(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のファセット要素(7)は、複数のモジュール式マルチミラー要素(34)を有するマルチミラーアレイ(33)を含み、該マルチミラー要素(34)は、各場合に該第2のファセット要素(7)の領域内の前記中間フォーカス(ZF)の前記像の寸法に少なくとも等しい寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学アセンブリ(11)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特に、投影露光装置の作動中に照明光学アセンブリの個々の構成体が受ける熱負荷に関して投影露光装置のための照明光学アセンブリを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、
当初請求項1に記載の特徴を用いて達成される。本発明の核心部は、第2のファセット要素の領域内の照明放射線
(illumination radiation)の強度分布が予め定められた最大値を超えないように第1のファセットを形成する個々のミラーの変位位置を選択することにある。この場合に、最大値は、最大許容強度I
maxとして絶対数で予め定めることができる。最大値は、強度分布の平均値に対して予め定めることができる。この場合に、強度分布の平均値は、特に、それぞれの第2のファセットの区域にわたる強度分布の積分をこれらのファセットの面積で割り算したものとして与えることができる。
【0008】
このファセットの領域内の強度分布の最大値は、例えば、平均値よりも最大で32倍だけ
(by a factor of 32)、特に16倍だけ
(by a factor of 16)、特に最大で8倍だけ
(by a factor of 8)、特に最大で4倍だけ
(by a factor of 4)、特に最大で2倍だけ
(by a factor of 2)、特に最大で1.5倍だけ
(by a factor of 1.5)大きいとすることができる。
【0009】
強度分布の最大値は、強度分布の平均値よりも最大で100kW/m
2、特に最大で50kW/m
2、特に最大で30kW/m
2、特に最大で20kW/m
2、特に最大で10kW/m
2だけ大きいとすることができる。
【0010】
予め定められた最大強度I
maxは、特に最大で500kW/m
2、特に最大で300kW/m
2、特に最大で200kW/m
2、特に最大で100kW/m
2、特に最大で50kW/m
2、特に最大で30kW/m
2、特に最大で20kW/m
2、特に最大で10kW/m
2、特に最大で5kW/m
2、特に最大で2kW/m
2とすることができる。
【0011】
本発明により、個々に変位可能な複数の
(又は「多数の」:multiplicity of。以下においても同様)個々のミラーを有する第1のファセット要素の構造は、これらの個々のミラーの各々が、それぞれ割り当てられた第2のファセット上に生成する中間フォーカス像を互いに対してシフトさせることを可能にすることが認識されている。その結果、第2のファセット要素の領域内の強度分布に影響を及ぼすことができる。特に、変位の最大値が上述の基準のうちの少なくとも1つを満たすような個々のミラーの部分集合
(subset)の変位によって第2のファセット要素の領域内、特に上記第2のファセットの各々の領域内の強度分布に影響を及ぼすことができる。
【0012】
第2のファセットのうちの与えられた1つの上の中間フォーカス像の個数は、特に、関連する第1のファセットを形成する個々のミラーの個数に等しいとすることができる。この個数は、1から10,000の範囲、特に1から3000の範囲、特に1から1000の範囲にあるとすることができる。
【0013】
強度及び強度分布に関する表示は、特に時間平均値である。原理的には、表示の値が、強度の時間ピーク値を示すことも可能である。
【0014】
個々のミラーは特にマイクロミラーである。第1のファセット要素の個々のミラーは、特に1cmよりも短く、特に5mmよりも短く、特に2mmよりも短く、特に1mmよりも短く、特に700μmよりも短く、特に500μmよりも短い辺長を有する。
【0015】
本発明の更に別の態様により、第2のファセット要素は、各場合に第2のファセット要素の領域内の中間フォーカス像の寸法に少なくとも等しい寸法を有する複数のモジュール式
マルチミラー要素を有するミラーアレイを含む。モジュール式
マルチミラー要素を構成ブロック又はブリックとも表示する。ブリックは、各場合に、光源像、特に第2のファセット要素の領域内の中間フォーカス像のものに少なくとも等しい寸法を有する。
【0016】
第2のファセットは、特に複数の個々のミラー、特に複数のマイクロミラーによって形成される。モジュール式
マルチミラー要素は、特にマルチミラーアレイ(MMA
:multi−mirror array)、特にマイクロ電気機械システム(MEMS
:microelectromechanical system)、特にMEMS MMAとして具現化される。MEMS MMAの詳細に関しては、DE 10 2011 006 100 A1を参照されたい。そのようなMEMS MMAを用いた第2のファセット要素、特に第2のファセットの実施形態は、特に、照明視野を照明するために、及び予め定められた照明設定を設定するための照明チャネルを形成する場合の照明光学アセンブリの柔軟性を有意に拡張する。
【0017】
第2のファセットは特に仮想ファセットである。特に瞳ファセットを含めることができる。一般的に鏡面反射器のファセットを含めることができる。
【0018】
第2のファセットは、特に、サイズ、形状、及び/又は配置に関して変更することができ、特に予め定められた境界条件に適応させることができる。
【0019】
本発明の一態様により、与えられた第1のファセットの複数の個々のミラーの変位位置は、個々のミラーが、それぞれ割り当てられた第2のファセット上で、互いに対して最小絶対値だけオフセットされた最大値を有する中間フォーカス像を生成するように選択される。特に、与えられた第1のファセットに対して少なくとも2つの個々のミラーが存在し、これらの個々のミラーの変位位置は、これらの個々のミラーが、それぞれ割り当てられた第2のファセット上で、互いに対して最小絶対値だけオフセットされた最大値を有する中間フォーカス像を生成するように選択される。
【0020】
その結果、対応する第2のファセット上の強度分布の最大値を低減することができる。中間フォーカス像のオフセットの最小絶対値は、特に、第2のファセットを形成する個々のミラーのうちの1つのものの幅に少なくとも等しい。この最小絶対値は、この幅の大きさの2倍とすることができる。オフセット、特にその最小絶対値は、それぞれの第2のファセット上の中間フォーカス像の強度分布の半値全幅
(full width at half maximum)に依存して定めることができる。最小絶対値は、特に、半値全幅の半分に等しい、半値全幅に等しい、半値全幅の2倍に等しいか又は半値全幅の3倍に等しいとすることができる。
【0021】
個々のミラーの変位位置は、特に、プラズマ像のエネルギの最大で20%、特に最大で10%、特に最大で5%、特に最大で1%が、それぞれ割り当てられた第2のファセットを超えて位置し、すなわち、この第2のファセットによって反射することができないように選択される。
【0022】
最大可能シフトは、内部でシフトが好ましくは可能な限り均一に分散される領域を定める。変位位置は、特に、第2のファセット上の強度分布が可能な限り均一であるように選択される。
【0023】
上述の第2のファセット上の中間フォーカス像のオフセットの最小絶対値は、同じ仮想の第2のファセット上の第2の中間フォーカス像の間の最大距離に対する下限を形成することができる。
【0024】
中間フォーカス像の互いに対するオフセットは、第2のファセット上の強度分布をターゲットを定めた方式で拡幅することを可能にする。特に、強度を第2のファセットの中心領域から縁部領域にシフトさせることができる。特に、第2のファセットの照明をより均一にすることができる。
【0025】
本発明の更に別の態様により、第1のファセットのうちの少なくとも1つのものの個々のミラーは、中間フォーカス内の与えられた強度分布の場合に、対応する第2のファセット上の中間フォーカス像の強度分布が照明光学アセンブリの結像スケールによってスケーリングされる中間フォーカス内の強度分布の半値全幅よりも少なくとも10%、特に少なくとも20%、特に少なくとも30%、特に少なくとも50%、特に少なくとも70%、特に少なくとも100%、特に少なくとも150%、特に少なくとも200%、特に少なくとも300%大きい半値全幅を有するように変位される。
【0026】
第2のファセット上での中間フォーカス像の強度分布の拡幅は、第2のファセット上の強度の最大値を低減することを可能にする。本発明により、一般的に第2のファセット上の強度分布の形状も修正されることは、この状況では第2に重要なことであることが認識されている。
【0027】
本発明の更に別の態様により、第2のファセットのうちの少なくとも2つが異なる寸法を有する。
【0028】
特に、特に大きい部分視野を照明するためなどに機能する第2のファセットを
、より小さい部分視野を照明する第2のファセットよりも大きくすることができる。仮想の第2のファセットのサイズは、特に、照明される部分視野のサイズに依存して選択することができる。より大きいサイズの第2のファセットは、中間フォーカス像のより大きいシフトを可能にする。それによって放射線電力
(radiation power)をより大きい領域にわたって分散させることができ、すなわち、第2のファセット上の照明放射線の最大強度を低減することができる。
【0029】
好ましくは、走査方向に関して共通の高さの場所に配置された部分視野、すなわち、下記で導入することになる座標系で同じy座標を有する部分視野を照明するファセットは同じ形状を有する。その結果、瞳内の視野依存性を回避することができる。
【0030】
一方、ファセットは、y座標に依存して異なる格子定数
(grid constants)を瞳のx方向に有することができる。特に、異なるy座標を有する少なくとも2つのファセットが、x方向に異なる寸法を有することができる。
【0031】
それによって非常に特徴的な瞳がもたらされる。この瞳は、y方向の瞳座標に依存してx方向に可変な距離の照明チャネルを有する。瞳のこの特性は非常に優勢であり、マスクの設計において考慮に入れるべきである。
【0032】
本発明の更に別の目的は、照明光学アセンブリを設定する方法を改善することである。
【0033】
この目的は、以上の説明に従って照明光学アセンブリを与える段階と、中間フォーカス内の強度分布を予め定める段階と、照明チャネルを形成するために第2のファセットの少なくとも1つの部分集合への第1のファセットの少なくとも1つの部分集合の割り当てを予め定める段階と、第2のファセット上に入射することが許される最大強度(I
max)を予め定める段階と、与えられた割り当ての場合に第2のファセット上に入射する強度(I(σ))の分布を決定する段階と、第2のファセット上の強度(I(σ))が最大でI
maxに等しいように第1のファセットの個々のミラーの部分集合を変位させる段階とを含む方法を用いて達成される。
【0034】
本発明の核心部は、第2のファセット上の強度分布が特定の境界条件を満たすように第1のファセットの個々のミラーの部分集合を変位させることにある。第1のファセットの個々のミラーの変位は、特に、第2のファセット上の最大強度が最大で予め定められた最大値I
maxに等しいことを確実にすることを可能にする。特に、第2のファセットのうちの少なくとも1つの上の強度分布I(σ)が予め定められた許容最大値I
maxよりも大きい最大値を有する、max(I(σ))>I
maxである場合に、第1のファセットの個々のミラーの部分集合の変位が与えられる。
【0035】
上述したように、個々のミラーの部分集合の変位を用いて第2のファセット上の強度分布を拡幅することができる。特に、第2のファセットにわたる強度分布をより均一にすることができる。
【0036】
本発明の更に別の態様により、個々のミラーの変位後に第2のファセットによって得られる最小伝達率
(minimum transmittance)T
minが予め定められる。
【0037】
これは、第1のファセットの個々のミラーの変位において考慮に入れるべきである境界条件である。この点に関して、個々のミラーの過度に大きい変位は、これらの個々のミラーによって反射される照明放射線が対応する関連の第2のファセット上にもはや入射せず、従って、照明視野を照明することなく失われるという効果を有することが認識されている。これを例示目的で簡単に照明放射線が第2のファセットから離脱すると表現する。有利な態様では、この離脱を回避することが意図される。
【0038】
伝達率
(transmittance)という用語をこの状況では幾何学的に理解しなければならない。特に、伝達率という用語は、中間フォーカスの全ての像が第2のファセットのうちの1つの上に集中し、第2のファセットが単純に接続された特に不断の反射面を有する場合に、照明放射線の理論上可能な反射電力
(reflected power)に対する第1のファセットの個々のミラーの変位後にこの第2のファセットによって実際に反射される照明放射線の電力
(power)の比を指定することを理解しなければならない。
【0039】
この定義を用いて、伝達率は、特に第1のファセットの個々のミラーの変位の結果として第2のファセットから離脱する照明放射線の
割合(proportion)を特徴付けるためなどに機能する。
【0040】
予め定められた最小伝達率の境界条件を用いてもたらすことができることは、第2のファセット上の最大強度を低減し、一方、第2のファセット上の強度の平均値、特に第2のファセットにわたる強度分布の面積積分
(area integral)、すなわち、第2のファセットによってそれぞれ反射される電力を最大で予め定められた値に達するまで低減すること、特に実質的に一定に留めることである。
【0041】
本発明の更に別の態様により、第2のファセットのサイズは、反射される電力、予想される熱負荷、及び/又は予め定められた最小伝達率値に依存して選択される。
【0042】
特に複数の個々のミラーによって形成され、すなわち、仮想の第2のファセットとして具現化される第2のファセットのサイズは、特に必要に応じて柔軟に選択することができる。この点に関して、第2のファセットの全ては、等しい形状及び/又は等しいサイズを有することができる。しかし、第2のファセットのうちの少なくとも2つは、異なる形状及び/又は異なるサイズを有することができる。第2のファセットのサイズは、特に照明される部分視野に依存して選択することができる。一般的に、より大きい部分視野を照明するためなどに機能する第2のファセットは、
より小さい部分視野を照明するためなどに機能する第2のファセットよりも大きくすることができる。
【0043】
本発明の更に別の目的は、照明光学アセンブリのためのファセットミラーを改善することである。
【0044】
この目的は、複数の変位可能な個々のミラーを有するマルチミラーアレイを含み、マルチミラーアレイの個々のミラーの個数及び配置が、仮想ファセットを形成するための個々のミラーのグループ分けの可能性が可約表現
(reducible representation)を有するように選択されることを特徴とするファセットミラーを用いて達成される。
【0045】
マルチミラーアレイは、特に行列として、特に正方形行列として具現化することができる。マルチミラーアレイは、特にn本の行
(lines)とm本の列
(columns)とを有する。この場合に、n=m
(nとmが等しい)又はn≠m
(nとmが等しくない)が成り立つ。この場合に、n及びmは、特に、これらの各々が少なくとも2つの異なる素因数
(prime factors)を有するように選択され、これらが特に多くの
devisorsを有するように選択される。それによってマルチミラーアレイの不断の分割、特に等しい部分視野への分割における柔軟性が高まる。100本までの行及び/又は列を有するミラーアレイの場合に、行及び/又は列の本数は、特に12、18、20、24、28、30、32、36、40、42、44、45、48、又は60である。特に好ましくは、これらの値は12、24、36、48、又は60である。これらの値は、各場合に少なくとも6個、8個、9個、10個、及び12個の
devisorsをそれぞれ有する最も小さい整数である。
【0046】
このファセットミラーは、特に第2のファセット要素の構成体である。このファセットミラーは、特に鏡面反射器の構成体である。鏡面反射器が照明光学アセンブリの瞳平面に配置される場合に、このミラーを瞳ファセットミラーとも表示する。
【0047】
本発明の更に別の目的は、投影露光装置のための照明系、投影露光装置のための光学系、及び投影露光装置を改善することである。これらの目的は、以上の説明による照明光学アセンブリを含む対応する系及び対応する装置を用いて達成される。その利点は、照明光学アセンブリに関して記述したものから明らかである。
【0048】
与えられた放射線源を含む照明系の場合に、特に、中間フォーカス内の照明放射線の強度分布を明確に決定することができる。以上の説明による照明光学アセンブリ、特にその設定、特に第1のファセット要素の個々のミラーの変位の設定は、この場合の放射線源の特定の詳細に適応させることができる。
【0049】
本発明の更に別の目的は、微細又はナノ構造化構成要素を生成する方法、及びこのようにして生成される構成要素を改善することである。これらの目的は、この場合に以上の説明による照明光学アセンブリを与えることによって同じく達成される。その利点は、ここでもまた上述したものから明らかである。
[当初請求項1]
投影露光装置(1)のための照明光学アセンブリ(11)であって、
1.1.異なる変位位置へと変位可能である複数の第1のファセット(21i)を有する第1のファセット要素(6)と、
1.2.複数の第2のファセット(25i)を有する第2のファセット要素(7)と、 を含み、
1.3.照明放射線(3)を用いて物体視野(8)を照明するための照明チャネルが、前記第2のファセット(25i)のうちのそれぞれの1つへの前記第1のファセット(21i)のうちのそれぞれの1つの割り当てによって定められ、
1.4.前記第1のファセット(21i)は、各場合に複数の変位可能な個々のミラー(31)によって形成され、
1.4.1.前記第1のファセット(21i)の前記個々のミラー(31)の各々が、前記それぞれ割り当てられた第2のファセット(25i)上に中間フォーカス(ZF)の像を各場合に生成するように変位可能であり、
1.5.前記第1のファセット(21i)の前記個々のミラー(31)の前記変位位置は、前記中間フォーカス(ZF)内の前記照明放射線(2)の予め定められた強度分布(36)の場合に、前記第2のファセット要素(7)の前記ファセット(25i)の領域内の該照明放射線(2)が、
1.5.1.最大で予め定められた最大強度(Imax)に等しいか、又は
1.5.2.強度分布(37)の平均値(M)よりも最大で予め定められたファクター(因子または係数)又は絶対値によって大きくなった、
最大値を備えた前記強度分布(37)を有するように選択される、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項2]
前記第2のファセット要素(7)は、複数のモジュール式マルチミラー要素(34)を有するマルチミラーアレイ(33)を含み、該マルチミラー要素(34)は、各場合に該第2のファセット要素(7)の領域内の前記中間フォーカス(ZF)の前記像の寸法に少なくとも等しい寸法を有することを特徴とする当初請求項1に記載の照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項3]
与えられた第1のファセット(21i)の前記個々のミラー(31)のうちの複数のものの前記変位位置は、それらが前記それぞれ割り当てられた第2のファセット(25i)上に互いに対して最小絶対値だけオフセットされた最大値を有する前記中間フォーカス(ZF)の像を生成するように選択されることを特徴とする当初請求項2に記載の照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項4]
前記第1のファセット(21i)のうちの少なくとも1つの前記個々のミラー(31)は、前記中間フォーカス(ZF)内の与えられた強度分布の場合に、対応する第2のファセット(25i)上の該中間フォーカス(ZF)の前記像の前記強度分布(36)が該中間フォーカス(ZF)内の該強度分布(37)の照明光学アセンブリ(11)の結像スケールによってスケーリングされた半値全幅よりも少なくとも10%大きい半値全幅を有するように変位されることを特徴とする当初請求項1から当初請求項3のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項5]
前記第1のファセット(21i)の前記個々のミラー(31)は、瞳の領域内の照明チャネルが走査方向に対して垂直な方向において該走査方向のそれらの位置に依存する距離にあるように変位されることを特徴とする当初請求項1から当初請求項4のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項6]
当初請求項1から当初請求項5のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)を設定する方法であって、
6.1.当初請求項1から当初請求項5のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)を与える段階と、
6.2.中間フォーカス(ZF)内の強度分布(36)を予め定める段階と、
6.3.照明チャネルを形成するために第2のファセット(25i)の少なくとも1つの部分集合への第1のファセット(21i)の少なくとも1つの部分集合の割り当てを予め定める段階と、
6.4.前記第2のファセット(25i)上に入射することが許される最大強度(Imax)を予め定める段階と、
6.5.前記与えられた割り当ての場合に前記第2のファセット(25i)上に入射する強度(I(σ))の分布を決定する段階と、
6.6.前記第1のファセット(21i)の個々のミラー(31)の部分集合を前記第2のファセット(25i)上の前記強度(I(σ))が最大でImaxに等しいように変位させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
[当初請求項7]
前記個々のミラー(31)の前記変位後に前記第2のファセット(25i)によって得られる最小伝達率(Tmin)が予め定められることを特徴とする当初請求項6に記載の方法。
[当初請求項8]
前記第2のファセット(25i)のサイズが、反射される電力、及び/又は熱負荷、及び/又は予め定められる最小伝達率(Tmin)に依存して選択されることを特徴とする当初請求項6及び当初請求項7のいずれか1項に記載の方法。
[当初請求項9]
投影露光装置(1)の照明光学アセンブリ(11)のためのファセットミラー(7)であって、
複数の変位可能な個々のミラー(35)を有するマルチミラーアレイ(MMA)、
を含み、
前記マルチミラーアレイ(33)の前記個々のミラー(35)の個数及び配置が、仮想ファセット(25i)を形成するためのそのグループ分けの可能性が可約表現を有するように選択される、
ことを特徴とするファセットミラー(7)。
[当初請求項10]
10.1.当初請求項1から当初請求項5のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)と、
10.2.放射線源(2)と、
を含むことを特徴とする照明系(20)。
[当初請求項11]
11.1.当初請求項1から当初請求項5のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)と、
11.2.投影光学アセンブリ(10)と、
を含むことを特徴とする光学系。
[当初請求項12]
12.1.当初請求項11に記載の光学系と、
12.2.放射線源(2)と、
を含むことを特徴とする投影露光装置(1)。
[当初請求項13]
微細構造化構成要素を生成する方法であって、
レチクル(12)を与える段階と、
照明放射線(3)に対して感受性であるコーティングを有するウェーハ(19)を与える段階と、
当初請求項12に記載の投影露光装置(1)を用いて前記レチクル(12)の少なくとも1つのセクションを前記ウェーハ(19)の上に投影する段階と、
前記ウェーハ(19)上で前記照明放射線(3)によって露光された前記感光層を現像(developing)する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
[当初請求項14]
当初請求項13に記載の方法に従って生成された構成要素。
【0050】
本発明の更に別の利点、詳細、及び特徴は、図面を参照する例示的実施形態の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0052】
非常に概略的に
図1の子午断面図に示す投影露光装置1は、照明放射線3のための放射線源2を有する。放射線源は、5nmと30nmの間の波長領域の光を生成するEUV放射線源である。EUV放射線源は、LPP(
Laser Produced Plasma:レーザ生成プラズマ)光源、DPP(
Discharge Produced Plasma:放電生成プラズマ)光源、又はシンクロトロン放射線を利用する光源、例えば、自由電子レーザ(FEL
:free electron laser)とすることができる。
【0053】
放射線源2から発する照明放射線3を案内するために、伝達光学アセンブリ4が使用される。伝達光学アセンブリ4は、
図1には反射効果に関してしか例示していないコレクター5と、伝達ファセットミラー、視野ファセットミラー、又は一般的に第1のファセット要素とも表示する第1のファセットミラー6とを有する。コレクター5と伝達ファセットミラー6の間には照明放射線3の中間フォーカスZFが配置される。中間フォーカスZFの領域内の照明放射線3の開口数は、例えば、NA=0.182である。第1のファセットミラー6の下流、従って、伝達光学アセンブリ4の下流には、第2のファセット要素とも表示する第2のファセットミラー7が配置される。光学構成要素5から7は、投影露光装置1の照明光学アセンブリ11の一部である。
【0054】
照明光学アセンブリ11は、放射線源2と共に照明系20の一部を形成する。
【0055】
第1のファセットミラー6は、照明光学アセンブリ11の視野平面に配置される。
【0056】
照明光学アセンブリ11の一実施形態において、第2のファセットミラー7を照明光学アセンブリ11の瞳平面内又はその領域に配置することができ、従って、瞳ファセットミラーとも表示する。更に別の実施形態において、照明光学アセンブリ11の第2のファセットミラー7は、照明光学アセンブリ11の1又は複数の瞳平面から離して配置することができる。そのような実施形態を鏡面反射器とも表示する。原理的には、瞳平面内への第2のファセットミラー7の配置は鏡面反射器の特殊な場合である。しかし、より明確な概念の線引きのために、以下では鏡面反射器という用語を照明光学アセンブリ11の1又は複数の瞳平面から離した第2のファセットミラー7の配置だけに対して表示する。照明光学アセンブリ11内における特定の配置に限定されない一般的な場合を簡略化の目的で第2のファセットミラー7と表示する。
【0057】
第2のファセットミラー7の下流の照明放射線3のビーム経路にはレチクル12が配置され、このレチクルは、下流にある投影露光装置1の投影光学アセンブリ10の物体平面9に配置される。投影光学アセンブリ10及び下記で説明する更に別の実施形態の投影光学アセンブリは、各場合に投影レンズである。照明光学アセンブリ11は、物体平面9内のレチクル12上の物体視野8を定められた方式で照明するために使用される。物体視野8は、同時に照明光学アセンブリ11の照明視野を構成する。一般的には、物体視野8を照明視野に配置することができるように照明視野が形成されるということができる。
【0058】
第2のファセットミラー7は、第1のファセットミラー6と同様に、照明光学アセンブリの瞳照明ユニットの一部であり、投影光学アセンブリ10の入射瞳を予め定められた強度分布を有する照明放射線3で照明するためなどに機能する。投影光学アセンブリ10の入射瞳は、物体視野8の上流、又は他に物体視野8の下流の照明ビーム経路に配置することができる。
【0059】
瞳平面に配置された瞳ファセットミラー7を含む照明光学アセンブリ11の実施形態の場合に、この瞳平面を下流の伝達光学アセンブリを通して投影光学アセンブリ10の入射瞳に結像することができる。これに代えて、照明予め定められたファセットミラー7は、投影光学アセンブリ10の入射瞳の瞳平面に配置することができる。鏡面反射器としての実施形態の場合に、そのような伝達光学アセンブリは必要ではなく、原理的には、投影光学アセンブリ10の入射瞳が物体視野8の上流の照明ビーム経路内又は物体視野8の下流の照明ビーム経路内のいずれに配置されるかは重要ではない。
【0060】
位置関係の提示を容易にするために、以下では直交xyz座標系を使用する。
図1では、x方向は作図面と垂直にその中に延びる。y方向は、
図1の右に向けて延びる。z方向は、
図1の下方に延びる。図面に使用する座標系は、各場合に互いに平行に延びるx軸を有する。この座標系のz軸の進路は、それぞれ着目する図内で放射線3のそれぞれの主方向を辿る。y方向は、レチクル12が走査される走査方向と平行である。
【0061】
物体視野8は、円弧形又は部分的に円形の形状を有し、互いに平行な2つの円弧と、y方向に長さ
y0を有するように延び、x方向に互いから距離
x0の場所にある2つの真っ直ぐな側縁部とによって境界が定められる。アスペクト比
x0/y0は13対1
(13 to 1)である。
図1内の挿入図は、正確な縮尺のものではない物体視野8の平面図を示している。境界線形状8aは円弧形である。別の同じく可能な物体視野8では、その境界線形状は、同じくアスペクト比x
0/y
0を有する矩形である。
【0062】
図1には、投影光学アセンブリ10を部分的かつ非常に概略的にしか示していない。投影光学アセンブリ10の物体視野側開口数13及び像視野側開口数14を示している。例えば、照明放射線3に対して反射性を有するミラーとして具現化することができる構成要素である投影光学アセンブリ10の図示の光学構成要素15、16の間には、これらの光学構成要素15、16の間で照明放射線3を案内するために投影光学アセンブリ10の
図1には示していない更に別の光学構成要素が置かれる。
【0063】
投影光学アセンブリ10は、レチクル12と同じくホルダ(具体的な詳細を示していない)によって
支持される
(carried)ウェーハ19上の像平面18の像視野17上に物体視野8を結像する。レチクルホルダとウェーハホルダの両方が、対応する変位デバイスを用いてx方向とy方向の両方に変位可能である。
【0064】
y方向は、特に走査方向と平行である。
【0065】
第1のファセットミラー6は、複数の第1のファセット21
iを有する。第1のファセット21
iは、様々な変位位置に変位可能である。これらの第1のファセット21
iを切換可能な第1のファセット21
iとも表示する。
【0066】
第1のファセット21
iは、各場合に複数の変位可能な個々のミラー31によって形成される。個々のミラー31は、特にマイクロミラー、すなわち、マイクロメートル範囲の縁部長を有するミラーである。更に、個々のミラー31は、最大で数ミリメートルの縁部長を有することができる。
【0067】
個々のミラー31は、特にマイクロ電気機械システム(MEMS)として具現化される。個々のミラー31は、マルチミラーアレイ(MMA)32として具現化される。
【0068】
第1のファセットミラー6は、特に複数のモジュール式MMA32を含むことができる。
【0069】
個々のミラー31は、各場合に変位可能である。個々のミラー31は、特に少なくとも2つの自由度、特に少なくとも2つの傾斜自由度を有する。個々のミラー31、特にマルチミラーアレイ32におけるその配置の詳細に関しては、DE 10 2011 006 100 A1を参照されたい。
【0070】
第1のファセット21は、複数の個々のミラー31によって形成される。特に仮想の第1のファセットが含まれる。個々の第1のファセット21を形成するための個々のミラー31のグループ分けは柔軟に変更可能である。
【0071】
第1のファセット21
iから、合計で9つの第1のファセット21
iを有する行を
図2に記載のyz断面図に略示しており、
図2ではこれらの第1のファセットを左から右に21
1から21
9で表示している。実際には、第1のファセットミラー6は有意に大きい個数のファセット21
iを有する。
【0072】
瞳平面に配置された第2のファセットミラー7を含む照明光学アセンブリの実施形態の場合に、第1のファセット6のx/yアスペクト比は、少なくとも物体視野8のx/yアスペクト比に等しい。
【0073】
第1のファセット6は、x方向に70mmの広がりを有し、y方向に約4mmの広がりを有することができる。
【0074】
第1のファセット6は、各場合に物体視野8の部分照明又は完全照明に向けてある
割合の照明放射線3を照明チャネルを通して案内する。
【0075】
第2のファセットミラー7は、複数の第2のファセット25を含む。第2のファセット25は変位可能である。第2のファセット25は、少なくとも2つの変位自由度、特に少なくとも2つの傾斜自由度を有する。
【0076】
第2のファセットミラー7は、ブリックとも表示する複数のモジュール式
マルチミラー要素34を有するマルチミラーアレイ33を含む。
【0077】
マルチミラー要素34は、MEMS、特にMEMS MMAとして具現化される。その構造は、第1のファセットミラー6の
マルチミラー要素のものに対応することができ、その説明を参照されたい。詳細に関しては、ここでもまた、DE 10 2011 006 100 A1を参照されたい。
【0078】
第2のファセット25は、特に、
マルチミラー要素34の複数の個々のミラー35によって形成される。
【0079】
この場合に、
マルチミラー要素34のうちの唯1つのものの上に複数の第2のファセット25を形成することができる。第2のファセット25は、特に
マルチミラー要素34のうちの1つの縁部を超えて延びることはない。
マルチミラー要素34は、各々特に有意な個数のファセット25
iを含む。下記では、第2のファセット25を形成するための
マルチミラー要素34の再分割を更に詳細に説明する。
【0080】
照明チャネルを形成するために、第1のファセット21
iのそれぞれが第2のファセット25
iのそれぞれのものに割り当てられる。照明チャネルを定めるための第2のファセット25
iへの第1のファセット21
iの望ましい割り当ては、特にウェーハ19の露光の前に予め定められる。
【0081】
瞳平面に配置されない第2のファセットミラー7(鏡面反射器)を含む照明光学アセンブリの変形の場合に、第1のファセット21
iは、予め定められた境界線形状を有する第2のファセットミラー7の照明、及び第2のファセットミラー7の第2のファセット25
iへの第1のファセット21
iの予め定められた割り当てをもたらすように位置合わせされる。第2のファセットミラー7及び投影光学アセンブリ10の更なる詳細に関しては、WO 2010/099 807 Aを参照されたい。
【0082】
図2には、第2のファセット25
iへの第1のファセット21
iの予め定められた割り当ての一例を示している。第1のファセット21
1から21
9にそれぞれ割り当てられた第2のファセット25
iに、この割り当てに従って添字を付加した。第2のファセット25
iは、この割り当てに基づいて左から右に25
6、25
8、25
3、25
4、25
1、25
7、25
5、25
2、及び25
9の順序で照明される。
【0083】
添字6、8、及び3を有するファセット21
i、25
iは、3つの照明チャネルVI、VIII、及びIIIを形成する。ファセット21
i、25
iの添字4、1、及び7は、3つの更に別の照明チャネルIV、I、及びVIIに属する。ファセット21、25の添字5、2、及び9は、3つの更に別の照明チャネルV、II、及びIXに属する。
【0084】
第1のファセットミラー6と第2のファセットミラー7とを通じた物体視野8の照明は、鏡面反射器方式に実施することができる。鏡面反射器の原理は、US 2006/0132747 A1から公知である。
【0085】
下記では、照明光学アセンブリ11、特にファセットミラー6、7、及びファセット21
i、25
iの一部の態様を異なる表現を用いて再度説明する。
【0086】
照明光学アセンブリ11は、特にファセット付き照明光学アセンブリ11、特に二重ファセット付き
(doubly faceted)照明光学アセンブリ11である。照明光学アセンブリ11は、物体視野8を放射線源2からの照明放射線3で照明するためなどに機能する。
【0087】
第1のファセットミラー6は、視野平面内、すなわち、照明される物体視野8に対して共役な照明光学アセンブリ11の平面に配置することができる。従って、第1のファセットミラー6を視野ファセットミラーとも表示する。相応に第1のファセット21
iを視野ファセットとも表示する。視野ファセット21は、それぞれ割り当てられた第2のファセット25
i上に中間フォーカスZFを結像するためなどに機能する。次いで、第2のファセット25
iは、それぞれの第1のファセット21
iをレチクル12上に結像するためなどに機能する。
【0088】
第2のファセットミラー7は、照明光学アセンブリ11の瞳平面に配置することができる。この場合に、第2のファセットミラー7は、第1のファセットミラー6と共にフライアイコンデンサーを形成する。
【0089】
一般的に2つのファセットミラー6、7は、必ずしも投影光学アセンブリ10の視野平面及び瞳平面それぞれに対して共役な平面に置かれる必要はない。2つのファセットミラー6、7の一般的な配置を鏡面反射器とも表示する。以下では、鏡面反射器という用語は、特に、第1のファセットミラー6が視野平面に配置されるが、第2のファセットミラー7が瞳平面内ではなく、そこから離して配置される配置を表している。
【0090】
好ましくは、ファセットミラー6は、マルチミラーアレイ32の形態にある複数の個々のミラー31を含む。個々のミラー31は、特に変位可能である。それによって照明チャネルを形成するために、特に予め定められた照明設定を設定するための第2のファセット25
iへの第1のファセット21
iの柔軟な割り当てが可能になる。この場合に、照明設定は、特にレチクル12における照明角度分布の予め定められた、すなわち、照明瞳の事前決定を表すことになる。
【0091】
第2のファセット25
iは、それぞれ第1のファセット21
iをレチクル12に結像する。第2のファセット25
iは好ましくは、切換可能である。第2のファセットミラー7は特に複数の個々のミラー35を含む。個々のミラー35は特に変位可能である。これらの個々のミラー35は、特に少なくとも2つの変位自由度、特に少なくとも2つの傾斜自由度を有する。
【0092】
第2のファセットミラー7の個々のミラー35は、特に、ブリックとも表示する
マルチミラー要素34として具現化される。
マルチミラー要素34は、特にマイクロミラーの形態にある複数の個々のミラー35を含む。マイクロミラーは、第2のファセット25
iに柔軟にグループ分けすることができ、従って、第2のファセット25
iの方を仮想ファセットとも表示する。
【0093】
好ましくは、第2のファセットミラー7上の中間フォーカスZFの像は、これらの像が、割り当てられた仮想の第2のファセット25
iの縁部を超えて、特に
マルチミラー要素34の縁部を超えて延びないか、又は最低でも僅かしか超えて延びないように選択される。この点に関して、中間フォーカスZFの像が仮想の第2のファセットを超えて、特にそれぞれの
マルチミラー要素34の縁部を超えて最大に突出することができる限度を予め定めることができる。一例として、中間フォーカスZFの像が、照明放射線3の最大で30%、特に最大で20%、特に最大で10%、特に最大で5%、特に最大で1%仮想の第2のファセットの外側、特に
マルチミラー要素34の
包線(envelope)の外側に置かれることになるような範囲までそれぞれの第2のファセット25
iを超えて、特にそれぞれの
マルチミラー要素34の縁部を超えて最大に突出し、従って、物体視野8の照明に寄与しないことが許されることを予め定めることができる。
【0094】
放射線源2は、非常に高い出力電力を有する可能性がある。放射線源2の出力電力は、特に少なくとも100W、特に少なくとも300W、特に少なくとも500W、特に少なくとも1000W、特に少なくとも2000W、特に少なくとも3000Wを有する可能性がある。これは、照明系20の光学構成要素が重度の熱負荷に露出されるという効果を有する可能性がある。特に、例えば、LPP放射線源及びDPP放射線源に関する場合と同じく放射線源2が大きいスペクトル帯域幅を有する場合にこれが適用される。
【0095】
高い熱負荷は、特に第2のファセット25
iの領域内、特に第2のファセット25
iを形成する個々のミラー35の領域内で発生する場合があり、この熱負荷は、それぞれのファセット25
i、特にその個々のミラー35によって放散しなければならない。
【0096】
本発明により、個々のミラー35の熱負荷印加、特に平均熱負荷印加及び/又は最大熱負荷印加が、予め定められた最大値を超えないことを確実にすることが有利であることが認識されている。その結果、特に永久損傷の危険性を低減することができる。
【0097】
本発明により、第2のファセット25の不均一照明の場合に、それぞれの第2のファセット25
iを形成する個々のミラー35の不均一熱負荷印加が発生することが更に認識されている。この不均一熱負荷印加を一例として
図3に図解している。
図3に示すように、第1のファセット21
iのうちの1つの個々のミラー31により、それに関連付けられた第2のファセット25
i上に、特にその個々のミラー35上に中間フォーカスZF内の与えられた強度分布36が結像される。この場合に、第1のファセット21
iの個々のミラー31の各々が、中間フォーカスZFの強度分布36を第2のファセット25
i上に結像する。第2のファセット25
iの領域内の中間フォーカスZFの全ての像が完全に重ね合わされる場合に、強度分布36と実質的に同じ形状を有する強度分布37がもたらされる。強度分布37は最大値I
*を有する。第2のファセット25
iの領域内の照明放射線3の平均強度を略示し、I
mによって表示している。
【0098】
上述のことは、
正確に強度分布37の最大値I
*の領域に置かれた1又は複数の個々のミラー35
*が、他の個々のミラー35、特に第2のファセット25
iの縁部にある個々のミラー35よりも大きく高い熱負荷の入射を受けるという効果を有する。
【0099】
本発明により、第2のファセット25
i上の中間フォーカスZFの像、すなわち、放射線源2の像が多くの個々の像から構成されるということを第2のファセット25
iの領域内、特にその個々のミラー35にわたる照明放射線3の最大強度を低減するために有利に使用することができることが認識されている。本発明による原理を
図4に略示している。
図4に略示する初期の状況は、
図3に示すものに対応する。
図4に示すように、第1のファセット21
iの個々のミラー31の各々が、第2のファセット25
iのうちのそれぞれ予め定められた1つの上に依然として置かれることになるが、これらの個々のミラーを互いに対してシフトさせることができるようになっている。その結果として実現することができることは、第2のファセット25
iの領域内の照明放射線3の強度分布37の最大強度I
*を少なからず低減し、同時に平均強度I
mを実質的に一定に留めることである。
【0100】
言い換えれば、工程中に照明放射線3の予め定められた最大許容
割合(maximum permissible proportion)よりも大きい量が、仮想の第2のファセット25
iの縁部
を介して、特に第2のファセット25
iを形成する個々のミラー35の群の縁部、特に
マルチミラー要素34の縁部
を介して失われることなく、仮想の第2のファセット25
i上の照明放射線3の電力密度の最大値を
大いに低減することができる。
【0101】
以下では、照明光学アセンブリ11を設定するために、特に第1のファセット21
iの個々のミラー31を設定するための本発明による方法を
図5から
図8を参照して再度説明する。
【0102】
図5は、第2のファセット25
iのうちの1つを形成する個々のミラー35の群の平面図を略示している。個々のミラー35は、
マルチミラー要素34のうちの1つの一部である。下記では、
マルチミラー要素34上への第2のファセット25
iの配置をより一層詳細に説明する。
図5は、強度分布37を特徴付ける等強度線38を略示している。この場合に、それぞれの第2のファセット25
iの領域内の強度I
*の最大値に関するパーセント比を等強度線38の各々に関して数値に示している。
【0103】
個々のミラー35に従って離散化された
図5に記載の強度分布の表現を
図7に再現している。この場合に、数値は、それぞれの個々のミラー35上のそれぞれの平均強度Iを最大強度I
*=100に対して正規化した
(normalized)ものを再現している。
【0104】
全体的に第2のファセット25
iによって反射される放射線電力は、
図7に示す強度値の和に比例する。
【0105】
図6及び
図8は、
図4に略示する状況に関して
図5及び
図7に記載のものに対応する表現を再現している。この場合に、
図6に記載の正規化は、
図5に記載のものに
正確に対応し、
図8に記載の正規化は、
図7に記載のものに
正確に対応する。
図8に記載の例によって明らかであるように、個々のミラー35にわたって平均した最大強度を第1のファセット21
iの個々のミラー31の傾斜、及びそがもたらす第2のファセット25
iの領域における中間フォーカスZFの像の互いに対するシフトによって37%だけ低減することができた。関連する放射線電力損失を10%未満に制限することができた。
【0106】
下記では、本方法のポテンシャルを一例として第2のファセットミラー7の2つの特定の設計に基づいて
図9及び
図10を参照して説明する。これらの図は、第2のファセット25
iの個々のミラー35の領域内の最大強度を可能な最大の幾何学的伝達率T
geom(y軸)及び第2のファセット25
iの領域内の強度分布37の半値全幅(σ)の関数として例示している。
【0107】
この場合に、幾何学的伝達率T
geomは、第2のファセット25
i上に入射するエネルギと割り当てられた中間フォーカス像の全エネルギとの比を意味すると理解しなければならない。個々のミラー35の間の距離に起因して、T
geomの可能な最大値は常に1よりも小さい。中間フォーカスZFの像のシフトの場合に、結果として照明放射線3の一部が第2のファセット25
iの縁部において横に離脱することでこの値の更に別の低減がもたらされる。
【0108】
図9は、第2のファセット25
iが
マルチミラー要素34上の8×8個の個々のミラー35のグループ分けによって形成される場合を示している。仮想の第2のファセット25
iは5.5×5.5mm
2のサイズを有する。
【0109】
図10に示す場合に、仮想の第2のファセット25
iを
マルチミラー要素34上の12×12個の個々のミラー35のグループ分けによって形成した。この仮想の第2のファセット25
iは7×7mm
2の
領域(又は面積:area)を有した。
【0110】
これらの図の縮尺に関しては、図をより明瞭にするために、図の上縁において中間フォーカスZFの全ての像が正確に重ね合わされる場合を手動で削除したことに注意しなければならない。この場合に、常に存在するぼけの事例に起因していずれにせよ実際には発生しない。
【0111】
これらの図のそれぞれの上縁は、それぞれの第2のファセット25
i上の中間フォーカスZFの全ての像が集中方式で配置される場合を表している。右上コーナは、過度のエネルギがマイクロミラーの間に既に入射しているか又は仮想ファセット25を超えて位置することによって与えられた光源サイズに対して対応する大きさの伝達率をもたらさないことで白色である。
【0112】
仮想ファセット25
iの広域照射に起因する第2のファセット25
i上での中間フォーカスZFの像のシフトは、放射線損失、すなわち、幾何学的伝達率T
geomの低減を常にもたらす。この効果を
図9及び
図10でy軸と平行な下降する値の方向の移動として再現することができる。
【0113】
図9及び
図10から定性的に明らかなように、本発明による方法のポテンシャルは、第2のファセット25
iの領域内の中間フォーカスZFの像のサイズ、特に強度分布37の半値全幅σに依存する。
【0114】
中間フォーカスZF内の放射線源2の像が小さい程、幾何学的伝達率T
geomの有意な低減、特に反射照明放射線3の有意な損失なく第2のファセット25
iの領域内の最大強度をより確実に低減することができる。それとは対照的に、より大きい放射線源は、放射線損失を小さく保つことが意図される場合はそれ程のポテンシャルを示さない。
【0115】
例えば、
図9に示す変形の場合に、中間フォーカスZF内に半値全幅σ=0.7mmを有する像を有する放射線源を考察する場合に、50%の電力密度の低減が約10%の放射線損失に関連付けられ、それに対して
図10に記載の変形の場合の放射線損失は、最大強度の50%の低減を仮定すると、この場合に、約1%でしかない。
【0116】
第2のファセット25
i上での中間フォーカスZFの像のシフトは、瞳照明の移動、すなわち、視野座標の関数としてのプラズマ像の瞳座標の移動をもたらすことに注意しなければならない。しかし、瞳スポットは、いずれにせよ本概念によって決定される方式で視野座標を有する移動を行うので、この移動はこの状況では問題ない。
【0117】
更に、仮想の第2のファセット25
i上での中間フォーカスZFの像のシフトは、必ずしも全ての照明チャネルに対して与えられるわけではないことに注意しなければならない。そのようなシフトは、特に、個々のミラー35のうちの少なくとも1つの上で予め定められた許容最大値I
maxよりも大きい最大強度をもたらす、すなわち、これらの個々のミラー35の許容外に高い熱負荷印加をもたらす照明チャネルに対してしか与えられない。特に、全ての照明設定に対してシフトが同じ具合に発生する必要はないことが認識されている。従って、仮想の第2のファセット25
iのサイズを可能な限り柔軟なものにすることが有利であることが更に認識されている。これを下記でより詳細に説明する。
【0118】
上記で記述した仮想の第2のファセット25
iを形成する個々のミラー35の熱負荷を低減するためのポテンシャルは、一例として
図9及び
図10を参照して上述したように、仮想の第2のファセット25
iのサイズに依存し、すなわち、仮想の第2のファセット25
iを形成する個々のミラー35の群への
マルチミラー要素34の分割に依存する。この場合に、仮想の第2のファセット25
iが、
マルチミラー要素34のうちの1つのものの縁部を超えて突出しないように意図したものであることを考慮に入れるべきである。更に、
マルチミラー要素34は、仮想の第2のファセット25
iによって可能な限り不断の方式で含まれるように意図したものである。別の言い方をすると、伝達率及び迷光の危険性に起因して、全体のプラズマ像が、
マルチミラー要素34のうちの1つの範囲に可能な限り最密充填される方式で位置することしか許されない。従って、仮想の第2のファセット25
iへの
マルチミラー要素34の分割の柔軟性を高めるためには、この分割に対して可能な限り多くの異なる可能性が存在するように
マルチミラー要素34を寸法設計することが望ましい。ここで仮想の第2のファセット25
iの全てが等しい寸法を有すると仮定すると、
マルチミラー要素34を仮想ファセット25
iに分割することができる手法の様々な可能性の数は、各場合に一意的に予め定められる。例えば、
マルチミラー要素34毎の個々のミラー35の個数が
正確に
2n×2nである場合に、表現可能な仮想の第2のファセット25
iの可能性を有限次元群の表現理論に従って既約と表示することができる。有利な態様では、
マルチミラー要素34の個々のミラー35の行及び/又は列の本数は、上記が当て嵌まらず、すなわち、仮想ファセット25
iを形成する際の個々のミラー35のグループ分けの可能性が可約表現を有するように選択される。
【0119】
特に、
マルチミラー要素34の個々のミラー35の行及び/又は列の本数をこれらの行及び/又は列が少なくとも2つの異なる素因数、特に2及び3を有するように選択することが有利である。可能な限り多くの
devisors、特に1に近い比を有する可能な限り多くの
devisorsが存在する行及び列の本数が有利である。
【0120】
行及び列の本数は、特に、これらの行及び列が特に多くの
devisorsを有するように選択される。それによってマルチミラーアレイの不断の分割、特に等しい部分視野への分割における柔軟性が高まる。最大で100本の行及び/又は列を有するミラーアレイの場合に、行及び/又は列の本数は、特に12、18、20、24、28、30、32、36、40、42、44、45、48、又は60である。値12、24、36、48、又は60が特に好ましい。これらの値は、各場合に少なくとも6個、8個、9個、10個、及び12個の
devisorsをそれぞれ有する最も小さい整数である。
【0121】
非正方形形状の仮想の第2のファセット25
iを許容することにより、そのサイズの緻密な調整をもたらすことができる。
【0122】
矩形の第2の非正方形ファセット25
iの場合に、これらのファセットをそのより大きい広がりが走査方向と垂直に延びるように配置することが有利である。これは、特に、例えば、y二重極
(y−dipole)の形態にある照明設定の場合に、望ましい瞳形状がx方向に大きい広がりを有する部分領域から構成される場合は高い熱負荷の問題が発生することが認識されているからである。この場合に、照明スポットは、重大な欠点を伴わずにx方向に伝播することができる。更に、鏡面反射器の場合に、照明チャネルは、走査処理に起因していずれにせよ走査方向により大きい瞳広がりを有する。従って、これらの瞳をロッド瞳
(rod pupils)とも表示する。
【0123】
下記では
図11及び
図12を参照して仮想ファセット25
iへの
マルチミラー要素34のうちの1つの再分割の一例を説明する。
図11に記載の
マルチミラー要素34は、マイクロミラーの形態にある24×24個の個々のミラー35を有するブリックである。個々のミラー35は、各々0.6×0.6mm
2の寸法を有することができる。隣接個々のミラー35の間の距離は0.04mmである。
【0124】
マルチミラー要素34は、各場合に4×4個の個々のミラー35で形成された6つの正方形の仮想の第2のファセット25
iを各々が有する4つの行を含む。
【0125】
各場合に正方形ファセット25
iを有する2つの行の間には4×6個の個々のミラー35を有する矩形の非正方形仮想ファセット25
iを有する2つの行が配置される。
【0126】
そのような分割は、特に、
正確に中心にある仮想ファセット25
iが、鏡面反射器である第2のファセットミラー7上でのこれらのファセットの位置に起因して物体視野8内で特に大きい部分視野を照明しなければならず、従って、重度の熱負荷印加に露出される場合であれば有利である。x方向により大きい広がりに起因して、このファセット25
i上での強度分布37のより大きいシフト、従って、強めの不鮮明化
(smearing)が可能である。
【0127】
一般的にファセット25
iは、第2のファセットミラー7の中心領域内、特に瞳の中心領域内で縁部領域内よりも大きいとすることができる。一般的に第2のファセットミラー7のファセット25
iは様々なサイズを有することができる。特に、第2のファセット25
iは、第2のファセットミラー7の第1の領域内で第2の領域内よりも大きい。サイズの相違点は、第2のファセットミラー7の最も小さいファセット25
iのサイズの特に少なくとも10%、特に少なくとも30%、特に少なくとも50%、特に少なくとも100%である。
【0128】
図12は、物体視野8内の瞳の像を示している。個々の瞳スポット39は、細長のロッド形方式で具現化される。瞳スポット39は、規則的な格子
(grid)上に置かれない。
【0129】
本発明は、実質的に等しいy座標を有する仮想ファセット25
iの全てを実質的に均等に分類することを可能にする。その結果、瞳の視野依存性を回避することができる。
【0130】
例として、
図11及び
図12は、各場合に中間フォーカスZFの3つの像による仮想の第2のファセット25
iの各々の照明を示している。仮想の第2のファセット25
iの各々の上の中間フォーカスZFの像の実際の個数は有意に多いとすることができる。
【0131】
熱負荷を低減するために、中間フォーカスZFの像は、x方向に互いに対してシフトされ、すなわち、互いに対してオフセットされる。
より小さい正方形の第2のファセット25
iの場合に、このオフセットは、中心にあるより大きい矩形非正方形ファセット25
iの場合よりも小さい程度までのものである。
【0132】
中間フォーカスZFの像を明確にするために、等強度線38をここでもまた描示している。
図11に再現している数値は、
各場合において最大強度のパーセント強度
(intensity in per cent)を示している。
【0133】
明瞭化の理由から、同じく可能なy方向の追加のシフトを示していない。
【0134】
図12は、
図11に記載の仮想ファセット25
iへの
マルチミラー要素34の分類に対するy二重極の極
(poles)の
1つを示している。
【0135】
マルチミラー要素34の中心にある矩形ファセット25
iは、ロッド形瞳スポット39が極の中心領域、特に極のx広がりが最も大きい場所で大きく離間されるという効果を有する。従って、この場所では強度も低減される。
【0136】
図11の中間フォーカスZFの像に属する第1のファセット21
iの個々のミラー31は、走査方向に異なるy位置に配置され、それぞれの個々のミラー31に属する瞳スポット39はy方向に互いに対してシフトされる。3つの重ね合わせ瞳スポット39によって形成される単一の長い垂直ロッド形瞳スポットの代わりに、回転されたロッドのように協働して機能する、すなわち、ロッド形の回転された
包線を有するx方向にオフセットされた瞳スポット39がもたらされる。
【0137】
この場合に、回転方向を極の形状に向けられるように適応させている。その結果、極の充填を改善することができた。中心のロッドは、関連の仮想の第2のファセット25
i上の中間フォーカスZFの像がx方向により大きい範囲までシフトされるので、特により大きい範囲まで回転される。
【0138】
個々の瞳スポット39のy方向のシフト及び形状は、全ての点で同一である。特に、仮想の第2のファセット25
i上の中間フォーカスZFの像は各場合に同一である。第1のファセット21
i及びその個々のミラー31のサイズも各場合に同一である。同心の瞳が伴っている。
【0139】
本発明の更に別の態様を
図13を参照して下記で説明する。特に、第1のファセット21
iの個々のミラー31によって第2のファセット25
i上に生成される像を正反対に配置することを可能とすることができる。
【0140】
その結果、特にドリフト又は揺動の形態にある放射線源2の外乱に関して照明系20の安定性を改善することができる。一例として、仮想の第2のファセット25
iの片側にある中間フォーカスZFの像のうちの最も外側がこのファセットの縁部を超えてずれ落ち、その結果、物体視野8を照明するための照明放射線3が失われるように放射線源2が移動した場合に、同時に第2のファセット25
iの反対側にある中間フォーカスZFの像がより大きい程度まで取り込まれる。中間フォーカスZFの局所像の曲率が小さい場合に、その結果として実現することができることは、物体視野8内の走査積分を少なくとも九分通り不変のままに留めることである。
【0141】
好ましくは、レチクル12上に隣接して結像される第1のファセット21
iのうちの1つが有する2つの個々のミラー31によって反射される照明放射線3の電力は、実質的に同一である。これらの個々のミラー31は、第2のファセット25
iのうちの1つに割り当てられ、特に、放射線源2の移動時のこの第2のファセット25
iの領域内のそれぞれの強度変化が互いに実質的に相殺されるように特にピボット回転される。その結果、強度プロファイルの特に滑らかな推移、特にレチクル12の均一な照明を達成することができる。
【0142】
言い換えれば、第2のファセット25
i上への中間フォーカスZFの像のターゲットを定めた配置により、望ましくない高外乱局所照射量誤差の効果を低減、特に回避することができる。
【0143】
更に別の可能性は、仮想の第2のファセット25
i上での中間フォーカスZFの個々の像のシフトをロッド形瞳スポット39の長さが短くなるように選択することになる。更に、得られるロッド形瞳スポットをこれらのスポットが少なくとも瞳の縁部における瞳境界線に対してタンジェンシャルな向きを有するように回転させることができる。
【0144】
本発明の更に別の態様により、第2のファセット25
i上での中間フォーカスZFの像のシフトの絶対値、すなわち、それぞれの強度分布37の不鮮明化の程度を各場合にそれぞれの照明チャネルの熱負荷に適応させることができる。低い熱負荷のみを有する仮想の第2のファセット25
iに対しては、個々の像は互いに対して若干しかシフトされない。シフトを完全に省くことさえも可能とすることができる。その一方、非常に多く及び/又は非常に高い強度の第1の個々のミラー31によって照明される第2のファセット25
iに対する像は、相応に大きい範囲まで互いに対してシフトされる。
【0145】
物体視野8内又は瞳内で得られる系統的な長波変動、特に物体視野8又は瞳の縁部におけるエネルギ増大は、例えば第1のファセット21
iの個々のミラー31を有効/無効にすること、すなわち、ピボット回転させることにより、及び/又は適合されたチャネル割り当てを用いて補償することができる。
【0146】
結像特性の安定性及び均一性に関しては、第2のファセット上での中間フォーカス像の静的な位置決めの代わりに、これらの像を動的な方式で具現化することを有利とすることができる。この場合に、視野17内の点、すなわち、ウェーハ19上の点の露光の走査長(走査方向の照明視野の広がり)と走査速度とによって与えられる持続時間の範囲で、全ての中間フォーカス像位置は、少なくとも一度掃引しなければならない。第2のファセット上での中間フォーカス像の動的位置決めの詳細に関しては、WO 2010/037 437 A1を参照されたい。