特許第6763661号(P6763661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763661
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】発振回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 3/354 20060101AFI20200917BHJP
   H03K 3/023 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   H03K3/354 A
   H03K3/023 Z
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-251777(P2015-251777)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-118323(P2017-118323A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】米田 尚弘
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0066457(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0007201(US,A1)
【文献】 特開平4−138719(JP,A)
【文献】 特開平3−230617(JP,A)
【文献】 特開2005−12717(JP,A)
【文献】 特公平6−42623(JP,B2)
【文献】 特開2008−54220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K3/023−3/0231
H03K3/354
H03K19/0175
H03K19/0185
H03L7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の値の2値の発振信号を生成する発振回路であって、
前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が低下する第1の電圧を生成する第1の発振部と、
前記第1の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をセット信号として生成し、前記セット信号を第1の出力端を介して出力する第1のコンパレータと、
前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が低下する第2の電圧を生成する第2の発振部と、
前記第2の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をリセット信号として生成し、前記リセット信号を第2の出力端を介して出力する第2のコンパレータと、
前記セット信号に応じて前記第1の値を有する信号を前記発振信号として出力する一方、前記リセット信号に応じて前記第2の値を有する信号を前記発振信号として出力するRSフリップフロップと、を有し、
前記第1のコンパレータは、夫々のゲート端に前記第1の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が前記第1の出力端に接続されており、且つ前記所定値に対応した閾値電圧を夫々が有する第1のpチャネル型トランジスタ及び第1のnチャネル型トランジスタと、ソース端に接地電圧が印加されており、ドレイン端に前記第1のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第1のソース接地トランジスタと、を有し、
前記第2のコンパレータは、夫々のゲート端に前記第2の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が前記第2の出力端に接続されており、且つ前記所定値に対応した閾値電圧を夫々が有する第2のpチャネル型トランジスタ及び第2のnチャネル型トランジスタと、ソース端に接地電圧が印加されており、ドレイン端に前記第2のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第2のソース接地トランジスタと、を有することを特徴とする発振回路。
【請求項2】
前記第1及び第2のソース接地トランジスタをオン状態に設定するバイアス電圧を前記第1及び第2のソース接地トランジスタ各々のゲート端に供給するバイアス電圧生成部を有することを特徴とする請求項1記載の発振回路。
【請求項3】
前記第1のソース接地トランジスタのゲート端が、前記第1のnチャネル型トランジスタ及び前記第1のpチャネル型トランジスタ各々のゲート端に接続されており、
前記第2のソース接地トランジスタのゲート端が、前記第2のnチャネル型トランジスタ及び前記第2のpチャネル型トランジスタ各々のゲート端に接続されていることを特徴とする請求項1記載の発振回路。
【請求項4】
前記第1のコンパレータは、前記第1のpチャネル型トランジスタのソース端に電流量一定の電流を供給する第1の電流源を含み、
前記第2のコンパレータは、前記第2のpチャネル型トランジスタのソース端に電流量一定の電流を供給する第2の電流源を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の発振回路。
【請求項5】
前記第1の発振部は、第1のラインに接続された第1のコンデンサを含み、前記発振信号が前記第1の値である間は前記第1のコンデンサを充電させる一方、前記発振信号が前記第2の値である間は前記第1のコンデンサを放電させ、前記第1のラインの電圧を前記第1の電圧とし、
前記第2の発振部は、第2のラインに接続された第2のコンデンサを含み、前記発振信号が前記第2の値である間は前記第2のコンデンサを充電させる一方、前記発振信号が前記第1の値である間は前記第2のコンデンサを放電させ、前記第2のラインの電圧を前記第2の電圧とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の発振回路。
【請求項6】
前記第1のソース接地トランジスタのゲート長は、前記第1のnチャネル型トランジスタのゲート長よりも大であり、
前記第2のソース接地トランジスタのゲート長は、前記第2のnチャネル型トランジスタのゲート長よりも大であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の発振回路。
【請求項7】
前記第1のnチャネル型トランジスタのゲート長は自身のゲート幅よりも小であり、 前記第1のソース接地トランジスタのゲート長は自身のゲート幅より大であり、
前記第2のnチャネル型トランジスタのゲート長は自身のゲート幅よりも小であり、 前記第2のソース接地トランジスタのゲート長は自身のゲート幅より大きいことを特徴とする請求項6記載の発振回路。
【請求項8】
第1の値及び前記第1の値とは異なる第2の値の2値の発振信号を生成する発振回路であって、
前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が低下する第1電圧を生成する発振部と、
第1の電位と第2の電位とを基準電位として用い、前記第1電圧が入力されるインバータと、前記インバータに前記第1の電位を供給する第1のノードと、前記インバータに第2の電位を供給する第2のノードと、前記第2のノードと接地ラインとの間に設けられたnチャネルMOSトランジスタと、を備え、前記第1電圧と所定値との大小比較結果に対応した信号を出力するコンパレータと、
前記大小比較結果に対応した信号に応じて、前記発振信号を出力するRSフリップフロップと、を有することを特徴とする発振回路。
【請求項9】
前記nチャネルMOSトランジスタをオン状態に設定するバイアス電圧を生成し、前記バイアス電圧を前記nチャネルMOSトランジスタのゲート端に供給するバイアス電圧生成部を有することを特徴とする請求項8記載の発振回路。
【請求項10】
前記nチャネルMOSトランジスタのゲート端が、前記インバータの入力端に接続されていることを特徴とする請求項8記載の発振回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振回路、特に2値の発振信号を生成する発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサの充放電動作を利用して所望周波数の発振信号を生成する発振回路として、電荷充放電部、コンパレータ、RSフリップフロップ及び基準電圧生成部を含むものが提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる発振回路では、電荷充放電部が、第1のコンデンサが接続されている第1のノード、及び第2のコンデンサが接続されている第2のノードに対して相補的に電流の送出及び電流の引き抜き処理を交互に繰り返し実行する。これにより、第1及び第2のコンデンサが相補的に充電又は放電し、各コンデンサの充電期間中はノードの電圧が上昇し、放電期間中はノードの電圧が低下する。第1のコンパレータは、基準電圧生成部にて生成された基準電圧と第1のノードの電圧との大小比較結果により、RSフリップフロップをセット状態に設定する。一方、第2のコンパレータは、上記した基準電圧と第2のノードの電圧との大小比較結果により、当該RSフリップフロップをリセット状態に設定する。このRSフリップフロップの出力信号が発振信号として出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−75744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した発振回路には2入力型のコンパレータが2つ搭載されている為、回路規模が大きくなるという問題があった。
【0005】
また、当該発振回路にて生成された発振信号の周波数は基準電圧の電圧値に依存しており、それ故、基準電圧の電圧値が環境温度の変化等によって変動すると、所望周波数の発振信号が得られなくなるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、回路規模の増大、及び発振周波数の温度依存を抑えた高精度な発振信号を生成することが可能な発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発振回路は、第1及び第2の値の2値の発振信号を生成する発振回路であって、前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が低下する第1の電圧を生成する第1の発振部と、前記第1の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をセット信号として生成し、前記セット信号を第1の出力端を介して出力する第1のコンパレータと、前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が低下する第2の電圧を生成する第2の発振部と、前記第2の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をリセット信号として生成し、前記リセット信号を第2の出力端を介して出力する第2のコンパレータと、前記セット信号に応じて前記第1の値を有する信号を前記発振信号として出力する一方、前記リセット信号に応じて前記第2の値を有する信号を前記発振信号として出力するRSフリップフロップと、を有し、前記第1のコンパレータは、夫々のゲート端に前記第1の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が前記第1の出力端に接続されており、且つ前記所定値に対応した閾値電圧を夫々が有する第1のpチャネル型トランジスタ及び第1のnチャネル型トランジスタと、ソース端に接地電圧が印加されており、ドレイン端に前記第1のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第1のソース接地トランジスタと、を有し、前記第2のコンパレータは、夫々のゲート端に前記第2の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が前記第2の出力端に接続されており、且つ前記所定値に対応した閾値電圧を夫々が有する第2のpチャネル型トランジスタ及び第2のnチャネル型トランジスタと、ソース端に接地電圧が印加されており、ドレイン端に前記第2のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第2のソース接地トランジスタと、を有する。
【0008】
また、本発明に係る発振回路は、第1の値及び前記第1の値とは異なる第2の値の2値の発振信号を生成する発振回路であって、前記発振信号が前記第1の値である間は電圧値が増加する一方、前記発振信号が前記第2の値である間は電圧値が低下する第1電圧を生成する発振部と、第1の電位と第2の電位とを基準電位として用い、前記第1電圧が入力されるインバータと、前記インバータに前記第1の電位を供給する第1のノードと、前記インバータに第2の電位を供給する第2のノードと、前記第2のノードと接地ラインとの間に設けられたnチャネルMOSトランジスタと、を備え、前記第1電圧と所定値との大小比較結果に対応した信号を出力するコンパレータと、前記大小比較結果に対応した信号に応じて前記発振信号を出力する保持部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、電圧値が周期的に増加及び低下を繰り返す電圧と所定値との大小比較を行い、その比較結果に基づいてRSフリップフロップをセット状態及びリセット状態に交互に設定することにより2値の発振信号を生成する。この際、本発明では、上記した大小比較を行うコンパレータとして、夫々のゲート端同士、並びにドレイン端同士が接続されており、且つ上記所定値に対応した閾値電圧を夫々が有するpチャネル型のトランジスタ及びnチャネル型のトランジスタからなるインバータを採用している。これにより、当該コンパレータとして、電圧値が周期的に増加及び低下を繰り返す電圧と、上記した所定値とが入力される2入力型のコンパレータを採用した場合に比して、回路規模を縮小化することが可能となる。
【0010】
更に、本発明では、このインバータを構成するnチャネル型トランジスタのソース端にソース接地トランジスタを接続することにより、温度変化に伴うnチャネル型トランジスタの閾値電圧の変動を抑制し、当該閾値電圧の変動に起因する発振周波数の変動を抑えている。
【0011】
従って、本発明によれば、回路規模の増大及び発振周波数の温度依存を抑制した高精度な発振信号を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る発振回路100の内部構成の一例を示す回路図である。
図2】発振回路100の動作を示すタイムチャートである。
図3】MOS型トランジスタの閾値電圧の温度特性を示す図である。
図4】MOS型トランジスタのオン抵抗の温度特性を示す図である。
図5】MOS型トランジスタ17、27のソース電位の温度特性を示す図である。
図6】発振回路100の内部構成の他の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、半導体装置としての半導体チップに形成されている発振回路100の一例を示す回路図である。図1に示すように、発振回路100は、発振部110及び210、コンパレータ120及び220、RSフリップフロップ130(以下、RSFF130と称する)及びバイアス電圧生成部140を有する。
【0014】
発振部110は、電流源10、コンデンサ11及びnチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のトランジスタ13を含む。電流源10は、電源電圧VDDの供給を受けて所定の基準電流Irefを生成し、これをラインL1に送出する。コンデンサ11の一端はラインL1に接続されており、その他端には接地電圧VSSが印加されている。トランジスタ13のドレイン端はラインL1に接続されており、そのソース端には接地電圧VSSが印加されている。トランジスタ13のゲート端は、RSFF130の出力端Qに接続されている。
【0015】
発振部110は、上記した構成により、図2に示すように所定周期Tにてその電圧値が鋸歯状に変化する電圧Vc1を生成し、これをラインL1を介してコンパレータ120に供給する。
【0016】
コンパレータ120は、電流源14と、pチャネルMOS型のトランジスタ16及びnチャネルMOS型のトランジスタ17からなるインバータ15と、高電位側の基準電位としての第1の電位をインバータ15に供給する為のノードN1と、低電位側の基準電位としての第2の電位をインバータ15に供給する為のノードN2と、nチャネルMOS型のトランジスタ18と、を含む。電流源14は、電源電圧VDDの供給を受けて電流量一定の電流を生成し、これをノードN1を介してトランジスタ16のソース端に供給する。トランジスタ16及び17のゲート端は互いにラインL1に接続されている。また、これらトランジスタ16及び17各々のドレイン端は、ラインL10を介してRSFF130の反転セット端Sに接続されている。尚、トランジスタ17は閾値電圧Vthを有する。トランジスタ17のソース端は、ノードN2を介してソース接地トランジスタとしてのトランジスタ18のドレイン端に接続されている。トランジスタ18のソース端は、接地電圧VSSが印加されている接地ラインGLに接続されており、そのゲート端には、バイアス電圧生成部140にて生成されたバイアス電圧Vbが印加されている。尚、トランジスタ18は、当該バイアス電圧Vbに応じてオン状態に維持されている。
【0017】
コンパレータ120は、上記した構成により、ラインL1を介して供給された電圧Vc1の電圧値と所定値との大小比較、つまり当該所定値に対応した閾値電圧Vthと、電圧Vc1との大小比較を行う。この際、図2に示すように電圧Vc1の電圧値が閾値電圧Vthより大きい場合には、コンパレータ120のトランジスタ17がオン状態となる。よって、この間、コンパレータ120は、図2に示すように、論理レベル0に対応した電圧値(VSS)を有するセット信号SEを、ラインL10を介してRSFF130の反転セット端Sに供給する。一方、電圧Vc1の電圧値が閾値電圧Vth以下となる場合には、コンパレータ120のトランジスタ16がオン状態となる。よって、この間、コンパレータ120は、図2に示すように、論理レベル1に対応した電圧値(VDD)を有するセット信号SEを、ラインL10を介してRSFF130の反転セット端Sに供給する。
【0018】
発振部210は、電流源20、コンデンサ21及びnチャネルMOS型のトランジスタ23を含む。電流源20は、電源電圧VDDの供給を受けて所定の基準電流Irefを生成し、これをラインL2に送出する。コンデンサ21の一端はラインL2に接続されており、その他端には接地電圧VSSが印加されている。トランジスタ23のドレイン端はラインL2に接続されており、そのソース端には接地電圧VSSが印加されている。トランジスタ23のゲート端は、RSFF130の反転出力端QNに接続されている。
【0019】
発振部210は、上記した構成により、図2に示すように所定周期Tにてその電圧値が鋸歯状に変化する電圧Vc2を生成し、これをラインL2を介してコンパレータ220に供給する。
【0020】
コンパレータ220は、電流源24と、pチャネルMOS型のトランジスタ26及びnチャネルMOS型のトランジスタ27からなるインバータ25と、高電位側の基準電位としての第1の電位をインバータ25に供給する為のノードN1と、低電位側の基準電位としての第2の電位をインバータ25に供給する為のノードN2と、nチャネルMOS型のトランジスタ28と、を含む。電流源24は、電源電圧VDDの供給を受けて電流量一定の電流を生成し、これをノードN1を介してトランジスタ26のソース端に供給する。トランジスタ26及び27各々のゲート端はラインL2に接続されている。また、これらトランジスタ26及び27各々のドレイン端はラインL20を介してRSFF130の反転リセット端Rに接続されている。尚、トランジスタ27は閾値電圧Vthを有する。トランジスタ27のソース端は、ノードN2を介してソース接地トランジスタとしてのトランジスタ28のドレイン端に接続されている。トランジスタ28のソース端は、接地電圧VSSが印加されている接地ラインGLに接続されており、そのゲート端には、上記したバイアス電圧Vbが印加されている。トランジスタ28は、当該バイアス電圧Vbに応じてオン状態に維持されている。
【0021】
コンパレータ220は、上記した構成により、ラインL2を介して供給された電圧Vc2の電圧値と所定値との大小比較、つまり当該所定値に対応した閾値電圧Vthと電圧Vc2との大小比較を行う。この際、図2に示すように電圧Vc2の電圧値が閾値電圧Vthより大きい場合には、コンパレータ220のトランジスタ27がオン状態となる。よって、この間、コンパレータ220は、図2に示すように、論理レベル0に対応した電圧値(VSS)を有するリセット信号RSを、ラインL20を介してRSFF130の反転リセット端Rに供給する。一方、電圧Vc2の電圧値が閾値電圧Vth以下となる場合には、コンパレータ220のトランジスタ26がオン状態となる。よって、この間、コンパレータ220は、図2に示すように、論理レベル1に対応した電圧値(VDD)を有するリセット信号RSを、ラインL20を介してRSFF130の反転リセット端Rに供給する。
【0022】
RSFF130は、論理レベル0に対応した電圧値を有するセット信号SEが反転セット端Sに供給された場合にセット状態となり、その状態を維持する。一方、その反転リセット端Rに、論理レベル0に対応した電圧値を有するリセット信号RSが供給された場合にはリセット状態となり、その状態を維持する。RSFF130は、セット状態時には論理レベル1、リセット状態時には論理レベル0を有する2値の発振信号CLKを出力端Qから出力する。更に、RSFF130は、発振信号CLKを発振部110のトランジスタ13のゲート端に供給する。
【0023】
また、RSFF130は、この発振信号CLKの位相を反転させた反転発振信号CLKNを反転出力端QNから出力する。RSFF130は、反転出力端QNを発振部210のトランジスタ23のゲート端に供給する。
【0024】
バイアス電圧生成部140は、トランジスタ18及び28各々の閾値電圧よりも高いバイアス電圧Vbを生成し、これをトランジスタ18及び28各々のゲート端に供給する。これにより、トランジスタ18及び28は共にオン状態に固定される。尚、バイアス電圧生成部140としては、例えばバンドギャップリファレンス回路等のように、電源電圧や温度の変動に拘わらずに電圧値一定の電圧をバイアス電圧Vbとして生成可能なものを採用するのが好ましい。
【0025】
以下に、発振回路100の動作について、図2のタイムチャートを参照しつつ説明する。先ず、発振部110の電流源10がラインL1に基準電流Irefを供給すると共に、発振部210の電流源20がラインL2に基準電流Irefを供給する。
【0026】
ここで、図2の時点t1に示すように、反転発振信号CLKNが論理レベル1の状態にあると、発振部210のトランジスタ23がオン状態となり、発振部210のコンデンサ21が放電する。これにより、ラインL2の電圧Vc2が急峻に低下して論理レベル0に対応した電圧値(VSS)に到る。よって、この際、コンパレータ220は、電圧Vc2が閾値電圧Vth以下となることから、論理レベル1に対応した電圧値(VDD)を有するリセット信号RSをRSFF130の反転リセット端Rに供給する。
【0027】
また、図2の時点t1にて、発振信号CLKが論理レベル0の状態にあると、発振部110のトランジスタ13がオフ状態となり、ラインL1に供給された基準電流Irefによって発振部110のコンデンサ11が充電を開始する。よって、時点t1以降、ラインL1の電圧Vc1が時間経過に伴い[Iref/C](C:コンデンサ11の静電容量)の傾きをもって、図2に示すように徐々に増加する。この間、コンパレータ120は、図2に示すように、電圧Vc1の電圧値がトランジスタの閾値電圧Vth以下となる場合には論理レベル1を有するセット信号SEを、RSFF130の反転セット端Sに供給する。一方、電圧Vc1の電圧値が閾値電圧Vthより大きくなる場合には、図2に示すように論理レベル0を有するセット信号SEを、RSFF130の反転セット端Sに供給する。
【0028】
従って、図2に示すように、電圧Vc1の電圧値がトランジスタの閾値電圧Vthと等しくなる時点t2の直後、RSFF130の反転セット端Sには論理レベル0のセット信号SEが供給され、反転リセット端Rには論理レベル1のリセット信号RSが供給される。これにより、RSFF130は、自身の状態をリセット状態からセット状態に遷移させる。つまり、RSFF130は、発振信号CLKを論理レベル0の状態から論理レベル1に遷移させると共に、反転発振信号CLKNを論理レベル1の状態から論理レベル0に遷移させるのである。
【0029】
ここで、図2に示す時点t2からRSFF130の動作遅延時間dtが経過した時点t3において、発振信号CLKが論理レベル0から論理レベル1に遷移すると、発振部110のトランジスタ13がオン状態となり、コンデンサ11が放電する。これにより、ラインL1の電圧Vc1が急峻に低下して論理レベル0に対応した電圧値(VSS)に到る。よって、この際、コンパレータ120は、電圧Vc1が閾値電圧Vth以下となることから、論理レベル1に対応した電圧値(VDD)を有するセット信号SEをRSFF130の反転セット端Sに供給する。尚、発振部110のコンデンサ11が充電を開始した時点t1から、当該コンデンサ11が放電を開始する時点t3までの動作工程を、第1発振工程CY1と称する。
【0030】
また、図2の時点t3にて、反転発振信号CLKNが論理レベル1から論理レベル0の状態に遷移すると、発振部210のトランジスタ23がオフ状態となる。これにより、ラインL2に供給された基準電流Irefによって発振部210のコンデンサ21が充電を開始する。よって、時点t3以降、ラインL2の電圧Vc2が時間経過に伴い[Iref/C](C:コンデンサ21の静電容量)の傾きをもって、図2に示すように徐々に増加する。この間、コンパレータ220は、図2に示すように、電圧Vc2の電圧値がトランジスタの閾値電圧Vth以下となる場合には論理レベル1を有するリセット信号RSを、RSFF130の反転リセット端Rに供給する。一方、電圧Vc2の電圧値が閾値電圧Vthより大きくなる場合には、図2に示すように論理レベル0を有するリセット信号RSを、RSFF130の反転リセット端Rに供給する。
【0031】
従って、図2に示すように、電圧Vc2の電圧値が閾値電圧Vthと等しくなる時点t4の直後、RSFF130の反転リセット端Rには論理レベル0のリセット信号RSが供給され、反転セット端Sには論理レベル1のセット信号SEが供給される。これにより、RSFF130は、自身の状態をセット状態からリセット状態に遷移させる。つまり、RSFF130は、発振信号CLKを論理レベル1の状態から論理レベル0に遷移させると共に、反転発振信号CLKNを論理レベル0の状態から論理レベル1に遷移させるのである。
【0032】
ここで、図2に示す時点t4からRSFF130の動作遅延時間dtが経過した時点t5にて、反転発振信号CLKNが論理レベル0から論理レベル1に遷移すると、発振部210のトランジスタ23がオン状態となり、コンデンサ21が放電する。これにより、ラインL2の電圧Vc2が急峻に低下して論理レベル0に対応した電圧値(VSS)に到る。よって、この際、コンパレータ220は、電圧Vc2が閾値電圧Vth以下となることから、論理レベル1に対応した電圧値(VDD)を有するリセット信号RSをRSFF130の反転リセット端Rに供給する。尚、発振部210のコンデンサ11が充電を開始した時点t3から、当該コンデンサ21が放電を開始する時点t5までの動作工程を、第2発振工程CY2と称する。
【0033】
そして、第2発振工程CY2の終了後、再び、上記した第1発振工程CY1及び第2発振工程CY2を交互に繰り返し実行する。これにより、発振回路100は、発振周波数(1/T)を有する発振信号CLKを生成する。
尚、発振回路100では、コンパレータ120(220)として、電流源14(24)、pチャネルMOS型のトランジスタ16(26)及びnチャネルMOS型のトランジスタ17(27)からなるインバータ15(25)を採用している。つまり、コンパレータ120(220)は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータの閾値を利用することにより、閾値電圧を外部から受けることなく、電圧Vc1(Vc2)と閾値電圧との大小比較を行うようにしたのである。この際、CMOSインバータにおけるpチャネルMOS型のトランジスタのソース端に電源電圧が直接印加されている、いわゆる通常のインバータを採用した場合には、pチャネルMOS型のトランジスタの閾値電圧と、nチャネルMOS型のトランジスタの閾値電圧とにより、コンパレータとしての閾値電圧が決定する。しかしながら、図1に示すインバータ15(25)では、電流源14(24)から送出された電流がpチャネルMOS型のトランジスタのソース端に供給される構成となっているので、nチャネルMOS型のトランジスタ17(27)の閾値電圧に対応した電圧がコンパレータ120(220)の閾値電圧となる。
【0034】
要するに、コンパレータ120(220)では、インバータ15(25)を構成するnチャネルMOS型のトランジスタ17(27)の閾値電圧Vthを利用して、当該閾値電圧Vthと電圧Vc1(Vc2)との大小比較を行うのである。
【0035】
よって、かかる構成によれば、上記閾値電圧Vthに対応した電圧値を有する基準電圧を生成する為の回路を設け、更に、この回路で生成された基準電圧と電圧Vc1(Vc2)とを大小比較する、いわゆる2入力型のコンパレータを採用した従来の発振回路に比して、回路規模が縮小化される。
【0036】
尚、nチャネルMOS型のトランジスタの閾値電圧Vthは、図3に示すように温度上昇につれて低くなるという、いわゆる負の温度特性を有するので、環境温度の上昇に伴い、発振信号CLKの発振周波数が上昇するという周波数変動が生じる。
【0037】
そこで、発振回路100では、このような温度変化に伴う発振周波数の変動を抑制する為に、上記したインバータ(15、25)を構成するnチャネルMOS型のトランジスタ(17、27)のソース端に、ソース接地トランジスタ(18、28)を接続している。ここで、nチャネルMOS型のソース接地トランジスタ(18、28)のオン抵抗は、図4に示すように温度上昇とともに増加する、いわゆる正の温度特性を有する。この際、コンパレータ(120、220)では、電流源(14、24)によってソース接地トランジスタ(18、28)に対して一定電流を流すようにしている為、トランジスタ(17、27)のソース電位は、図5に示すように、温度上昇につれて上昇する。トランジスタ(17、27)のソース電位が上昇すると、半導体チップの基板電位に対してそのソース電位が相対的に高くなるので、基板バイアス効果の影響により、トランジスタ(17、27)の閾値電圧が増加する。
【0038】
よって、ソース接地トランジスタ(18、28)を設けたことにより、温度上昇に伴うトランジスタ(17、27)単体での閾値電圧Vthの低下分が、上記した基板バイアス効果による閾値電圧の増加によって相殺される。これにより、温度変化に伴うコンパレータ(120、220)の閾値電圧Vthの変動を抑制することができるので、発振信号CLKの発振周波数の温度依存が抑制されるのである。
【0039】
従って、発振回路100によれば、回路規模の増大、及び発振周波数の温度依存を抑えた高精度な発振信号を生成することが可能となる。
【0040】
尚、図4に示すソース接地トランジスタ(18、28)のオン抵抗の温度傾きは、MOS型トランジスタとしてのサイズ、つまりゲート長及びゲート幅によって調整することができる。よって、ソース接地トランジスタ(18、28)のサイズによって、コンパレータ(120、220)の閾値電圧Vthの温度傾きを調整することにより、発振周波数の温度依存性を確実に抑制することが可能となる。
【0041】
ここで、ソース接地トランジスタ(18、28)を設けたことによる、温度上昇に伴う閾値電圧Vthの増加度合いは、トランジスタ(17、27)単体での温度上昇に伴う閾値電圧Vthの低下度合いに比べて小さい。そこで、ソース接地トランジスタ(18、28)を設けたことによる、温度上昇に伴う閾値電圧Vthの増加度合いを高める為に、ソース接地トランジスタ(18、28)のゲート長を、トランジスタ(17、27)のゲート長よりも大きくする。この際、インバータ(15、25)を構成するnチャネルMOS型のトランジスタ(17、27)及びpチャネルMOS型のトランジスタ(16、26)各々のゲート長は自身のゲート幅よりも小であるが、ソース接地トランジスタ(18、28)に関しては自身のゲート長を自身のゲート幅より大きくしても良い。
【0042】
図6は、発振回路100の他の構成を示す回路図である。
【0043】
図6に示す構成は、図1に示される構成からバイアス電圧生成部140を削除し、コンパレータ120及び220に代えてコンパレータ120a及び220aを採用したものであり、それ以外の構成は、図1に示されるものと同一である。
【0044】
図6に示すように、コンパレータ120aは、コンパレータ120と同様に、電流源14と、pチャネルMOS型のトランジスタ16及びnチャネルMOS型のトランジスタ17からなるインバータ15と、高電位側の基準電位としての第1の電位をインバータ15に供給する為のノードN1と、低電位側の基準電位としての第2の電位をインバータ15に供給する為のノードN2と、ソース接地トランジスタとしてのnチャネルMOS型のトランジスタ18と、を含む。電流源14は、電源電圧VDDの供給を受けて所定の一定電流を生成し、これをノードN1を介してトランジスタ16のソース端に供給する。トランジスタ16、17及び18各々のゲート端は互いにラインL1に接続されている。トランジスタ16及び17各々のドレイン端は、ラインL10を介してRSFF130の反転セット端Sに接続されている。トランジスタ17のソース端はノードN2を介してトランジスタ18のドレイン端に接続されている。トランジスタ18のソース端は、接地電圧VSSが印加されている接地ラインGLに接続されている。
【0045】
コンパレータ220aは、コンパレータ220と同様に、電流源24と、pチャネルMOS型のトランジスタ26及びnチャネルMOS型のトランジスタ27からなるインバータ25と、高電位側の基準電位としての第1の電位をインバータ25に供給する為のノードN1と、低電位側の基準電位としての第2の電位をインバータ25に供給する為のノードN2と、ソース接地トランジスタとしてのnチャネルMOS型のトランジスタ28と、を含む。電流源24は、電源電圧VDDの供給を受けて所定の一定電流を生成し、これをノードN1を介してトランジスタ26のソース端に供給する。トランジスタ26、27及び28各々のゲート端は互いにラインL2に接続されている。トランジスタ26及び27各々のドレイン端は、ラインL20を介してRSFF130の反転リセット端Rに接続されている。トランジスタ27のソース端はノードN2を介してトランジスタ28のドレイン端に接続されている。トランジスタ28のソース端は、接地電圧VSSが印加されている接地ラインGLに接続されている。
【0046】
すなわち、コンパレータ120aでは、発振部110で生成された電圧Vc1がトランジスタ16及び17各々のゲート端のみならず、トランジスタ18のゲート端にも供給されている。尚、上記した点を除く他の構成については、コンパレータ120と同一である。また、コンパレータ220aでは、発振部210で生成された電圧Vc2がトランジスタ26及び27各々のゲート端のみならず、トランジスタ28のゲート端にも供給されている。尚、上記した点を除く他の構成は、コンパレータ220と同一である。
【0047】
要するに、コンパレータ120aのトランジスタ18は、電圧Vc1の電圧値が閾値電圧Vthより大となった時にトランジスタ17と共にオン状態となり、RSFF130をセット状態に遷移させるセット信号SE、つまり接地電圧VSSを有するセット信号SEをRSFF130に供給する。また、コンパレータ220aのトランジスタ28は、電圧Vc2の電圧値が閾値電圧Vthより大となった時にトランジスタ27と共にオン状態となり、RSFF130をリセット状態に遷移させるリセット信号RS、つまり接地電圧VSSを有するリセット信号RSをRSFF130に供給する。
【0048】
ここで、トランジスタ18及び28各々のゲート端の電圧が電源電圧、或いは温度等によって変動すると、夫々のオン抵抗が変動し、それに伴い発振信号CLKの発振周波数が変動してしまう。しかしながら、トランジスタ18及び28各々のゲート端の電圧、つまり図2に示す電圧Vc1及びVc2は、コンデンサ11及び12の充放電動作によって生成されたものである。これにより、コンパレータが反転するときの電圧Vc1及びVcは電源電圧、或いは温度に依存せずに一定となることから、図1に示す実施例のように電源電圧、温度に依存しないバイアス電圧Vbをトランジスタ18及び28各々のゲート端に印加した場合と同様な効果を奏する。
【0049】
よって、発振回路100のコンパレータとして図6に示すコンパレータ120a及び220aを採用した場合にも、ソース接地トランジスタ(18、28)のサイズ(ゲート長、ゲート幅)によって、コンパレータ(120、220)の閾値電圧の温度傾きを調整することで、発振周波数の温度依存を抑制することが可能となる。更に、図6に示す構成では、電源電圧、温度に依存しないバイアス電圧Vbを生成するためのバイアス電圧生成部140が不要となるので、図1に示す構成を採用した場合に比して回路規模を縮小化することが可能となる。
【0050】
尚、図1又は図6に示される発振部(110、210)では、コンデンサ(11、21)を発振信号(CLK、CLKN)に基づき充電又は放電させることにより、ライン(L1、L2)の電圧(Vc1、Vc2)の増加及び低下を交互に繰り返し生じさせている。しかしながら、発振部(110、210)としては、コンデンサの充放電動作以外の方法で、発振信号(CLK、CLKN)に基づき電圧(Vc1、Vc2)の増加及び低下を交互に繰り返し生じさせるものを採用しても良い。また、発振部210では、発振信号CLKの位相を反転させた反転発振信号CLKNに基づきコンデンサ21を充電又は放電させることにより、電圧Vc2の増加及び低下を交互に繰り返し生じさせている。しかしながら、発振部210としては、発振信号CLKに基づき、電圧Vc1とは位相を反転させたタイミングで、電圧Vc2の増加及び低下を交互に繰り返し生じさせても良い。
【0051】
要するに、発振回路100としては、以下の第1及び第2の発振部、第1及び第2のコンパレータ、及びRSフリップフロップを有するものであれば良いのである。
【0052】
すなわち、第1の発振部(110)は、発振信号(CLK)が第1の値(例えば論理レベル0)である間は電圧値が増加する一方、この発振信号が第2の値(例えば論理レベル1)である間は電圧値が低下する第1の電圧(Vc1)を生成する。第2の発振部(210)は、発振信号(CLK)が第2の値である間は電圧値が増加する一方、この発振信号が第1の値である間は電圧値が低下する第2の電圧(Vc2)を生成する。第1のコンパレータ(120)は、第1の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をセット信号(SE)として生成し、このセット信号を第1の出力端を介して出力する。尚、第1のコンパレータは、夫々のゲート端に第1の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が第1の出力端に接続されており、且つ所定値に対応した閾値電圧(Vth)を夫々が有する第1のpチャネル型トランジスタ(16)及び第1のnチャネル型トランジスタ(17)と、ソース端に接地電圧(VSS)が印加されており、ドレイン端に第1のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第1のソース接地トランジスタ(18)と、を有する。第2のコンパレータ(220)は、上記した第2の電圧と所定値との大小比較結果を示す信号をリセット信号(RS)として生成し、このリセット信号を第2の出力端を介して出力する。尚、第2のコンパレータは、夫々のゲート端に第2の電圧が供給されており、夫々のドレイン端が第2の出力端に接続されており、且つ所定値に対応した閾値電圧(Vth)を夫々が有する第2のpチャネル型トランジスタ(26)及び第2のnチャネル型トランジスタ(27)と、ソース端に接地電圧(VSS)が印加されており、ドレイン端に第2のnチャネル型トランジスタのソース端が接続されている第2のソース接地トランジスタ(28)と、を有する。RSフリップフロップ(130)は、上記したセット信号に応じて第1の値を有する信号を発振信号(CLK)として出力する一方、上記したリセット信号に応じて第2の値を有する信号を発振信号として出力する。
【0053】
また、発振回路100としては、以下の発振部、コンパレータ、及び保持部を備えたものであれば良い。発振部(110、210)は、発振信号(CLK)が第1の値(例えば論理レベル0)である間は電圧値が増加する一方、第2の値(例えば論理レベル1)である間は電圧値が低下する第1電圧(Vc1、Vc2)を生成する。コンパレータ(120、220)は、第1の電位と第2の電位とを基準電位として用いて、第1電圧と所定値(Vth)との大小比較結果に対応した信号(SE、RS)を出力する。保持部(130)は、大小比較結果に対応した信号に応じて発振信号を出力する。尚、上記コンパレータは、第1電圧(Vc1、Vc2)が入力されるインバータ(15、25)と、このインバータに第1の電位を供給する第1のノード(N1)と、当該インバータに第2の電位を供給する第2のノード(N2)と、当該第2のノードと接地ライン(GL)との間に設けられたnチャネルMOSトランジスタ(18、28)と、を備える。
【符号の説明】
【0054】
14、24 電流源
15、25 インバータ
16〜18、26〜28 トランジスタ
110、210 発振部
120、220 コンパレータ
130 RSFF
140 バイアス電圧生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6