(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763867
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】パターニングのためのマスクエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【請求項の数】13
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-543755(P2017-543755)
(86)(22)【出願日】2016年1月21日
(65)【公表番号】特表2018-511166(P2018-511166A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】US2016014366
(87)【国際公開番号】WO2016160104
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】14/677,890
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】リー ジーン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ルーシー
【審査官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−007370(JP,A)
【文献】
特開2009−076661(JP,A)
【文献】
特開2004−031892(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0064914(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0213059(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを製造する方法であって、
有機マスク層を含む第1のハードマスク層を基板上のフィーチャ層上に堆積させる工程と、
フィーチャ層の一部を露出させるために、室温よりも高い第1の温度でハロゲン元素及び酸素元素を含む第1のプラズマを用いて、第1のハードマスク層内に開口部を形成する工程であって、
開口部は、プロファイル及び臨界直径を有し、
開口部を形成する工程は、第1のエッチング操作、第2のエッチング操作及び第3のエッチング操作を含んで、開口部のプロファイル、臨界直径、又はプロファイル及び臨界直径を維持し、
第1のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量は、第2のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量よりも多く、第2のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量は、第3のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量よりも多くなっている工程と、
第1の温度を高くして、プロファイルと臨界直径のうちの少なくとも1つを調整する工程とを含む方法。
【請求項2】
有機マスク層がドーパントを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1のハードマスク層上に第2のハードマスク層を堆積させる工程と、
第2のプラズマを用いて第2のハードマスク層内に開口部を形成する工程とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
フィーチャ層は、1以上の絶縁層、1以上の導電層、1以上の半導体層、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
開口部のプロファイル、開口部の臨界直径、又はその両方を制御するために、第1の温度、ガス流量、バイアス電力、圧力、ソース電力、時間、又はそれらの任意の組み合わせを含む1以上のパラメータを調整する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
第1のプラズマを用いて開口部の側壁上にパッシベーション層を形成する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ハロゲン元素に結合したドーパントを含むガスを除去する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
電子デバイスを製造するためのシステムであって、
基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバであって、第1のハードマスク層は有機マスク層を含み、処理チャンバは、第1のハードマスク層であって、ハロゲン元素及び酸素元素を含む第1のプラズマを提供するための第1ガスを導入するための入口を含む処理チャンバと、
処理チャンバに結合された少なくとも1つの電源とを含み、
処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層内に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有し、
開口部は、プロファイル及び臨界直径を有し、
第1の構成は、第1のエッチング操作、第2のエッチング操作及び第3のエッチング操作を含んで、開口部のプロファイル、臨界直径、又はプロファイル及び臨界直径を維持し、
第1のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量は、第2のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量よりも多く、第2のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量は、第3のエッチング操作で酸素元素を提供するガス流量よりも多く、
第1の構成は、第1の温度を高くすることによる、プロファイルと臨界直径のうちの少なくとも1つの調整をさらに含んでいるシステム。
【請求項9】
有機マスク層はホウ素を含み、処理チャンバは、前記ハロゲン元素に結合されたドーパントを含む第2のガスを除去するための出口を含む、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
第2のハードマスク層は第1のハードマスク層上に堆積され、チャンバは、第1の温度より低い第2の温度で第2のプラズマを用いて第2のハードマスク層内に開口部を形成するための第2の構成を有する、請求項8記載のシステム。
【請求項11】
処理チャンバは、開口部のプロファイル、開口部の臨界直径、又はその両方を制御するために、第1の温度、ガス流量、バイアス電力、圧力、ソース電力、時間、又はそれらの任意の組み合わせを含む1以上のパラメータを調整するための第3の構成を有する、請求項8記載のシステム。
【請求項12】
処理チャンバは、第1のプラズマを用いて開口部の側壁上にパッシベーション層を形成するための第4の構成を有する、請求項8記載のシステム。
【請求項13】
フィーチャ層は、1以上の絶縁層、1以上の導電層、1以上の半導体層、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項8記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2015年4月2日に出願された「パターニングのためのマスクエッチング(MASK ETCH FOR PATTERNING)」と題された先行する米国非仮特許出願第14/677,890号の利益を主張し、その全体が本明細書に参照により援用される。
【0002】
本発明の実施形態は、電子デバイス製造の分野に関し、特に、パターニングのためのマスクをエッチングすることに関する。
【0003】
現在の半導体デバイス製造の主な傾向の2つは、半導体デバイスの寸法を減少させ、集積度を高めることである。これらの傾向の結果、半導体デバイスを形成する素子の密度は連続的に増加する。サブミクロンの寸法までの半導体デバイスの縮小は、それらの要素のルーチン製造もサブミクロンレベルで行われることを必要とする。また、デバイス集積度を上げるために、半導体デバイスを形成する半導体構造を互いの上に積み重ねることができる。典型的には、3次元(3D)システムは、ウェハ、チップ、又はその両方を積み重ね、ビアを使用してそれらを垂直に相互接続することによって製造されるシステムを指し、従来の2次元プロセスよりも電力を低減し、必要面積を縮小する性能の改善を達成する。
【0004】
一般的に、プラズマエッチングは、集積回路を製造するために使用されるプラズマ処理の一形態である。それは、典型的には、ウェハに撃ち込まれる適切なガス混合物のグロー放電(プラズマ)の高速流を含む。プラズマは、イオン、中性原子、及びラジカルを含むことができる。典型的には、チップは、多数の膜層を使用して製造される。これらの層の各々は、層のパターンを指示するマスクを使用して作成することができる。このパターンの精度は、チップを製造する上で非常に重要である。一般的に、ハードマスクは、従来のフォトレジストが耐えられない深い高アスペクト比(HAR)のフィーチャ(構造)をエッチングするために使用される。典型的には、エッチングプロセスの間、フリーラジカルがマスク材料と反応してマスクを浸食する。その結果、エッチングプロセス中のマスク完全性は、半導体チップ製造において重要なパターンの精度に悪影響を及ぼさないまま維持される。
【0005】
マスクの完全性を維持するために、HARフィーチャをエッチングするための従来の技術は、複数のハードマスク層の厚いスタックを使用する。ハードマスク層の従来のスタックは、透明性を欠いているので、クリティカルディメンジョンの制御性に影響を及ぼすマスクアライメントのためのマークが見えなくなる。従来のハードマスクの堆積及びエッチングは、処理効率に影響を及ぼし、製造コストを増大させる長い処理時間を必要とする。
【0006】
本発明の実施形態は、電子デバイス製造のためのフィーチャをパターニングするためのマスクをエッチングする方法及び装置を含む。
【0007】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第1のプラズマは、ハロゲン元素を含む。
【0008】
一実施形態では、有機マスク層を含む第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。有機マスク層は、ドーパントを含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第1のプラズマは、ハロゲン元素を含む。
【0009】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度でハロゲン元素を含む第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第2のハードマスク層が、第1のハードマスク層上に堆積される。第2のハードマスク層内の開口部は、第2のプラズマを用いて形成される。
【0010】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度でハロゲン元素を含む第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。フィーチャ層は、1以上の絶縁層、1以上の導電層、1以上の半導体層、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0011】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第1のプラズマは、ハロゲン元素、酸素元素、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0012】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度でハロゲン元素を含むプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。1以上のパラメータが調整され、開口部のプロファイル、開口部の臨界直径、又はその両方を制御する。1以上のパラメータは、第1の温度、ガス流量、バイアス電力、圧力、ソース電力、時間、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0013】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第1のプラズマはハロゲン元素を含む。パッシベーション層は、第1のプラズマを用いて開口部の側壁上に形成される。
【0014】
一実施形態では、第1のガスがチャンバに供給される。第1のガスは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するためのものである。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。
【0015】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して第1のプラズマを提供する。第1のプラズマはハロゲン元素を含む。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。第1の温度は室温よりも高い。有機マスク層のエッチングは、ハロゲン元素に結合されたドーパントを含む第2のガスを除去することを含む。
【0016】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供する。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を、第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。第1の温度を調整して、開口部のプロファイル、開口部の臨界直径、又はその両方を制御する。
【0017】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供する。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を、第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。絶縁層は、酸化物層、窒化物層、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0018】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供する。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を、第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。第2のガスをチャンバに供給して、第2のプラズマを提供する。有機マスク層上の反射防止コーティング層が、第1の温度より低い第2の温度で第2のプラズマを用いてエッチングされる。
【0019】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供する。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を、第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。パッシベーション層は、第1のプラズマを用いて開口部の側壁上に形成される。
【0020】
一実施形態では、第1のガスをチャンバに供給して、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供する。基板上の絶縁層上のドーパントを含む有機マスク層を、第1の温度でハロゲン元素を用いてエッチングして開口部を形成して、絶縁層の一部を露出させる。第3のガスをチャンバに供給して、第3のプラズマを提供する。絶縁層の露出部分は、第3のプラズマを用いてエッチングされる。
【0021】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。
【0022】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。有機マスク層はホウ素を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素に結合されたドーパントを含む第2のガスを除去するための出口を含む。
【0023】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。第2のハードマスク層が、第1のハードマスク層上に堆積される。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が、処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層内に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。チャンバは、第1の温度より低い第2の温度で第2のプラズマを用いて第2のハードマスク層内に開口部を形成する第2の構成を有する。
【0024】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が、処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層内に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。第1のプラズマは、酸素元素を含む。処理チャンバは、第1の温度、ガス流量、バイアス電力、圧力、ソース電力、時間、又はそれらの任意の組み合わせを含む1以上のパラメータを調整して、開口部のプロファイル、開口部の臨界直径、又はその両方を制御する第3の構成を有する。
【0025】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が、処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層内に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。処理チャンバは、第1のプラズマを用いて開口部の側壁上にパッシベーション層を形成する第4の構成を有する。
【0026】
一実施形態では、電子デバイスを製造するためのシステムは、基板上のフィーチャ層上に第1のハードマスク層を含むウェハを位置決めするためのステージを有する処理チャンバを含む。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。処理チャンバは、ハロゲン元素を含む第1のプラズマを提供するための第1のガスを導入するための入口を含む。少なくとも1つの電源が、処理チャンバに結合される。処理チャンバは、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを使用して第1のハードマスク層内に開口部を形成してフィーチャ層の一部を露出させる第1の構成を有する。フィーチャ層は、1以上の絶縁層、1以上の導電層、1以上の半導体層、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0027】
本発明の他の構成は、添付図面及び以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書で説明される実施形態は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図に、限定されるものではなく例として図示される。
【
図1A】一実施形態に係るウェハの例示的な一実施形態の側面図である。
【
図1B】一実施形態に係るハードマスク層内に開口部を形成することを示す
図1Aと同様の図である。
【
図1C】一実施形態に係るフィーチャ層の一部を露出させるための開口部がハードマスク層内に形成された後の
図1Bと同様の図である。
【
図1D】一実施形態に従ってフィーチャ層内の開口部が形成された後の
図1Cと同様の図である。
【
図1E】一実施形態に従って、パターニングされたハードマスク層が除去され、1以上の導電層が開口部内に堆積された後の
図1Dと同様の図である。
【
図1F】一実施形態に従って、導電層の一部がフィーチャ層の上部から除去されて相互接続を形成し、相互接続の上部にデバイスフィーチャが堆積された後の
図1Eと同様の図である。
【
図1G】別の一実施形態に係るウェハの例示的な一実施形態の側面図である。
【
図1H】ハードマスク層内の開口部が別の一実施形態に従って形成された後の
図1Gと同様の図である。
【
図2A】一実施形態に係る3Dシステムを提供するためのウェハの例示的な一実施形態の側面図である。
【
図2B】一実施形態に係るハードマスク層内に開口部が形成された後の
図2Aと同様の図である。
【
図2C】一実施形態に従って、開口部がフィーチャ層内に形成され、パターニングされたハードマスク層が除去された後の
図2Bと同様の図である。
【
図2D】一実施形態に従って1以上のチャネルホール層が開口部内に堆積された後の
図2Cと同様の図である。
【
図2E】一実施形態に従ってハードマスク層上のパターニングされたハードマスク層がフィーチャ層の上部酸化物層上に形成された後の
図2Dと同様の図である。
【
図2F】一実施形態に従ってフィーチャ層内の開口部が形成された後の
図2Eと同様の図である。
【
図2G】一実施形態に従って、パターニングされたハードマスク層及び窒化物層が除去され、共通ソースライン領域が形成された後の
図2Fと同様の図である。
【
図2H】一実施形態に従って導電層が形成された後の
図2Gと同様の図である。
【
図2I】一実施形態に従って1以上の誘電体層が開口部内に堆積された後の
図2Hと同様の図である。
【
図3】一実施形態に係る
図2A〜
図2Hに関して記載された方法を使用して製造された3Dトランジスタシステムの図である。
【
図4A】一実施形態に係るハードマスク層をエッチングするためのパラメータを示す表Iの図である。
【
図4B】一実施形態に従って形成された複数のHAR開口部を示す画像を示す。
【
図5】一実施形態に係る、結合解離エネルギー(BDE)、閾値エネルギー(Eth)、及び反応断面(σ)を用いた、BCl
2/Cl
2プラズマ中の電子衝撃反応を含む表IIの図である。
【
図6】一実施形態に係るハードマスク内のHAR開口部のプロファイルを調整することを示す画像の図である。
【
図7】一実施形態に係るエッチング温度に対する上部及び底部におけるハードマスクの開口部のサイズの差を示すグラフの図である。
【
図8】従来のハードマスクHAR開口部を示す画像と比較して、一実施形態に係るハードマスクHAR開口部を示す画像を示す図である。
【
図9】一実施形態に係るマスクエッチングを提供するプラズマシステムの一実施形態のブロック図を示す。
【
図10】一実施形態に係る
図2Dに示されるようなチャネルホール層を含む3Dトランジスタの一部の斜視図を示す。
【0029】
本明細書では、電子デバイス製造のためのフィーチャをパターニングするためにマスクをエッチングする方法及び装置を説明する。以下の説明では、本発明の1以上の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細(例えば、特定の材料、化学薬品、要素の寸法など)が記載される。しかしながら、当業者には、本発明の1以上の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、半導体製造プロセス、技術、材料、設備などは、この説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために詳細には記載されていない。当業者であれば、包含される説明によって、過度の実験をすることなく適切な機能を実現することができるであろう。
【0030】
本発明の特定の例示的な実施形態が添付図面に記載され、示されているが、そのような実施形態は単なる例示であり、本発明を限定するものではなく、当業者には改変が起こり得るので、本発明は図示及び記載された特定の構造及び構成に限定されないことが理解される。
【0031】
本明細書を通して、「1つの実施形態」、「別の一実施形態」、又は「一実施形態」は、その実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という表現の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。更に、特定のフィーチャ、構造、又は特性は、1以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0032】
更に、本発明の態様は、単一の開示された実施形態のすべての構成よりも少ないものである。したがって、詳細な説明の後に続く特許請求の範囲は、これによりこの詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の一実施形態として独立している。本発明は、いくつかの実施形態に関して記載されているが、当業者は、本発明が記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で変更及び改変されて実施できることを認識するであろう。従って、この説明は限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【0033】
一実施形態では、第1のハードマスク層が、基板上のフィーチャ層上に堆積される。第1のハードマスク層は、有機マスク層を含む。有機マスク層内の開口部は、室温よりも高い第1の温度で第1のプラズマを用いて形成され、フィーチャ層の一部を露出させる。第1のプラズマは、ハロゲン元素を含む。
【0034】
本明細書に記載の実施形態は、エッチングチャンバ内でエッチング化学物質を使用してパターニングするためのハードマスク膜をエッチングすることに関する。一実施形態では、ハードマスク膜は、ドープされたアドバンストパターニングフィルム(APF)である。一実施形態では、ハードマスク膜は、ホウ素及び炭素を含む。一実施形態では、ハードマスク膜は、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社(Applied Material, Inc.)によって製造されたSaphira(商標名)膜であり、従来のハードマスクと比較して優れたエッチング選択性を有する。Saphira(商標名)マスクは、あらゆるコンタクトマスク用途に使用できる次世代ハードマスクである。Saphira(商標名)マスクは、例えば、フラッシュ3D VNANDシステム、ロジック用途及びライン/スペース用途(例えば、ゲート、ビットライン)用の高アスペクト比のキャパシタ用のDRAMストレージノードに使用することができる。
【0035】
一実施形態では、ハードマスクは、従来のハードマスクと比較して優れたエッチング選択性を有する。本明細書に記載されるようなハードマスクをエッチングする方法及び装置の実施形態は、従来の技術と比較して、パターン転写パラメータ(例えば、クリティカルディメンジョン(CD)、パターンプロファイル、ライン幅粗さ(LWR)、及びラインエッジ粗さ(LER))を改善しながら、実質的により少ないハードマスク材料の使用を有利なことに可能にする。一実施形態では、ハードマスクは、Saphira(商標名)マスクである。
【0036】
別の一実施形態では、ハードマスクは、従来のハードマスクと比較して、機械的強度が高く、応力が低く、透明性が高い。本明細書に記載のハードマスクをエッチングするための実施形態は、従来の技術と比較して、高度なパターニング用途(例えば、3Dメモリエッチング、ディープコンタクトエッチング、及びより小さいCD及び狭いピッチでのライン/スペースパターニング)に有利に使用することができる。一実施形態では、ハードマスクは、Saphira(商標名)マスクである。
【0037】
一実施形態では、ハードマスクは、プラズマ環境においてハロゲンエッチャント及び酸素ガスを用いてエッチングされる。本明細書に記載の実施形態は、従来の技術と比較して、パターニングされたフィーチャのプロファイルのより高い垂直性及びより高いアスペクト比、パターニングされたフィーチャの底部及び上部のより大きなCD制御、誘電体反射防止膜(DARC)、酸化物マスク、又は両方に対するより大きな選択性を提供する。パターニングされたフィーチャは、例えば、VNANDチャネルホール、DRAMストレージノード、相互接続、導電ライン、ゲート、又は任意の他のパターニングされたフィーチャとすることができる。本明細書に記載の実施形態は、一般的な下地層/基板材料(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリシリコン、金属、又は他の下地層/基板材料)に対してより高い選択性を提供するので、従来の技術と比べて、ハードマスクエッチング中のパターンエロージョン及び基板損失が最小化される。本明細書に記載の実施形態は、ハードマスクのエッチング速度を増加させて、スループットを実用的かつ製造上価値のあるものにする。一実施形態では、ハードマスクは、エッチングチャンバ内で容易に入手可能なエッチャント及びガスを用いて有利にエッチングされ、「エキゾチックな」化学物質の必要性を最小にする。
【0038】
一実施形態では、ハロゲン含有エッチャント(例えば、塩素(Cl
2))がプラズマ環境中で酸素(O
2)と共に使用され、ハードマスクをエッチングする。一実施形態では、高いアスペクト比及び正確なCD制御の必要性のために、ハードマスクは、室温よりも高い高温でエッチングされて、副生成物の揮発性を増加させる。一実施形態では、高温は調整されて、CD、パターニングされたフィーチャのプロファイル、又はその両方を調整する。一実施形態では、高温は、静電チャック(ESC)の温度を調整することによって調整される。
【0039】
図1Aは、一実施形態に係るウェハ100の例示的な一実施形態の側面図である。ウェハ100は、基板101上のフィーチャ層102上にハードマスク層103を含む。一実施形態では、基板101は、半導体材料(例えば、シリコン(「Si」)、ゲルマニウム(「Ge」)、シリコンゲルマニウム(「SiGe」))、III−V族材料ベースの材料(例えば、ガリウムヒ化(「GaAs」))、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、基板101は、集積回路用のメタライゼーション相互接続層を含む。一実施形態では、基板101は、電子デバイス(例えば、トランジスタ、メモリ、キャパシタ、抵抗器、オプトエレクトロニクスデバイス、スイッチ、及び電気絶縁層(例えば、層間絶縁膜、トレンチ絶縁層、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている任意の他の絶縁層)によって分離された任意の他のアクティブ及びパッシブ電子デバイス)を含む。少なくともいくつかの実施形態では、基板101は、メタライゼーション層を接続するように構成された相互接続(例えば、ビア)を含む。
【0040】
一実施形態では、基板101は、バルク下部基板、中間絶縁層、及び上部単結晶層を含む半導体オンアイソレータ(SOI)基板である。上部単結晶層は、上記の任意の材料(例えば、シリコン)を含むことができる。一実施形態では、基板は、絶縁層(例えば、酸化物層(例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化シリコン、窒化シリコン層、それらの任意の組み合わせ、又は電子デバイス設計によって決定される他の電気絶縁層))を含む。一実施形態では、基板101の絶縁層は、層間絶縁膜(ILD)(例えば、二酸化シリコン)を含む。一実施形態では、基板101の絶縁層は、ポリイミド、エポキシ、感光性材料(例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)及びWPRシリーズ材料)、又はスピンオングラスを含む。一実施形態では、基板の絶縁層は、隣接するデバイスを絶縁し、漏れを防止するのに適した絶縁層である。
【0041】
一実施形態では、フィーチャ層102は、1以上の絶縁層、1以上の導電層、1以上の半導体層、又はそれらの任意の組み合わせを含み、1以上のマイクロ電子デバイスを製造する。一実施形態では、フィーチャ層102は絶縁層である。一実施形態では、フィーチャ層102は、酸化物層(例えば、酸化シリコン層、酸化アルミニウム(「Al
2O
3」)、酸化窒化シリコン(「SiON」))、窒化物層(例えば、窒化シリコン)、他の電気絶縁層、又はそれらの組み合わせを含む。別の一実施形態では、フィーチャ層102は、窒化物層(例えば、窒化シリコン)又は他の窒化物層を含む。更に別の一実施形態では、フィーチャ層102は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金属、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、フィーチャ層102は層のスタックである。
【0042】
一実施形態では、フィーチャ層102は、誘電体層(例えば、酸化物、窒化物、又はそれらの任意の組み合わせ)のスタックである。一実施形態では、フィーチャ層102は窒化シリコン層である。一実施形態では、フィーチャ層102は酸化シリコン層である。更に別の一実施形態では、フィーチャ層102は、窒化シリコン層上に酸化シリコン層を含む。更に別の一実施形態では、フィーチャ層102は、酸化シリコン層上に窒化シリコン層を含む。更に別の一実施形態では、フィーチャ層102は、互いの上に堆積された酸化物層及び窒化物層のスタックを含む。
【0043】
一実施形態では、フィーチャ層102は、半導体材料(例えば、単結晶シリコン(「Si」)、多結晶Si、アモルファスSi、ゲルマニウム(「Ge」)、シリコンゲルマニウム(「SiGe」)、III−V族材料ベースの材料(例えば、ガリウムヒ素(「GaAs」))、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。一実施形態では、フィーチャ層102は、金属(例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ポリシリコン、電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の導電層、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。
【0044】
少なくともいくつかの実施形態では、フィーチャ層102の厚さは、設計に応じて約20nm〜約5ミクロン(μm)である。一実施形態では、フィーチャ層102の厚さは、少なくとも2400nm(24000オングストローム)である。一実施形態では、フィーチャ層102の酸化物層及び窒化物層のそれぞれの厚さは、約20ナノメートル(「nm」)〜約70nmのおおよその範囲内にある。一実施形態では、フィーチャ層102の厚さは、約2400nm〜約4200nm(42000オングストローム)である。
【0045】
フィーチャ層102は、(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子ビームエピタキシ(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)1以上の堆積技術を用いて堆積させることができる。
【0046】
図1Aに示されるように、ハードマスク層103は、1以上のドーパント(例えば、ドーパント107)及び1以上のマスク材料元素(例えば、マスク要素117)を含む。一実施形態では、ドーパント107はホウ素であり、マスク要素117は炭素である。一実施形態では、ハードマスク層103は、ホウ素、炭素及び水素を含む。一実施形態では、ハードマスク層103は、少なくとも50%のホウ素を含む。別の一実施形態では、ハードマスク層103は、約50重量%〜約70重量%のホウ素を含む。一実施形態では、ハードマスク層103は、約1重量%のホウ素〜約80重量%のホウ素を含む。別の一実施形態では、ハードマスク層103は、約50重量%〜約70重量%のホウ素を含む。一実施形態では、ハードマスク層103は、約30重量%〜約70重量%のホウ素、約25重量%〜約50重量%の炭素、及び約5重量%〜約40重量%の水素を含む。
【0047】
別の一実施形態では、ドーパント107は、他のドーパント元素(例えば、窒素、シリコン、又は他のドーパント元素)である。別の一実施形態では、マスク要素117は、他のマスク要素(例えば、ポリシリコン)である。一実施形態では、ハードマスク層103は、半導電性マスク層である。一実施形態では、ハードマスク層103は、従来のカーボンハードマスクよりも硬い。一実施形態では、ハードマスク層103のヤング率は少なくとも20ギガパスカル(GPa)である。
【0048】
一実施形態では、ハードマスク層103は有機マスク層である。一実施形態では、ハードマスク層103はポリマーハードマスクである。一実施形態では、ハードマスク層103はカーボンハードマスク層である。一実施形態では、ハードマスク層103は、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社によって製造されたSaphira(商標名)ハードマスク層である。一実施形態では、ハードマスク層103は、ホウ素をドープしたアモルファスカーボン層である。一実施形態では、ハードマスク層103は、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社によって製造された1以上のアドバンストパターニングフィルム(APF)カーボンハードマスクを含む。一般的に、ハードマスク層の目的は、ハードマスクによって覆われた1以上の層の特定の領域を不必要なエッチングから保護することである。下地層のエッチング中にフォトレジストが浸食される可能性があるので、下地層とフォトレジスト層との間にハードマスク層が堆積される。
【0049】
一般的に、ハードマスク層103の厚さは用途に依存する。一実施形態では、ハードマスク層103の厚さは、約100nm〜約1700nmである。一実施形態では、ハードマスク層103の厚さは、1300nm未満である。より具体的な実施形態では、ハードマスク層の厚さは、約500nm〜約1000nmである。一実施形態では、ハードマスク層103は、ホウ素を含む堆積ガス(例えば、ジボラン(B
2H
2)又は他のホウ素含有ガス)、及び炭素(例えば、アセチレン(C
2H
2))又は他の炭素含有ガスを用いて堆積される。
【0050】
ハードマスク層103は、(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子ビームエピタキシ(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)1以上の堆積技術を用いてフィーチャ層上に堆積させることができる。
【0051】
図1Aに示されるように、ハードマスク層104は、ハードマスク層103上に堆積される。ハードマスク層104は、ハードマスク層103の一部106を露出させる開口部105を形成するようにパターニングされる。一実施形態では、ハードマスク層104は、反射防止コーティング(ARC)層である。別の一実施形態では、ハードマスク層104は、DARC層である。一実施形態では、ハードマスク層104は、SiONマスク層である。典型的には、反射防止コーティング層は、フォトレジスト層の下に堆積され、リソグラフィ中に散乱光を吸収し、フォトレジストからパターンを下地層に転写する精度を高める。一実施形態では、ハードマスク層104は、DARC層上に堆積された底部ポリマー反射防止コーティング層(「BARC」)を含む。別の一実施形態では、ハードマスク層104は、DARC層上のスピンオンカーボン層上のシリコン系ARC層のスタックである。更に別の一実施形態では、ハードマスク層104は、炭化ケイ素、炭化ケイ素酸化物(SiOC)、酸化ケイ素窒化物、窒化アルミニウム、アモルファスSi、酸化ケイ素、窒化物層(例えば、窒化ケイ素)、又はハードマスク層103に対して選択的である他の材料層を含む。一実施形態では、ハードマスク層104の厚さは、約50nm〜約200nmである。より具体的な実施形態では、ハードマスク層104の厚さは、約80nm〜約100nmである。
【0052】
一実施形態では、開口部105の幅125は、設計によって決定される。一実施形態では、幅125は、約2nm〜約200nmのおおよその範囲内にある。より具体的な実施形態では、幅125は、約20nm〜約80nmである。少なくともいくつかの実施形態では、電子デバイス製造分野の当業者に知られているフォトレジスト堆積及びパターニング技術のうちの1つを使用して、ハードマスク層104上にフォトレジスト層127が堆積され、パターニングされる。少なくともいくつかの実施形態では、ハードマスク層104は、20℃〜30℃の室温でフッ素を含有する処理ガス(例えば、C
xH
zF
y(ここで、x、yは0を除く任意の整数、zは0を含む任意の整数とすることができる(例えば、CF
4、CHF
3、酸素、及びアルゴン)))を用いてパターニングされたフォトレジストを通してエッチングされる。一実施形態では、ハードマスク層104は、
図9に示されるようなプラズマチャンバ又は電子デバイス製造分野の当業者に知られているプラズマエッチング技術のうちの1つ使用した任意の他のプラズマチャンバ内で選択的にエッチングされる。少なくともいくつかの実施形態では、ハードマスク層104は、誘導結合プラズマ(ICP)チャンバ内でエッチングされる。少なくともいくつかの他の実施形態では、ハードマスク層104は、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ内でエッチングされる。
【0053】
図1Bは、一実施形態に係るハードマスク層内に開口部を形成することを示す
図1Aと同様の
図110である。
図1Bに示されるように、ハードマスク層103の露出部分106は、ガス108を使用して開口部105を通してエッチングされ、室温よりも高い高温124でプラズマ粒子(要素)(例えば、プラズマ元素109及びプラズマ元素111)を生成する。一実施形態では、高温124は、30℃よりも高い。一実施形態では、高温124は、約160℃〜約250℃である。
図1Bに示されるように、フォトレジスト層127は、ハードマスク層103のエッチング中に完全にエッチングされる。一般的に、プラズマ粒子(要素)とは、プラズマ元素(要素)が生成する通常の分子ガスよりも化学反応性の高い原子、分子ラジカル、及び陽イオンを指す。一実施形態では、ガス108は、ハロゲン(例えば、塩素(Cl
2)、フッ素、臭素、ヨウ素、他のハロゲン、又はそれらの任意の組み合わせ)及び酸素(O
2)を含む。一実施形態では、プラズマ元素109は酸素元素を表し、プラズマ元素111はハロゲン元素を表す。別の一実施形態では、ガス108は、塩素、酸素、及び1以上の他のガス(例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム、他のガス、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。
【0054】
図1Bに示されるように、ハロゲンプラズマ元素(例えば、ハロゲン元素111)及び酸素元素(例えば、酸素プラズマ元素109)は、ドーパント(例えば、ドーパント107)及びマスク材料元素(例えば、マスク材料元素117)と反応して、揮発性副生成物(例えば、揮発性生成物113,115)及び不揮発性生成物を生成する。一実施形態では、揮発性副生成物113は、ハロゲン元素に結合したドーパントであり、揮発性副生成物115は、酸素元素に結合されたマスク材料元素である。
図1Bに示されるように、パッシベーション層114が、開口部の側壁116上に形成される。一実施形態では、パッシベーション層114は、不揮発性生成物(例えば、酸素元素に結合されたドーパント及びハロゲン元素に結合されたマスク材料元素)を含む。一実施形態では、揮発性副生成物は、塩化ホウ素、水素化ホウ素、臭化ホウ素、フッ化ホウ素、CO、CO
2、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0055】
図5は、一実施形態に係る、結合解離エネルギー(BDE)、閾値エネルギー(Eth)、及び反応断面積(σ)を有するBCl
2/Cl
2プラズマ中の電子衝撃反応を含む表IIを示す
図501である。表IIは、BCl
3/Cl
2プラズマ中で典型的に形成される異なる反応(A1〜A11)を示す。表IIに示されるように、B
xCl
y生成物は、部分的にBCl生成物の低蒸気圧に起因して、プラズマ中で低エネルギーによって容易に解離することができる。容易に形成される可能性のある揮発性の高い様々なB
xCl
y生成物が存在する。
【0056】
図1Bに戻って参照すると、不揮発性生成物を含むパッシベーション層114は、ハードマスク層104の上部及び側壁部上に、及び側壁(例えば、ハードマスク層103内に形成された開口部の側壁116及び底部)上に堆積される。一実施形態では、パッシベーション層114の厚さは、約1オングストローム〜約20オングストロームである。
図1Bに示されるように、揮発性生成物(例えば、揮発性生成物113及び115)は、ガス112の一部としてウェハから除去される。一実施形態では、揮発性生成物は、
図9に関して以下で更に詳細に説明されるように、真空ポンプによってプラズマエッチングチャンバ内に配置されたウェハから除去される。
【0057】
一実施形態では、B
xC
yH
z(ここで、x、y、及びzは0以外の任意の数とすることができる)のハードマスク層103は、Cl
2及びO
2含有ガスを用いて、以下の式に従ってエッチングされる。
【0058】
B
xC
yH
z+Cl
2+O
2→B
xCl
y(気体)+CO(気体)+OH(気体)+CCl(固体)+B
2O
3(固体)。(1)
【0059】
一実施形態では、揮発性副生成物ガス112は、B
xCl
y、C、及びOHを含む。一実施形態では、パッシベーション層114は、CCl及びB
2O
3を含む。少なくともいくつかの実施形態では、1以上のエッチングパラメータが調整され、ハードマスク層103内の開口部の1以上のパラメータ(例えば、プロファイル、臨界直径、又はその両方)を制御する。1以上のエッチングパラメータは、エッチング温度、エッチングガス流量、エッチングされるウェハが載置される静電チャックに印加されるバイアス電力、エッチングチャンバに供給される圧力、エッチングチャンバに印加されるソース電力、時間、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0060】
少なくともいくつかの実施形態では、Cl
2及びO
2含有ガスが使用され、高温静電チャック(ESC)プラズマチャンバ内の処理パラメータは最適化され、下地層の3D NANDノード又はストレージノードキャパシタをパターニングするための(例えば、15:1を超える)高アスペクト比のコンタクト及びスリットマスクを垂直方向にエッチングする。一般的に、アスペクト比は、開口部の幅に対する開口部の深さの比を指す。少なくともいくつかの実施形態では、ハードマスク層103をエッチングするために、Cl
2及びO
2からなるガス化学物質又は同様のガスを用いて、B
xCl
y及びC
xO
y副生成物(ただし、x及びyは0以外の任意の整数とすることができる)を生成する。B
xCl
y及びC
xO
yエッチング副生成物の両方は揮発性であり、エッチングチャンバからポンプで抜き出される。不揮発性副生成物は、パッシベーション層として作用して、パターニングされる層を画定する。Cl
2/O
2化学反応では、不揮発性副生成物は、側壁パッシベーションを形成するB
xO
y及びC
xCl
yである。一実施形態では、高温124が調整され、ハードマスク層103内の開口部のパラメータ(例えば、プロファイル、臨界直径、又はその両方)を制御する。一実施形態では、ハードマスク層103をエッチングするためのマスク104の選択性は、エッチング温度124によって制御される。一実施形態では、ハードマスク層103をエッチングするためのマスク104の選択性は、温度124を増加させることによって向上する。
【0061】
図4Aは、一実施形態に係るハードマスク層をエッチングするためのパラメータを示す表I(401)の
図400である。ハードマスク層は、ハードマスク層103によって表される。表401に示されるように、ハードマスク層をエッチングすることは、時間間隔t1、t2、及びt3をそれぞれ有するエッチング操作I、II、及びIIIを実行して、プロファイルを維持し、開口部のテーパ化を回避することを含む。第1のエッチング操作Iでは、処理チャンバ内の圧力PはP
1であり、処理チャンバに印加されるソース電力W
sはW
s1であり、処理チャンバ内の静電チャックに印加されるバイアス電力W
bはW
b1であり、Cl
2ガスの流量はF
cl21であり、O
2ガスの流量はF
o21であり、エッチング温度TはT
1である。次に、第2のエッチング操作IIでは、処理チャンバ内の圧力PはP
2であり、処理チャンバに印加されるソース電力W
sはW
s2であり、処理チャンバ内の静電チャックに印加されるバイアス電力W
bはW
b2であり、Cl
2ガスの流量はF
cl22であり、O
2ガスの流量はF
o22であり、エッチング温度TはT
2である。次に、第3エッチング操作IIIでは、処理チャンバ内の圧力PはP
3であり、処理チャンバに印加されるソース電力W
sはW
s3であり、処理チャンバ内の静電チャックに印加されるバイアス電力W
bはW
b3であり、Cl
2ガスの流量はF
cl23であり、O
2ガスの流量はF
o23であり、エッチング温度TはT
3である。一実施形態では、P
1、P
2、及びP
3は同様である。別の一実施形態では、P
1、P
2、及びP
3の少なくとも2つは異なる。より特定の実施形態では、操作I、II、及びIIIのそれぞれでの処理チャンバ内の圧力Pは、約35ミリトール(mT)に維持される。
【0062】
一実施形態では、処理チャンバ内のプラズマ元素の密度を制御することは、W
sを調整することを含む。一実施形態では、W
sは操作I、II、及びIIIで実質的に同じである。より具体的な実施形態では、W
s1、W
s2、及びW
s3の各々は、約1700Wである。別の一実施形態では、W
s1、W
s2、及びW
s3の少なくとも2つは異なる。
【0063】
一実施形態では、ウェハに衝突するプラズマ元素のエネルギー及び方向の少なくとも1つを制御することは、W
bを調整することを含む。一実施形態では、W
b1、W
b2、及びW
b3の少なくとも2つは異なる。別の一実施形態では、W
b1、W
b2、及びW
b3は同様である。より具体的な実施形態では、W
b3は、W
b2及びW
b1のそれぞれより大きい。より具体的な実施形態では、W
b2及びW
b1のそれぞれは約400Wであり、W
b3は約500Wである。一実施形態では、W
bは、プラズマ元素のエネルギーを増加させて底部に到達し、テーパ化を回避し、HAR開口部の垂直プロファイルを維持するように増加される。
【0064】
一実施形態では、エッチング速度を制御することは、Cl
2ガスの流量を調整することを含む。一実施形態では、F
cl21、F
cl22、及びF
cl23は同様である。より具体的な実施形態では、処理チャンバ内の塩素Cl
2ガスの流量は、操作I、II、及びIIIを通して毎分約220標準立方センチメートル(sccm)に維持される。別の一実施形態では、F
cl21、F
cl22、及びF
cl23の少なくとも2つは異なる。
【0065】
一実施形態では、パッシベーション層114を制御することは、O
2の流量を調整することを含む。一実施形態では、F
o21、F
o22、及びF
o23の少なくとも2つは異なる。別の一実施形態では、F
o21、F
o22、及びF
o23は同様である。より具体的な実施形態では、F
o21は、F
o23よりも大きいF
o22よりも大きく、パッシベーションを減少させ、テーパ化を回避し、HAR開口部の垂直プロファイルを維持する。より特定の実施形態では、F
o21は約200sccmであり、F
o22は約120sccmであり、F
o23は約90sccmである。
【0066】
一実施形態では、エッチング温度Tを制御することは、ウェハが載置されるESCの温度を調整することを含む。一実施形態では、T
1、T
2、及びT
3は同様である。より特定の実施形態では、処理チャンバ内のESCの温度Tは、操作I、II、及びIIIで約160℃〜約250℃のおおよその範囲内に維持される。より具体的な実施形態では、T
1、T
2、及びT
3の各々は約195℃である。別の一実施形態では、T
1、T
2、及びT
3の少なくとも2つは異なる。
【0067】
一実施形態では、t
1、t
2、及びt
3の少なくとも2つは異なる。より具体的な実施形態では、t
2は、t
1よりも大きいt
3よりも大きい。より具体的な実施形態では、t
1は約15分、t
2は約45分、t
3は約40分である。別の一実施形態では、t
1、t
2、及びt
3は同様である。エッチング温度が上昇すると、1以上の副生成物の揮発性が増加し、副生成物の付着係数が減少し、ウェハ上に残る副生成物の数の減少をもたらす。高いエッチング温度を調整することにより、容易なプロファイル及びCD制御及びウェハ全体の調整が提供される。高いエッチング温度は、160℃〜250℃のおおよその範囲内にある。本明細書に記載されるような高いエッチング温度および他の処理パラメータを調整することによるCDおよびプロファイルの調整の汎用性および容易性は、従来技術に優る大きな利点を提供する。本明細書に記載されるような高温でハードマスク層をエッチングする別の利点は、従来の技術と比較して、エッチング速度の少なくとも2倍(例えば、毎分7000オングストローム(Å/分))の増加である。本明細書に記載されるような高温でBCHのハードマスク層をエッチングすることの更に別の利点は、SiONのハードマスク層104に対する選択性の増加である。エッチング温度が上昇するにつれて、より少ない反応性のガス流が必要とされ、これはSiONマスクのより多くのハードマスク層104を残ったままにする。
【0068】
図4Bは、一実施形態に従って形成された複数のHAR開口部を示す画像410を示す。
図4Bに示されるように、上部の開口部の幅は、底部の開口部の幅と同様であるので、HAR開口部のプロファイルは実質的に垂直に維持される。
【0069】
図1Bに戻って参照すると、ハードマスク層103は、
図9に示されるようなプラズマチャンバ又は電子デバイス製造分野の当業者に知られているプラズマエッチング技術のうちの1つを使用した任意の他のプラズマチャンバ内で選択的にエッチングされる。一実施形態では、ハードマスク層103はCCPチャンバ内でエッチングされる。別の一実施形態では、ハードマスク層103はICPチャンバ内でエッチングされる。
【0070】
図1Cは、一実施形態に係る、ハードマスク層103内に開口部119が形成され、フィーチャ層102の一部121を露出させた後の、
図1Bと同様の
図120である。
図1Cに示されるように、一部121は、開口部119の底部である。開口部119は、対向する側壁(例えば、側壁116及び側壁118)を有する。パッシベーション層114は、ハードマスク層104の上部、側壁116及び118、及び底部121上に堆積される。パッシベーション層114は、アンダーカットを回避するために使用され、側壁116及び118は底部121に対して実質的に垂直になる。一実施形態では、開口部119の垂直プロファイルは、開口部119の側壁及び底部の各々の間の角度(例えば、角度128)が約90度となるように画定される。一実施形態では、角度128を約90度に維持するために、上述したように、操作IIIにおいて、パッシベーション層114の厚さを減少させる。
【0071】
一実施形態では、開口部119の幅122は、幅125によって決定される。一実施形態では、開口部119の幅122は、約20nm〜約80nmである。一実施形態では、開口部119は、所定の直径を有する穴である。別の一実施形態では、開口部119は、幅より実質的に大きい長さを有するトレンチである。一実施形態では、開口部119の深さ123は、ハードマスク層104の厚さ、エッチングされたハードマスク層103の厚さ、又はそれらの組み合わせによって決定される。一実施形態では、深さ123は、約100nm〜約1300nmである。一実施形態では、深さ123は、1300nm未満である。より具体的な実施形態では、深さ123は、約500nm〜約1000nmである。一実施形態では、深さ123と幅122の比として定義される開口部119のアスペクト比は、15:1より大きい。別の一実施形態では、開口部119のアスペクト比は、少なくとも40:1である。更に別の一実施形態では、開口部119のアスペクト比は、約10:1〜約70:1である。
【0072】
図1Dは、一実施形態に係るフィーチャ層102内の開口部155が形成された後の
図1Cと同様の
図130である。
図1Dに示されるように、
図1Cに示されるパッシベーション層114は、フィーチャ層102及びパターニングされたハードマスク層103の一部となった。一実施形態では、パターニングされたハードマスク層104は、フィーチャ層102のエッチングの間、ハードマスク層103から除去される。開口部は、対向する側壁133、134及び底部126を有する。
【0073】
一実施形態では、開口部155は穴である。別の一実施形態では、開口部155はトレンチである。一実施形態では、開口部155の幅132は、幅125によって決定される。一実施形態では、開口部155の幅132は、約20nm〜約80nmである。一実施形態では、開口部155の深さ131は、ハードマスク層103の厚さ、エッチングされたフィーチャ層103の厚さ、又はその両方によって決定される。一実施形態では、深さ131は、約0.5ミクロン(「μm」)〜約10μmである。一実施形態では、開口部155のアスペクト比は15:1より大きい。別の一実施形態では、開口部155のアスペクト比は40:1より大きい。更に別の一実施形態では、開口部155のアスペクト比は、10:1〜70:1のおおよその範囲内にある。
【0074】
一実施形態では、開口部155を形成する工程は、パターニングされたハードマスク層103及びパターニングされたハードマスク層104を通してフィーチャ層102をエッチングして、フッ素を含むガスから生成されたプラズマを用いて基板101の一部126を露出させる工程を含む。少なくともいくつかの実施形態では、フィーチャ層をエッチングするためのガスは、炭素及びフッ素を含む。少なくともいくつかの実施形態では、フィーチャ層をエッチングするためのガスは、炭素、フッ素(例えば、C
xF
y(ただし、x、yは任意の整数とすることができる))、酸素、及びアルゴンを含む。少なくともいくつかの実施形態では、フィーチャ層102は、20℃〜30℃のおおよその範囲内の温度でプラズマエッチングされる。少なくともいくつかの実施形態では、層102をエッチングするための圧力は、10ミリトール〜約200ミリトールのおおよその範囲内にある。代替の実施形態では、フィーチャ層102は、CCPチャンバ、ICPチャンバ、遠隔プラズマチャンバ、又は電子デバイス製造技術の当業者に知られている他のプラズマチャンバ内でエッチングされる。
【0075】
図1Eは、一実施形態に従って、パターニングされたハードマスク層103が除去され、1以上の導電層が開口部155内に堆積された後の
図1Dと同様の
図140である。パターニングされたハードマスク層103は、電子デバイス製造分野の当業者に知られている技術のうちの1つを使用して絶縁層から除去することができる。
【0076】
一実施形態では、導電層141は、フィーチャ層102の上部と、開口部155の底部126及び側壁上に堆積させる。導電層142は、導電層141上に堆積される。層141及び142の各々に使用することができる導電性材料の例には、金属(例えば、銅、タングステン、タンタル、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛)、金属合金、金属炭化物(例えば、炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化アルミニウム)、他の導電性材料、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。代替の実施形態では、導電層141は、シード層、バリア層、接着層、又はそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、導電層141の厚さは、約200nm未満である。一実施形態では、導電層141の厚さは、約1nm〜約150nmである。導電層141及び導電層142のそれぞれは、導電層堆積技術(例えば、無電解メッキ、電気メッキ、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の任意の導電層堆積技術)のうちの1つを用いて堆積させることができる。
【0077】
図1Fは、一実施形態に従って、導電層142及び141の一部がフィーチャ層102の上部から除去されて相互接続部151を形成し、デバイスフィーチャ129が相互接続部151の上部に堆積された後の、
図1Eと同様の
図150である。代替の実施形態では、デバイスフィーチャ129は、デバイスフィーチャ堆積技術(例えば、電気メッキ、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、又は電子デバイス製造技術の当業者に知られている任意の他のデバイスフィーチャ堆積技術)のうちの1つを使用して堆積させることができる。一実施形態では、デバイスフィーチャ129は、デバイスコンタクト(接点)である。一実施形態では、デバイスフィーチャ129は、導電性ラインの一部である。代替の実施形態では、デバイスフィーチャ129は、電子デバイスの一部(例えば、トランジスタ、メモリ、キャパシタ、スイッチ、抵抗器、インダクタ、電圧レギュレータ、増幅器、電力管理集積回路、その他電子デバイス、又はそれらの任意の組み合わせ)である。
【0078】
図1Gは、別の一実施形態に係るウェハの例示的な一実施形態の側面
図160である。
図1Gは、ハードマスク層のスタック(例えば、ハードマスク層161上のハードマスク層162)が、フォトレジスト層163とハードマスク層104との間に堆積され、基板101は示されていない点で
図1Aとは異なる。一実施形態では、フォトレジスト層163はフォトレジスト層127を表す。パターニングされたフォトレジスト層163は、ハードマスク層162内に開口部を通して形成するための開口部164を含む。
【0079】
一実施形態では、パターニングされたハードマスク層162が使用され、ハードマスク層161内に開口部を形成する。パターニングされたハードマスク層161が使用され、ハードマスク層104内に開口部を形成する。一実施形態では、ハードマスク層161及び162のそれぞれは、電子デバイス製造技術の当業者に知られているハードマスク層のうちの1つとすることができる。より具体的な実施形態では、ハードマスク層161は、スピンオンカーボン(SOC)層である。ハードマスク層162は、シリコンベースのARC(Si−ARC)層である。ハードマスク層104は、DARC層である。ハードマスク層103は、Saphira(商標名)ハードマスクである。フィーチャ層102は、誘電体層である。
【0080】
一実施形態では、フォトレジスト層163の厚さは、約100nm〜約150nmである。より具体的な実施形態では、フォトレジスト層163の厚さは約130nmである。一実施形態では、ハードマスク層162の厚さは、約20nm〜約50nmである。より具体的な実施形態では、ハードマスク層162の厚さは約30nmである。一実施形態では、ハードマスク層161の厚さは、約130nm〜約180nmである。より具体的な実施形態では、ハードマスク層161の厚さは約160nmである。一実施形態では、ハードマスク層104の厚さは、約100nm〜約150nmである。より具体的な実施形態では、ハードマスク層104の厚さは約130nmである。一実施形態では、ハードマスク層103の厚さは、約600nm〜約1200nmである。より具体的な実施形態では、ハードマスク層103の厚さは約900nmである。
【0081】
フォトレジスト層163は、電子デバイス製造分野の当業者に知られているフォトレジスト堆積及びパターニング技術のうちの1つを使用してハードマスク層162上に堆積され、パターニングされる。ハードマスク層162、161、104、及び103の各々は、(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子線エピタキシー(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)1以上の堆積技術を使用して堆積させることができる。
【0082】
図1Hは、ハードマスク層103内の開口部171が別の一実施形態に従って形成された後の
図1Gと同様の
図170である。
図1Hは、パターニングされたハードマスク層161がパターニングされたハードマスク層104上にある点で
図1Dと異なる。一実施形態では、
図1Gに示されるパターニングされたハードマスク層163は、ハードマスク層161をエッチングすることによって除去され、パターニングされたハードマスク層162は、ハードマスク層104をエッチングすることによって除去される。一実施形態では、パターニングされたハードマスク層161は、ハードマスク層103をエッチングすることによって除去される。別の一実施形態では、パターニングされたハードマスク層161は、フィーチャ層102をエッチングすることによって除去される。
【0083】
一実施形態では、上述したように、室温より高い温度でハロゲン含有ガスから形成されたプラズマ元素を使用して、少なくともパターニングされたハードマスク層104を通してハードマスク層103をエッチングすることによって開口部171が形成される。一実施形態では、ハロゲン含有ガスは、上記のように、塩素と酸素とを含む。
【0084】
一実施形態では、開口部171は穴である。別の一実施形態では、開口部171はトレンチである。一実施形態では、開口部171の深さは、約100nm〜約1300nmである。一実施形態では、開口部171の深さは1300nm未満である。より具体的な実施形態では、開口部171の深さは、約500nm〜約1000nmである。一実施形態では、開口部171のアスペクト比は15:1より大きい。別の一実施形態では、開口部171のアスペクト比は、少なくとも40:1である。更に別の一実施形態では、開口部171のアスペクト比は、約10:1〜約70:1である。
図1Hに示されるように、開口部171は、垂直プロファイルを有し、側壁172とフィーチャ層102の上面との間の角度175は約90度である。一実施形態では、開口部171は開口部119を表す。
【0085】
図2Aは、一実施形態に係る3Dシステムを提供するためのウェハ200の例示的な一実施形態の側面図である。ウェハ200は、基板201上のフィーチャ層220上のハードマスク層205上にパターニングされたハードマスク層206を含む。一実施形態では、基板201は基板101を表す。ハードマスク層205はハードマスク層103を表す。
【0086】
図2Aに示されるように、フィーチャ層220は、互いに堆積された酸化物層204及び窒化物層203のスタックを含む。絶縁層202は、基板201とフィーチャ層202との間に堆積される。一実施形態では、絶縁層202は、エレクトロマイグレーションを防止するためのバリア層として機能する。一実施形態では、絶縁層202は、酸化物層(例えば、酸化タンタル(TaO)、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化チタン、又は他の酸化物層)である。一実施形態では、絶縁層202の厚さは、約5nm〜約50nmである。
【0087】
一実施形態では、酸化物層204は酸化シリコン層である。一実施形態では、窒化物層203は窒化シリコン層である。別の一実施形態では、酸化物層204は、酸化ゲルマニウム、酸化ガリウム、酸化タンタル(TaO)、酸化アルミニウム、酸化チタン、又は他の酸化物層である。別の一実施形態では、窒化物層203は、窒化チタン、窒化ガリウム、窒化タンタル、窒化アルミニウム、窒化ゲルマニウム、又は他の窒化物層である。一実施形態では、酸化物層203及び窒化物層204のそれぞれの厚さは、約20nm〜約70nmである。一実施形態では、スタックは、酸化物204及び窒化物203の少なくとも36層を含む。
【0088】
層202、203、204は、(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子線エピタキシー(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)1以上の堆積技術を使用して堆積させることができる。
【0089】
図2Aに示されるように、ハードマスク層206がハードマスク層205上に堆積される。ハードマスク層206は、ハードマスク層205まで開口部207及び208を形成するようにパターニングされる。一実施形態では、ハードマスク層206はハードマスク層104を表す。
【0090】
一実施形態では、開口部207及び208のそれぞれの幅は、設計によって決定される。一実施形態では、開口部207及び208のそれぞれの幅は、約2nm〜約200nmのおおよその範囲内にある。より具体的な実施形態では、開口部207及び208のそれぞれの幅は、約20nm〜約80nmである。少なくともいくつかの実施形態では、ハードマスク層206は、ハードマスク層104に関して上述したように、パターニングされたフォトレジストを通してエッチングされて開口部207及び208を形成する。
【0091】
図2Aに示されるように、ハードマスク層205は、上述したように室温よりも高い高温212でプラズマ元素(例えば、プラズマ元素209及びプラズマ元素211)を生成するためのガスを用いて開口部207及び208を通してエッチングされる。一実施形態では、ハードマスク層205をエッチングするためにプラズマ元素を生成するためのガスは、上述したように、塩素(Cl
2)、フッ素、臭素、ヨウ素、他のハロゲン、又はそれらの任意の組み合わせ、及び酸素(O
2)を含む。一実施形態では、プラズマ元素211は酸素元素を表し、プラズマ元素209はハロゲン元素を表す。別の一実施形態では、ハードマスク層205をエッチングするためにプラズマ元素を生成するためのガスは、上述したように、塩素、酸素、及び1以上の他のガス(例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム、他のガス、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。
【0092】
ハロゲン及び酸素プラズマ元素は、ドーパント及びマスク材料元素と反応して、揮発性副生成物及び不揮発性生成物を生成する。一実施形態では、揮発性副生成物は、上述したように、ハロゲン元素に結合されたドーパントと、酸素元素に結合されたマスク材料元素である。一実施形態では、ハードマスク層205内の開口部の側壁上にパッシベーション層を形成するための不揮発性生成物は、上述したように、酸素元素に結合されたドーパントと、ハロゲン元素に結合されたマスク材料元素である。一実施形態では、揮発性副生成物は、塩化ホウ素、水素化ホウ素、臭化ホウ素、フッ化ホウ素、CO、CO
2、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0093】
図2Bは、一実施形態に係るハードマスク層205内に開口部212及び213が形成された後の、
図2Aと同様の
図210である。一実施形態では、開口部212及び213は、
図1B、
図1C、
図4A、
図4B、及び
図5に関して上述したような技術のうちの1つを使用して、パターニングされたハードマスク層206を通して、ハードマスク層205を選択的にエッチングすることにより、フィーチャ層220の上部窒化物層203まで形成される。
図2Bに示されるように、開口部212及び213の各々は、対向する側壁及び底部を有する。一実施形態では、開口部212及び213は穴である。一実施形態では、開口部212及び213のそれぞれは、開口部119を表す。
【0094】
図2Cは、一実施形態に従って、開口部214、215がフィーチャ層220内に形成され、パターニングされたハードマスク層205が除去された後の
図2Bと同様の
図220である。開口部214及び215は、
図1Dに関して上述したように、パターニングされたハードマスク層205をマスクとして使用して、基板201まで絶縁層202を通してフィーチャ層220内に形成される。パターニングされたハードマスク層205は、電子デバイス製造技術の当業者に知られているハードマスク層除去技術のうちの1つを用いて除去される。
【0095】
一実施形態では、開口部214及び215の各々は、高アスペクト比のチャネルホールである。一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれの幅は、開口部212及び213の幅によって決定される。一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれの幅は、約20nm〜約80nmである。一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれの深さは、約0.5μm〜約10μmである。一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれのアスペクト比は、15:1より大きい。別の一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれのアスペクト比は、40:1より大きい。更に別の一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれのアスペクト比は、10:1〜70:1のおおよその範囲内にある。一実施形態では、開口部214と215との間のピッチは、約10nm〜約200nmである。一実施形態では、開口部214及び215のそれぞれは、
図1Dに関して上述したような技術のうちの1つを使用して形成される。
【0096】
図2Dは、一実施形態に従って1以上のチャネルホール層が開口部214及び215内に堆積された後の、
図2Cと同様の
図230である。
図2Dに示されるように、チャネルホール層は、誘電体層216上の導電層217上に誘電体フィラー層218を含む。一実施形態では、導電層217は、
図3に示される3Dシステムのフローティングゲートとして機能する。
図2Dに示されるように、誘電体層216は、開口部214、215の側壁及び底部、及び窒化物層203の上部の上に堆積される。一実施形態では、誘電体層216は窒化物層である。より具体的な実施形態では、誘電体層は窒化ケイ素系誘電体層である。一実施形態では、誘電体層216は、約5nm〜約20nmの厚さに堆積される。
図2Dに示されるように、導電層217は、誘電体層216上にコンフォーマルに堆積される。一実施形態では、導電層217はポリシリコン層である。別の一実施形態では、導電層217は、金属(例えば、銅、タングステン、タンタル、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛)、金属合金、金属炭化物、他の導電性材料、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、導電層217の厚さは、約5nm〜約20nmである。誘電体フィラー層218は、導電層217上に堆積される。一実施形態では、誘電体フィラー層218は、酸化ケイ素フィラー層、又は他の誘電体層である。
【0097】
誘電体層216及び誘電体フィラー層218のそれぞれは、1以上の誘電体層堆積技術(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子線エピタキシー(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)を使用して堆積させることができる。
【0098】
導電層217は、(例えば、無電解めっき、電気めっき、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている任意の他の導電層堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)導電層堆積技術のうちの1つを用いて堆積させることができる。
【0099】
図2Eは、一実施形態に係る、ハードマスク層245上のパターニングされたハードマスク層246が、フィーチャ層220の上部酸化物層204上に形成された後の、
図2Dと同様の
図240である。誘電体フィラー層218、導電層217、誘電体層216、及び窒化物層203の上部は、電子デバイス製造分野の当業者に知られている化学機械研磨(CMP)技術のうちの1つを用いて除去される。一実施形態では、ハードマスク層246は、ハードマスク層104を表す。ハードマスク層245は、ハードマスク層103を表す。
【0100】
図2Eに示されるように、ハードマスク層246はパターニングされ、ハードマスク層245まで開口部247を形成する。一実施形態では、開口部247は、幅よりも実質的に大きい長さを有するスリットである。一実施形態では、開口部247の幅は、設計によって決定される。一実施形態では、開口部247の幅は、約2nm〜約200nmである。より具体的な実施形態では、開口部247の幅は、約20nm〜約80nmである。少なくともいくつかの実施形態では、ハードマスク層246は、ハードマスク層104に関して上述したように、パターニングされたフォトレジストを通してエッチングされて開口部247を形成する。
【0101】
図2Eに示されるように、ハードマスク層245は、上述したように、室温よりも高い高温251でプラズマ元素(例えば、プラズマ元素249及びプラズマ元素248)を生成するためのガスを用いて開口部247を通してエッチングされる。一実施形態では、ハードマスク層245をエッチングするためのプラズマ元素を生成するためのガスは、上述したように、ハロゲン(例えば、塩素(Cl
2)、フッ素、臭素、ヨウ素、他のハロゲン又はそれらの任意の組み合わせ)及び酸素(O
2)を含む。一実施形態では、プラズマ元素248は酸素元素を表し、プラズマ元素249はハロゲン元素を表す。別の一実施形態では、ハードマスク層245をエッチングするためのプラズマ元素を生成するためのガスは、上述したように、塩素、酸素、及び1以上の他のガス(例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム、他のガス、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。ハロゲン及び酸素プラズマ元素は、上述のように、ドーパント及びマスク材料元素と反応して、揮発性副生成物及び不揮発性生成物を生成する。
【0102】
図2Fは、一実施形態に従ってフィーチャ層220内の開口部が形成された後の、
図2Eと同様の
図250である。まず、
図1B、
図1C、
図4A、
図4B、及び
図5に関して上述したような技術のうちの1つを使用して、パターニングされたハードマスク層246を通してハードマスク層245を選択的にエッチングすることによって、フィーチャ層220の上部酸化物層204までハードマスク層245内に開口部252が形成される。
【0103】
一実施形態では、開口部252は高アスペクト比の開口部である。一実施形態では、開口部252は、幅より実質的に大きい長さを有するスリットである。一実施形態では、開口部252は、約2nm〜約200nmの幅を有する。より具体的な実施形態では、開口部252は、約10nm〜約80nmの幅と、約0.5μm〜約100μmの長さとを有する。一実施形態では、開口部252の深さは、約0.5μm〜約10μmである。一実施形態では、開口部252のアスペクト比は、15:1より大きい。別の一実施形態では、開口部252のアスペクト比は、40:1より大きい。更に別の一実施形態では、開口部252のアスペクト比は、10:1〜70:1のおおよその範囲内にある。
【0104】
次に、
図1Dに関して上述したように、パターニングされたハードマスク層245をマスクとして使用して、フィーチャ層220が開口部252を通って絶縁層202を下へと貫通して基板201までエッチングされる。一実施形態では、フィーチャ層220内の開口部は、
図1Dに関して上述したような技術のうちの1つを使用して形成される。
【0105】
図2Gは、一実施形態に従って、パターニングされたハードマスク層246及び245及び窒化物層203が除去され、共通ソースライン領域261が形成された後の、
図2Fと同様の
図260である。パターニングされたハードマスク層246及び245は、電子デバイス製造分野の当業者に知られている1以上のハードマスク層除去技術を用いて除去される。代替の実施形態では、窒化物層203は、ウェットエッチング、ドライエッチング、又はそれらの任意の組み合わせを使用して除去される。一実施形態では、窒化物層203は、熱リン酸(H
3PO
4)浴中での湿式エッチングによって除去される。一実施形態では、約1×10
19atoms/cm
3〜約1×10
21atoms/cm
3のドーパント濃度を有する共通ソースライン領域261が、開口部252を通して基板201上に形成される。共通ソースライン261は、イオン注入技術のうちの1つ又は電子デバイス製造技術の当業者に知られている他のソースライン形成技術を用いて形成することができる。
【0106】
図2Hは、一実施形態に従って導電層が形成された後の、
図2Gと同様の
図270である。
図2Hに示されるように、導電層271は、酸化物層204の一部(例えば、上部273、側部275、及び底部276)及び誘電体層216の露出部分(例えば、一部274)上に形成される。一実施形態では、導電層271の厚さは、約10オングストローム〜約10nmである。導電層272は、酸化物層204間の導電層271上に形成される。
図2Hに示されるように、導電層271上の導電層272は、除去された窒化物層203に取って代わる。一実施形態では、導電層272上の導電層272は、
図3に示される3Dシステムの制御ゲートの一部として機能する。
【0107】
一実施形態では、導電層271はバリア層として働く窒化チタンである。一実施形態では、導電層272はタングステン層である。代替実施形態では、導電層272及び271のそれぞれは、金属(例えば、銅、タングステン、タンタル、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛)、金属合金、金属炭化物、他の導電性材料、又はそれらの任意の組み合わせを含む。導電層271及び導電層272の各々は、導電層堆積技術(例えば、無電解めっき、電気めっき、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、又は電子デバイス製造技術分野の当業者に知られている任意の他の導電層堆積技術)のうちの1つを用いて堆積させることができる。
図2Hに示されるように、導電層272は開口部252から除去される。一実施形態では、導電層272は、エッチング技術(例えば、湿式エッチング、乾式エッチング、又は電子デバイス製造技術分野の当業者に知られている両方の技術)のうちの1つを用いたエッチングによって開口部252から除去される。
【0108】
図2Iは、一実施形態に従って1以上の誘電体層が開口部252内に堆積された後の、
図2Hと同様の
図280である。誘電体層281は、
図2Iに示されるように、開口部252を通って共通ソースライン領域261上に堆積される。一実施形態では、誘電体層281は、
図3に示される3Dトランジスタシステムのワードライン間のフィールド絶縁層として機能する。
【0109】
一実施形態では、誘電体層281は酸化物層(例えば、酸化シリコン(SiO)、二酸化シリコン(SiO
2)、酸化アルミニウム、他の酸化物誘電体層、又はそれらの任意の組み合わせ)である。別の一実施形態では、誘電体層281は窒化物層(例えば、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、電子デバイス設計によって決定される他の電気絶縁層、又はそれらの任意の組み合わせ)である。誘電体層281は、(例えば、化学気相成長法(「CVD」)(例えば、プラズマ強化化学気相成長法(「PECVD」))、物理気相成長法(「PVD」)、分子線エピタキシー(「MBE」)、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他の堆積技術が挙げられるがこれらに限定されない)1以上の誘電体層堆積技術を使用して堆積させることができる。誘電体層281は、酸化物層204の上部、及び誘電体フィラー層218、導電層217、及び誘電体層216の上部から、電子デバイス製造分野の当業者に知られている化学機械研磨(CMP)技術のうちの1つを用いて除去される。
【0110】
図10は、一実施形態に係る、
図2Dに示されるようなチャネルホール層を含む3Dトランジスタの一部の斜視
図1000を示す。誘電体フィラー218は、ゲート電極1001内の開口部1002を通って延在する柱(コラム)である。導電層217は、誘電体フィラー218の周りを包み込む。一実施形態では、導電層217は、フローティングゲートとして機能する。誘電体層216は、導電層217の周りを包み込む。ゲート電極1001は、誘電体層216の周りを包み込む。一実施形態では、ゲート電極1001は、導電層271上に導電層272を含む。
【0111】
図3は、一実施形態に係る
図2A〜2Hに関して記載された方法を使用して製造された3Dトランジスタシステム300の図である。システム300は、ストリング選択ライン(SSL)302、制御ゲートワードライン(WL)303、接地選択ライン(GSL)304、及び共通ソースライン(CSL)305に結合されたビットライン(BL)301を含む。一実施形態では、ワードライン303は、
図2A〜2D及び
図10に関して上述したチャネルホール構造306の一部として形成されたフローティングゲートに結合される。一実施形態では、ワードライン305は、
図2E〜
図2Iを参照して上述したようなスリット内に形成された絶縁層によって分離される。
図3に示されるように、複数のHAR相互接続307が形成され、BL301、SSL302、WL303、GSL304、CSL305に接触する。HAR相互接続は、コンタクトライン308に接続されている。一実施形態では、HAR相互接続307は、
図1A〜1Hに関して上述したような方法を使用して形成される。
【0112】
図6は、一実施形態に係るSaphira(商標名)マスクにおけるHAR開口部のプロファイルを調整することを示す画像の
図600である。画像601は、実質的に垂直なプロファイルを有するHAR開口部を示す。画像601に示されるように、開口部の底部対上部の比は80%より大きく、底部のCDは約80nmであり、開口部の側壁と底部との間の角度は約90°である。画像602は、中間的にテーパ化された(先細りの)プロファイルを有するHAR開口部を示す。画像602に示されるように、開口部の底部対上部の比は約70%〜約80%であり、底部CDは約60nmであり、開口部の側壁と底部との間の角度は約88°〜約89.4度である。画像603は、実質的にテーパ化されたプロファイルを有するHAR開口部を示す。画像603に示されるように、開口部の底部対上部の比は50%未満であり、底部のCDは約40nmであり、開口部の側壁と底部との間の角度は89°未満である。画像601、602、及び603に示される開口部のプロファイルは、上述したように、上昇された温度(高温)、ガス流量、バイアス電力、圧力、ソース電力、時間、又はそれらの任意の組み合わせを含む1以上のパラメータを調整することによって調整された。
【0113】
図7は、一実施形態に係るエッチング温度701に対する上部及び下部702におけるハードマスクの開口部のサイズ間の差を示すグラフ700の図である。一実施形態では、ハードマスクは、ホウ素でドープされる。一実施形態では、ハードマスクは、炭素及びホウ素を含む。一実施形態では、ハードマスクは、Saphira(商標名)ハードマスクである。曲線703は、温度701が増加するにつれて、差702が減少することを示す。一実施形態では、エッチング温度が上昇するにつれて、横方向エッチング速度が増加する。一実施形態では、マスク内のホウ素濃度を増加させると、実質的に垂直なプロファイルが生成される温度が上昇する。
【0114】
図8は、従来のハードマスクHAR開口部を示す画像801と比較して、一実施形態に係るハードマスクHAR開口部を示す画像802を示す
図800である。画像802に示されたHAR開口部の底部対上部のCDの比は、画像801に示されたHAR開口部の底部対上部のCDの比よりも著しく大きい。一実施形態では、画像802に示されるHAR開口部を形成するエッチング速度は、画像801に示されるHAR開口部を形成するためのエッチング速度よりも少なくとも2倍大きい。
【0115】
図9は、一実施形態に係るマスクエッチングを提供するプラズマシステム900の一実施形態のブロック図を示す。
図9に示されるように、システム900は処理チャンバ901を有する。ワークピース903を保持する可動台座902が処理チャンバ901内に配置される。台座902は、静電チャック(「ESC」)と、ESC内に埋め込まれたDC電極と、静電チャック(「ESC」)と、冷却/加熱ベースとを含む。一実施形態では、台座902は、移動カソードとして機能する。一実施形態では、ESCは、Al
2O
3材料、Y
2O
3、又は電子デバイス製造分野の当業者に知られている他のセラミックス材料を含む。台座902のDC電極にはDC電源904が接続されている。
【0116】
図9に示されるように、ウェハ903が開口部908を通して装填され、台座902上に配置される。ウェハ903は、上述したウェハのうちの1つを表す。システム900は、マスフローコントローラ911を介して1以上の処理ガス912をプラズマ源913に導入するための入口を備える。シャワーヘッド914を含むプラズマ源913は処理チャンバ901に結合され、上述のように、プラズマ元素(粒子)を生成するための1以上のガス912を受け取る。プラズマ源913は、RFソース電源910に結合される。シャワーヘッド914を介したプラズマ源913は、高周波電界を使用して1以上の処理ガス911から処理チャンバ901内でプラズマ915を生成する。プラズマ915は、上述したように、プラズマ粒子(例えば、イオン、電子、ラジカル、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む。一実施形態では、電源910は、約13.56MHz〜約162MHzの周波数で約100W〜約3000Wの電力を供給してプラズマ915を生成する。
【0117】
プラズマバイアス電源905は、RF整合器907を介して台座902(例えば、カソード)に結合され、プラズマを励起する。一実施形態では、プラズマバイアス電源905は、所定の周波数でバイアス電力を供給する。プラズマバイアス電源906はまた、例えば、所定の周波数で別のバイアス電力を供給するために設けられてもよい。プラズマバイアス電源906及びバイアス電源905は、RF整合器907に接続され、二重周波数バイアス電力を提供する。一実施形態では、台座902に印加される総バイアス電力は、約10W〜約3000Wである。
【0118】
図9に示されるように、圧力制御システム909は、処理チャンバ901に圧力を提供する。
図9に示されるように、チャンバ901は、チャンバ内で処理中に生成された揮発性生成物を排出するための1以上の排気出口916を有する。一実施形態では、プラズマシステム900はICPシステムである。一実施形態では、プラズマシステム900はCCPシステムである。
【0119】
制御システム917は、チャンバ901に結合される。制御システム917は、プロセッサ918、プロセッサ918に結合された温度コントローラ919、プロセッサ918に結合されたメモリ920、及びプロセッサ918に結合された入力/出力デバイス921を含み、本明細書で説明されるような実行方法を制御する。
【0120】
プラズマシステム900は、(例えば、エッチャー、クリーナー、炉、又は電子デバイスを製造するための任意の他のプラズマシステムが挙げられるがこれらに限定されない)当技術分野で公知の任意のタイプの高性能半導体処理プラズマシステムとすることができる。一実施形態では、システム900は、プラズマシステム(例えば、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社によって製造されたProducer、Centura、Mesa、又はCapaプラズマシステム、又は任意の他のプラズマシステム)のうちの1つを表すことができる。
【0121】
上記の明細書において、本発明の実施形態は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されている。以下の特許請求の範囲に記載されるような本発明の実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味であるとみなされるべきである。