(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1乃至4に記載された構成では、基板の各面(例えば、上面及び下面)に供給する薬液の流量及び濃度を独立に制御することができない。
また、基板の各面の何れか一方のみに薬液を供給する場合には、洗浄装置内の各流路に開閉弁を設けて薬液の流通及び遮断を制御する必要がある。
また、近年、工場内の複数の装置に共通の供給源から薬液及び/又はDIWを供給することが行われており、装置の設置場所によっては、洗浄薬液供給装置に供給される薬液及
び/又はDIWの圧力が低い場合がある。このように、洗浄薬液供給装置への薬液及び/又はDIW供給圧力が低い場合、従来の構成の洗浄薬液供給装置及び洗浄装置内の流路及び構成の圧損のままでは、基板に対して十分な流量の薬液を供給できない可能性がある。
例えば、従来の洗浄ユニットでは、基板の各面に薬液及び又はDIWを供給する場合、共通の流路から基板の各面側にそれぞれ流路を分岐させ、一方の流路に絞りを設けて流量を調整している。洗浄薬液供給装置への薬液及び/又はDIW供給圧力が低い場合、絞りの部分での圧損によって基板に対して十分な流量の薬液を供給できない可能性がある。
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 形態1によれば、洗浄のための薬液を洗浄装置に供給するための洗浄薬液供給装置が提供される。この洗浄薬液供給装置は、 薬液入口部及び希釈水入口部と、 前記薬液入口部及び前記希釈水入口部に流体的に接続された第1薬液制御部と、 前記薬液入口部及び前記希釈水入口部に流体的に接続された第2薬液制御部と、を備える。前記第1薬液制御部は、 前記薬液入口部からの薬液の供給を受け、前記薬液の流量を制御するように構成された第1薬液流量制御部と、 前記希釈水入口部からの希釈水の供給を受け、前記希釈水の流量を制御するように構成された第1希釈水流量制御部と、 前記第1薬液流量制御部及び前記第1希釈水流量制御部からの前記薬液及び前記希釈水を混合する第1混合部と、を有する。前記第2薬液制御部は、 前記薬液入口部からの前記薬液の供給を受け、前記薬液の流量を制御するように構成された第2薬液流量制御部と、 前記希釈水入口部からの前記希釈水の供給を受け、前記希釈水の流量を制御するように構成された第2希釈水流量制御部と、前記第2薬液流量制御部及び前記第2希釈水流量制御部からの前記薬液及び前記希釈水を混合する第2混合部と、を有する。
【0007】
形態1によれば、同一の薬液供給源からの薬液を第1及び第2薬液制御部において独立に希釈し、薬液の流量及び濃度を独立に制御することができる。例えば、基板の各面に供給する薬液の流量及び濃度を独立に制御することができる。
また、第1及び第2薬液制御部からそれぞれ薬液を出力する構成であるため、第1及び第2薬液制御部内又は第1及び第2薬液制御部に関連して弁を設ければ、第1及び第2薬液制御部の何れかからの薬液の出力を停止することができる。よって、洗浄薬液供給装置内の制御によって、基板の上面又は下面の何れか一方のみに薬液を供給することが可能である。従って、基板の第1面及び第2面の何れか一方のみに薬液を供給するために、洗浄装置内に追加の弁等を設置する必要がない。
また、第1及び第2薬液制御部がそれぞれの薬液の流量を制御できるため、共通の流路から薬液を基板の各面側に分岐させる場合のように、絞りを使用して流量を調整する必要がない。従って、薬液及び希釈水が、洗浄薬液供給装置及び洗浄装置の流路上で受ける圧損が低減され、洗浄装置への薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。例えば、洗浄薬液供給装置への薬液及び/又は希釈水の供給圧力(入力圧力)が低い場合であっても、基板の各面に供給する薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。
【0008】
[2] 形態2によれば、形態1の洗浄薬液供給装置において、 前記第1及び第2薬液流量制御部ならびに前記第1及び第2希釈水流量制御部の各々は、 前記薬液又は前記希釈水の流量を検出するための流量計と、 前記流量計の検出値に基づいて前記薬液又は前記希釈水の流量をフィードバック制御する流量制御弁と、を有する。
形態2によれば、流量計と流量制御弁とを備える流量制御部を使用することによって、コンピュータ等の制御部からの信号によって薬液及び/又は希釈水の流量を簡易かつ正確に制御することが可能である。例えば、基板の各面側への薬液の流量を絞りで制御する場合と比較して、流路上の圧損を低減することができる。また、絞りの開度を手動で調整する場合に比較すると、流量計と流量制御弁とを備える流量制御部では、流量の制御を自動的に行える点で有利である。
【0009】
[3] 形態3によれば、形態2の洗浄薬液供給装置において、 前記第1及び第2薬液流量制御部ならびに前記第1及び第2希釈水流量制御部の少なくとも1つは、前記流量計として超音波流量計を有する。
形態3によれば、超音波流量計を使用することにより、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用する場合に比較して、流量計における圧損を小さくすることができる。この構成では、流路上の圧損を低減して基板に供給できる流量の低下を抑制することができるので、洗浄薬液供給装置への薬液及び/又は希釈水の供給圧力が低い場合に、特に有利である。
【0010】
[4] 形態4によれば、形態2又は3の洗浄薬液供給装置において、 前記第1及び第2薬液流量制御部ならびに前記第1及び第2希釈水流量制御部の少なくとも1つにおいて、前記流量制御弁はモータによって開度が変更されるモータバルブである。
形態4によれば、モータによって流量制御弁の開度を変更することにより、迅速かつ正確に流量制御弁の開度を調整することができる。
【0011】
[5] 形態5によれば、形態1乃至4の何れかの洗浄薬液供給装置において、 前記第1薬液制御部は、前記第1混合部の下流側にサックバック弁ユニットを更に備える。
形態5によれば、第1薬液制御部からの希釈後の薬液の出力をサックバック弁ユニットによって流通/停止することができる。サックバック弁ユニットによれば、第1薬液制御部からの出力を遮断する際に、ノズルからの液だれを抑制ないし防止することができる。
【0012】
[6] 形態6によれば、洗浄ユニットが提供され、この洗浄ユニットは、形態1乃至5の何れかの洗浄薬液供給装置と、前記洗浄薬液供給装置に接続された前記洗浄装置と、を備え、 前記第1及び第2薬液制御部は、前記洗浄装置内に設置された同一の基板の第1面及び第2面にそれぞれ前記希釈後の薬液を供給するように構成されている。
形態6によれば、同一の薬液供給源からの薬液を第1及び第2薬液制御部に導入し、第1及び第2薬液制御部で独立に流量及び濃度を制御した薬液をそれぞれ、基板の第1面及び第2面に供給することによって、基板の第1面及び第2面に供給する薬液の流量及び濃度を独立に制御することができる。
また、第1及び第2薬液制御部からそれぞれ薬液を出力する構成であるため、第1及び第2薬液制御部内又は第1及び第2薬液制御部に関連して弁を設ければ、第1及び第2薬液制御部の何れかからの薬液の出力を停止することができる。よって、洗浄薬液供給装置内の制御によって、基板の第1面及び第2面の何れか一方のみに薬液を供給することが可能である。従って、基板の第1面及び第2面の何れか一方のみに薬液を供給するために、洗浄装置内に追加の弁等を設置する必要がない。
また、第1及び第2薬液制御部がそれぞれの薬液の流量を制御できるため共通の流路から薬液を基板の第1面側及び第2面側に分岐させる場合のように、絞りを使用して流量を調整する必要がない。従って、薬液及び希釈水が、洗浄薬液供給装置及び洗浄装置の流路上で受ける圧損が低減され、洗浄装置への薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。例えば、洗浄薬液供給装置への薬液及び/又は希釈水の供給圧力が低い場合であっても、基板の第1面及び第2面に供給する薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。
【0013】
[7] 形態7によれば、形態6の洗浄ユニットにおいて、 前記第2薬液制御部は、更に、前記洗浄装置内で洗浄を待機する基板に前記希釈後の薬液を供給するように構成されている。
基板の下面に薬液を供給する第2薬液制御部から洗浄を待機する基板に薬液を供給することによって、待機する基板に薬液を供給するための別途の構成を省略することができ、流体回路の構成を簡易にすることができる。
【0014】
[8] 形態8によれば、 洗浄ユニットを制御する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した記憶媒体が提供される。この記録媒体は、 薬液入口部からの薬液の供給を受け、前記薬液の流量を第1及び第2薬液流量制御部によって独立に制御すること、 希釈水入口部からの希釈水の供給を受け、前記希釈水の流量を第1及び第2希釈水流量制御部によって独立に制御すること、 前記第1薬液流量制御部及び前記第1希釈水流量制御部で流量を制御された前記薬液及び前記希釈水を第1混合部で混合して、前記希釈後の薬液を前記洗浄装置に出力すること、 前記第2薬液流量制御部及び前記第2希釈水流量制御部で流量を制御された前記薬液及び前記希釈水を第2混合部で混合して、前記希釈後の薬液を前記洗浄装置に出力すること、をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【0015】
形態8によれば、同一の薬液供給源からの薬液を第1及び第2薬液制御部において独立に希釈し、薬液の流量及び濃度を独立に制御することができる。
また、第1及び第2薬液制御部からそれぞれ薬液(希釈後の薬液)を出力する構成であるため、第1及び第2薬液制御部の何れかからの薬液の出力を停止することができる。
また、第1及び第2薬液制御部がそれぞれの薬液の流量を制御できるため、共通の流路から薬液を分岐させる場合のように、絞りを使用して流量を調整する必要がない。従って、薬液及び希釈水が、洗浄薬液供給装置及び洗浄装置の流路上で受ける圧損が低減され、洗浄装置への薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。
【0016】
[9] 形態9によれば、形態8の記憶媒体において、 更に、前記第1及び第2混合部からの前記希釈後の薬液を同一の基板の第1面及び第2面に供給すること、をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。基板の第1面及び第2面に供給する薬液の流量及び濃度を独立に制御することができる。洗浄薬液供給装置内の制御によって、基板の第1面又は第2面の何れか一方のみに薬液を供給することが可能である。従って、基板の第1面又は第2面の何れか一方のみに薬液を供給するために、洗浄装置内に追加の弁等を設置する必要がない。また、洗浄薬液供給装置への薬液及び/又は希釈水の供給圧力が低い場合であっても、基板の第1面又は第2面に供給する薬液の流量の低下を抑制ないし防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る洗浄薬液供給装置を示す概略正面図である。本実施形態の洗浄薬液供給装置100は、洗浄のための薬液(例えばフッ酸やアンモニアなど)を、基板処理装置が有する洗浄装置200に供給可能に構成される。基板処理装置は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置等の研磨装置を含む。
【0019】
図1に示すように、一実施形態に係る洗浄薬液供給装置100は、ケース101と、第1薬液希釈ボックス(第1薬液制御部)120と、第2薬液希釈ボックス(第2薬液制御部)130と、複数の薬液ユーティリティボックス50と、を有する。第1薬液希釈ボッ
クス120と、第2薬液希釈ボックス130と、複数の薬液ユーティリティボックス50は、ケース101内に収納される。第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130は、薬液と、希釈水とを混合し、流量及び濃度を調整した薬液(希釈後の薬液)を生成する。希釈水は、DIW(De−Ionized Water)、その他の希釈媒体である。以下の説明では、希釈水は、DIWであるとして説明するが、希釈水はDIW以外の希釈媒体であってもよい。洗浄薬液供給装置100において、薬液ユーティリティボックス50は、薬液供給源20からの薬液を洗浄薬液供給装置100に導入するための構成である。図示の例では、6つの薬液ユーティリティボックス50が洗浄薬液供給装置100に設けられているが、これは一例であり、洗浄装置200の仕様に応じて薬液ユーティリティボックス50の数は適宜変更される。
【0020】
図2は、一実施形態に係る洗浄ユニットの流体回路図である。洗浄ユニット10は、洗浄薬液供給装置100と、洗浄装置200とを備えている。洗浄薬液供給装置100において、薬液ユーティリティボックス50は、薬液供給源20(
図2参照)に接続される入力部51と、開閉弁52と、ロックアウト弁53と、圧力計54とを備えている。開閉弁52は、制御装置110からの信号によって開閉制御される。ロックアウト弁53は、手動で開閉される弁であり、例えば、メンテナンス時に洗浄薬液供給装置100から薬液供給源20を切り離す際に使用される。圧力計54は、薬液供給源20から洗浄薬液供給装置100に導入される薬液の圧力を検出する。この例では、入力部51が薬液入口部を構成する。薬液ユーティリティボックス50が省略される場合には、洗浄薬液供給装置100の薬液供給源20との接続部が、薬液入口部を構成する。
【0021】
制御装置110は、例えば、洗浄薬液供給装置100に対して設けられる制御装置であってもよいし、洗浄ユニット10に対して設けられる制御装置であってもよいし、洗浄ユニット10が設けられる研磨装置等の基板処理装置に対して設けられる制御装置であってもよい。制御装置110は、マイクロコンピュータ、シーケンサー等のコンピュータまたは制御回路と、制御回路で実行されるプログラムを格納した記録媒体(揮発性、不揮発性メモリ等)と、を備えている。プログラムには、洗浄薬液供給装置100及び洗浄装置200による薬液(希釈後の薬液)の供給、洗浄を実施するプログラムが含まれている。このプログラムに従って、洗浄薬液供給装置100及び洗浄装置200の各部が制御される。なお、上記プログラムは、制御装置110に着脱可能な記録媒体(CD、フラッシュメモリ等)に格納されてもよい。また、制御装置110が有線又は無線を介して読み込み可能な記録媒体に格納されてもよい。
【0022】
洗浄薬液供給装置100は、さらに、DIW供給源30からのDIWを洗浄薬液供給装置100に導入するためのレギュレータ60を備えている。レギュレータ60は、DIW供給源30からのDIWの圧力を調整して、配管90、91、92を介して、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130に出力する。この例では、レギュレータ60の入力部61が希釈水入口部を構成する。レギュレータ60が省略される場合には、洗浄薬液供給装置100のDIW供給源30との接続部が、希釈水入口部を構成する。
【0023】
第1薬液希釈ボックス120は、薬液及びDIWの流量をそれぞれ制御し、所望の流量及び濃度の薬液(希釈後の薬液)を出力する。第1薬液希釈ボックス120の入力部は、配管80、81を介して薬液ユーティリティボックス50に接続されるとともに、配管90、91を介してレギュレータ60に接続されている。第1薬液希釈ボックス120の出力部は、配管85を介して、洗浄装置200の洗浄部210のノズル211に接続されている。
【0024】
第1薬液希釈ボックス120は、第1薬液CLC(第1薬液流量制御部)121と、第1DIWCLC(第1希釈水流量制御部)122と、混合部123と、を備えている。C
LC(Closed Loop Controller)は、
図3に示すような閉ループ制御装置からなる流量制御弁ユニットであり、詳細は後述する。第1薬液CLC121は、薬液ユーティリティボックス50からの薬液の流量を制御し、出力する。第1DIWCLC122は、レギュレータ60からのDIWの流量を制御し、出力する。第1薬液CLC121の出力部は、配管83に接続されている。第1DIWCLC122の出力部は、配管93に接続されている。配管83及び配管93は、配管85に合流する。配管83、配管93、配管85の合流点が、混合部123を構成する。混合部123は、第1薬液CLC121で流量が制御された薬液と、第1DIWCLC122が流量が制御されたDIWとを混合し、所望の流量及び濃度の薬液(希釈後の薬液)を出力する。制御装置110からの信号によって第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122で設定される薬液及びDIWの流量に応じて、希釈後の薬液の流量及び濃度が決定される。
【0025】
図3は、一実施形態に係る流量制御弁ユニット(CLC)の構成を示す構成図である。第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122は、
図3に示すように、流量計1212と、流量制御弁(内部コントロールバルブ)1211と、制御部1213と、を備えている。第1薬液CLC121の流量計1212は、超音波流量計である。圧損低減の観点からは、流量計1212は、超音波流量計を使用することが好ましいが、洗浄薬液供給装置100及び洗浄装置200全体での圧損を考慮して、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用してもよい。第1DIWCLC122の流量計1212は、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用する。なお、第1DIWCLC122の流量計1212として、超音波流量計を採用してもよい。流量制御弁1211は本実施形態では、モータバルブであり、弁本体1211aの開度がモータを備える駆動源1211bの動力によって制御される。流量制御弁1211は、開度が調整可能な弁であればよく、他の種類の可変流量弁(例えば、ソレノイド等で駆動される電磁弁)であってもよい。制御部1213は、マイクロコンピュータ等の制御回路と、制御回路で実行されるプログラムを格納したメモリとを備えている。制御回路及びメモリは、例えば、制御基板に実装されている。制御部1213は、制御装置110から流体の流量設定値iTを受け取るとともに、流量計1212から流体の流量検出値ioを受け取り、流量検出値ioが流量設定値iTに一致するように流量制御弁1211をフィードバック制御する。第1薬液CLC121では、流体は薬液であり、第1DIWCLC122では、流体はDIWである。
なお、ここでは、流量計、流量制御弁、及び制御部を含む流量制御弁ユニット(CLC)を例示するが、これらの一部又は全部を別体で設けても良い。例えば、流量計1212と流量制御弁1211とを別体で設け、制御部1213に代えて(又は制御部1213を介して)、制御装置110が流量計1212からの検出値に基づいて流量制御弁1211を制御し、流量を制御するようにしてもよい。制御装置110は、適宜、他の駆動回路を介して流量制御弁1211を制御してもよい。
【0026】
第1薬液希釈ボックス120は、
図2に示すように、サックバック弁ユニット141と、圧力計142と、を更に備えている。サックバック弁ユニット141は、液だれ防止機能を有する開閉弁である。サックバック弁ユニット141は、ダイヤフラムの変形による容積変化を生じる機能によって下流側の流体を吸引するサックバック弁と、流路を開閉する開閉弁(ストップ弁、二方弁)と、を備える弁ユニットである。サックバック弁ユニット141によれば、第1薬液希釈ボックス120からの薬液(希釈後の薬液)の出力を遮断する際に、ノズル211(
図2参照)からの液だれを抑制ないし防止することができる。圧力計142は、混合部123が出力する薬液(希釈後の薬液)の圧力を検出するものであり、配管83と、配管93とが合流する配管85における薬液(希釈後の薬液)の圧力を検出する。
【0027】
第2薬液希釈ボックス130は、薬液及びDIWの流量をそれぞれ制御し、所望の流量及び濃度の薬液(希釈後の薬液)を出力する。第2薬液希釈ボックス130は、第1薬液
希釈ボックス120の制御とは独立に、薬液及びDIWの流量をそれぞれ制御する。第2薬液希釈ボックス130の入力部は、配管80、配管82を介して薬液ユーティリティボックス50に接続されるとともに、配管90、配管92を介してレギュレータ60に接続されている。第2薬液希釈ボックス130の出力部は、配管95を介して、洗浄装置200の洗浄部210のノズル212に接続されるとともに、配管96を介して、洗浄装置200の待機部230のノズル(図示せず)に接続されている。
【0028】
第2薬液希釈ボックス130は、第2薬液CLC(第2薬液流量制御部)131と、第2DIWCLC(第2希釈水流量制御部)132と、混合部133と、を備えている。第2薬液CLC131は、薬液ユーティリティボックス50からの薬液の流量を制御し、出力する。第2DIWCLC132は、レギュレータ60からのDIWの流量を制御し、出力する。第2薬液CLC131の出力部は、配管84に接続されている。第2DIWCLC132の出力部は、配管94に接続されている。配管84及び配管94は、配管86に合流する。配管84、配管94、配管86の合流点が、混合部133を構成する。混合部133は、第2薬液CLC131で流量が制御された薬液と、第2DIWCLC132が流量が制御されたDIWとを混合し、所望の流量及び濃度の薬液(希釈後の薬液)を出力する。制御装置110からの信号によって第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132で設定される薬液及びDIWの流量に応じて、希釈後の薬液の流量及び濃度が決定される。
【0029】
第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132は、第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122と同様に、
図3に示す構成を有する。第2薬液CLC131の流量計1212は、第1薬液CLC121と同様に、超音波流量計である。圧損低減の観点からは、流量計1212は、超音波流量計を使用することが好ましいが、洗浄薬液供給装置100及び洗浄装置200全体での圧損を考慮して、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用してもよい。第2DIWCLC132の流量計1212は、第1DIWCLC122と同様に、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用する。なお、第2DIWCLC132の流量計1212として、超音波流量計を採用してもよい。第2薬液CLC131では、流体は薬液であり、第2DIWCLC132では、流体はDIWである。その他の構成は、前述した通りであるので、説明を省略する。
【0030】
第2薬液希釈ボックス130は、
図2に示すように、開閉弁151と、開閉弁152と、圧力計142と、を更に備えている。開閉弁151は、配管86から分岐した配管95に設けられている。開閉弁151は、混合部133と、洗浄装置200の基板下面側のノズル212との間の流体的な接続を開放、遮断する。開閉弁152は、配管86から分岐した配管96に設けられている。開閉弁152は、混合部133と、洗浄装置200の待機部230との間の流体的な接続を開放、遮断する。圧力計153は、混合部133が出力する薬液(希釈後の薬液)の圧力を検出するものであり、配管84と、配管94とが合流する配管86における薬液の圧力を検出する。
【0031】
洗浄装置200は、研磨装置等の基板処理装置に設置され、基板Wを洗浄する装置である。洗浄装置200は、
図2に示すように、配管85、95、96を介して、洗浄薬液供給装置100に接続されており、洗浄薬液供給装置100から薬液(希釈後の薬液)及び/又はDIWの供給を受ける。洗浄装置200は、洗浄部210と、待機部230とを備えている。洗浄部210は、基板Wの第1面及び第2面(この例では、上面及び下面)に薬液(希釈後の薬液)を供給し、この薬液によって基板Wを洗浄する。待機部230には、洗浄部210での洗浄を待機する基板が配置される。なお、洗浄装置200が、DIWによって洗浄されるDIW洗浄部を備える場合には、DIWを供給する配管が洗浄薬液供給装置100に設けられてもよい。基板Wの第1面及び第2面は、何れが基板Wの表面及び下面であってもよい。また、基板Wの第1面及び第2面は、基板Wが鉛直方向に立てて
配置される場合には、第1面及び第2面は鉛直方向に延びる面である。
【0032】
洗浄部210は、基板Wの上面側に配置される1又は複数のノズル211と、基板Wの下面側に配置されるノズル212とを備えている。図面の複雑化を避けるため、
図2では1つのノズル211のみ示す。
1又は複数のノズル211は、基板Wの上方に配置され、基板Wの上面に向けて薬液(希釈後の薬液)を噴射する。ノズル211は、配管85を介して、洗浄薬液供給装置100の第1薬液希釈ボックス120の出力に接続されており、第1薬液希釈ボックス120で所望の流量及び濃度に調整された薬液(希釈後の薬液)の供給を受ける。一部又は全部のノズル211は、流路上の圧損を低減するために、低圧損タイプのノズル(例えば、フラットタイプの噴出口のもの)を使用することが好ましい。
ノズル212は、共通の筐体に複数のノズル穴が設けられた構成である。ノズル212は、基板Wの下方に配置され、基板Wの下面に向けて薬液(希釈後の薬液)を噴射する。ノズル212は、配管95を介して、洗浄薬液供給装置100の第2薬液希釈ボックス130の出力に接続されており、第2薬液希釈ボックス130で所望の流量及び濃度に調整された薬液(希釈後の薬液)の供給を受ける。ノズル212は、流路上の圧損を低減するために、低圧損タイプのノズルを使用することが好ましい。
【0033】
待機部230は、第2薬液希釈ボックス130で所望の流量及び濃度に調整された薬液(希釈後の薬液)の供給を受ける。なお、第2薬液希釈ボックス130から洗浄部210のノズル212または待機部230の何れか一方のみに薬液(希釈後の薬液)を供給するように、開閉弁151、152を制御してもよい。
【0034】
なお、流路上の圧損を低減する観点から、供給源20、30からノズル211、212、待機部230までの配管は、内径が大きく圧損の小さいものを使用することが好ましい。また、弁(52、151、152、141)も圧損の小さいものを用いることが好ましい。
【0035】
(薬液供給プロセス)
次に、
図2に示した洗浄薬液供給装置100における薬液供給プロセスについて説明する。通常、ロックアウトバルブ53は開放されており、薬液供給プロセスの開始時には、制御装置110からの信号によって、薬液ユーティリティボックス50の開閉弁52が開放される。また、制御装置110からの信号によって、レギュレータ60が作動される。また、制御装置110からの信号によって、サックバック弁ユニット141、開閉弁151、開閉弁152が開放される。薬液ユーティリティボックス50及びレギュレータ60から、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130に薬液(希釈後の薬液)及びDIWが供給される。開閉弁52、レギュレータ60、サックバック弁ユニット141、開閉弁151、152は、制御装置110からの信号によって制御される。制御装置110は、記録媒体に格納されているプログラムに従って、第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122の制御を実行する。
【0036】
第1薬液希釈ボックス120では、第1薬液CLC121が、制御装置110からの流量設定値になるように薬液の流量を制御するとともに、第1DIWCLC122が、制御装置110からの流量設定値になるようにDIWの流量を制御し、混合部123が、流量調整後の薬液(希釈後の薬液)及びDIWを混合して、所定の流量及び濃度に制御された薬液(希釈後の薬液)を生成し、これを洗浄装置200の基板上面側のノズル211に出力する。第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122は、制御装置110からの信号によって制御される。制御装置110は、記録媒体に格納されているプログラムに従って、第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122の制御を実行する。
【0037】
第2薬液希釈ボックス130では、第2薬液CLC131が、制御装置110からの流量設定値になるように薬液の流量を制御するとともに、第2DIWCLC132が、制御装置110からの流量設定値になるようにDIWの流量を制御し、混合部133が、流量調整後の薬液及びDIWを混合して、所定の流量及び濃度に制御された薬液(希釈後の薬液)を生成し、これを洗浄装置200の基板下面側のノズル212に出力する。また、混合部133は、所定の流量及び濃度に制御された薬液(希釈後の薬液)を洗浄装置200の待機部230に供給する。第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132は、制御装置110からの信号によって制御される。制御装置110は、記録媒体に格納されているプログラムに従って、第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132の制御を実行する。
【0038】
なお、ノズル211、ノズル212への薬液(希釈後の薬液)の供給の一方を停止する場合には、サックバック弁ユニット141又は開閉弁151の一方を閉じ、一方を開ける(第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122の流量制御弁、または、第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132の流量制御弁を閉じてもよい)。
また、ノズル211に薬液(希釈後の薬液)を供給し、ノズル212及び待機部230への薬液の供給を停止する場合には、開閉弁141を開け、開閉弁151、152を閉じる(第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132の流量制御弁を閉じてもよい)。
また、ノズル212又は待機部230への薬液(希釈後の薬液)の供給の一方を停止する場合には、開閉弁151又は開閉弁152の一方を閉じる。
【0039】
洗浄装置200の洗浄部210では、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130で独立に流量及び濃度が制御された薬液(希釈後の薬液)をそれぞれ、ノズル21及びノズル212から基板Wの上面及び下面に供給し、基板Wを洗浄する。例えば、ノズル212への薬液の濃度のより低い薬液をノズル21に対して供給することができる。洗浄装置200は、制御装置110からの信号によって制御される。制御装置110は、記録媒体に格納されているプログラムに従って、洗浄装置200の制御を実行する。
【0040】
(フローチャート)
図4は、薬液供給プロセスのフローチャートの一例である。これらの処理は、制御装置110において実行される。
ステップS11では、開閉弁52を開放するか否かが判定される。ステップS11において、開閉弁52を開放すると判定されると、ステップS12において、制御装置110からの信号によって開閉弁52を開放する。
【0041】
ステップS13では、サックバック弁ユニット141を開放するか否かが判定される。ステップS13において、サックバック弁ユニット141を開放すると判定されると、ステップS14において、制御装置110からの信号によってサックバック弁ユニット141を開放する。なお、サックバック弁ユニット141が既に開放されている場合には、サックバック弁ユニット141を開放した状態を維持する。一方、サックバック弁ユニット141を閉じた状態を維持する又は閉じると判定された場合、サックバック弁ユニット141を閉じた状態を維持する又は閉じるように、制御装置110によってサックバック弁ユニット141が制御される。
【0042】
ステップS15では、第1薬液希釈ボックス120において、第1薬液CLC121が、制御装置110からの流量設定値になるように薬液の流量を制御するとともに、第1DIWCLC122が、制御装置110からの流量設定値になるようにDIWの流量を制御する。
【0043】
ステップS16では、混合部123が、流量調整後の薬液及びDIWを混合して、所定
の流量及び濃度に制御された薬液(希釈後の薬液)を生成し、これを洗浄装置200の基板上面側のノズル211に出力する。なお、弁141が閉じられている場合には、薬液(希釈後の薬液)は、洗浄装置200の基板上面側のノズル211に出力されない。この場合は、第1薬液CLC121及び第1DIWCLC122の動作を停止してもよい。
【0044】
ステップS17では、開閉弁151を開放するか否かが判定される。ステップS17において、開閉弁151を開放すると判定されると、ステップS18において、制御装置110からの信号によって開閉弁151を開放する。なお、開閉弁151が既に開放されている場合には、開閉弁151を開放した状態を維持する。一方、開閉弁151を閉じた状態を維持する又は閉じると判定された場合、開閉弁151を閉じた状態を維持する又は閉じるように、制御装置110によって開閉弁151が制御される。
【0045】
ステップS19では、開閉弁152を開放するか否かが判定される。ステップS19において、開閉弁152を開放すると判定されると、ステップS20において、制御装置110からの信号によって開閉弁152開放する。なお、開閉弁152が既に開放されている場合には、開閉弁152を開放した状態を維持する。一方、開閉弁152を閉じた状態を維持する又は閉じると判定された場合、開閉弁152を閉じた状態を維持する又は閉じるように、制御装置110によって開閉弁151が制御される。
【0046】
ステップS21では、第2薬液希釈ボックス130において、第2薬液CLC131が、制御装置110からの流量設定値になるように薬液の流量を制御するとともに、第2DIWCLC132が、制御装置110からの流量設定値になるようにDIWの流量を制御する。
【0047】
ステップS22では、混合部133が、流量調整後の薬液及びDIWを混合して、所定の流量及び濃度に制御された薬液(希釈後の薬液)を生成し、これを洗浄装置200の基板下面側のノズル212に出力するとともに、待機部230に出力する。
なお、開閉弁151が閉じられている場合には、洗浄装置200の基板下面側のノズル212に薬液(希釈後の薬液)は出力されない。また、開閉弁152が閉じられている場合には、待機部230に薬液(希釈後の薬液)は供給されない。開閉弁151、152の両方が閉じられている場合には、ノズル212及び待機部230に薬液(希釈後の薬液)は供給されない。開閉弁151、152の両方が閉じられている場合には、第2薬液CLC131及び第2DIWCLC132の動作を停止してもよい。
【0048】
ステップS23では、薬液供給プロセスの終了指示があるか否かが判定される。終了指示がある場合には、ステップS24において、開放されている弁を閉じる、レギュレータ、CLCを停止させる等の終了処理を実行した後、薬液供給プロセスを終了する。一方、終了指示がない場合には、ステップS13に戻り、ステップS13〜S16及びステップS17〜S22の処理を繰り返す。
【0049】
この薬液供給プロセスによれば、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130がそれぞれ独立に薬液の流量及び濃度を制御することが可能である(S13〜S16、S17〜S22)。また、第1薬液希釈ボックス120又は第2薬液希釈ボックス130の一方からの薬液(希釈後の薬液)の供給を停止することができる(S13〜S14、S17〜S20)。
【0050】
(基板処理装置の例)
次に、上述した一実施形態に係る洗浄ユニットを備える基板処理装置の一例として、研磨装置の構成例を説明する。
図5は、一実施形態に係る洗浄ユニットを備える研磨装置の全体構成を示す平面図である。
【0051】
図5に示すように、研磨装置1は、略矩形状のハウジング2と、複数の半導体ウエハ等の基板をストックする基板カセットが載置されるロードポート3を備えている。ロードポート3には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。ハウジング2の内部には、複数(この例では4つ)の研磨ユニット4a〜4dと、研磨後の基板を洗浄する洗浄ユニット5a、5bと、洗浄後の基板を乾燥させる乾燥ユニット6が収容されている。洗浄ユニット5a、5bの少なくとも1つに、本発明の実施形態に係る洗浄ユニット10が適用される。
【0052】
ロードポート3、研磨ユニット4a及び乾燥ユニット6に囲まれた領域には、第1搬送ロボット7が配置されている。また、研磨ユニット4a〜4dと平行に、搬送ユニット8が配置されている。第1搬送ロボット7は、研磨前の基板をロードポート3から受け取って搬送ユニット8に受け渡すとともに、乾燥後の基板を乾燥ユニット6から受け取ってロードポート3に戻す。搬送ユニット8は、第1搬送ロボット7から受け取った基板を搬送して、各研磨ユニット4a〜4dとの間で基板の受け渡しを行う。洗浄ユニット5aと洗浄ユニット5bの間に位置して、搬送ユニット8と、これらの各ユニット5a、5bとの間で基板の受け渡しを行う第2搬送ロボット9aが配置されている。また、洗浄ユニット5bと乾燥ユニット6との間に位置して、これらの各ユニット5b、6との間で基板の受け渡しを行う第3搬送ロボット28が配置されている。更に、ハウジング2の内部に位置して、研磨装置1の各機器の動きを制御する制御装置300が配置されている。前述した制御装置110として、研磨装置の制御装置300を使用してもよい。
【0053】
(作用効果)
上記実施形態によれば、同一の薬液供給源20から第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130に薬液を導入し、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130によって薬液の流量及び濃度をそれぞれ制御することができる。よって、基板の各面(上面及び下面)に供給する薬液(希釈後の薬液)の流量及び濃度を独立に制御することができる。
【0054】
また、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130からそれぞれ薬液(希釈後の薬液)を出力する構成であるため、サックバック弁ユニット141、開閉弁151、開閉弁152の開閉によって、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130の何れかからの薬液(希釈後の薬液)の出力を停止することができる。また、開閉弁151、開閉弁152の開閉によって、洗浄装置200の洗浄部210のノズル212および待機部230に供給する薬液(希釈後の薬液)の何れかを停止することができる。よって、洗浄薬液供給装置100内の制御によって、基板の各面(上面及び下面)、待機部の何れかのみに薬液(希釈後の薬液)を供給することが可能である。従って、基板の各面(上面及び下面)、待機部の何れかのみに薬液(希釈後の薬液)を供給するために、洗浄装置200内に追加の弁等を設置する必要がない。
【0055】
また、第1薬液希釈ボックス120及び第2薬液希釈ボックス130がそれぞれの薬液(希釈後の薬液)の流量を制御できるため、共通の流路から薬液(希釈後の薬液)を分岐させる場合のように、絞りを使用して流量を調整する必要がない。従って、薬液及び希釈水が、洗浄薬液供給装置100及び洗浄装置200の流路上で受ける圧損が低減され、洗浄装置200への薬液(希釈後の薬液)の流量の低下を抑制ないし防止することができる。例えば、洗浄薬液供給装置100への薬液及び/又は希釈水の供給圧力が低い場合であっても、基板の各面(上面及び下面)に供給する薬液(希釈後の薬液)の流量の低下を抑制ないし防止することができる。
【0056】
上記実施形態によれば、流量計1212と流量制御弁1211とを備えるCLC121、122、122、132を使用することによって、制御装置110からの信号によって薬液及び/又は希釈水の流量を簡易かつ正確に制御することが可能である。例えば、基板の各面(上面及び下面)への薬液の流量を絞りで制御する場合と比較して、流量計1212と流量制御弁1211における圧損を低減することができる。また、絞り(例えば、ニードル弁)の開度を手動で調整する場合に比較すると、流量計1212と流量制御弁1211とを備えるCLC121、122、122、132は、流量の制御を自動的に行える点で有利である。
【0057】
上記実施形態によれば、超音波流量計を使用することにより、差圧式流量計(オリフィス流量計)を使用する場合に比較して、流量計における圧損を小さくすることができる。この構成では、流路上の圧損を低減して基板に供給できる流量の低下を抑制することができるので、洗浄薬液供給装置100への薬液及び/又は希釈水の供給圧力が低い場合に、特に有利である。
【0058】
上記実施形態によれば、モータを備える駆動源1211bによって弁本体1211aの開度を変更することにより、迅速かつ正確に流量制御弁の開度を調整することができる。
【0059】
上記実施形態によれば、第1薬液希釈ボックス120からの希釈後の薬液の出力をサックバック弁ユニット141によって流通/停止することができる。サックバック弁ユニット141によれば、第1薬液希釈ボックス120からの出力を遮断する際に、ノズル211からの液だれを抑制ないし防止することができる。
【0060】
上記実施形態によれば、基板の各面の何れかの面(例えば、下面)に薬液(希釈後の薬液)を供給する第2薬液希釈ボックス130から、洗浄を待機する待機部230の基板に薬液(希釈後の薬液)を供給することによって、待機する基板に薬液(希釈後の薬液)を供給するための別途の構成を省略することができ、流体回路の構成を簡易にすることができる。
【0061】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。