(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
大豆たんぱく質の上記の問題は、特に、流動食等の乳化組成物に用いようとする際に顕著となる。
そこで、本発明は、分散性及び乳化性を向上させた、食品組成物用の大豆たんぱく質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、鋭意研究した結果、本発明者らは、粉末状大豆たんぱく質のpHを調整し、加温・せん断の処理を行うことにより、分散性及び乳化性にすぐれた大豆たんぱく質が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法等を提供できる。
1.食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法であって、次の各工程:
(a)粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する工程;
(b)前記分散液のpHを8〜12に調整する工程;
(c)前記分散液を加温しながらせん断する工程;及び
(d)前記分散液を中和する工程
を含み、
前記工程(b)と前記工程(c)のいずれを先に行ってもよい、前記製造方法。
2.前記工程(c)の加温の温度が20〜100℃である、1に記載の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法。
3.前記工程(c)の後において、大豆たんぱく質の平均粒子径が500nm未満である、1又は2に記載の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法。
4.前記工程(c)において、せん断応力1.3N/m
2以上で5分以上せん断を行う、1〜3のいずれかに記載の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法。
5.前記粉末状大豆たんぱく質の10質量%水溶液のpHが6.8以上である、1〜4のいずれかに記載の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法。
6.食品組成物の製造方法であって、次の各工程:
(a)粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する工程;
(b)前記分散液のpHを8〜12に調整する工程;
(c)前記分散液を加温しながらせん断する工程;
(d)前記分散液を中和する工程;
(e)前記分散液に、脂質、糖質、及びミネラルを加え、均質化して、食品組成物を得る工程
を含み、
前記工程(b)と前記工程(c)のいずれを先に行ってもよい、前記製造方法。
7.前記食品組成物が、前記食品組成物の全質量に対して0.1質量%以上の量の大豆たんぱく質を含む、6に記載の食品組成物の製造方法。
8.前記工程(c)の加温の温度が20〜100℃である、6又は7に記載の食品組成物の製造方法。
9.前記工程(c)の後において、大豆たんぱく質の平均粒子径が500nm未満である、6〜8のいずれかに記載の食品組成物の製造方法。
10.前記工程(c)において、せん断応力1.3N/m
2以上で5分以上せん断を行う、6〜9のいずれかに記載の食品組成物の製造方法。
11.前記粉末状大豆たんぱく質の10質量%水溶液のpHが6.8以上である、6〜10のいずれかに記載の食品組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分散性及び乳化性を向上させた、食品組成物用の大豆たんぱく質を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法、及び食品組成物の製造方法について説明する。
本明細書中において、「食品組成物」は医薬用途ではないものとする。したがって、本明細書中において、「食品組成物」は、「医薬品」、「医薬品の流動食」等は含まない。
【0012】
[食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法]
本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法は、次の各工程:(a)粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する工程;(b)前記分散液のpHを10〜12に調整する工程;(c)前記分散液を加温しながらせん断する工程;及び(d)前記分散液を中和する工程を含むものである。本発明の製造法においては、前記工程(b)と前記工程(c)のいずれを先に行ってもよい。
【0013】
本発明の製造方法にしたがえば、分散性及び乳化性にすぐれた大豆たんぱく質を製造することができる。また、本発明の製造方法により製造される大豆たんぱく質は、食品組成物の材料として使用した場合に、乳化性にすぐれ、大豆たんぱく質の沈殿・凝集が少なく分散性にすぐれ、粘度が低く、耐熱性にすぐれた食品組成物を提供できる。
【0014】
工程(a):分散液調製工程
本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法では、工程(a)として、粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する(分散液調製工程(a))。
原料として使用する粉末状大豆たんぱく質は、特に制限されず、一般的に入手可能なものを使用できる。市販されている商品としては、例えば、ソルピー4000H(日清オイリオ社製)、プロファム649(ADM社製)、プロファム974(ADM社製)、プロファム781(ADM社製)、プロファム825(ADM社製)、XT219D(solae社製)、710IP(solae社製)等が挙げられる。
【0015】
水は、食品用途に使用可能であることを条件として特に制限はなく、水道水、蒸留水、イオン交換水等を使用できる。
【0016】
粉末状大豆たんぱく質を水に分散させる手段は、特に制限されず、当技術分野において既知の任意の方法を使用できる。
【0017】
分散液中の粉末状大豆たんぱく質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜7質量%である。
【0018】
粉末状大豆たんぱく質は、10質量%水溶液のpHが6.8以上であることが好ましい。
粉末状大豆たんぱく質は、5質量%水溶液の粘度が5mPa・s以上であることが好ましく、10mPa・s以上であることがより好ましい。5質量%水溶液の粘度が5mPa・s以上である場合に本発明の効果がより発揮され、本発明の製造方法により製造された大豆たんぱく質を用いて得られる食品組成物は、乳化性にすぐれ、沈殿・凝集が少なく分散性にすぐれ、粘度が低く、耐熱性にすぐれたものとすることができる。
【0019】
工程(b):pH調整工程
本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法では、工程(b)として、分散液のpHを8〜12、好ましくは10〜12に調整する(pH調製工程(b))。工程(b)は、前述の工程(a)の後に行うが、後述する工程(c)より先に行ってもよく、又は、後述する工程(c)の後に行ってもよい。仮に乳化安定性の良好な大豆たんぱく質があった場合に、分散液のpH調整条件を適宜変更でき、例えば、分散液のpHを8〜12、9〜12、8〜11、9〜11、8〜10、9〜10、8〜9に調整することができることは言うまでもない。
【0020】
pHの調整は、水酸化ナトリウム水溶液等の任意の塩基を用いて行うことができる。
【0021】
工程(c):加温せん断工程
本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法では、工程(c)として、分散液を加温しながらせん断する(加温せん断工程(c))。工程(c)は、前述の工程(a)の後に行うが、前述の工程(b)より先に行ってもよく、又は、前述の工程(b)の後に行ってもよい。
【0022】
本明細書中において、加温は、加熱することにより加熱前よりも高い温度にすることを意味する。加温の温度は、好ましくは20〜100℃であり、より好ましくは50〜85℃であり、さらにより好ましくは60〜70℃である。
【0023】
工程(c)の後において、大豆たんぱく質の平均粒子径が500nm未満であることが好ましく、400nm未満であることがより好ましい。大豆たんぱく質の平均粒子径を500nm未満とすることにより、分散性と乳化性をより向上させることができる。大豆たんぱく質の平均粒子径は、動的光散乱法式粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ、スペクトリス社製)を用いて測定される平均粒子径(z−average(d.nm))を採用する。
【0024】
工程(c)において、せん断は、既知の手段を用いて行うことができる。せん断の条件は、用いる手段に依存して、適宜決定することができる。例えば、せん断は、せん断応力1.3N/m
2以上で5分以上行うことが好ましい。加温下で、かつ、このような条件でせん断を行うことにより、大豆たんぱく質の平均粒子径を小さくすることができ(例えば、500nm未満)、分散性と乳化性を向上させることができる。
【0025】
前述の工程(b)と工程(c)は、工程(b)を先に行い、その後に工程(c)を行うことが好ましい。pHが高い状態で、加温しながらせん断を行うことで、本発明の効果をより発揮することができる。
【0026】
工程(d):中和工程
本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法では、工程(d)として、分散液を中和する(中和工程(d))。中和することにより、得られた大豆たんぱく質をそのまま使用して食品組成物を製造するために使用できる。
中和は、任意の酸を用いて行うことができる。
中和する際の温度は特に限定されないが、例えば、室温、20℃等である。
【0027】
[食品組成物の製造方法]
本発明の食品組成物の製造方法は、次の各工程:(a)粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する工程;(b)前記分散液のpHを10〜12に調整する工程;(c)前記分散液を加温しながらせん断する工程;(d)前記分散液を中和する工程;(e)前記分散液に、脂質、糖質、及びミネラルを加え、均質化して、食品組成物を得る工程を含むものである。本発明の製造法においては、前記工程(b)と前記工程(c)のいずれを先に行ってもよい。
本発明の製造方法にしたがえば、乳化性にすぐれ、大豆たんぱく質の沈殿・凝集が少なく分散性にすぐれ、粘度が低く、耐熱性にすぐれた食品組成物を製造することができる。
【0028】
本明細書中において、「食品組成物」とは、例えば、流動食、栄養食品、飲料等である。
【0029】
工程(a):分散液調製工程
本発明の食品組成物の製造方法では、工程(a)として、粉末状大豆たんぱく質を水に分散させた分散液を調製する(分散液調製工程(a))。工程(a)は、前述の本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法における工程(a)と同様に行うことができる。
【0030】
工程(b):pH調整工程
本発明の食品組成物の製造方法では、工程(b)として、分散液のpHを10〜12に調整する(pH調製工程(b))。工程(b)は、前述の工程(a)の後に行うが、後述する工程(c)より先に行ってもよく、又は、後述する工程(c)の後に行ってもよい。工程(b)は、前述の本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法における工程(b)と同様に行うことができる。
【0031】
工程(c):加温せん断工程
本発明の食品組成物の製造方法では、工程(c)として、分散液を加温しながらせん断する(加温せん断工程(c))。工程(c)は、前述の工程(a)の後に行うが、前述の工程(b)より先に行ってもよく、又は、前述の工程(b)の後に行ってもよい。工程(c)は、前述の本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法における工程(c)と同様に行うことができる。
【0032】
前述の工程(b)と工程(c)は、工程(b)を先に行い、その後に工程(c)を行うことが好ましい。pHが高い状態で、加温しながらせん断を行うことで、本発明の効果をより発揮することができる。
【0033】
工程(d):中和工程
本発明の食品組成物の製造方法では、工程(d)として、分散液を中和する(中和工程(d))。工程(d)は、前述の本発明の食品組成物用の大豆たんぱく質の製造方法における工程(d)と同様に行うことができる。
【0034】
工程(e):均質化工程
本発明の食品組成物の製造方法では、工程(e)として、分散液に、脂質、糖質、及びミネラルを加え、均質化して、食品組成物を得る(均質化工程(e))。
【0035】
脂質、糖質、及びミネラルは、それぞれ特に制限されず、食品用途に通常使用される材料を適宜使用できる。また、その他の食品材料、添加剤等を必要に応じて使用してもよい。
【0036】
均質化は、当技術分野において既知の任意の方法を使用して行うことができる。
【0037】
本発明の製造方法により製造される食品組成物は、食品組成物の全質量に対して0.1質量%以上の量の大豆たんぱく質を含むことが好ましい。
【実施例】
【0038】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0039】
実施例における各パラメータの測定手順は以下のとおりである。
[沈殿量及び沈殿率]
試料25mLを遠沈管に採取し、1,400Gで1時間遠心した後、得られた沈殿物を60℃の乾燥機にて水分が完全に蒸発するまで乾燥させ、測定した重量を沈殿量とした。また、測定した沈殿量を、試料25mLに添加されている粉末状大豆たんぱく質の総重量で除し、百分率で表した値を沈殿率とした。沈殿率は、試料となる食品などの設計条件によるものであるが、値が小さいほど好ましく、例えば、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。
【0040】
[pH]
pHメーター(F−52型(HORIBA社製))を用いて、試料のpHを測定した。
【0041】
[粘度]
20℃、せん断速度100s
−1における試料の粘度を、共軸二重円筒形回転粘度計(RheolabQC、Antrn Paar社製)によって測定した。
【0042】
[解乳化率]
試料10mLを遠沈管に採取し、95℃で20分間加熱した後、1,400Gで1時間遠心して分離した油層の体積を測定した。この分離した油層の体積を、乳化組成物10mLに添加されている油脂の総体積で除し、百分率で表した値を解乳化率とした。
【0043】
[脂肪球球径]
試料の20℃における平均粒子径について、動的光散乱法式粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ、スペクトリス社製)を用いて測定した。
【0044】
[耐熱性試験]
レトルト殺菌する前の試料を採取し、水酸化ナトリウムを用いてpHを6.8(未調整)、7.0、7.2に調整した。これらをガラス製バイアルに各3mLずつ入れ密栓し、約3cm幅で毎分約200回振とうしつつ130℃で加熱し続けた際、凝集物が目視にて確認できるようになった時間を測定した。
【0045】
実験例1
粉末状大豆たんぱく質(プロファム649:ADM社製)を水に分散させて5質量%の分散液を調整し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=7、8、9、10、11、12の各試料を調製した。それぞれの試料について、60℃になるよう加熱して、温度を維持したまま、ホモミキサー(本体:T25 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)、ジェネレーター:S25N−8G、ともにIKA社製)を用いて20,000rpmで5分間せん断し、クエン酸を用いて中和して、分散液の各pH毎の、沈殿率を比較した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
加温・せん断を行う際のpHを高くするほど、沈殿率は低くなり、大豆たんぱく質の凝集が少なく沈殿が少なくなる結果が得られた。特にpH10〜12では、大豆たんぱく質の沈殿は問題とならないほど沈殿率が低くなり、沈殿率の値はほぼ変わらない結果が得られた。
【0048】
実験例2
粉末状大豆たんぱく質(プロファム649:ADM社製)を水に分散させて5質量%の分散液を調製し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=7、10、12の各試料を調製した。それぞれの試料について、60℃になるよう加熱して、温度を維持したまま、ホモミキサー(本体:T25 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)、ジェネレーター:S25N−8G、ともにIKA社製)を用いて20,000rpmで5分間せん断し、クエン酸を用いて中和した。
【0049】
中和後のたんぱく質分散液について、全量が30mL、たんぱく質濃度が5質量%、0.25質量%となるように水で希釈してから、油脂20mLを加えて、撹拌しながら60℃まで加温し、温度を維持しながら、ホモミキサー(本体:T25 digital ULTRA−TURRAX(登録商標)、ジェネレーター:S25N−8G、ともにIKA社製)を用いて20,000rpmで3分間乳化させて、乳化食品組成物を得た。得られた乳化油脂組成物中のたんぱく質濃度は、それぞれ、3質量%、0.15質量%である。
【0050】
たんぱく質濃度が3質量%の乳化食品組成物について、粘度、沈殿率を測定し、たんぱく質濃度が0.15質量%の乳化食品組成物について、解乳化率を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
pH10、12で加温・せん断処理を行って得られた大豆たんぱく質を使用した場合、pH7で加温・せん断処理を行って得られた大豆たんぱく質を使用した場合と比較して、粘度、沈殿率、解乳化率ともに低い乳化食品組成物が得られた。
【0053】
実験例3
試料のpHを10に調整し、加温・せん断処理の温度とせん断条件を変更したことを除いては、実験例2と同様にして、乳化食品組成物を調製した。加温・せん断処理の温度は20℃(加温せず)、60℃(加温)、せん断条件は、回転数を0rpm(せん断せず)、10,000rpm、20,000rpmとした。得られた乳化油脂組成物中のたんぱく質濃度は、それぞれ、3質量%、0.15質量%である。
たんぱく質濃度が3質量%の乳化食品組成物について、粘度、沈殿率を測定し、たんぱく質濃度が0.15質量%の乳化食品組成物について、脂肪球球径を測定した。結果を
図1〜3に示す。
【0054】
温度が高いほど、また、せん断速度が高いほど、沈殿率、粘度が低く、脂肪球球径が小さい(乳化性が高い)結果が得られた。
【0055】
実験例6
たんぱく質配合比として、粉末状大豆たんぱく質を100%使用し、表3に示す配合で流動食A〜Cを調製した。具体的な調製手順を以下に説明する。
【0056】
(流動食A)
水に粉末状大豆たんぱく質を分散させた後、ナトリウム及びカリウムとして炭酸ナトリウムと炭酸カリウムを加えてpHを約10に調整後、60℃に加熱し、ホモミキサー(本体:ROBOMICS(特殊機化工業社製)、ジェネレーター:ホモミクサーマークII)を用いて12,000rpmで10分間高速せん断を行い、次いでクエン酸にて中和した。
これに炭水化物、カルシウム、マグネシウムを添加して、混合し、次いで、脂質を予備分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて35MPaで均質化を行い、pHを約6.8に調整した後、100重量部になるように補水した。次いで、250mL缶に充填して密封し、121℃で20分間レトルト殺菌を行い、流動食Aを得た。
【0057】
(流動食B)
pHを約12に調整して加温・せん断の処理を行ったことを除いては、栄養剤Aと同様の手順にしたがい、表3に示す配合で流動食Bを調製した。
【0058】
(流動食C)
水に粉末状大豆たんぱく質を分散させた後、炭水化物、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを添加して、混合し、次いで、脂質を予備分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて35MPaで均質化を行い、pHを約6.8に調整した後、100重量部になるように補水した。次いで、250mL缶に充填して密封し、121℃で20分間レトルト殺菌を行い、流動食Cを得た。
【0059】
【表3】
【0060】
得られた流動食A〜Cについて、粘度、沈殿量、脂肪球球径、耐熱性を評価した。結果を
図2〜5に示す。流動食C(未処理)と、流動食A、Bを比較すると、粘度、沈殿量がともに低下し、脂肪球球径も小さくなっていることが確認された。また、耐熱性も向上していることが確認された。