(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールを示す斜視図である。
図2は、光配線基板及び光配線基板に搭載された部品を示し、(a)は第1の主面側を示す平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A線断面図である。
図3は、光ファイバを支持するスリーブを示し、(a)は正面図、(b)及び(c)は側面図、(d)は斜視図である。
図4は、光配線基板の第2の主面側を光素子及び電子部品と共に示す斜視図である。
【0016】
この光モジュール100は、例えば情報処理装置のマザーボードにコネクタを介して搭載され、光ファイバを介して信号の送受信(送信又は受信)を行うために用いられる。
【0017】
光モジュール100は、光配線基板1と、光ファイバを支持する支持部材としてのスリーブ2と、光配線基板1に搭載された光素子3と、光素子3に電気的に接続された電子部品4とを備えている。
【0018】
光配線基板1は、表裏一対の第1の主面10a及び第2の主面10bを有する板状の基材10と、基材10の第1の主面10aに設けられた配線パターン11と、基材10の第2の主面10bに設けられた金属層としての厚銅層12とを有している。配線パターン11は、エッチング等によって所定の形状にパターンニングされた銅等の良導電性の金属箔からなる。
【0019】
本実施の形態では、厚銅層12が配線パターン11よりも厚く形成された銅からなる。ただし、銅以外の金属を金属層として基材10の第2の主面10bに設けてもよい。
【0020】
基材10は、例えばPI(ポリイミド)等の電気絶縁性を有する板状の樹脂材料からなる。本実施の形態では、基材10の厚さが一般的なリジッド基板よりも薄く、光配線基板1が可撓性を有している。すなわち、光配線基板1は、フレキシブル基板である。また、基材10は、スリーブ2に支持された光ファイバを伝搬する光をその厚さ方向に透過させる光透過性を有している。
【0021】
厚銅層12は、配線パターン11よりも厚く、また基材10よりも厚く形成されている。
図2(b)に示すように、基材10の厚さをt
0、第1の配線パターン11の厚さをt
1、厚銅層12の厚さをt
2とすると、厚銅層12の厚さt
2は35〜150μm(35μm以上かつ150μm以下)であることが望ましい。この厚さが35μm未満であると、後述する嵌入孔13の周辺部における強度が必ずしも十分ではなく、150μmを超えると光配線基板1の製造コストが増大してしまうためである。
【0022】
また、t
0の望ましい範囲は10〜100μm(10μm以上かつ100μm以下)であり、t
1の望ましい範囲は5〜35μm(5μm以上かつ35μm以下)である。ただし、この範囲内において、t
2>t
1かつt
2>t
0であることが望ましい。なお、本実施の形態では、t
0が30μmであり、t
1が70μmである。
【0023】
図2(b)に示すように、光配線基板1に搭載された光素子3の第1の主面10aからの高さをh
1とし、同じく光配線基板1に搭載された電子部品4の第1の主面10aからの高さをh
2とすると、h
1はh
2よりも低く、h
1は例えば150μm、h
2は例えば200μmである。ただし、これに限らず、h
1とh
2とが同じでもよく、h
1がh
2よりも高くてもよい。
【0024】
光配線基板1は、長方形状であり、その長手方向の一端部がエッジコネクタ部1aとして形成されている。厚銅層12は、このエッジコネクタ部1aを除く範囲に形成されている。これにより、エッジコネクタ部1aにおける柔軟性が確保されている。
【0025】
図4に示すように、エッジコネクタ部1aにおける第1の主面10aには、配線パターン11が櫛状に形成され、このエッジコネクタ部1aにおける配線パターン11が図略の嵌合相手のコネクタの端子に接触する。すなわち、光配線基板1には、配線パターン11によって基材10の端部にエッジコネクタ部1aが形成されている。
【0026】
図3に示すように、スリーブ2は、円筒状に形成された円筒部21と、円筒部21における中心軸線Cに平行な方向における一方の端面21aから突出した一対の突起22とを一体に有している。また、スリーブ2には、円筒部21をその中心軸線Cに沿って貫通する貫通孔20が形成されている。貫通孔20は、円筒部21における一方の端面21aに開口して所定の長さに亘って均一な内径に形成された第1孔部201と、第1孔部201に連続して一方の端面21aとは反対側の他方の端面21b側に向かって徐々に内径が拡大するテーパ状の第2孔部202とからなる。なお、
図3(a)〜(c)では、貫通孔20を破線で図示している。
【0027】
一対の突起22は、中心軸線Cを含む仮想平面を対象面として、対称形状に形成されている。それぞれの突起22は、円筒部21における一方の端面21aに対して垂直な方向に突出して形成されている。突起22の側面は、円筒部21の外周面21cに連続して形成された外周面22aと、円筒部21における貫通孔20の第1孔部201の内周面21dに連続して形成された内周面22bと、平坦な第1乃至第3平面22c〜22eとからなる。外周面22a及び内周面22bは、突起22を中心軸線C方向から見た場合に、中心軸線Cを中心として所定の角度範囲に亘って形成された円弧状である。
【0028】
第1平面22cは、外周面22a及び内周面22bのそれぞれの周方向における一方の端部間に形成されている。一対の突起22のうち、一方の突起22の第1平面22cと他方の突起22の第1平面22cとは、互いに平行である。第2平面22dは、内周面22bを第1平面22cとの間に挟み、第1平面22cの延長線上に形成されている。第3平面22eは、第2平面22dと直交し、第2平面22dと外周面22aの端部との間に形成されている。
【0029】
図2(a)に示すように、光配線基板1には、スリーブ2の一対の突起22がそれぞれ嵌入する一対の嵌入孔13が形成されている。嵌入孔13は、基材10及び厚銅層12に形成されている。すなわち、嵌入孔13は、基材10及び厚銅層12をその厚み方向に貫通して形成されている。スリーブ2と光配線基板1とは、突起22が嵌入孔13に嵌入することで、相対的に位置決めされる。
図2(a)では、嵌入孔13に嵌入したスリーブ2の突起22の側面を仮想線(二点鎖線)で図示している。
【0030】
嵌入孔13の内面は、突起22の外周面22aに対向する外周内面13aと、突起22の内周面22bに対向する内周内面13bと、突起22の第1平面22cに対向する第1平坦内面13cと、突起22の第2平面22dに対向する第2平坦内面13dと、突起22の第3平面22eに対向する第3平坦内面13eとからなる。
【0031】
外周内面13a及び内周内面13bは、光素子3から光ファイバに向かって、又は光ファイバから光素子3に向かって出射される光の光軸を中心とする円弧状である。すなわち、嵌入孔13は、その周縁の一部が光素子3又は光ファイバから出射される光の光軸を中心とする円弧状に形成されている。光配線基板1の厚銅層12には、この光軸が中心となるように形成された貫通孔120が形成されている。この貫通孔120は、厚銅層12を基材10の第2の主面10bに垂直な方向に貫通している。なお、基材10には、この貫通孔120に連通する孔は形成されていない。すなわち、貫通孔120は、基材10の第2の主面10bによってその深さ方向の一端が閉塞されている。
【0032】
嵌入孔13は、スリーブ2の突起22の側面と嵌入孔13の内面との間の各部の隙間のうち、突起22の内周面22bと嵌入孔13の内周内面13bとの間の隙間が最も狭くなるように形成されている。すなわち、突起22の内周面22bと嵌入孔13の内周内面13bとの間の隙間は、突起22の外周面22a及び第1乃至第3平面22c〜22eと嵌入孔13の外周内面13a及び第1乃至第3平坦内面13c〜13eとのそれぞれの隙間よりも狭い。
【0033】
これにより、スリーブ2の光配線基板1に対する位置決めは、主として突起22の内周面22bと嵌入孔13の内周内面13bとの接触によって行われ、スリーブ2の周方向の回転は、突起22の第1乃至第3平面22c〜22eと嵌入孔13の第1乃至第3平坦内面13c〜13eとの接触によって規制される。
【0034】
本実施の形態では、
図2(a)に示すように、基材10の第2の主面10bにおける厚銅層12の外縁が矩形状に形成されている。ただし、これに限らず、厚銅層12は、一対の嵌入孔13及び貫通孔120を形成することができ、かつスリーブ2の円筒部21における一方の端面21aに当接する領域が確保されていれば、その形状に制約はない。なお、嵌入孔13は、基材10を厚銅層12と共にカッターによって切り抜いて形成してもよく、厚銅層12の嵌入孔13にあたる部分をエッチングにより除去した後、基材10を切り抜いて形成してもよい。
【0035】
図4に示すように、光素子3及び電子部品4は、光配線基板1における基材10の第1の主面10a側にフリップチップ実装されている。すなわち、光素子3及び電子部品4は、第1の主面10a側の面に複数の電極を有し、この複数の電極が配線パターン11に例えば半田付けによって電気的に接続されている。
【0036】
光素子3は、電気信号を光信号に変換して出力する発光素子、又は光信号を電気信号に変換して出力する受光素子である。発光素子としては、例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザ))を用いることができ、受光素子としては、例えばフォトダイオードを用いることができる。
【0037】
光素子3が発光素子である場合、電子部品4は、エッジコネクタ部1aを介して伝送された電気信号に応じた電流を光素子3に供給するドライブ素子である。また、光素子3が受光素子である場合、電子部品4は、光素子3からの電気信号を増幅して出力する増幅素子である。
【0038】
本実施の形態では、配線パターン11が、電子部品4の電極に接続された第1乃至第6導体部111〜116と、光素子3と電子部品4とを電気的に接続するための第7及び第8導体部117,118とを有している。第1乃至第6導体部111〜116は、エッジコネクタ部1aにおいて基材10の長手方向に沿って互いに平行に延在し、櫛状をなしている。電子部品4は、第1乃至第6導体部111〜116によって電源が供給されると共に、電気信号が入力又は出力される。すなわち、第1乃至第6導体部111〜116は、一部が電源線であり、他の一部がグランド線であり、さらにその他の一部が信号線である。
【0039】
図5は、光配線基板1の嵌入孔13にスリーブ2の突起22が嵌入された状態を示す斜視図である。
図6は、嵌入孔13を通過した突起22が接着剤Gにより光配線基板1に固定された状態を示す斜視図である。
【0040】
図5及び
図6に示すように、スリーブ2は、突起22が光配線基板1の第2の主面10b側から第1の主面10a側に向かって嵌入孔13に嵌入され、嵌入孔13を通過した突起22の先端部が第1の主面10aに実装された光素子3と共に光配線基板1に接着されている。
【0041】
接着剤Gは、一対の突起22の内周面22b間に充填され、光素子3の全体を覆っている。接着剤Gの種類は、特に限定されるものではないが、例えば紫外線を照射することによって硬化する光硬化型接着剤を好適に用いることができる。また、
図6では、電子部品4の光素子3側の一部が接着剤Gに覆われているが、電子部品4の全体を接着剤Gによって覆ってもよく、あるいは電子部品4に接着剤Gが付着していなくてもよい。ただし、光モジュール100の強度向上のためには、接着剤Gによって光素子3及び電子部品4のそれぞれの少なくとも一部を覆うことが望ましい。なお、前述のように、基材10には厚銅層12の貫通孔120に連通する孔は形成されていないので、接着剤Gが第2の主面10b側に流出することはない。
【0042】
図7は、光モジュール100及びスリーブ2の貫通孔20に挿入されたフェルール6及び光ファイバ7を、光配線基板1の長手方向に直交し、かつ厚銅層12の貫通孔120の中心を含む断面で切断した断面図である。
【0043】
フェルール6は、光ファイバ7の端部に装着された円柱状の部材であり、その軸孔60に光ファイバ7が挿通されている。光配線基板1に対向するフェルール6の端部はテーパ状に形成されている。フェルール6は、スリーブ2の貫通孔20における第2孔部202の内面に案内されて第1孔部201に挿入される。フェルール6の外径と第1孔部201の内径とは、実質的に同一である。なお、フェルール6は、スリーブ2に対して抜き差し自在に密嵌合していてもよく、スリーブ2に接着されていてもよい。
【0044】
スリーブ2は、貫通孔20にフェルール6が挿入されることで、光ファイバ7を支持する。つまり、スリーブ2は、フェルール6を介して光ファイバ7を支持している。フェルール6が貫通孔20の第1孔部201に挿入されることにより、スリーブ2と光ファイバ7とが同軸上に配置される。これにより、光ファイバ7のクラッド70に覆われたコア71の端面が、基材10及び厚銅層12に形成された貫通孔120を介して光素子3と対向する。つまり、スリーブ2は、嵌入孔13に突起22が嵌入することで、光ファイバ7が光素子3と光学的に結合する位置に位置決めされる。
【0045】
フェルール6は、その軸方向端面6aが一対の嵌入孔13の間における厚銅層12に突き当てられている。これにより、光配線基板1に対するフェルール6及び光ファイバ7の軸方向の位置が決められる。
【0046】
図7では、光素子3が発光素子である場合について、この光素子3の発光部30から放射された光の光束を符号30aで図示している。この光束30aは、基材10を透過し、かつ厚銅層12に形成された貫通孔120を通過して、光ファイバ7のコア71に入射する。なお、光素子3が受光素子である場合には、光ファイバ7のコア71から放射された光が厚銅層12の貫通孔120を通過し、かつ基材10を透過して光素子3の受光部に入射する。このようにして、光素子3は光ファイバ7と光学的に結合する。
【0047】
スリーブ20の突起22の第1の主面10aからの突出高さh
3は、光素子3の第1の主面10aからの高さh
1(
図2(b)参照)よりも高く、電子部品4の第1の主面10aからの高さh
2(
図2(b)参照)よりも高い。この突出高さh
3は例えば400μmである。
【0048】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、以下に述べる作用及び効果が得られる。
【0049】
(1)スリーブ2に形成された突起22が嵌入する嵌入孔13が光配線基板1の基材10及び厚銅層12を貫通して形成されているので、例えば基材10のみに形成された嵌入孔に突起22が嵌入する場合に比較して、光配線基板1における嵌入孔13の周辺部の剛性を高めることができ、スリーブ2の位置決め剛性が高まる。これにより、光素子3と光ファイバ7との相対的な位置精度を向上させることが可能となる。
【0050】
(2)厚銅層12の厚みは配線パターン11の厚みよりも厚いので、光配線基板1における嵌入孔13の周辺部の剛性をさらに高めることができ、光素子3と光ファイバ7との相対的な位置精度がより向上する。また、厚銅層12の厚みを35μm以上とすることで、この効果がより確実に奏される。
【0051】
(3)嵌入孔13は、スリーブ2の突起22の内周面22bに接触する内周内面13bが光素子3又は光ファイバ7から出射される光の光軸を中心とする円弧状に形成されているので、光素子3又は光ファイバ7から出射される光の光軸に直交する各方向における光素子3とスリーブ2との位置ずれが確実に抑制される。
【0052】
(4)スリーブ2は、突起22が第2の主面10b側から第1の主面10a側に向かって嵌入孔13に嵌入され、嵌入孔13を通過した突起22が第1の主面10aに実装された光素子3と共に光配線基板1と接着されているので、スリーブ2の突起22が嵌入孔13から抜けてしまうことを確実に防止することができる。また、例えば光配線基板1が撓むこと等による光素子3とスリーブ2との位置ずれも、接着剤Gの剛性により抑制することが可能となる。
【0053】
(5)スリーブ20の突起22の第1の主面10aからの突出高さh
3は、光素子3の第1の主面10aからの高さh
1よりも高いので、光モジュール100の搬送時やマザーボード等への取り付けの際に、光素子3がスリーブ20の突起22よりも突出することがなく、光素子3に衝撃が加わることを抑制することができる。同様に、突出高さh
3は、電子部品4の第1の主面10aからの高さh
2よりも高いので、光モジュール100の搬送時やマザーボード等への取り付けの際に、電子部品4がスリーブ20の突起22よりも突出することがなく、電子部品4に衝撃が加わることを抑制することができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、
図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施の形態に係る光モジュール100が光ファイバの両端部に設けられた光アクティブケーブル101を示す構成図である。
【0055】
この光アクティブケーブル101は、第1の実施の形態について説明した光ファイバ7を光ファイバ素線として有する光ファイバ心線8と、フェルール6と、送信用及び受信用の一対の光モジュール100とを有している。以下の説明では、一対の光モジュール100のうち、送信用の光モジュール100を送信用光モジュール100Aとし、受信用の光モジュール100を受信用光モジュール100Bとして説明する。
【0056】
送信用光モジュール100A及び受信用光モジュール100Bは、それぞれ光素子3及び電子部品4を光配線基板1に実装して構成されている。送信用光モジュール100Aは、光素子3が発光素子であり、電子部品4が光素子3に電流を供給するドライブ素子である。受信用光モジュール100Bは、光素子3が受光素子であり、電子部品4が光素子3からの電気信号を増幅して出力する増幅素子である。
【0057】
光ファイバ心線8は、光ファイバ7(
図7に示す)を、例えばシリコンからなる緩衝層、及び例えばプラスチックからなる外被で覆って構成されている。
【0058】
光アクティブケーブル101は、例えば情報処理装置間の信号の送受信に用いられる。この場合、一方の情報処理装置のマザーボードに設けられた雌コネクタに送信用光モジュール100Aの光配線基板1のエッジコネクタ部1aが嵌合し、他方の情報処理装置のマザーボードに設けられた雌コネクタに受信用光モジュール100Bの光配線基板1のエッジコネクタ部1aが嵌合する。
【0059】
送信用光モジュール100Aの電子部品4は、光配線基板1のエッジコネクタ部1aを介して入力された信号に応じて光素子3に電流を供給し、光素子3(発光素子)を発光させる。この光素子3から放射された光は、光ファイバ7を媒体として受信用光モジュール100Bに伝搬し、受信用光モジュール100Bの光素子3(受光素子)に受光される。この光素子3の出力信号は、受信用光モジュール100Bの電子部品4で増幅され、光配線基板1のエッジコネクタ部1aから出力される。これにより、光アクティブケーブル101を介した信号伝送がなされる。
【0060】
この光アクティブケーブル101によれば、光ファイバ心線8をマザーボードに対して平行に引き出すことができるため、一方のマザーボードと他方のマザーボードとの間の光ファイバ7に対する曲げを少なくすることができる。これにより、光ファイバ7の曲げによる光の損失を抑制することができる。
【0061】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0062】
[1]光ファイバ(7)と光学的に結合する光素子(3)が搭載される光配線基板(1)であって、表裏一対の第1の主面(10a)及び第2の主面(10b)を有する板状の絶縁材料からなる基材(10)と、前記基材(10)の前記第1の主面(10a)に設けられた配線パターン(11)と、前記基材(10)の前記第2の主面(10b)に設けられ、前記配線パターン(11)よりも厚く形成された金属層(厚銅層12)とを備え、前記光ファイバ(7)を支持する支持部材(スリーブ2)に形成された突起(22)が嵌入する嵌入孔(13)が前記基材(10)及び前記金属層(12)を貫通して形成され、前記支持部材(2)は、前記嵌入孔(13)に前記突起(22)が嵌入することで、前記光ファイバ(7)が前記光素子(3)と光学的に結合する位置に位置決めされる、光配線基板(1)。
【0063】
[2]前記金属層(12)の厚み(t
2)は、35〜150μmである、[1]に記載の光配線基板(1)。
【0064】
[3]前記嵌入孔(13)は、その周縁の一部が前記光素子(3)又は前記光ファイバ(7)から出射される光の光軸を中心とする円弧状に形成された、[1]又は[2]に記載の光配線基板(1)。
【0065】
[4]光配線基板(1)、前記光配線基板(1)に搭載された光素子(3)、及び前記光素子(3)と光結合する光ファイバ(7)を支持する支持部材(2)を有し、前記光配線基板(1)は、表裏一対の第1の主面(10a)及び第2の主面(10b)を有する板状の絶縁材料からなる基材(10)と、前記基材(10)の前記第1の主面(10b)に設けられた配線パターン(11)と、前記基材(10)の前記第2の主面(10b)に設けられ、前記配線パターン(11)よりも厚く形成された金属層(12)とを備え、前記支持部材(2)に形成された突起(22)が嵌入する嵌入孔(13)が前記基材(10)及び前記金属層(12)を貫通して形成され、前記支持部材(2)は、前記嵌入孔(13)に前記突起(22)が嵌入することで、前記光ファイバ(7)が前記光素子(3)と光学的に結合する位置に位置決めされる、光モジュール(100)。
【0066】
[5]前記支持部材(2)は、前記突起(22)が前記第2の主面(10b)側から前記第1の主面(10a)側に向かって前記嵌入孔(13)に嵌入され、前記嵌入孔(13)を通過した前記突起(22)が前記第1の主面(10a)に実装された前記光素子(3)と共に前記光配線基板(1)と接着されている、[4]に記載の光モジュール(100)。
【0067】
[6]第1の主面(10a)からの前記突起(22)の突出高さ(h
3)は、前記光素子(3)の前記第1の主面(10a)からの高さ(h
1)よりも高い、[5]に記載の光モジュール(100)。
【0068】
[7]前記光配線基板(1)には、前記第1の主面(10a)側に前記光素子(3)と電気的に接続された電子部品(4)が実装され、前記第1の主面(10a)からの前記突起(22)の突出高さ(h
3)は、前記電子部品(4)の前記第1の主面(10a)からの高さ(h
2)よりも高い、[5]又は[6]に記載の光モジュール(100)。
【0069】
[8]光ファイバ(7)、及び前記光ファイバ(7)の両端部に設けられた一対の光モジュール(100)を有し、前記光モジュール(100)は、光配線基板(1)、前記光配線基板(1)に搭載された光素子(3)、及び前記光素子(3)と光結合する光ファイバ(7)を支持する支持部材(2)を有し、前記一対の光モジュール(100)のうち、一方の光モジュール(100A)の前記光素子(3)は発光素子であり、かつ他方の光モジュール(100B)の前記光素子(3)は受光素子であり、前記光配線基板(1)は、表裏一対の第1の主面(10a)及び第2の主面(10b)を有する板状の絶縁材料からなる基材(10)と、前記基材(10)の前記第1の主面(10a)に設けられた配線パターン(11)と、前記基材(10)の前記第2の主面(10b)に設けられ、前記配線パターン(11)よりも厚く形成された金属層(12)とを備え、前記支持部材(2)に形成された突起(22)が嵌入する嵌入孔(13)が前記基材(10)及び前記金属層(12)を貫通して形成され、前記支持部材(2)は、前記嵌入孔(13)に前記突起(22)が嵌入することで、前記光ファイバ(7)が前記光素子(3)と光学的に結合する位置に位置決めされる、光アクティブケーブル(101)。
【0070】
以上、本発明の第1乃至第4の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0071】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記第1及び第2の実施の形態では、光配線基板1に1つの光素子3が搭載された場合について説明したが、これに限らず、複数の光素子3が搭載されていてもよい。また、突起22及び嵌入孔13等の形状も、各図面に具体的に例示したものに限らない。
【0072】
また、上記各実施の形態では、嵌入孔13の内周内面13bとスリーブ2の突起22の内周面22bとの接触によりスリーブ2が光配線基板1に対して位置決めされる場合について説明したが、これに限らず、嵌入孔13の外周内面13aとスリーブ2の突起22の外周面22aとの接触によりスリーブ2が光配線基板1に対して位置決めされるように構成してもよい。たたし、嵌入孔13の内周内面13bは外周内面13aよりも厚銅層12の貫通孔120に近いので、嵌入孔13の内周内面13bとスリーブ2の突起22の内周面22bとの接触によりスリーブ2を光配線基板1に位置決めした方が、より確実に光素子3と光ファイバ7との相対的な位置精度を向上させることができる。
【0073】
また、上記各実施の形態では、支持部材としてのスリーブ2が円筒状である場合について説明したが、これに限らない。つまり、支持部材は光ファイバを支持することが可能であれば、角筒状であってもよく、また筒状に限定されることもない。またさらに、支持部材は、フェルールを介することなく直接的に光ファイバを支持してもよく、内部に光を集光させるための集光レンズを有していてもよい。
【0074】
また、上記各実施の形態では、基材10が光透過性を有する場合について説明したが、これに限らず、基材10が光透過性を有していなくともよい。この場合、基材10に厚銅層12の貫通孔120と連通する孔を形成することにより、光素子3と光ファイバ7と光学的に結合することができる。
【0075】
また、上記各実施の形態では、スリーブ20の突起22の第1の主面10aからの突出高さh
3が、光素子3の第1の主面10aからの高さh
1及び電子部品4の第1の主面10aからの高さh
2よりも高い場合について説明したが、これに限らず、突起22の突出高さh
3は、光素子3の第1の主面10aからの高さh
1や電子部品4の第1の主面10aからの高さh
2よりも低くてもよい。この場合には、光モジュール100を小型化することができる。