(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)において用意される水性合成混合物が、シリカ源を、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性混合物に添加することによって製造される、請求項1に記載の方法。
ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性混合物が、MWW鋳型剤の一部およびチタン源を含む混合物を、MWW鋳型剤の一部およびホウ素源を含む水性混合物に添加することによって製造される、請求項2に記載の方法。
(ii)において、(i)において用意された水性合成混合物を、最大50℃の温度から、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱することが、2〜18時間の範囲内の期間行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
工程(i)
概して、水性合成混合物が、最大50℃の温度で(i)においてどのように用意されるかについては、具体的に制限されていない。この温度は、水性合成混合物の温度として理解されるべきである。
【0015】
好ましくは、シリカ源、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性合成混合物は、5〜50℃、より好ましくは10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の水性合成混合物の温度で用意される。
【0016】
概して、水性合成混合物を用意するために、水、シリカ源、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤は、任意の好適な順序で混和することができる。好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、シリカ源を、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性混合物に添加することによって製造される。概して、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む前記水性混合物がどのように製造されるかについては、具体的に制限されていない。好ましくは、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む前記水性混合物は、MWW鋳型剤の第1の部分およびチタン源を含む混合物を、MWW鋳型剤の第2の部分およびホウ素源を含む水性混合物に添加することによって製造される。より好ましくは、MWW鋳型剤の第1の部分およびチタン源を含む混合物は、本質的に水を含まない。本発明のこの文脈において、使用される「本質的に水を含まない」という用語は、好ましくは混合物の総質量に対して最大1000質量ppm、好ましくは最大500質量ppm、より好ましくは最大100質量ppmの量で、不純物としての水のみを含有する混合物に関する。好ましくは、MWW鋳型剤の第1の部分およびチタン源を含む混合物は、10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度で製造され、その製造中、混合物は好適に撹拌され得る。好ましくは、MWW鋳型剤の第2の部分およびホウ素源を含む水性混合物は、10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度で製造され、その製造中、水性混合物は好適に揺動、例えば撹拌され得る。
【0017】
特に、(i)において用意される水性合成混合物は、任意のアルミナ源を本質的に含まない。本発明のこの文脈において、使用される「本質的に含まない」という用語は、存在する場合でも、水性合成混合物中に含有する他の化合物の不純物としてのみのアルミニウムを含有する、水性合成混合物に関する。好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物のアルミニウム含有量は、水性合成混合物の総質量に対して、最大1000質量ppm、好ましくは最大500質量ppm、より好ましくは最大100質量ppmである。
【0018】
好ましくは、シリカ源の添加の後、結果として得られた水性合成混合物は、最大50℃の温度において、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜45℃の範囲内の温度において、好ましくは45〜180分間、より好ましくは60〜120分間、より好ましくは80〜100分間の範囲内の期間、揺動、例えば撹拌される。シリカ源を添加する間に、水性合成混合物は好適に揺動される。好ましくは、揺動によって導入されるエネルギーは、揺動される合成混合物1kg当たり0.1〜3W、好ましくは揺動される合成混合物1kg当たり0.3〜2W、より好ましくは揺動される合成混合物1kg当たり0.5〜1.5Wの範囲内である。
【0019】
(i)に関する限り、シリカ源、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤の形態における出発材料に関しては具体的に制限されていないが、但し、これらの出発材料が、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体の形成をもたらし、この前駆体の形成が、(v)による焼成の後、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料をもたらすことを条件とする。
【0020】
本明細書で使用される「MWW鋳型剤」という用語は、水熱合成および焼成の後に、MWW構造を有するゼオライト系骨格の形成をもたらす、化合物または2種以上の化合物の組合せを指す。概して、すべての好適なMWW鋳型剤を採用することができるが、但し、それらを(v)による焼成によって除去できることを条件とする。好ましくは、MWW鋳型剤は、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,5−ペンタンジアンモニウムイオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタン、水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘプチルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキシルトリメチルアンモニウム、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはMWW鋳型剤はピペリジンを含み、より好ましくはピペリジンからなる。
【0021】
好ましくは、シリカ源は、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、ケイ素アルコキシド、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、シリカ源はヒュームドシリカを含み、より好ましくはヒュームドシリカからなる。
【0022】
好ましくは、ホウ素源は、ホウ酸、ホウ酸塩、酸化ホウ素、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはホウ酸、ホウ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、ホウ素源はホウ酸を含み、より好ましくはホウ酸からなる。
【0023】
好ましくは、チタン源は、チタンアルコキシド、チタンハロゲン化物、二酸化チタン、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはチタンアルコキシド、チタンハロゲン化物、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、チタン源はチタンアルコキシドを含み、より好ましくはチタンアルコキシドからなり、より好ましくはチタンテトラブトキシドを含み、より好ましくはチタンテトラブトキシドからなる。
【0024】
したがって、好ましくは、シリカ源はヒュームドシリカであり、ホウ素源はホウ酸であり、チタン源はチタンテトラブトキシドであり、MWW鋳型剤はピペリジンである。
【0025】
(i)において採用されるシリカ源、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤の量に関する限り、具体的に制限されていないが、但し、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、(iii)による条件の下で得られ、この前駆体が、(v)による焼成の後、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料をもたらすことを条件とする。
【0026】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、ホウ素元素として計算されるホウ素源を、0.18:1〜5.2:1、より好ましくは0.25:1〜4:1、より好ましくは0.5:1〜3:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比で含有する。
【0027】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、チタン元素として計算されるチタン源を、0.005:1〜0.15:1、より好ましくは0.0075:1〜0.125:1、より好ましくは0.01:1〜0.1:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比で含有する。
【0028】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、MWW鋳型剤を、0.4:1〜4.2:1、より好ましくは0.5:1〜3:1、より好ましくは0.6:1〜2:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比で含有する。
【0029】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、水を、1:1〜30:1、より好ましくは1.5:1〜27:1、より好ましくは2:1〜25:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比で含有する。
【0030】
したがって、好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物は、ホウ素元素として計算されるホウ素源、好ましくはホウ酸を、0.5:1〜3:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源、好ましくはヒュームドシリカに対するモルで;チタン元素として計算される、チタン源、好ましくはチタンテトラブトキシドを、0.01:1〜0.1:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源、好ましくはヒュームドシリカに対するモル比で;MWW鋳型剤、好ましくはピペリジンを、0.6:1〜2:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源、好ましくはヒュームドシリカに対するモル比で;および、水を、2:1〜25:1の範囲の、ケイ素元素として計算されるケイ素源、好ましくはヒュームドシリカに対するモル比で含有する。
【0031】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、(ii)の前において、シリカ源、チタン源、ホウ素源、MWW鋳型剤、および水からなる。
【0032】
好ましくは、(i)において用意される水性合成混合物のpHは、pH感応ガラス電極で決定した際、10〜13、より好ましくは10.5〜12.5、より好ましくは11〜12の範囲内のpHを有する。
【0033】
工程(ii)
(ii)に従って、(i)において用意された水性合成混合物は、最大50℃の温度から、最大24時間の期間内に、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱される。
【0034】
概して、この加熱は、混合物を直接加熱することによって、例えば好適な加熱源を混合物中に浸漬することによって、または混合物を間接的に加熱することによって、例えば加熱されるべき混合物が格納されている容器の壁を加熱することによって、またはこれらの方法の組合せによって達成されてもよい。間接的加熱が適用される場合、容器の壁の少なくとも一部を包囲するジャケットに、好適な加熱源を通過させることによって、容器の壁を加熱することが好ましい。水性合成混合物の所望の温度が達成されるように、加熱源の温度および流量は好適に適合させることができる。
【0035】
好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、5〜50℃、より好ましくは10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度から、最大24時間の期間内に、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱される。
【0036】
好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、最大50℃の温度から、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度まで加熱される。より好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度から、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度まで加熱される。
【0037】
好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、最大50℃の温度から、1〜24時間、より好ましくは2〜18時間、より好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間内に、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱される。より好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、最大50℃の温度から、1〜24時間、より好ましくは2〜18時間、より好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間内に、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度まで加熱される。より好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度から、1〜24時間、より好ましくは2〜18時間、より好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間内に、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱される。より好ましくは、(i)において用意された水性合成混合物は、10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度から、1〜24時間、より好ましくは2〜18時間、より好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間内に、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度まで加熱される。
【0038】
概して、(ii)による加熱を、連続的に、または2回以上の別個の工程で半連続的に行うことが想定され得る。好ましくは、(ii)による加熱は連続的に行われる。本発明のこの文脈において、使用される「連続的に」という用語は加熱方法に関し、この加熱方法によれば、加熱中、水性合成混合物の温度は、水性混合物の温度が一定にまたは本質的に所与の期間をわたって一定に保たれる、任意の温度プラトーも有しなく、連続的に上昇する。
【0039】
(ii)による加熱中、水性混合物を好適に揺動することが好ましい。好ましくは、揺動によって導入されるエネルギーは、揺動される混合物1kg当たり0.1〜3W、好ましくは揺動される混合物1kg当たり0.3〜2W、より好ましくは揺動される混合物1kg当たり0.5〜1.5Wの範囲内である。
【0040】
概して、(i)による用意および(ii)による加熱は、1個または複数の好適な容器内で行うことができる。好ましくは、水性合成混合物は、(i)において、(ii)による加熱が行われる容器と同じ容器に用意される。より好ましくは、水性合成混合物は、(i)において、(ii)による加熱および以下に記載される(iii)による水熱合成が行われる容器と同じ容器に用意される。より好ましくは、(ii)による加熱および(iii)による水熱合成は、閉鎖系内で行われ、より好ましくはオートクレーブ内で行われる。
【0041】
工程(iii)
(iii)に従って、(ii)による加熱から得られた合成混合物は、160〜190℃の範囲内の温度において、閉鎖系内で、自生圧力下の水熱合成条件に付して、その母液中で、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が得られる。
【0042】
好ましくは、(ii)による加熱から得られた合成混合物は、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度において、閉鎖系内で、自生圧力下の水熱合成条件に付する。複雑な温度プログラムを含む従来技術による方法と比較して、本発明によれば、水熱合成条件のために1つの温度のみが選ばれることが好ましく、この温度は、好ましくは160〜165℃、または165〜170℃、または170〜175℃、または175〜180℃の範囲内にあり、より好ましくは165〜169℃、または167〜171℃、または169〜173℃、または171〜175℃の範囲内にある。
【0043】
(iii)による水熱合成の持続期間に関して、具体的な制約は存在しない。好ましくは、合成混合物は、30〜200時間、より好ましくは時間、より好ましくは48〜160時間の範囲内の期間、水熱合成条件に付する。
【0044】
したがって、(ii)による加熱から得られた合成混合物は、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度において、好ましくは30〜200時間、より好ましくは100〜180時間、より好ましくは48〜160時間の範囲内の期間、閉鎖系内で、自生圧力下の水熱合成条件に付する。
【0045】
それ故に、本発明はまた、上に記載される方法にも関し、ここでは、(ii)による加熱は、好ましくは閉鎖系内、より好ましくはオートクレーブ内で連続的に行われ、(i)において用意された水性合成混合物は、10〜40℃、好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の温度から、1〜24時間、好ましくは2〜18時間、より好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間内に、160〜180℃、好ましくは165〜175℃の範囲内の温度まで加熱され、(ii)による加熱から得られた合成混合物は、160〜180℃、より好ましくは165〜175℃の範囲内の温度において、30〜200時間、好ましくは100〜180時間、より好ましくは48〜160時間の範囲内の期間、閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ内で、自生圧力下の水熱合成条件に付する。
【0046】
(iii)による水熱合成中、水性混合物を好適に揺動することが好ましい。好ましくは、揺動によって導入されるエネルギーは、揺動される混合物1kg当たり0.1〜3W、好ましくは揺動される混合物1kg当たり0.3〜2W、より好ましくは揺動される混合物1kg当たり0.5〜1.5Wの範囲内である。
【0047】
(iii)による水熱合成中、閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ内の自生圧力における圧力は、2〜20バール、より好ましくは4〜15バール、より好ましくは6〜10バールの範囲内である。
【0048】
概して、(iii)による水熱合成は、MWWまたはMWW型骨格構造を有するゼオライト系晶結材料(seeding material)などの少なくとも1種の好適な晶結材料の存在下で行われることが想定され得る。好ましくは、(iii)による水熱合成は、MWWまたはMWW型骨格構造を有するゼオライト系晶結材料がない場合に、より好ましくはゼオライト系晶結材料がない場合に、より好ましくは晶結材料がない場合に行われる。
【0049】
(iii)による水熱合成から、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、その母液中で得られる。水熱合成の後、閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ内の圧力は、好ましくは好適に放出され、好ましくは大気圧まで放出される。水熱合成の後、閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ内の懸濁液の温度は、好ましくは低下され、好ましくは5〜50℃、より好ましくは10〜40℃、より好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の値にまで低下される。
【0050】
好ましくは、(iii)から得られる懸濁液のpHは、pH感応ガラス電極で決定した際、10〜13、より好ましくは10.5〜12.5、より好ましくは11〜12の範囲内のpHを有する。
【0051】
工程(iv)
(iii)における水熱合成、ならびに好ましくは圧力放出および温度低下の後、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、(iv)に従って、その母液から分離される。
【0052】
前駆体をその母液から分離するすべての方法が想定され得る。これらの方法としては、限定されるものではないが、濾過、限外濾過、透析濾過、遠心分離、蒸発、噴霧乾燥または噴霧造粒などの急速乾燥が挙げられる。これらの方法のうち2種以上の好適な組合せを適用することができる。
【0053】
本発明の好ましい実施形態によれば、(iv)による分離は噴霧乾燥を含み、ここでは、好ましくは、前駆体を含有する噴霧粉末が得られる。
【0054】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、(iv)による分離は濾過を含み、ここでは、前駆体を含有する濾過ケークが得られる。
【0055】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、(iv)による分離は、前駆体を含有し、好ましくはそれから好適な懸濁液を製造した後に、濾過ケークを、噴霧乾燥または噴霧造粒などの急速乾燥、好ましくは噴霧乾燥に付する濾過ケークが得られる濾過を含み、ここでは、前駆体を含有する噴霧粉末が得られる。急速乾燥、好ましくは噴霧乾燥に付する懸濁液の好適な固形分は、急速乾燥、好ましくは噴霧乾燥に付する懸濁液の総質量に対して、5〜30質量%、または10〜20質量%、または12.5〜17.5質量%の範囲内であってもよい。
【0056】
前駆体をその母液から分離する前に、例えば蒸発によって、(iii)から得られた懸濁液を好適に濃縮することによって母液の前駆体含有量を増加させることが可能であり、または(iii)から得られた懸濁液を好適に希釈することによって母液の前駆体含有量を減少させることが可能である。
【0057】
概して、例えば濾過、または急速乾燥、または濾過および急速乾燥によって前駆体の母液から分離された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、(v)による焼成に直接付することが想定され得る。好ましくは、(v)の前に、前駆体の母液から分離された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、洗浄、または乾燥、または洗浄および乾燥に付する。
【0058】
好ましくは、(iv)による分離は、
(iv.1)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を洗浄する工程
をさらに含む。
【0059】
洗浄に使用される洗浄剤、および洗浄中に適用される洗浄条件に関して、具体的な制約は存在しないが、但し、洗浄前の前駆体と比較して、本質的に同量のホウ素、チタン、およびケイ素を含有する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、洗浄から得られることを条件とする。好ましくは、(iv.1)による洗浄に使用される洗浄剤は、水を含む。より好ましくは、(iv.1)による洗浄に使用される洗浄剤は、本質的に水からなる。本発明のこの文脈において、使用される「本質的に水からなる」という用語は、pH感応ガラス電極で決定した際、6.5〜9、好ましくは7〜9の範囲内のpHを有する脱イオン水に関する。
【0060】
好ましくは、(iv.1)による洗浄は、洗浄に使用されており、かつ水を含み、好ましくは本質的に水からなる洗浄剤のpHが、pH感応ガラス電極で決定した際、10未満のpHを有するまで行われる。
【0061】
好ましくは、(iv.1)による洗浄は、5〜40℃、より好ましくは10〜35℃、より好ましくは20〜30℃の範囲内の、洗浄剤、好ましくは水を含む洗浄剤、好ましくは本質的に水からなる洗浄剤の温度において行われる。
【0062】
したがって、好ましくは、(iv)による分離は、
(iv.1)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、水を含む洗浄剤、好ましくは本質的に水からなる洗浄剤、より好ましくは水である洗浄剤で、洗浄に使用されている洗浄剤のpHが、pH感応ガラス電極で決定した際、10未満のpHを有するまで洗浄する工程
をさらに含む。
【0063】
概して、前駆体の母液から分離され、好ましくは洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、(v)による焼成に直接付することが想定され得る。好ましくは、(v)の前に、前駆体の母液から分離され、好ましくは洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、乾燥を含む。
【0064】
したがって、好ましくは、(iv)による分離は、
(iv.2)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を好ましくは洗浄した後に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を乾燥させる工程
をさらに含む。
【0065】
適用される乾燥条件に関して、具体的に制限されていないが、但し、乾燥前の前駆体と比較して、本質的に同量のホウ素、チタン、およびケイ素を含有する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、乾燥から得られることを条件とする。概して、乾燥は、連続的に、半連続的に、またはバッチ乾燥方法として行われてもよい。好ましくは、乾燥は、10〜150℃、好ましくは20〜140℃、より好ましくは30〜130℃の範囲内の乾燥雰囲気の温度において行われる。より好ましくは、乾燥は、40〜130℃、より好ましくは50〜130℃、より好ましくは100〜130℃の範囲内の乾燥雰囲気の温度において行われる。乾燥が行われる期間は、好ましくは1〜48時間、より好ましくは6〜48時間、より好ましくは12〜48時間の範囲内である。乾燥に使用される雰囲気は、窒素、好ましくは工業用窒素(technical nitrogen)、またはアルゴンなどの不活性ガスを含んでもよい。好ましくは、乾燥に使用される雰囲気は、酸素を含む。好ましい雰囲気は、制限されるものではないが、酸素、空気、希薄空気、およびこれらの組合せを含む。
【0066】
したがって、好ましくは、(iv)による分離は、
(iv.2)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を好ましくは洗浄した後に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、好ましくは酸素を含む雰囲気において、10〜150℃、好ましくは20〜140℃、より好ましくは30〜130℃の範囲内の温度において乾燥させる工程
をさらに含む。
【0067】
したがって、本発明はまた、上に記載される方法にも関し、ここでは、(iv)による分離は、
(iv.1)任意に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を洗浄すること、および
(iv.2)任意に洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を乾燥させること
をさらに含む。
【0068】
さらに、本発明は、上に記載される方法に関し、ここでは、(iv)による分離は、
(iv.1)任意に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、水を含む洗浄剤、好ましくは本質的に水からなる洗浄剤、より好ましくは水である洗浄剤で、洗浄に使用されている洗浄剤のpHが、pH感応ガラス電極で決定した際、10未満のpHを有するまで洗浄すること、および
(iv.2)任意に洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、好ましくは酸素を含む雰囲気において、好ましくは、10〜150℃、好ましくは20〜140℃、より好ましくは30〜130℃の範囲内の温度において乾燥させること
をさらに含む。
【0069】
MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体の分離中に、急速乾燥が行われない場合には、(iv.2)による乾燥は、噴霧乾燥または噴霧造粒などの急速乾燥を含む乾燥によって達成されることが想定され得る。例えば、好ましくは洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体、例えば、洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を含む濾過ケークなどは、急速乾燥に直接付するか、または急速乾燥の前に好適な懸濁液の製造に付して、この懸濁液がその後急速乾燥に付する(急速乾燥、好ましくは噴霧乾燥に付すべき懸濁液の好適な固形分は、急速乾燥、好ましくは噴霧乾燥に付すべき懸濁液の総質量に対して、5〜30質量%、または10〜20質量%、または12.5〜17.5質量%の範囲内にあり得る)ことが想定され得る。
【0070】
さらに、(iv.2)による乾燥が急速乾燥を含まない場合には、(iv.2)による乾燥の後、乾燥された前駆体が、例えば噴霧乾燥または限外濾過による追加的な乾燥工程に付することも可能であるが、但し、この追加的な乾燥前の前駆体と比較して、本質的に同量のホウ素、チタン、およびケイ素を含有する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、追加的な乾燥から得られることを条件とする。追加的な乾燥は、酸素、空気、希薄空気、または工業用窒素などの好適な雰囲気において行うことができる。例えば、追加的な乾燥が噴霧乾燥によって行われる場合、例えば乾燥された濾過ケークの形態である乾燥された前駆体は、噴霧可能な懸濁液を得ることを可能にするために、好適な液体、例えば水中に懸濁され得る。そのような懸濁液の固形分は、噴霧乾燥の要件を満たすように好適に選択され得る。追加的な乾燥が噴霧乾燥によって達成される場合、乾燥ガスの入口温度は、200〜250℃、例えば220〜250℃などの範囲内であり得、乾燥ガスの出口温度は、100〜175℃、例えば120〜150℃などの範囲内であり得る。
【0071】
特に好ましくは、(iv)前および(iv)中において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない。したがって、特に好ましくは、(iv)前および(iv)中において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、無機酸または有機酸で処理されない。さらに特に好ましくは、(iv)前および(iv)中において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、蒸気で処理されない。
【0072】
工程(v)
(v)に従って、(iv)による分離から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の分離された前駆体は、焼成されて、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料が得られる。(v)による焼成中、MWW鋳型剤は、少なくとも部分的に、好ましくは本質的に完全にMWW骨格構造から除去される。
【0073】
本発明による一連の方法工程において、焼成に付する前駆体のホウ素含有量が、焼成の前に本質的に減少される工程は含まれていない。したがって、本発明によれば、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の製造のための方法は、一連の工程に従って行われ、この一連の工程によれば、(iii)による水熱合成の後および(v)による焼成の前において、(iii)から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体のホウ素含有量およびチタン含有量は、(v)による焼成に付する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体のホウ素含有量およびチタン含有量と本質的に同じである。本発明のこの文脈において、使用される「本質的に同量のホウ素」という用語は、ホウ素元素として計算される、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である、(v)による焼成に付する前駆体のホウ素含有量を指す。本発明のこの文脈において、使用される「本質的に同量のチタン」という用語は、チタン元素として計算される、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のチタン含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である、(v)による焼成に付する前駆体のチタン含有量を指す。したがって、本発明はまた、上に記載される方法にも関し、ここでは、焼成に付する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体のホウ素含有量は、ホウ素元素として計算される、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%であり、焼成に付する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体のチタン含有量は、チタン元素として計算される、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のチタン含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である。
【0074】
好ましくは、本発明によれば、(iii)から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、(v)の前に、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない。したがって、好ましくは、(v)の前に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、無機酸または有機酸で処理されない。さらに好ましくは、(v)の前に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体は、蒸気で処理されない。
【0075】
適用される焼成条件に関して、具体的に制限されていないが、但し、焼成前の前駆体と比較して、本質的に同量のホウ素およびチタンを含有する、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料が、焼成から得られることを条件とする。概して、焼成は、連続的に、半連続的に、またはバッチ焼成方法として行われてもよい。好ましくは、焼成は、500〜700℃、より好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃、例えば600〜650℃、または625〜675℃、または650〜700℃の範囲内の焼成雰囲気の温度において行われる。焼成が行われる期間は、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、より好ましくは6〜12時間の範囲内である。焼成に使用される雰囲気は、窒素、好ましくは工業用窒素、またはアルゴンなどの不活性ガスを含み得る。好ましくは、焼成に使用される雰囲気は、酸素を含む。好ましい雰囲気は、制約されるものではないが、酸素、空気、希薄空気、またはこれらの組合せを含む。好ましくは、焼成温度は、0.1〜4K/分、より好ましくは0.5〜3K/分、より好ましくは1〜2.5K/分の範囲内の加熱率を適用することによって達成される。
【0076】
好ましくは、(v)の後に、焼成された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない。したがって、好ましくは、(v)の後に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、無機酸または有機酸で処理されない。さらに好ましくは、(v)の後に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、蒸気で処理されない。
【0077】
好ましくは、(v)による焼成から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のホウ素含有量は、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である。好ましくは、(v)による焼成から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のチタン含有量は、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のチタン含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である。
【0078】
本発明はまた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料にも関し、前記ゼオライト系材料は、上に記載される本発明による方法によって得ることができ、または得られ、前記ゼオライト系材料は、好ましくはMWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含み、ここでは、ゼオライト系骨格構造の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は、ホウ素、チタン、ケイ素、酸素、および水素からなり、ホウ素元素として計算されるホウ素の、ケイ素元素として計算されるケイ素に対するモル比は、0.05:1〜0.15:1の範囲内であり、チタン元素として計算されるチタンの、ケイ素元素として計算されるケイ素に対するモル比は、0.017:1〜0.025:1の範囲内である。
【0079】
そのようなゼオライト系材料
さらに、本発明は、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料であって、ゼオライト系骨格構造の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、ホウ素、チタン、ケイ素、酸素、および水素からなり、ホウ素のケイ素に対するモル比が、0.05:1〜0.15:1の範囲内であり、チタンのケイ素に対するモル比が、0.017:1〜0.025:1の範囲内である、ゼオライト系材料に関する。
【0080】
特に、本発明による、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、その焼成状態で存在する。したがって、本発明はさらに、焼成された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料であって、ゼオライト系骨格構造の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、ホウ素、チタン、ケイ素、酸素、および水素からなり、ホウ素のケイ素に対するモル比が、0.05:1〜0.15:1の範囲内であり、チタンのケイ素に対するモル比が、0.017:1〜0.025:1の範囲内である、ゼオライト系材料に関する。
【0081】
本発明のこの文脈において、使用される「その焼成状態にある」という用語は、非焼成状態にあったゼオライト系材料が、好ましくは酸素を含む雰囲気において、好ましくは500〜700℃、より好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃の範囲内の温度において、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、より好ましくは6〜12時間の範囲内の期間焼成に付したことを説明している。したがって、本発明はまた、上に記載されるその焼成状態にあるゼオライト系材料にも関し、ここでは、ゼオライト系材料の焼成状態は、その非焼成状態にあるゼオライト系材料を、好ましくは酸素を含む雰囲気において、500〜700℃、より好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃の範囲内の温度において、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、より好ましくは6〜12時間の範囲内の期間、焼成に付することによって達成される。特に、本発明は、上に記載されるその焼成状態にあるゼオライト系材料に関し、ここでは、ゼオライト系材料の焼成状態は、その非焼成状態にあるゼオライト系材料を、酸素を含む雰囲気、好ましくは空気中において、600〜700℃の範囲内の温度において、6〜12時間の範囲内の期間、焼成に付することによって達成される。
【0082】
上述されるように、ゼオライト系材料の焼成中、MWW鋳型剤は、少なくとも部分的に、好ましくは本質的に完全に除去される。したがって、本発明はまた、焼成されたゼオライト系材料の総質量に対して、最大0.5質量%、好ましくは最大0.2質量%、より好ましくは最大0.1質量%のMWW鋳型剤含有量を有し、前記MWW鋳型剤含有量が、焼成されたゼオライト系材料の全有機炭素(TOC)含有量として決定される、上に記載されるゼオライト系材料にも関する。
【0083】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、参照例2に従って決定される
29Si−NMRスペクトルを呈し、このスペクトルは、−95.0〜−105.0ppmの範囲内の第1のシグナル、−105.0〜−115.0ppmの範囲内の第2のシグナル、−115.0〜−125.0ppmの範囲内の第3のシグナルを含む。
【0084】
より好ましくは、この
29Si−NMRスペクトルにおいて、第1のシグナルの範囲の積分の、第3のシグナルの範囲の積分に対する比は、好ましくは0.6〜1.1、より好ましくは0.7〜1.0、より好ましくは0.8〜0.9の範囲内にある。
【0085】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、参照例1に従って決定される
11B−NMRスペクトルを呈し、このスペクトルは、
20.0〜10.0ppmの範囲内の第1のシグナル、
10.0〜1.0ppmの範囲内の第2のシグナルであって、6.5〜5.5ppm、好ましくは6.2〜5.8ppmの範囲内のピークを好ましくは有する、第2のシグナル、
1.0〜−7.0ppmの範囲内の第3のシグナルであって、−2.4〜−3.4ppm、好ましくは−2.7〜−3.1ppmの範囲内のピークを好ましくは有する、第3のシグナル、
−7.0〜−16.0ppmの範囲内の第4のシグナルを含む。
【0086】
より好ましくは、この
11B−NMRスペクトルにおいて、第3のシグナルの範囲の積分の、第2のシグナルの範囲の積分に対する比は、好ましくは1.00〜1.15、より好ましくは1.05〜1.15、より好ましくは1.10〜1.15の範囲内にある。
【0087】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、参照例3に従って決定される、12.0〜16.0質量%、好ましくは12.0〜15.0質量%、より好ましくは12.0〜14.0質量%の範囲内の吸水率(water uptake)を有する。
【0088】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、DIN66131に従って決定した際、400〜500m
2/g、好ましくは410〜490m
2/g、より好ましくは420〜480m
2/gの範囲内のBET比表面積を有する。
【0089】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、3748+/−20cm
−1のバンド、3719+/−20cm
−1のバンド、3689+/−20cm
−1のバンド、3623+/−20cm
−1のバンド、3601+/−20cm
−1のバンド、および3536+/−20cm
−1のバンドを含む、赤外スペクトルを呈する。
【0090】
好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、(7.2±0.1)°、(14.5±0.1)°、(22.1±0.1)°、(22.7±0.1)°、(23.0±0.1)°、(24.0±0.1)°、(25.3±0.1)°、(26.3±0.1)°、(27.3±0.1)°、(28.1±0.1)°の2θ回折角におけるピークを含むXRDスペクトルによって特徴付けられる。より好ましくは、本発明によるゼオライト系材料は、(7.0±0.1)°、(8.1±0.1)°、(10.1±0.1)°、(14.3±0.1)°、(20.4±0.1)°、(21.9±0.1)°、(28.9±0.1)°、(33.8±0.1)°、(47.0±0.1)°、(65.4±0.1)°、(66.4±0.1)°の2θ回折角におけるピークを追加的に含むXRDスペクトルによって特徴付けられる。
【0091】
好ましくは、本発明のゼオライト系材料は、ゼオライト系材料の総質量に対して、1.0〜2.0質量%、好ましくは1.1〜1.8質量%、より好ましくは1.2〜1.6質量%、例えば1.2〜1.5質量%または1.2〜1.4質量%などの範囲内の、ホウ素元素として計算されるホウ素含有量を有する。
【0092】
好ましくは、本発明のゼオライト系材料は、ゼオライト系材料の総質量に対して、1.0〜2.0質量%、好ましくは1.1〜1.8質量%、より好ましくは1.2〜1.6質量%、例えば1.2〜1.5質量%または1.2〜1.4質量%などの範囲内の、チタン元素として計算されるチタン含有量を有する。
【0093】
したがって、本発明はまた、ゼオライト系材料の総質量に対して、1.2〜1.5質量%、好ましくは1.2〜1.4質量%の範囲内の、ホウ素元素として計算されるホウ素含有量、および1.2〜1.5質量%、好ましくは1.2〜1.4質量%の範囲内の、チタン元素として計算されるチタン含有量を有する、上に記載されるゼオライト系材料にも関する。
【0094】
成型品の製造
本発明のゼオライト系材料が例えば触媒、分子篩、吸着剤などとして採用される反応の種類および化学プロセスの種類に応じて、上に記載されるゼオライト系材料の形態ではなく、上に記載されるゼオライト系材料を含む成型品の形態でそれを使用する必要があり得る。例えば、ゼオライト系材料が連続プロセスにおいて、例えば固定床反応器における連続プロセスなどにおいて採用される場合には、成型品に含まれたゼオライト系材料を採用することが好ましくあり得る。
【0095】
成型品の製造について、具体的に制限していない。好ましくは、成型品が製造される場合、本発明の方法はさらに、
(vi)(v)から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を成形して、成型品を得ること、および
(vii)任意に、(vi)から得られた成型品を乾燥および/または焼成することを含む。
【0096】
(vi)による成形に関して、ゼオライト系材料を、(v)から得られた本発明のゼオライト系材料を含む成型性混合物の形態で提供することが好ましく、この成型性混合物は、任意に、結合剤または結合剤前駆体を含む。
【0097】
一般に、好適な結合剤は、結合剤を伴わずに存在し得る物理吸着を凌ぐ、結合されるべきゼオライト系材料粒子間の接着力および/または凝集力を付与する、すべての化合物である。かかる結合剤の例としては、例えばSiO
2、Al
2O
3、TiO
2、ZrO
2、もしくはMgOもしくは粘土などの金属酸化物またはこれらの酸化物のうち2種以上の混合物、またはSi、Al、Ti、Zr、およびMgのうち少なくとも2種の混合酸化物が挙げられる。粘土鉱物、および天然に存在するか、または合成により製造されたアルミナ、例えばα−、β−、γ−、δ−、η−、κ−、χ−、またはθ−アルミナなど、ならびにそれらの無機または有機金属前駆体化合物、例えばギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、もしくは擬ベーマイトなど、またはトリアルコキシアルミネート、例えばアルミニウムトリイソプロピレートなどが、Al
2O
3結合剤として特に好ましい。さらに想定され得る結合剤は、極性部分および非極性部分を有する両親媒性化合物、ならびにグラファイトであり得る。さらなる結合剤は、例えば粘土、例えばモンモリロナイト、カオリン、メタカオリン、ヘクトライト、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト、またはアナキサイト(anaxite)などであり得る。これらの結合剤は、そのまま使用されてもよく、または噴霧乾燥中および/もしくは後続の焼成中に所望される結合剤を形成する、好適な前駆体化合物の形態で使用されてもよい。かかる結合剤前駆体の例は、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタネート、テトラアルコキシジルコネート、または2種以上の異なるテトラアルコキシシランの混合物、または2種以上の異なるテトラアルコキシチタネートの混合物、または2種以上の異なるテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジルコネートの混合物である。本発明の文脈においては、完全にもしくは部分的にSiO
2を含むか、またはSiO
2の前駆体であり、これからSiO
2が形成される結合剤が好ましい。この文脈において、コロイド状シリカ、ならびにいわゆる「湿式法」シリカおよびいわゆる「乾式法」シリカを使用することができる。このシリカは非晶質シリカであってもよく、シリカ粒子のサイズは、例えば5〜100nmの範囲内であり、シリカ粒子の表面積は50〜500m
2/gの範囲内である。好ましくはアルカリ性および/またはアンモニア性溶液、より好ましくはアンモニア性溶液としてのコロイド状シリカは、特に、例えばLudox(登録商標)、Syton(登録商標)、Nalco(登録商標)、またはSnowtex(登録商標)として市販されている。「湿式法」シリカは、特に、例えばHi−Sil(登録商標)、Ultrasil(登録商標)、Vulcasil(登録商標)、Santocel(登録商標)、Valron−Estersil(登録商標)、Tokusil(登録商標)、またはNipsil(登録商標)として市販されている。「乾式法」シリカは、特に、例えばAerosil(登録商標)、Reolosil(登録商標)、Cab−O−Sil(登録商標)、Fransil(登録商標)、またはArcSilica(登録商標)として市販されている。特に、コロイド状シリカのアンモニア性溶液が好ましい。
【0098】
本発明のゼオライト系材料の量の、成型品を製造するために使用される結合剤の量に対する比については、概して、この比は自由に選択することができる。概して、本発明のゼオライト系材料の結合剤に対する質量比は、20:1〜1:20、好ましくは10:1〜1:10の範囲内である。
【0099】
本発明によるゼオライト系材料に基づく成型品を製造することにおいて、成型性混合物の改善された加工性を提供するために、少なくとも1種のペースト剤を使用することができる。想定されるペースト剤は、他の中でも特に、有機、特に親水性ポリマー、例えばセルロース、例えばメチルセルロースなどのセルロース誘導体、および例えばジャガイモデンプンなどのデンプンのような炭水化物、壁紙プラスター、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテン、またはポリテトラヒドロフランである。水、アルコール、もしくはグリコール、またはこれらの混合物、例えば水およびアルコール、もしくは水およびグリコール、例えば水およびメタノール、もしくは水およびエタノール、もしくは水およびプロパノール、もしくは水およびプロピレングリコールなどの混合物などの、ペースト剤としての使用を挙げることができる。好ましくは、セルロース、セルロース誘導体などの炭水化物、水、およびこれらの化合物のうち2種以上の混合物、例えば水およびセルロース、または水およびセルロース誘導体が、ペースト剤として使用される。好ましくは、この少なくとも1種のペースト剤は、下でさらに記載されるように、乾燥および/または焼成によって除去される。
【0100】
本発明のゼオライト系材料の量の、成型品を製造するために使用されるペースト剤の量に対する比については、通常、この比は自由に選択することができる。概して、本発明のゼオライト系材料のペースト剤に対する質量比は、20:1〜1:50、好ましくは10:1〜1:40の範囲内である。
【0101】
細孔形成剤、特にメソ細孔形成剤が、成型品の製造のために追加的に採用されることが、さらに想定され得る。通常採用される、かかる細孔形成剤は、好ましくは高分子ビニル化合物、例えばポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルなどである。
【0102】
本発明の成型品は、例えば矩形、三角形、六角形、正方形、楕円形、または円形断面を有するストランド、星形、平板、球形、中空円筒などのあらゆる想定される幾何学的形状に、(vi)において成形されてもよい。特定の幾何学的形状に応じて、(vi)による成形方法は選択されることになる。本発明の好ましい実施形態に従って、ストランドが製造される場合、(vi)による成形は、好ましくは、本発明のゼオライト系材料、および任意に結合剤または結合剤前駆体を含む成型性混合物を、押出に付することを含む。好適な押出装置については、例えば、「Ullmann’s Enzyklopaedie der Technischen Chemie」第4版、2巻、295頁以下、1972年に記載されている。押出機の使用に加えて、押出プレスもまた、成型品の製造に使用することができる。必要な場合、押出機は、押出プロセス中、好適に冷却され得る。バッチ当たりの消費電力が1〜10A、好ましくは1.5〜6A、より好ましくは2〜4Aの範囲内である押出プロセスが想定され得る。押出機のダイヘッドを介して押出機を出るストランドは、好適なワイヤによって、または不連続ガス流によって機械的に切断され得る。
【0103】
(vi)から得られた成型品は、任意に、乾燥および/または焼成される。したがって、成型品は、乾燥されることができるが、焼成に付しないことができる。さらに、成型品は、焼成されることができるが、乾燥に付しないことができる。なおもさらに、成型品は、乾燥され、かつ焼成されることができる。
【0104】
乾燥条件および焼成条件に関する具体的に制限していない。想定される乾燥条件としては、制限されるものではないが、80〜160℃、90〜155℃、または100〜150℃の範囲内の温度、および6〜24時間、8〜20時間、または10〜20時間の範囲内の持続期間が挙げられる。乾燥は、任意の好適なガス雰囲気の下で実行することができ、窒素、空気、および/または希薄空気が挙げられる。焼成条件としては、制約されるものではないが、400〜650℃、450〜625℃、または500〜600℃の範囲内の温度、および0.25〜6時間、0.5〜5時間、または0.5〜2時間の範囲内の持続期間が挙げられる。焼成は、任意の好適なガス雰囲気の下で実行することができ、空気および/または希薄空気が挙げられる。好ましくは、乾燥および/または焼成中に、細孔形成剤および/またはペースト剤は、使用されている場合、少なくとも部分的に、好ましくは本質的に完全に成型品から除去される。
【0105】
したがって、本発明はまた、本発明による本発明のゼオライト系材料、および任意に少なくとも1種の結合剤を含む成型品にも関する。
【0106】
好ましくは、(vi)の前および(vi)中において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない。好ましくは、(vi)の後に、特に一連の工程(vi)および(vii)中およびその後において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を含む成型品は、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない。さらに好ましくは、(vi)の前および(vi)中において、ならびに一連の工程(vi)および(vii)中およびその後において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を含む成型品は、蒸気で処理されない。
【0107】
さらに好ましくは、(vi)の前に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料は、ゼオライト系材料からホウ素を有意に除去することにつながる1種または複数の方法によって処理されず、一連の工程(vi)から(vii)中およびその後において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を含む成型品は、ゼオライト系材料からホウ素またはチタンを有意に除去することにつながる1種または複数の方法によって処理されない。本発明のこの文脈において使用される場合、「ホウ素を有意に除去すること」とはホウ素の除去に関し、これによれば、それぞれの処理後において、ゼオライト系材料は、5質量%、好ましくは2質量%、より好ましくは1質量%減少される、ホウ素元素として計算されるホウ素含有量を有する。本発明のこの文脈において、使用される「チタンを有意に除去すること」とはチタンの除去に関し、これによれば、それぞれの処理後において、ゼオライト系材料は、5質量%、好ましくは2質量%、より好ましくは1質量%減少される、チタン元素として計算されるチタン含有量を有する。
【0108】
したがって、本発明はまた、上に記載される方法にも関し、ここでは、(vi)または(vii)、好ましくは(vii)から得られた成型品に含まれる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のホウ素含有量は、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%であり、(vi)または(vii)、好ましくは(vii)から得られた成型品に含まれる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のチタン含有量は、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のチタン含有量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である。
【0109】
使用方法
MWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料、ならびに/またはMWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料を含む本発明の成型品は、触媒活性剤、触媒担体、分子篩、吸着剤、充填剤などのすべての想定され得る目的のために使用することができる。
【0110】
好ましくは、MWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料、ならびに/またはMWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料を含む本発明の成型品は、触媒または触媒成分として、好ましくは酸化反応において、より好ましくは有機酸化反応において、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が酸化剤として使用される、有機酸化反応において、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が好ましくはアルケン、より好ましくはシクロアルケン、より好ましくはシクロヘキセンの酸化用の酸化剤として使用される、有機酸化反応において使用される。
【0111】
より好ましくは、MWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料、および/またはMWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料を含む本発明の成型品は、触媒として、式(I)の化合物を製造するための方法において使用され、
【化1】
式中、R
1は、1〜4個の炭素原子、例えば1、2、3、または4個の炭素原子、好ましくは1、2、または3個の炭素原子、より好ましくは1または2個の炭素原子を有するアルキル残基であり、この方法は、以下の工程、
(i)シクロヘキセン、アルコールR
1OH、過酸化水素、および任意に溶媒を含有する液体混合物を用意する工程、および
(ii)MWW骨格を有し、かつホウ素およびチタンを含む本発明によるゼオライト系材料を含有する触媒の存在下において、(i)に従って用意された混合物中の過酸化水素およびアルコールR
1OHでシクロヘキセンを変換して、式(I)の化合物を含有する混合物を得る工程を含む。
【0112】
さらに、本発明は、酸化反応、好ましくは有機酸化反応、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が酸化剤として採用される、有機酸化反応、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が好ましくはアルケン、好ましくはシクロアルケン、より好ましくはシクロヘキセンの酸化用の酸化剤として採用される、有機酸化反応に関し、ここでは、MWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料、ならびに/またはMWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料を含む本発明の成型品は、酸化触媒として、または酸化触媒成分として、好ましくは酸化触媒として使用される。
【0113】
なおもさらに、本発明は、式(I)の化合物を製造するための方法に関し、
【化2】
式中、R
1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であり、この方法は、以下の工程、
(i)シクロヘキセン、アルコールR
1OH、過酸化水素、および任意に溶媒を含有する液体混合物を用意する工程、および
(ii)MWW骨格を有し、かつホウ素およびチタンを含む本発明によるゼオライト系材料を含有する触媒の存在下において、(i)に従って用意された混合物中の過酸化水素およびアルコールR
1OHでシクロヘキセンを変換して、式(I)の化合物を含有する混合物を得る工程を含む。
【0114】
特に、MWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料、ならびに/またはMWW骨格構造を有し、ホウ素およびチタンを含む本発明のゼオライト系材料を含む本発明の成型品は、好ましくは、少なくとも二官能性の触媒として、より好ましくはエポキシ化および開環の触媒として、またはエポキシ化およびエーテル化の触媒として、または開環およびエーテル化の触媒として、より好ましくは三官能性の触媒として、より好ましくはエポキシ化および開環およびエーテル化の触媒として使用される。
【0115】
本発明は、以下の実施形態、ならびに示される従属関係および参照の結果として生じる実施形態の組合せによってさらに例証される。
【0116】
1.MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の製造のための方法であって、
(i)シリカ源、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性合成混合物を、最大50℃の水性合成混合物の温度で用意すること、
(ii)(i)において用意された水性合成混合物を、最大50℃の温度から、最大24時間の期間内に、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱すること、
(iii)(ii)による加熱から得られた合成混合物を、160〜190℃の範囲内の温度において、閉鎖系内で、自生圧力下の水熱合成条件に供して、その母液中で、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を得ること、
(iv)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、その母液から分離すること、および
(v)(iv)による分離から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の分離された前駆体を焼成して、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を得ることを含む、方法。
【0117】
2.(i)において用意される水性合成混合物が、シリカ源を、ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性混合物に添加することによって製造される、実施形態1に記載の方法。
【0118】
3.ホウ素源、チタン源、およびMWW鋳型剤を含む水性混合物が、MWW鋳型剤の一部およびチタン源を含む混合物を、MWW鋳型剤の一部およびホウ素源を含む水性混合物に添加することによって製造され、好ましくは、MWW鋳型剤の一部およびチタン源を含む混合物が、水を含有しない、実施形態2に記載の方法。
【0119】
4.シリカ源を添加した後、水性合成混合物が、最大50℃の温度において、45〜180分間、好ましくは60〜120分間、より好ましくは80〜100分間の範囲内の期間撹拌される、実施形態2または3に記載の方法。
【0120】
5.(i)に従って、
シリカ源が、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、ケイ素アルコキシド、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、好ましくはヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、シリカ源がヒュームドシリカであり、
ホウ素源が、ホウ酸、ホウ酸塩、酸化ホウ素、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、好ましくはホウ酸、ホウ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、ホウ素源がホウ酸であり、
チタン源が、チタンアルコキシド、チタンハロゲン化物、チタン塩、二酸化チタン、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、好ましくはチタンアルコキシド、チタンハロゲン化物、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、チタン源がチタンアルコキシドであり、より好ましくはチタンテトラブトキシドであり、
MWW鋳型剤が、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1,5−ペンタンジアンモニウムイオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタン、水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘプチルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキシルトリメチルアンモニウム、およびこれらのうち2種以上の混合物からなる群から、好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択され、より好ましくはMWW鋳型剤がピペリジンである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
6.(i)において用意される水性合成混合物が、
ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比が、0.18:1〜5.2:1、好ましくは0.5:1〜3:1の範囲内であり、ホウ素元素として計算される、ホウ素源、
ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比が、0.005:1〜0.15:1、好ましくは0.01:1〜0.1:1の範囲内であり、チタン元素として計算される、チタン源、
ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比が、0.4:1〜4.2:1、好ましくは0.6:1〜2:1の範囲内である、MWW鋳型剤、および
ケイ素元素として計算されるケイ素源に対するモル比が、1:1〜30:1、好ましくは2:1〜25:1の範囲内である、水
を含有する、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
7.(i)において用意される水性合成混合物が、pH感応ガラス電極で決定した際、10〜13、好ましくは10.5〜12.5、より好ましくは11〜12の範囲内のpHを有する、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
8.(ii)において、(i)において用意された水性合成混合物を、最大50℃の温度から、160〜190℃の範囲内の温度まで加熱することが、好ましくは撹拌しながら、2〜18時間、好ましくは4〜14時間、より好ましくは8〜12時間の範囲内の期間行われる、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
9.(ii)において、(i)において用意された混合物が、最大50℃の温度から、160〜190℃の範囲内の温度まで連続的に加熱される、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
10.(iii)において、合成混合物が、好ましくは少なくとも部分的に撹拌しながら、80〜200時間、好ましくは100〜180時間、より好ましくは120〜160時間の範囲内の期間、自生圧力下の水熱合成条件に付する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
11.(iv)による分離が、
(iv.1)MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、好ましくは水で、洗浄に使用されている水のpHがpH感応ガラス電極で決定した際、10未満のpHを有するまで洗浄すること、
(iv.2)洗浄された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体を、好ましくは酸素を含む雰囲気において、好ましくは、10〜150℃、好ましくは20〜140℃、より好ましくは30〜130℃の範囲内の温度において乾燥させること
を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
12.(iv)の前および(iv)中において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
13.(v)において、焼成が、500〜700℃、より好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃の範囲内の温度において、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、より好ましくは6〜12時間の範囲内の期間行われる、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
14.(v)の前に、(iii)から得られたMWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体が、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されず、(v)の後に、焼成された、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料が、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
15.焼成に供される、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の前駆体のホウ素含有量が、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
16.(v)による焼成から得られる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のホウ素含有量が、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
17.(vi)(v)から得られた、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を成形して、成型品を得ること、および
(vii)任意に、(vi)から得られた成型品を乾燥および/または焼成すること
をさらに含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
18.(vi)の前に、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料が、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されず、一連の工程(vi)から(vii)中およびその後において、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料を含む成型品が、pH感応ガラス電極で決定した際、最大6のpHを有する水溶液で処理されない、実施形態17に記載の方法。
【0134】
19.(vi)または(vii)から得られた成型品中に含まれる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料のホウ素含有量が、(iii)による水熱合成から得られた前駆体のホウ素含有量の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である、実施形態17または18に記載の方法。
【0135】
20.実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるか、または得られる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料。
【0136】
21.ゼオライト系骨格構造の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、ホウ素、チタン、ケイ素、酸素、および水素からなり、ホウ素のケイ素に対するモル比が、0.05:1〜0.15:1の範囲内であり、チタンのケイ素に対するモル比が、0.017:1〜0.025:1の範囲内である、実施形態20に記載のゼオライト系材料。
【0137】
22.実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法によって任意に得ることができるか、または得られる、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料であって、ゼオライト系骨格構造の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、ホウ素、チタン、ケイ素、酸素、および水素からなり、ホウ素のケイ素に対するモル比が、0.05:1〜0.15:1の範囲内であり、チタンのケイ素に対するモル比が、0.017:1〜0.025:1の範囲内である、ゼオライト系材料。
【0138】
23.その焼成状態にある、実施形態22に記載のゼオライト系材料。
【0139】
24.ゼオライト系材料の焼成状態が、その非焼成状態にあるゼオライト系材料を、好ましくは酸素を含む雰囲気において、500〜700℃、より好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃の範囲内の温度において、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、より好ましくは6〜12時間の範囲内の期間、焼成に付することによって達成される、実施形態23に記載のゼオライト系材料。
【0140】
25.ゼオライト系材料の総質量に対して、最大0.5質量%、好ましくは最大0.2質量%、より好ましくは最大0.1質量%のMWW鋳型剤含有量を有し、前記MWW鋳型剤含有量が、焼成されたゼオライト系材料の全有機炭素(TOC)含有量として決定される、実施形態22から24のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0141】
26.ゼオライト系材料の
29Si−NMRスペクトルが、
−95.0〜−105.0ppmの範囲内の第1のシグナル、
−105.0〜−115.0ppmの範囲内の第2のシグナル、
−115.0〜−125.0ppmの範囲内の第3のシグナルを含み、
第1のシグナルの範囲の積分の、第3のシグナルの範囲の積分に対する比が、好ましくは0.6〜1.1、より好ましくは0.7〜1.0、より好ましくは0.8〜0.9の範囲内にある、実施形態22から25のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0142】
27.ゼオライト系材料の
11B−NMRスペクトルが、
20.0〜10.0ppmの範囲内の第1のシグナル、
10.0〜1.0ppmの範囲内の第2のシグナルであって、6.5〜5.5ppm、好ましくは6.2〜5.8ppmの範囲内のピークを好ましくは有する、第2のシグナル、
1.0〜−7.0ppmの範囲内の第3のシグナルであって、−2.4〜−3.4ppm、好ましくは−2.7〜−3.1ppmの範囲内のピークを好ましくは有する、第3のシグナル、
−7.0〜−16.0ppmの範囲内の第4のシグナルを含み、
第3のシグナルの範囲の積分の、第2のシグナルの範囲の積分に対する比が、好ましくは1.00〜1.15、より好ましくは1.05〜1.15、より好ましくは1.10〜1.15の範囲内にある、実施形態22から26のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0143】
28.12.0〜16.0質量%、好ましくは12.0〜15.0質量%、より好ましくは12.0〜14.0質量%の範囲内の吸水率を有する、実施形態22から27のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0144】
29.DIN66131に従って決定された際、400〜500m
2/g、好ましくは410〜490m
2/g、より好ましくは420〜480m
2/gの範囲内のBET比表面積を有する、実施形態22から28のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0145】
30.ゼオライト系材料の赤外スペクトルが、3748+/−20cm
−1のバンド、3719+/−20cm
−1のバンド、3689+/−20cm
−1のバンド、3623+/−20cm
−1のバンド、3601+/−20cm
−1のバンド、および3536+/−20cm
−1のバンドを含む、実施形態22から29のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0146】
31.(7.2±0.1)°、(14.5±0.1)°、(22.1±0.1)°、(22.7±0.1)°、(23.0±0.1)°、(24.0±0.1)°、(25.3±0.1)°、(26.3±0.1)°、(27.3±0.1)°、(28.1±0.1)°の2θ回折角におけるピークを含むXRDスペクトルによって特徴付けられる、実施形態22から30のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0147】
32.(7.0±0.1)°、(8.1±0.1)°、(10.1±0.1)°、(14.3±0.1)°、(20.4±0.1)°、(21.9±0.1)°、(28.9±0.1)°、(33.8±0.1)°、(47.0±0.1)°、(65.4±0.1)°、(66.4±0.1)°の2θ回折角におけるピークを追加的に含むXRDスペクトルによって特徴付けられる、実施形態31に記載のゼオライト系材料。
【0148】
33.ゼオライト系材料の総質量に対して、1.0〜2.0質量%、好ましくは1.1〜1.8質量%、より好ましくは1.2〜1.6質量%の範囲内の、ホウ素元素として計算されるホウ素含有量を有する、実施形態20から32のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0149】
34.ゼオライト系材料の総質量に対して、1.0〜2.0質量%、好ましくは1.1〜1.8質量%、より好ましくは1.2〜1.6質量%の範囲内の、チタン元素として計算されるチタン含有量を有する、実施形態20から33のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0150】
35.ゼオライト系材料の総質量に対して、1.2〜1.5質量%の範囲内の、ホウ素元素として計算されるホウ素含有量、および1.2〜1.5質量%の範囲内の、チタン元素として計算されるチタン含有量を有する、実施形態20から34のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0151】
36.成型品に含まれ、前記成型品が、任意に、少なくとも1種の結合剤を追加的に含有する、実施形態20から35のいずれか1つに記載のゼオライト系材料。
【0152】
37.実施形態20から35のいずれか1つに記載のゼオライト系材料、および任意に少なくとも1種の結合剤、好ましくはシリカ結合剤を含む、成型品。
【0153】
38.実施形態20から36のいずれか1つに記載のゼオライト系材料、または実施形態37に記載の成型品を、触媒または触媒成分として、好ましくは酸化反応において、より好ましくは有機酸化反応において、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が酸化剤として使用される、有機酸化反応において、より好ましくはそのまま採用されるかまたはその場で形成される過酸化水素が好ましくはアルケン、より好ましくはシクロアルケン、より好ましくはシクロヘキセンの酸化用の酸化剤として使用される、有機酸化反応において使用する方法。
【0154】
39.ゼオライト系材料または成型品が、触媒として、式(I)の化合物を製造するための方法において使用され、
【化3】
式中、R
1が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であり、この方法が、以下の工程、
(i)シクロヘキセン、アルコールR
1OH、過酸化水素、および任意に溶媒を含有する液体混合物を用意する工程、および
(ii)ゼオライト系材料または成型品の存在下において、(i)に従って用意された混合物中の過酸化水素およびアルコールR
1OHでシクロヘキセンを変換して、式(I)の化合物を含有する混合物を得る工程を含む、実施形態38に記載の使用する方法。
【0155】
40.実施形態20から36のいずれか1つに記載のゼオライト系材料、または実施形態37に記載の成型品を、少なくとも二官能性の触媒として、より好ましくはエポキシ化および開環の触媒として、またはエポキシ化およびエーテル化の触媒として、または開環およびエーテル化の触媒として、より好ましくは三官能性の触媒として、より好ましくはエポキシ化および開環およびエーテル化の触媒として使用する方法。
【0156】
41.式(I)の化合物を製造するための方法において、
【化4】
式中、R
1が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であり、この方法が、以下の工程、
(i)シクロヘキセン、アルコールR
1OH、過酸化水素、および任意に溶媒を含有する液体混合物を用意する工程、および
(ii)ゼオライト系材料または成型品の存在下において、(i)に従って用意された混合物中の過酸化水素およびアルコールR
1OHでシクロヘキセンを変換して、式(I)の化合物を含有する混合物を得る工程を含む、請求項40に記載の使用する方法。
【0157】
42.式(I)の化合物を製造するための方法であって、
【化5】
式中、R
1が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であり、この方法が、以下の工程、
(i)シクロヘキセン、アルコールR
1OH、過酸化水素、および任意に溶媒を含有する液体混合物を用意する工程、および
(ii)実施形態20から36のいずれか1つに記載のゼオライト系材料、または実施形態37に記載の成型品の存在下において、(i)に従って用意された混合物中の過酸化水素およびアルコールR
1OHでシクロヘキセンを変換して、式(I)の化合物を含有する混合物を得る工程を含む、方法。
【0158】
本発明は、以下の参照例、実施例、および比較例によってさらに例証される。
【実施例】
【0159】
以下の出発材料を採用した。
【0160】
− ピペリジン;Sigma−Aldrichより
− ホウ酸;Bernd Kraft GmbHより
− オルトチタン酸テトラブチル;Alfa Aesarより
− ヒュームドシリカCAB−O−SIL(登録商標)M7DおよびCAB−O−SIL(登録商標)M5、Cabot Corporationより
参照例1:
11B固相NMRスペクトルの決定
11B固相NMR実験を、400MHzの
1Hラーモア周波数を用いるBruker Avance III分光計(Bruker Biospin、Germany)を使用して行った。試料を、4mmのZrO
2ロータに充填する前は、室温で相対湿度63%において保存した。測定は、室温で、10kHzのマジック角回転の下で行った。1マイクロ秒(μs)パルス幅の
11B 15°パルス励起、参照スペクトルにおける−4ppmに対応する
11B搬送周波数、および1秒のスキャンリサイクル遅延(scan recycle delay)を用いて、
11Bスペクトルを得た。シグナルは、10ミリ秒間取得し、5000回のスキャンで蓄積した。スペクトルを、Bruker Topspinを用いて、全スペクトル幅にわたる30Hz指数関数的ラインブロードニング、フェージング、およびベースライン補正によって処理した。スペクトルは、カルボニルピークを175.67ppmに有するグリシンを二次基準として用いて、CDCl
3中1%のTMSに対して、IUPACに従って(Pure Appl.Chem.、80巻、第1号、59頁)統合されたケミカルシフトスケール上に間接的に参照した。
【0161】
参照例2:
29Si固相NMRスペクトルの決定
29Si固相NMR実験を、400MHzの
1Hラーモア周波数を用いるBruker Avance III分光計(Bruker Biospin、Germany)を使用して行った。試料を、4mmのZrO
2ロータに充填する前は、室温で相対湿度63%において保存した。測定は、室温で、10kHzのマジック角回転の下で行った。5マイクロ秒(μs)パルス幅の
29Si 90°パルス励起、参照スペクトルにおける−112ppmに対応する
29Si搬送周波数、および120秒のスキャンリサイクル遅延を用いて、
29Siスペクトルを得た。シグナルは、63kHzハイパワープロトンデカップリングの下で20ミリ秒(ms)間取得し、少なくとも16時間蓄積した。スペクトルを、Bruker Topspinを用いて、全スペクトル幅にわたる50Hz指数関数的ラインブロードニング、フェージング、およびベースライン補正によって処理した。スペクトルは、カルボニルピークを175.67ppmに有するグリシンを二次基準として用いて、CDCl
3中1%のTMSに対して、IUPACに従って(Pure Appl.Chem.、80巻、第1号、59頁)統合されたケミカルシフトスケール上に間接的に参照した。
【0162】
参照例3:吸水率の決定
水吸着/脱着等温線測定を、TA InstrumentsのVTI SA機器において段階等温線プログラムに従って行った。実験は、機器の内部の微量てんびんパン上に置いた試料材料について行ったランまたは一連のランからなった。測定を開始する前に、試料を窒素流中で100℃まで加熱し(5K/分の昇温勾配)、それを6時間保持することにより、試料の残存水分を除去した。乾燥プログラムの後、セル内の温度を25℃に低下させ、測定中等温に維持した。微量てんびんを較正し、乾燥試料の質量を均衡させた(最大質量偏差0.01質量%)。試料による吸水率を、乾燥試料の質量と比較した質量の増加分として測定した。最初に、試料が曝露された相対湿度(RH)(セルの内部の雰囲気中の水の質量%として表した)を増加させ、試料による吸水率を平衡として測定することにより吸着曲線を測定した。試料を85質量%から5質量%まで10%刻みで曝露し、試料の質量における変化(吸水率)をモニターし、記録した後、RHを5%から85%まで10質量%刻みで増加させ、各刻みにおいてシステムが相対湿度を制御し、平衡状態に達するまで試料の質量をモニターした。
【0163】
参照例4:赤外スペクトルの決定
FT−IR(フーリエ変換赤外)測定を、Nicolet6700分光計において行った。粉末化材料を、いかなる添加剤も使用せずに、自己支持形ペレット中にプレスした。ペレットをFT−IR機器内に置かれた高真空(HV)セル中に導入した。測定の前に、試料を高真空(10
−5ミリバール)中において、300℃で3時間前処理した。セルを50℃まで冷ました後、スペクトルを収集した。スペクトルは、4000〜800cm
−1の範囲内で、2cm
−1の解像度で記録した。得られたスペクトルは、x軸に波数(cm
−1)を有し、y軸に吸光度(任意単位、a.u.)を有するプロットで表される。ピーク高さおよびこれらのピーク間の比の定量的決定のために、ベースライン補正を行った。3000〜3900cm
−1領域における変化を解析し、複数の試料を比較するために、1880±5cm
−1におけるバンドを基準として採取した。
【0164】
参照例5:XRDスペクトルの決定
XRDスペクトルを、複数試料の交換器を有する、Bruker/AXSのD8 Advance Serie2を用いて作製した。
【0165】
実施例1:本発明により、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の製造
ガラスビーカー内の841.82gの脱イオン水に、ピペリジン(200g)を添加し、結果として得られた混合物を室温で5分間撹拌した。ホウ酸(203.8g)をこの混合物に添加し、20分間溶解させ、次いで、ピペリジン(99.24g)中に溶解させたオルトチタン酸テトラブチル(17.75g)の溶液を、70r.p.m.の撹拌速度で撹拌しながら添加し、結果として得られた混合物を、室温で30分間撹拌した。ヒュームド二酸化ケイ素(Cab−O−Sil M7D、147.9g)を撹拌しながら混合物に添加し、結果として得られた混合物を、室温で90分間撹拌した。混合物は11.3のpHを有した。
【0166】
混合物を2.5lのオートクレーブ内に装填し、緩徐かつ連続的に、10時間以内に170℃まで加熱し、その後、100r.p.m.の撹拌速度で撹拌しながら、この温度に160時間保持した。反応中の圧力は、8.3〜9バールの範囲内にあった。得た懸濁液は11.2のpHを有した。懸濁液を濾過し、濾過ケークを、洗液が10未満のpHを有するまで、脱イオン水で洗浄した。濾過ケークを120℃の乾燥オーブン内で48時間乾燥させ、2K/分の加熱速度で650℃の温度まで加熱し、空気雰囲気において650℃で10時間焼成した。
【0167】
無色の粉末(101.3g)を得た。この粉末は、ホウ素元素として計算される、1.3質量%のホウ素含有量、チタン元素として計算される、1.3質量%のチタン含有量、およびチタン元素として計算される、40質量%のケイ素含有量を有した。全有機炭素含有量(TOC)は、0.1質量%であった。
【0168】
このゼオライト系材料の
11B固相NMRスペクトルを
図1に示し、
29Si固相NMRスペクトルを
図5に示す。このゼオライト系材料のFT−IRスペクトルを
図9に示し、XRDスペクトルを
図10に示す。さらに、このXRDスペクトルは、以下の特性を呈する。
【0169】
【表1】
【0170】
比較例1:Wuらに基づく、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の製造
この製造は、P.Wuらに類似する方法で行った。しかしながら、それぞれ得られた材料と、本発明による材料との間の比較を可能にするために、Wuらによる方法は、酸処理工程を行わないという点において修正した。最終的に得られる材料に関して、妥当な基準による特性の比較が可能であるためには、これが唯一の可能性である。これは、酸処理工程、したがってホウ素を除去する工程が行われない場合にのみ、Wuらに類似する方法で製造した、結果として得られる焼成された材料がホウ素を依然として含有するためである。
【0171】
ビーカー内の841.22gの脱イオン水に、ピペリジン(299.24g)を添加し、結果として得られた混合物を室温で5分間撹拌した。ピペリジン水溶液を、2つの等しい部分に分けた。ピペリジン水溶液の第1の部分には、70r.p.m.の撹拌速度で撹拌しながらホウ酸(203.80g)を添加し、結果として得られた混合物を30分間室温で撹拌した。次いで、ヒュームド二酸化ケイ素(Cab−O−Sil(登録商標)M7D、73.95g)をこの混合物に撹拌しながら添加し、結果として得られた混合物を室温で1時間撹拌した。ピペリジン水溶液の第2の部分には、撹拌しながらオルトチタン酸テトラブチル(17.75g)を添加し、結果として得られた混合物を30分間室温で撹拌した。次いで、ヒュームド二酸化ケイ素(Cab−O−Sil(登録商標)M7D、73.95g)をこの混合物に撹拌しながら添加し、結果として得られた混合物を室温で1時間撹拌した。ピペリジン水溶液の第1の部分および第2の部分から製造した混合物を合わせて、室温で1.5時間、室温で撹拌した。結果として得られた混合物は11.1のpHを有した。
【0172】
この混合物を2.5lのオートクレーブ内に装填し、100r.p.m.の撹拌速度で撹拌しながら、130℃の温度に24時間、次いで150℃に24時間、次いで170℃に120時間保持した。反応中の圧力は、8〜9バールの範囲内にあった。得られた懸濁液は約11.1のpHを有した。懸濁液を濾過し、濾過ケークを、洗液が10未満のpHを有するまで、脱イオン水で洗浄した。濾過ケークを50℃の乾燥オーブン内で24時間乾燥させ、続いて、この乾燥させた濾過ケークを、2K/分の加熱速度で530℃の温度まで加熱し、空気雰囲気において530℃で10時間焼成した。無色の粉末(111.5g)を得た。この粉末は、ホウ素元素として計算される、1.3質量%のホウ素含有量、チタン元素として計算される、1.6質量%のチタン含有量、およびチタン元素として計算される、42.0質量%のケイ素含有量を有した。全有機炭素含有量(TOC)は、0.1質量%未満であった。
【0173】
このゼオライト系材料の
11B固相NMRスペクトルを
図2に示し、
29Si固相NMRスペクトルを
図6に示す。さらに、このXRDスペクトルは、以下の特性を呈する。
【0174】
【表2】
【0175】
比較例2:US2011190517A1に基づく、MWW骨格構造を有し、かつホウ素およびチタンを含むゼオライト系材料の製造
この製造は、US2011190517A1の実施例1、触媒1Aの製法に類似する方法で行った。しかしながら、それぞれ得られた材料と、本発明による材料との間の比較を可能にするために、Wuらによる方法は、酸処理工程を行わないという点において修正した。最終的に得られる材料に関して、妥当な基準による特性の比較が可能であるためには、これが唯一の可能性である。これは、酸処理工程、したがってホウ素を除去する工程が行われない場合にのみ、US2011190517A1に類似する方法で製造した、結果として得られる焼成された材料がホウ素を依然として含有するためである。
【0176】
ガラスビーカー内の835.83gの脱イオン水に、ピペリジン(324g)を添加し、結果として得られた混合物を室温で5分間撹拌した。ピペリジン水溶液を、2つの等しい部分に分けた。ピペリジン水溶液の第1の部分には、撹拌しながらホウ酸(195.36g)を添加し、結果として得られた混合物を70r.p.m.の撹拌速度で、30分間室温で撹拌した。次いで、ヒュームド二酸化ケイ素(Cab−O−Sil(登録商標)M5、73.95g)をこの混合物に撹拌しながら添加し、結果として得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。ピペリジン水溶液の第2の部分には、撹拌しながらオルトチタン酸テトラブチル(21.09g)を添加し、結果として得られた混合物を30分間室温で撹拌した。次いで、ヒュームド二酸化ケイ素(Cab−O−Sil M5(登録商標)、73.95g)をこの混合物に撹拌しながら添加し、結果として得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。ピペリジン水溶液の第1の部分および第2の部分から製造した混合物を合わせて、室温で1.5時間撹拌した。結果として得られた混合物は11.3のpHを有した。
【0177】
この混合物を2.5lのオートクレーブ内に装填し、100r.p.m.の撹拌速度で撹拌しながら、130℃の温度に24時間、次いで150℃に24時間、次いで170℃に240時間保持した。反応中の圧力は、8〜9バールの範囲内にあった。得られた懸濁液は11.4のpHを有した。懸濁液を濾過し、濾過ケークを、洗液が10未満のpHを有するまで、脱イオン水で洗浄した。濾過ケークを50℃の乾燥オーブン内で24時間乾燥させ、続いて、この乾燥させた濾過ケークを、2K/分の加熱速度で530℃の温度まで加熱し、空気雰囲気において530℃で10時間焼成した。無色の粉末(133g)を得た。この粉末は、ホウ素元素として計算される、1.6質量%のホウ素含有量、チタン元素として計算される、1.4質量%のチタン含有量、およびチタン元素として計算される、44質量%のケイ素含有量を有した。全有機炭素含有量(TOC)は、0.1質量%未満であった。
【0178】
このゼオライト系材料の
11B固相NMRスペクトルを
図3に示し、
29Si固相NMRスペクトルを
図7に示す。さらに、このXRDスペクトルは、以下の特性を呈する。
【0179】
【表3】
【0185】
実施例2:ゼオライト系材料の
11Bおよび
29Si NMRスペクトルの比較
実施例1、ならびに比較例1
及び2によるゼオライト系材料の
11B固相NMRスペクトルの比較により、下記の表1に示すように、第3のシグナルの範囲の積分の、第2のシグナルの範囲の積分に対する比は、本発明によるゼオライト系材料の有するものが最も高いということを示す。
【0186】
【表5】
【0187】
実施例1、ならびに比較例1
及び2によるゼオライト系材料の
29Si固相NMRスペクトルの比較により、下の表2に示されるように、第1のシグナルの範囲の積分の、第3のシグナルの範囲の積分に対する比は、本発明によるゼオライト系材料の有するものが最も高いということを示す。
【0188】
【表6】
【0189】
実施例3:触媒材料としてのゼオライト系材料の試験
実施例1、比較例1、および比較例2において得られたゼオライト系材料を、酸化反応において、具体的には2−メトキシシクロヘキサノールを得る、過酸化水素を用いたシクロヘキセンの反応において、触媒として採用した。
【0190】
反応容器内で、それぞれのゼオライト系材料1gを、20mlのメタノール中の3.92gのシクロヘキセンと混和させた。結果として得られた混合物に、過酸化水素の50質量%水溶液1gを添加した。混合物を、撹拌しながら、65℃で4時間加熱した。
【0191】
濾過によって触媒を除去して、このようにして得られた濾液を秤量した後、試料をこの濾液から採取した。この試料から、過酸化水素の変換率を決定するために、過酸化水素の含有量をセリウム滴定によって測定した。
【0192】
残りの濾液に、残留過酸化水素を分解するために、亜硫酸ナトリウムを添加した。下の反応スキームに従って形成される式(I)〜(V)の化合物のモル量を決定するためのガスクロマトグラフィー分析用に、この濾液から試料を採取した。これらのモル量から、式(I)〜(V)のすべての化合物の総モル量に対する、2−メトキシシクロヘキサノール(式(I)の化合物)のモル量として、選択率を計算した。「B−Ti−MWW」という略語は、それぞれの採用されたゼオライト系材料を表す。
【0193】
【化6】
【0194】
実験結果を、以下の表3に示す。
【0195】
【表7】
【0196】
これらの結果は、実施例1に従って製造されたゼオライト系材料が、比較例1
及び2に従って製造されたゼオライト系材料と比較して、著しく改善された選択率を提供しながら、同時により高い変換率も提供することを明らかに示す。
【0197】
実施例の概要
本明細書で上に示されるように、本発明の概念のある特定の態様に従って、従来技術の方法を修正しなければならず、またチタンだけでなく、チタンとホウ素とを含む焼成されたゼオライト系材料の製造を可能にするために、比較例1および2に従って酸処理工程が行われなかったものの、従来技術による材料は、本発明的材料とは著しく異なる。特に、上の実施例2におけるゼオライト系材料の
11Bおよび
29Si固相NMRスペクトルに関する比較、またさらに上の実施例3による触媒材料としてのこれらのゼオライト系材料の試験を参照する。