特許第6771853号(P6771853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小林製薬株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771853
(24)【登録日】2020年10月2日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ビタミンB6含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4415 20060101AFI20201012BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20201012BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20201012BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 8/97 20170101ALI20201012BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/534 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/605 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/61 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/73 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/78 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 36/886 20060101ALI20201012BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20201012BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20201012BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20201012BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   A61K31/4415
   A23L33/10
   A23L33/15
   A61K8/67
   A61K8/97
   A61K36/185
   A61K36/484
   A61K36/534
   A61K36/605
   A61K36/61
   A61K36/73
   A61K36/78
   A61K36/886
   A61K47/46
   A61P3/02
   A61P17/14
   A61Q7/00
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-74604(P2014-74604)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-196655(P2015-196655A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年3月1日
【審判番号】不服2018-11113(P2018-11113/J1)
【審判請求日】2018年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 敬子
【合議体】
【審判長】 滝口 尚良
【審判官】 渕野 留香
【審判官】 穴吹 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−179219(JP,A)
【文献】 特開2000−344632(JP,A)
【文献】 特開平1−47708(JP,A)
【文献】 特表2003−532679(JP,A)
【文献】 特開2013−144650(JP,A)
【文献】 特開2003−252744(JP,A)
【文献】 特開2012−051837(JP,A)
【文献】 特開2007−119432(JP,A)
【文献】 特開平10−182335(JP,A)
【文献】 特開平11−292785(JP,A)
【文献】 特開2002−80382(JP,A)
【文献】 特開2006−124355(JP,A)
【文献】 特開平9−84564(JP,A)
【文献】 特開平11−199503(JP,A)
【文献】 特開平11−335232(JP,A)
【文献】 特開2013−224326(JP,A)
【文献】 特開2011−157299(JP,A)
【文献】 特開2008−94786(JP,A)
【文献】 特開平10−158183(JP,A)
【文献】 特開平5−184339(JP,A)
【文献】 特開2009−298712(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/075649/(WO,A1)
【文献】 特開2010−178736(JP,A)
【文献】 特表2009−525320(JP,A)
【文献】 特表2013−522262(JP,A)
【文献】 特開2008−63266(JP,A)
【文献】 特開2010−184916(JP,A)
【文献】 特開2006−241118(JP,A)
【文献】 特開平1−215266(JP,A)
【文献】 SHARMA,S.et al,EFFECT OF ELECTRICAL IMPEDANCE DUE TO INFLICTION ON ALOE BARBADENSIS MILLER (ALOE−VERA) LEAVES,International Journal of Computational Science and Information Technology,2013年,Vol.1,No.1,pp.35−43
【文献】 日本医薬品集フォーラム,日本医薬品集 医療薬 2009年版,日本,株式会社 じほう,2008年,pp.1983−1984,「ピリドキシン塩酸塩」の項
【文献】 指定添加物リスト, 2018, 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 URL=<https//www.ffcr.or.jp/shokuhin/upload/ListofDesignatedAdditives_jp_2018070.pdf>
【文献】 油化学,1989,Vol.38,No.10,p.876−885
【文献】 黒ばら本舗「美人の館 アロエ化粧水 400ml」URL=<https://www.amazon.co.jp/%E9%BB%92%E3%81%B0%E3%82%89%E6%9C%AC%E8%88%97−%E7%BE%8E%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%A4%A8−%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%A8%E5%8C%96%E7%B2%A7%E6%B0%B4−400mL/dp/B000FQN6XC>
【文献】 Kowa News 肌系便秘薬「ナチュラート コーワ」新発売, 2010,URL=<https://www.kowa.co.jp/news/2010/press101022.pdf>
【文献】 糖鎖(生ゼリータイプ)5グラム×48包 URL=<https://www.amazon.co.jp/%EF%BC%B4%EF%BC%AF%EF%BC%B3%EF%BC%A1−%E7%B3%96%E9%8E%96−%E7%94%9F%E3%82%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97−5%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%C3%9748%E5%8C%85/dp/B007U2TZRK/>
【文献】 メンターム アロバ 薬用スキンクリーム185G URL=<https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%A0−%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%90−%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0185G/dp/B000FQ4X84>
【文献】 エーザイ株式会社ニュースリリース,2008,「つらい疲れ」に医薬部外品ドリンク剤「チョコラBBRローヤル2」新発売 URL=<https://www.eisai.co.jp/news/news200825.html>
【文献】 食品成分データベース食品番号:06328 食品群名/食品名:野菜類/アロエ/葉、生 URL=<https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06328_7>
【文献】 「第十三改正 日本薬局方解説書 第一部医薬品各条」(1996年)、廣川書店、C−741−C−745「塩酸ピリドキシン」の項目
【文献】 谷村顕雄著者代表「第7版 食品添加物公定書解説書」(平成11年6月9日第1刷)、廣川書店、D1130−D1134「ピリドキシン塩酸塩」の項目
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-47/69
REGISTRY/CAPLUS/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩酸ピリドキシン、並びに植物エキスを含有する組成物であり、
前記塩酸ピリドキシンの含有量が、0.02〜0.5重量%であり、
前記植物エキスが、アロエ、アケビ、ドクダミ、アシタバ、ビワ、セイヨウハッカ、シラカバ、マグワ、カンゾウ、アセンヤク及びユーカリからなる群より選択される少なくとも1種の植物の葉及び/又は茎から抽出されたものであり、
当該組成物中の葉緑素の含有量が0.15ppm未満であることを特徴とする組成物
(但し、エビネ属、ガンセキラン属、その他の偽球茎を有するラン科植物に属する植物または搾汁からの多価アルコールまたは多価アルコール含有溶液抽出物を含むことを特徴とする皮膚外用剤、
ウヤク抽出物を含有することを特徴とする養毛・育毛剤、
コウホネ抽出液とビタミンB6塩酸塩、L−アスコルビン酸及びその誘導体、アスパラギン、グルタミン、アイリス抽出液、ニンジン抽出液、オドリコ草抽出液のうち一種又は二種以上組合わせて配合したことを特徴とする化粧料、
及び、リボース及びフォレートを有する栄養調合物であって、それらの含有量が全ヌクレオチド代謝を支援するのに有効な量である栄養調合物、を除く)。
【請求項2】
前記植物エキスが塩酸ピリドキシンを含有するものであり、前記塩酸ピリドキシンが当該植物エキスに内在するものであるか、又は当該植物エキスに内在するものと外来性の塩酸ピリドキシンとの混合物であり、
前記植物エキスがアロエから水、エタノール、1、3−ブチレングリコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の抽出溶媒を用いて抽出されたものである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記植物エキスが塩酸ピリドキシンを含有しないものであり、上記塩酸ピリドキシンが組成物に外添されたものである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記葉緑素がクロロフィルa及びクロロフィルbからなる群より選択される少なくとも1種のクロロフィルである、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
育毛剤、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤又はコンタクトレンズ用剤である、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに植物エキスを含む組成物における上記化合物の光安定化方法であって、
前記植物エキスが、葉及び/又は茎から抽出されたものであり、
当該組成物中の葉緑素の含有量を0.15ppm未満にする
ことを特徴とする光安定化方法
(但し、前記組成物から、エビネ属、ガンセキラン属、その他の偽球茎を有するラン科植物に属する植物または搾汁からの多価アルコールまたは多価アルコール含有溶液抽出物を含むことを特徴とする皮膚外用剤、
ウヤク抽出物を含有することを特徴とする養毛・育毛剤、
コウホネ抽出液とビタミンB6塩酸塩、L−アスコルビン酸及びその誘導体、アスパラギン、グルタミン、アイリス抽出液、ニンジン抽出液、オドリコ草抽出液のうち一種又は二種以上組合わせて配合したことを特徴とする化粧料、
及び、リボース及びフォレートを有する栄養調合物であって、それらの含有量が全ヌクレオチド代謝を支援するのに有効な量である栄養調合物、を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物(以下、これを総称して「ビタミンB6化合物」という)、並びに植物エキスを含む組成物に関する。また本発明はビタミンB6化合物及び植物エキスを含む組成物におけるビタミンB6化合物の光安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンB6として、ピリドキシン、ピリドキサール及びピリドキサミンがある。ビタミンB6は、生体内でアミノ酸脱炭酸酵素及びアミノ基転移酵素の補酵素として、タンパク質の代謝に関わる成分であり、肉体疲労、眼精疲労、妊娠時の栄養補給のために、広く医薬品、育毛剤、健康食品等に用いられている。
【0003】
ビタミンB6は、光に晒されると経時的に分解することから、遮光保存する必要がある。このため、従来、ビタミンB6を安定化させた組成物が種々検討されてきた。例えば、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン及び特定の抗酸化剤を配合した点眼剤(特許文献1)、塩酸ピリドキシン及び塩化ベルベリンを配合した点眼剤(特許文献2)、ビタミンB6、オキシメタゾリン又はその塩、及びホウ酸緩衝剤を配合した点眼剤(特許文献3)が知られている。
【0004】
一方で、光に対して不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保持するためには、製剤を収容する包装材料に遮光材料(褐色容器、アルミニウム容器等)を用いたり、容器に紫外線吸収剤を練り込む又は塗装したりする遮光手段が採用されたり、流通過程においては製剤を充填した容器を紙箱に納める等の遮光手段が採用されたりしている。
【0005】
しかし、容器や包装材料を使用できない製造工程による製品では、光により有効成分が分解し易くなる。また、例えば育毛剤は、毎日継続的に1〜数ヶ月と長期に渡って使用するという製品特性から、使用者の利便性を考慮して、使用量や残量が確認出来る透明又は半透明の容器が採用されている。このため、これらの製品に対しては、暗所で保管したり、紙箱で保管したりして、有効成分の光安定性の維持に努めている。また、紫外線吸収剤を塗布した容器に関しては、容器の透明性をある程度維持出来る反面、完全に遮光出来るわけではなく、有効成分の光安定性が不十分であったり、容器の製造費用が高くなったりする等の問題点があった。また、このような包装材料による遮光手段は製造工程での光安定性を担保できない問題点もあった。また、製品の開封後、使用者が遮光性の紙箱を使用しないこともあり得るため、従来の遮光方法は、必ずしも効果的な方法とはいえなかった。更に、製品によっては、遮光下でのみ製剤を使用することは現実的ではなく、製剤を容器から取り出して頭皮、皮膚、粘膜等の適用部位に使用する。そのため、有効成分が光に晒され、適用部位で有効成分が分解され易くなるという問題点があった。
【0006】
従って、各種製剤及び製品において、ビタミンB6の優れた作用を充分に活用するために、ビタミンB6の配合量及び適用対象は制限されないで、ビタミンB6の光に対する安定性を向上させることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8-104636号公報
【特許文献2】特開2001-48780号公報
【特許文献3】特開2006-151969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ビタミンB6化合物の光に対する安定性が向上されたビタミンB6化合物含有組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、ビタミンB6化合物及び植物エキスを含む組成物におけるビタミンB6化合物の光安定化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために種々の検討を重ねていたところ、植物エキス中に含まれる葉緑素がビタミンB6の光安定性を低下させることを発見した。従来、葉緑素は、植物、藍藻、藻類等における光合成に関与する物質として知られているが、葉緑素が共配合されることで、ビタミンB6等の他成分の光安定性に影響を与えることは知られていなかった。
【0011】
本発明は、これらの知見に基づいて鋭意検討をし、ビタミンB6化合物の光安定性に影響を与える葉緑素の濃度が0.15ppm以上であることを見出して完成されたものであり、下記の実施態様を包含する。
【0012】
項1. ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに植物エキスを含有する組成物であり、当該組成物中の葉緑素の含有量が0.15ppm未満であることを特徴とする組成物。
【0013】
項2. 前記植物エキスがビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有するものであり、前記化合物が当該植物エキスに内在するものであるか、又は当該植物エキスに内在するものと外来性のビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物との混合物である、前記項1記載の組成物。
【0014】
項3. 前記植物エキスがビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有しないものであり、上記ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物が組成物に外添されたものである前記項1記載の組成物。
【0015】
項4. 前記葉緑素がクロロフィルa及びクロロフィルbからなる群より選択される少なくとも1種のクロロフィルである、前記項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【0016】
項5. 前記ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物が塩酸ピリドキシンである、前記項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【0017】
項6. 前記植物エキスが、緑色植物の植物体から抽出されたエキスである、前記項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【0018】
項7. 育毛剤、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤又はコンタクトレンズ用剤である、前記項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【0019】
項8. ビタミンB6及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに植物エキスを含む組成物における上記化合物の光安定化方法であって、
当該組成物中の葉緑素の含有量を0.15ppm未満にする
ことを特徴とする光安定化方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のビタミンB6化合物を含む組成物は、ビタミンB6化合物の光に対する安定性が向上している。
【0021】
また、本発明の方法を用いると、ビタミンB6化合物及び植物エキスを含む組成物において、ビタミンB6化合物の光に対する安定性を向上させることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の組成物は、ビタミンB6化合物及び植物エキスを含み、当該組成物中の葉緑素の含有量が0.15ppm未満であることを特徴とする。
【0023】
(1)組成物
(1-1)ビタミンB6化合物
ビタミンB6化合物とはビタミンB6又はその塩を意味する。ここでビタミンB6としては、例えば、ピリドキシン、ピリドキサール、及びピリドキサミンを挙げることができる。またこれらの塩としては、特に制限されないものの、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等が挙げられる。ビタミンB6化合物として好ましくは眼精疲労改善効果に優れるという点から、塩酸ピリドキシンである。これらのビタミンB6化合物は、1種単独で使用しても、また二種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0024】
このビタミンB6化合物は、その由来を特に制限するものではない。例えば、合成由来のものであっても、また植物等の天然物に由来するものであってもよい。なお、ビタミンB6化合物は商業的に入手可能である。
【0025】
本発明の組成物中に含まれるビタミンB6化合物は、同時に組成物に配合される植物エキスに含まれている内在性のビタミンB6化合物であってもよいし、また植物エキスとは別に本発明の組成物に外添されたものであってもよいし(外来性ビタミンB6化合物)、さらにこれらの両方であってもよい(内在性+外来性ビタミンB6化合物)。
【0026】
本発明の組成物中のビタミンB6化合物の割合は、ビタミンB6化合物の作用効果が得られる割合であれば特に制限はない。ここでビタミンB6化合物の作用効果としては、タンパク質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助け、脂漏性皮膚炎や湿疹、ニキビ、肌荒れ等皮膚疾患の改善、皮膚細胞賦活作用、フケやかゆみの改善、紫外線による紅斑の改善、抗アレルギー作用、肉体疲労改善、眼精疲労改善等の作用を挙げることができる。このため、その配合量は、本発明の組成物の用途(例えば、育毛剤及び化粧料等の皮膚用製剤、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤又はコンタクトレンズ用剤)に応じて、適宜調製される。ビタミンB6化合物の一般的な割合としては、通常0.0001〜1重量%程度、好ましくは0.02〜0.5重量%程度、特に好ましくは0.05〜0.2重量%程度を挙げることができるが、
育毛剤の場合は、通常0.02〜0.5重量%程度、好ましくは0.05〜0.2重量%程度;化粧料の場合は、通常0.0001〜5重量%程度、好ましくは0.05〜0.2重量%程度;点眼薬又は点鼻薬の場合は、通常0.005〜0.2重量%程度、好ましくは0.01〜0.1重量%程度;洗眼剤又は洗鼻薬の場合は、通常0.0005〜0.02重量%程度、好ましくは0.001〜0.01重量%程度;コンタクトレンズ用剤の場合は、通常0.0005〜1重量%程度、好ましくは0.001〜0.01重量%程度を例示することができる。
【0027】
(1-2)葉緑素
本発明の組成物は葉緑素の含有量が0.15ppm未満であることを特徴とする。
【0028】
葉緑素はクロロフィルとも言われ、植物に含まれるポルフィリン系色素で、光合成に関わる化学物質である。
【0029】
植物に含まれるクロロフィルとしては、主にクロロフィルa及びbがある。
【0030】
従って、組成物中に含まれる葉緑素の量は、クロロフィルを複数種含む場合はその総量を意味し、いずれか一方しか含まない場合は当該配合されているクロロフィルの量を意味する。
【0031】
組成物における葉緑素の含有量は、好ましくは0.1ppm程度未満、特に好ましくは0.05ppm程度未満である。また、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で葉緑素が含まれていてもよく、葉緑素が0.001ppm程度含まれていていてもよい。
【0032】
(1-3)植物エキス及びその調製方法
本発明が対象とする植物エキスには、ビタミンB6化合物を含まないもの(ビタミンB6化合物非含有植物エキス)、及びビタミンB6化合物を含むもの(ビタミンB6化合物含有植物エキス)の両方が含まれる。
【0033】
尚、本発明が対象とする植物エキスとは、後述の通り、植物体を抽出溶媒(水、エタノール等)に浸出させた後に、液体を濃縮して得られるもの(軟エキス又は乾燥エキス)であって、植物体から抽出した化学物質(単離物)そのものを指すわけではない。
【0034】
本発明の効果が、顕著に発揮されるという観点から、植物エキスとしては、緑色植物の植物体から抽出される植物エキスであることが好ましい。緑色植物は、つまり光合成に関わる葉緑素(クロロフィルa及び/又はb)を持つことにより、典型的な緑色となる栄養体を持つことを特徴とする系統群である。
【0035】
植物として、具体的にはアロエ、アシタバ、アセンヤク、アマチャ、アマチャヅル、アルテア、イチョウ、イラクサ、イレール、エチナシ、オオバナサルスベリ、オドリコソウ、オランダカラシ、オリーブ、カキ、カルナウバヤシ、キリ、クマザサ、クリサンテルムインディクム、クレマティス、クワ、マグワ、ウンシュウミカン、ダイダイ、ヤクモソウ、ショウガ、ボタン、センブリ、タイソウ、ダイダイ、ユズ、ドクダミ、ハッカ、ヒキオコシ、カンゾウ、ステビア、クララ、ゲットウ、コウキ、コウチャ、ホップ、コウスイハッカ、セイヨウヤドリギ、セイヨウオトギリ、サルビア、フキタンポポ、スギナ、マンネン、セイヨウノコギリソウ、ミツガシワ、シラカバ、アルニカ、カミツレ、タチジャコウソウ、ゼニアオイ、コムギ、クジン、オウゴン、シコン、コウカ、チョウジ、サトウキビ、ヒレハリソウ、サボンソウ、シソ、シナノキ、スイカズラ、セイヨウキズタ、セイヨウサンザシ、セイヨウハッカ、セージ、チャ、ツボクサ、テンチャ、パセリ、ハダカムギ、ハマメリス、パリエタリア、バンジロウ、ヘチマ、ビワ、ブドウ、ブナ、フノリ、マヨラナ、マロニエ、ムラヤコエンジー、メリッサ、メリロート、モモ、モヤシ、ユーカリ、ニンジン、オタネニンジン、キズタ、テウチグルミ、ボダイジュ、ローズマリー、ヨモギ、ラフマ、レタス、ウイキョウ、パパイヤ、ゲンノショウコ、ガイヨウ、キャンデリラ、ケイケットウ、セロリ、ニンニク、アケビ、ミツバアケビ等を好適に挙げることができる。これらの植物は、いずれも緑色植物である。
【0036】
前記植物体の中でも、アロエ、アマチャ、キリ、クワ、マグワ、タイソウ、及びドクダミからなる群より選択される少なくとも1種の植物から抽出された植物エキスが好ましい。
【0037】
植物エキスの中でも、ビタミンB6化合物を含む植物エキスとしては、アシタバ、ヒレハリソウ、パセリ、レタス、セロリ及びニンニクからなる群より選択される少なくとも1種の植物の葉又は茎から抽出された植物エキスが好ましい。
【0038】
本発明の組成物の調製に際して、ビタミンB6化合物を含まない植物エキスを用いる場合、当該植物エキスは前述するビタミンB6化合物と組み合わせて使用される。つまりこの場合、本発明の組成物はビタミンB6化合物非含有の植物エキスと外来性のビタミンB6化合物を含む。一方、本発明の組成物の調製に際して、ビタミンB6化合物を含む植物エキスを用いる場合、当該ビタミンB6化合物含有の植物エキスは前述するビタミンB6化合物を外添することなくそのまま使用してもよいし、またビタミンB6化合物と組み合わせて使用してもよい。つまりこの場合、本発明の組成物はビタミンB6化合物含有の植物エキスを含むか(内在性のビタミンB6化合物を含み、外来性のビタミンB6化合物を含まない)、又はビタミンB6化合物含有植物エキスと外来性のビタミンB6化合物を含む。
【0039】
本発明の組成物に配合する植物エキスの割合は、植物エキスの作用効果が得られる割合であれば特に制限はない。ここで植物エキスの作用効果としては、植物の種類によって異なるものの、保湿効果を挙げることができる。このため、その配合量は、本発明の組成物の用途(例えば、育毛剤及び化粧料等の皮膚用製剤、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤又はコンタクトレンズ用剤)に応じて、適宜調製される。
【0040】
植物エキスの一般的な割合としては、例えば、乾燥物重量換算で通常0.00001〜5重量%程度、好ましくは0.0001〜1重量%程度、特に好ましくは0.005〜0.1重量%程度を挙げることができるが、育毛剤の場合は、通常0.00001〜5重量%程度、好ましくは0.0001〜1重量%程度;点眼剤又は点鼻剤の場合は、通常0.00001〜1重量%程度、好ましくは0.0001〜0.1重量%程度;洗眼剤又は洗鼻剤の場合は、通常0.00001〜1重量%程度、好ましくは0.0001〜0.1重量%程度;コンタクトレンズ用剤の場合は、通常0.00001〜1重量%程度、好ましくは0.0001〜0.1重量%程度を挙げることができる。
【0041】
なお、植物エキスとしてビタミンB6化合物含有植物エキスを使用する場合、組成物におけるビタミンB6化合物の割合(下限と上限)を考慮して、上記植物エキスの配合割合を調整することが好ましい。
【0042】
植物エキスの原料には、植物の全体をそのまま使用しても良いし、植物の一部を使用しても良い。
【0043】
通常、クロロフィルは植物の葉や茎に主に含まれることから、本発明の効果を十分に発揮させる観点から、植物エキスは、葉や茎を含む植物体全体から抽出された植物エキスであることが好ましく、葉及び/又は茎から抽出された植物エキスであることがより好ましい。
【0044】
以下、植物の全部及び一部を総称して「植物体」という。
【0045】
抽出には、植物体(植物の全部又は例えば、葉、茎、根等の一部)の生の状態のもの(未乾燥物)、乾燥させたもの(乾燥物)、又は凍結したもの(凍結物)を用いることが出来る。また、植物体の未乾燥物、乾燥物又は凍結物を適切な大きさに細砕し粉末化したものを用いることも出来る。
【0046】
植物のエキスを作製する方法としては、抽出工程及び分離工程を組み合わせる方法、上記方法に更に分画工程を組み合わせる方法等があげられるが、これらに限定されない。
【0047】
抽出工程は、植物体から抽出溶媒を用いて、抽出物として必要な成分を取り出す工程であり、抽出方法や抽出条件は特に限定されない。
【0048】
抽出溶媒の種類は特に限定されないが、水、有機溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。上記の水としては、冷水、常温水、温水、熱水及び水蒸気等の全ての温度における水が挙げられ、また、殺菌処理、イオン交換処理、浸透圧調整又は緩衝化されていてもよい。有機溶媒としては、親水性有機溶媒が好ましく、例えば、炭素数1〜5の1価アルコール(エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、炭素数2〜5の多価アルコール(グリセリン、イソプロピレングリコール、プロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコール等)、エステル(酢酸メチル等)、ケトン(アセトン等)等を用いることが出来る。これらの親水性有機溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、安全性及び有効成分の抽出効率の点から、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール及びこれらの混合液よりなる群から選ばれる少なくとも1種の抽出溶媒を用いることが好ましい。
【0049】
抽出溶媒として水及び1,3-ブチレングリコールの混合液を用いる場合は、混合液中の1,3-ブチレングリコールの含有率は、0.1〜70重量%程度が好ましく、5〜60重量%程度がより好ましく、10〜50重量%程度が更に好ましい。
【0050】
抽出溶媒として、水及びエタノールの混合液を用いる場合は、混合液中のエタノールの含有率は、0.1〜99.5重量%程度が好ましく、5〜95重量%程度がより好ましく、50〜95重量%程度が更に好ましく、60〜90重量%程度が最も好ましい。
【0051】
抽出手法としては、浸漬抽出、攪拌抽出、還流抽出、振とう抽出及び超音波抽出があげられ、抽出条件としては、室温抽出、加熱抽出(加温抽出ともいう)、加圧抽出、超臨界抽出等があげられるが、好ましくは、室温又は加熱抽出である。抽出時間は特に限定されない。また、pH調整してもよい。上記抽出操作は、1回でもよく、抽出操作を行った後に得られる抽出残渣を再度抽出することを複数回数繰り返すことにより行ってもよい。更に、抽出工程の前後に、必要に応じて濾過等の処理を行ってもよい。
【0052】
分離工程は、上記で得られた抽出物から、抽出残渣である不溶物と抽出液とを分離する固液方法であり、例えば、遠心分離、フィルタプレス、濾過(加圧、常圧)、クロマトグラフィー等の吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離等による方法が挙げられる。抽出液から分取された抽出物はそのまま用いてもよく、更に分画等により精製してもよい。
【0053】
分画工程は、上記で得られた抽出物から必要な成分を分画して精製及び濃縮する方法である。分画工程に用いられる方法としては、担体として活性炭、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、シリカゲル、芳香族化合物を吸着するポリスチレン系の樹脂等を用いるクロマトグラフィー、透析、分子ふるい、減圧濃縮、凍結乾燥等の方法があげられるがこれらに限定されない。更に、本工程後に、必要に応じて遠心分離等により上清を回収する工程を行ってもよい。
【0054】
なお、上記各工程の前後に、必要に応じて濾過等の処理を行ってもよい。濾過には、ガーゼや濾過フィルター、市販の濾過器等を用いることが出来る。また、必要に応じて、滅菌処理等を施すことが出来る。
【0055】
上記方法により得られた植物エキスは、そのままの液状形態で使用してもよいが、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の乾燥工程により粉末化することも出来る。
【0056】
本発明の組成物は、上記の通り、葉緑素の含有量が0.15ppm未満であることを特徴とする。当該葉緑素は通常植物エキスに由来するため、植物エキスの調製に際して、葉緑素を除去若しくは減量する処理を行うことが好ましい。かかる処理としては、各種抽出溶媒(水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、それらの混合液等)を用いた抽出方法、担体(活性炭等)を用いた分画方法、遠心分離やフィルタプレス、ろ過を用いた抽出分離法等を挙げることができる。
【0057】
また植物エキス中に含まれる葉緑素の含有量は、分光光度計を用いた吸光光度法、高速液体クロマトグラフィー法、抽出単離法、誘導体変換法等により測定することができる。
【0058】
(1-4)その他の成分
本発明の組成物は、更に必要に応じて、ビタミンB6化合物及び植物エキスの薬理作用及び安定性を損なわない範囲で、当該分野において通常用いられるその他の成分を更に含有させることが出来る。但し、既に説明した含有成分と重複する場合はこの限りでない。この様なその他の成分としては、例えば、溶媒、充血除去成分、眼調節成分、抗炎症成分、収斂成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌成分、殺菌成分、糖類、多糖類及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、水溶性高分子、局所麻酔成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、並びに白内障治療成分等が挙げられる。本発明において好ましいその他の成分としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
【0059】
溶媒:溶媒としては、例えば水、アルコール類、エーテル、又はそれらの混合物が挙げられる。アルコール類としては例えば、多価アルコール及び低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0060】
多価アルコールとしては、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ジプロパンジオール、トリプロパンジオール、ブタンジオール、ジブタンジオール、ペンタンジオール、ペンタントリオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール及びマンニトール等が挙げられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール等が挙げられる。中でも、安全性とビタミンB6化合物及び植物エキスの安定性の点から、アルコール類としては、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール等が好ましい。
【0061】
本発明の組成物におけるアルコール類の合計含有割合は、多価アルコール又は低級アルコールの種類にもより特に制限されないが、40重量%程度以下であることが好ましく、30重量%程度以下であることがより好ましく、20重量%程度以下であることが更に好ましい。
【0062】
充血除去成分:例えば、α-アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン等が挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0063】
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物及びそれらの薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。
【0064】
抗炎症薬成分又は収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、ε-アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、グリチルリチン酸ニカリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、サリチル酸メチル等が挙げられる。
【0065】
ビタミン類:例えば、ビタミンA類、ビタミンB類(上記ビタミンB6化合物以外)、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、及びその他のビタミン類からなる群より選択される少なくとも1種のビタミン類を含有することが出来る。ビタミンA類としては、例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。ビタミンB類としては、例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトール及びその薬理学的に許容されるこれらの塩類が挙げられる。ビタミンC類としては、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。ビタミンD類としては、例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。ビタミンE類としては、例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。その他のビタミン類としては、例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン及びその薬理学的に許容される塩類等が挙げられる。
【0066】
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0067】
抗菌薬成分又は殺菌薬成分:例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロビル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾール等が挙げられる。
【0068】
糖類:例えば、単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、トレハロース、ラクトース、フルクトース等が挙げられる。
【0069】
多糖類又はその誘導体:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0070】
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
【0071】
前述以外の水溶性高分子:例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、デキストリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0072】
局所麻酔薬成分:例えば、リドカイン、オキシブプロカイン、ジブカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン、及びそれらの塩等が挙げられる。
【0073】
ステロイド成分:例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びそれらの塩等が挙げられる。
【0074】
緑内障治療成分:例えば、レボブノロール、チモロール、及びそれらの塩等が挙げられる。
【0075】
白内障治療成分:例えば、ピレノキシン等が挙げられる。
【0076】
組成物中のこれらの成分の含有割合は、製剤の種類、及び含有成分の種類等に応じて適宜決定される。例えば、製剤全体に対して0.0001〜50重量%程度、好ましくは、0.0001〜25重量%程度、より好ましくは0.001〜10重量%程度である。
【0077】
また、本発明の水性液剤には、必要に応じて、ビタミンB6化合物及び植物エキスの薬理作用及び安定性を損なわない範囲で、当該分野において通常用いられる添加剤をさらに含有させることが出来る。但し、既に説明した含有成分と重複する場合はこの限りでない。この様な成分としては、例えば、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、増粘剤、可溶化剤又は溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、香料、清涼化剤、キレート剤、緩衝剤、安定化剤、及び基材等が挙げられる。本発明において好ましい添加物としては、例えば、次の様な添加物が挙げられる。
【0078】
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物、アクリノール等が挙げられる。
【0079】
増粘剤:例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストラン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0080】
可溶化剤又は溶解補助剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、N-ココイルメチルタウリンナトリウム等のN-アシルタウリン塩、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のN-アシルアミノ酸塩、POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられる。具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル、モノステアリン酸デカグリセリル、ラウリルグルコシド、マクロゴール4000。尚、括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0081】
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、第四級アンモニウム化合物及びビグアニド系化合物等が挙げられる。第四級アンモニウム化合物としては、セチルピリジニウム塩化物水和物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物、アルキルジメチルアンモニウム塩化物、アルキルトリメチルアンモニウム塩化物、メチルベンゼトニウム塩化物、ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム塩化物等が挙げられる。また、ビグアニド系化合物としては、例えばクロルヘキシジン又はその塩を挙げることができ、好ましくはクロルヘキシジングルコン酸塩、塩酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
【0082】
pH調整剤:例えば、塩酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。
【0083】
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
【0084】
香料又は清涼化剤:例えば、テルペン類(具体的には、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウ等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。)精油(具体的には、ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等)等が挙げられる。
【0085】
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸等が挙げられる。
【0086】
緩衝剤:例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。
【0087】
安定剤:例えば、シクロデキストリン、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
【0088】
基剤:例えば、オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリン等が挙げられる。
【0089】
(1-6)組成物の浸透圧及びpH
本発明の組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することが出来る。生理食塩液に対する浸透圧比は、通常0.3〜4程度、好ましくは0.5〜2程度、より好ましくは0.5〜1.4程度である。浸透圧比の調節は前記pH調整剤の他に、緩衝剤、等張化剤、及び塩類等を適宜用いて行うことが出来る。
【0090】
本発明の組成物は、例えば、後述の内服用液剤では、通常、服用感及び有効成分の安定性という点では、pH2〜10であれば好ましく、pH4〜9であればより好ましく、pH6〜8であれば更に好ましい。外皮用組成物では、通常、皮膚に対する低刺激性、使用感の良さ及び有効成分の安定性という点ではpH3〜10であれば好ましく、pH3〜9であればより好ましく、pH4〜8であれば更に好ましい。
【0091】
特に点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤、コンタクトレンズ用剤等の粘膜適用組成物の場合、通常、粘膜に対する低刺激性及び有効成分の安定性という点ではpH5〜9.5であれば好ましく、pH5.5〜9であればより好ましく、pH6〜8であれば更に好ましい。
【0092】
(1-7)組成物の製造方法
ビタミンB6化合物は、水の含有量が多い組成物中で、不安定となり易く、光分解し易い。そのため、本発明のビタミンB6化合物を含む組成物は、水を含む組成物(水含有組成物)である場合に、ビタミンB6化合物の光に対する安定性を効果的に向上させることができる。
【0093】
本発明の組成物が水を含む場合、組成物中の水の含有量は5重量%程度以上が好ましく、20重量%程度以上がより好ましく、50重量%程度以上が更に好ましく、70重量%以上が特に好ましい。また、上限としては99.9重量%程度以下、好ましくは99重量%程度以下、更に好ましくは95重量%程度以下を挙げることができる。
【0094】
本発明の組成物は、その用途(育毛剤及び化粧料等の皮膚用製剤、点眼剤、点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤、コンタクトレンズ用剤等)に応じて、公知の操作を利用しながら、前述する各成分を配合し、混合することで製造することが出来る。なお、各成分の配合順は特に制限されない。
【0095】
例えば、育毛剤、外用鎮痛剤や化粧料等の皮膚用製剤及び点眼剤や洗眼剤等の眼科用製剤の場合、先ず各成分を混合してから、更に必要によりろ過滅菌処理を行い、最後に容器へと充填することにより調製することが出来る。より具体的には、組成物が育毛剤である場合、蒸留水又は精製水及び添加剤を用いて、ビタミンB6化合物、植物エキス等の成分を溶解させ、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造することが出来る。
【0096】
(1-8)組成物の用途
本発明の組成物は、目的に応じて例えば、内服或いは外用の形態で使用することが出来、夫々様々な用途の局所投与製剤として提供することが出来る。
【0097】
内服形態としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、散剤(粉末剤)及び顆粒剤(ドライシロップを含む)等の各種の固形製剤、又は内服用液剤(液剤、懸濁剤、シロップ剤、ゼリー剤を含む)等の液状製剤等の剤型にすることができる。
【0098】
外用形態としては、例えば、皮膚用製剤であれば、液剤(ローション剤、懸濁液剤、乳液剤、エアゾール剤)、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤(ジェル剤)、貼付剤等の剤型にすることができる。また、眼科用製剤であれば、治療用製剤に限らず、コンタクトレンズ用剤等の非治療用の製剤としても利用出来る。眼科用製剤の具体例としては例えば、点眼薬(点眼剤ともいい、コンタクトレンズ装用中にも使用出来る点眼薬を含む)、洗眼薬(洗眼剤ともいい、コンタクトレンズ装用中にも使用出来る洗眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、並びにコンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、すすぎ液、消毒液、及びマルチパーパスソリューション等)等が挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、及びソフトコンタクトレンズ等のあらゆるタイプのコンタクトレンズをも意味する。
【0099】
本発明の組成物は、ビタミンB6化合物の光に対する安定性が向上していることから、従来、ビタミンB6化合物の光に対する安定性の低さが問題視されている製剤に適用されることが好ましい。ビタミンB6化合物の光に対する安定性の低さが特に問題となる製剤としては、例えば内服用液剤、液剤である皮膚用製剤、洗眼剤、コンタクトレンズ用剤等の水を含む組成物(水含有組成物)が挙げられる。水を含む組成物中では、ビタミンB6化合物は不安定となり易く、光分解し易いからである。
【0100】
本発明の組成物はビタミンB6化合物の光に対する安定性が高いので、複数回に亘り投与する形態で包装され、且つ使用者が継続的に使用するマルチドーズの水性液剤、例えば、点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、洗鼻薬(洗鼻剤)、口腔用薬(口腔咽頭薬、及び含嗽用薬等)、点耳薬、点鼻薬(点鼻剤)、コンタクトレンズ用剤、液状内服薬(液状胃腸薬、液状風邪薬等)、皮膚外用薬(育毛剤、外用鎮痛剤、外用鎮痒剤等)、化粧料(化粧水、乳液、美容液等)等としても有用である。
【0101】
本発明の組成物は、特定の製剤として用いた場合に、容器及び包材の工夫に頼ることなく、ビタミンB6化合物の光に対する安定性を向上出来る。本発明の組成物を包装する容器としては、とくに限定されないが、例えば、眼科用製剤等、充填した組成物の内容量や残量を把握したい場合もあること等から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなる透光性を有する容器が、好適に挙げられる。
【0102】
透明又は半透明の容器に充填した場合、従来、ビタミンB6化合物が光に曝されやすく、植物エキスとビタミンB6とを含有する組成物を、透明又は半透明の容器に充填した製品とすることは、ビタミンB6化合物の光に対する安定性が低下することから非常に困難であった。しかし、本発明の組成物はビタミンB6類の光に対する安定性が向上していることから、組成物を包装する容器として透明又は半透明の容器を採用しても、本発明の組成物としての効果を発揮することが出来、組成物を安定に保つことができる。透明又は半透明の容器としては、可視光領域の透過率が通常10%以上であり、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。また、当該透過率の上限については特に上限を要するものではないが、99%以下である。
【0103】
(2)ビタミンB6化合物の光安定化方法
本発明の光安定化方法は、ビタミンB6化合物及び植物エキスを含む組成物における上記化合物の光安定化方法であって、当該組成物中の葉緑素の含有量を0.15ppm未満にすることを特徴とする。
【0104】
組成物に含まれるビタミンB6化合物及び植物エキスの含有量は、上記組成物の項目で記載した含有量を採用することが出来る。
【0105】
本発明の光安定化方法は、ビタミンB6化合物及び植物エキスを含む組成物において、当組成物中の葉緑素の含有量を0.15ppm未満にすることにより、当該組成物中のビタミンB6化合物の光に対する安定性を向上させることが出来る。組成物における葉緑素の含有量は、好ましくは0.1ppm程度未満、特に好ましくは0.05ppm程度未満である。
【0106】
組成物中のその他の成分、及び添加物等についての説明は、上記組成物の項目で説明した通りである。
【実施例】
【0107】
以下、実施例により本発明をより明確に説明する。但し、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
【0108】
(1)組成物の調製
植物体としてアロエ(アロエの種:キダチアロエ)を用いて、植物エキスを調製した。
【0109】
アロエのエタノール抽出エキスは、生のアロエを細かく刻んだ後に乾燥させ粉末化し、その乾燥物全量に、約10倍量のエタノール水溶液(80重量%エタノール、80%EtOH)を加えて70〜90℃で2〜3時間抽出することにより得た(アロエEtOHエキス)。その後、活性炭を加えて葉緑素を除くことにより、アロエの活性炭処理エキスを得た(アロエEtOHエキス(活性炭処理後))。また、アロエの1,3-ブチレングリコール抽出エキスは、生のアロエを細かく刻んだ後に乾燥し、その乾燥物全量に、約30倍量の40重量%1,3-ブチレングリコール水溶液を加えて室温で5〜7昼夜抽出することにより得た(アロエBGエキス)。
【0110】
アロエエキスの固形分の含有量は、下記の通りであった。
【0111】
アロエの80%EtOH抽出エキス(表中、アロエEtOHエキス):2.5重量%(乾燥物重量)
アロエの1,3-ブチレングリコール抽出エキス(表中、アロエBGエキス): 1重量%(乾燥物重量)
アロエの80%EtOH抽出及び活性炭処理後のエキス(表中、アロエEtOHエキス(活性炭処理後)):1重量%(乾燥物重量)
上記アロエエキスを用いて、表1に示す組成で、各成分を精製水に溶解して全量を100gとして、組成物の試験液を調製した。
【0112】
上記調製した各アロエエキス(アロエEtOHエキス、アロエBGエキス及びアロエEtOHエキス(活性炭処理後))には、アロエの含有成分であるアロイン及びアロエニンが含まれていることを確認した。よって、これらアロエエキスは、アロエの有効成分を含有する適切な植物エキスである。
【0113】
試験液のpH調整のためにクエン酸及びクエン酸ナトリウムを用いた。試験液のpHはpH5.5とした。
【0114】
塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)は、アロエエキス(植物エキス)とは別に追加したものである。
【0115】
試験液中の葉緑素(クロロフィル)の含有量は、分光光度計を用いた吸光光度法により、以下の手順で測定した。試料4gをとり、塩基性炭酸カルシウムを0.1g加え水5mLとアセトン40mLを加えた後、超音波洗浄器にかけ、遠心分離した。この工程を2回繰り返した。上澄み液にジエチルエーテル50mLと水40mLを加え、混合後静置し、水層を除去する操作を3回繰り返した。さらに無水硫酸ナトリウムで脱水ろ過し、ジエチルエーテルで100mLに定容した。これを、分光光度計(日立製作所製、型番U-2000)を使用し、測定波長660nm及び642.5nmで測定し、以下の式に従って値を求めた。
【0116】
総クロロフィル(mg/100g)=(7.12 E660+16.8 E642.5)×V×100/1000
クロロフィルa(mg/100g)=(9.93 E660−0.777 E642.5)×V×100/1000
クロロフィルb(mg/100g)=総クロロフィル(mg/100g)−クロロフィルb(mg/100g)
E660, E642.5とは、660 nm, 642.5 nmにおける吸光度、Wはサンプル採取量(g)、Vはエーテル定容量(mL)を指す。
【0117】
表中、EtOHはエタノールを示し、BGは1,3-ブチレングリコールを示す。
【0118】
(2)組成物中におけるビタミンB6類の光安定性評価
光安定性の試験方法
各々の試験液を、透明ガラス瓶(容量200mL)に100mL又は200mLずつ充填し、これらを被検サンプルとした。蛍光灯試験機としてグロースチャンバー(三洋電機、MLR-351)を用い、被検サンプルに対して、15℃で10,000ルクス/時間の光を54時間連続照射し、54万ルクス・hrの光に暴露させた。この光照射量は、「大阪府LED照明機器開発推進計画策定事業」報告書(大阪府)を参照し、一般家庭における約6ヶ月間の平均照射量を元に設定した。
【0119】
光照射前と光照射後の被検サンプル中の塩酸ピリドキシン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定した被検サンプルの塩酸ピリドキシン濃度から、下記式に従って、光照射後の塩酸ピリドキシンの残存率(%)を算出した。
【0120】
残存率(%)=100×光照射後の塩酸ピリドキシン濃度(重量%)
/光照射前の塩酸ピリドキシン濃度(重量%)
(3)試験結果
光安定性の試験結果を表1及び2に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
塩酸ピリドキシン(ビタミンB6化合物)及びアロエエキス(植物エキス)を含み、クロロフィルa(葉緑素)の含有量が0.15ppm未満である実施例1〜3は、光安定性試験後では、塩酸ピリドキシンの残存率が高かった。具体的には、実施例1〜3では、塩酸ピリドキシンの残存率は90%以上であった。
【0124】
クロロフィルaの含有量が0.15ppm以上の比較例1〜3では、塩酸ピリドキシンの残存率は85%以下まで低下した。
【0125】
つまり、アロエエキスを含む組成物中のクロロフィルaの濃度を0.15ppm未満に調整することにより、塩酸ピリドキシンの光に対する安定性を向上出来ることが判明した。
【0126】
尚、アロエには、通常クロロフィルa及びbが含まれるが、クロロフィルbの含有量は、クロロフィルaの含有量に比べて少なく、いずれの実施例及び比較例においても0.05ppm未満であった。
【0127】
藻類及び藍藻も、葉緑素(クロロフィル)を含む。藻類に含まれるクロロフィルとしては、クロロフィルb(一部の緑藻類)、クロロフィルc(褐藻類及び珪藻類)、クロロフィルd(紅藻類)、クロロフィルe(不等毛藻類)がある。藍藻に含まれるクロロフィルとしては、クロロフィルcがある。
【0128】
そこで、前記植物体(アロエ)に換えて、藻類及び藍藻を用いて、前記アロエと同様にエキス等の組成物の試験液を調製した。これらの組成物では、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6化合物)及び藻類及び藍藻のエキス等が含まれ、葉緑素の含有量を0.15ppm未満とした。そして、これら試験液についても、前記植物体と同様に組成物中におけるビタミンB6類の光安定性を評価した。
【0129】
その結果、藻類及び藍藻から調製したエキス等の組成物についても、光安定性試験後では、塩酸ピリドキシンの残存率が高かいことがわかった。
【0130】
これらのことから、植物エキスと同様に、藻類及び藍藻から調製したエキス等を含む組成物においても、組成物中のクロロフィルの濃度を0.15ppm未満に調整することにより、塩酸ピリドキシンの光に対する安定性を向上出来ることが判明した。
【0131】
(3)処方例
育毛剤
表3に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である育毛剤(処方例1〜9)を調製した。いずれの育毛剤も、塩酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、二塩酸ピリドキサミンの安定性に優れるものであった。
【0132】
【表3】
【0133】
点眼剤
表4に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である点眼剤(処方例10〜18)を調製した。いずれの点眼剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0134】
【表4】
【0135】
点鼻剤
表5に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である点鼻剤(処方例19)を調製した。当該点鼻剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0136】
【表5】
【0137】
洗眼剤
表6に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である洗眼剤(処方例20)を調製した。当該洗眼剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0138】
【表6】
【0139】
洗鼻剤
表7に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である洗鼻剤(処方例21)を調製した。当該洗鼻剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0140】
【表7】
【0141】
コンタクトレンズ用剤
表8に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満であるコンタクトレンズ用剤(処方例22)を調製した。当該コンタクトレンズ用剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0142】
【表8】
【0143】
クリーム
表9に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満であるクリーム(処方例23)を調製した。当該クリームも、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0144】
【表9】
【0145】
化粧水
表10に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である化粧水(処方例24)を調製した。当該化粧水も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0146】
【表10】
【0147】
美容液
表11に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満である美容液(処方例25)を調製した。当該美容液も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0148】
【表11】
【0149】
ドリンク剤
表12に示す組成の、葉緑素の含有量が0.15ppm未満であるドリンク剤(処方例26)を調製した。当該ドリンク剤も、塩酸ピリドキシンの安定性に優れるものであった。
【0150】
【表12】