(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の重合性組成物を、接し合う支持体と鋳型との間の空間又は分割可能な鋳型の内部の空間に充填する工程、及び当該充填された組成物を露光して光重合する工程を含む、成形体の製造方法。
さらに、得られた光重合物を充填された前記空間から取り出して離型する工程、並びに、該光重合物を該離型の前、中途又は後において加熱する工程を含む、請求項9に記載の成形体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<<重合性組成物>>
本発明の重合性組成物は、成分(a)として特定の反応性シルセスキオキサン化合物、成分(b)として特定のフルオレン化合物、及び成分(c)として特定の芳香族ビニル化合物を含む重合性組成物である。
以下、各成分の詳細を説明する。
【0014】
<(a)反応性シルセスキオキサン化合物>
本発明に用いられる(a)反応性シルセスキオキサン化合物は、後述する特定構造のアルコキシケイ素化合物Aと特定構造のアルコキシケイ素化合物Bとを、酸又は塩基の存在下重縮合して得られる化合物である。
【0015】
[アルコキシケイ素化合物A]
前記アルコキシケイ素化合物Aは、下記式[1]で表される化合物である。
【化11】
上記式[1]中、Ar
1は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基、又は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するビフェニル基を表し、R
1はメチル基又はエチル基を表す。
【0016】
Ar
1が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基としては、例えば、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、4−ビニルオキシフェニル基、4−アリルフェニル基、4−アリルオキシフェニル基、4−イソプロペニルフェニル基等が挙げられる。
Ar
1が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基としては、例えば、4−ビニルナフタレン−1−イル基、5−ビニルナフタレン−1−イル基、6−ビニルナフタレン−2−イル基、4−アリルオキシナフタレン−1−イル基、5−アリルオキシナフタレン−1−イル基、8−アリルオキシナフタレン−1−イル基、5−ビニルオキシナフタレン−1−イル基、5−アリルナフタレン−1−イル基、5−イソプロペニルナフタレン−1−イル基等が挙げられる。
Ar
1が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するビフェニル基としては、例えば、4’−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル基、4’−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−3−イル基、4’−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル基、4’−ビニルオキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル基、4’−アリル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル基、4’−アリルオキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル基、4’−イソプロペニル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル基等が挙げられる。
【0017】
上記式[1]で表される化合物の具体例としては、例えば、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、トリエトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、(4−イソプロペニルフェニル)トリメトキシシラン、トリメトキシ(4−ビニル−1−ナフチル)シラン、トリメトキシ(4’−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)シラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
[アルコキシケイ素化合物B]
前記アルコキシケイ素化合物Bは、下記式[2]で表される化合物である。
【化12】
上記式[2]中、Ar
2は炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよい縮合多環芳香族炭化水素基、又は複数の芳香環が単結合で直接結合している炭化水素環集合基(炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよい)を表し、R
2はメチル基又はエチル基を表す。
【0019】
Ar
2が表す炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基等が挙げられる。
Ar
2が表す縮合多環芳香族炭化水素基としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ビフェニレン、フルオレンから誘導される1価の基等が挙げられる。
また複数の芳香環が単結合で直接結合している炭化水素環集合基としては、例えば、ビフェニル、テルフェニル、クアテルフェニル、ビナフタレン、フェニルナフタレン、フェニルフルオレン、ジフェニルフルオレンから誘導される1価の基等が挙げられる。
なお上記縮合多環芳香族炭化水素基及び炭化水素環集合基において、置換基として有し得る炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0020】
上記Ar
2としては、中でも、炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよい縮合多環芳香族炭化水素基、又は複数の芳香環が単結合で直接結合している炭化水素環集合基(炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよい)を表す基であることが好ましい。
【0021】
上記式[2]で表される化合物の具体例としては、例えば、トリメトキシ(フェニル)シラン、トリエトキシ(フェニル)シラン、トリメトキシ(p−トリル)シラン、トリメトキシ(1−ナフチル)シラン、トリエトキシ(1−ナフチル)シラン、トリメトキシ(2−ナフチル)シラン、トリエトキシ(2−ナフチル)シラン、トリメトキシ(2−フェナントリル)シラン、トリメトキシ(3−フェナントリル)シラン、トリメトキシ(9−フェナントリル)シラン、トリエトキシ(9−フェナントリル)シラン、[1,1’−ビフェニル]−4−イルトリメトキシシラン、[1,1’−ビフェニル]−4−イルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
中でも(a)成分の反応性シルセスキオキサン化合物としては、下記式[1a]で表される化合物と、下記式[2a]、式[2b]及び式[2c]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを、酸又は塩基の存在下重縮合して得られる反応性シルセスキオキサン化合物が好ましい。
【化13】
上記式[1a]中、R
1は前記と同じ意味を表す。
【化14】
上記式[2a]中、R
2は前記と同じ意味を表す。
【化15】
上記式[2b]中、R
2は前記と同じ意味を表す。
【化16】
上記式[2c]中、R
2は前記と同じ意味を表す。
【0023】
[アルコキシケイ素化合物Aとアルコキシケイ素化合物Bの配合割合]
(a)成分の反応性シルセスキオキサン化合物に用いる、式[1]で表されるアルコキシケイ素化合物Aと式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物Bの重縮合反応にかかる配合モル比は特に限定されないが、硬化物の物性を安定させる目的から、通常、アルコキシケイ素化合物A:アルコキシケイ素化合物B=5:1〜1:5の範囲が好ましい。より好ましくは3:1〜1:3の間で配合される範囲である。アルコキシケイ素化合物Bの配合モル数に対するアルコキシケイ素化合物Aの配合モル比を5以下とすることで、より高屈折率、低アッベ数を有する硬化物を得ることができる。また、アルコキシケイ素化合物Bの配合モル数に対するアルコキシケイ素化合物Aの配合モル比を1/5以上とすることで、十分な架橋密度が得られ、熱に対する寸法安定性がより向上する。
上述のアルコキシケイ素化合物A及びアルコキシケイ素化合物Bは、必要に応じて適宜化合物を選択して用いることができ、またそれぞれ複数種の化合物を併用することもできる。この場合の配合モル比も、アルコキシケイ素化合物Aのモル量の総計と、アルコキシケイ素化合物Bのモル量の総計の比が、上記の範囲となる。
【0024】
[酸又は塩基性触媒]
上記式[1]で表されるアルコキシケイ素化合物Aと、上記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物Bとの重縮合反応は、酸又は塩基性触媒の存在下で好適に実施される。
上記重縮合反応に用いる触媒は、後述の溶媒に溶解する、又は均一分散する限りにおいては特にその種類は限定されず、必要に応じて適宜選択して用いることができる。
用いることのできる触媒としては、例えば、酸性化合物として、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸等;塩基性化合物として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム塩、アミン類等;フッ化物塩として、NH
4F、NR
4F等が挙げられる。なお、ここでRは、水素原子、炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基、炭素原子数3乃至12の分枝状アルキル基、及び炭素原子数3乃至12の環状アルキル基からなる群から選ばれる一種以上の基である。
これら触媒は、一種単独で、又は複数種を併用することもできる。
【0025】
上記酸性化合物としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、ホウ酸等が挙げられる。
【0026】
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0027】
上記フッ化物塩としては、例えば、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等を挙げることができる。
【0028】
これら触媒のうち、好ましく用いられるのは、塩酸、酢酸、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム及び水酸化テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれる一種以上である。
触媒の使用量は、上記アルコキシケイ素化合物Aとアルコキシケイ素化合物Bとの合計質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。触媒の使用量を0.01質量%以上とすることで反応がより良好に進行する。また、経済性を考慮すれば、10質量%以下の使用で十分である。
【0029】
[重縮合反応]
本発明にかかる反応性シルセスキオキサン化合物は、アルコキシケイ素化合物Aの構造が一つの特徴となっている。本発明に用いられるアルコキシケイ素化合物Aに含まれる反応性基(重合性二重結合)は、ラジカル又はカチオンによって容易に重合し、重合後(硬化後)は高い耐熱性を示す。
アルコキシケイ素化合物Aとアルコキシケイ素化合物Bの加水分解重縮合反応は、無溶媒下で行うことも可能だが、後述するテトラヒドロフラン(THF)などの両アルコキシケイ素化合物に対して不活性な溶媒を反応溶媒として用いることも可能である。反応溶媒を用いる場合は、反応系を均一にしやすく、より安定した重縮合反応を行えるという利点がある。
【0030】
反応性シルセスキオキサン化合物の合成反応は、前述のように無溶媒で行ってもよいが、反応をより均一化させるために溶媒を使用しても問題ない。溶媒は、両アルコキシケイ素化合物と反応せず、その重縮合物を溶解するものであれば特に限定されない。
このような反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
本発明で用いる反応性シルセスキオキサン化合物は、式[1]で表されるアルコキシケイ素化合物Aと式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物Bとを、酸又は塩基性触媒の存在下で、加水分解重縮合を行うことにより得られる。加水分解重縮合にかかる反応温度は20〜150℃、より好ましくは30〜120℃である。
反応時間は、重縮合物の分子量増加が終了し、分子量分布が安定するのに必要な時間以上なら、特に制限は受けず、より具体的には数時間から数日間である。
【0032】
重縮合反応の終了後、得られた反応性シルセスキオキサン化合物をろ過、溶媒留去等の任意の方法で回収し、必要に応じて適宜精製処理を行うことが好ましい。
【0033】
なお本発明は、上記式[1]で表されるアルコキシケイ素化合物Aと式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物Bとを、塩基の存在下で重縮合し、陽イオン交換樹脂を用いて塩基を除去してなる、反応性シルセスキオキサン化合物の製造方法も対象とする。
上記塩基並びにその使用量は、上述した塩基性化合物及びフッ化物塩からなる群から選択される一種以上の化合物、またその使用量を採用し得、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム及び水酸化テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれる一種以上のものを塩基として使用できる。
また重縮合反応に用いる反応条件等や反応溶媒等は上述したものを採用できる。
そして反応終了後、塩基の除去に使用する陽イオン交換樹脂としてはスルホ基をイオン基として有するイオン交換樹脂が好ましく用いられる。
【0034】
上記陽イオン交換樹脂としては、スチレン系(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)、アクリル系等一般的に使用されている母体構造のものを使用できる。また、イオン基としてスルホ基を有する強酸性イオン交換樹脂、イオン基としてカルボキシ基を有する弱酸性陽イオン交換樹脂の何れであってもよい。さらに、陽イオン交換樹脂の形態としては、粒状、繊維状、膜状といった種々のものを使用できる。これら陽イオン交換樹脂は、市販されているものを好適に使用することができる。
中でも、スルホ基をイオン基として有する強酸性イオン交換樹脂が好ましく用いられる。
【0035】
市販されている強酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト(登録商標)15、同200、同200C、同200CT、同252、同1200H、同IR120B、同IR120H、同IR122Na、同IR124、同IRC50、同IRC86、同IRN77、同IRP−64、同IRP−69、同CG−50、同CG−120、アンバージェット(登録商標)1020、同1024、同1060、同1200、同1220、アンバーリスト(登録商標)15、同15DRY、同15JWET、同16、同16WET、同31WET、同35WET、同36、ダウエックス(登録商標)50Wx2、同50Wx4、同50Wx8、同DR−2030、同DR−G8、同HCR−W2、同650C UPW、同G−26、同88、同M−31、同N−406、ダウエックス(登録商標)モノスフィアー(登録商標)650C、同88、同M−31、同99K/320、同99K/350、同99Ca/320、ダウエックス マラソン(登録商標)MSC、同C[以上、ダウ・ケミカル社製];ダイヤイオン(登録商標)EXC04、同HPK25、同PK208、同PK212、同PK216、同PK220、同PK228L、同RCP160M、同SK1B、同SK1BS、同SK104、同SK110、同SK112、同SK116、同UBK510L、同UBK555[以上、三菱化学(株)製];レバチット(登録商標)MonoPlusS100、同MonoPlusSP112[以上、ランクセス社製]等が挙げられる。
【0036】
また、市販されている弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト(登録商標)CG−50、同FPC3500、同IRC50、同IRC76、同IRC86、同IRP−64、ダウエックス(登録商標)MAC−3[以上、ダウ・ケミカル社製];ダイヤイオン(登録商標)CWK30/S、同WK10、同WK11、同WK40、同WK100、同WT01S[以上、三菱化学(株)製]等が挙げられる。
【0037】
このような反応によって得られた重縮合物は、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwが500〜100,000、好ましくは500〜30,000であり、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.0〜10である。
なお、上記(a)反応性シルセスキオキサン化合物は、[Ar
1SiO
3/2]及び[Ar
2SiO
3/2]で表されるシロキサン単位を少なくとも有する、架橋構造を持つ化合物である。
【0038】
<(b)フルオレン化合物>
本発明に用いられる(b)フルオレン化合物は、式[3]で表される化合物である。
【化17】
上記式[3]中、R
3及びR
4はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、L
1及びL
2はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、又は置換基を有していてもよいナフタレンジイル基を表し、L
3及びL
4はそれぞれ独立して、炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、m及びnはm+nが0乃至40となる0又は正の整数を表す。
【0039】
L
1及びL
2が表す置換基を有していてもよいフェニレン基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基、2−アミノベンゼン−1,4−ジイル基、2,4−ジブロモベンゼン−1,3−ジイル基、2,6−ジブロモベンゼン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
また、L
1及びL
2が表す置換基を有していてもよいナフタレンジイル基としては、1,2−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、2,3−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基等が挙げられる。
【0040】
L
3及びL
4が表す炭素原子数1乃至6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基等が挙げられる。
【0041】
式[3]で表される化合物において、m及びnは、m+nが0乃至30となる場合が好ましく、m+nが2乃至20となる場合がより好ましい。
【0042】
上記式[3]で表される化合物の具体例としては、例えば、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)−9H−フルオレン、オグソール(登録商標)EA−0200、同EA−0300、同EA−F5003、同EA−F5503、同EA−F5510、同EA−F5710、同GA−5000[以上、大阪ガスケミカル(株)製]、NKエステルA−BPEF[新中村化学工業(株)製]等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明の重合性組成物において、(b)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対し10〜500質量部である。中でも、30〜250質量部が好ましい。
【0044】
<(c)芳香族ビニル化合物>
本発明に用いられる(c)芳香族ビニル化合物は、式[4]で表される化合物である。
【化18】
上記式[4]中、R
5は、水素原子又はメチル基を表し、L
5は、単結合、水素原子、酸素原子、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至20のq価の脂肪族炭化水素残基、又はエーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至20のq価の脂肪族炭化水素残基を表し、Ar
3は、p+1価の芳香族炭化水素残基を表し、pはそれぞれ独立して、1又は2を表し、qは1乃至3の整数(ただしL
5が水素原子を表すときqは1を表し、L
5が単結合又は酸素原子を表すときqは2を表す。)を表す。
【0045】
L
5が表す、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至20のq価の脂肪族炭化水素残基又はエーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至20のq価の脂肪族炭化水素残基における炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−エイコサン等の直鎖アルカン;2−メチルプロパン、2,2−ジメチルプロパン等の分岐アルカン;シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカンなどが挙げられ、炭素原子数1乃至20のq価の脂肪族炭化水素残基としては、上記アルカンから1乃至3個の水素原子を除いたアルキル基、アルカンジイル基、アルカントリイル基などが挙げられる。
【0046】
このようなL
5としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、プロパン−2,2−ジイル基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、ジエチレングリコール残基(−CH
2CH
2OCH
2CH
2−)、トリエチレングリコール残基(−(CH
2CH
2O)
2CH
2CH
2−)、ジプロピレングリコール残基(−CH(CH
3)CH
2OCH(CH
3)CH
2−)、オキシテトラメチレンオキシ基、プロパン−1,1,1−トリイル基、プロパン−1,1,3−トリイル基、ブタン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,5−トリイル基等が挙げられる。
【0047】
Ar
3が表す、p+1価の芳香族炭化水素残基としては、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素環から、p+1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
【0048】
上記式[4]で表される化合物の中でも、L
5が水素原子を表し、qが1を表し、pが2を表す化合物であることが好ましい。
【0049】
上記式[4]で表される化合物の具体例としては、例えば、スチレン、1−フェネチル−4−ビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルナフタレン、4,4’−ジビニルビフェニル、ビス(4−ビニルフェニル)エーテル、1−ビニル−2−(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ビニルフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ビニルフェノキシ)プロパン等が挙げられる。
これらの中でも、スチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、2,2−ビス(4−ビニルフェニル)プロパンが好ましく、ジビニルベンゼンがより好ましい。
【0050】
本発明の重合性組成物において、(c)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対し1〜100質量部である。中でも、3〜50質量部が好ましい。
【0051】
<(d)重合開始剤>
本発明の重合性組成物は、上記(a)成分乃至(c)成分に加えて、(d)重合開始剤を含み得る。重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤の何れも使用できる。
【0052】
光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート類、オキシムエステル類、テトラメチルチウラムモノスルフィド類、チオキサントン類等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(159頁、発行人:高薄一弘、発行所:(株)技術情報協会、1991年発行)に記載されているものが挙げられる。
市販されている光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE(登録商標)184、同369、同651、同500、同819、同907、同784、同2959、同CGI1700、同CGI1750、同CGI1850、同CG24−61、同TPO、Darocur(登録商標)1116、同1173[以上、BASFジャパン(株)製]、ESACURE KIP150、同KIP65LT、同KIP100F、同KT37、同KT55、同KTO46、同KIP75[以上、ランベルティ社製]等を挙げることができる。
【0053】
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ類、有機過酸化物類等が挙げられる。
市販されているアゾ系熱重合開始剤としては、例えば、V−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70[以上、和光純薬工業(株)製]等を挙げることができる。
また市販されている有機過酸化物系熱重合開始剤としては、例えば、パーカドックス(登録商標)CH、同BC−FF、同14、同16、トリゴノックス(登録商標)22、同23、同121、カヤエステル(登録商標)P、同O、カヤブチル(登録商標)B[以上、化薬アクゾ(株)製]、パーヘキサ(登録商標)HC、パークミル(登録商標)H、パーオクタ(登録商標)O、パーヘキシル(登録商標)O、同Z、パーブチル(登録商標)O、同Z[以上、日油(株)製]等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
重合開始剤を添加する場合、重合開始剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、その添加量としては、重合性成分、すなわち上記(a)成分乃至(c)成分の総量100質量部に対して0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。
【0055】
また、本発明において好ましい態様は、重合性組成物から得られる硬化物を高屈折率のものとする観点から、得られる硬化物のアッベ数が26以下である重合性組成物である。
【0056】
<その他添加剤>
さらに本発明の重合性組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、レオロジー調整剤、シランカップリング剤等の接着補助剤、顔料、染料、消泡剤などを含有することができる。またその他重合可能な化合物(例えば芳香族基を有するモノ(メタ)アクリレート化合物等)を含んでいてもよい。
【0057】
上記連鎖移動剤としては、例えば、
チオール化合物として、メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、1,4−ビス(3−メルカプトプロピオニルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[2−(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−メルカプトブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート等のメルカプトカルボン酸エステル類;エタンチオール、2−メチルプロパン−2−チオール、n−ドデカンチオール、2,3,3,4,4,5−ヘキサメチルヘキサン−2−チオール(tert−ドデカンチオール)、エタン−1,2−ジチオール、プロパン−1,3−ジチオール、ベンジルチオール等のアルキルチオール類;ベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ナフタレン−2−チオール、ピリジン−2−チオール、ベンゾイミダゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール−2−チオール等の芳香族チオール類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール、3−(トリエトキシシリル)プロパン−1−チオール等のシラン含有チオール類など、
ジスルフィド化合物として、ジエチルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジペンチルジスルフィド、ジイソペンチルジスルフィド、ジヘキシルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ビス(2,3,3,4,4,5−ヘキサメチルヘキサン−2−イル)ジスルフィド(ジ−tert−ドデシルジスルフィド)、ビス(2,2−ジエトキシエチル)ジスルフィド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ジベンジルジスルフィド等のアルキルジスルフィド類;ジフェニルジスルフィド、ジ−p−トリルジスルフィド、ジ(ピリジン−2−イル)ピリジルジスルフィド、ジ(ベンゾイミダゾール−2−イル)ジスルフィド、ジ(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド等の芳香族ジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ビス(ペンタメチレン)チウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類など、
α―メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
【0058】
連鎖移動剤を添加する場合、連鎖移動剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、その添加量としては、重合性成分、すなわち上記(a)成分乃至(c)成分の総量100質量部に対して0.01〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。
【0059】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤等が挙げられるが、中でもフェノール系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、IRGANOX(登録商標)245、同1010、同1035、同1076、同1135[以上、BASFジャパン(株)製]、スミライザー(登録商標)GA−80、同GP、同MDP−S、同BBM−S、同WX−R[以上、住友化学(株)製]、アデカスタブ(登録商標)AO−20、同AO−30、同AO−40、同AO−50、同AO−60、同AO−80、同AO−330[以上、(株)ADEKA製]等が挙げられる。
【0060】
酸化防止剤を添加する場合、酸化防止剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、その添加量としては、重合性成分、すなわち上記(a)成分乃至(c)成分の総量100質量部に対して0.01〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。
【0061】
<重合性組成物の調製方法>
本実施の形態の重合性組成物の調製方法は、特に限定されない。調製法としては、例えば、(a)成分乃至(c)成分、及び必要に応じて(d)成分を所定の割合で混合し、所望によりその他添加剤をさらに添加して混合し、均一な溶液とする方法、これら各成分のうち、例えば(a)成分乃至(c)成分のうち少なくとも二種の成分のうち少なくとも一部を混合して均一な溶液とした後、残りの各成分を加え、所望によりその他添加剤をさらに添加して混合し、均一な溶液とする方法、又はこれらの成分に加えさらに慣用の溶媒を使用する方法等が挙げられる。
【0062】
溶媒を使用する場合、本重合性組成物における固形分の割合は、各成分が溶媒に均一に溶解している限りは特に限定はないが、例えば1〜50質量%であり、又は1〜30質量%であり、又は1〜25質量%である。ここで固形分とは、重合性組成物の全成分から溶媒成分を除いたものである。
【0063】
また、重合性組成物の溶液は、孔径が0.1〜5μmのフィルタなどを用いてろ過した後、使用することが好ましい。
【0064】
<<硬化物>>
また、本発明は、上記重合性組成物を露光(光硬化)又は加熱(熱硬化)して、硬化物を得ることができる。
露光する光線としては、紫外線、電子線、X線等が挙げられる。紫外線照射に用いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、UV−LED等が使用できる。また、露光後、硬化物の物性を安定化させるためにポストベークを施してもよい。ポストベークの方法としては、特に限定されないが、通常、ホットプレート、オーブン等を使用して、50〜260℃、1〜120分間の範囲で行われる。
熱硬化における加熱条件としては、特に限定されないが、通常、50〜300℃、1〜120分間の範囲から適宜選択される。また、加熱手段としては、特に限定されないが、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。
【0065】
本発明の重合性組成物を硬化することにより得られる硬化物は、波長589nmにおける屈折率が1.62以上と高いものであり、また、加熱によるクラックの発生や支持体からの剥離が抑制され、寸法安定性を有するものであるから高屈折率樹脂レンズ用材料として好適に使用することができる。
【0066】
<<成形体>>
本発明の重合性組成物は、例えば、圧縮成形(インプリント等)、注型、射出成形、ブロー成形などの慣用の成形法を使用することによって、硬化物の形成と並行して各種成形体を容易に製造することができる。こうして得られる成形体も本発明の対象である。
成形体を製造する方法としては、例えば接し合う支持体と鋳型との間の空間又は分割可能な鋳型の内部の空間に前述の本発明の重合性組成物を充填する工程、当該充填された組成物を露光して光重合する工程、得られた光重合物を充填された前記空間から取り出して離型する工程、並びに、該光重合物を該離型の前、中途又は後において加熱する工程を含む製造方法が好ましい。
上記重合性組成物を充填する工程は、支持体、例えばガラス基板上に鋳型を載置し、支持体と鋳型との間の空間内に本発明の重合性組成物を充填してもよいし、例えば二、三の部分型に分割可能な鋳型の内部の空間に重合性組成物を充填してもよい。
上記露光して光重合する工程は、前述の<<硬化物>>に示す条件を適用して実施することができる。
上記加熱工程については、光重合物を離型工程の前に又はその後に、離型の中途に、つまり離型の動作と同時に加熱してもよく、さらには離型前から離型後にわたって加熱してもよい。例えば、光重合物を支持体と鋳型との間の充填された空間から取り出し、支持体上で加熱してもよく、また分割可能な鋳型の内部空間に充填された光重合物を、該内部空間から取り出さずに加熱してもよい。
また、上記加熱工程の条件としては、特に限定されないが、通常、50〜260℃、1〜120分間の範囲から適宜選択される。また、加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。
このような方法によって製造された成形体は、カメラモジュール用レンズとして好適に使用することができる。
【実施例】
【0067】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
【0068】
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
装置:(株)島津製作所製 Prominence(登録商標)GPCシステム
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−804L及びGPC KF−803L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:RI
検量線:標準ポリスチレン
(2)ガスクロマトグラフィー(GC)
装置:(株)島津製作所製 GC−2010
カラム:ジーエルサイエンス(株)製 TC−17(内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)
カラム温度:40℃(5分)−5℃/分−120℃−30℃/分−250℃(5分)
検出器:FID
キャリアガス:窒素(全流量68.3mL/分)
(3)撹拌脱泡機
装置:(株)シンキー製 自転・公転ミキサー あわとり練太郎(登録商標)ARE−310
(4)UV露光
装置:アイグラフィックス(株)製 バッチ式UV照射装置(高圧水銀灯2kW×1灯)
(5)屈折率n
D、アッベ数ν
D
装置:(株)アタゴ製 多波長アッベ屈折計DR−M4
測定温度:20℃
(6)ガラス転移温度Tg
装置:TA Instrument社製 動的粘弾性測定装置(DMA)Q800
変形モード:引っ張り
周波数:1Hz
歪:0.1%
掃引温度:25〜250℃
昇温速度:10℃/分
(7)ナノインプリンター
装置:明昌機工(株)製 NM−0801HB
押し付け圧:150N
UV露光量:20mW/cm
2、150秒
(8)リフロー炉
装置:(株)シンアペックス製 卓上型リフロー炉STR−3100
(9)レンズ高さ
装置:三鷹光器(株)製 非接触表面性状測定装置PF−60
(10)
1H NMRスペクトル
装置:Bruker社製 AVANCE III HD
測定周波数:500MHz
溶媒:CDCl
3
内部基準:テトラメチルシラン(δ0.00ppm)
【0069】
また、略記号は以下の意味を表す。
BnA:ベンジルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 ビスコート#160]
DVB:ジビニルベンゼン[新日鐵住金化学(株)製 DVB−810]
FDA:ビスアリールフルオレンジアクリレート[大阪ガスケミカル(株)製 オグソール(登録商標)EA−F5503]
NTMS:トリメトキシ(1−ナフチル)シラン[東レ・ファインケミカル(株)製 1NAPS]
PheTMS:トリメトキシ(9−フェナントリル)シラン
PTMS:トリメトキシ(フェニル)シラン[信越化学工業(株)製]
STMS:トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン[信越化学工業(株)製]
TMOS:テトラメトキシシラン[東京化成工業(株)製]
DDT:n−ドデカンチオール[花王(株)製 チオカルコール20]
I1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][BASFジャパン(株)製 IRGANOX(登録商標)1010]
I184:1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトン[BASFジャパン(株)製 IRGACURE(登録商標)184]
TPO:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド[BASFジャパン(株)製 IRGACURE(登録商標)TPO]
THF:テトラヒドロフラン
【0070】
[実施例1]反応性シルセスキオキサン化合物1(SN55)溶液の製造
凝縮器を備えた200mLの反応フラスコに、35質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液[アルドリッチ社製]2.71g(6.4mmol)、イオン交換水8.87g(482mmol)、及びTHF91gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、STMS36.1g(161mmol)、及びNTMS40.0g(161mmol)の混合物を、室温(およそ23℃)下、10分間で滴下し、40℃で16時間撹拌した。次いで、この反応混合物に、陽イオン交換樹脂[ダウ・ケミカル社製 アンバーリスト(登録商標)15JWET]7.6gを加え、1時間撹拌して反応を停止させた。これを室温(およそ23℃)に冷却した。その後、孔径0.2μmのメンブレンフィルタで陽イオン交換樹脂をろ過し、さらに酢酸エチル15gで洗い流した。このろ液及び洗浄液を併せて、反応性シルセスキオキサン化合物1(以下、SN55と略記することもある)溶液を得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される得られた化合物の重量平均分子量Mwは1,900、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.3であった。
【0071】
[実施例2]反応性シルセスキオキサン化合物2(SP55)溶液の製造
凝縮器を備えた300mLの反応フラスコに、35質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液[アルドリッチ社製]2.97g(7.1mmol)、イオン交換水9.54g(530mmol)、及びTHF90gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、STMS39.6g(177mmol)、及びPTMS35.0g(177mmol)の混合物を、40℃撹拌下、30分間で滴下し、3.5時間撹拌した。これを室温(およそ23℃)に冷却した。次いで、この反応混合物に、予めTHFで洗浄した陽イオン交換樹脂[ダウ・ケミカル社製 アンバーリスト(登録商標)15JWET]7.5g、及びろ過助剤[日本製紙(株)製 KCフロック W−100GK]1.5gを加え、2時間撹拌して反応を停止させた。その後、孔径0.2μmのメンブレンフィルタで陽イオン交換樹脂及びろ過助剤をろ過し、さらにTHF15gで洗い流した。このろ液及び洗浄液を併せて、反応性シルセスキオキサン化合物2(以下、SP55と略記することもある)溶液を得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される得られた化合物の重量平均分子量Mwは4,000、分散度:Mw/Mnは1.8であった。
【0072】
[実施例3]反応性シルセスキオキサン化合物1(SN55)/DVB溶液の製造
実施例1で得られたSN55溶液にDVB17.1gを加え、均一に混合した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、THF、酢酸エチル、残存した水、及びその他の揮発分を減圧留去し、SN55/DVB溶液を得た。
得られた溶液のGC定量分析によるSN55の含有率は85質量%、DVBの含有率は15質量%であった。
【0073】
[製造例1]反応性シルセスキオキサン化合物1(SN55)/BnA溶液の製造
実施例1に記載の方法に従い、反応性シルセスキオキサン化合物1溶液を得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される得られた化合物の重量平均分子量Mwは2,100、分散度:Mw/Mnは1.3であった。
次に、得られたSN55溶液にBnA17.1gを加え、均一に混合した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、THF、酢酸エチル、残存した水、及びその他の揮発分を減圧留去し、SN55/BnA溶液を得た。
得られた溶液のGC定量分析によるSN55の含有率は75質量%、BnAの含有率は25質量%であった。
【0074】
[製造例2]反応性シルセスキオキサン化合物2(SP55)/BnA溶液の製造
実施例2で得られたSP55溶液にBnA9.3gを加え、均一に混合した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、THF、残存した水、及びその他の揮発分を減圧留去し、SP55/BnA溶液を得た。
得られた溶液のGC定量分析によるSP55の含有率は75質量%、BnAの含有率は25質量%であった。
【0075】
[実施例4]重合性組成物1の調製
(a)反応性シルセスキオキサン化合物として実施例3で製造したSN55/DVB溶液47.9質量部(SN55 40.7質量部、DVB7.2質量部)、(b)フルオレン化合物としてFDA42.7質量部、(c)芳香族ビニル化合物としてDVB9.4質量部(上記SN55/DVB溶液に含まれるDVBと併せて16.6質量部)、連鎖移動剤(反応促進剤)としてDDT0.5質量部、酸化防止剤としてI1010 0.5質量部、並びに重合開始剤としてI184 2質量部及びTPO 0.5質量部を、50℃で3時間撹拌混合した。さらに10分間撹拌脱泡することで重合性組成物1を調製した。
【0076】
[実施例5,6]重合性組成物2,3の調製
各組成を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例4と同様に操作し、重合性組成物2,3を調製した。なお、表1中、「部」は「質量部」を表す。
【0077】
[比較例1]重合性組成物4の調製
(a)反応性シルセスキオキサン化合物として製造例1で製造したSN55/BnA溶液54.3質量部(SN55 40.7質量部、BnA13.6質量部)、(b)フルオレン化合物としてFDA42.7質量部、(c)芳香族ビニル化合物に替えてBnA3.0質量部(上記SN55/BnA溶液に含まれるBnAと併せて16.6質量部)、連鎖移動剤(反応促進剤)としてDDT0.5質量部、酸化防止剤としてI1010 0.5質量部、並びに重合開始剤としてI184 2質量部及びTPO 0.5質量部を、50℃で3時間撹拌混合した。さらに10分間撹拌脱泡することで重合性組成物4を調製した。
【0078】
[比較例2]重合性組成物5の調製
(a)反応性シルセスキオキサン化合物として製造例2で製造したSP55/BnA溶液を使用した以外は比較例1と同様に操作し、重合性組成物5を調製した。
【0079】
【表1】
【0080】
[硬化物の光学特性評価1]
各重合性組成物を、800μm厚のシリコーンゴム製スペーサーとともに、離型処理したガラス基板2枚で挟み込んだ。この挟み込んだ重合性組成物を、20mW/cm
2で150秒間UV露光し、さらに150℃のオーブンで15分間加熱した。室温(およそ23℃)まで冷却後、硬化物をガラス基板から剥離することで、直径30mm、厚さ800μmの試験片を作製した。
得られた試験片のD線(波長589nm)における屈折率n
D、及びアッベ数ν
Dを測定した。結果を表2に示す。
【0081】
[硬化物の物性評価]
各重合性組成物を、離型処理したガラス基板上に置いた中央部を30mm×7mmの矩形に切り抜いた200μm厚のシリコーン製型枠中に流し込み、別の離型処理したガラス基板を上方から被せた。この二枚のガラス基板で挟み込んだ型枠中の重合性組成物を、20mW/cm
2で150秒間UV露光し、さらに150℃のオーブンで15分間加熱した。室温(およそ23℃)まで冷却後、硬化物をガラス基板から剥離することで、長さ30mm、幅7mm、厚さ200μmの試験片を作製した。
得られた試験片の、ガラス転移温度Tgを評価した。なお、Tgについては、DMAにより貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E’’を測定し、これらから求められるtanδ(損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’)の値が極大を示す温度をTgとした。また、tanδのピークが明確に観測されず、tanδの極大値が非常に小さいもの(0.25以下)についてはTgを「なし」とした。結果を表2に併せて示す。
【0082】
【表2】
【0083】
表2に示すように、実施例4乃至実施例6に示す本発明の重合性組成物から得られた硬化物は、1.62以上の高い屈折率を示し、かつ26以下の低いアッベ数を示すことが確認された。さらに、測定温度範囲(25〜250℃)において何れも明確なTgを持たないとする結果が得られ、本発明の重合性組成物はその硬化物の加熱時(260℃のはんだリフロー工程等)において非常に有利な寸法安定性を有していることが確認された。
一方、芳香族ビニル化合物を添加しない硬化物(比較例1,2)にあっては、屈折率が著しく低いという結果が得られた。また、比較例1の硬化物にあっては、126℃に明確なガラス転移点が観測され、加熱時の寸法安定性に欠けることが確認された。
【0084】
[実施例7,8]
重合性組成物1,2について、ニッケル製の鋳型(2mm径レンズ型を縦5列×横5列の25個配置)を用い、支持体としてのガラス基板上にナノインプリンターを用いてレンズ状に成形した。なお、使用した鋳型は、予めNovec(登録商標)1720[3M社製]で離型処理した。また、使用したガラス基板は、予め信越シリコーン(登録商標)KBM−503[信越化学工業(株)製]で密着処理した。鋳型を外した後、150℃のオーブンで20分間加熱することで、該ガラス基板上に凸レンズを作製した。
上記工程中の鋳型を外す際の離型性を、以下の基準に従い目視で評価した。結果を表3に示す。
得られたガラス基板上の凸レンズの任意の5個について、リフロー炉を用いた加熱試験前後のレンズ高さ(厚み)を非接触表面性状測定装置で測定し、その変化率(=(加熱前レンズ高さ−加熱後レンズ高さ)÷加熱前レンズ高さ×100)から加熱による寸法安定性を評価した。また、加熱試験後のレンズにおけるクラックの発生の有無を非接触表面性状測定装置に付属のマイクロスコープで観察した。なお、加熱試験は、各重合性組成物につき、得られた凸レンズをガラス基板ごとリフロー炉に入れ、1)260℃まで3分間で昇温、2)260℃で20秒間保持、3)50℃まで放冷、の3ステップを3回繰り返した。結果を表3に併せて示す。
【0085】
<離型性評価基準>
A:全てのレンズがきれいに離型する
B:一部のレンズが鋳型内に残る
C:全てのレンズが鋳型内に残る
【0086】
【表3】
【0087】
カメラモジュール用レンズを想定した場合、リフロー工程後のレンズ高さの変化率は±1.0%未満、特に±0.5%未満であることが望ましい。表3に示すように、本発明の重合性組成物から得られた硬化物(凸レンズ)(実施例7,8)は、260℃でのリフロー工程を3回経てもレンズ高さの変化が小さく、寸法安定性が高いという結果が得られた。また、これらの硬化物は、ナノインプリンターによる成形後(UV硬化後)に硬化物が鋳型に全く残存せず、離型性が良好とする結果が得られた。
【0088】
[製造例3]トリメトキシ(9−フェナントリル)シラン(PheTMS)の製造
凝縮器を備えた500mLの反応フラスコに、マグネシウム切削片[関東化学(株)製]10.4g(0.43mol)を仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、9−ブロモフェナントレン[東京化成工業(株)製]100.3g(0.39mol)、及びTHF346gの混合物を、室温(およそ23℃)下、1時間で滴下し、さらに30分間撹拌することで、グリニャール試薬を調製した。
1Lの反応フラスコに、TMOS178.0g(1.17mol)、及びTHF346gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、上記グリニャール試薬を、室温(およそ23℃)下、30分間で滴下し、さらに2時間撹拌した。この反応混合物から、エバポレーターを用いてTHFを減圧留去した。得られた残渣に、ヘキサン1,000gを加え、可溶物を溶解した後、不溶物をろ別した。この不溶物に、再度ヘキサン500gを加え、同様に不溶物をろ別した。それぞれのろ液を混合し、エバポレーターを用いてヘキサンを減圧留去することで、粗生成物を得た。粗生成物を減圧蒸留(1mmHg、120〜150℃)した後、メタノール389gで再結晶することで、目的とするPheTMS74.6g(収率64%)を得た。
得られた化合物の
1H NMRスペクトルを
図1に示す。
【0089】
[実施例9]反応性シルセスキオキサン化合物3(SPe55)の製造
凝縮器を備えた200mLの反応フラスコに、35質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液[アルドリッチ社製]2.40g(5.7mmol)、イオン交換水7.69g(426mmol)、及びTHF60gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、STMS31.9g(142mmol)、及び製造例3に従って製造したPheTMS42.5g(142mmol)の混合物を、室温(およそ23℃)下、10分間で滴下し、40℃で4時間撹拌した。これを室温(およそ23℃)に冷却した。次いで、この反応混合物に、予めTHFで洗浄した陽イオン交換樹脂[ダウ・ケミカル社製 アンバーリスト(登録商標)15JWET]7.4g、及びろ過助剤[日本製紙(株)製 KCフロック W−100GK]1.5gを加え、1時間撹拌して反応を停止させた。その後、孔径0.5μmのメンブレンフィルタで陽イオン交換樹脂及びろ過助剤をろ過し、さらに酢酸エチル75gで洗い流した。このろ液及び洗浄液を併せて、メタノール2,300gに添加してポリマーを沈殿させた。この沈殿物をろ過、乾燥することで、目的とする反応性シルセスキオキサン化合物3(以下、SPe55と略記することもある)50.2gを得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される得られた化合物の重量平均分子量Mwは1,800、分散度:Mw/Mnは1.2であった。
【0090】
[実施例10]反応性シルセスキオキサン化合物4(SPe46)の製造
凝縮器を備えた200mLの反応フラスコに、35質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液[アルドリッチ社製]0.235g(0.56mmol)、イオン交換水0.803g(44.6mmol)、及びTHF6gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。ここへ、STMS2.51g(11.2mmol)、及び製造例3に従って製造したPheTMS5.00g(16.8mmol)の混合物を、室温(およそ23℃)下、10分間で滴下し、40℃で4時間撹拌した。これを室温(およそ23℃)に冷却した。次いで、この反応混合物に、予めTHFで洗浄した陽イオン交換樹脂[ダウ・ケミカル社製 アンバーリスト(登録商標)15JWET]0.75g、及びろ過助剤[日本製紙(株)製 KCフロック W−100GK]0.15gを加え、1時間撹拌して反応を停止させた。その後、孔径0.5μmのメンブレンフィルタで陽イオン交換樹脂及びろ過助剤をろ過し、さらに酢酸エチル7.5gで洗い流した。このろ液及び洗浄液を併せて、メタノール225gに添加してポリマーを沈殿させた。この沈殿物をろ過、乾燥することで、目的とする反応性シルセスキオキサン化合物4(以下、SPe46と略記することもある)4.64gを得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される得られた化合物の重量平均分子量Mwは1,570、分散度:Mw/Mnは1.1であった。
【0091】
[実施例11]重合性組成物6の調製
(a)反応性シルセスキオキサン化合物として実施例9で製造したSPe55 45質量部、(b)フルオレン化合物としてFDA28質量部、(c)芳香族ビニル化合物としてDVB12質量部、その他の重合性化合物としてBnA15質量部、連鎖移動剤(反応促進剤)としてDDT3質量部、酸化防止剤としてI1010 0.5質量部、並びに重合開始剤としてI184 2質量部及びTPO 0.5質量部を、50℃で3時間撹拌混合した。さらに10分間撹拌脱泡することで重合性組成物6を調製した。
【0092】
[実施例12]重合性組成物7の調製
各組成を表4に記載のとおりに変更した以外は実施例11と同様に操作し、重合性組成物7を調製した。なお、表4中、「部」は「質量部」を表す。
【0093】
【表4】
【0094】
[硬化物の光学特性評価2]
重合性組成物6,7について、前述の[硬化物の光学特性評価1]に従って評価した。結果を表5に示す。
【0095】
【表5】
【0096】
表5に示すように、実施例11及び実施例12に示す本発明の重合性組成物から得られた硬化物は、1.62以上の高い屈折率を示し、かつ24以下のより低いアッベ数を示すことが確認された。
【0097】
[実施例13,14]
重合性組成物6,7について、離型後のオーブンでの加熱温度を180℃に変更した以外は実施例7と同様にして凸レンズを作製、評価した。結果を表6に示す。
【0098】
【表6】
【0099】
表6に示すように、本発明の重合性組成物から得られた硬化物(凸レンズ)(実施例13,14)は、260℃でのリフロー工程を3回経てもレンズ高さの変化がより小さく、寸法安定性がより高いという結果が得られた。また、これらの硬化物は、ナノインプリンターによる成形後(UV硬化後)に硬化物が鋳型に全く残存せず、離型性が良好とする結果が得られた。