(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、且つ特にマルチフリンジ干渉法による表面形態の判定を容易にする装置及び方法であって、高いインターフェログラムコントラストと同時に、干渉計の光学面の欠陥に関する誤差が生じにくいことを特徴とする装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、本発明に従って、例えば以下に記載する干渉法により試験対象物の光学面の形状を求める測定装置により達成することができる。本発明による測定装置は、照明波を生成する照明モジュールと、光学面に指向される試験波と参照波とに照明波を分割するよう構成された干渉計であり、試験波及び参照波は、上記試験波及び参照波の重畳により干渉計の検出面でマルチフリンジ干渉パターンが生じるような相互間の傾斜を有する干渉計とを備える。ここで、照明モジュールは、検出面のフーリエ面に配置された瞳面を有し、照明モジュールは、瞳面での照明波の強度分布が1つ又は複数の空間的に分離された連続面領域を含むように照明波を生成するよう構成され、面領域は、1つの面領域又は複数の面領域全体にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1、特に少なくとも2:1又は少なくとも3:1のアスペクト比を有するように構成される。
【0008】
換言すれば、第1変形形態による照明モジュールは、瞳面での照明波の強度分布が空間的に分離された連続面領域を含むように照明波を生成するよう構成され、面領域の形状は、面領域にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するように構成される。第2変形形態によれば、照明モジュールは、瞳面での照明波の強度分布が複数の空間的に分離された連続面領域を含むように照明波を生成するよう構成され、面領域は、複数の面領域全体にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するように構成又は配置される。
【0009】
空間的に分離された連続面領域にフィットする最小限の面積の矩形は、面積に関して、空間的に分離された面領域にできる限りフィットする矩形を意味すると理解すべきであり、すなわち、空間的に分離された面領域を完全に含む矩形のうち最小限の面積を有する矩形である。
【0010】
参照波は、試験波と光学面との相互作用後に試験波に重畳される。マルチフリンジ干渉パターンの評価により、目標形状からの光学面の形状のずれ、したがって試験対象物自体の光学面の形状を求めることが可能である。傾斜分割は、参照波が光学面との相互作用後の試験波に対して傾斜するように実施される。試験波及び参照波への照明波の分割は、分割素子、例えばフィゾー素子により実施することができる。例示的な一実施形態によれば、光学面との相互作用後の試験波は、光学面との相互作用前の試験波のビーム経路に沿って戻る。この場合、参照波と光学面との相互作用後の試験波との間の傾斜角は、分割場所における参照波と試験波の逆伝播方向との間の傾斜角と同一である。
【0011】
本明細書では、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも1つの全周期の強め合う干渉及び弱め合う干渉の交互縞を含む干渉パターンを意味すると理解すべきである。全周期は、干渉し合う波間の位相差がマルチフリンジ干渉パターンに沿って0〜2πの全値をとることを意味すると理解すべきである。換言すれば、縞が明るい縞(強め合う干渉)又は暗い縞(弱め合う干渉)であり得る場合、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも2つの縞を有する干渉パターンを意味すると理解すべきである。特に、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも2周期、少なくとも5周期、少なくとも10周期、少なくとも50周期、又は少なくとも100周期の全周期の強め合う干渉及び弱め合う干渉の交互縞を含み得る。
【0012】
照明モジュールの瞳面にある空間的に分離された連続面領域は、比較的暗い周囲(比較的低強度)における明るい領域(すなわち、高強度の領域)であり得る。例として、暗い周囲における比較的低強度は、明るい領域の比較的高強度の50%未満であり得る。
【0013】
一実施形態によれば、瞳面の強度分布は、少なくとも1つの連続面領域を含む。すなわち、瞳面での強度分布が空間的に分離された連続面領域を含み、その形状が、面領域にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するように構成されるという、第1変形形態がある。この実施形態によれば、連続面領域は縞として設計される。
【0014】
さらに別の実施形態によれば、瞳面の強度分布は、複数の連続面領域を含む。すなわち、瞳面での強度分布が複数の空間的に分離された連続面領域を含み、面領域は、複数の面領域全体にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するように構成又は配置されるという、第2変形形態がある。この実施形態によれば、複数の面領域全体に形状が適合した被覆面が、縞として設計される。これに関して、複数の面領域全体に形状が適合した被覆面は、空間的に分離された連続面領域を覆うと同時に面領域の配置の外挿又は抽出された形状にフィットする領域を意味すると理解すべきである。例として、このような形状が適合した被覆面は、面領域の周りの包絡線に含まれる周囲及び面積の組み合わせを最小化しながらこの包絡線を数学的に求めることにより実施することもできる。
【0015】
瞳強度分布での縞の提供により、高コントラストであると同時に干渉計の表面にある欠陥に関する誤差が生じにくいマルチフリンジ干渉パターンの生成が容易になる。
【0016】
一実施形態によれば、試験波に対する参照波の傾斜は、最小傾斜角よりも大きく、最小傾斜角は、照明波が試験波及び参照波に分割される場所における照明波の波長と照明波のビーム径との商の100倍、特に500倍により定義される。分割場所における照明波のビーム径は、照明波の波長を試験対象物の光学面の目標形状に適合させるために照明波のビーム経路に配置された適合光学ユニットの直径に対応する。この適合光学ユニットは、照明波と試験対象物の表面との相互作用の上流に配置されたコリメータとして具現することができる。参照波は、試験波と光学面との相互作用後に試験波に重畳される。マルチフリンジ干渉パターンの評価により、目標形状からの光学面の形状のずれ、したがって試験対象物自体の光学面の形状を求めることが可能である。
【0017】
一変形実施形態によれば、縞は弧状縞である。さらに別の変形実施形態によれば、縞は直線縞である。弧状縞は、1方向に湾曲した縞を意味すると理解すべきであり、すなわち、縞は左又は右に湾曲している。ここで、正確に弧状の縞に加えて、弧に沿って配置された複数の直線部分からなる縞もこのような弧状縞であると理解すべきである。直線縞は、少なくとも1.5:1のアスペクト比を有する矩形面領域を意味すると理解すべきである。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、瞳面に割り当てられた照明モジュールの瞳は環状縁により画定され、縞は瞳の縁に対して横断方向に延びる。換言すれば、弧状縞は、特に瞳の縁に沿って延びない。このような縁に沿った曲線は、コモンパス干渉計に適している可能性があるが、本発明による測定装置で生成されたマルチフリンジ干渉パターンのコントラストに所望の効果を及ぼさない。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、瞳面に割り当てられた照明モジュールの瞳は環状縁により画定され、少なくとも1つの弧状縞は、面積の差が20倍未満である2つの部分に瞳を細分する少なくとも1つの接線が弧状縞に対してあるように構成される。換言すれば、少なくとも1つの接線により瞳を分割することにより生じる面積は、1:20の比又はよりバランスのよい比を有し、すなわち1:1〜1:20の比を有する。さらに他の実施形態によれば、瞳の2つの部分の面積の差は、10倍未満又は5倍未満である。例として、瞳の環状縁に沿って延びる弧状縞は、上記条件を満たさない。
【0020】
一変形実施形態によれば、弧状縞全体の20%以上、特に50%以上、又は70%以上を占める弧状縞の少なくとも一部分に対する各接線は、いずれの場合も面積の差が20倍未満、特に10倍未満又は5倍未満の2つの部分に瞳を細分する。例として、瞳の縁に沿って延びる縞はこの要件を満たさない。
【0021】
本明細書では、経路長は光路長を意味すると常に理解すべきである。光学素子内の光路長は、幾何学的経路長と屈折率との積である。
【0022】
さらに別の実施形態によれば、検出面の視野点に関する瞳面の瞳点の経路長差が、試験対象物経路長と参照経路長との間の差により規定され、試験対象物経路長は、瞳点から検出面の視野点まで試験波の放射線が通る経路長であり、参照経路長は、瞳点から検出面の視野点まで参照波の放射線が通る経路長である。ここで、縞、特に瞳面での照明波の強度分布の連続面領域は、視野点の経路長差の等高線に沿って延びる。経路長差の等高線は、同じ経路長差を有する点からなる線である。特に、瞳面での照明波の角度分解強度分布は、弧状縞が複数の視野点に関する、特にマルチフリンジ干渉パターンが生成される検出面の領域における複数の視野点に関する経路長差の等高線に沿って延びるように構成される。
【0023】
一変形実施形態によれば、上記タイプの複数の縞が、視野点の経路長差の等高線に沿って瞳面に延び、等高線は、照明波の波長の整数倍の差がある。
【0024】
さらに別の実施形態によれば、瞳面での強度分布は、上記タイプの複数の縞、特に例えば上記実施形態の1つの弧状縞等の複数の縞を含む。一変形実施形態によれば、強度分布は、3つ、4つ、5つ、又はそれよりも多くの縞、特に連続面領域を含む。縞のそれぞれが、種々の実施形態に関して上記した特性を有し得る。
【0025】
さらに別の実施形態によれば、干渉計は、光学面との相互作用後の試験波及びと参照波とを重畳ビーム経路で合成するよう構成され、その際に参照波は、β>100×λ/Dが成り立つ傾斜角βだけ試験波に対して傾斜し、式中、λは照明波の波長であり、Dは、試験波との重畳ビーム経路への合成場所における参照波のビーム径である。一実施形態によれば、Dは、照明波が試験波及び参照波に分割される場所における照明波のビーム径にも対応する。特に、傾斜角は、200×λ/Dを超えるか又は500×λ/Dを超えることができる。分割場所における照明波のビーム径は、照明波の波面を試験対象物の光学面の目標形状に適合させるために照明波のビーム経路に配置された適合光学ユニットの直径に対応し得る。この適応光学ユニットは、照明波と試験対象物の表面との相互作用の上流に配置されたコリメータとして具現することができる。
【0026】
さらに別の実施形態によれば、干渉計は、照明波を試験波及び参照波に分割する分割素子を含み、上記干渉計はさらに、光学面との相互作用後の試験波と参照波とを、参照波を傾斜角βだけ試験波に対して傾斜させて重畳ビーム経路に合成するよう構成される。さらに、照明モジュールは、少なくとも1方向の瞳面での強度分布が、
【数1】
が成り立つ長さL
Belを有するように構成され、式中、λは照明波の波長であり、fは、照明モジュールの瞳面と照明波の波面を試験対象物の光学面の目標形態に適合させるための干渉計の適合光学ユニットとの間の距離であり、lは、分割素子と試験対象物の光学面との間の距離である。一変形実施形態によれば、少なくとも1方向の瞳面の強度分布は、1mmを超える、特に2mmを超える、又は5mmを超える長さL
Belを有する。適合光学ユニットは、照明波と試験対象物の表面との相互作用の上流に配置されたコリメータとして具現することができる。
【0027】
さらに別の実施形態によれば、瞳面での強度分布は、マルチフリンジ干渉パターンが少なくとも1つの領域で50%以上のコントラストを有するように構成される。特に、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも1つの領域で60%以上、70%以上、又は80%以上のコントラストを有する。上記コントラストを有するマルチフリンジ干渉パターンの領域は、干渉パターンの中心にあることが好ましい。好ましくは、マルチフリンジ干渉パターンの全領域が上記コントラストを有し、この領域は、マルチフリンジ干渉パターン全体の面積の例えば10%以上、20%以上、又は50%以上を占め得る。本明細書では、マルチフリンジ干渉パターンのコントラストKは、K=I
K−I
D/I
K+I
Dとして定義され、式中、I
Kは強め合う干渉を有する縞の強度を示し、I
Dは隣接する弱め合う干渉を有する縞の強度を示す。
【0028】
さらに別の実施形態によれば、強度分布は、瞳面に割り当てられた照明モジュールの瞳の70%未満、特に50%未満、又は30%未満且つ特に10%以上又は20%以上が照明されるように構成される。瞳の照明パーセンテージは、瞳の指定部分のみが相当な(appreciable)強度で照射されることを意味すると理解すべきであり、相当な強度は、瞳の最大強度の10%未満、特に5%未満の強度を意味すると理解され得る。
【0029】
さらに別の実施形態によれば、照明モジュールは、瞳面での強度分布をもたらす空間光変調器を含む。SLMとも称するこのような空間光変調器は、例えばビーマ(beamers)の原理の点で既知であり、電子的に作動可能である。例えば機械的絞りの使用と比べると、このような空間光変調器は、高い発光効率(light yield)を促し、これはほぼ100%であり得る。作動可能な空間光変調器の使用は、瞳面での強度分布の可変調整を容易にする。
【0030】
一実施形態によれば、照明モジュールは、瞳面に配置され且つインコヒーレンスをもたらす目的で動作中に回転する拡散スクリーンをさらに含む。
【0031】
さらに、本発明によれば、干渉法により試験対象物の光学面の形状を求める方法であって、照明波を照明モジュールにより生成し、照明波を干渉計により光学面へ指向される試験波と参照波とに分割し、試験波及び参照波は、上記試験波及び参照波の重畳により干渉計の検出面でマルチフリンジ干渉パターンが生じるように相互に対して傾斜させる方法において、照明波は、検出面のフーリエ面に配置された瞳面でのその強度分布が1つ又は複数の空間的に分離された連続面領域を含むように生成され、面領域は、1つの面領域又は複数の面領域全体にフィットする最小限の面積の矩形が少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するように構成される方法が提供される。
【0032】
本発明による測定装置の上記実施形態、例示的な実施形態、及び変形実施形態等に関して明記した特徴は、本発明による方法に適宜適用され得る。本発明による実施形態のこれら及び他の特徴は、図の説明及び特許請求の範囲で説明される。個々の特徴は、本発明の実施形態として別個に又は組み合わせて実施することができる。さらに、個々の特徴は、独立して保護可能な有利な実施形態を説明するものであり、適切な場合は本願の係属中又は決定後にのみその保護が求められる。
【0033】
本発明の上記及びさらに他の有利な特徴を、添付の概略図を参照して以下の本発明による例示的な実施形態の詳細な説明に示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に記載する例示的な実施形態又は実施形態又は変形実施形態において、相互に機能的又は構造的に類似した要素にはできる限り同一又は同様の参照符号を付す。したがって、特定の例示的な実施形態の個々の要素の特徴を理解するためには、他の例示的な実施形態の説明又は本発明の概要を参照されたい。
【0036】
説明を容易にするために、直交xyz座標系が図示されており、当該座標系から図示のコンポーネントの各位置関係が明らかである。
図1において、x方向は図の平面に対して垂直に延び、z方向は右側、y方向は上方である。
【0037】
図1は、本発明による一実施形態の干渉測定装置10を明示している。測定装置10は、試験対象物の光学面12の目標形状からの実際の形状のずれを求めるのに適しており、そこから光学面12の実際の形状が得られる。例として、試験対象物14は、光学レンズ又はミラー、特にマイクロリソグラフィ投影露光装置の投影レンズの形態であり得る。ミラーの場合、これは、EUV投影露光装置の光学素子を指し得る。試験対象物14は、図示されていないホルダにより組み立てられる。
【0038】
測定装置10は、照明モジュール16、干渉計18、及び評価デバイス20を備える。照明モジュール16は、例えばレーザの、例えばレーザビームを生成するヘリウムネオンレーザ等の形態の測定放射線24を生成する放射源22を含む。測定放射線24は、干渉測定を実行するのに十分にコヒーレントな光を有する。ヘリウムネオンレーザの場合、測定放射線24の波長は約633nmである。しかしながら、測定放射線の波長は、電磁放射線の可視及び不可視波長域の異なる波長を有することもできる。
【0039】
測定放射線24は、照明モジュール16の瞳面28に配置された機械的照明絞り30に対して、発散した実質的に球面状の照明波34が照明絞り30から出るように集束光学ユニット26により集束される。原理上、照明絞り30は、原理上は測定放射線24を通過させるように設けられた開口領域を有し、当該開口領域は、照明モジュール16の瞳31を規定し、図示の場合には円形である。さらに、測定動作中に回転軸33に関して回転される拡散スクリーン32が、瞳面の領域に、すなわち照明絞り30の平面の極近傍に配置される。これは、瞳31の種々の点間の交番位相をランダム化する役割を果たす。
【0040】
干渉計18は、フィゾー干渉計として設計され、ビームスプリッタ40と、集束光学ユニット又はコリメータの形態の適合光学ユニット42と、分割素子46と、カメラの形態の検出モジュール54とを含む。
【0041】
照明波34の発散ビームは、最初にビームスプリッタ40を通過し、続いて適合光学ユニット42により、波面が試験対象の光学面12の目標形状に適合した形状を得る、すなわち目標形状に実質的に対応又は近似するようにコリメートされる。したがって、照明波34の波面は、例えば、適合光学ユニット42の通過後に平面又は球面形状を有し得る。適合光学ユニット42は、例えば照明波の波面に非球面形状を与えるために回折光学素子を含むこともできる。照明波34は、干渉計18の光軸44に沿って伝播し、当該光軸は
図1のz軸に延びる。
【0042】
続いて、照明波34は、フィゾー面48を有するフィゾー素子の形態の分割素子46に入射する。照明波34の放射線の一部は、参照波52としてフィゾー面48で反射される。
図1では、参照波52は参照波の例示的なビームに基づいて示されている。分割素子46を通過した照明波19の放射線は、試験波50として試験対象物14の光学面12に入射する。好ましくは、これはオートコリメーションの範囲内で実施されるので、試験波50は、光学面12との相互作用後に実質的に逆戻りする。試験対象物14がミラーとして具現される
図1に示す場合では、光学面12との相互作用は、光学面12での反射により実施され得る。レンズ素子としての試験対象物の実施形態の場合、相互作用は、試験対象物の2回通過及び付加的な反射素子での後方反射により実施され得る。
【0043】
分割素子46は、傾斜配置を有する。傾斜は、フィゾー面48が光軸44に関する法平面44Nに対して傾斜角β/2だけ傾斜するようなものである。本実施形態では、傾斜角β/2で示す傾斜は、x軸及びy軸の両方に対して45°の角度で配置された傾斜軸に関する傾斜を指す。すなわち
図1に示す傾斜角β/2は、図中に見えるx成分に加えて等しい大きさのy成分も有する。ここで、角度のx成分及びy成分は、x軸及びy軸それぞれに関する角度回転を指す角度成分を意味すると理解される。光学面12との相互作用後の戻り試験波50は、途中で方向を変えずに分割素子46を通過し、その結果、参照波52と重畳ビーム経路で合成され、その際に参照波52はフィゾー面48の上記傾斜により戻り試験波50に対して傾斜角βだけ傾いている。一実施形態によれば、以下が傾斜角βに当てはまる。
β>100×λ/D
式中、λは照明波34の波長であり、Dは、試験波50との重畳ビーム経路への合成場所における、すなわち分割素子46の場所における参照波52のビーム径である。
図1に示す実施形態では、Dは適合光学ユニット42の直径に対応する。数値例によれば、λ=633nm、D=200mm、したがってβ>0.32mradである。
【0044】
傾斜した参照波52と共に、光学面12との相互作用後に戻る試験波50は、ビームスプリッタ40により検出モジュール54へ向けられる。検出モジュール54は、検出モジュール54の瞳面に配置された結像絞り56と、カメラレンズ58と、2次元分解検出器60とを含む。戻り試験波50は、検出面62に配置された検出器60の捕捉面(capturing surface)で参照波52と相互作用する。分割素子46の斜め位置に起因した戻り試験波50に対する参照波52の傾斜角βの傾斜により、検出器60の捕捉面で生じる強度分布I
D(x,y)は、マルチフリンジ干渉パターン66である。
【0045】
本明細書では、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも1つの全周期の強め合う干渉及び弱め合う干渉の交互縞を含む干渉パターンを意味すると概して理解すべきである。全周期は、干渉し合う波間の位相差がマルチフリンジ干渉パターンに沿って0〜2πの全値をとることを意味すると理解すべきである。換言すれば、縞が明るい縞(強め合う干渉)又は暗い縞(弱め合う干渉)であり得る場合、マルチフリンジ干渉パターンは、少なくとも2つの縞を有する干渉パターンを意味すると理解すべきである。
図1に示すマルチフリンジ干渉パターン66には、30個を超える明るい縞及び暗い縞がそれぞれ含まれる。マルチフリンジ干渉パターン66に基づき、評価デバイス20は、事前に分かっている試験波34の波面からの試験対象物の光学面12の形状のずれ、したがって光学面12の実際の形状を確定する。
【0046】
照明モジュール16の瞳面28での強度分布I
P(u,v)は、照明絞り30の対応の設計により構成される。
図1に含まれるI
P(u,v)の例示的な表示から明らかなように、これは、所定の閾値を超える強度を有する弧状縞38−1の形態の空間的に分離された連続面領域38を有する。したがって、照明絞り30は、弧状縞38−1の領域で測定放射線24を通過させるだけである。これに対して、測定放射線は、最大開口を規定する瞳31の残りの区域で照明絞り30により遮断される。検出モジュールの結像絞り56の平面のように、照明モジュール16の瞳面28も検出面62のフーリエ面に配置される。
図1に含まれる結像絞り56の開口領域64内の強度分布I
D(u,v)の表示から分かるように、検出モジュール54の瞳面において、参照波52の強度プロファイルは戻り試験波50の強度プロファイルに対して斜め下方にシフトする。これは、戻り試験波50に対する参照波52の上述した傾斜角βの傾斜に起因している。
【0047】
弧状縞を有する強度分布I
P(u,v)の構成は、マルチフリンジ干渉パターン66で高コントラストをもたらすと同時に、干渉計18の光学面の欠陥に由来する乱れを抑制することを容易にし、これを以下でより詳細に説明する。
【0048】
図3、5、6、7、8、9、及び10は、
図1に明示した強度分布に代わり得る照明モジュール16の瞳面28での強度分布I
P(u,v)の本発明によるさらに他の特定の実施形態を示す。
図3に示す強度分布I
P(u,v)は、
図2に明示した経路長差分布ΔOP(u,v)の等高線に沿って延びる弧状縞38−1の形態の空間的に分離された連続面領域38を有する。ここで、弧状縞38−1は、両端がいずれも瞳31の環状縁31Rの対応部分まで延びる。
【0049】
図2に示す経路長差分布ΔOP(u,v)は、検出面62の所定の視野点62pに関する瞳31の経路長差の分布を示し、上記視野点は、試験対象物経路長と参照経路長との差により規定される。ここで、試験対象物経路長は、試験波50の放射線が瞳31の所与の点から検出面62の視野点62pまで通過する経路長であり、参照経路長は、参照波52の放射線が瞳31の上記点から検出面の視野点62pまで通過する経路長である。したがって、各経路長は、瞳面28から検出面62まで延び、瞳面28と分割素子46との間の領域の部分には、試験波50及び参照波52の放射線をそれぞれ供給する照明波34が通る。
図1に示す経路長差分布ΔOP(u,v)では、等高線67すなわち同じ経路長差を有する線が、整数λ値の経路長差に関してプロットされている。
【0050】
図3に示す瞳面28での照明波34の強度分布I
P(u,v)の弧状縞38−1は、
図2に示す経路長差分布ΔOP(u,v)の経路長差2λの等高線67に沿って延びる。ここで、弧状縞38−1は、縞38−1の接線が瞳31を面積の差が3倍未満である2つの部分に細分するように構成される。これらの状況を明示するために、縞38−1の外縁に接する接線t1〜t5それぞれを、
図3に例示的にプロットする。ここで、接線t1及びt5は縞38−1の各端に配置され、接線t3は縞38−1の中心に配置される。接線t2及びt4は、縞38−1の20%を占める縞38の中心部分38−1mの各端に配置される。
【0051】
図3にさらに示すように、接線t1は、面積A1を有する上側部分及び面積A2を有する下側部分に瞳31を分割し、比A1/A2は約1:2.7である。t5に関しても同じ比である。中心接線t3では、比は約1:1.2である。したがって、縞38に対するいずれの接線の比A1/A2も、約1:1.2〜1:2.7の範囲にある。すなわち、面積の差は1.2倍〜2.7倍である。この範囲は、中心部分38−1mではさらに制限される。さらに別の実施形態によれば、弧状縞38は、面積A1及びA2の差が20倍未満となる少なくとも1つの接線があることを特徴とする。さらに別の実施形態によれば、弧状縞38−1は、縞38−1の20%以上を占める部分、例えば中心部分38−1mに対する各接線に関して、面積A1及びA2の差が20倍未満であることを特徴とする。
【0052】
一実施形態によれば、少なくとも1方向の瞳面28での弧状縞38−1の長さL
Belに以下が当てはまる。
【数2】
式中、λは照明波34の波長であり、fは、瞳面28と適合光学ユニット42との間の距離であり、lは、分割素子46と試験対象物の光学面12との間の距離である。数値例によれば、λ=633nm、f=1020mm、l=1000mm、β=22mrad、したがってL
Bel>0.2973mmである。
【0053】
さらに、
図3は、弧状縞38−1にフィットする最小限の面積を有する矩形74を示す。換言すれば、矩形74は、弧状縞38−1を完全に含む面積に関して最小限の矩形である。すなわち、これは面積に関して縞38−1にできる限りフィットする矩形である。矩形74は、弧状縞38の上記長さL
Belに対応する長さを有し、且つ幅d
Belを有する。比L
Bel/d
Belにより規定される矩形74のアスペクト比は、図示の場合では約3:1であり、したがって1.5:1を超える。
【0054】
図4は、
図3に明示した瞳面28での強度分布I
P(u,v)に関するマルチフリンジインターフェログラム66の中心領域のx軸に沿った強度曲線を示す。この強度曲線のコントラストは、約67%である。したがって、このマルチフリンジインターフェログラム66は、試験対象物14の光学面12の形態の高精度評価、したがって高精度判定を容易にする信号対雑音比を有する。さらに、約12%という照明モジュール16の瞳31の照明は、例えば
図13に(c)で示すような瞳面28の点状照明の強度分布I
P(u,v)の場合よりも実質的に高い。比較例として示されるこの強度分布では、照明がわずか約1%でも、ほぼ同じ高さの約60%のコントラストが得られる。
【0055】
すでに上述したように、照明は、干渉計18の光学面の欠陥に由来する乱れをどの程度抑制できるかの尺度である。したがって、
図3に示す実施形態は、
図13に(c)で示す比較例に対して実質的に改善された欠陥抑制を促す。中心照明ディスクが拡大された場合に、欠陥抑制が改善され得る。
図3に示す本発明による実施形態のものとほぼ同じくらい良好な約8%の照明が、中心照明がディスク形実施形態を有するさらに別の比較例としての
図13の(b)で示す強度分布I
P(u,v)の実施形態で生じる。しかしながら、この場合のコントラストは、約11%の値まで低下し、したがって
図3に示す本発明による実施形態により得ることができる値よりもはるかに低くなる。
図13に(b)で示す強度分布からの中心照明ディスクをさらに大きくした場合、瞳全体の照明に関して
図13に(a)で示したさらに別の比較例のように、コントラストは例えば4%の値までさらに低下する。
【0056】
図5は、照明モジュール16の瞳面28での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。この強度分布は、
図2に明示した経路長差分布ΔOP(u,v)の等高線に沿って延びる複数の弧状縞38−1を有する。ここで、この実施形態では、弧状縞38−1が整数波長差を有する各等高線に割り当てられる。さらに他の変形実施形態によれば、
図5に示す弧状縞38−1は、それぞれが、
図3に基づいて説明した弧状縞38−1に関して上記した特徴を有し得る。瞳31の照明は、
図5に示す強度分布では約60%であり、その結果として、欠陥抑制がこの場合も
図3に示す実施形態に対して大幅に改善される。ここで、マルチフリンジインターフェログラム66の中心領域の強度曲線のコントラストは、約62%でわずかに低下しているだけである。
【0057】
図6は、照明モジュール16の瞳面28での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。これは、約20%の照明が生じるように弧状縞がより狭い実施形態を有するという点で、
図5に示す強度分布とは異なる。結果として、マルチフリンジインターフェログラム66の中心領域の強度プロファイルのコントラストは、大幅に、正確には約90%に増加し得る。
【0058】
図7は、照明モジュール16の瞳面での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。
図7に示す強度分布I
P(u,v)は、ジグザグ状縞38−2の形態の空間的に分離された連続面領域38を有する。ジグザグ状縞38−2は、2つの立ち上がり部分及び2つの立ち下がり部分を有する。さらに、
図7は、ジグザグ状縞38−2にフィットする最小限の面積を有する矩形74を示す。
図3に示す矩形74と同様に、矩形74は、長さL
Bel及び幅d
Belを有する。比L
Bel/d
Belにより規定された
図7に示す矩形74のアスペクト比は、図示の場合は約3:1であり、したがって1.5:1を超える。ジグザグ状縞38−2は、これに割り当てられた矩形74の長辺方向の対称軸が
図2に明示した経路長差分布ΔOP(u,v)の等高線の平均方向と実質的に平行に延びるように配置される。
【0059】
図8は、照明モジュール16の瞳面での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。
図8に示す強度分布I
P(u,v)は、直線縞38−3すなわち直線形状を有する縞の形態の空間的に分離された連続面領域38を有する。直線縞38−3にフィットする最小限の面積を有する矩形は、縞38−3自体に対応する。縞38−3又は矩形は、長さL
Bel及び幅d
Belを有する。比L
Bel/d
Belにより規定された
図8に示す直線縞38−3のアスペクト比は、図示の場合は約3.5:1であり、したがって1.5:1を超える。直線縞38−3は、その長辺が
図2に明示した経路長差分布ΔOP(u,v)の等高線の平均方向と実質的に平行に延びるように配置される。図示の実施形態では、直線縞38−3の長辺は、瞳縁31Rを横断する向きにある。ここで、図示の実施形態の直線縞38−3は、瞳31の直径の約30〜40%の長さ領域にわたって瞳31での中央に延びる。他の実施形態では、直線縞は、それよりも小さな又は大きな瞳31の領域にわたって、特に瞳31全体にわたって、すなわち瞳縁31Rの領域から瞳縁31Rの反対側の領域まで延びることもできる。
【0060】
図9は、照明モジュール16の瞳面での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。
図9に示す強度分布I
P(u,v)は、複数の空間的に分離された連続面領域38を有する。明示されている実施形態では、いずれも円形面領域38−4の形態のこのような面領域が6個ある。
【0061】
さらに、
図9は、面領域38−4全体にフィットする最小限の面積を有する矩形74を示す。換言すれば、矩形74は、面領域38−4全体を完全に含む面積に関して最小の矩形である。矩形74は、弧状縞38の上記長さL
Belに対応する長さを有し、且つ幅d
Belを有する。比L
Bel/d
Belにより規定された矩形74のアスペクト比は、図示の場合は約3:1であり、したがって1.5:1を超える。
【0062】
さらに、
図9は、面領域38−4全体に形態が適合した弧状縞76の形態の被覆面を示す。換言すれば、弧状縞76は、面領域を覆い且つ面領域38−4の配置の形状にフィットする面積に対応する。面領域38−4の配置の形状は、特に外挿又は抽出された配置形態であり得る。この場合、形態に適合した被覆面により規定される弧状縞76は、上述した
図3に示す弧状縞38−1に対応する。上記矩形74も、弧状縞76にフィットする最小限の面積を有する矩形であり、したがって
図3に示す矩形74に対応する。
【0063】
図10は、照明モジュール16の瞳面での本発明による強度分布I
P(u,v)のさらに別の実施形態を示す。
図10に示す強度分布I
P(u,v)は、複数の空間的に分離された連続面領域38を有する。明示されている実施形態では、いずれも円形面領域38−4の形態のこのような面領域が2個ある。結果として、明示されている強度分布I
P(u,v)はダイポール形状である。
【0064】
さらに、
図10は、面領域38−4全体に形態が適合した直線縞78の形態の被覆面を示す。換言すれば、直線縞78は、面領域を覆い且つ面領域38−4の配置の形状にフィットする面積に対応する。この場合、形態に適合した被覆面により規定される直線縞78は、上述した
図8に示す弧状縞38−3に対応する。さらに、縞78の周囲は、面領域38−4全体にフィットする最小限の面積を有する矩形を形成する。
図8に示す直線縞38−3のように、直線縞78は、比L
Bel/d
Belにより規定された図示の場合は約3.5:1であるアスペクト比を有する。
【0065】
図11及び
図12は、
図1に示す照明モジュールの代わりに用いることができる照明モジュール16のさらに他の実施形態を示す。
図11に示す実施形態では、機械的照明絞り30が、瞳面28に対して共役な平面36に配置される。平面36は、4f結像光学ユニット70により、やはり瞳面28に配置されている回転可能な拡散スクリーン32に結像される。
図12に示す実施形態では、瞳31での強度分布をもたらす目的で機械的絞りの代わりに空間光変調器68が用いられる。図示の実施形態では、空間光変調器68は、反射動作であり、このために、放射源22により測定放射線24で斜角で照射される。続いて、可変に反射された放射線は、2f結像光学ユニットを通過し、それにより光変調器68の表面が瞳面28に配置された回転可能な拡散スクリーン32に結像される。
【0066】
上記の例示的な実施形態の説明は、例として示すと理解されたい。それにより行われる開示は、第1に当業者が本発明及びそれに関連する利点を理解できるようにし、第2に当業者の理解では自明でもある記載の構造及び方法の変更及び修正を包含する。したがって、添付の特許請求の範囲の記載に従って本発明の範囲内に入る限りの全てのそのような変更及び修正、並びに等価物は、特許請求の範囲の保護の対象となることが意図される。