(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の位相差領域および第2の位相差領域を交互に有する光学異方性層を有するパターン位相差フィルムであって、前記第1の位相差領域および前記第2の位相差領域が、チルト角の立ち上がり方向が互いに逆であるハイブリッド配向された棒状液晶またはディスコティック液晶を含有し、前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域との面内遅相軸の方向および面内位相差の絶対値が等しく、該面内位相差の絶対値は、54〜74nmであり、前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域とが、前記棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、前記ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸をx軸とし、フィルム面に垂直な方向をz軸としたとき、前記第1の位相差領域および前記第2の位相差領域のそれぞれにおいて、xz平面内の極角40°における位相差の絶対値および極角−40°における位相差の絶対値の一方が135〜353nmであり、他方が8〜28nmであるパターン位相差フィルムと、
偏光子と、
が積層されてなる視野角スイッチング用偏光板であって、前記パターン位相差フィルムの前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域とが、前記棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、前記ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸と、前記偏光子の吸収軸とが互いに平行である視野角スイッチング用偏光板を2枚備え、
該2枚の視野角スイッチング用偏光板が、互いの前記偏光子の吸収軸が平行に、前記パターン位相差フィルム同士が対向して配置され、かつ、第1の相対位置と第2の相対位置との間で相対移動可能に備えられており、
前記第1の相対位置が、前記対向して配置された前記パターン位相差フィルムの互いに異なる位相差領域同士が積層方向に一致する位置であり、
前記第2の相対位置が、前記対向して配置された前記パターン位相差フィルムの互いに同じ位相差領域同士が積層方向に一致する位置である視野角スイッチングシステム。
前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域が同一のストライプ形状を有し、該ストライプ形状の幅方向に交互に配置されている、請求項1記載の視野角スイッチングシステム。
前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域とが、前記棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、前記ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸が、前記ストライプ形状の長さ方向と一致している、請求項2記載の視野角スイッチングシステム。
前記表示パネルが液晶パネルであり、該液晶パネルの視認側の偏光子が、前記視野角スイッチングシステムを構成する2枚の前記視野角スイッチング用偏光板うち、前記液晶パネル側の視野角スイッチング用偏光板の偏光子を兼ねる請求項5記載の表示装置。
【背景技術】
【0002】
タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォンなどの携帯電話など、個人使用の電子機器では、周囲の第三者に画面を覗き見られたくないという要望がある。そのため、これらの電子機器では、画面の視野角を狭くすることが行われている。
【0003】
画面の狭視野角化の方法としては、黒色のストライプが入ったフィルム(ルーバーフィルム)等を画面に貼着する方法が知られている。
ところが、この方法では、画面の視野角が狭い状態で固定されてしまう。そのため、例えば数人で画面を視認する場合など、斜め方向からも画面を視認する必要が有る場合には斜めからの視認性が悪くなってしまい、電子機器の使い勝手が悪くなってしまう。
【0004】
このような不都合を解決するために、タブレットPCやノートPCなどの電子機器において、横からの覗き見防止などのセキュリティと必要な場合における横からの十分な視認性とを実現するために、広視野角での表示と狭視野角での表示とを切り替える表示装置が、各種、提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、R(赤)、G(緑)、B(青)およびW(白)のサブピクセルに対応するゲート配線およびデータ配線を有する第1基板と、ゲート配線とデータ配線との交点に配置される薄膜トランジスタと、R、G、BおよびWのサブピクセル内に備えられるプレート型の第1共通電極と、薄膜トランジスタに接続され、第1共通電極と絶縁されて複数のスリットを有する画素電極と、第1基板に対向合着される、第1基板との空間に液晶層が備えられる第2基板と、第2基板上にWサブピクセルに対応するように形成されるプレート型の第2共通電極とを有する液晶表示装置が開示されている。
この液晶表示装置では、Wサブピクセルに対して、広視野角表示の場合には、R,GおよびBの隣接サブピクセルと同様にFFSモードで駆動して視野角を広め、かつ、W輝度も補償すると共に、狭視野角表示の場合には、R,GおよびBの隣接サブピクセルとは異なる、垂直電界を形成するECBモードで駆動することにより、視野角を減少することを可能にしている。
【0006】
また、特許文献2には、視野角が一次元方向に制限された画面と、この画面に表示する画像の正立方向が視野角の制限方向に対して略直交するパーソナルビューモードと、画像の正立方向が視野角の制限方向に一致するマルチビューモードとを切り換える画像表示切替手段とを有する表示装置が開示されている。
すなわち、この表示装置では、マイクロプリズムシート等によって画面の視野角を一次元方向に制限すると共に、画像を90°回転して、視野角の制限方向に画像の天地を一致させるか否かによって、広視野角表示と狭視野角表示との切り換えを可能にしている。
【0007】
これらの表示装置によれば、広視野角の表示と狭視野角の表示との切り換えにより、1台の表示装置で、横からの第三者の覗き見を防いだ状態での表示の視認と、数人での適正な表示の視認とを両立できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の表示装置では、複数の基板や、通常の表示装置は有さないWサブピクセルが必要であり、装置構成が複雑になってしまう。
他方、特許文献2の表示装置では、広視野角の表示と狭視野角の表示とを切り換えるために、画像を90°回転する必要があり、余分な画像処理が必要になってしまう。また、通常の表示装置では、画面の縦横比が異なるため、この表示装置では、広視野角の表示と狭視野角の表示とで、画像の縦横比が異なってしまう。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みて、タブレットPCやノートPCに用いられる表示装置において、簡易な構成で、画像処理などを行うことなく、通常の視野角表示と、視野角を制限した狭視野角表示とを切り換えることができる表示装置を提供することを目的とする。また、そのような表示装置を実現するためのパターン位相差フィルム、視野角スイッチング用偏光板および視野角スイッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパターン位相差フィルムは、第1の位相差領域および第2の位相差領域を交互に有する光学異方性層を有するパターン位相差フィルムであって、
第1の位相差領域および第2の位相差領域が、チルト角の立ち上がり方向が互いに逆であるハイブリッド配向された棒状液晶またはディスコティック液晶を含有し、
第1の位相差領域と第2の位相差領域との面内遅相軸の方向および面内位相差の絶対値が等しく、その面内位相差の絶対値は、54〜74nmであり、
第1の位相差領域と第2の位相差領域とが、棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸をx軸とし、フィルム面に垂直な方向をz軸としたとき、第1の位相差領域および第2の位相差領域のそれぞれにおいて、xz平面内の極角40°における位相差の絶対値および極角−40°における位相差の絶対値の一方が135〜353nmであり、他方が8〜28nmである。
【0012】
本発明のパターン位相差フィルムは、第1の位相差領域と第2の位相差領域が同一のストライプ形状を有し、ストライプ形状の幅方向に交互に配置されていることが好ましい。
また、このとき、第1の位相差領域と第2の位相差領域とが、棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸が、ストライプ形状の長さ方向と一致していることが好ましい。
【0013】
本発明のパターン位相差フィルムは、第1の位相差領域と第2の位相差領域が同一の矩形状を有し、縦横に交互にチェック状に配置されていてもよい。
【0014】
本発明の視野角スイッチング用偏光板は、本発明のパターン位相差フィルムと、偏光子とが積層されてなり、パターン位相差フィルムの第1の位相差領域と第2の位相差領域とが、棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸と、偏光子の吸収軸とが互いに平行である視野角スイッチング用偏光板である。
【0015】
本発明の視野角スイッチングシステムは、上記視野角スイッチング用偏光板を2枚備え、この2枚の視野角スイッチング用偏光板が、互いの偏光子の吸収軸が平行に、そのパターン位相差フィルム同士が対向して配置され、かつ、第1の相対位置と第2の相対位置との間で相対移動可能に備えられており、
第1の相対位置が、互いに異なる位相差領域同士が積層方向に一致する位置であり、
第2の相対位置が、互いに同一の位相差領域同士が積層方向に一致する位置である視野角スイッチングシステムである。
【0016】
本発明の表示装置は、表示パネルと、表示パネルの視認側面に配置された上記視野角スイッチングシステムとを備えている。
【0017】
本発明の表示装置は、表示パネルが液晶パネルであり、液晶パネルの視認側の偏光子が、視野角スイッチングシステムを構成する2枚の視野角スイッチング用偏光板うち、液晶パネル側の視野角スイッチング用偏光板の偏光子を兼ねることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパターン位相差フィルムは、チルト角の立ち上がり方向が互いに逆向きにハイブリッド配向された棒状液晶またはディスコティック液晶を含有する、第1の位相差領域および第2の位相差領域を交互に有する光学異方性層を有し、第1の位相差領域と第2の位相差領域との面内遅相軸の方向および面内位相差が等しく、面内位相差は、54〜74nmであり、第1の位相差領域と第2の位相差領域とが、棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸をx軸とし、フィルム面に垂直な方向をz軸としたとき、xz平面内の極角40°における位相差の絶対値および極角−40°における位相差の絶対値の一方が135〜353nmであり、他方が8〜28nmである。係る構成のパターン位相差フィルムを2枚組み合せることにより、簡易な構成で、画像処理などを行うことなく、通常の視野角表示(広視野角表示)と、通常の視野角よりも狭い範囲に視野角を制限した狭視野角表示とを切り換えることができる表示装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のパターン位相差フィルム、視野角スイッチング用偏光板、視野角スイッチングシステムおよび表示装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
<パターン位相差フィルム>
本発明のパターン位相差フィルムは、面内遅相軸の方向および面内位相差が等しい第1の位相差領域および第2の位相差領域を交互に有する光学異方性層を備えてなる。本発明のパターン位相差フィルムは、光学異方性層のみの単層膜で構成されていてもよいし、支持体フィルムおよび配向膜などの他の層上に光学異方性層を備えた積層膜から構成されていてもよい。そして、第1の位相差領域および第2の位相差領域は、チルト角の立ち上がり方向が互いに逆向きにハイブリッド配向されたディスコティック液晶(Discotic Liquid Crystal:DLC)もしくは棒状液晶を有している。ここで、チルト角とは、フィルムの主面(フィルム面)に対する、円盤状のDLC分子の進相軸(円盤の面に垂直な軸)D
fもしくは棒状液晶分子の遅相軸(棒の長軸)D
sの傾きである。ハイブリッド配向とはDLC分子あるいは棒状液晶分子が一方のフィルム面から他方のフィルム面に向かってチルト角が連続的に変化するように固定された状態をいう。
【0022】
本発明のパターン位相差フィルムは、面内位相差R(0)の絶対値が54〜74nmであり、棒状液晶を含有する場合には面内遅相軸、ディスコティック液晶を含有する場合には面内進相軸をx軸とし、フィルム面の法線をz軸としたとき、第1の位相差領域および第2の位相差領域のそれぞれにおいて、xz平面内の極角40°における位相差R(40)の絶対値および極角−40°における位相差R(−40)の絶対値の一方が135〜353nmであり、他方が8〜28nmである。なお、第1の位相差領域および第2の位相差領域における上記位相差の絶対値の一方同士および他方同士は略等しい。これは、第1の位相差領域と第2の位相差領域とで平均チルト角の絶対値が略等しいことを意味する。なお、ここで、位相差の絶対値が略等しいとは、絶対値が±5nmの範囲で一致していることをいう。
【0023】
図1Aに第1の実施形態のパターン位相差フィルム1の模式斜視図を示す。なお、
図1Aをはじめとした各模式図は、実際のフィルムの状態を、説明のため特徴を際立たせ模式化して記載したものである。
本実施形態のパターン位相差フィルム1は、DLCを含有する、第1の位相差領域11および第2の位相差領域12を交互に有する光学異方性層10からなる。本実施形態においては、第1の位相差領域11と第2の位相差領域12が同一のストライプ形状を有し、ストライプ形状の幅方向に交互に配置されている。ここで、同一のストライプ形状とは、大きさおよび形が同じであることを意味している。
【0024】
図1Aにおいて、パターン位相差フィルム1の面内進相軸f
axisをx軸、これに直交する面内遅相軸S
axisをy軸、光学異方性層10の主面10a(以下においてフィルム面10a)の法線をz軸と規定する。
図1Bは、パターン位相差フィルム1の上面(xy平面)、第1および第2の位相差領域11、12の並び方向の側面(zy平面)および第1の位相差領域11の長さ方向の側面(xz平面)をそれぞれ模式的に示す図である。
【0025】
図1Aおよび
図1Bに示すように、フィルム面10aに垂直、かつ、ストライプ形状の領域の長さ方向に沿った面(xz面)において、複数のDLC分子14が、一方のフィルム面10aから他方のフィルム面10bに向かって、進相軸D
fの傾きが徐々に傾きが変化するハイブリッド配向されて固定されている。そして、第1の位相差領域11と第2の位相差領域12とではチルト角の立ち上がり方向が互いに逆であり、平均的なチルト角の絶対値は同等である。以下において、第1の位相差領域11のハイブリッド配向したDLC分子14の群を第1のハイブリッド配向液晶群A、第2の位相差領域12のハイブリッド配向したDLC分子14の群を第2のハイブリッド配向液晶群Bと称する。
【0026】
図1Aに示すように、第1の位相差領域11および第2の位相差領域12において、各液晶群A、BのDLC分子間ではいずれもy軸成分は変化せず、x軸成分のみが変化している。これは、液晶群Aを備えた第1の位相差領域11および液晶群Bを備えた第2の位相差領域12の面内遅相軸の方向が一致していることを意味する。
【0027】
なお、
図1Aに示すように、極角0°における位相差、すなわち面内位相差R(0)の絶対値は第1の位相差領域11および第2の位相差領域で略等しく、その絶対値は54〜74nmである。面内位相差R(0)の絶対値は60〜70nmがより好ましく、63〜67nmが特に好ましい。
【0028】
第1の位相差領域11において、xz平面内の極角40°における位相差R
1(40)の絶対値および極角−40°における位相差R
1(−40)の絶対値の大きい方が135〜353nmであり、小さい方が8〜28nmである。
同様に第2の位相差領域12において、xz平面内の極角40°における位相差R
2(40)の絶対値および極角−40°における位相差R
2(−40)の絶対値の大きい方が135〜353nmであり、小さい方が8〜28nmである。
【0029】
なお、第1の位相差領域と第2の位相差領域とのハイブリッド配向の程度は略同じであるため、R
1(40)≒R
2(−40)、R
1(−40)≒R
2(40)である。
【0030】
本発明において、位相差は特に記載がないときは、波長550nmにおける位相差とする。
本発明において、面内位相差ReはAxoScan(Axometrics社製)において、フィルム面の法線方向(上記xyz軸を有する球面座標における極角0°)から波長550nmの光を入射させて測定した値(=R(0))である。また、位相差R(40)、R(−40)は、それぞれフィルム面に極角40°、−40°から波長550nmの光を入射させて測定した値である。
【0031】
DLCを含有する、第1の位相差領域11と第2の位相差領域12を有する光学異方性層10は、DLCを含む光学異方性層塗布液(DLC組成物)を、後述のパターン配向膜上に塗布し、硬化させることにより作製することができる。
【0032】
図2Aに第2の実施形態のパターン位相差フィルムの模式斜視図を示す。
本実施形態のパターン位相差フィルム2は、棒状液晶を含有する、第1の位相差領域21および第2の位相差領域22を交互に有する光学異方性層20からなる。本実施形態においては、第1の位相差領域21と第2の位相差領域22が同一のストライプ形状を有し、ストライプ形状の幅方向に交互に配置されている点は第1の実施形態と同様である。
【0033】
図2Aにおいて、パターン位相差フィルム2の面内遅相軸S
axisをx軸、これに直交する面内進相軸f
axisをy軸、光学異方性層20の主面20a(以下においてフィルム面20a)の法線をz軸と規定する。
図2Bは、パターン位相差フィルム2の上面(xy平面)、第1および第2の位相差領域21、22の並び方向の側面(zy平面)および第1の位相差領域21の長さ方向の側面(xz平面)をそれぞれ模式的に示す図である。
【0034】
図2Aおよび
図2Bに示すように、フィルム面20aに垂直、かつ、ストライプ形状の領域の長さ方向に沿った面(xz面)において、複数の棒状液晶分子15が、一方のフィルム面20aから他方のフィルム面20bに向かって、その長軸(棒状液晶分子における遅相軸)の傾きが徐々に変化するハイブリッド配向されて固定されている。そして、第1の位相差領域21と第2の位相差領域22とではチルト角の立ち上がり方向が互いに逆であり、平均的なチルト角の絶対値は同等である。また、フィルム法線方向zからみると、棒状液晶分子15の遅相軸は、第1の位相差領域21においても第2の位相差領域22においても全てx軸方向に並んでいる。すなわち、第1の位相差領域21および第2の位相差領域22における面内遅相軸の方向は一致している。
【0035】
なお、以下において、第1の実施形態の場合と同様に、第1の位相差領域21のハイブリッド配向した棒状液晶分子15の群を第1のハイブリッド配向液晶群A、第2の位相差領域22のハイブリッド配向した棒状液晶分子15の群を第2のハイブリッド配向液晶群Bと称する。
【0036】
本実施形態のパターン位相差フィルム2においても、面内位相差R(0)、極角40°における位相差R(40)、極角−40°における位相差R(40)については第1の実施形態のパターン位相差フィルム1の場合と同様である。
【0037】
棒状液晶を含有する、第1の位相差領域21と第2の位相差領域22を有する光学異方性層20は、棒状液晶を含む光学異方性層塗布液(棒状液晶組成物)を、後述のパターン配向膜上に塗布し、硬化させることにより作製することができる。
【0038】
上記第1の実施形態のパターン位相差フィルム1においては、第1の位相差領域11と第2の位相差領域12との面内進相軸f
axisがストライプの長さ方向に一致した構成を説明したが、面内進相軸の方向は第1の位相差領域11と第2の位相差領域12とで一致していればよく、例えば、面内進相軸がストライプの長さ方向に直交するストライプ形状の幅方向となるようにDLC分子が配列されていてもよい。
【0039】
同様に、第2の実施形態のパターン位相差フィルム2においては、第1の位相差領域21と第2の位相差領域22との面内遅相軸S
axisがストライプの長さ方向に一致した構成を説明したが、面内遅相軸の方向は第1の位相差領域21と第2の位相差領域22とで一致していればよく、例えば、面内遅相軸がストライプの長さ方向に直交するストライプ形状の幅方向となるように棒状液晶分子が配列されていてもよい。
【0040】
さらに、パターン位相差フィルムにおける第1の位相差領域と第2の位相差領域の形状はストライプ形状に限るものではなく、
図3に、平面模式図を示す他の例のパターン位相差フィルム3のように、第1のハイブリッド配向液晶群Aを含む第1の位相差領域31と第2のハイブリッド配向液晶群Bを含む第2の位相差領域32とが同一の矩形状(ここでは正方形)を有し、縦横に交互にチェック状に配置されていてもよい。
【0041】
上記第1および第2の実施形態のパターン位相差フィルム1、2としては、第1の位相差領域と第2の位相差領域を有する光学異方性層のみからなる構成について説明したが、本発明のパターン位相差フィルムとしては、光学異方性層のみならず、支持体フィルムを備えたもの、あるいは支持体フィルムおよび配向膜をさらに備えたものであってもよい。
【0042】
図4は、支持体フィルム8上に配向膜9を備え、さらに配向膜9上に第1の位相差領域11および第2の位相差領域12を有する光学異方性層10を備えてなるパターン位相差フィルム1Aの断面模式図を示す。
【0043】
パターン位相差フィルム1Aのように、支持体フィルム8および配向膜9など光学異方性層10以外の層を含む場合には、上記面内位相差R(0)、極角40°あるいは極角−40°での位相差R(40)、R(−40)は、いずれも支持体フィルム8および配向膜9などの光学異方性層10以外の層を含むパターン位相差フィルム1A全体で測定した値とする。
【0044】
配向膜9は、例えば、配向膜上に形成される光学異方性層に含まれる液晶分子が、その長軸が同一方向に並び、かつハイブリッド配向する液晶分子のチルト角の立ち上がり方向(傾斜角の符号)を互いに異なるように制御可能な第1および第2の配向制御領域を有するパターン配向膜である。パターン配向膜は、例えば、一様な配向膜形成後にマスクラビング処理を行うことで形成することができる。
【0045】
また、仮支持体上にパターン配向膜を形成して利用して第1の位相差領域と第2の位相差領域を有する光学異方性層を形成し、その光学異方性層を、支持体フィルム上に転写することにより、支持体フィルム上に配向膜を備えず、直接、光学異方性層を備えたパターン位相差フィルムを得ることができる。
【0046】
支持体フィルムとしては、光透過性、機械的硬度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる重合体や樹脂を主成分とするフィルムが好ましい。また、支持体フィルムとしては、面内遅相軸の向きがランダムであり、面内位相差が小さいものが好ましい。例えば、国際公開2013/047282号等に記載の支持フィルムが好適である。
【0047】
<視野角スイッチング用偏光板>
本発明の視野角スイッチング用偏光板は、上述した本発明のパターン位相差フィルムと偏光子(直線偏光膜)とを少なくとも有する。偏光子は、パターン位相差フィルムの光異方性層の表面と貼合してもよいし、支持体フィルムの表面と貼合してもよい。また、偏光子とパターン位相差フィルムとの間に他のフィルム(例えば、偏光子の保護フィルム)が配置されていてもよい。間に挟まれるフィルムとしては、面内遅相軸がランダムでありかつ低位相差のフィルムであることが好ましい。
【0048】
図5は、視野角スイッチング用偏光板の一例の模式斜視図である。
図5に示すように、視野角スイッチング用偏光板50は、パターン位相差フィルム1と偏光子4とが積層されてなる。このとき、パターン位相差フィルム1の面内進相軸方向(x軸と一致)と偏光子4の吸収軸aとが平行となるように積層される。
【0049】
なお、視野角スイッチング用偏光板が、
図2Aに示した棒状液晶を含むパターン位相差フィルム2を備える場合には、パターン位相差フィルム2の面内遅相軸方向(x軸と一致)と偏光子の吸収軸とが平行となるように積層すればよい。
【0050】
<視野角スイッチングシステムおよび表示装置>
本発明の視野角スイッチングシステムは、上記の視野角スイッチング用偏光板を2枚組み合わせて構成される。以下に、本発明の視野角スイッチングシステムおよびそれを備えた表示装置について説明する。
【0051】
図6は、本発明の視野角スイッチングシステムの一例を備えた本発明の表示装置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、
図6においては、視野角スイッチングシステムによる(i)通常視野角表示モードおよび(ii)狭視野角表示モードの状態を示している。
【0052】
本実施形態の視野角スイッチングシステム60においては、2枚の視野角スイッチング用偏光板を区別するため、一方の視野角スイッチング用偏光板を51、他方の視野角スイッチング用偏光板を52とし、各偏光板51、52中の各構成要素の符号として、既述の視野角スイッチング用偏光板50の対応する構成要素の符号に100または200を加算した3桁の符号を用いることとして、詳細な説明は省略する。
【0053】
視野角スイッチングシステム60は、2枚の視野角スイッチング用偏光板51、52が、互いの偏光子104、204の吸収軸aが平行に、パターン位相差フィルム101、201同士が対向して配置され、かつ、通常視野角モードのための第1の相対位置と狭視野角モードのための第2の相対位置との間で相対移動可能に備えられている。
【0054】
図6中(i)に示すように、第1の相対位置は、パターン位相差フィルム101、201の互いに異なる位相差領域同士が積層方向に一致する位置である。すなわち、このとき、一方のパターン位相差フィルム101の第1の位相差領域111と、他方のパターン位相差フィルム201の第2の位相差領域212とが積層方向に一致し、かつ、一方のパターン位相差フィルム101の第2の位相差領域112と、他方のパターン位相差フィルム201の第1の位相差領域211とが積層方向に一致する。
【0055】
第2の相対位置は、パターン位相差フィルム101、201の互いに同じ位相差領域同士が積層方向に一致する位置である。すなわち、このとき、一方のパターン位相差フィルム101の第1の位相差領域111と他方のパターン位相差フィルム201の第1の位相差領域211とが積層方向に一致し、かつ、一方のパターン位相差フィルム101の第2の位相差領域112と他方のパターン位相差フィルム201の第2の位相差領域212とが積層方向に一致する。
【0056】
本実施形態の視野角スイッチングシステム60は、一方の視野角スイッチング用偏光板51を、第1および第2の位相差領域である1つのストライプ形状の幅(1ストライプ幅)分、図中矢印Mの方向に移動可能に構成されている。このM方向に視野角スイッチング用偏光板51を1ストライプ分ずらすことにより、通常視野角と狭視野角とを切り替えることができる。
【0057】
なお、視野角スイッチングシステム60は、上記の第1の相対位置と第2の相対位置となるように、少なくともいずれかの視野角スイッチング用偏光板を1ストライプ分幅方向にスライドさせるための、図示しない移動機構を備える。移動機構としては公知のスライド機構を適宜利用することができる。ユーザがダイヤルを回すことにより、視野角スイッチング用偏光板51を1ストライプ幅分スライドさせ、再度ダイヤルを回すことにより逆向きに1ストライプ分スライドして元も位置に戻るスライド機構など機械的に第1の相対位置と第2の相対位置とを切り替えられるように構成すれば、電源不要であり好ましい。
【0058】
視野角スイッチングシステムに備えられるパターン位相差フィルムとしては、第1の実施形態のパターン位相差フィルム1に限らず第2の実施形態のパターン位相差フィルム2であってもよいことは言うまでもない。また、さらに、
図3に示した第1の位相差領域と第2の位相差領域とがチェック状に配置されたパターン位相差フィルム3を用いてもよい。
図3に示すようなチェックパターンのパターン位相差フィルム3を備えた場合、スライド方向は縦横いずれの方向としてもよい。
【0059】
本発明の表示装置は、表示パネルと、その表示パネルの視認側面に配置された、上記の視野角スイッチングシステムとを備えている。
図6に示す通り、本実施形態の表示装置100は、上記視野角スイッチングシステム60が液晶パネル70の視認側面に配置されてなる。
【0060】
液晶パネル70は、液晶セル71が互いに直交する偏光子72、73により挟まれた構成を有している。なお、バックライトは省略している。液晶パネル70の視認側の偏光子73は、視野角スイッチングシステム60を構成する2枚の視野角スイッチング用偏光板51、52うち、液晶パネル70側の視野角スイッチング用偏光板52の偏光子204を兼ねている。
【0061】
図7は、(i)通常視野角表示モード時、および(ii)狭視野角表示モード時における、対向するパターン位相差フィルムの一部を模式的に示している。
【0062】
通常視野角表示モード時には、
図7の(i)に示すように、一方のパターン位相フィルムの第2の位相差領域112と、他方のパターン位相フィルムの第1の位相差領域211とが対向し、積層方向に重なっている。このとき、全面に亘って互いに逆向きのハイブリッド配向である第1のハイブリッド配向液晶群Aと第2のハイブリッド配向液晶群Bとが対向する。このとき、両者のハイブリッド配向の方向が逆であるので、積層方向に進む光に対し、互いに斜め方向における位相差を打ち消し合しあい、互いの位相差が補償される。そのため、視野角スイッチングシステムは、表示パネルから出射されてそのシステムを通過する光に対して影響を及ぼさず、表示パネルの有する通常の視野角が得られる。
【0063】
他方、狭視野角表示モード時には、
図7の(ii)に示すように、2枚のパターン位相フィルムの、ハイブリッド配向の向きが同じである位相差領域同士111と211が対向し、積層方向に重なっている。このとき、全面に亘って、同一向きのハイブリッド配向である第1のハイブリッド配向液晶群A同士、および第2のハイブリッド配向液晶群B同士が対向する。このとき、互いに同一の斜め方向における位相差を有しているため、位相差は補償されず、全体として斜め方向(フィルム面に対する法線方向からフィルム面側に傾いた方向)における位相差が生じ、結果として表示パネルの有する通常の視野角よりも視野角が狭められる。
【0064】
図8および
図9はそれぞれ(i)通常視野角表示モード、(ii)狭視野角表示モードにおける輝度分布を示す。発光点上に視野角スイッチングシステムを配置し、各モードに設定した場合における、視野角輝度分布(方位角、極角)をシミュレーションにより求め極座標で二次元表示したものである。図の左右が水平方位、上下が垂直方位になっており、右が方位角0度、上が方位角90度、左が方位角180度、下が方位角270度である。また、円の中心からの距離が正面方向からの極角を表しており0度〜80度の範囲になっている。
【0065】
ここでは、
図6に示した視野角スイッチングシステムのストライプ長さ方向が0°から180°の軸と一致するように配置されている。狭視野角表示モードにおいては、0°から180°のラインにおける視野角が通常視野角と比較して大幅に狭まっていることが明らかである。
【0066】
図10は、通常視野角表示モードおよび狭視野角表示モードのそれぞれの、水平角度−90°から90°における輝度分布を示すグラフである。水平角度の正の方向が
図8および
図9の方位角0度、負の方向が
図8および
図9の方位角180度に対応しており、角度の大きさが
図8および
図9の極角に対応している。
図10に示すように、狭視野角モードでは視認可能な角度領域が水平角度0度(すなわち正面)から離れると急激に小さくなっており、視野角が大きく減じられていることが分かる。
【0067】
したがって、視野角スイッチングシステムを通常の表示パネルに重ねて配置した表示装置では、通常の視野角での表示と視野角を制限した狭視野角での表示とを切り替えて、通常は横方向からでも適正な表示の視認を可能とし、必要に応じて狭視野角モードに切り替えることで、例えば周囲の第三者が表示を視認することを防止することができる。
【0068】
表示パネルとしては、タブレットPC、ノートPC、スマートフォンなどの携帯電話等に利用される、公知の表示装置で利用されている各種の表示素子(ディスプレイパネル)が利用可能である。具体的には、既述の液晶パネルの他、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル、プラズマ表示パネル、電子ペーパ等が例示される。
【0069】
図11は、表示パネルとして有機ELパネル75を備えた表示装置100Aの概略構成を示す。表示装置100Aは、有機ELパネル75の視認画面に、視野角スイッチングシステム60を備えた構成である。
既述の通り、本構成の表示装置100Aにおいても液晶パネル70を備えた場合と同様に、通常視野角モードでは、有機ELパネル75自体の通常の視野角で画面を視認することができ、かつ、狭視野角モードでは、水平方向の視野角を狭め、周囲の第三者からの画面視認性を低下させ、第三者による画面の覗き見を防止することができる。
【実施例】
【0070】
<パターン位相差フィルムの作製法>
実施例および比較例として、支持体フィルム上に配向膜を形成し、配向膜にパターンラビングを施した後に配向膜上に光学異方性層を形成することにより第1の位相差領域と第2の位相差領域を備えた光学異方性層を有するパターン位相差フィルムを作製した。
【0071】
支持体フィルムとして、セルロースアシレートフィルムを用いた。具体的には、富士フイルム社製のZ−TAC(商品名)を用いた。
【0072】
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルムの表面に鹸化処理を施し、その鹸化処理した表面に、下記表1の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーを用いて塗布した。塗布膜を60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。形成した膜にラビング処理を行った。
【表1】
【0073】
【化1】
【0074】
上記のようにして形成した配向膜をパターンラビングした。パターンラビングには、特開2004−163495の方法を参考にマスクラビング法を用いた。
図12にパターンラビング法を説明するための模式図を示す。
図12に示すように、支持体フィルム8上に形成した一様な配向膜9上に、ストライプ形状の開口が平行にそのストライプの幅と同一幅間隔で複数配列されたストライプ状パターンのマスク90を配置する。そして、図中右から左に向かう、ストライプの長さ方向の一方の向き(1)に平行にラビングし、その後、マスク90をストライプ形状の開口の幅1つ分、ストライプの幅方向にずらして配置し、図中左から右に向かう、ストライプの長さ方向の他方の向き(2)にラビングする。この処理により、互いに逆向きにラビングされたストライプ状領域が交互に形成されたパターン配向膜を作製した。このとき、パターンの幅は5mmであった。
【0075】
上記パターン配向膜上に、各実施例および比較例について下記表2に示す光学異方性層塗布液を塗布量調整して塗布し、紫外線硬化して固定化した。この光学異方性層は、第1の方向にラビング配向されたストライプ状領域に第1の位相差領域を、第2の方向にラビングされたストライプ状領域に第2の位相差領域を有するパターン位相差層である。
以上の手順で各実施例および比較例のパターン位相差フィルムを作製した。
【0076】
各実施例および比較例において、光学異方性層塗布液として、それぞれ実施例毎に次のD1〜D5、あるいはR1のいずれかの塗布液を用いて光学異方性層を作製した。
【表2】
【0077】
光学異方性塗布液D1〜D5の組成は下記表3に示す通りとした。単位はすべて質量部である。
【表3】
【0078】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0079】
光学異方性層塗布液R1の組成は下記表4に示す通りとした。単位はすべて質量部である。
【表4】
【0080】
【化7】
【化8】
【化9】
【0081】
<位相差の測定>
上記のようにして得られ各実施例および比較例のパターン位相差フィルムについて、Axometric社のAxoscanを用いてR(0)、R(40)、R(−40)の位相差を測定した。結果を表5に示す。なお、棒状液晶の位相差はDLCの位相差と符号は反対になる。これは、棒状液晶がラビング方向に対し面内遅相軸が平行になるのに対し、DLCはラビング方向に対し面内進相軸が平行になるためである。本明細書ではリタデーションの絶対値が重要になるため、符号にはとらわれず絶対値で記述している。
【0082】
<評価>
各実施例および比較例のパターン位相差フィルムを2枚ずつ用い、異方性層が内側になるように重ね合わせ、第1の位相差領域同士、第2の位相差領域同士を重ねた場合を狭視野角表示モード、第1の位相差領域と第2の位相差領域とが重なる場合を通常視野角(広視野角)表示モード(
図6参照)として以後の評価を行った。この2枚のフィルムを液晶表示装置(液晶モニター:HP社 LP2065)の液晶パネル上に、各ストライプの長さ方向が観察者に対して横方向(左右方向)となるように重ね、さらにその上に偏光板を重ねた。偏光板の吸収軸の向きは、液晶表示装置の視認側偏光板と同じ向きとした(
図6参照)。
【0083】
液晶表示装置を白表示とし、狭視野角時の左右斜め60度(極角60°)における輝度(パターン位相差フィルムを備えない場合の輝度を1とした比較値)を測定した。測定はトプコン社のBM−5Aを用いた。輝度を下記基準で評価した結果を表5に示す。
A:輝度0.1未満 (略黒となり十分な狭視野角効果あり)
B:輝度0.1以上0.2以下(やや黒となり十分な狭視野角効果あり(許容))
C:輝度0.2超0.5以下 (黒が不十分で狭視野角効果不十分(許容できない))
B:輝度0.5超 (黒とならず十分な狭視野角効果なし)
【0084】
また、広視野角と狭視野角のスイッチングの性能を液晶表示装置に画像を表示させて目視による下記表記基準A〜Dの官能評価を行った。なお、ここでは広視野角と狭視野角の場合について、それぞれ左右斜め60度(極角60°)から観察した。評価結果を表5に示す。
A:広視野角時には画像が鮮明に認識されたが、狭視野角時には完全に黒くなり全く画像が視認できない状態となり、十分なスイッチング効果あり
B:広視野角時には画像が鮮明に認識されたが、狭視野角時には略黒くなり画像がほぼ視認できない状態となり、実用上許容できる程度のスイッチング効果あり(許容)
C:広視野角時には画像が鮮明に認識されたが、狭視野角時にはやや黒くなったが画像がやや視認でき、スイッチング効果不十分(許容できない)
D:広視野角時には画像が鮮明に認識されたが、狭視野角時には黒くならず画像が視認できるままとなり、スイッチング効果なし
【0085】
【表5】
【0086】
表5に示すように、実施例1〜6はいずれの評価もAもしくはBであったのに対し、比較例1〜4はいずれの評価もCであった。実施例1および実施例2で非常によい結果が得られた。