【実施例】
【0060】
以下、本実施形態の実施例に係る変倍光学系(ズームレンズ)ZLを図面に基づいて説明する。
図1、
図6、
図11、
図16、
図21は、第1〜第5実施例に係る変倍光学系ZL{ZL(1)〜ZL(5)}の構成及び屈折力配分を示す断面図である。変倍光学系ZL(1)〜ZL(5)の断面図の下部には、広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示す。さらに、合焦群GRNが無限遠から近距離物体に合焦する際の移動方向を「合焦」という文字とともに矢印で示している。
【0061】
これら
図1、
図6、
図11、
図16、
図21において、各レンズ群を符号Gと数字もしくはアルファベットの組み合わせにより、各レンズを符号Lと数字の組み合わせにより、それぞれ表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いてレンズ群等を表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
【0062】
以下に表1〜表5を示すが、この内、表1〜5は第1実施例〜第5実施例のそれぞれにおける各諸元データを示す表である。各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.562nm)、g線(波長435.835nm)を選んでいる。
【0063】
[レンズ諸元]の表において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を示し、Rは各光学面の曲率半径(曲率中心が像側に位置する面を正の値としている)、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を、それぞれ示す。物面とは物体面のことを示し、曲率半径の「∞」は平面又は開口を、(絞りS)は開口絞りSを、像面は像面Iを、それぞれ示す。空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。
【0064】
[各種データ]の表において、fはレンズ全系の焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は°(度)で、ωが半画角である)、Ymaxは最大像高を示す。TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えた距離を示し、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離(バックフォーカス)を示す。なお、これらの値は、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態におけるそれぞれについて示している。
【0065】
[可変間隔データ]の表は、[レンズ諸元]を示す表において面間隔が「可変」となっている面番号(例えば、実施例1では、面番号5,13,25,29)での面間隔を示す。ここでは無限遠および近距離に合焦させたときのそれぞれについて、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態における面間隔を示す。
【0066】
[レンズ群データ]の表において、第1〜第5レンズ群(もしくは第1〜第4レンズ群もしくは第1〜第6レンズ群)のそれぞれの始面(最も物体側の面)と焦点距離を示す。
【0067】
[条件式対応値]の表には、上記の条件式(1)〜(9)に対応する値を示す。
【0068】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
【0069】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
【0070】
(第1実施例)
第1実施例について、
図1および表1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の第1実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。本実施例に係る変倍光学系ZL(1)は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5から構成されている。各レンズ群記号に付けている符号(+)もしくは(−)は各レンズ群の屈折力を示し、このことは以下の全ての実施例でも同様である。
【0071】
この構成は上記実施形態との関係として、第1レンズ群G1が前側レンズ群GFSに、第2レンズ群G2がM1レンズ群GM1に、第3レンズ群G3がM2レンズ群GM2に、第4レンズ群G4がRNレンズ群GRNに対応する。
【0072】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正凸平レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとから構成される。
【0073】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。
【0074】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL33と両凹形状の負レンズL34との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35と両凸形状の正レンズL36との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL37とから構成される。
【0075】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42とから構成される。
【0076】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、両凸形状の正レンズL52とから構成される。
【0077】
本実施例に係る光学系では、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0078】
本実施例に係る変倍光学系では、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズを光軸と直交する方向へ移動させることによって、手ブレ等による結像位置変位を補正する。すなわち、これらのレンズL31,L32が防振レンズ群を構成し、且つこれが本発明および本実施形態のAレンズ群に対応する。
【0079】
全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第1実施例の広角端においては、防振係数1.65であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.23mmである。第1実施例の望遠端状態においては、防振係数2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
【0080】
以下の表1に、本実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。表1において、fは焦点距離、BFはバックフォーカスを示す。
【0081】
(表1)第1実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 109.4870 4.600 1.48749 70.31
2 ∞ 0.200
3 101.1800 1.800 1.62004 36.40
4 49.8109 7.200 1.49700 81.61
5 385.8166 可変
6 176.0187 1.700 1.69680 55.52
7 31.3680 5.150
8 32.6087 5.500 1.78472 25.64
9 -129.7634 1.447
10 -415.4105 1.300 1.77250 49.62
11 34.3083 4.300
12 -33.1502 1.200 1.85026 32.35
13 -203.5644 可変
14 70.9040 1.200 1.80100 34.92
15 30.2785 5.900 1.64000 60.20
16 -70.1396 1.500
17 34.0885 6.000 1.48749 70.31
18 -42.6106 1.300 1.80610 40.97
19 401.2557 2.700
20 ∞ 14.110 (絞りS)
21 350.0000 1.200 1.83400 37.18
22 30.1592 4.800 1.51680 63.88
23 -94.9908 0.200
24 66.3243 2.800 1.80100 34.92
25 -132.5118 可変
26 -92.0997 2.200 1.80518 25.45
27 -44.0090 6.500
28 -36.9702 1.000 1.77250 49.62
29 68.3346 可変
30 -24.5000 1.400 1.62004 36.40
31 -41.1519 0.200
32 106.0000 3.800 1.67003 47.14
33 -106.0000 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.49 4.86 5.88
2ω 33.96 24.48 8.44
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 190.13 205.07 245.82
BF 39.12 46.45 67.12
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 6.204 21.150 61.895 6.204 21.150 61.895
d13 30.000 22.666 2.000 30.000 22.666 2.000
d25 2.180 3.742 3.895 2.837 4.562 5.614
d29 21.418 19.856 19.703 20.761 19.036 17.984
[レンズ群データ]
群 始面 f
G1 1 145.319
G2 6 -29.546
G3 14 38.298
G4 26 -48.034
G5 30 324.470
[条件式対応値]
(1) fvr/fTM2 = 1.755
(2) nvrN/nvrP = 1.098
(3) νvrN/νvrP = 0.580
(4) (−fTM1)/f1 = 0.203
(5) fTM2/f1 = 0.264
(6) (−fN)/fP = 1.266
(7) f1/fw= 2.016
(8) f1/(−fTM1) = 4.918
(9) f1/fTM2 = 3.794
【0082】
図2(a)、及び
図2(b)はそれぞれ、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図3は、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図4(a)、及び
図4(b)はそれぞれ、第1実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図5(a)、
図5(b)、及び
図5(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【0083】
図2〜
図5の各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーまたは開口数の値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。なお、以下に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0084】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0085】
(第2実施例)
図6は、本実施形態の第2実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。本実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。
【0086】
この構成は上記実施形態との関係として、第1レンズ群G1が前側レンズ群GFSに、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3がM1レンズ群GM1に、第4レンズ群G4がM2レンズ群GM2に、第5レンズ群G5がRNレンズ群GRNに対応する。
【0087】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正凸平レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとから構成される。
【0088】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23とから構成される。
【0089】
第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31からなる。
【0090】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL43と両凹形状の負レンズL44との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL45と両凸形状の正レンズL46との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL47とから構成される。
【0091】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と、両凹形状の負レンズL52とから構成される。
【0092】
第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL61と、両凸形状の正レンズL62とから構成される。
【0093】
本実施例に係る光学系では、第5レンズ群G5を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合正レンズを光軸と直交する方向へ移動させることによって、手ブレ等による結像位置変位を補正する。すなわち、これらのレンズL41,L42が防振レンズ群を構成し、且つこれが本発明および本実施形態のAレンズ群に対応する。
【0094】
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第2実施例の広角端においては、防振係数1.66であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.23mmである。第2実施例の望遠端状態においては、防振係数2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
【0095】
以下の表2に、本実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0096】
(表2)第2実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 107.5723 4.600 1.48749 70.32
2 ∞ 0.200
3 96.9007 1.800 1.62004 36.40
4 47.8324 7.200 1.49700 81.61
5 361.3792 可変
6 139.8663 1.700 1.69680 55.52
7 33.7621 6.806
8 33.5312 5.500 1.78472 25.64
9 -139.8348 0.637
10 -492.0620 1.300 1.80400 46.60
11 35.1115 可変
12 -34.6163 1.200 1.83400 37.18
13 -377.1306 可変
14 74.8969 1.200 1.80100 34.92
15 31.6202 5.900 1.64000 60.19
16 -69.0444 1.500
17 34.2668 6.000 1.48749 70.32
18 -42.8334 1.300 1.80610 40.97
19 434.9585 2.700
20 ∞ 14.312 (絞りS)
21 350.0000 1.200 1.83400 37.18
22 30.4007 4.800 1.51680 63.88
23 -98.0361 0.200
24 68.9306 2.800 1.80100 34.92
25 -129.3404 可変
26 -90.5065 2.200 1.80518 25.45
27 -44.1796 6.500
28 -37.6907 1.000 1.77250 49.62
29 68.3000 可変
30 -24.5545 1.400 1.62004 36.40
31 -41.7070 0.200
32 106.0000 3.800 1.67003 47.14
33 -106.0000 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.53 4.89 5.88
2ω 33.98 24.48 8.44
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 190.82 206.02 245.82
BF 39.12 46.27 66.46
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.861 18.057 57.861 2.861 18.057 57.861
d11 5.727 5.812 6.883 5.727 5.812 6.883
d13 30.500 23.259 2.000 30.500 23.259 2.000
d25 2.246 3.634 3.634 2.888 4.436 5.329
d29 22.411 21.023 21.023 21.770 20.221 19.329
[レンズ群データ]
群 始面 f
G1 1 141.867
G2 6 -104.910
G3 12 -45.774
G4 14 38.681
G5 26 -48.266
G6 30 340.779
[条件式対応値]
(1) fvr/fTM2 = 1.764
(2) nvrN/nvrP = 1.098
(3) νvrN/νvrP = 0.580
(4) (−fTM1)/f1 = 0.208
(5) fTM2/f1 = 0.273
(6) (−fN)/fP = 1.248
(7) f1/fw= 1.968
(8) f1/(−fTM1) = 4.804
(9) f1/fTM2 = 3.668
【0097】
図7(a)、及び
図7(b)はそれぞれ、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図8は、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図9(a)、及び
図9(b)はそれぞれ、第2実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図10(a)、
図10(b)、及び
図10(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【0098】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0099】
(第3実施例)
図11は、本実施形態の第3実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。本実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。
【0100】
この構成は上記実施形態との関係として、第1レンズ群G1が前側レンズ群GFSに、第2レンズ群G2がM1レンズ群GM1に、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4がM2レンズ群GM2に、第5レンズ群G5がRNレンズ群GRNに対応する。
【0101】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正凸平レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとから構成される。
【0102】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。
【0103】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL33と両凹形状の負レンズL34との接合正レンズと、開口絞りSとから構成される。
【0104】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL43とから構成される。
【0105】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と、両凹形状の負レンズL52とから構成される。
第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL61と、両凸形状の正レンズL62とから構成される。
【0106】
本実施例に係る光学系では、第5レンズ群G5を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズを光軸と直交する方向へ移動させることによって、手ブレ等による結像位置変位を補正する。すなわち、これらのレンズL31,L32が防振レンズ群を構成し、且つこれが本発明および本実施形態のAレンズ群に対応する。
【0107】
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第3実施例の広角端においては、防振係数1.65であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.23mmである。第3実施例の望遠端状態においては、防振係数2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
【0108】
以下の表3に、本実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0109】
(表3)第3実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 106.7563 4.600 1.48749 70.32
2 ∞ 0.200
3 99.4635 1.800 1.62004 36.40
4 49.2336 7.200 1.49700 81.61
5 332.7367 可変
6 152.3830 1.700 1.69680 55.52
7 31.0229 5.695
8 32.0867 5.500 1.78472 25.64
9 -139.5695 1.399
10 -403.4713 1.300 1.77250 49.62
11 33.8214 4.300
12 -34.0003 1.200 1.85026 32.35
13 -235.0206 可変
14 69.3622 1.200 1.80100 34.92
15 29.8420 5.900 1.64000 60.19
16 -71.2277 1.500
17 34.4997 6.000 1.48749 70.32
18 -43.1246 1.300 1.80610 40.97
19 382.2412 2.700
20 ∞ 可変 (絞りS)
21 350.0000 1.200 1.83400 37.18
22 30.6178 4.800 1.51680 63.88
23 -88.2508 0.200
24 66.4312 2.800 1.80100 34.92
25 -142.7832 可変
26 -93.6206 2.200 1.80518 25.45
27 -44.3477 6.500
28 -37.1859 1.000 1.77250 49.62
29 68.3000 可変
30 -24.9508 1.400 1.62004 36.40
31 -42.7086 0.200
32 106.0000 3.800 1.67003 47.14
33 -106.0000 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.49 4.85 5.88
2ω 33.98 24.48 8.44
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 190.26 205.79 245.82
BF 39.12 46.10 67.12
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 5.981 21.510 61.535 5.981 21.510 61.535
d13 30.000 23.014 2.000 30.000 23.014 2.000
d20 14.365 14.107 14.196 14.365 14.107 14.196
d25 2.202 3.476 3.676 2.867 4.301 5.396
d29 21.004 19.988 19.700 20.339 19.163 17.979
[レンズ群データ]
群 始面 f
G1 1 145.335
G2 6 -29.607
G3 14 48.974
G4 21 62.364
G5 26 -48.296
G6 30 336.791
[条件式対応値]
(1) fvr/fTM2 = 1.747
(2) nvrN/nvrP = 1.098
(3) νvrN/νvrP = 0.580
(4) (−fTM1)/f1 = 0.204
(5) fTM2/f1 = 0.264
(6) (−fN)/fP = 1.253
(7) f1/fw= 2.016
(8) f1/(−fTM1) = 4.909
(9) f1/fTM2 = 3.786
【0110】
図12(a)、及び
図12(b)はそれぞれ、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図13は、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図14(a)、及び
図14(b)はそれぞれ、第3実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図15(a)、
図15(b)、及び
図15(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【0111】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0112】
(第4実施例)
図16は、本実施形態の第4実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。本実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4から構成されている。
【0113】
この構成は上記実施形態との関係として、第1レンズ群G1が前側レンズ群GFSに、第2レンズ群G2がM1レンズ群GM1に、第3レンズ群G3がM2レンズ群GM2に、第4レンズ群G4がRNレンズ群GRNに対応する。
【0114】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正凸平レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と両凸形状の正レンズL13との接合正レンズとからなる。
【0115】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とからなる。
【0116】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL33と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL34との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35と両凸形状の正レンズL36との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL37とからなる。
【0117】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42とからなる。
【0118】
本実施例に係る光学系では、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0119】
本実施例に係る変倍光学系では、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズを光軸と直交する方向へ移動させることによって、手ブレ等による結像位置変位を補正する。すなわち、これらのレンズ31,L32が防振レンズ群を構成し、且つこれが本発明および本実施形態のAレンズ群に対応する。
【0120】
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第4実施例の広角端においては、防振係数1.64であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.23mmである。第4実施例の望遠端状態においては、防振係数2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.48mmである。
【0121】
以下の表4に、本実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0122】
(表4)第4実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 124.8083 4.600 1.48749 70.32
2 ∞ 0.200
3 111.5077 1.800 1.62004 36.40
4 51.2894 7.200 1.49700 81.61
5 -4057.4569 可変
6 1232.8716 1.700 1.69680 55.52
7 32.6209 3.624
8 33.1180 5.224 1.78472 25.64
9 -126.9611 1.768
10 -243.6400 1.300 1.77250 49.62
11 37.7537 4.300
12 -33.1285 1.200 1.85026 32.35
13 -124.4232 可変
14 80.2408 1.200 1.80100 34.92
15 32.8582 5.862 1.64000 60.19
16 -70.9140 1.500
17 40.5722 6.000 1.48749 70.32
18 -43.0594 1.300 1.80610 40.97
19 -2388.6437 2.700
20 ∞ 18.922 (絞りS)
21 812.4602 1.200 1.83400 37.18
22 34.5376 5.275 1.51680 63.88
23 -59.1982 0.200
24 75.5608 3.209 1.80100 34.92
25 -197.1038 可変
26 -76.9453 2.263 1.80518 25.45
27 -41.7537 6.500
28 -33.9973 1.000 1.77250 49.62
29 132.3165 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.68 4.90 6.19
2ω 33.78 23.92 8.22
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 189.82 210.78 245.82
BF 64.99 69.56 89.99
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.000 22.956 58.000 2.000 22.956 58.000
d13 30.000 25.721 2.000 30.000 25.721 2.000
d25 2.777 2.495 5.785 3.449 3.343 7.497
[レンズ群データ]
群 始面 f
G1 1 139.523
G2 6 -29.733
G3 14 41.597
G4 26 -54.885
[条件式対応値]
(1) fvr/fTM2 = 1.728
(2) nvrN/nvrP = 1.098
(3) νvrN/νvrP = 0.580
(4) (−fTM1)/f1 = 0.213
(5) fTM2/f1 = 0.298
(7) f1/fw = 1.935
(8) f1/(−fTM1) = 4.693
(9) f1/fTM2 = 3.354
【0123】
図17(a)及び
図17(b)はそれぞれ、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図18は、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図19(a)及び
図19(b)はそれぞれ、第4実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図20(a)、
図20(b)及び
図20(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【0124】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0125】
(第5実施例)
図21は、本実施形態の第5実施例に係る変倍光学系のレンズ構成を示す図である。本実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5から構成されている。
【0126】
この構成は上記実施形態との関係として、第1レンズ群G1が前側レンズ群GFSに、第2レンズ群G2がM1レンズ群GM1に、第3レンズ群G3がM2レンズ群GM2に、第4レンズ群G4がRNレンズ群GRNに対応する。
【0127】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正凸平レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとから構成される。
【0128】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とから構成される。
【0129】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL33と両凹形状の負レンズL34との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35と両凸形状の正レンズL36との接合負レンズと、両凸形状の正レンズL37とから構成される。
【0130】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42とから構成される。
【0131】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51と、両凸形状の正レンズL52と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL53とから構成される。
【0132】
本実施例に係る光学系では、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。また、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸形状の正レンズL32との接合正レンズを光軸と直交する方向へ移動させることによって、手ブレ等による結像位置変位を補正する。すなわち、これらのレンズ31,L32が防振レンズ群を構成し、且つこれが本発明および本実施形態のAレンズ群に対応する。
【0133】
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ブレ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量比)がKのレンズで角度θの回転ブレを補正するには、ブレ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第4実施例の広角端においては、防振係数1.65であり、焦点距離は72.1mmであるので、0.30°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.23mmである。第4実施例の望遠端状態においては、防振係数2.10であり、焦点距離は292.0mmであるので、0.20°の回転ブレを補正するための防振レンズ群の移動量は0.49mmである。
【0134】
以下の表5に、本実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0135】
(表5)第5実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 109.5099 4.600 1.48749 70.32
2 ∞ 0.200
3 101.8486 1.800 1.62004 36.40
4 49.8873 7.200 1.49700 81.61
5 403.0130 可変
6 166.1577 1.700 1.69680 55.52
7 31.1882 3.953
8 32.0256 5.500 1.78472 25.64
9 -139.5816 1.553
10 -767.2482 1.300 1.77250 49.62
11 33.9202 4.300
12 -32.8351 1.200 1.85026 32.35
13 -256.2484 可変
14 69.5902 1.200 1.80100 34.92
15 29.9877 5.900 1.64000 60.19
16 -70.0411 1.500
17 36.2271 6.000 1.48749 70.32
18 -39.9358 1.300 1.80610 40.97
19 820.8027 2.700
20 ∞ 14.092 (絞りS)
21 427.1813 1.200 1.83400 37.18
22 31.7606 4.800 1.51680 63.88
23 -89.4727 0.200
24 73.5865 2.800 1.80100 34.92
25 -110.0493 可変
26 -83.7398 2.200 1.80518 25.45
27 -42.9999 6.500
28 -36.8594 1.000 1.77250 49.62
29 73.0622 可変
30 -26.0662 1.400 1.62004 36.4
31 -40.4068 0.200
32 143.0444 3.035 1.67003 47.14
33 -220.8402 0.200
34 100.4330 2.145 1.79002 47.32
35 170.3325 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.48 4.85 5.87
2ω 33.94 24.44 8.42
Ymax 21.60 21.60 21.60
TL 190.21 205.27 245.82
BF 39.12 46.37 67.13
[可変間隔データ]
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 5.892 20.953 61.502 5.892 20.953 61.502
d13 30.000 22.752 2.000 30.000 22.752 2.000
d25 2.212 3.707 3.900 2.864 4.521 5.606
d29 21.306 19.811 19.618 20.654 18.997 17.912
[レンズ群データ]
群 始面 f
G1 1 145.022
G2 6 -29.562
G3 14 38.233
G4 26 -48.257
G5 30 318.066
[条件式対応値]
(1) fvr/fTM2 = 1.738
(2) nvrN/nvrP = 1.098
(3) νvrN/νvrP = 0.580
(4) (−fTM1)/f1 = 0.204
(5) fTM2/f1 = 0.264
(6) (−fN)/fP = 0.947
(7) f1/fw = 2.011
(8) f1/(−fTM1) = 4.906
(9) f1/fTM2 = 3.793
【0136】
図22(a)、及び
図22(b)はそれぞれ、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.30°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図23は、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図24(a)、及び
図24(b)はそれぞれ、第5実施例に係る防振機能を有する変倍光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図、及び0.20°の回転ブレに対してブレ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
図25(a)、
図25(b)、及び
図25(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における近距離合焦時の諸収差図である。
【0137】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに近距離合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0138】
上記各実施例によれば、合焦用レンズ群を小型軽量化することで、鏡筒を大型化することなく高速なAF、AF時の静粛性を実現し、さらに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、ならびに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑えた変倍光学系を実現することができる。
【0139】
ここで、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0140】
なお、以下の内容は、本願の変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0141】
本願の変倍光学系の数値実施例として5群構成のものと6群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、7群等)の変倍光学系を構成することもできる。具体的には、本願の変倍光学系の最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0142】
また、本願の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
【0143】
また、本願の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面に、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
【0144】
以上の構成により、上記第1実施例に係る変倍光学系を撮影レンズ2として搭載した本カメラ1は、合焦用レンズ群を小型軽量化することで、鏡筒を大型化することなく高速なAF、AF時の静粛性を実現し、さらに、広角端状態から望遠端状態への変倍時の収差変動、ならびに無限遠物体から近距離物体への合焦時の収差変動を良好に抑え、良好な光学性能を実現することができる。なお、上記第2〜上記第7実施例に係る変倍光学系を撮影レンズ2として搭載したカメラを構成しても上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。