーブレンドである。
【0034】
好ましくは、成分Aは、ポリアミドまたはポリエステルである。
【0035】
本発明による成形材料のポリアミドは、一般に、ISO 307により25℃で96質量%の硫酸中の0.5質量%の溶液中で決定して、90〜350ml/g、好ましくは110〜240ml/gの粘度数を示す。
【0036】
例えば、米国特許明細書2071250、2071251、2130523、2130948、2241322、2312966、2512606および3393210に記載されているような、少なくとも5,000の分子量(重量平均)を示す半結晶性のまたは非結晶性の樹脂が好ましい。
【0037】
これについての例は、7〜13の環員を有するラクタムから誘導されたポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタムおよびポリラウリンラクタム、ならびにジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドである。
【0038】
ジカルボン酸として、6〜12、殊に6〜10の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸が使用可能である。ここで、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸だけが、酸として挙げられる。
【0039】
ジアミンとして、特に6〜12の、殊に6〜8の炭素原子を有するアルカンジアミン、ならびにm−キシリレンジアミン、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパン、または1,5−ジアミノ−2−メチル−ペンタンが適している。
【0040】
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチレンセバシン酸アミドおよびポリカプロラクタム、ならびにコポリアミド6/66、殊にカプロラクタム単位を5〜95質量%の割合で有するコポリアミド6/66である。
【0041】
さらに適したポリアミドは、例えば独国特許出願公開第10313681号明細書(DE-A 10313681)、欧州特許出願公開第1198491号明細書(EP-A 1198491)およびEP 922065に記載されているように、ω−アミノアルキルニトリル、例えばアミノカプロニトリル(PA6)およびアジポジニトリルとヘキサメチレンジアミン(PA66)とから、水の存在で、いわゆる直接重合によって得られる。
【0042】
さらに、例えば高めた温度で1,4−ジアミノブタンとアジピン酸との縮合により得られるポリアミド(ポリアミド4,6)も挙げられる。この構造のポリアミドの製造方法は、例えば欧州特許出願公開第38094号明細書(EP-A 38 094)、欧州特許出願公開第38582号明細書(EP-A 38 582)および欧州特許出願公開第39524号明細書(EP-A 39 524)に記載されている。
【0043】
さらに、上述のモノマーの2種以上の共重合により得られるポリアミド、または複数のポリアミドの混合物が適していて、この場合、混合比は任意である。
【0044】
さらに、トリアミン含有率が、好ましくは0.5質量%未満、好ましくは0.3質量%未満であるPA6/6TおよびPA66/6Tのような半芳香族コポリアミドが適していることが判明した(EP-A 299 444およびEP-A 667 367参照)。
【0045】
適切なコポリアミドは、
A1)テレフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから誘導される単位20〜90質量%
A2)ε−カプロラクタムから誘導される単位0〜50質量%および
A3)アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから誘導される単位0〜80質量%、
A4)他のポリアミド形成するモノマー0〜40質量%
から構成されていて、この場合、成分(A2)または(A3)または(A4)またはこれらの混合物の割合は、少なくとも10質量%である。
【0046】
成分A1)は、テレフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから誘導される単位20〜90質量%を含む。
【0047】
テレフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから誘導される単位の他に、コポリアミドは、場合により、ε−カプロラクタムから誘導される単位、および/またはアジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから誘導される単位、および/または他のポリアミド形成するモノマーから誘導される単位を含む。
【0048】
芳香族ジカルボン酸A4)は、8〜16の炭素原子を有する。適切な芳香族ジカルボン酸は、例えばイソフタル酸、置換されたテレフタル酸およびイソフタル酸、例えば3−t−ブチルイソフタル酸、多核ジカルボン酸、例えば4,4′−および3,3′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−および3,3′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−および3,3′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,4−または2,6−ナフタレンジカルボン酸、フェノキシテレフタル酸であり、この場合、イソフタル酸が特に好ましい。
【0049】
他のポリアミド形成するモノマーA4)は、4〜16の炭素原子を有するジカルボン酸、および4〜16の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジアミンから、ならびに7〜12の炭素原子を有するアミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されていてよい。このタイプの適切なモノマーとして、ここでは、脂肪族ジカルボン酸の代表例として、スベリン酸、アゼライン酸またはセバシン酸が、ジアミンの代表例として、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ピペラジン、4,4′−ジアミノジシクロ−ヘキシルメタン、2,2−(4,4′−ジアミノジシクロ−ヘキシル)プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロ−ヘキシルメタンまたはメタキシリレンジアミンが、およびラクタムもしくはアミノカルボン酸の代表例として、カプリルラクタム、エナントラクタム、ω−アミノウンデカン酸およびラウリンラクタムが挙げられる。
【0050】
この種の適切なコポリアミドは、独国特許出願公開第102009011668号明細書(DE-A-10 2009 011 668)に詳細に説明されている。
【0051】
次の無限定の一覧は、本発明の意味範囲で挙げられたおよび他のポリアミド、ならびに含まれるモノマーを含む。
【0052】
AB−ポリマー:
PA4 ピロリドン
PA6 ε−カプロラクタム
PA7 エタノラクタム
PA8 カプリルラクタム
PA9 9−アミノペラルゴン酸
PA11 11−アミノウンデカン酸
PA12 ラウリンラクタム
【0053】
AA/BB−ポリマー
PA46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA MXD6 m−キシリレンジアミン、アジピン酸
【0054】
AA/BB−ポリマー
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA6/6T (PA6およびPA6T参照)
PA6/66 (PA6およびPA66参照)
PA6/12 (PA6およびPA12参照)
PA66/6/610 (PA66、PA6およびPA610参照)
PA6I/6T (PA6IおよびPA6T参照)
PAPACM12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム
【0055】
PA6I/6T/PACMT 例えばPA6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PA6T/6I/MACMT 例えばPA6I/6T+ジメチルジアミノシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PA6T/6I/MXDT 例えばPA6I/6T+m−キシリレンジアミン、テレフタル酸
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PAPDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸
【0056】
さらに、本発明の場合に好ましくは、成分Aとして、ポリエステル/ポリカルボナートが使用される。
【0057】
本発明による方法の1実施形態の場合に、本発明により使用されるポリエステルは、芳香族または脂肪族ヒドロキシカルボン酸から製造される。本発明によるポリエステル中で使用される脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、場合により、場合によりさらに官能基で置換されたC
1〜C
8−アルキル鎖で置換されたC
1〜C
12−カルボン酸であり、これは、COOH基の他に、さらに少なくとも1つのOH基を有する。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は、2−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシペンタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、リンゴ酸、酒石酸およびクエン酸からなる群から選択される。本発明により使用可能な芳香族ヒドロキシカルボン酸は、7〜20の炭素原子および少なくとも1つのヒドロキシ官能基を有し、好ましくは本発明により使用可能なポリエステル中で、o−、m−またはパラ−ヒドロキシ安息香酸が使用される。
【0058】
本発明による方法の別の実施形態の場合に、使用可能なポリエステルは、二酸およびジオールを含む。
【0059】
本発明によるポリエステル中に含まれる二酸は、4〜18の炭素原子を有する脂肪族または芳香族二酸であってよい。好ましくは、ジカルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
特に好ましくは、ポリエステル中に含まれる二酸は、テレフタル酸またはナフタル二酸またはこれらの混合物から選択される。
【0061】
本発明により使用可能なポリエステル中に含まれるジオールは、6〜20の炭素原子を有する脂環式ジオール、または2〜20の炭素原子を有する脂肪族ジオールであってよい。好ましくは、ポリエステル中に含まれるジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンおよび2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタンまたはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0062】
好ましい実施形態の場合に、本発明により使用可能なポリエステルは、ジオール成分としてエチレングリコールを含む。
【0063】
本発明の特に好ましい実施形態の場合に、ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)もしくはポリエチレンナフタラート(PEN)のホモポリマー、またはこれらの混合物が使用される。
【0064】
ポリエチレンテレフタラートまたはポリブチレンテレフタラートの、本発明により使用されるホモポリマーは、好ましくは0.50〜0.99、特に好ましくは0.60〜0.85、さらに特に好ましくは0.65〜0.80の対数粘度数を示す。
【0065】
本発明により使用可能なポリエステルの分子量は、好ましくは10,000〜50,000g/molの範囲にある。
【0066】
本発明により使用されるポリエステルの製造は、当業者に公知の方法に従って行われ、これについて、Encycl. Polym. Sci. Engng.12, 1 - 313およびHouben-Weyl E20/2, 1405 - 1429, Ullmann (4.) 19, 61 - 88が参照される。
【0067】
さらに、好ましくは、PETリサイクル物(スクラップPETともいわれる)は、場合によりPBTのようなポリアルキレンテレフタラートと混合して使用される。
【0068】
リサイクル物とは、一般に次のものであると解釈される:
1)いわゆる産業廃棄物リサイクル物(Post Industrial Rezyklat):これは、重縮合時または加工時の製造屑、例えば射出成形加工時のフィード、射出成形加工または押出成形時の始動屑、または押し出されたプレートまたはフィルムの裁ち落とし屑である。
2)一般廃棄物リサイクル物(Post Consumer Rezyklat):これは、最終消費者による利用後に集められかつ後処理されたプラスチック製品である。量的にはるかに優勢な製品は、ミネラルウォーター、ソフトドリンクおよびジュース用のブロー成形されたPETボトルである。
【0069】
両種のリサイクル物は、粉砕物または顆粒物の形で存在することができる。後者の場合に、原料リサイクル物は、分離および清浄化した後に押出機中で溶融され、顆粒化される。これにより、大抵は、更なる加工工程のために取扱性、流動性および計量分配性が軽減される。
【0070】
顆粒化されたリサイクル物も、粉砕物として存在するリサイクル物も使用することができ、この場合、最大の片の長さは、10mmであり、好ましくは8mm未満であることが好ましい。
【0071】
加工時に(微量の水分による)ポリエステルの加水分解による分解に基づいて、リサイクル物を予備乾燥することが推奨される。乾燥後の残留水分含有量は、好ましくは<0.2%、殊に<0.05%である。
【0072】
他の群として、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される全ての芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0073】
芳香族ジカルボン酸として、既にポリアルキレンテレフタラートにおいて記載された化合物が適している。好ましくは、イソフタル酸5〜100mol%およびテレフタル酸0〜95mol%からなる混合物、殊にテレフタル酸約80%とイソフタル酸20%との混合物ないしこれら両方の酸のほぼ当量の混合物が使用される。
【0074】
芳香族ジヒドロキシ化合物は、好ましくは一般式
【化1】
[式中、Zは、8までのC原子を有するアルキレン基またはシクロアルキレン基、12までのC原子を有するアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子または硫黄原子または化学結合であり、かつmは、0〜2の値を示す]を示す。これらの化合物は、フェニレン基に、C
1〜C
6−アルキル基またはアルコキシ基、およびフッ素、塩素またはホウ素を置換基として有していてよい。
【0075】
これらの化合物の母体として、例えば
ジヒドロキシジフェニル、
ジ−(ヒドロキシフェニル)アルカン、
ジ−(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、
ジ−(ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ジ−(ヒドロキシフェニル)エーテル、
ジ−(ヒドロキシフェニル)ケトン、
ジ−(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
α,α′−ジ−(ヒドロキシフェニル)−ジアルキルベンゼン、
ジ−(ヒドロキシフェニル)スルホン、ジ−(ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン
レゾルシンおよびヒドロキノン、ならびにこれらの環アルキル化されたまたは環ハロゲン化された誘導体が挙げられる。
【0076】
これらの中で、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、
2,4−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン
α,α′−ジ−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,2−ジ−(3′−メチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび
2,2−ジ−(3′−クロロ−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ならびに殊に
2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン
2,2−ジ−(3′,5−ジクロロジヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
3,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび
2,2−ジ(3′,5′−ジメチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン
またはこれらの混合物が好ましい。
【0077】
もちろん、ポリアルキレンテレフタラートと完全芳香族ポリエステルとの混合物も使用することができる。これは、一般にポリアルキレンテレフタラート20〜98質量%および完全芳香族ポリエステル2〜80質量%を含む。
【0078】
もちろん、コポリエーテルエステルのようなポリエステルブロックコポリマーも使用することができる。この種の生成物は自体公知であり、文献、例えば米国特許第3651014号明細書(US-A 3 651 014)に記載されている。市場でも、相応する生成物、例えばHytrel(登録商標)(DuPont)が入手可能である。
【0079】
ポリエステルとは、本発明の場合に、ハロゲン不含のポリカルボナートであるとも解釈されるべきである。適切なハロゲン不含のポリカルボナートは、例えば一般式
【化2】
[式中、Qは、単結合、C
1〜C
8−アルキレン基、C
2〜C
3−アルキリデン基、C
3〜C
6−シクロアルキリデン基、C
6〜C
12−アリーレン基、ならびに−O−、−S−または−SO
2−を意味し、かつmは、0〜2の整数である]のジフェノールを基礎とするポリカルボナートである。
【0080】
これらのジフェノールは、フェニレン基に、C
1〜C
6−アルキルまたはC
1〜C
6−アルコキシのような置換基を有していてもよい。
【0081】
この式の好ましいジフェノールは、例えばヒドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサンである。2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンおよび1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、ならびに1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
【0082】
ホモポリカルボナートも、コポリカルボナートも、成分Aとして適していて、ビスフェノールA単独重合体の他に、ビスフェノールAのコポリカルボナートが好ましい。
【0083】
適切なポリカルボナートは、公知のように分枝されていてよく、しかも好ましくは、使用されたジフェノールの合計を基準として0.05〜2.0mol%の少なくとも三官能性化合物、例えば3以上のフェノール系OH基を有する三官能性化合物の組込により分枝されていてよい。
【0084】
1.10〜1.50、殊に1.25〜1.40の相対粘度η
relを示すポリカルボナートが特に適していることが判明した。これは、10000〜200000g/mol、好ましくは20000〜80000g/molの平均分子量M
w(質量平均値)に相当する。
【0085】
一般式のジフェノールは、自体公知であるか、または公知の方法により製造可能である。
【0086】
ポリカルボナートの製造は、例えば、ジフェノールを、界面法によりホスゲンと、または均一相中での方法(いわゆるピリジン法)によりホスゲンと反応させることにより行うことができ、この場合、それぞれ調節されるべき分子量は、公知の方法で、公知の連鎖停止剤の相応する量により達成される。(ポリジオルガノシロキサン含有のポリカルボナートに関しては、例えば独国特許出願公開第3334782号明細書(DE-OS 33 34 782)を参照)。
【0087】
適切な連鎖停止剤は、例えばフェノール、p−t−ブチルフェノール、さらには、長鎖アルキルフェノール、例えば独国特許出願公開第2842005号明細書(DE-OS 28 42 005)による4−(1,3−テトラメチル−ブチル)−フェノール、または独国特許出願公開第3506472号明細書(DE-A 35 06 472)によるアルキル置換基中に全体で8〜20のC原子を有するモノアルキルフェノールまたはジアルキルフェノール、例えばp−ノニルフェニル、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチル−ヘプチル)−フェノールおよび4−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールである。
【0088】
本発明の意味範囲で、ハロゲン不含のポリカルボナートは、このポリカルボナートが、ハロゲン不含のジフェノール、ハロゲン不含の連鎖停止剤および場合によりハロゲン不含の分枝化剤(Verzweiger)から構築されていることを意味し、この場合、例えば界面法によりホスゲンを用いたポリカルボナートの製造から生じる副次的なppm量のけん化可能な塩素の含有率は、本発明の意味範囲でハロゲン含有とは見なされない。ppm含有率でけん化可能な塩素を含むこの種のポリカルボナートは、本発明の意味範囲で、ハロゲン不含のポリカルボナートである。
【0089】
別の適切な成分A)として、非結晶性ポリエステルカルボナートが挙げられ、この場合、ホスゲンは、製造の際にイソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸単位および/またはテレフタル酸単位に置き換えられた。更なる詳細について、この箇所で、欧州特許出願公開第711810号明細書(EP-A 711 810)を指摘する。
【0090】
モノマー単位としてシクロアルキル基を有する別の適切なコポリカルボナートは、欧州特許出願公開第365916号明細書(EP-A 365 916)に記載されている。
【0091】
さらに、ビスフェノールAを、ビスフェノールTMCに置き換えることができる。この種のポリカルボナートは、Bayer社の商標APEC HT(登録商標)の下で得られる。
【0092】
成分Bとして、上述した、少なくとも1種の金属酸化物で被覆された雲母が使用される。
【0093】
成分Cとして、成分Bとは異なる少なくとも1種の難燃剤が使用される。
【0094】
この場合、成分Cとして任意の適切な難燃剤を使用することができる。
【0095】
好ましい難燃剤の例としての赤リン
【0096】
赤リンは、この種の好ましい難燃剤である。この赤リンは、未処理の形で、殊に繊維強化された成形材料と一緒に使用することができる。
【0097】
この赤リンは、シリコーン油、パラフィン油、またはフタル酸もしくはアジピン酸のエステルのような低分子量の液状物質で、またはフェノール系樹脂またはアミノ樹脂のようなポリマーのまたはオリゴマーの化合物で、またはポリウレタンで被覆されていてもよい。この剤の割合は、一般に、赤リンを基準として0.05〜5質量%である。
【0098】
赤リンは、濃縮物の形で使用してもよい。この種の濃縮物は、ポリアミドまたはエラストマー30〜90質量%、好ましくは45〜70質量%、および赤リン10〜70質量%、好ましくは30〜55質量%を含むことができる。
【0099】
赤リンは、相応する添加物の水溶液または懸濁液の形で存在してもよく、この場合、赤リンを適用の前に濾過し、水で洗浄し、かつ乾燥させる。成形材料中に分散されるリン粒子の平均粒度(D
50)は、好ましくは0.0001〜0.5mm、好ましくは0.001〜0.2mmの範囲にある。
【0100】
成分Cの好ましい難燃剤の例は、次亜リン酸から誘導される金属ホスフィン酸塩である。例示的に、金属としてMg、Ca、AlまたはZnを含む次亜リン酸の金属塩を使用することができる。この場合、次亜リン酸アルミニウムが特に好ましい。
【0101】
式(I)のホスフィン酸塩または/および式(II)のジホスフィン酸塩、またはこれらのポリマーも適している。
【化3】
前記式中、
R
1、R
2は、同じまたは異なり、水素、線状または分枝状のC
1〜C
6−アルキルおよび/またはアリールであり;
R
3は、線状または分枝状のC
1〜C
10−アルキレン、C
6〜C
10−アリーレン、C
6〜C
10−アルキルアリーレンまたはC
6〜C
10−アリールアルキレン;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化された窒素塩基;
mは、1〜4;nは、1〜4;xは、1〜4を意味し、好ましくは、m=3、x=3である。
【0102】
好ましくは、成分BのR
1、R
2は、同じまたは異なり、かつ水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルを意味する。
【0103】
好ましくは、成分BのR
3は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン、フェニレンまたはナフチレン;メチル−フェニレン、エチル−フェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチル−ナフチレン、エチル−ナフチレンまたはtert−ブチルナフチレン;フェニル−メチレン、フェニル−エチレン、フェニル−プロピレンまたはフェニル−ブチレンを意味する。
【0104】
R
1、R
2は、水素、メチル、エチルおよびM=Alであるのが特に好ましく、この場合、次亜リン酸Alが特に好ましい。
【0105】
ホスフィン酸塩の製造は、好ましくは、水溶液からの相応する金属塩の沈殿により行われる。しかしながら、ホスフィン酸塩は、担持材料として適切な無機金属酸化物または金属硫化物(白色顔料、例えばTiO
2、SnO
2、ZnO、ZnS、SiO
2)の存在で、沈殿させることもできる。したがって、熱可塑性ポリエステル用のレーザーマーキング可能な難燃剤として使用することができる表面変性された顔料が得られる。
【0106】
好ましくは、次亜リン酸の代わりに、1つまたは2つの水素原子が、フェニル、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチルまたは基R′−CH−OHに置き換えられ、ここでR′−は、水素、フェニルまたはトルイルである、置換ホスフィン酸の金属塩が使用される。この場合、金属は、好ましくは、Mg、Ca、Al、Zn、Ti、Feである。ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAL)が特に好ましい。
【0107】
ホスフィン酸塩またはジホスフィン酸塩の記載について、独国特許出願公開第19960671号明細書(DE-A-199 60 671)、ならびに独国特許出願公開第4430932号明細書(DE-A-44 30 932)および独国特許出願公開第19933901号明細書(DE-A-199 33 901)も指摘することができる。
【0108】
適切なハロゲン含有難燃剤は、好ましくは、臭素化された化合物、例えば臭素化ジフェニルエーテル、臭素化トリメチルフェニルインダン(DSBのFR 1808)、テトラブロモビスフェノールAおよびヘキサブロモシクロドデカンである。
【0109】
適切な難燃剤は、好ましくは臭素化された化合物、例えば構造:
【化4】
の臭素化されたオリゴ−カルボナート(Great Lakes社のBC 52またはBC 58)である。
【0110】
殊に、式:
【化5】
のn>4を示すポリペンタブロモベンジルアクリラート(例えばICL-IP社のFR 1025)が適している。
【0111】
さらに、好ましい臭素化された化合物は、式:
【化6】
の、テトラブロモ−ビス−フェノールAと、エポキシドとのオリゴマーの反応生成物(n>3)(例えばDSB社のFR 2300および2400)である。
【0112】
難燃剤として好ましく使用される臭素化されたオリゴスチレンは、トルエン中で蒸気圧浸透圧法により測定して、3〜90、好ましくは5〜60の平均重合度(数平均)を示す。環状のオリゴマーも同様に適している。本発明の好ましい実施形態の場合に、使用されるべき臭素化されたオリゴマーのスチレンは、次の式Iを示し、この場合、Rは、水素または脂肪族基、特にアルキル基、例えばCH
2またはC
2H
5を意味し、nは、繰り返される鎖構造単位の数を意味する。R
1は、Hでも、臭素でも、通常のラジカル形成剤の断片であってもよい:
【化7】
【0113】
値nは、1〜88、好ましくは3〜58であってよい。臭素化されたオリゴスチレンは、臭素を40〜80質量%、好ましくは55〜70質量%含む。主にポリジブロモスチレンからなる生成物が好ましい。この物質は、分解されずに溶融可能であり、かつ例えばテトラヒドロフラン中に可溶である。この物質は、例えば(独国特許出願公開第2537385号明細書(DT-OS 25 37 385)による)スチレンの熱重合によって得られるような、場合により脂肪族の水素化された、スチレンオリゴマーの環臭素化によるか、または適切な臭素化されたスチレンのラジカルオリゴマー化によって製造することができる。難燃剤の製造は、スチレンのイオン性のオリゴマー化および引き続く臭素化によっても行うことができる。ポリアミドに難燃性を付与するために必要な、臭素化されたオリゴスチレンの量は、臭素含有率に依存する。本発明による成形材料中の臭素含有率は、2〜30質量%、好ましくは5〜12質量%である。
【0114】
本発明による臭素化されたポリスチレンは、通常では、欧州特許出願公開第47549号明細書(EP-A 47 549)に記載された方法によって得られる:
【化8】
【0115】
この方法によりおよび市場で入手可能な臭素化されたポリスチレンは、主に環置換された三臭素化された生成物である。n′(III参照)は、一般に125〜1500の値を示し、これは、42500〜235000、好ましくは130000〜135000の分子量に相当する。
【0116】
臭素含有率(環置換された臭素の含有率を基準として)は、一般に少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、殊に65質量%である。
【0117】
市場で入手可能な粉末状の生成物は、一般に、160〜200℃のガラス転移温度を示し、かつ例えばAlbemarle社のHP 7010およびFerro Corporation社のPyrocheck PB 68の商品名で入手可能である。
【0118】
臭素化されたオリゴスチレンと、臭素化されたポリスチレンとの混合物を本発明による成形材料中で使用することもでき、この場合、混合割合は任意である。
【0119】
さらに、塩素化された難燃剤が適しており、この場合、Oxychem社のDeclorane plusが好ましい。
【0120】
適切なハロゲン化された難燃剤は、好ましくは環臭素化されたポリスチレン、臭素化されたポリベンジルアクリラート、臭素化されたビスフェノールA−エポキシド−オリゴマーまたは臭素化されたビスフェノールA−ポリカルボナートである。
【0121】
これは、窒素化合物、好ましくはメラミン化合物、例えばメラミンボラート、メラミンホスファート、メラミンスルファート、メラミンピロホスファート、メラミンポリホスファート、メラム、メレム、メロンまたはメラミンシアヌラートであってもよい。
【0122】
本発明による好ましく適切なメラミンシアヌラートは、好ましくは等モル量のメラミン(式I)とシアヌル酸またはイソシアヌル酸(式IaおよびIb)からの反応生成物である。
【化9】
【0123】
これは、例えば、90〜100℃で、出発化合物の水溶液の反応により得られる。市場で入手可能な生成物は、1.5〜7μmの平均粒度d
50および50μm未満のd
99値を示す白色粉末である。
【0124】
他の適切な化合物(しばしば塩または付加物ともいわれる)は、硫酸メラミン、メラミン、ホウ酸メラミン、シュウ酸メラミン、リン酸メラミンprim、リン酸メラミンsecおよびピロリン酸メラミンsec、ネオペンチルグリコールホウ酸メラミン、およびポリマーのリン酸メラミン(CAS-No.56386-64-2または218768-84-4)である。
【0125】
平均縮合度の数nが20〜200であり、かつ1,3,5−トリアジン含有率が、リン原子1mol当たり、メラミン、メラム、メレム、メロン、アメリン、アメリド、2−ウレイドメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンおよびジアミンフェニルトリアジンからなる群から選択される1,3,5−トリアジン化合物1.1〜2.0molである1,3,5−トリアジン化合物のメラミンポリリン酸塩が好ましい。好ましくは、このような塩のn値は、一般に40〜150であり、リン原子1mol当たりの1,3,5−トリアジン化合物の比率は、好ましくは1.2〜1.8である。さらに、欧州特許第1095030号明細書(EP-B1095030)により製造された塩の10質量%の水性懸濁液のpHは、一般に4.5より大きく、好ましくは少なくとも5.0である。このpH値は、通常では、塩25gおよび清浄な水225gを25℃で300mlのビーカーに注ぎ込み、生じる水性懸濁液を30分間攪拌し、次いでpHを測定することにより決定される。上述の、数平均の縮合度のn値は、31P−固体NMRを用いて決定することができる。J. R. van Wazer, C. F. Callis, J. ShooleryおよびR. Jones, J. Am. Chem. Soc., 78, 5715, 1956からは、隣接するホスファート基の数は、ユニークな化学シフトを示し、これはオルトホスファート、ピロホスファート、およびポリホスファートの間の明確な区別を可能にすることが公知である。欧州特許第1095030号明細書(EP1095030B1)には、さらに、20〜200のn値を示し、かつ1,3,5−トリアジン含有率が、1,3,5−トリアジン化合物の1.1〜2.0molである、1,3,5−トリアジン化合物の所望のポリリン酸塩の製造方法が記載されている。この方法は、1,3,5−トリアジン化合物とオルトリン酸とからそのオルトリン酸塩にする反応、引き続き、このオルトリン酸塩を1,3,5−トリアジン化合物のポリホスファートに変換するための脱水および熱処理を含む。この熱処理は、好ましくは、少なくとも300℃、および好ましくは少なくとも310℃の温度で実施される。1,3,5−トリアジン化合物のオルトホスファートに加えてさらに、同様に、例えばオルトホスファートとピロホスファートとの混合物を含めた他の1,3,5−トリアジンホスファートを使用することができる。
【0126】
適切なグアニジン塩は、
CAS-No.
G−カルボナート 593−85−1
G−シアヌラート prim 70285−19−7
G−ホスファート prim 5423−22−3
G−ホスファート sec 5423−23−4
G−スルファート prim 646−34−4
G−スルファート sec 594−14−9
ペンタエリトリットボロン酸グアニジン N.A.
ネオペンチルグリコールボロン酸グアニジン N.A.
ならびに尿素ホスファート グリーン 4861−19−2
尿素シアヌラート 57517−11−0
アメリン(Ammelin) 645−92−1
アメリド(Ammelid) 645−93−2
メレム 1502−47−2
メロン(Melon) 32518−77−7
【0127】
本発明の意味範囲で化合物とは、例えばベンゾグアナミン自体およびその付加物またはその塩であるとも、窒素が置換された誘導体およびその付加物またはその塩であるとも解釈されるべきである。
【0128】
さらに、nが、約200〜1000、好ましくは600〜800を示すアンモニウムポリホスファート(NH
4PO
3)
n、および式IV
【化10】
のトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート(THEIC)、
またはそれと、場合により相互の混合物の形で存在してよい芳香族カルボン酸Ar(COOH)
mとの反応生成物が適していて、ここでArは、単環、二環または三環の芳香族六員環系を意味し、かつmは、2、3または4である。
【0129】
適切なカルボン酸は、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリト酸、メロファン酸(Mellophansaeure)、プレニット酸(Prehnitsaeure)、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、ナフタレンジカルボン酸およびアントラセンカルボン酸である。
【0130】
この製造は、欧州特許出願公開第584567号明細書(EP-A 584 567)の方法により、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラートと、酸、そのアルキルエステルまたはそのハロゲン化物との反応により行われる。
【0131】
この種の反応生成物は、架橋されていてもよいモノマーおよびオリゴマーのエステルの混合物である。オリゴマー化度は、通常では2〜約100、好ましくは2〜20である。好ましくは、THEICの混合物および/またはそのリン含有窒素化合物、殊に(NH
4PO
3)
nまたはメラミンピロホスファートまたはポリマーのメラミンホスファートとの反応生成物が使用される。例えば(NH
4PO
3)
nとTHEICとの混合比率は、好ましくは、この種の成分B1)の混合物を基準として、90〜50:10〜50、殊に80〜50:50〜20質量%である。
【0132】
さらに、式V
【化11】
[式中、R、R′は、1〜10のC原子を有する直鎖のまたは分枝したアルキル基、好ましくは水素を意味する]のベンゾグアナミン化合物、および殊にそれとリン酸、ホウ酸および/またはピロリン酸との付加物が適している。
【0133】
式VI
【化12】
[式中、R、R′は、式Vに記載された意味を有する]のアラントイン化合物、ならびにそのリン酸、ホウ酸および/またはピロリン酸との塩、ならびに式VII
【化13】
[式中、Rは、式Vに記載された意味を有する]のグリコールウリル、またはこれと上述の酸との塩が好ましい。
【0134】
適切な生成物は、市場で入手可能であるかまたは独国特許出願公開第19614424号明細書(DE-A 196 14 424)に従って得ることができる。
【0135】
本発明により使用可能なシアングアニジン(式VIII)は、例えば、石灰窒素(カルシウムシアナミド)と炭酸との反応により得られ、この場合に生じるシアナミドは、pH9〜10で二量化してシアングアニジンになる。
【化14】
【0136】
市場で入手可能な生成物は、209℃〜211℃の融点を示す白色粉末である。
【0137】
特に好ましくは、メラミンシアヌラート(例えばBASF SEのMelapur MC25)またはメラミンポリホスファート(例えばBASF SEのMelapur M200)が使用される。
【0138】
さらに、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのような単独の金属酸化物、アンチモン酸ナトリウム、および類似の金属酸化物を使用してよい。しかしながら、好ましくは、この種の金属酸化物の使用は省かれる、というのもこれらの金属酸化物は、既に成分B中に存在するためである。ペンタブロモベンジルアクリラートおよび三酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンの記載について、欧州特許出願公開第0624626号明細書(EP-A-0 624 626)を指摘することができる。
【0139】
さらに、リン、例えば赤リンを、成分Cとして使用してよい。この場合、赤リンは、例えばマスターバッチの形で使用してよい。
【0140】
さらに、式
【化15】
[式中、
R
1〜R
4は、互いに無関係に、ハロゲンまたは水素を意味し、ただし、基R
1〜R
4の少なくとも1つはハロゲンを意味する、
x=1〜3、好ましくは1、2
m=1〜9、好ましくは1〜3、6、9、殊に1〜3
n=2〜3
M=アルカリ土類、Ni、Ce、Fe、In、Ga、Al、Pb、Y、Zn、Hg]のジカルボン酸塩が挙げられる。
【0141】
好ましいジカルボン酸塩は、基R
1〜R
4として、互いに無関係にClまたは臭素または水素を含み、殊に好ましくは全ての基R
1〜R
4は、Clおよび/またはBrを含む。
【0142】
金属Mとして、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Zn、Feが好ましい。
【0143】
この種のジカルボン酸塩は、市場で入手可能であるかまたは米国特許第3354191号明細書(US 3354 191)に記載された方法により製造可能である。
【0144】
成分Cは、好ましくはホスフィン酸塩、ハロゲン含有難燃剤、リン、メラミン化合物またはこれらの2つ以上の混合物である。
【0145】
この場合、成分Cは、好ましくは
c1)ジエチルホスフィン酸アルミニウムおよび/または次亜リン酸アルミニウム、
c2)少なくとも1種のメラミン化合物と組み合わせたジエチルホスフィン酸アルミニウムおよび/または亜リン酸アルミニウム
c3)赤リン
c4)ポリペンタブロモベンジルアクリラート
から選択することができる。
【0146】
成分Dとして、成分Aとは異なる官能性ポリマーを使用することができる。これは、例えば防炎性ポリマーであってよい。この種のポリマーは、例えば米国特許第8,314,202号明細書(US 8,314,202)に記載されていて、かつ1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン繰返単位を示す。炭残留量を高めるためにさらに適した官能性ポリマーは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)(PPPO)である。
【0147】
これは、ゴム弾性の重合体(しばしば、耐衝撃性改質剤、エラストマーまたはゴムともいわれる)であってもよい。
【0148】
全く一般的に、これは、好ましくは少なくとも2つの次のモノマーから構成されている共重合体である:エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブテン、イソプレン、クロロプレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル、およびアルコール成分中に1〜18のC原子を有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル。
【0149】
この種のポリマーは、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Bd. 14/1(Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961)、第392頁〜第406頁、およびC.B. Bucknallの論文「Toughened Plastics」(Applied Science Publishers, London, 1977)に記載されている。
【0150】
次に、このようなエラストマーのいくつかの好ましい種類を紹介する。
【0151】
エラストマーの好ましい種類は、いわゆるエチレン−プロピレン(EPM)ゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴムである。
【0152】
EPMゴムは、一般に、実際に二重結合をもはや含まず、EPDMゴムは、C原子100当たり1〜20の二重結合を有していてよい。
【0153】
EPDM−ゴム用のジエン−モノマーとして、例えば共役ジエン例えばイソプレンおよびブタジエン、5〜25のC原子を有する非共役ジエン、例えばペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,5−ジエン、2,5−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンおよびオクタ−1,4−ジエン、環状ジエン、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエンおよびジシクロペンタジエン、ならびにアルケニルノルボルネン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネンおよびトリシクロジエン、例えば3−メチル−トリシクロ(5.2.1.0.2.6)−3,8−デカジエンまたはこれらの混合物が挙げられる。ヘキサ−1,5−ジエン、5−エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンが好ましい。EPDMゴムのジエン含有率は、ゴムの全質量を基準として、好ましくは0.5〜50質量%、殊に1〜8質量%である。
【0154】
EPMゴムまたはEPDMゴムは、好ましくは反応性カルボン酸またはその誘導体でグラフトされていてもよい。ここでは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、それらの誘導体、例えばグリシジル(メタ)アクリラート、ならびに無水マレイン酸が挙げられる。
【0155】
好ましいゴムの他の群は、エチレンと、アクリル酸および/またはメタクリル酸、および/またはこれらの酸のエステルとのコポリマーである。さらに、ゴムは、ジカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸またはこれらの酸の誘導体、例えばエステルおよび無水物、および/またはエポキシ基を含むモノマーを含んでよい。これらのジカルボン酸誘導体またはエポキシ基含有モノマーは、好ましくは、一般式IまたはIIまたはIIIまたはIVのジカルボン基もしくはエポキシ基を含むモノマーをモノマー混合物に添加することによりゴム中に組み込まれる。
【化16】
ここで、R
1〜R
9は、水素または1〜6のC原子を有するアルキル基を表し、mは、0〜20の整数であり、gは、0〜10の整数であり、pは0〜5の整数である。
【0156】
好ましくは、基R
1〜R
9は、水素を意味し、この場合、mは0または1を表し、かつgは、1を表す。相応する化合物は、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルである。
【0157】
式I、IIおよびIVの好ましい化合物は、マレイン酸、無水マレイン酸およびアクリル酸および/またはメタクリル酸のエポキシ基含有エステル、例えばグリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、および第三級アルコールのエステル、例えばt−ブチルアクリラートである。後者は、遊離カルボキシル基を有していないが、この挙動については遊離酸に近く、したがって、潜在的カルボキシル基を有するモノマーといわれる。
【0158】
好ましくは、コポリマーは、エチレン50〜98質量%、エポキシ基を含むモノマーおよび/またはメタクリル酸および/または酸無水物基を含むモノマー0.1〜20質量%、ならびに残りの量の(メタ)アクリル酸エステルからなる。
【0159】
特に好ましくは、共重合体は、
エチレン50〜98質量%、殊に55〜95質量%
グリシジルアクリラートおよび/またはグリシジルメタクリラート、(メタ)アクリル酸および/またはマレイン酸無水物0.1〜40質量%、殊に0.3〜20質量%、および
n−ブチルアクリラートおよび/または2−エチルヘキシルアクリラート1〜45質量%、殊に10〜40質量%からなる。
【0160】
さらに好ましいアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、およびi−またはt−ブチルエステルである。
【0161】
その他に、ビニルエステルおよびビニルエーテルを、コモノマーとして使用してもよい。
【0162】
上述のエチレンコポリマーは、自体公知の方法、好ましくは高圧および高めた温度下でのランダム共重合により製造することができる。相応する方法は、一般に公知である。
【0163】
好ましいエラストマーは、例えばBlackleyが論文「Emulsion Polymerization」で製造を記載する乳化重合体でもある。使用可能な乳化剤および触媒は、自体公知である。
【0164】
原則的に、均一に構成されたエラストマーまたはシェル構造を示すエラストマーも使用してよい。シェル状構造は、個々のモノマーの添加順序により決定され、ポリマーのモルホロジーは、この添加順序により影響を受ける。
【0165】
代表的には、ここでは、エラストマーのゴム部分の製造のためのモノマーとして、アクリラート、例えばn−ブチルアクリラートおよび2−エチルヘキシルアクリラート、相応するメタクリラート、ブタジエンおよびイソプレン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。これらのモノマーは、他のモノマー、例えばスチレン、アクリルニトリル、ビニルエーテルおよび他のアクリラートまたはメタクリラート、例えばメチルメタクリラート、メチルアクリラート、エチルアクリラートおよびプロピルアクリラートと共重合することができる。
【0166】
エラストマーの軟質相またはゴム相(0℃未満のガラス転移温度を示す)は、コア、外側被覆または中央のシェル(2つ以上のシェル構造を示すエラストマーの場合)であり、複数シェルエラストマーの場合、複数のシェルは、1つのゴム相からなっていてもよい。
【0167】
ゴム相の他に、エラストマーの構造に1つ以上の硬質成分(20℃より高いガラス転移温度を示す)が関与する場合、硬質成分は、一般に、主要モノマーとして、スチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチルアクリラート、エチルアクリラートおよびメチルメタクリラートの重合により製造される。その他に、ここでは、僅かな割合の他のコモノマーを使用してもよい。
【0168】
いくつかの場合に、表面に反応性基を有する乳化重合体を使用することが好ましいことが判明した。この種の基は、例えばエポキシ基、カルボキシル基、潜在的カルボキシル基、アミノ基、またはアミド基、ならびに一般式
【化17】
[この場合、置換基は次の意味を有していてよい:
R
10は、水素またはC
1〜C
4−アルキル基、
R
11は、水素、C
1〜C
8−アルキル基、またはアリール基、殊にフェニル、
R
12は、水素、C
1〜C
10−アルキル基、C
6〜C
12−アリール基、または−OR
13
R
13は、場合によりO含有またはN含有基で置換されていてよいC
1〜C
8−アルキル基、またはC
6〜C
12−アリール基、
Xは、化学結合、C
1〜C
10−アルキレン基、またはC
6〜C
12−アリーレン基
または
【化18】
Yは、O−ZまたはNH−Zおよび
Zは、C
1〜C
10−アルキレン基またはC
6〜C
12−アリーレン基]
のモノマーの併用によって導入することができる官能基である。
【0169】
欧州特許出願公開第208187号明細書(EP-A 208 187)に記載されたグラフトモノマーも、表面に反応性基を導入するために適している。
【0170】
他の例として、さらに、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびアクリル酸またはメタクリル酸の置換エステル、例えば(N−t−ブチルアミノ)−エチルメタクリラート、(N,N−ジメチル−アミノ)エチル−アクリラート、(N,N−ジメチルアミノ)−メチルアクリラートおよび(N,N−ジエチルアミノ)エチル−アクリラートが挙げられる。
【0171】
さらに、ゴム相の粒子は架橋されていてもよい。架橋剤として作用するモノマーは、例えばブタ−1,3−ジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタラート、およびジヒドロジシクロペンタジエニルアクリラート、ならびに欧州特許出願公開第50265号明細書(EP-A 50 265)に記載された化合物である。
【0172】
さらに、いわゆるグラフト架橋するモノマー(graft-linking monomers)、つまり重合の際に異なる速度で反応する2つ以上の重合可能な二重結合を有するモノマーを使用してもよい。好ましくは、少なくとも1つの反応性基が、他のモノマーとほぼ同じ反応速度で重合し、他方の反応性基(または複数の反応性基)は、例えば明らかにゆっくりと重合する化合物が使用される。異なる重合速度は、ゴム中の所定の割合の不飽和二重結合を必然的に伴う。引き続きこのようなゴムに他の相をグラフトする場合、ゴム中に存在する二重結合は少なくとも部分的に、化学結合を形成しながらグラフトモノマーと反応する、つまりグラフトされた相は少なくとも部分的にグラフト基体と化学結合を介して結合されている。
【0173】
このようなグラフト架橋するモノマーの例は、アリル基を含むモノマー、殊にエチレン系不飽和カルボン酸のアリルエステル、例えばアリルアクリラート、アリルメタクリラート、ジアリルマレアート、ジアリルフマラート、ジアリルイタコナートまたはこれらのジカルボン酸の相応するモノアリル化合物である。その他に、多数の他の適したグラフト架橋するモノマーが存在し、この更なる詳細については、ここで例えば米国特許第4148846号明細書(US-PS 4 148 846)を参照する。
【0174】
一般に、耐衝撃性を改質するポリマーの架橋するモノマーの割合は、耐衝撃性を改質するポリマーを基準として、5質量%まで、好ましくは3質量%以下である。
【0175】
次に、いくつかの好ましい乳化重合体を列挙する。まず、ここで、次の構造を示すコアおよび少なくとも1つの外側のシェルを示すグラフト重合体が挙げられる:
【数1】
【0176】
これらのグラフト重合体、殊に40質量%までの量のABSポリマーおよび/またはASAポリマーは、好ましくは、PBTの耐衝撃性改質のために、場合によりポリエチレンテラフタラート40質量%までと混合して使用される。相応するブレンド生成物は、Ultradur(登録商標)S(かつてはBASF AGのUltrablend(登録商標)S)の商標で入手可能である。
【0177】
複数シェル構造を示すグラフト重合体の代わりに、均質の、つまりブタ−1,3−ジエン、イソプレンおよびn−ブチルアクリラートまたはこれらのコポリマーからなる単一シェルのエラストマーを使用してもよい。これらの生成物も、架橋性モノマーまたは反応性基を有するモノマーと一緒に使用することにより製造してよい。
【0178】
好ましい乳化重合体の例は、n−ブチルアクリラート/(メタ)アクリル酸−コポリマー、n−ブチルアクリラート/グリシジルアクリラート−コポリマーまたはn−ブチルアクリラート/グリシジルメタクリラート−コポリマー、n−ブチルアクリラートからなるかまたはブタジエンを基礎とする内側のコアと、上述のコポリマーからなる外側の被覆とを備えたグラフト重合体、およびエチレンと反応性基を提供するコモノマーとのコポリマーである。
【0179】
記載されたエラストマーは、他の通常の方法によって、例えば懸濁重合によって製造されてもよい。
【0180】
独国特許出願公開第3725576号明細書(DE-A 37 25 576)、欧州特許出願公開第235690号明細書(EP-A 235 690)、独国特許出願公開第3800603号明細書(DE-A 38 00 603)および欧州特許出願公開第319290号明細書(EP-A 319 290)に記載されたようなシリコーンゴムも、同様に好ましい。
【0181】
もちろん、先に列挙されたゴムタイプの混合物を使用してもよい。
【0182】
成分Eとして、ガラス繊維が使用される。これは、エンドレス繊維または切断ガラス繊維として使用することができる通常のガラス繊維であってよい。ガラス繊維は、未被覆であるか、または被覆されていてよく、例えばシラン被膜で被覆されていてよい。
【0183】
成分Fとして、他の助剤を使用してよく、これは他の添加剤または加工助剤であってよい。例えば、鉱物性充填剤、例えばタルク、水酸化マグネシウム、ウォラストナイト針状晶、滑剤、例えばエステルワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、安定剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、フェノール、ホスフィット、およびホスホニットまたは酸捕捉剤、核生成剤、カーボンブラックまたは顔料、例えば白色顔料、例えばTiO
2、ZnO、ZrO
2、SnO
2、ZnSが適している。
【0184】
熱可塑性成形材料は、これらが存在する限り、上述の成分A〜Fを含む。この成形材料は、これらが存在する限り、上述の成分からなっていてもよい。
【0185】
成分A〜E(これらが存在する限り)の全体量は、この場合100質量%である。
【0186】
成分Aは、5〜99.9質量%、好ましくは0.1〜80質量%、特に好ましくは30〜70質量%、殊に50〜65質量%の量で使用される。
【0187】
成分Bは、0.05〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜2.5質量%、殊に0.5〜2質量%の量で使用される。
【0188】
成分Cは、0.1〜50質量%、好ましくは2〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%、殊に8〜20質量%の量で使用される。
【0189】
成分Dは、0〜35質量%、好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%、殊に0〜7質量%の量で使用される。これらの成分が存在する場合、最小量は、好ましくは0.1質量%、好ましくは少なくとも1質量%、殊に少なくとも3質量%である。
【0190】
成分Eは、0〜60質量%、好ましくは0〜50質量%、特に好ましくは0〜40質量%、殊に0〜30質量%の量で使用される。成分Eが存在する場合、最小量は、1質量%、好ましくは5質量%、特に好ましくは10質量%、殊に20質量%である。
【0191】
成分Fの量は、0〜10質量%、好ましくは0〜7質量%、特に好ましくは0〜5質量%、殊に0〜3質量%である。成分Fが存在する場合、この最小量は、0.1質量%、好ましくは0.5質量%、特に好ましくは1質量%である。
【0192】
本発明による熱可塑性成形材料は、公知の方法により、出発成分を通常の混合装置中で混合し、引き続き押し出すことにより、製造することができる。適切な加工機械は:Handbuch der Kunststoffextrusion, 第1巻、Grundlagen, Herausgeber F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989, 第3頁〜第7頁(ISBN 3-446-14339-4)および第2巻、Extrusionsanlagen, 1986(ISBN 3-446-14329-7)に記載されている。押出後に、押出成形物を冷却し、粉砕することができる。個々の成分を予備混合し、次いで残りの出発材料と個々におよび/または同様に混合することも、キャリアポリマー中の濃縮物(マスターバッチ)として添加することもできる。混合温度は、一般に、230〜320℃の範囲にある。
【0193】
本発明を、次の実施例により詳細に説明する。
【0194】
実施例
供給材料
【数2】
【0195】
加工:
成形材料の加工は、DSM Xplore 15 Mikro-Compounderの記述に従って行った。押出機は、260〜280℃の温度で運転した。二軸スクリューの回転数は80rpmであった。押出機の送りによるポリマーの滞留時間は、3minであった。成形品の製造のために、ポリマー融液を、加熱した融液溶液を用いて、射出成形機Xplore Micro-Injection成形機に10cc移し、型に直接射出した。60℃の金型温度を使用した。射出成形を、3段階で、16barで5s、16barで5s、および16barで4sで行った。ISO527-2/1 BA/2によるダンベルを、3段階で、14barで5s、14barで5s、および14barで4sで製造した。
【0196】
これとは別に、個々の成分をこのために二軸押出機(ZSK 18またはZSK 25)中で、20kg/hの処理量でかつ約260℃(PBT、PA6)で、または280℃(PA66)で、平坦な温度プロフィールで混合し、ストランドとして搬出し、粉砕可能になるまで冷却し、顆粒化した。表中に列挙された試験用の試験体は、Arburg 420型の射出成形機で約260〜280℃の材料温度で、かつ約80℃の金型温度で射出した。
【0197】
成形材料の組成および測定結果は、表から推知することができる。
【0198】
試験:
機械特性は、ISO 527-2/1 A/5に従って、かつシャルピー衝撃強さ(非接着)は、ISO 179-2/1 eUに従って決定した。
【0199】
成形材料の防炎性は、一方で方法UL94−V(Underwriters Laboratories Inc. Standard of Safety, 「Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances」, p. 14 - p. 18 Northbrook 1998)で決定した。DSM Xplore 15 Mikro-Compounderを用いて製造された調製物の場合には、短縮された方法を適用した。それぞれ2つの試験ロッドをUL94V試験用に上述した手順に従って試験した。燃焼時間の合計を、2つの試験体の時間の平均値として記載する。対応する実施例は特徴付けられている。
【0200】
煙道ガス密度、熱放出および燃焼後の残留物の決定は、ISO 5660-1:2002に従って行った。全てのプレートは、4mmの厚みを示す。50kWm
-2の熱放射出力で試験した。
【0201】
試験系統A
酸化亜鉛被覆を備えた雲母の製造
雲母50g(G1、G2またはG3)を含む水性ペースト69gを、水930mlに溶かした。この懸濁液に炭酸カリウム40gを添加した。この懸濁液を60℃に加熱した。8hの期間にわたり、L1を、次の表に列挙された質量比率を生じるような量で添加した。この場合、pHを炭酸カリウム溶液で、pH=10で一定に保持した。計量供給の完了後に、懸濁液を冷却し、濾過により母液と分離した。VE水で、伝導性が200μS未満に低下するまで洗浄した。フィルターケークを、まず循環空気庫中で110℃で乾燥し、磁器製シャーレ中でマッフル炉内で800℃〜1000℃の温度で1h焼成した。
【0202】
これとは別に、次のように製造を実施することができる:
雲母80g(G1、G2またはG3)を含む水性ペースト110gを、水930mlに溶かした。この懸濁液に炭酸カリウム50gを添加した。この懸濁液を60℃に加熱した。8hの期間にわたり、L2を、次の表に列挙された質量比率を生じるような量で添加した。この場合、pHを炭酸カリウム溶液で、pH値を9.5〜10.5の間に一定に保持した。計量供給の完了後に、懸濁液を冷却し、濾過により母液を分離した。VE水で、伝導性が200μS未満に低下するまで洗浄した。フィルターケークを、まず循環空気庫中で110℃で乾燥し、磁器製シャーレ中でマッフル炉内で800℃〜1000℃の温度で1h焼成した。
【0203】
L1:Zn(NO
3)
2・6H
2O 150gを、700ml中に溶かし、この溶液に水を1000mlになるまで注いだ。
L2:Zn(NO
3)
2・6H
2O 240gを、700ml中に溶かし、この溶液に水を1000mlになるまで注いだ。
雲母:
G1:d
50=31.9μmの光散乱(Malvern 3000)による粒子サイズd
50を示す天然雲母
G2:d
50=17.1μmの光散乱(Malvern 3000)による粒子サイズd
50を示す天然雲母
G3:d
50=9.89μmの光散乱(Malvern 3000)による粒子サイズd
50を示す天然雲母
【数3】
【0204】
− 熱処理:
一般的に、湿式沈殿で製造された金属酸化物層は、多数のヒドロキシル基および/またはカルボナート基を有する。安定性の改善のために、好ましくは製造プロセス中で凝結を完全に反応するまで行うので、この材料の後の加工の際に、例えば高温でのプラスチックの押出の際に、もはや水が放出されなかった。酸化物層の凝結の反応の完了は、一般に、熱空気中での乾燥により行った。
【0205】
酸化バナジウム被覆を備えた雲母の製造
雲母75gを、水450mlに注ぎ、5%硝酸400mlを添加した。この懸濁液に、硫酸バナジウム(IV)水和物27.28gを添加し、80℃の温度に調節した。100ml/hの速度での5%NaOHの添加により中和した。計量供給の完了後に、懸濁液を冷却し、濾過により母液を分離した。少なくとも500mlのVE水で洗浄し、引き続きエタノールで洗浄する。フィルターケークを、まず循環空気庫中で110℃で乾燥し、磁器製シャーレ中でマッフル炉内で500℃〜800℃の温度で1h焼成した。
【0206】
実施例1
表1:ZSK18による押出
【表1】
【0207】
少量の酸化亜鉛/雲母の使用により、難燃性は明らかに改善される。標準ZnOにより、改善を達成することはできない。
【0208】
表2:0.8mmまでのUL94による試験
【表2】
【0209】
試料V1およびV5〜V7は、明らかな滴下および底部綿の発火を示す。特別に調製された酸化亜鉛/雲母を含む試料2、3および4は、炭化による明らかに僅かな滴下およびそれぞれV1またはそれどころかV0の挙動を示す。この系列は、酸化亜鉛の提供形態が重要であることを明らかに示す。
【0210】
実施例2
表3:ZSK25による押出
【表3】
【0211】
酸化亜鉛/雲母は、上述の調製物よりも改善された難燃性を示す。酸化亜鉛の実際の量は、被覆された雲母小板の場合に、比較例の場合よりも低い。
【0212】
表4:0.8mmまでのUL94による試験
【表4】
【0213】
表5:ISO 5660-1による試験。50kW m
-2の熱放射出力を費やした。
【表5-1】
【0214】
実施例3
表5:ZSK18による押出
【表5-2】
【0215】
ここでは、僅かな量の赤リンを使用した。この量のリンを含む対照試料は、分類に到達しない。雲母/ZnOの使用により、V−1分類に到達した。
【0216】
表6:1.6mmまでのUL94による試験
【表6】
【0217】
実施例4
表7:ZSK18による押出
【表7】
【0218】
少量の酸化亜鉛/雲母の使用により、PA6の難燃性は明らかに改善される。標準ZnOは、僅かな改善を達成できるだけであった。多様なタイプの雲母−ZnOが、この目的を達成する。
【0219】
表8:0.8mmまでのUL94による試験
【表8】
【0220】
実施例5
表9:DSM Miniextruderによる押出
【表9】
【0221】
少量の酸化バナジウム/雲母の使用により、リン含有難燃剤を含むPBTの難燃性は明らかに改善される。
【0222】
表10:1.6mmまでのUL94の規定による試験。それぞれ2つの燃焼ロッドだけを試験した。
【表10】
【0223】
実施例6
表11:DSM Miniextruderによる押出
【表11】
【0224】
少量の酸化バナジウム/雲母の使用により、ハロゲン化された難燃剤を含むPBTの難燃性は明らかに改善される。
【0225】
表12:1.6mmまでのUL94の規定による試験。それぞれ2つの燃焼ロッドだけを試験した。
【表12】