(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可動側接続板及び前記静止側接続板は、前記可動側接続板の前記対向プレート側の部分と前記静止側接続板の前記対向プレート側の部分とが繋がった1つの板部材から成る、
請求項1から3のいずれか1項に記載の測定プローブ。
前記可動プレート、前記静止プレート、前記対向プレート、前記可動側接続板及び前記静止側接続板は、それぞれ、第1可動プレート、第1静止プレート、第1対向プレート、第1可動側接続板及び第1静止側接続板であり、
前記第1静止プレートに連結部を介して連結されており、前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な第2可動プレートと、
前記第2可動プレートと重なるようにして配置された第2静止プレートと、
前記第2可動プレート及び前記第2静止プレートに対向する第2対向プレートと、
前記第2可動プレートの前記第2方向の一端側に位置する一端側接続部、及び前記第2方向の他端側に位置する他端側接続部の各々と前記第2対向プレートとを少なくとも3箇所で接続する弾性を有する第2可動側接続板と、
前記第2静止プレートと前記第2対向プレートとを接続する第2静止側接続板と、を更に備え、
前記第2可動側接続板の前記一端側接続部の前記第1方向における全長が、前記第2可動側接続板の前記他端側接続部の前記第1方向における全長と同じ大きさである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の測定プローブ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
[三次元測定装置の構成]
図1を参照しながら、本発明の一の実施形態に係る測定装置の一例である三次元測定装置1の構成について説明する。
【0019】
図1は、一の実施形態に係る三次元測定装置1の外観構成の一例を示す斜視図である。三次元測定装置1は、
図1に示すように、ベース10と、移動機構20と、プローブ30とを有する。
【0020】
ベース10は、
図1に示すように、矩形板状に形成されている。ベース10は、被測定物であるワークが載置される載置面11を有する。また、ベース10のX軸方向の一端側には、載置面11上にY軸方向に沿ってガイド部12が設けられている。ガイド部12は、移動機構20(具体的には、移動機構20のコラム22)のY軸方向への移動をガイドする。
【0021】
移動機構20は、ラム25の先端に取り付けられたプローブ30を、X軸、Y軸及びZ軸方向に移動させる。移動機構20は、コラム22と、ビーム23と、スライダ24と、ラム25とを有する。また、移動機構20は、コラム22、スライダ24及びラム25を移動させる駆動部(不図示)を有する。
【0022】
コラム22は、ガイド部12上に立設されている。コラム22は、ガイド部12上をY軸方向に沿って移動可能である。
ビーム23は、X軸方向に延びるように設けられている。ビーム23の長手方向の一端側は、コラム22に支持されており、ビーム23の長手方向の他端側は、支柱26に支持されている。ビーム23は、コラム22と共にY軸方向に移動する。
【0023】
スライダ24は、ビーム23に支持されており、Z軸方向に沿って筒状に形成されている。スライダ24は、ビーム23上をX軸方向に沿って移動可能である。
ラム25は、スライダ24の内部に挿通されており、スライダ24と共にX軸方向に移動する。また、ラム25は、スライダ24内をZ軸方向に沿って移動可能である。
【0024】
プローブ30は、ベース10上のワークに接触して、ワークの座標等の測定を行う測定プローブである。プローブ30は、取付け部であるラム25の下部に取り付けられている。また、プローブ30の先端には、ベース10上のワークに接触可能なスタイラスが設けられている。
【0025】
[プローブ30の内部構成]
図2〜
図4を参照しながら、プローブ30の内部構成について説明する。
図2は、プローブ30の内部構成を説明するための斜視図である。
図3は、
図2に示すプローブ30をY軸方向から見た図である。
図4は、
図2に示すプローブ30をX軸方向から見た図である。
【0026】
プローブ30は、
図2〜
図4に示すように、スタイラス32と、ハウジング34と、X方向可動構造体40と、Y方向可動構造体50と、Z方向可動構造体60と、を有する。
【0027】
スタイラス32は、ベース10上のワークに接触して測定を行う。スタイラス32は、
図2に示すように、それぞれ異なる方向に延びた接触部32a〜32eを有する。なお、スタイラス32の形状は、
図2に示す形状に限定されない。
【0028】
ハウジング34は、プローブ30の筐体を成す。なお、
図2では、プローブ30の内部構成を説明する都合上、ハウジング34の上壁34aのみが示されており、側壁等は省略されている。ハウジング34は、X方向可動構造体40、Y方向可動構造体50及びZ方向可動構造体60を覆うように筒状に形成されている。
【0029】
X方向可動構造体40は、外力を受けてX軸方向に可動する構造体である。X方向可動構造体40には、スタイラス32が固定されている。X方向可動構造体40は、スタイラス32のワーク等への接触に起因してスタイラス32をX軸方向へ変位させる外力が発生した際に、前記外力によるスタイラス32の変位を吸収するためにX軸方向へ可動する。X方向可動構造体40の詳細構成は、後述する。
【0030】
Y方向可動構造体50は、外力を受けてY軸方向に可動する構造体である。Y方向可動構造体50は、X方向可動構造体40の上方に位置しており、X方向可動構造体40と連結されている。Y方向可動構造体50は、スタイラス32のワーク等への接触に起因してスタイラス32をY軸方向へ変位させる外力が発生した際に、前記外力によるスタイラス32の変位を吸収するためにY軸方向へ可動する。Y方向可動構造体50の詳細構成は、後述する。
【0031】
Z方向可動構造体60は、外力を受けてZ軸方向に可動する構造体である。Z方向可動構造体60は、Y方向可動構造体50の上方に位置しており、Y方向可動構造体50と連結されている。また、Z方向可動構造体60は、ハウジング34の上壁34aと連結されている。Z方向可動構造体60は、スタイラス32のワーク等への接触に起因してスタイラス32をZ軸方向へ変位させる外力が発生した際に、前記外力によるスタイラス32の変位を吸収するためにZ軸方向へ可動する。Z方向可動構造体60の詳細構成は、後述する。
【0032】
(X方向可動構造体40の詳細構成)
ここで、
図5及び
図6を参照しながら、X方向可動構造体40の詳細構成について説明する。
【0033】
図5は、X方向可動構造体40の構成を説明するための斜視図である。
図6は、
図5に示すX方向可動構造体40の分解斜視図である。X方向可動構造体40は、
図6に示すように、可動プレート41と、静止プレート42と、対向プレート43と、一対の接続板44、45と、連結部46とを有する。
【0034】
可動プレート41は、X方向可動構造体40の下部に位置する。可動プレート41には、
図6に示すようにスタイラス32が取付位置に取り付けられている。可動プレート41は、1つの金属部材から成り、矩形薄板状とされている。
【0035】
可動プレート41は、
図6に示すように、可動方向であるX軸方向の一端側の形状と他端側の形状とが互いに非対称となるように、形成されている。具体的には、可動プレート41は、X軸方向の一端側に設けられた一端側延出部411と、X軸方向の他端側に設けられた他端側延出部412、413とを有する。一端側延出部411及び他端側延出部412、413は、Y軸方向において異なる位置に設けられている。具体的には、一端側延出部411は、可動プレート41の一端側の中央部分に、一端からX軸方向に沿って突出するように形成されている。また、他端側延出部412、413は、可動プレート41の他端側の両端部分に、他端からX軸方向に沿って突出するように形成されている。つまり、Z軸方向から見たときに、略Y字状となるように形成されている。
【0036】
一端側延出部411及び他端側延出部412、413は、下側の面が可動プレート41の下面と面一になるように、上側の面が可動プレート41の上面よりも突出するような構造となっている。つまり、一端側延出部411、他端側延出部412、413は、可動プレート41に対して、上面に出っ張った状態で設けられている。また、Z軸方向から見たときに、一端側延出部411のY軸方向の幅寸法(後述する
図7に示す幅の大きさ2a)は、他端側延出部412、413の幅寸法(
図7に示す幅の大きさa)の2倍とされている。すなわち、一端側延出部411のY軸方向の全長(長さ2a)が、他端側延出部412及び他端側延出部413のY軸方向の全長(長さ2a)と同じ大きさである。
【0037】
一端側延出部411は、対向する挟持部品411aとで接続板44を挟持する。挟持部品411aは、接続板44を挟持した状態で一端側延出部411の側面に、締結部材等で固定されている。また、他端側延出部412、413は、それぞれ対向する挟持部品412a、413aとで接続板45を挟持する。挟持部品412a、413aは、それぞれ接続板45を挟持した状態で他端側延出部412、413の側面に、締結部材等で固定されている。
【0038】
可動プレート41の中央部に位置する取付位置414には、スタイラス32が取り付けられている。可動プレート41は、スタイラス32をX軸方向に変位させる外力が作用した際に、X軸方向に可動する。また、本実施形態では、詳細は後述するが、可動プレート41の可動方向(X軸方向)と直交する方向(ここでは、Y軸方向)の外力を受けて可動プレート41が回転する際の回転中心は、可動プレート41の中央部に位置する。これにより、スタイラス32の取付位置414と可動プレート41の回転中心とが近くに位置するので、可動プレート41が回転しても、スタイラス32の変位を抑制できる。
【0039】
図7は、外力が作用する場合の可動プレート41の回転状態を説明するための模式図である。ここでは、測定の際にスタイラス32にY軸方向に沿った外力Fが作用するものとする。
図7に示すような外力Fが作用した場合には、スタイラス32を回転させようとするねじり力が発生し、このねじり力によって、スタイラス32が取り付けられた可動プレート41も回転することになる。ここで、本実施形態とは異なり可動プレート41の形状が矩形の場合(すなわち、接続板(板バネ)との接続箇所が2箇所しかない場合)、外力Fに対して可動プレート41の剛性が足りないため、意図しない変形を起こす。結果的に可動プレート41の回転中心が可動プレート41から外れた位置に位置する可能性があり、可動プレート41の回転に伴いスタイラス32の位置も大きく変位してしまう。
【0040】
これに対して、本実施形態においては、上述した比較例に係る可動プレートとは異なり、可動プレート41の接続板44、45との接続箇所が3箇所あり、かつ一端側延出部411のY軸方向の全長(長さ2a)が他端側延出部412及び他端側延出部413のY軸方向の全長(長さ2a)と同じ大きさであることで、外力Fによって可動プレート41が回転する際の回転中心は、可動プレート41の中央部に位置する。また、前述したようにスタイラス32の取付位置414も可動プレート41の中央部に位置している。スタイラス32の取付位置414は、例えば、X軸方向及びY軸方向において下記のような位置であってもよい。具体的には、取付位置414は、X軸方向において取付位置414と一端側延出部411との距離が取付位置414と他端側延出部412(他端側延出部413)との距離と同じ大きさになる位置である。また、取付位置414は、Y軸方向において取付位置414と他端側延出部412との距離が取付位置414と他端側延出部413との距離と同じ大きさになる位置である。これにより、スタイラス32に外力Fが作用して可動プレート41が回転中心を中心に回転しても、取付位置414が変位し難いので、スタイラス32の変位を抑制できる。この結果、スタイラス32の変位に起因する測定誤差の発生を防止できる。
【0041】
また、本実施形態では、可動プレート41がY字形状となっており、他端側延出部412、413は、取付位置414から見て一端側延出部411よりも離れている。このように他端側延出部412、413とスタイラス32の取付位置414との間の距離を大きくする場合には、外力Fに起因してねじり力が発生した際に、他端側延出部412、413と接続される接続板44のねじり力に対する剛性(ねじり剛性)が高まる。これは、ねじり剛性は、距離の2乗に比例する性質を有するからである。なお、本実施形態では、
図7に示すように、一端側延出部411のX軸方向の長さ(幅c)は、他端側延出部412、413のX軸方向の長さ(幅b)と同じ大きさであり、剛性が低下しない大きさとなっている。
【0042】
なお、上記では、可動プレート41の形状がY字形状であることとしたが、これに限定されない。例えば、可動プレート41の形状がW字形状であってもよく、具体的には、可動プレート41が、2つの一端側延出部と3つの他端側延出部を有してもよい。また、可動プレート41は、3つの一端側延出部と4つの他端側延出部を有してもよい。さらに、可動プレート41は、1つの一端側延出部と3つの他端側延出部を有してもよい。
【0043】
図5及び
図6に戻り、X方向可動構造体40の構成の説明を続ける。
静止プレート42は、可動プレート41と同様に1つの金属部材から成り、
図5に示すように可動プレート41の上方から重なるように、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に所定の大きさの隙間を設けた状態で配置されている。このような隙間を設けることで、可動プレート41が可動方向であるX軸方向に移動した際に、可動プレート41が静止プレート42に接触して擦れることを抑制できる。
【0044】
また、静止プレート42及び可動プレート41は、互いを挟むように配置されている。なお、静止プレート42は、後述する連結部46によってY方向可動構造体50に連結されている。
【0045】
静止プレート42は、X軸方向の一端側に設けられた一端側延出部421、422と、X軸方向の他端側に設けられた他端側延出部423とを有する。一端側延出部421、422は、静止プレート42の一端側の両端部分に、一端からX軸方向に沿って突出するように形成されている。また、他端側延出部423は、静止プレート42の他端側の中央部分に、他端からX軸方向に沿って突出するように形成されている。可動プレート41上に静止プレート42を重ねるように配置したときに、一端側延出部421、422及び他端側延出部423の上面は、可動プレート41の一端側延出部411及び他端側延出部412、413の上面と同一面となるように構成されている。
【0046】
一端側延出部421、422は、対向する挟持部品421a、422aとで接続板44を挟持する。挟持部品421a、422aは、それぞれ接続板44を挟持した状態で一端側延出部421、422の側面に、締結部材等でそれぞれ固定されている。また、他端側延出部423は、対向する挟持部品423aとで接続板45を挟持する。挟持部品423aは、接続板45を挟持した状態で他端側延出部423の側面に、締結部材等で固定されている。
【0047】
対向プレート43は、
図5に示すように、X方向可動構造体40の上部に位置する。対向プレート43は、可動プレート41及び静止プレート42に離間した状態で対向している。対向プレート43と可動プレート41及び静止プレート42との間には、接続板44、45が配置されており、接続板44、45の主面がZ軸方向に沿っている。
【0048】
対向プレート43は、対向プレート43のベース部431の側面との間で、接続板44、45を挟持するための挟持部品432、433を有する。挟持部品432、433は、ベース部431の側面に、例えば締結部材で固定されている。また、対向プレート43のベース部431の中央側には、矩形状の貫通穴が形成された開口部431aが設けられている。開口部431aを設けることで、対向プレート43を軽量化できる。
【0049】
一対の接続板44、45は、
図6に示すように、可動プレート41の可動方向であるX軸方向において離間して配置されている。接続板44はX軸方向の一端側に位置し、接続板45はX軸方向の他端側に位置している。また、接続板44、45は、可動プレート41に直交するように配置されている。接続板44、45は、薄い板金部材から成っており、弾性を有する。
【0050】
接続板44は、中央側接続部441と、一対の端側接続部442とを有する。接続板44においては、中央側接続部441が可動側接続板に該当し、端側接続部442が静止側接続板に該当する。
【0051】
中央側接続部441は、X軸方向において中央側に位置している。中央側接続部441は、可動プレート41の一端側延出部411と対向プレート43とを接続している。
一対の端側接続部442は、中央側接続部441の両側に位置している。一対の端側接続部442は、それぞれ静止プレート42の一端側延出部421、422と対向プレート43とを接続している。
中央側接続部441と端側接続部442の間には、
図6に示すように、それぞれZ軸方向に沿ったスリット部444が形成されている。
【0052】
接続板45は、中央側接続部451と、一対の端側接続部452とを有する。接続板45においては、接続板44とは異なり、中央側接続部451が静止側接続板に該当し、端側接続部452が可動側接続板に該当する。
【0053】
中央側接続部451は、静止プレート42の他端側延出部423と対向プレート43とを接続している。一対の端側接続部452は、それぞれ可動プレート41の他端側延出部412、413と対向プレート43とを接続している。中央側接続部451と端側接続部452の間には、それぞれZ軸方向に沿ったスリット部454が形成されている。
【0054】
上記の接続板44、45の構成の場合には、一端が可動プレート41に接続されている接続板44の中央側接続部441と接続板45の端側接続部452とが撓むことで、可動プレート41がX軸方向に可動する。この際、対向プレート43は、一部が中央側接続部441及び端側接続部452を介して可動プレート41に接続されているものの、端側接続部442及び中央側接続部451を介して静止プレート42にも接続されているので、X軸方向に移動しない。また、中央側接続部441と端側接続部442が1つの接続板44となっていているので、部品点数を削減できる。
【0055】
更に、可動プレート41、静止プレート42及び対向プレート43に対して接続板44を接続することで、中央側接続部441と端側接続部442を個々に可動プレート41、静止プレート42及び対向プレート43に接続する場合に比べて、中央側接続部441及び端側接続部442を可動プレート41、静止プレート42、対向プレート43に接続する際の平行出しが容易となり、組立精度が向上する。
【0056】
連結部46は、X方向可動構造体40とY方向可動構造体50を連結する部分である(
図4参照)。連結部46は、静止プレート42と対向プレート43の間の空間に配置されている。これにより、静止プレート42と対向プレート43の間のデッドスペースを有効活用して、連結部46を配置させることができる。
【0057】
連結部46は角柱状に形成されており、連結部46の長手方向の一端は、静止プレート42の中央部と連結されている。また、連結部46の長手方向の他端は、
図3に示すように、Y方向可動構造体50と連結されている。連結部46の長手方向の他端は、対向プレート43の開口部431aの貫通穴を貫通している。連結部46が、可動プレート41と静止プレート42のうちの静止プレート42と連結されていることで、可動プレート41のX軸方向に可動しても、その影響がY方向可動構造体50に及ばない。
【0058】
なお、上記では、接続板44が、中央側接続部441及び端側接続部442を有することとしたが、これに限定されない。例えば、中央側接続部441及び端側接続部442が、それぞれ独立した部品であってもよい。同様に、接続板45の中央側接続部451及び端側接続部452が、それぞれ独立した部品であってもよい。
【0059】
(Y方向可動構造体50の詳細構成)
図2〜
図4を参照しながら、X方向可動構造体40と同様な構成であるY方向可動構造体50の詳細構成について説明する。Y方向可動構造体50は、
図2に示すように、可動プレート51と、静止プレート52と、対向プレート53と、一対の接続板54、55と、連結部56とを有する。
【0060】
Y方向可動構造体50は、可動プレート41がX軸方向に可動するX方向可動構造体40に対して、可動プレート51がY軸方向に可動である点で相違する。このため、Y方向可動構造体50の可動プレート51、静止プレート52、対向プレート53、一対の接続板54、55及び連結部56の形状は、X方向可動構造体40の可動プレート41、静止プレート42、対向プレート43、一対の接続板44、45及び連結部46の形状と同様である。
【0061】
可動プレート51は、X方向可動構造体40の対向プレート43の上方に位置している。可動プレート51は、X方向可動構造体40の連結部46を介して静止プレート42と連結されている。可動プレート51は、スタイラス32をY軸方向に変位させる外力が作用した際に、Y軸方向に可動する。
【0062】
静止プレート52は、可動プレート51の上方から重なるように配置されており、静止プレート52と可動プレート51との間には、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に所定の大きさの隙間が設けられている。隙間を設けることで、可動プレート51が可動方向であるY軸方向に移動した際に、可動プレート51が静止プレート52に接触して擦れることを抑制できる。
【0063】
対向プレート53は、可動プレート51及び静止プレート52に離間した状態で対向している。対向プレート53と可動プレート51及び静止プレート52との間には、接続板54、55が配置されており、接続板54、55の主面がZ軸方向に沿っている。対向プレート53の中央側には、矩形状の貫通穴が形成された開口部531aが設けられている。
【0064】
一対の接続板54、55は、可動プレート51の可動方向であるY軸方向において離間して配置されている。接続板54は、前述した接続板44の中央側接続部441及び端側接続部442と同様な構成の中央側接続部541及び端側接続部542を有する。また、接続板55は、接続板45の中央側接続部451及び端側接続部452と同様な構成の中央側接続部551及び端側接続部552を有する。
【0065】
接続板54の中央側接続部541は、静止プレート52と対向プレート53を接続し、端側接続部542は、可動プレート51と対向プレート53を接続している。また、接続板55の中央側接続部551は、可動プレート51と対向プレート53を接続し、端側接続部552は、静止プレート52と対向プレート53を接続している。このため、接続板54の端側接続部542と、接続板55の中央側接続部551とが撓むことで、可動プレート51がY軸方向に可動する。
【0066】
連結部56は、Y方向可動構造体50(具体的には、静止プレート52)とZ方向可動構造体60(具体的には、後述する可動プレート61)とを連結する部分である。連結部56は、静止プレート52と対向プレート53の間の空間に配置されている。これにより、静止プレート52と対向プレート53の間のデッドスペースを有効活用して、連結部56を配置させることができる。
【0067】
(Z方向可動構造体60の詳細構成)
図2〜
図4を参照しながら、Z方向可動構造体60の詳細構成について説明する。Z方向可動構造体60は、
図2に示すように、可動プレート61と、静止プレート62と、対向プレート63と、一対の接続板64、65と、連結部66とを有する。
【0068】
Z方向可動構造体60は、可動プレート41がX軸方向に可動するX方向可動構造体40に対して、可動プレート61がZ軸方向に可動である点で相違する。このため、Z方向可動構造体60の構成も、X方向可動構造体40とほぼ同様である。
【0069】
可動プレート61は、Y方向可動構造体50の対向プレート53の上方に位置している。可動プレート61は、Y方向可動構造体50の連結部56を介して静止プレート52と連結されている。具体的には、可動プレート61の側面には、Y軸方向に延出した延出部67が設けられており、延出部67は連結部56と連結されている。上記の構成の可動プレート61は、スタイラス32をZ軸方向に変位させる外力が作用した際に、Z軸方向に可動する。
【0070】
静止プレート62は、可動プレート61の上方から重なるように配置されており、静止プレート62と可動プレート61との間には、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に所定の大きさの隙間が設けられている。隙間を設けることで、可動プレート61が可動方向であるZ軸方向に移動した際に、可動プレート61が静止プレート62に接触して擦れることを抑制できる。
【0071】
対向プレート63は、可動プレート61及び静止プレート62に離間した状態で対向している。対向プレート63と可動プレート61及び静止プレート62との間には、接続板64、65が配置されており、接続板64、65の主面がY軸方向に沿っている。
【0072】
一対の接続板64、65は、可動プレート61の可動方向であるZ軸方向において離間して配置されている。接続板64は、前述した接続板44の中央側接続部441及び端側接続部442と同様な構成の中央側接続部641及び端側接続部642を有する。また、接続板65は、接続板45の中央側接続部451及び端側接続部452と同様な構成の中央側接続部651及び端側接続部652を有する。
【0073】
接続板64の端側接続部642は、可動プレート61と対向プレート63を接続し、中央側接続部641は、静止プレート62と対向プレート63を接続している。また、接続板65の端側接続部652は、静止プレート62と対向プレート63を接続し、中央側接続部651は、可動プレート61と対向プレート63を接続している。このため、接続板64の端側接続部642と、接続板65の中央側接続部651とが撓むことで、可動プレート61がZ軸方向に可動する。
【0074】
連結部66は、Z方向可動構造体60(具体的には、静止プレート62)とハウジング34(具体的には、上壁34a)とを連結する部分である。連結部66は、静止プレート62の側面からハウジング34の上壁34aに向かって延出している。
【0075】
[本実施形態における効果]
上述したプローブ30は、それぞれ同様な構成から成るX方向可動構造体40、Y方向可動構造体50及びZ方向可動構造体60を有し、X方向可動構造体40の可動プレート41には、スタイラス32が取り付けられている。また、可動プレート41のX軸方向の両端に位置する一端側延出部411及び他端側延出部412、413は、接続板44、45と3箇所で接続されている。そして、一端側延出部411のY軸方向における全長が、他端側延出部412、413のY軸方向における全長と同じ大きさである。
3箇所に配置された一端側延出部411及び他端側延出部412、413が接続板44、45と接続され、かつ一端側延出部411のY軸方向における全長が他端側延出部412、413のY軸方向における全長と同じ大きさであることにより、可動プレート41の回転中心が、可動プレート41の中央部に位置する。そして、スタイラス32の取付位置414と可動プレート41の回転中心とが近くに位置するので、例えば可動プレート41がスタイラス32を介して外力を受けて回転中心を中心に回転しても、スタイラス32が変位し難い。この結果、スタイラス32の変位に起因する測定誤差の発生を防止できる。
【0076】
なお、上記では、下方からX方向可動構造体40、Y方向可動構造体50、Z方向可動構造体60の順番に積層されていることとしたが、これに限定されない。例えば、Y方向可動構造体50が最下方に位置してもよい。かかる場合には、スタイラス32は、Y方向可動構造体50の可動プレート51に取り付けられることとなる。
【0077】
また、上記では、可動プレート41の接続板44、45との接続箇所が3箇所であることとしたが、これに限定されない。例えば、可動プレート41の接続板44、45との接続箇所は、4箇所以上であってもよい。
【0078】
また、上記では、他端側延出部412、413は、取付位置414から見て一端側延出部411よりも離れていることとしたが、これに限定されない。例えば、他端側延出部412、413及び一端側延出部411は、取付位置414から同じ距離に位置するように、取付位置414を中心とした円周上に配置されてもよい。
【0079】
<第2の実施形態>
図8及び
図9を参照しながら、第2の実施形態に係るプローブ30の構成について説明する。
【0080】
上述した第1の実施形態では、X方向可動構造体40の静止プレート42が、対向プレート43の開口部431aを貫通する連結部46(
図2)を介してY方向可動構造体50の可動プレート51に連結されていることとした。これに対して、第2の実施形態では、連結部46及び開口部431aが設けられておらず、X方向可動構造体40の静止プレート42が、ハウジング34の側壁に連結されている。
【0081】
図8は、第2の実施形態に係るX方向可動構造体40の構成を説明するための斜視図である。
図9は、
図8に示すX方向可動構造体40の分解斜視図である。第2の実施形態においては、静止プレート42は、Y軸方向に沿って延出した延出部425を有する。延出部425は、ハウジング34の側壁34bに連結されている。
【0082】
第2の実施形態に係るX方向可動構造体40の可動プレート41及び接続板44、45の構成は、第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態と同様に、スタイラス32から可動プレート41にねじり力が伝達されても、スタイラス32の取付位置及び可動プレート41の回転中心が可動プレート41の中央部に位置するので、可動プレート41が回転しても、スタイラス32が変位し難い。この結果、スタイラス32の変位に起因する測定誤差の発生を抑制できる。
なお、
図8には示していないが、Y方向可動構造体50においても、静止プレート52がハウジング34の側壁34bに連結されている。
【0083】
<第3の実施形態>
図10及び
図11を参照しながら、第2の実施形態に係るプローブ30の構成について説明する。
【0084】
図10は、第3の実施形態に係るX方向可動構造体40及びZ方向可動構造体60の構成を説明するための斜視図である。
図11は、
図10に示すX方向可動構造体40とZ方向可動構造体60が分離した状態を示す斜視図である。
【0085】
第1の実施形態では、Z方向可動構造体60がY方向可動構造体50から離れて設けられていることとした。これに対して、第3の実施形態では、Z方向可動構造体60の大部分が、X方向可動構造体40内の空間に配置される構成になっている。
【0086】
第3の実施形態では、第1の実施形態で説明したX方向可動構造体40の連結部46(
図2)が設けられておらず、連結部46が設けられていた空間に、
図10に示すようにZ方向可動構造体60が配置されている。すなわち、Z方向可動構造体60の可動プレート61、静止プレート62、対向プレート63及び接続板64、65は、X方向可動構造体40の静止プレート42と対向プレート43との間に配置されている。そして、Z方向可動構造体60をX方向可動構造体40の空間に配置させるために、X方向可動構造体40の対向プレート43の開口部431aが大きくなっている。
【0087】
Z方向可動構造体60の構成は、
図2〜
図4に示すZ方向可動構造体60と同様な構成である。このため、ここでは、Z方向可動構造体60のX方向可動構造体40との連結構造について説明する。
【0088】
Z方向可動構造体60の可動プレート61は、X方向可動構造体40の静止プレート42と連結されている。可動プレート61には、Z軸方向に沿って延出している可動側延出部615が設けられている。可動側延出部615は、X方向可動構造体40の静止プレート42と連結されている。
【0089】
なお、Z方向可動構造体60の静止プレート62は、
図10に示していないY方向可動構造体50(
図2参照)と連結されている。静止プレート62には、Z軸方向に沿って延出している静止側延出部625が設けられている。静止側延出部625は、Y方向可動構造体50の可動プレート51に連結されている。
【0090】
第3の実施形態の場合には、X方向可動構造体40のデットスペースにZ方向可動構造体60を配置させることで、プローブ30のZ軸方向の長さを小さくできる。この結果、プローブ30の小型化を実現できる。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。