特許第6769807号(P6769807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6769807
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】アルミナの処理
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/02 20060101AFI20201005BHJP
【FI】
   C01F7/02 E
   C01F7/02 J
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-190009(P2016-190009)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2017-78015(P2017-78015A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2019年2月7日
(31)【優先権主張番号】14/918,433
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236702
【氏名又は名称】株式会社フジミインコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ダブリュー.スコット レイダー
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−500288(JP,A)
【文献】 特開昭62−083360(JP,A)
【文献】 特開2004−091674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 1/00− 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナスラリの粘度を40cps未満に低下させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含む前記スラリを粉砕することを備え、
前記アルミナの濃度が55重量%未満であり、前記分散剤の濃度が0.01重量%より高く0.3%以下であり、前記分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、
粉砕後のスラリのメジアン径D50が0.1μ以上、5.0μ未満である、方法。
【請求項2】
前記分散剤の濃度が10重量%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スラリが7より大きいpH値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アルミナスラリのD50を約5.0μm未満に低下させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含む前記スラリを粉砕することを備え、
前記アルミナの濃度が55重量%未満であり、前記分散剤の濃度が0.01重量%より高く0.3%以下であり、前記分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、
粉砕後のスラリのメジアン径D50が0.1μ以上、5.0μ未満である、方法。
【請求項8】
前記分散剤の濃度が10重量%以下である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記スラリが7より大きいpH値を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルを低下させる方法であって、
アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含む前記スラリを粉砕することを備え、
前記アルミナの濃度が55重量%未満であり、前記分散剤の濃度が0.01重量%より高く0.3%以下であり、前記分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、
粉砕後のスラリのメジアン径D50が0.1μ以上、5.0μ未満である、方法。
【請求項14】
前記分散剤の濃度が10重量%以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記スラリが7より大きいpH値を有する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナの処理、特に、低粘度で再分散性に優れたアルミナの水分散液及びこれを調製する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
硬度と強度のため、酸化アルミニウム又はアルミナは研磨剤として一般的に用いられている。本明細書に開示するのは、アルミナを処理又は粉砕する(milling)する改良された方法、及び組成、及びこれを用いる方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−156146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、少なくとも部分的に、アルミナの改良された粉砕方法、及び低粘度で再分散性に優れたアルミナの水分散液及びこれを調製する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アルミナスラリの粘度を40cps未満に低下させ、沈降後の再分散性を改善するために、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含む前記スラリを粉砕する方法において、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有するものを使用する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、アルミナの改良された粉砕方法、及びアルミナの安定した水分散液及びこれを調製する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載し開示するいくつかの実施形態は、少なくとも部分的に、アルミナの改良された粉砕方法、及び生成された生成物、及びこれら生成物を用いる方法の予期しない発見に基づいている。驚くべきことに、とりわけ、発明された方法によって、(i)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下で行う場合のアルミナ処理中の粒径縮小率の上昇、(ii)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下で得られた粉砕アルミナ分散系の予期しない粘度の低下、及び(iii)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下で得られた粉砕アルミナ分散系の硬い沈降(hard settling)(又は固まり形成(hard packing))の程度の低下が得られることが発見されている。上記の利点及びこれらの方法から得られる他の利点のいずれによっても、独特な特性及び用途を有する改良されたアルミナ粉砕及びアルミナ生成物が得られる。
【0008】
1つの態様において、本明細書に開示するのは、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は例えば、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを含むことができる。アルミナの濃度は55重量%未満であり(又はこの数字未満のいずれかの部分範囲(sub range)もしくは部分値(sub value))、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は例えばα−ヒドロキシルジカルボン酸とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸等の1つ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、処理は粉砕を含むことができる。いくつかの実施形態では、粉砕はボールミル粉砕によって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕はビーズミル粉砕によって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は例えば15分から24時間の期間にわたって、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値で行うことができる。いくつかの実施形態では、スラリは例えば7より大きいpH値を有することができる(この数字よりも少なくとも10%刻みで大きくなるいずれかの特定のpHを含むことも想定される)。いくつかの実施形態では、スラリは例えば40重量%より大きい固体含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散系は約1cpsから約40cps、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値の粘度を有する。いくつかの実施形態では、分散系のアルミナ粒子は、例えば約0.5μmより大きい粒径を有することができる。
【0009】
別の態様において、本明細書に開示するのは、アルミナ粉砕プロセスにおいて粒径縮小率を上昇させる方法である。このプロセスは例えば、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを含むことができる。アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤はα−ヒドロキシルジカルボン酸等とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸等の1つ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、粉砕は15分から24時間の期間にわたって、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値で行うことができる。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、7より大きいpH値を有することができる。
【0010】
別の態様において、本明細書に開示するのは、アルミナスラリの粘度を約40cps未満に低下させる方法である。この方法は例えば、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを含むことができる。アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は例えばα−ヒドロキシルジカルボン酸、又は同様の分子とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、例えばリンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸の1つ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、粉砕は例えば15分から24時間の期間にわたって、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値で行うことができる。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは、粒子径を大きい側と小さい側の2つに分けたときに等量となる径であるメジアン径(D50)が5.0μm未満であることができる。
【0011】
別の態様において、本明細書に開示するのは、アルミナスラリのD50を約5.0μm未満に低下させる方法である。この方法は例えば、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを含むことができる。アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は例えばα−ヒドロキシルジカルボン酸とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、例えばリンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸等の1つ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、粉砕は例えば15分から24時間の期間にわたって、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値で行うことができる。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0012】
別の態様において、本明細書に開示するのは、アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルを低下させる方法である。この方法は例えば、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを含むことができる。アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は例えばα−ヒドロキシルジカルボン酸等とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、例えばリンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸等の1つ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、粉砕は例えば15分から24時間の期間にわたって、又はそれらの間のいずれかの部分範囲もしくは部分値で行うことができる。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有することができる。いくつかの実施形態では、スラリは約5.0μm未満のD50を有することができる。
【0013】
別の態様において、本明細書に開示するのは、本明細書に開示するいずれかの方法に従って調製したアルミナの水分散液である。
【0014】
別の態様において、本明細書に開示するのは、40重量%より大きい粉砕プロセス含有量を有するアルミナと、分散剤と、を含むアルミナスラリ組成である。分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は例えばα−ヒドロキシルジカルボン酸等とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、例えばリンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸等の1つ以上とすることができる。
【0015】
アルミナは、研磨剤として広く用いられ、例えばサンドペーパー、練り歯磨き、CD/DVD研磨、及び引っかき傷修理キット等の製品で用いられている。また、アルミナは、エレクトロニクス産業において、シリコンウェーハの精密研磨のために用いられている。このような研磨には、サイズ分布が狭く粒径が小さい高品質のアルミナが必要である。
【0016】
本明細書に記載する通り、驚くべきことに、(i)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下でアルミナ処理中の粒径縮小率が上昇すること、(ii)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下で得られた粉砕アルミナ分散系の粘度が思いがけず低下すること、及び(iii)1つ以上の特定の粉砕助剤の存在下で得られた粉砕アルミナ分散系の硬い沈降(又は固まり形成)の程度が低下すること、が発見された。本明細書において定性的に求められる硬い沈降(又は固まり形成)は、少なくとも24時間沈降させた分散系を再懸濁させる難しさの度合である。いくつかの実施形態では、得られる粉砕アルミナ分散系は、長期の保管中に懸濁されたままである。いくつかの実施形態では、得られる粉砕アルミナ分散系は、最大で約12か月沈降させ、容易に再懸濁される。いくつかの実施形態では、1つ以上の特定の粉砕助剤は分散剤とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。
【0017】
いずれか1つの特定の理論に縛られるものではないが、水酸化アルミニウム、アルミナヒドロオキシド(aluminum hydro−oxide)、又は水酸化アルミニウム酸化物(hydrated aluminum oxide)(通常、粉砕プロセス中に発生される)は、2つ以上のカルボキシル基及び1つ以上のヒドロキシル基を含有する分散剤と錯体を作ると考えられる。この錯体形成は、水酸化アルミニウム/アルミナヒドロオキシド/水酸化アルミニウム酸化物がアルミナ表面の水分子又は粒子間の表面の水酸化物のいずれかと配位結合するのを防ぎ得る。後者の相互作用がないことにより、水素結合を介した粒子の架橋を防ぐことができる。このような水素結合は、粘度の上昇及びスラリの硬い沈降を生じる可能性がある。
【0018】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。
【0019】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。
【0020】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。
【0021】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。
【0022】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。
【0023】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される。
【0024】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高く、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0025】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0026】
本明細書において提供するのは、いくつかの実施形態において、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法である。この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法は、実質的にアルミナ供給材料と、水と、分散剤とから成るスラリを処理することから実質的に成り、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.3重量%であり、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0027】
別の態様は、アルミナ粉砕プロセスにおいて粒径縮小率を上昇させる方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備える。いくつかの実施形態では、この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備え、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高い。更に別の実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0028】
別の態様は、アルミナスラリのD50を低下させる方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備える。更に別の実施形態では、この方法は、アルミナスラリのD50を約5.0μm未満に低下させる。いくつかの実施形態では、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高い。更に別の実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0029】
別の態様は、アルミナスラリの粘度を低下させる方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備える。更に別の実施形態では、この方法は、アルミナスラリの粘度を約40cps未満に低下させる。いくつかの実施形態では、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高い。更に別の実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0030】
別の態様は、アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルを低下させる方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備える。いくつかの実施形態では、アルミナの濃度は55重量%未満であり、分散剤の濃度は0.01重量%より高い。更に別の実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、1つのカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する分散剤と比べると、2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する分散剤は、(i)アルミナスラリの粘度の低下、(ii)アルミナスラリのD50の低下、及び(iii)アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルの低下、の1つ以上をより良好に実行することができる。いくつかの実施形態では、1つのカルボキシル基(COOH)を有し、ヒドロキシル基(OH)を持たない分散剤と比べると、2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する分散剤は、(i)アルミナスラリの粘度の低下、(ii)アルミナスラリのD50の低下、及び(iii)アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルの低下、の1つ以上をより良好に実行することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。分散剤の例は、限定ではないが、クエン酸及びα−ヒドロキシルジカルボン酸を含む。いくつかの実施形態では、分散剤は、α−ヒドロキシルジカルボン酸(又はαヒドロキシジカルボン酸)又はその塩である。α−ヒドロキシルジカルボン酸の例は、限定ではないが、リンゴ酸、シトラマル酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸を含む。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、タルトロン酸、及びそのいずれかの塩、及びそれらのいずれかの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロンから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、分散剤はリンゴ酸である。いくつかの実施形態では、分散剤はシトラマル酸である。いくつかの実施形態では、分散剤はクエン酸である。いくつかの実施形態では、分散剤はイソクエン酸である。いくつかの実施形態では、分散剤は酒石酸である。いくつかの実施形態では、分散剤はタルトロン酸である。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、クエン酸、又は酒石酸である。いくつかの実施形態では、分散剤はシトラマル酸、イソクエン酸、酒石酸、又はタルトロン酸である。いくつかの実施形態では、上に列挙した有機酸の1つ以上は本方法から特定的に除外される場合がある。
【0033】
いくつかの実施形態では、分散剤は2つのカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤は2つのカルボキシル基(COOH)及び1つのヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤は2つのカルボキシル基(COOH)及び2つのヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤は3つのカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤は3つのカルボキシル基(COOH)及び1つのヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤は4つのカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は10重量%以下である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は10重量%未満である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は10重量%に等しい。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は10重量%であり、これらの間の増分の値も含む。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は0.01重量%より高い。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は0.01重量%より高く、かつ10重量%以下である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約10重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.4重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.01重量%から約0.1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約10重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約0.5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約0.4重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約0.2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.02重量%から約0.1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約10重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約0.5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約0.4重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約0.2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.05重量%から約0.1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約10重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約2重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約1重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約0.5重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約0.4重量%である。いくつかの実施形態では、スラリ中の分散剤の濃度は約0.1重量%から約0.2重量%である。
【0035】
いくつかの実施形態では、スラリは約7のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは7より大きいpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、又は11.0のpH値を有し、これらの間の増分の値も含む。いくつかの実施形態では、スラリは約7.1から約11.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約7.1から約10.5のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約7.1から約10.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約7.5から約11.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約7.5から約10.5のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約7.5から約10.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.0から約11.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.0から約10.5のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.0から約10.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.5から約11.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.5から約10.5のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約8.5から約10.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約9.0から約11.0のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約9.0から約10.5のpH値を有する。いくつかの実施形態では、スラリは約9.0から約10.0のpH値を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、30%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、35%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、40%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、45%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、50%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、55%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、60%より大きい固体含有量を有する。いくつかの実施形態では、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリは、約30、35、40、45、50、55、又は60%、又はこれらの間の増分の値の固体含有量を有する。
【0037】
処理
いくつかの実施形態において、スラリの処理は粉砕を含み、このスラリはアルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含む。粉砕は、限定ではないが、アトリッションミル粉砕、振動ミル粉砕、ビーズミル粉砕、及びボールミル粉砕を含む。いくつかの実施形態では、粉砕は、アトリッションミル粉砕、振動ミル粉砕、ビーズミル粉砕、及びボールミル粉砕から選択される。いくつかの実施形態では、粉砕はアトリッションミル粉砕である。いくつかの実施形態では、粉砕は振動ミル粉砕である。いくつかの実施形態では、粉砕はビーズミル粉砕である。いくつかの実施形態では、粉砕はボールミル粉砕である。
【0038】
いくつかの実施形態では、粉砕が行われる期間は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60時間であり、これらの間の増分の値も含む。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約120時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約24時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約10時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約9時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約8時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約7時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約6時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約5時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約4時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約3時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約2時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約15分から約1時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約10時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約9時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約8時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約7時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約6時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約5時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約4時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約3時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約2時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約30分から約1時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1から約10時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約9時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約8時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約7時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約6時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約5時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約4時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約3時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約1時間から約2時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約2時間から約10時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約2時間から約8時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約2時間から約6時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約3時間から約10時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約3時間から約9時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約3時間から約12時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約3時間から約18時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約3時間から約24時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約24時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約36時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約48時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約60時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約72時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約84時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約96時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約108時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約12時間から約120時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約24時間から約96時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粉砕は約24時間から約120時間の期間にわたって行われる。
【0039】
いくつかの実施形態では、スラリの処理は更に、分級プロセス(grading process)を実行することを含む。いくつかの実施形態では、グレード分けプロセスは、水を用いて異なる粒径を分離させることを含む。いくつかの実施形態では、スラリ内の粉砕助剤はグレード分けプロセスに影響を及ぼさない。いくつかの実施形態では、粉砕助剤はグレード分けプロセス中にスラリから除去される。いくつかの実施形態では、スラリの処理は更に、グレード分けプロセスを実行した後に粉砕助剤を再びスラリに投入することを含む。
【0040】
分散系の特性
1つの態様において、本明細書に開示するのは、アルミナの安定した水分散液である。これらの分散液は、本明細書に開示した方法を用いて調製される。
【0041】
いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約40cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約35cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約30cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約25cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約20cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約15cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsより大きい。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40cpsであり、これらの間の増分の値も含む。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は1cpsより大きく、かつ40cps未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約40cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約35cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約30cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約25cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約20cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約1cpsから約15cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約40cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約35cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約30cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約25cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約20cpsである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約5cpsから約15cpsである。
【0042】
いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約4.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約3.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約2.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約1.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.1から約5μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.1から約4μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.1から約3μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.1から約2μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.1から約1μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.2から約5μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.2から約4μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.2から約3μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.2から約2μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.2から約1μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.5から約5μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.5から約4μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.5から約3μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.5から約2μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は約0.5から約1.5μmである。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液のD50は、類似の手順であるが本明細書に記載する分散剤を使用することなく得られたアルミナの水分散液のD50より小さい。
【0043】
いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は少なくとも約0.1μmの粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.1μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.2μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.3μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.4μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.5μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.6μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.7μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.8μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約0.9μmより大きい粒径を有する。いくつかの実施形態では、分散系におけるアルミナ粒子は約1.0μmより大きい粒径を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約40cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約35cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約30cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約25cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約20cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。いくつかの実施形態では、アルミナの安定した水分散液の粘度は約15cps未満であり、安定した水分散液中のアルミナのD50は約5.0μm未満である。
【0045】
別の態様において、本明細書に開示するのは、40重量%より大きい粉砕プロセス含有量を有するアルミナと、分散剤と、を含むアルミナスラリ組成である。分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば10重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば1重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば0.5重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤の濃度は例えば0.3重量%以下とすることができる。いくつかの実施形態では、分散剤はα−ヒドロキシルジカルボン酸等である。いくつかの実施形態では、分散剤は、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロンから成る群から選択される。
【0046】
いくつかの実施形態では、アルミナスラリ組成は実質的に、40重量%より大きい粉砕プロセス含有量を有するアルミナと、水と、分散剤と、から成り、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する。いくつかの実施形態では、アルミナスラリ組成は実質的に、40重量%より大きい粉砕プロセス含有量を有するアルミナと、水と、分散剤と、から成り、分散剤は2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有し、分散剤の濃度が0.5重量%以下であり、組成が7より大きいpH値を有する。
【0047】
アルミナ分散系の使用
生成されたアルミナ分散系は、いずれかの適切な方法で用いることができる。例えば分散系は、安定性の向上及び/又は硬い沈降の特徴低減のため、「濡れた(wet)」状態で出荷して使用に供することができる。いくつかの実施形態では、分散系は、鉄道で又は車で輸送され、輸送中に硬い沈降はあまり生じない。分散系は、当業者によって通例用いられるように乾燥させて使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した方法を用いて調製したアルミナ分散系は、研磨用途に用いられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した方法を用いて調製したアルミナ分散系は、粘度が低く取り扱いが良好である。アルミナ分散系の取り扱いは、限定ではないが、アルミナ分散系のポンピング、混合、及び輸送を含む。
【0048】
本明細書の実施例は、本技術の利点を説明するために与える。また、本明細書の実施例は、本技術の好適な態様をより充分に説明するために提示する。実施例は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本技術の範囲を限定するものとは解釈されない。実施例は、上述した本技術の変形、態様、又は態様のいずれかを含むか又は組み込むことができる。上述した変形、態様、又は態様の各々は更に、本技術のいずれか又は全ての他の変形、態様、又は態様を含み得るか又は組み込み得る。
【0049】
実施例
実施例1.分散剤を用いる場合及び用いない場合のアルミナ分散剤の粘度レベル
水中の45%アルミナ(Al)と、リンゴ酸、シトラマル酸、及び酒石酸から選択した分散剤の様々な量と、を含有する7つの100gの分散系を調製した。水中に45%アルミナを含有する13の100gの比較例も調製した。これらの比較例の分散系は分散剤を全く含有しないか、又はホウ酸、マレイン酸、酢酸、又はシュウ酸から選択した分散剤の様々な量を含んだ。双方の分散系セットを250RPMで12時間粉砕した(卓上ボールミル、Paul O. Abbe社、型番LJRM202421)。粉砕後、20の分散系の各々の粘度について、1=薄い、2=中間の厚さ、3=厚い、4=極めて厚い、という指針を用いて肉眼で定性的に評価した。この研究の結果を表1にまとめる。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例2.リンゴ酸を用いる場合及び用いない場合のアルミナ分散系のD50、粘度、及び硬い沈降の評価
45%、50%、又は55%のAlと、分散剤としてリンゴ酸の様々な量と、を用いて、実施例1に記載したものと同じ手順により、アルミナ分散系(4000g)を調製した。比較例として、対応するアルミナ分散系を、リンゴ酸を用いずに調製した。Horiba社のLA950レーザ散乱式粒径分布アナライザによってD50を測定した。Brookfieldコーンスピンドル粘度計(DV−II)によって粘度を測定した。硬い沈降については、次の2つの基準に基づいて定性的に評価した。(1)24時間の静置後に固まった粒子の沈降高さ。底部にたまった固まりの高さが高くなればなるほど性能は良好である。(2)ボトルを前後にゆっくりと180度回転させることによる再懸濁の容易さ。固まった層がなくなるのが速ければ速いほど性能は良好である。これらの研究の結果を表2及び表3にまとめる。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
パラグラフA. アルミナ粒子の安定した水分散液を調製する方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを処理することを備え、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、方法。
【0055】
パラグラフB. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフAの方法。
【0056】
パラグラフC. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフA又はパラグラフBの方法。
【0057】
パラグラフD. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフA又はパラグラフBの方法。
【0058】
パラグラフE. 処理が粉砕を含む、パラグラフAからDのいずれか1つの方法。
【0059】
パラグラフF. 粉砕がボールミル粉砕によって行われる、パラグラフEの方法。
【0060】
パラグラフG. 粉砕がビーズミル粉砕によって行われる、パラグラフEの方法。
【0061】
パラグラフH. 粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、パラグラフEからGのいずれか1つの方法。
【0062】
パラグラフI. 粉砕が15分から10時間の期間にわたって行われる、パラグラフEからGのいずれか1つの方法。
【0063】
パラグラフJ. スラリが7より大きいpH値を有する、パラグラフAからIのいずれか1つの方法。
【0064】
パラグラフK. スラリが40重量%より大きい固体含有量を有する、パラグラフAからJのいずれか1つの方法。
【0065】
パラグラフL. 分散液が約1cpsから約40cpsの粘度を有する、パラグラフAからKのいずれか1つの方法。
【0066】
パラグラフM. 分散液中のアルミナ粒子が0.5μmより大きい粒径を有する、パラグラフAからLのいずれか1つの方法。
【0067】
パラグラフN. アルミナ粉砕プロセスにおいて粒径縮小率を上昇させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備え、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、方法。
【0068】
パラグラフO. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフNの方法。
【0069】
パラグラフP. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフN又はパラグラフOの方法。
【0070】
パラグラフQ. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフN又はパラグラフOの方法。
【0071】
パラグラフR. 粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、パラグラフNからQのいずれか1つの方法。
【0072】
パラグラフS. 粉砕が15分から10時間の期間にわたって行われる、パラグラフNからQのいずれか1つの方法。
【0073】
パラグラフT. アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリが7より大きいpH値を有する、パラグラフNからSのいずれか1つの方法。
【0074】
パラグラフU. アルミナスラリの粘度を40cps未満に低下させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備え、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、方法。
【0075】
パラグラフV. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフUの方法。
【0076】
パラグラフW. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフU又はパラグラフVの方法。
【0077】
パラグラフX. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフU又はパラグラフVの方法。
【0078】
パラグラフY. 粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、パラグラフUからXのいずれか1つの方法。
【0079】
パラグラフZ. 粉砕が15分から10時間の期間にわたって行われる、パラグラフUからXのいずれか1つの方法。
【0080】
パラグラフAA. スラリが7より大きいpH値を有する、パラグラフUからZのいずれか1つの方法。
【0081】
パラグラフAB. スラリが約5.0未満のD50を有する、パラグラフUからAAのいずれか1つの方法。
【0082】
パラグラフAC. アルミナスラリのD50を約5.0μm未満に低下させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備え、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、方法。
【0083】
パラグラフAD. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフACの方法。
【0084】
パラグラフAE. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフAC又はパラグラフADの方法。
【0085】
パラグラフAF. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフAC又はパラグラフADの方法。
【0086】
パラグラフAG. 粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、パラグラフACからAFのいずれか1つの方法。
【0087】
パラグラフAH. 粉砕が15分から10時間の期間にわたって行われる、パラグラフACからAFのいずれか1つの方法。
【0088】
パラグラフAI. スラリが7より大きいpH値を有する、パラグラフACからAHのいずれか1つの方法。
【0089】
パラグラフAJ. アルミナスラリにおける沈降の硬さレベルを低下させる方法であって、アルミナ供給材料と、水と、分散剤とを含むスラリを粉砕することを備え、アルミナの濃度が55重量%未満であり、分散剤の濃度が0.01重量%より高く、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、方法。
【0090】
パラグラフAK. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフAJの方法。
【0091】
パラグラフAL. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフAJ又はパラグラフAKの方法。
【0092】
パラグラフAM. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフAJ又はパラグラフAKの方法。
【0093】
パラグラフAN. 粉砕が15分から24時間の期間にわたって行われる、パラグラフAJからAMのいずれか1つの方法。
【0094】
パラグラフAO. 粉砕が15分から10時間の期間にわたって行われる、パラグラフAJからAMのいずれか1つの方法。
【0095】
パラグラフAP. スラリが7より大きいpH値を有する、パラグラフAJからAOのいずれか1つの方法。
【0096】
パラグラフAQ. スラリが約5.0μm未満のD50を有する、パラグラフAJからAPのいずれか1つの方法。
【0097】
パラグラフAR. パラグラフAからAQのいずれか1つに従って調製されたアルミナの水分散液。
【0098】
パラグラフAS. 40重量%より大きい粉砕プロセス含有量を有するアルミナと、分散剤と、を含むアルミナスラリ組成であって、分散剤が2つ以上のカルボキシル基(COOH)及び1つ以上のヒドロキシル基(OH)を有する、組成。
【0099】
パラグラフAT. 分散剤の濃度が10重量%以下である、パラグラフASの組成。
【0100】
パラグラフAU. 分散剤がα−ヒドロキシルジカルボン酸である、パラグラフAS又はパラグラフATの組成。
【0101】
パラグラフAV. 分散剤が、リンゴ酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、及びタルトロン酸から成る群から選択される、パラグラフAS又はパラグラフATの組成。
【0102】
添付の特許請求の範囲において、単数形の監視「a(1つの)」及び「an(1つの)」及び「the(その)」並びに要素を記述する状況での(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)同様の参照は、本明細書で特に指示のない限り、又は文脈による明らかな矛盾のない限り、単数及び複数の双方を包含するものと解釈される。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で特に指示のない限り、その範囲内に該当する別個の値を個々に言及する簡略的な方法として機能することを意図しているに過ぎない。別個の値はそれぞれ、本明細書で個々に列挙されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載した全ての方法は、本明細書で特に指示のない限り、又は文脈による明らかな矛盾のない限り、いずれかの適切な順序で実行することができる。本明細書に提供したあらゆる実施例、又は例示的な言葉(例えば「等」)の使用は、特に指定のない限り、実施形態をいっそう明らかにすることを意図しているに過ぎず、特許請求の範囲に対して限定を加えるものではない。本明細書中のいかなる言葉も、特許請求されていない要素を本質的なものであると示すようには解釈されない。
【0103】
本明細書において用いる場合、「約」は、当業者によって理解され、ある程度これが用いられる文脈に依存して変動する。当業者に明らかでない項(term)の使用がある場合、これが用いられる文脈を考えると、「約」は、特定の項のプラス又はマイナス10%までを意味する。
【0104】
本発明について、その特定の実施形態に関連付けて説明したが、本発明の方法論は更に別の変更が可能であることは理解されよう。本特許出願は、概ね本発明の原理に従う本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含することを意図しており、それらは、本開示からの逸脱であっても、本発明が関係する技術内の既知の又は通例の実施内であり、本明細書における前述の本質的な特徴(features)に適用可能であり、以下の添付の特許請求の範囲に従うものであれば含まれる。