【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、革新的がん医療実用化研究事業「難治性固形がんに有効なPARG阻害剤の実用化研究」委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
Journal of Medicinal Chemistry ,2011年,Vol.54, No.15,pp.5403-5413
【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2006年,Vol.16, No.5,pp.1421-1425
【文献】
Journal of cell science,2008年,Vol.121, No.21,pp.3581-3588
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式(I)のAの単環性芳香族環がチオフェン、ベンゼン、フラン又はチアゾールであることを特徴とする請求項1に記載のポリ芳香族化合物又はその薬理学的に許容される塩。
式(I)のAが、置換又は非置換のビチオフェン、置換又は非置換のフェニルチオフェン、置換又は非置換のビフェニル、置換又は非置換のチエニルフラン、及び、置換又は非置換のチエニルチアゾールから選ばれるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリ芳香族化合物又はその薬理学的に許容される塩。
請求項1〜12のいずれかに記載のポリ芳香族化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するポリ(ADP−リボース)グリコヒドロラーゼ(PARG)阻害剤。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下に、式(I)で表わされるポリ芳香族化合物[以下、化合物(I)ともいう]における各基の定義について具体例について説明するが、これらは本発明の好ましい例を示すものであって、勿論これらによって限定されるものではない。
【0052】
式(I)で表される化合物において、Aで表される単環性芳香族環が連結したビアリールを構成する単環性芳香族環は、例えば、5員環若しくは6員環のアリール又はヘテロアリールであり、具体的には、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等を挙げることができる。
【0053】
上記、単環性芳香族環が連結したビアリールとしては、単環性芳香族環が二個単結合で連なった構造であれば、いかなるビアリールでも良いが、好ましくは置換若しくは非置換のビチオフェン、置換若しくは非置換のチオフェニルベンゼン、置換若しくは非置換のフェニルチオフェン、置換若しくは非置換のビフェニル、置換若しくは非置換のチエニルフラン又は置換若しくは非置換のチエニルチアゾールであり、さらに好ましくは置換若しくは非置換のビチオフェン、置換若しくは非置換のフェニルチオフェン、置換若しくは非置換のビフェニル、置換若しくは非置換のチエニルフラン又は置換若しくは非置換のチエニルチアゾールであり、より好ましくは置換若しくは非置換の2,2−ビチオフェン、置換若しくは非置換の2−フェニルチオフェン、又は置換若しくは非置換のビフェニルであり、最も好ましくは2,2−ビチオフェン、2−フェニルチオフェン、又はビフェニルである。
前記ビアリールの置換基としては、ハロゲン、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルコキシ基等を挙げることができる。
【0054】
前記ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。前記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を挙げることができる。前記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルコキシ基としては、具体的にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基を挙げることができる。
【0055】
式(I)で表される化合物において、Bで表される単環性の含窒素芳香族環としては、具体的には、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等を挙げることができる。
前記含窒素芳香族環のうち、Bとして好ましくはピリジン、ピリミジン、ピラジンであり、より好ましくはピリジン、ピラジンであり、最も好ましくはピリジンである。
【0056】
式(I)で表される化合物のBにおける−NH−CO−Aと−CO−NH−の置換位置の関係は、いかなる位置関係でもよいが、例えばBがピリジンである場合、2位に−NH−CO−Aが4位に−CO−NH−が置換する位置関係、又は、3位に−NH−CO−Aが5位に−CO−NH−が置換する位置関係が好ましく、3位に−NH−CO−Aが5位に−CO−NH−が置換する位置関係がより好ましい。
【0057】
式(I)で表される化合物において、Cは置換若しくは非置換のベンゼンである。上記ベンゼンが置換基を有する場合、当該置換基としては、ハロゲン、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルコキシ基を挙げることができる。
【0058】
前記ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。前記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を挙げることができる。前記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルコキシ基としては、具体的にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基を挙げることができる。
【0059】
式(I)で表される化合物において、Cは、Bと−CO−NH−を介して、Dと−NH−を介して連結するが、このときCに対する−CO−NH−と−NH−の置換位置の関係は、いかなる位置関係でもよいが、メタ又はパラの関係が好ましく、メタの関係がより好ましい。
【0060】
式(I)で表される化合物において、Dは、−NH−を介してCと連結するが、Dはピリミジンであり、−NH−のピリミジンへの置換位置はピリミジンの炭素原子のいずれでもよく、好ましくは2位である。2位に置換することでDと−NH−が一緒になってグアニジン構造を形成する。
【0061】
式(I)で表される化合物において、DのピリミジンはR
1で表される置換基を有していてもよい。
【0062】
上記R
1は、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、有機オキシ基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のヘテロアリール基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基から選ばれるいずれか一つである。
前記ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
【0063】
上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、
1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブタン−2−イル基、2,3-ジメチルブタン−2−イル基、3−ヘキシル基等を挙げることができる。
【0064】
上記直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基としては、具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロぺニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1-エチルビニル基、1-メチル−1−プロペニル基、2-メチル−1−プロペニル基、2-メチル−2−プロペニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、ヘキサトリエニル基等を挙げることができる。
【0065】
上記直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基としては、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1,3−ブタンジイニル基、1-メチル−2−プロピニル基、ペンチニル基、ペンタジイニル基、ヘキシニル基、ヘキサジイニル基、ヘキサトリイニル基等を挙げることができる。
【0066】
上記炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0067】
上記有機オキシ基は、−OQ
1で表され、Q
1としては、前記の置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基、前記の置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基、前記の置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基、前記の置換若しくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基と同様の基を挙げることができる。
【0068】
上記アリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0069】
上記ヘテロアリール基としては、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、イミダゾピリジン、イソキサゾロピリジン、チアナフタレン、プリン、キサンチン、アデニン、グアニン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、キノキサリン、キナゾリン等が挙げられる。
【0070】
上記ヘテロシクロアルキル基としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピペラジン、アゾカン、アゼパン、ジアゼパン、チオモルホリン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、オキサゾリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、オキサチオラン、オキシラン、オキセタン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0071】
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
【0072】
上記ヘテロアリールアルキル基としては、メチレン、エチレン等のアルキレンリンカーを介して式(I)中の隣接するDに結合する上記ヘテロアリール基が挙げられる。
【0073】
前記置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のヘテロアリール基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基における置換基としては、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキルエステル基、−NQ
2Q
3で表されるアミノ基、−CONQ
2Q
3で表されるアミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基、−OQ
1で表される有機オキシ基等を挙げることができる。
【0074】
上記の置換基中、ハロゲンとしては、R
1におけるハロゲンと同じである。
上記の置換基中、直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキルエステル基における直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキルとしては、R
1における直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基と同じである。
上記の置換基中、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基における直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基は、R
1における直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基と同じであり、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、アセチル基、−NQ
2Q
3で表されるアミノ基、−CONQ
2Q
3で表されるアミド基である。
上記の置換基中、−OQ
1で表される有機オキシ基におけるQ
1としては、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基を挙げることができ、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基を挙げることができる。上記置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基の置換基としては、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、エステル基、−NQ
2Q
3で表されるアミノ基、−CONQ
2Q
3で表されるアミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0075】
上記−NQ
2Q
3で表されるアミノ基及び−CONQ
2Q
3で表されるアミド基において、Q
2及びQ
3としては、水素、置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基、ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環等を挙げることができる。また、Q
2とQ
3が一緒になって、置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環であってもよい。置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基、ヘテロシクロアルキル基は、R
1におけるそれらと同じである。
【0076】
上記置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環における3〜7員環の含窒素複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、イソキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、ヘキサヒドロトリアジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペラジン等を挙げることができる。
上記置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環における置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素といったハロゲン;水酸基;カルボキシル基;アセチル基等のアシル基;水酸基、上記−NQ
2Q
3で表されるアミノ基、上記−CONQ
2Q
3で表されるアミド基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基で置換されていてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;アセチル基等のアルキルカルボニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;を挙げることができる。
【0077】
前記R
1として、好ましくは、水素、フッ素、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のチオフェン、置換又は非置換のベンゾチアゾール、及び置換又は非置換のテトラヒドロフランである。ここで、上記置換基は、前述したR
1のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルの置換基と同じである。
前記R
1として、さらに好ましくは、ピリジン又は以下の式(III)
【0078】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(波線は隣接する炭素原子への結合を表す。)
【0079】
で表される置換又は非置換のフェニル基である。
【0080】
式(III)で表される置換又は非置換のフェニル基において、R
3は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基、メルカプト基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルスルフィニル基、NR
4R
5で表されるアミノ基、ORyで表されるアルコキシ基、CORzで表されるカルボン酸誘導基、及びCH
2−Rwで表される置換メチル基である。
【0081】
前記R
3において、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられる。前記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基の置換基としては、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基等を挙げることができる。
【0082】
前記R
3において、NR
4R
5で表されるアミノ基としては、R
4及びR
5が、同一又は異なって、水素、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環、又は、R
4とR
5が一緒になって形成してもよい置換若しくは非置換の含窒素複素環基が挙げられる。
上記置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルスルホニル基、及び置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキルスルフィニル基における置換基は、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、置換若しくは非置換の含窒素複素環基(例えば、モルホリル基、4−(置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基)−1−ピペリジニル基、、4−(置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基)−1−ピペラジニル基)が挙げられる。上記置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基における置換基は、前述したR
1のアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルの置換基と同じである。
【0083】
上記R
4及びR
5において、直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。上記直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基の置換基としては、ハロゲン;水酸基;カルボキシル基;エステル基;ジメチルアミノ基等のアミノ基;アミド基;スルホン酸基;スルホン酸エステル基;シアノ基;ニトロ基;置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基;置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルケニル基;置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルキニル基;メトキシ基、エトキシキ等のアルコキシ基;置換又は非置換のフェニル基;置換又は非置換のピリジン;置換又は非置換のチオフェン;置換又は非置換のベンゾチアゾール;置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基;置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環基等を挙げることができる。
上記置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルキニル基、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のチオフェン、置換又は非置換のベンゾチアゾール、置換又は非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基における置換基は、R
1のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルの置換基と同じである。
【0084】
また、置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環における含窒素複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、ヘキサヒドロトリアジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペラジン等を挙げることができる。
【0085】
上記3〜7員環の含窒素複素環の置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素といったハロゲン;水酸基;カルボキシル基;水酸基、ジメチルアミノ基、フェニル基、上記置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環で置換されていてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;アセチル基等のアルキルカルボニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等を挙げることができる。
【0086】
前記R
3における、ORyで表される有機オキシ基のRyは、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基である。上記置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基の置換基としては、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、エステル基、NR
4R
5であるアミノ基、CONR
4R
5で表されるアミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。上記NR
4R
5としては、R
3におけるNR
4R
5と同様の基を挙げることができる。Oryの例として、モルホリノエチルオキシ基、4−メチル−1−ピペラジニルエチルオキシ基、4−エチル−1−ピペラジニルエチルオキシ基、ジメチルアミノエチルオキシ基、カルボキシメチル基、4−メチル−1−ピペラジニルカルボニルメチルオキシ基等が挙げられる。
【0087】
前記R
3における、CORzで表されるカルボン酸誘導基としては、Rzが水酸基であるカルボキシル基、RzがNR
4R
5であるアミド基、RzがNHNR
4R
5であるヒドラゾン基、及びRzが置換若しくは非置換のシクロアルキル基であるシクロアルキルカルボニル基が挙げられる。前記NR
4R
5としては、R
3におけるNR
4R
5と同様の基を挙げることができる。CORzで表されるカルボン酸誘導基のRzがNR
4R
5であるアミド基において、R
4及びR
5が、同一または異なって、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、又は置換若しくは非置換の3〜7員環の含窒素複素環である場合の置換基の例としては、4−(置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基)−1−ピペラジニル基、4−(置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基)−1−ピペリジニル基、ジメチルアミノ基、水酸基、1−ピペリジニル基、モルホリニル基、ホスホノキシ基(リン酸基)、ジフェニルホスホノキシ基、3−カルボキシ−1−アミノプロピルカルボニルオキシ基、1,5−ジアミノペンチルカルボニルオキシ基、2−カルボキシ−1−アミノエチルカルボニルオキシ基、3−メトキシカルボニル−1−t−ブトキシカルボニルアミノプロピルカルボニルオキシ基等が挙げられる。CORzで表されるカルボン酸誘導基のRzがNR
4R
5であるアミド基において、R
4とR
5が一緒になって形成してもよい置換若しくは非置換の含窒素複素環基の例として、モルホリニル基、1−ピペラジニル基、4−フェニル−1−ピペラジニル基、4−(置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基)−1−ピペラジニル基、4−アセチル−1−ピペラジニル基、4−シクロヘキシル−1−ピペラジニル基、4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニル基、4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル基、4−ヒドロキシエチル−1−ピペラジニル基、4−ジメチルアミノ−1−ピペリジニル基、4−(4’−エチル−1’−ピペラジニル)エチル−1−ピペリジニル基、4−エチル−1−ホモピペラジニル基等が挙げられる。
【0088】
前記R
3における、CH
2−Rwで表される置換メチル基としては、Rwが水酸基であるヒドロキシメチル基、及びRwがNR
4R
5であるアミノメチル基が挙げられる。前記NR
4R
5としては、非置換アミノ基、モノ置換アミノ基及びジ置換アミノ基のいずれであってもよく、R
3におけるNR
4R
5と同様の基を挙げることができる。Rwの例として、水酸基、メチルアミノ基、ジメチルアミノエチルアミノ基、1−ピペリジニル基、モルホリノ基、4−メチル−1−ピペラジニル基、4−エチル−1−ピペラジニル基、4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル基、4−ジメチルアミノ−1−ピペリジニル基、1−メチル−4−ピペリジニルアミノ基、3−アゼチジルアミノ基、4−メチル−1−ピペラジニルエチルアミノ基、モルホリノエチルアミノ基、1−ピペリジニルエチルアミノ基、1−メチル−4−ピペリジニルエチルアミノ基、4−ジメチルアミノエチル−1−ピペリジニル基、4−イソプロピル−1−ピペリジニル基等が挙げられる。
【0089】
上記R
3としては、前述の構造であればいかなる基又は構造であっても構わないが、好ましくは、水素、フッ素、シアノ、メチル、ジメチルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリノ、置換アルキルアミド基、含窒素ヘテロ環のヒドラゾン、又は含窒素ヘテロ環のアミド基であり、より好ましくは水素、N−アルキルピペラジニル、置換アルキルアミド基、含窒素ヘテロ環のヒドラゾン、又は含窒素ヘテロ環のアミド基であり、さらに好ましくは水素、N−メチルピペラジニル、N,N−ジアルキルアミノアルキルアミノカルボニル、N−アルキルピペラジンアミノカルボニル、N−モルホリノカルボニル、又はN−アルキルピペラジンカルボニルである。
【0090】
式(I)で表される化合物が不斉炭素原子をもつとき、又はキラリティー軸をもつとき、かかる化合物は、考えられ得るすべての光学異性体を含む。それら光学異性体は任意の比であってよい。例えば、ある光学活性化合物は、エナンチオマーでもラセミでも任意の割合のエナンチオマー混合物でもよく、不斉点が複数存在するときは、任意の割合のジアステレオマー混合物でもよい。
【0091】
式(I)で表される化合物の中でも、好ましくは式(II)で表される化合物である。式(II)中のAは、置換又は非置換のビチオフェン、置換又は非置換のフェニルチオフェン、置換又は非置換のビフェニル、置換又は非置換のチエニルフラン、及び、置換又は非置換のチエニルチアゾールから選ばれるいずれか一つであり、Bは、ピリジンであり、R
1は、水素、ハロゲン、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のチオフェン、置換又は非置換のベンゾチアゾール、及び置換又は非置換のテトラヒドロフランから選ばれるいずれか一つであり、R
2は、水素又は置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基である。上記直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基は、ハロゲンで置換されていてもよい。
【0092】
【化16】
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【0093】
本発明の式(II)で表される化合物の中でも、好ましくは、以下の式(IV)、(V)、及び(VI)及び(VII)で表される化合物である。
【0094】
【化17】
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【0095】
[式中、Aは、置換又は非置換のビチオフェン、置換又は非置換のフェニルチオフェン、置換又は非置換のビフェニル、置換又は非置換のチエニルフラン及び置換又は非置換のチエニルチアゾールから選ばれるいずれか一つであり、
R
1は、水素、ハロゲン、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のチオフェン、置換又は非置換のベンゾチアゾール、及び置換又は非置換のテトラヒドロフランから選ばれるいずれか一つであり、
R
2は、水素又は置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基であり、a、bはそれぞれ独立して、CH又はNである(ただし、a及びbは、共にCH又は共にNではない)]
【0096】
上記置換のビチオフェン、置換のフェニルチオフェン、置換のビフェニル、置換のチエニルフラン、置換のチエニルチアゾールにおける、置換基としては、ハロゲン、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルコキシ基等を挙げることができる。
置換のフェニル、置換のピリジン、置換のチオフェン、置換のベンゾチアゾール、置換のテトラヒドロフランにおける、置換基としては、ハロゲン、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルケニル基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜6のアルキニル基、−OQ
1で表される有機オキシ基、NR
4R
5で表されるアミノ基等を挙げることができる。
【0097】
【化18】
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【0098】
[式中、Ryは、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基である]
【0099】
式(V)におけるRyは、式(III)におけるRyと同じ意味である。また、ORy基は、フェニル環上のオルト位、メタ位、パラ位であるが、好ましくはパラ位である。
【0100】
Ryの置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜3のアルキル基における置換基は、前記R
1における炭素数1〜6のアルキル基の置換基と同様の置換基を挙げることができるが、好ましくは、カルボキシル基、NR
4R
5であるアミノ基、CONR
4R
5で表されるアミド基である。また、上記アミノ基及びアミド基におけるNR
4R
5の中でも、ジアルキルアミノ基、R
4及びR
5が一緒になって、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンを形成しているのが好ましい。
【0101】
【化19】
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【0102】
[式中、Rzは、水酸基、NR
4R
5、及びNHNR
4R
5から選ばれるいずれか一つである]
【0103】
式(VI)におけるRzは、式(III)におけるRzと同じ意味である。また、ORz基は、フェニル環上のオルト位、メタ位、パラ位であるが、好ましくは、メタ位、パラ位である。
【0104】
上記NR
4R
5及びNHNR
4R
5におけるNR
4R
5の中でも、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、R
4及びR
5が一緒になって、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペラジンを形成しているのが好ましい。また、上記アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基におけるアルキルは、水酸基、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンで置換されていてもよい。
【0105】
【化20】
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【0106】
[式中、Rwは、水酸基、NR
4R
5(式中、R
4及びR
5は、同一又は異なって、水素、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキル基、置換又は非置換のヘテロアリール基、及びR
4とR
5が一緒になって形成してもよい置換若しくは非置換の含窒素複素環基から選ばれるいずれか一つである]
【0107】
式(VII)におけるRwは、式(III)におけるRwと同じ意味である。
【0108】
上記NR
4R
5の中でも、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、また、R
4及びR
5が一緒になって、置換若しくは非置換のピペリジン、置換若しくは非置換のピペラジン、置換若しくは非置換のモルホリン、置換若しくは非置換のホモピペラジンを形成しているのが好ましい。また、上記アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基におけるアルキルは、水酸基、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換若しくは非置換のピペリジン、置換若しくは非置換のオキセタン、置換若しくは非置換のアゼチジン、置換若しくは非置換のピペラジン、置換若しくは非置換のモルホリンで置換されていてもよい。
【0109】
以下の表に式(IV)で表される化合物の例(表1−1〜表1−7)、式(V)で表される化合物の例(表2)、式(VI)で表される化合物の例(表3−1〜表3−4)、及び式(VII)で表される化合物の例(表4−1〜表4−3)、及び式(II)で表される化合物であって、式(IV)〜(VII)のいずれにも包含されない化合物の例(表5−1〜表5−2)を挙げる。
【0110】
【表1-1】
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【0111】
【表1-2】
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【0112】
【表1-3】
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【0113】
【表1-4】
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【0114】
【表1-5】
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【0115】
【表1-6】
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【0116】
【表1-7】
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【0117】
【表2】
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【0118】
【表3-1】
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【0119】
【表3-2】
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【0120】
【表3-3】
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【0121】
【表3-4】
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【0122】
【表4-1】
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【0123】
【表4-2】
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【0124】
【表4-3】
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【0125】
【表5-1】
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【0126】
【表5-2】
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【0127】
式(I)で表される化合物の薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等が挙げられ、酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の各無機酸塩、及び、有機酸としてのギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類が挙げられる。金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、鉄、亜鉛等の各金属塩が、アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の各塩が、有機アミン塩としては、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、トルイジン等の各塩が挙げられる。
【0128】
本発明の式(I)で表される化合物は、公知の有機化学反応によって合成することができ、その製造法の例について、以下に一般的な合成法を説明するが、これらの製造法に限定されるものではなく、また、試薬として入手可能な化合物もある。
【0129】
式(I)で表される化合物のA部分であるビアリールは、A1及びA2で表される単環性芳香族環をクロスカップリングすることで得ることができる。下式においてA1及びA2で表される単環性芳香族環のEは、カップリング反応で用いることのできる脱離基であり、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のアルキルスルホニルオキシ基、置換若しくは非置換のアリールスルホニルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、具体的には塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。アルキルスルホニルオキシ基は、そのアルキル部分は置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル基であり、前記と同義である。また、アリールスルホニルオキシ基は、そのアリール部分は前記単環性芳香族環と同義であり、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基等が挙げられ、ハロゲン原子及びアルキル基は前記と同義である。具体的には、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基や、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基を例示することができる。
【0130】
一方、下式においてA1及びA2で表される単環性芳香族環のMはカップリング反応に用いることのできる有機金属基である。前記、有機金属基Mとしては、一般的な芳香族カップリング反応に用いられる基であればよく、具体的にはホウ素化合物、トリアルキル錫、ハロゲン化マグネシウム等を挙げることができる。前記ホウ素化合物としては、例えば、ジメチルボラン等のジアルキルボラン、ジメトキシボラン等のジアルコキシボラン、ピナコールボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等が挙げられる。前記トリアルキル錫としては、例えば、トリメチル錫、トリブチル錫等が挙げられる。前記ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム等が挙げられる。
【0131】
【化21】
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【0132】
上記式で表せるカップリング反応において、A1とA2とを遷移金属触媒、配位子、及び塩基存在下に、適当な不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルモルホリン(NMO)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、もしくはこれらの混合溶媒中、−78℃〜用いた溶媒の沸点の間の温度で、5分〜48時間反応させることにより、ビアリールであるA部分を合成することができる。
【0133】
遷移金属触媒の遷移金属としては、パラジウム、ニッケル、銅、鉄等が挙げられ、遷移金属触媒の具体例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)等が挙げられる。これらの遷移金属触媒は、配位子存在下、対応する遷移金属塩等からin situで調製してもよく、配位子としてはトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、テトラフルオロホウ酸トリシクロヘキシルホスホニウム、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられ、遷移金属塩等としては塩化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム−炭素、塩化ニッケル、塩化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酸化銅(I)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)等が挙げられ、遷移金属触媒は、A1及びA2に対して、1〜50モル%、配位子は、A1及びA2に対して、1〜200モル%用いられる。
【0134】
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
また、必要により、ピバル酸等の有機酸を添加してもよい。
【0135】
A部分であるビアリールは、B部分との連結のために、Rで表されるホルミル基又はカルボキシル基を有することが好ましい。上記反応中、これらの基は適切な保護基で保護されていても良い。このような保護基としては、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3
rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照し、用いることができる。
【0136】
式(I)で表される化合物のB部分である単環性の含窒素芳香族環には、以下の含窒素芳香族環化合物(B1)を使用することができる。上記B1で表される化合物は、アミノ基、及びカルボキシル基を適宜保護していても良く、このような保護基については、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3
rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照し、用いることができる。アミノ基の保護基としては、例えば、tert-ブトキシカルボニル基(Bocと略する)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmocと略する)、又はベンジルオキシカルボニル基(ZまたはCbzと略する)が挙げられる。一方、カルボキシル基は、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル、又はtert-ブチルエステルの形で保護される。
【0137】
【化22】
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【0138】
式(I)で表される化合物のC部分であるベンゼンには、2つのアミノ基を有する化合物(C1)を使用することができるる。前記、C1で表される化合物は、アミノ基を適宜保護していてもよく、このような保護基については、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3
rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照し、用いることができる。
【0139】
【化23】
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【0140】
式(I)で表される化合物のD部分であるピリミジンは、アミノ基を有する化合物(D1)又はカップリングに用いることができる脱離基Eを有する化合物(D2)からなる。前記脱離基Eは、上記A部位の脱離基Eと同様の基を用いることができる。
【0141】
【化24】
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【0142】
式(I)で表される化合物のA〜D部分の連結は公知の方法で行うことができる。また、A→B→C→Dの順に連結しても良く、D→C→B→Aの順に連結しても良く、BとCを連結した後にA及びDを連結してもよい。以下に一般的な各部分の連結方法を説明するが、式(I)で表される化合物の合成方法はこれらの連結方法に限定されるものではない。
【0143】
式(I)で表される化合物のA−Bの連結、すなわちアミド結合の形成における、A−Bのアミド化反応としては、例えば縮合剤としてカルボジイミド系縮合剤を用いる方法やトリアゾール系の縮合剤を用いる方法が挙げられる。前記カルボジイミド系縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI)等を挙げることができる。また、前記トリアゾール系縮合剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム
3−オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)等を単独で又は混合して用いることができる。前記アミド化反応の際には、アミンを添加しても良く、前記アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミンを用いることができる。アミド化反応に用いる溶媒としては、アミド化が進行する限りいかなる溶媒を用いても良いが、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、ピリジン等を用いることができ、好ましくはジクロロメタンである。反応は、0℃〜溶媒の沸点までの反応温度で行うことができ、室温で反応させることが好ましい。前記反応では、触媒を用いても良く、前記触媒としてはピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン等を用いることができる。
【0144】
式(I)で表される化合物のB−Cの連結、すなわちアミド結合の形成における、B−Cのアミド化反応としては、上記A−Bのアミド化反応と同様の方法を用いることができる。
【0145】
式(I)で表される化合物のC−Dの連結がアミノ結合である場合、C−Dのアミノ化反応としては、例えばブッフバルト・ハートウィッグ(Buchwald−Hartwig)反応が挙げられる。上記反応に用いる、遷移金属触媒、配位子、及び塩基としては、A1及びA2との連結に用いることができる遷移金属触媒、配位子、及び塩基と同様のものが挙げられる。反応に用いる溶媒としては、アミノ化が進行する限りいかなる溶媒を用いても良いが、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒又はトルエン、キシレン等の非極性溶媒を用いることができ、好ましくはキシレンである。反応は、0℃〜溶媒の沸点までの反応温度で行うことができ、100℃前後で反応させることが好ましい。
【0146】
また、式(I)で表される化合物のC−Dの連結がアミノ結合であり、D部位のピリミジンとZで表されるNHが一緒になってグアニジン構造を形成する場合、C−Dの連結は以下に示すように、D部位のピリミジンの形成を伴って行うことができる。
【0147】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
C部位のアミノ基とシアナミドを反応させ、グアニジン基をC部位に導入する。このグアニジン誘導体はJ. Med. Chem., 48, 249-255, (2005)に記載の方法で合成することができる。得られたグアニジン誘導体と不飽和カルボニル化合物を縮環させることで、グアニジン構造を有するC−Dの連結構造を得ることができる。ただし、上記式中R
1a及びR
1bのいずれか一方は上記R
1と同義であり、もう一方は水素である。
【0149】
さらに、式(I)で表される化合物のC−Dの連結がアミノ結合であり、D部位のピリミジンとNHが一緒になってグアニジン構造を形成する場合、下記に示す求核置換アミノ化反応により、C−Dの連結を形成することもできる。下記式において、脱離基Eとしては、上記A部位の合成で用いる脱離基Eと同様の基を用いることができる。反応に用いる溶媒としては、アミノ化が進行する限りいかなる溶媒を用いても良いが、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒を用いることができ、好ましくはDMFである。反応は、室温〜溶媒の沸点までの反応温度で行うことができ、100℃前後で反応させることが好ましい。また、反応の促進のためにヨウ化カリウムを加えても良い。
【0150】
【化26】
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【0151】
上記製造法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
【0152】
本発明のポリ芳香族化合物の塩を得る場合、ポリ芳香族化合物が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解若しくは懸濁させ、酸又は塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
【0153】
また、本発明のポリ芳香族化合物及びその薬理学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明のポリ芳香族化合物として使用することができる。
【0154】
本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤とすることが望ましく、該医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種若しくは二種以上の担体と混合し、製剤学の常法により製造することができる。
【0155】
また、本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩は、公知の抗がん剤と併用することで、その作用を増強する。
【0156】
投与経路としては、経口投与又は吸入投与、静脈内投与などの非経口投与が挙げられる。
【0157】
投与形態としては、錠剤、注射剤などが挙げられ、錠剤は、例えば乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、界面活性剤、グリセリン等の、各種添加剤を混合し、常法に従い製造すればよく、吸入剤は、例えば乳糖等を添加し、常法に従い製造すればよい。注射剤は、水、生理食塩水、植物油、可溶化剤、保存剤等を添加し、常法に従い製造すればよい。
【0158】
本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩の有効量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常成人一人当たり、0.001mg〜5g、好ましくは0.1mg〜1g、より好ましくは1mg〜500mgを、一日一回ないし数回に分けて投与する。
【0159】
本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩によって治療される細胞増殖性疾患は、悪性腫瘍と良性腫瘍に大別でき、浸潤がみられ、転移する腫瘍である悪性腫瘍としては、悪性黒色腫(メラノーマ)、皮膚がん、肺がん、気管及び気管支がん、口腔上皮がん、食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、肝臓及び肝内胆管がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、脳腫瘍等の上皮細胞などが悪性化したがん、骨肉腫、筋肉腫等の支持組織構成細胞が悪性化したがんや腫瘍を挙げることができる。他方、自律的に増殖するが、発生した場所でのみ増殖する腫瘍である良性腫瘍としては、乳頭腫、腺腫、嚢腺腫等の上皮性細胞から発生するものと、線維腫、粘液腫、脂肪腫、軟骨腫、骨腫、横紋筋腫、平滑筋腫、血管腫等の非上皮性細胞から発生するものを例示することができる。悪性腫瘍又は良性腫瘍の存在する組織としては特に限定されないが、脳、眼球、鼻道、鼻腔、気管、気管支、口腔、咽頭、食道、胃、乳房、結腸直腸、肺、卵巣、中枢神経系、肝臓、膀胱、尿道、尿管、膵臓、頚管、腹腔、肛門、子宮頚、生殖器、腎臓、前立腺、筋肉、骨、造血細胞を挙げることができる。本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩は、白血病の治療に使用することもできる。
【0160】
さらに、本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩は、放射線増感作用を有する。このため、本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を投与することにより、放射線治療の効果を高めることが期待できる。
【0161】
本発明のポリ芳香族化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を、放射線増感作用剤として用いる場合、有効量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常成人一人当たり、0.001mg〜5g、好ましくは0.1mg〜1g、より好ましくは1mg〜500mgを、一日一回ないし数回に分けて投与する。
【0162】
本発明のPARG阻害剤、PAR集積促進剤、細胞増殖阻害剤、増殖性疾患治療剤、抗がん剤の効果増強剤、又は放射線増感作用剤は、必要に応じて、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等の配合成分がさらに添加されたものを例示することができる。かかる配合成分としては、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。
【0163】
本発明の細胞は、「PARG阻害剤のスクリーニングに用いるため」という用途が限定されたDUSP22、APOBEC3A、ALS2CR12、又はCAPN2遺伝子がノックダウンされ、かかる遺伝子のmRNAの発現量や、かかる遺伝子がコードするタンパク質の発現量が減少(抑制)された細胞であり、ここで細胞の生物種としては、特に制限されず、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、カニクイザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類を挙げることができる。
【0164】
本発明の細胞は、DUSP22、APOBEC3A、ALS2CR12、又はCAPN2遺伝子若しくはその一部、又はそれらの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子(例えば、アンチセンスオリゴDNA、アンチセンスcDNA、siRNA、又はそれを生じるdsRNA若しくはssRNA)を用いてアンチセンス法、RNAi法等により調製することができる。上記核酸分子のヌクレオチド配列は、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)のデータベースに登録されているDUSP22、APOBEC3A、ALS2CR12、又はCAPN2遺伝子の塩基配列情報を参照して、適宜選択することができる。
【0165】
PARG阻害活性を有する化合物を、DUSP22遺伝子のみがノックダウンされたHeLa細胞に添加した場合、前記DUSP22遺伝子のみがノックダウンされたHeLa細胞の生存率をさらに低下させる。したがって、DUSP22遺伝子がノックダウンされたHeLa細胞は、PARG阻害剤選択のためのバイオマーカーとして利用できる。
【0166】
本発明の判定方法としては、上記PARG阻害剤を投与した対象(被験者)から採取された生物学的試料におけるリボシルアデノシン又はリボシルイノシンを検出することにより、抗がん治療の有効性を判定する方法であれば特に制限されず、かかる生物学的試料としては、組織、細胞、器官等の非液性試料や、血液、尿、唾液等の液性試料や、血液から調製された血清や血漿を挙げることができる。
【0167】
本発明の判定方法において、対照者由来の生物学的試料中のリボシルアデノシン又はリボシルイノシン濃度の正常値と比較して、上記PARG阻害剤を投与した被検者由来の生物学的試料中のリボシルアデノシン又はリボシルイノシン濃度が増加している場合、被検者における抗がん治療の有効性が高いと判定することができ、対照者由来の生物学的試料中のリボシルアデノシン又はリボシルイノシン濃度の正常値と比較して、上記PARG阻害剤を投与した被検者由来の生物学的試料中のリボシルアデノシン又はリボシルイノシン濃度が増加していない場合、被検者における抗がん治療の有効性が低いと判定することができる。
【実施例】
【0168】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0169】
[実施例1]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-1)
以下に、N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドの合成法を示す。
【0170】
【化27】
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(化合物IV-1)
【0171】
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の合成
【0172】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
市販の2,2’−ビチオフェン−5−カルボアルデヒド(5.8g,30mmol)のメタノール溶液に室温下、3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(42mL)を加え、この溶液にAgNO
3(10.4g,61mmol)水溶液を少しずつ、激しく撹拌しながら加えた。一晩撹拌した反応溶液にメタノール(20mL)と1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライトろ過を行った。固形物をメタノールと1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の混合溶液(20mL,2:3v/v)を用いて二度洗浄した。濾液を2mol/L塩酸で酸性にし、混合物を水(200mL)で希釈した。析出した固形物をろ取し、ついで水でよく洗浄し、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸を収率87%で得た。
【0174】
5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸メチルの合成
【0175】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
市販の5−アミノニコチン酸(4.8g,30mmol)を無水メタノール(150mL)に懸濁し、0℃で塩化チオニル(10mL,414mmol)を滴下し、得られた溶液を一晩加熱還流した。溶媒を減圧下、留去し、残渣を水に溶解し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチル(20mL)で抽出し、有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、5−アミノピリジン−3−カルボン酸メチルを得た。これは精製せずに次の工程に用いた。
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸(11.1g,20mmol)をベンゼン(150mL)に懸濁し、塩化チオニル(8mL,331mmol)を徐々に加え、その後6時間還流した。反応物を室温へ冷却した後に、溶媒を減圧留去し、減圧下で一晩乾燥した。得られた2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸クロリドは次の工程に直接、使用した。
上記で合成した5−アミノピリジン−3−カルボン酸メチル(21mmol)及びピリジン(8mL)を無水THF(150mL)に溶解し、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸クロリド(20mmol)を0℃で撹拌しながらゆっくり加えた。その後、混合物を50℃で4時間加熱した。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、残渣をろ過により得た。前記残渣を水で洗浄後、乾燥し、5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸メチルの粗結晶を得た。これを酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から再結晶化することで、5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸メチルを収率83%で得た。
ESI−MS(m/z):345.1(M+H)
+.
【0177】
5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸の合成
【0178】
【化30】
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【0179】
5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸メチル(6mmol)をTHF(40mL)およびメタノール(20mL)に溶液し、室温で1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加え12時間室温で撹拌した。反応溶液を2mol/L塩酸で酸性にし、水で希釈した。沈殿物をろ過し、水で洗浄し、50℃で減圧下一晩乾燥し、5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸を収率91%で得た。
ESI−MS(m/z):331.3(M+H)
+.
【0180】
3−(3−ジメチルアミノアクリロイル)ピリジンの合成
【0181】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
市販の3−アセチルピリジン(3.6g,30mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(17.9g,150mmol)の混合物を還流し、減圧濃縮後、残渣を水で粉砕し、3−(3−ジメチルアミノアクリロイル)ピリジンを収率73%で得た。
【0183】
2−グアニジノ−4−ニトロトルエンの合成
【0184】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0185】
市販の2−メチル−5−ニトロアニリンおよびシアナミドを用いて、J. Med. Chem., 48, 249-255, (2005) に記載の方法に準じて、2−グアニジノ−4−ニトロトルエンの硝酸塩を得た。前記2−グアニジノ−4−ニトロトルエンの硝酸塩(6.0g,23.3mmol)を室温で0.5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液(200mL)に懸濁し、一晩撹拌した。沈殿物をろ取し、冷水で洗浄し、2−グアニジノ−4−ニトロトルエンを収量3.9g(収率86%)で得た。ESI−MS(m/z):195.2(M+H)
+.
【0186】
2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンの合成
【0187】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
3−(3−ジメチルアミノアクリロイル)ピリジン(2.8g,16.0mmol)と2−グアニジノ−4−ニトロトルエン(3.0g,15.4mmol)の1−ブタノール(30mL)溶液混合物を一晩還流し、冷却した。沈殿物をろ過し、固形物を得た。得られた2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンは次の工程に直接、使用した。
【0189】
2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンの合成
【0190】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0191】
THF(150mL)とメタノール(50mL)の混合溶媒に2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジン(3.1g,10mmol)を溶解させ、窒素気流下で10%Pd/C(1.3g)を加えた。その後、窒素を水素に置換し、水素雰囲気下で12時間反応させた。反応混合物をセライトでろ過し、ついで少量のTHFで洗浄した。減圧下、溶媒を除去し、2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンを得た。得た化合物は精製をせずに、次の工程に用いた。
【0192】
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド(化合物IV-1)の合成
【0193】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-1)
【0194】
5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]−ピリジン−3−カルボン酸(0.5mmol)を無水DMF(7mL)に溶解し、これにHBTU(379mg,1.0mmol)と無水HOBt(135mg,1.0mmol)を室温で加え、反応溶液を30分撹拌した。反応混合物にN,N−エチルジイソプロピルアミン(194mg,1.5mmol)を加え、30分撹拌した。その溶液に2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジン(0.6mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。その後、反応混合物を冷水(25mL)に注ぎ、得られた素結晶をろ過により得た。素結晶をメタノールから再結晶化し、N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド(化合物IV-1)を収率75%で得た。
【0195】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.12−7.16(m,1H),7.23(t,J=8.2Hz,1H),7.41−7.54(m,5H),7.63(t,J=7.4Hz,1H),8.02(d,J=4.0Hz,1H),8.10(s,1H),8.46−8.52(m,2H),8.61(s,1H),8.68(s,1H),8.88(s,1H),9.00(s,1H),9.11(s,1H),9.27(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).TOF−MS(m/z):590.11(M+H)
+.
【0196】
[実施例2]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-2)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに市販の4−ビフェニルカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0197】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-2)
【0198】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),7.24(d,J=8.6Hz,1H),7.41−7.54(m,6H),7.76(d,J=7.4Hz,2H),7.87(d,J=8.2Hz,2H),8.13(d,J=7.4Hz,3H),8.51(brs,2H),8.73(brs,2H),8.89(s,1H),9.01(s,1H),9.17(s,1H),9.29(s,1H),10.48(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):578.35(M+H)
+.
【0199】
[実施例3]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-3)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに市販の5−フェニル−2−チオフェンカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0200】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-3)
【0201】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.41−7.52(m,6H),7.65(d,J=4.1Hz,1H),7.75(d,J=7.3Hz,2H),8.09−8.11(m,2H),8.47−8.52(m,2H),8.63(s,1H),8.67(d,J=4.1Hz,1H),8.89(s,1H),9.00(s,1H),9.13(s,1H),9.27(s,1H),10.47(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):584.11(M+H)
+.
【0202】
[実施例4]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)フラン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-4)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりにWO2012/040170に記載の方法で得られる5−(2−チエニル)−2−フランカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0203】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-4)
【0204】
1H−NMR(600MHz,DMSO−d
6)δ10.54(1H,brs),10.47(1H,brs),9.28(1H,d,J=2.1Hz),9.15(1H,d,J=2.3Hz),9.01(1H,s),8.88(1H,d,J=1.8Hz),8.69(1H,dd,J=5.0Hz,1.5Hz),8.61(1H,t,J=2.3Hz),8.53(1H,d,J=5.3Hz),8.49(1H,m),8.09(1H,s),7.70(1H,d,J=5.0Hz),7.67(1H,d,J=3.5Hz),7.55−7.49(3H,m),7.45(1H,d,J=5.3Hz),7.25−7.21(2H,m),7.01(1H,d,J=3.8Hz),2.24(3H,s).
【0205】
[実施例5]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-5)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに市販の2−(2−チエニル)−4−チアゾールカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0206】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-5)
【0207】
1H−NMR(600MHz,DMSO−d
6)δ10.60(1H,brs),10.47(1H,brs),9.29(1H,d,J=2.3Hz),9.21(1H,d,J=2.3Hz),9.01(1H,s),8.89(1H,d,J=1.8Hz),8.73(1H,t,J=2.3Hz),8.69(1H,dd,J=4.7Hz,1.8Hz),8.53(1H,d,J=5.0Hz),8.50−8.48(2H,m),8.11(1H,d,J=1.8Hz),7.85−7.84(2H,m),7.54(1H,m),7.50(1H,dd,J=8.2Hz,2.1Hz),7.45(1H,d,J=5.0Hz),7.25−7.23(2H,m),2.24(3H,s).
【0208】
[実施例6]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(4−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-6)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりにWO2011/123419に記載の方法で得られる5−(4−メトキシフェニル)−2−チオフェンカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0209】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-6)
【0210】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(3H,s),3.84(3H,s),6.99(1H,m),7.25(1H,d,J=8.2Hz),7.30(1H,m),7.34(1H,m),7.40(1H,t,J=7.9Hz),7.45(1H,d,J=5.0Hz),7.50(1H,dd,J=8.2Hz,2.1Hz),7.56(1H,dd,J=7.9Hz,5.0Hz),7.71(1H,d,J=4.1Hz),8.09−8.11(2H,m),8.50−8.54(2H,m),8.63(1H,t,J=2.1Hz),8.70(1H,dd,J=4.7Hz,1.5Hz),8.89(1H,d,J=1.8Hz),9.02(1H,s),9.13(1H,d,J=2.3Hz),9.29(1H,d,J=1.8Hz),10.47(1H,s),10.67(1H,s).
TOF−MS(m/z):614.2(M+H)
+.
【0211】
[実施例7]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{4−(チオフェン−2−イル)ベンズアミド}ニコチンアミド (化合物IV-7)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに市販の4−(2−チエニル)安息香酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0212】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-7)
【0213】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.25(3H,s),7.21−7.26(2H,m),7.45(1H,d,J=5.3Hz),7.50−7.69(2H,m),7.72−7.73(2H,m),7.88(2H,d,J=8.6Hz),8.08−8.11(3H,m),8.48−8.54(2H,m),8.69−8.71(2H,m),8.89(1H,d,J=2.0Hz),9.02(1H,s),9.16(1H,d,J=2.3Hz),9.29(1H,d,J=1.8Hz).
【0214】
[実施例8]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{2−(チオフェン−2−イル)チオフェン−3−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-8)
実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0215】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-8)
【0216】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.77(1H,brs),10.46(1H,brs),9.28(1H,d,J=1.6Hz),9.00(1H,s),8.98(1H,d,J=2.2Hz),8.86(1H,d,J=2.0Hz),8.68(1H,dd,J=4.9Hz,1.8Hz),8.60(1H,s),8.53−8.48(2H,m),8.09(1H,d,J=2.0Hz),7.66(1H,d,J=5.3Hz),7.60(1H,dd,J=5.3Hz,1.4Hz),7.54(1H,dd,J=8.0Hz,4.9Hz),7.48(1H,dd,J=8.2Hz,2.2Hz),7.45−7.39(3H,m),7.23(1H,d,J=8.4Hz),7.10(1H,dd,J=5.3Hz,1.6Hz),2.24(3H,s).
【0217】
[実施例9]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{4−(チオフェン−2−イル)チオフェン−3−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-9)
実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0218】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-9)
【0219】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(3H,s),7.05(1H,dd,J=5.0Hz,3.5Hz),7.22−7.26(2H,m),7.44−7.62(4H,m),7.78(1H,d,J=3.2Hz),8.09−8.14(2H,m),8.48−8.53(2H,m),8.61(1H,s),8.67(1H,dd,J=4.7Hz,1.5Hz),8.86(1H,d,J=1.8Hz),8.99−9.00(2H,m),9.28(1H,d,J=2.1Hz),10.47(1H,s),10.88(1H,s).
【0220】
[実施例10]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−メトキシカルボニルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-10)
後述の実施例11で合成した化合物IV-11の合成中間体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離することにより得た。
【0221】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-10)
【0222】
1H−NMR(600MHz,DMSO−d
6)δ10.65(1H,brs),10.46(1H,brs),9.11(1H,d,J=2.3Hz),9.00(1H,s),8.88(1H,d,J=1.8Hz),8.62(1H,t,J=2.1Hz),8.53(1H,d,J=5.0Hz),8.28(2H,d,J=8.2Hz),8.08−8.03(4H,m),7.64(1H,d,J=5.3Hz),7.50(1H,d,J=3.8Hz),7.48(1H,d,J=2.1Hz),7.45(1H,d,J=3.8Hz),7.42(1H,d,J=5.3Hz),7.24(1H,d,J=8.2Hz),7.16(1H,dd,J=5.0Hz,3.5Hz),3.87(3H,s),2.24(3H,s).
【0223】
[実施例11]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−カルボキシルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-11)
以下に、N−{4−メチル−3−[{4−(4−カルボキシルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドの合成を示す。
【0224】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-11)
【0225】
5−(3−ジメチルアミノアクリロイル)安息香酸メチルの合成
【0226】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
上記実施例1における3−(3−ジメチルアミノアクリロイル)ピリジンの合成法において、3−アセチルピリジンの替わりに、4−アセチル安息香酸メチルを用い、5−(3−ジメチルアミノアクリロイル)安息香酸メチルを収率80%で得た。
【0228】
実施例11の化合物の合成
【0229】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-11)
【0230】
上記で合成した5−(3−ジメチルアミノアクリロイル)安息香酸メチルを用いて、実施例1と同様の方法で合成を行ったところ、2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−{3−(4−メトキシカルボニル)フェニル}ピリミジンと2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−{3−(4−ブトキシカルボニル)フェニル}ピリミジンの混合物が得られた。このため、以降の反応を混合物のまま行い、N−[4−メチル−3−{[4−{3−(4−メトキシカルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド及びN−[4−メチル−3−{[4−{3−(4−ブトキシカルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドの混合物を得た。前記両エステルの混合物(0.88g)をTHF(50mL)とメタノール(25mL)の混合溶媒に溶解し、これに室温で1Nの水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加え、溶液を室温で12時間撹拌した。メタノール(20mL)を加えた後に酢酸で酸性にした。この反応溶液を減圧下50mLに濃縮した後に、水(200mL)に注ぎ、生じた素生成物をろ取し、水で洗浄し、乾燥した。素生成物をTHFと酢酸エチルの混合溶媒から再結晶化し、N−{4−メチル−3−[{4−(4−カルボキシルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドを収量480mgで得た。
【0231】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.14(t,J=3.7Hz,1H),7.23(d,J=8.3Hz,1H),7.38−7.49(m,4H),7.62(d,J=4.9Hz,1H),8.02−8.07(m,4H),8.22(d,J=8.2Hz,2H),8.50(d,J=5.1Hz,1H),8.62(s,1H),8.88(s,1H),8.99(s,1H),9.12(s,1H),10.47(s,1H),10.67(s,1H),13.21(brs,1H).
TOF−MS(m/z):633.42(M+H)
+.
【0232】
以下の実施例12〜14においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販のアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0233】
[実施例12]
N−[4−メチル−3−{(4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-12)
【0234】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-12)
【0235】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.13−7.61(m,11H),8.01−8.11(m,4H),8.46(s,1H),8.63(s,1H),8.87(s,1H),9.11(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
【0236】
[実施例13]
N−[4−メチル−3−{(4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ}フェニル]−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-13)
【0237】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-13)
【0238】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),7.24(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=5.1Hz,1H),7.43−7.52(m,7H),7.76(d,J=7.3Hz,2H),7.87(d,J=8.3Hz,2H),8.12(brs,5H),8.45(d,J=5.1Hz,1H),8.73(s,1H),8.88(s,2H),9.16(s,1H),10.47(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):577.37(M+H)
+.
【0239】
[実施例14]
N−[4−メチル−3−{(4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ}フェニル]−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-14)
【0240】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-14)
【0241】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.21(d,J=6.0Hz,2H),7.44−7.54(m,7H),7.67(d,J=5.0Hz,1H),7.75(d,J=7.0Hz,3H),7.80−8.21(m,3H),8.47(d,J=5.0Hz,1H),8.64(s,1H),8.94(d,s,J=2.0Hz,2H),9.12(s,1H),10.48(s,1H),10.67(s,1H).
TOF−MS(m/z):583.35(M+H)
+.
【0242】
以下の実施例15〜17においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の2−メチルアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0243】
[実施例15]
N−{4−メチル−3−[{4−(2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-15)
【0244】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-15)
【0245】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.21(s,3H),2.34(s,3H),6.88(d,J=5.0Hz,1H),7.13(d,J=4.9Hz,1H),7.20(d,J=8.2Hz,1H),7.25−7.31(m,3H),7.42−7.50(m,4H),7.61(d,J=5.0Hz,1H),7.97(s,1H),8.03(d,J=3.9Hz,1H),8.42(d,J=4.9Hz,1H),8.61(s,1H),8.89(d,J=8.7Hz,2H),9.11(s,1H),10.42(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):603.32(M+H)
+.
【0246】
[実施例16]
N−{4−メチル−3−[{4−(2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-16)
【0247】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-16)
【0248】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.22(s,3H),2.35(s,3H),6.88(s,1H),7.28−7.49(m,9H),7.75−7.98(m,5H),8.12−br(m,2H),8.42(d,J=4.9Hz,1H),,8.71(s,1H),8.88(brs,2H),9.16(s,1H),10.43(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):591.40(M+H)
+.
【0249】
[実施例17]
N−{4−メチル−3−[{4−(2−メチルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-17)
【0250】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-17)
【0251】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.21(s,3H),2.34(s,3H),6.88(d,J=4.9Hz,1H),7.24−7.31(m,3H),7.42−7.49(m,6H),7.65(d,J=4.8Hz,1H),7.76(brs,2H),7.97(s,1H),8.08(d,J=4.9Hz,1H),8.43(d,J=5.1Hz,1H),8.62(s,1H),8.88(brs,2H),9.12(s,1H),10.42(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):597.42(M+H)
+.
【0252】
以下の実施例18〜20においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4−フルオロアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0253】
[実施例18]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-18)
【0254】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-18)
【0255】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.13(t,J=5.1Hz,1H),7.20(s,1H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),7.31−7.33(m,3H),7.43−7.47(m,3H),7.62(d,J=8.1Hz,1H),8.03(d,J=5.7Hz,1H),8.10(s,1H),8.20(t,J=5.9Hz,1H),8.46(d,J=6.0Hz,1H),8.64(s,1H),8.87(s,2H),9.10(s,1H),10.45(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):607.16(M+H)
+.
【0256】
[実施例19]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-19)
【0257】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-19)
【0258】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.29−7.47(m,8H),7.66(s,1H),7.74(d,J=7.6Hz,2H),8.08−8.12(m,2H),8.20(brs,2H),8.46(d,J=7.7Hz,1H),8.65(s,1H),8.88(s,2H),9.12(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):595.37(M+H)
+.
【0259】
[実施例20]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-20)
【0260】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-20)
【0261】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.29−7.47(m,8H),7.66(s,1H),7.74(d,J=7.6Hz,2H),8.08−8.12(m,2H),8.20(brs,2H),8.46(d,J=7.7Hz,1H),8.65(s,1H),8.88(s,2H),9.12(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):601.37(M+H)
+.
【0262】
以下の実施例21〜23においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4−ヒドロキシアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0263】
[実施例21]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-21)
【0264】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-21)
【0265】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.13(t,J=3.8Hz,1H),7.23(d,J=8.2Hz,1H),7.41−7.51(m,4H),7.61(d,J=4.9Hz,1H),7.95(d,J=8.2Hz,2H),8.02(d,J=3.7Hz,1H),8.12(s,1H),8.30(d,J=8.2Hz,2H),8.53(d,J=5.1Hz,1H),8.65(s,1H),8.89(s,1H),9.00(s,1H),9.10(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):614.19(M+H)
+.
【0266】
[実施例22]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-22)
【0267】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-22)
【0268】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.23(d,J=8.3Hz,1H),7.41−7.52(m,5H),7.77(d,J=7.3Hz,2H),7.86(d,J=8.3Hz,2H),7.98(d,J=8.2Hz,2H),8.13(d,J=8.1Hz,3H),8.33(d,J=7.9Hz,2H),8.52(d,J=5.1Hz,1H),8.76(s,1H),8.90(s,1H),9.01(s,1H),9.16(s,1H),10.46(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):602.27(M+H)
+.
【0269】
[実施例23]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-23)
【0270】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-23)
【0271】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.41−7.52(m,6H),7.65(d,J=4.1Hz,1H),7.75(d,J=7.3Hz,2H),8.09−8.11(m,2H),8.47−8.52(m,2H),8.63(s,1H),8.67(d,J=4.1Hz,1H),8.89(s,1H),9.00(s,1H),9.13(s,1H),9.27(s,1H),10.47(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):584.11(M+H)
+.
【0272】
以下の実施例24〜26においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4−ジメチルアミノアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0273】
[実施例24]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-24)
【0274】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-24)
【0275】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),2.95(s,6H),6.72(d,J=2.5Hz,2H),7.14−7.21(m,3H),7.44−7.48(m,3H),7.61−7.63(m,1H),7.98−8.04(m,3H),8.15(s,1H),8.28−8.30(m,1H),8.61−8.65(d,J=12.6Hz,2H),8.90(s,1H),9.11(s,1H),10.44(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):632.26(M+H)
+.
【0276】
[実施例25]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-25)
【0277】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-25)
【0278】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),2.94(s,6H),6.70−6.75(m,2H),7.19−7.50(m,2H),7.72−7.88(m,6H),7.99−8.04(m,3H),8.09−8.16(m,1H),8.30(s,1H),8.62(s,1H),8.75(s,1H),8.90(s,1H),9.17(s,1H),10.46(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):620.30(M+H)
+.
【0279】
[実施例26]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-26)
【0280】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-26)
【0281】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),2.95(s,6H),6.32(d,J=8.0Hz,2H),7.18−7.23(m,2H),7.66(s,CH),7.75(d,J=2.0Hz,2H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),8.15(s,CH),8.30(s,CH),8.66(s,2H),8.90(s,2H),8.12(s,CH),10.55(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):626.31(M+H)
+.
【0282】
[実施例27]
N−[4−メチル−3−{(ピリミジン−2−イル)アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-27)
【0283】
【化63】
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(化合物IV-27)
【0284】
2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)ピリミジンの合成
【0285】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
4−メチル−3−ニトロアニリン(5.0g,32.9mmol)を無水ピリジン(3mL)および無水THF(60mL)に溶解し、0℃で無水酢酸(10mL)を滴下し、室温で一晩撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後に、氷水(70mL)を残渣に加え、析出物をろ取し、水で良く洗浄し、50−60℃で乾燥し、黄色粉末のN−(4−メチル−3−ニトロフェニル)アセトアミドを収量5.89g(収率92%)で得た。
N−(4−メチル−3−ニトロフェニル)アセトアミド(4.0g,20.6mmol)をメタノール(50mL)及び酢酸エチル(50mL)に懸濁させ、窒素気流下、10%Pd/C(600mg)を加え、水素気流下、一晩、Paar接触還元装置で還元した。反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を濃縮し、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)アセトアミドを収量3.18g(収率94%)で得た。
N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)アセトアミド(2.0g,12.2mmol)を無水DMF(6mL)に溶解し、これに2−クロロピリミジン(1.95g,17.0mmol)とKI(0.22g,1.33mmol)を加え、反応溶液を100℃で16時間撹拌した。反応収量後、反応液を氷水(50mL)に注ぎ、析出した素結晶をろ取し、冷水で洗浄後、THF−エタノール−ヘキサンの混合溶媒から再結晶化することで、黄色のN−[4−メチル−3−[(2−ピリミジニル)アミノ]フェニル]アセトアミドの結晶を収量1.44g(収率49%)で得た。
エタノール(10mL)にN−[4−メチル−3−[(2−ピリミジニル)アミノ]フェニル]アセトアミド(1.0g,4.13mmol)を懸濁し、濃塩酸(5mL)を加えた。この反応溶液を4時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を最小量の水(約10mL)に溶解し、アンモニア水溶液でpH8にした。生じた沈殿物をろ過し、冷水で洗浄し、乾燥し、黄色粉末の2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)ピリミジンを収量727mg(収率88%)で得た。
【0287】
2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンの替わりに2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)ピリミジンを用い、実施例1に記載の合成法に準じて、標記化合物を得た。
【0288】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.18(s,3H),6.74(s,1H),7.17−7.22(m,2H),7.45−7.51(m,3H),7.62(s,1H),7.90(s,1H),8.03(s,1H),8.36(brs,2H),8.61(s,1H),8.86−8.90(m,2H),9.10(s,1H),10.42(s,1H),10.63(s,1H).
TOF−MS(m/z):513.10(M+H)
+.
【0289】
[実施例28]
N−[4−メチル−3−{(ピリミジン−2−イル)アミノ}フェニル]−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-28)
2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに市販の4−ビフェニルカルボン酸を用い、実施例27に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0290】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-28)
【0291】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.16(s,3H),6.72(t,J=4.9Hz,1H),7.19(d,J=8.6Hz,1H),7.41(d,J=7.2Hz,1H),7.43−7.48(m,3H),7.72(d,J=7.3Hz,2H),7.82(d,J=7.6Hz,2H),7.90(s,1H),8.07(d,J=8.1Hz,2H),8.34(d,J=4.9Hz,2H),8.67(s,1H),8.72(s,1H),8.83(s,1H),9.09(s,1H),10.46(s,1H),10.72(s,1H).
TOF−MS(m/z):501.26(M+H)
+.
【0292】
以下の実施例29〜30においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の2−アセチルチオフェンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0293】
[実施例29]
N−{4−メチル−3−[{4−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-29)
【0294】
【化66】
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(化合物IV-29)
【0295】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.21(s,3H),7.13−7.23(m,4H),7.44−7.49(m,3H),7.62(d,J=5.9Hz,1H),7.73(d,J=6.0Hz,1H),7.93(brs,2H),8.03(d,J=5.1Hz,1H),8.36(d,J=5.1Hz,1H),8.61(s,1H),8.89(d,J=8.8Hz,2H),9.11(s,1H),10.43(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):595.34(M+H)
+.
【0296】
[実施例30]
N−{4−メチル−3−[{4−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-30)
【0297】
【化67】
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(化合物IV-30)
【0298】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.22(s,3H),7.18−7.24(m,3H),7.44−7.53(m,4H),7.72−7.78(m,3H),7.87(d,J=7.5Hz,2H),7.94(s,2H),8.12(d,J=8.1Hz,2H),8.33(d,J=5.0Hz,1H),8.72(s,1H),8.91(d,J=7.6Hz,2H),9.17(s,1H),10.44(s,1H),10.69(s,1H).
TOF−MS(m/z):583.20(M+H)
+.
【0299】
以下の実施例31〜32においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の2−アセチルフランを用い、実施例1に記載の方法に準じて2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−(2−フラニル)ピリミジンを合成した。次いで、実施例1に記載の方法に準じて、水素添加して2−(5−アミノ−2−メチルアニリノ)−4−(2−テトラヒドロフラニル)ピリミジンを合成し、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、標記化合物を得た。
【0300】
[実施例31]
N−{4−メチル−3−[{4−(テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-31)
【0301】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-31)
【0302】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.86(brs,3H),2.18(brs,4H),3.90−4.03(m,2H),4.68(brs,1H),6.77(brs,1H),7.16(brs,2H),7.38−7.55(m,4H),7.94−8.04(m,2H),8.31(s,1H),8.60(s,1H),8.86−8.96(m,2H),9.10(s,1H),10.40(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):583.29(M+H)
+.
【0303】
[実施例32]
N−{4−メチル−3−[{4−(テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-32)
【0304】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-32)
【0305】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.86(brs,3H),2.18(brs,4H),3.90−4.03(m,2H),4.68(brs,1H),6.75(d,J=5.1Hz,1H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.41−7.50(m,4H),7.76(d,J=7.0Hz,2H),7.86(d,J=8.1Hz,2H),7.97(s,1H),8.11(d,J=8.4Hz,2H),8.32(d,J=4.8Hz,1H),8.70(s,1H),8.79(s,1H),8.86(s,1H),9.16(s,1H),10.41(s,1H),10.69(s,1H).
TOF−MS(m/z):571.48(M+H)
+.
【0306】
以下の実施例33〜35においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4−(4−メチル−1−ピペラジニル)アセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0307】
[実施例33]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-33)
【0308】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-33)
【0309】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),2.83(s,3H),2.37(brs,4H),4.04(brs,4H),7.01(d,J=8.8Hz,2H),7.11−7.15(m,1H),7.20−7.24(m,2H),7.41−7.49(m,3H),7.62(d,J=6.9Hz,1H),8.03(d,J=4.0Hz,3H),8.15(s,1H),8.33(d,J=5.3Hz,1H),8.65(s,1H),8.69(s,1H),8.89(brs,1H),9.11(s,1H),10.44(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):687.34(M+H)
+.
【0310】
[実施例34]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-34)
【0311】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-34)
【0312】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.18(s,3H),2.86(s,3H),2.33(brs,4H),4.01(brs,4H),6.96(br,3H),7.16(br,2H),7.42(brm,4H),7.69−7.80(m,4H),7.97−8.02(m,4H),8.29(s,1H),8.70(brs,2H),8.84(s,1H),9.10(s,1H),10.40(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):675.57(M+H)
+.
【0313】
[実施例35]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-35)
【0314】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-35)
【0315】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.21(s,3H),2.46(s,3H),2.85(brs,4H),3.85(brs,4H),6.98(d,J=9.1Hz,2H),7.17−7.19(m,2H),7.35−7.43(m,4H),7.63(d,J=3.5Hz,2H),7.22(d,J=7.8Hz,2H),7.98−8.06(m,2H),8.12(d,J=4.1Hz,1H),8.32(d,J=6.1Hz,1H),8.63−8.65(m,2H),8.86(s,1H),9.09(s,1H),10,42(s,1H),10.63(s,1H).
TOF−MS(m/z):681.41(M+H)
+.
【0316】
以下の実施例36〜38においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4−モルホリノアセトフェノンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0317】
[実施例36]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(モルホリン−4−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-36)
【0318】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-36)
【0319】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),3.20(brs,4H),3.71(brs,4H),6.98(brs,2H),7.12−7.22(m,3H),7.42−7.48(m,3H),7.63(d,J=6.0Hz,1H),8.03(brs,3H),8.15(s,1H),8.34(brs,1H),8.67(brs,2H),8.82(s,1H),9.10(s,1H),10.43(s,1H),10.64(s,1H).
TOF−MS(m/z):674.17(M+H)
+.
【0320】
[実施例37]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(モルホリン−4−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-37)
【0321】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-37)
【0322】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),2.49(s,3H),3.16−3.20(m,5H),5.75−5.85(m,5H),6.01−6.10(m,6H),6.85−6.93(m,2H),7.15−7.27(m,2H),7.26−7.55(m,5H),7.60−7.92(m,7H),8.08−8.15(m,12H),8.30−8.35(m,2H),8.55−8.81(m,4H),9.15(s,1H),10.45(s,1H),10.69(s,1H).
TOF−MS(m/z):662.31(M+H)
+.
【0323】
[実施例38]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(モルホリン−4−イル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-38)
【0324】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-38)
【0325】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H,CH
3),3.19(s,2H),3.70(s,2H),6.96(s,1H),6.99(s,1H),7.19−7.24(m,2H),7.38−7.49(m,4H),7.44(d,J=5.0Hz,1H),7.76−7.74(d,J=8.1Hz,3H),8.01−8.04(m,4H),8.08(s,1H),8.16(s,1H),8.34(s,2H),8.67(s,1H),8.90(s,1H),10.64(s,1H),10.44(s,1H).
TOF−MS(m/z):668.23(M+H)
+.
【0326】
[実施例39]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(ヒドロキシメチル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-39)
実施例10で得られた化合物IV-10(1.00g,1.54mmol)のTHF(25mL)溶液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(120mg,3.09mmol)を少しずつ加え、室温で6時間攪拌した。反応液を飽和硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した後、1時間攪拌した。不溶物をセライトを用いて濾別し、溶媒留去後の粗結晶をペンタンで洗浄することにより標記化合物(800mg)を収率83%で得た。
【0327】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-39)
【0328】
TOF−MS(m/z):619.2(M+H)
+.
【0329】
以下の実施例40及び41においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販の4’−シアノアセトフェノンを用い、対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0330】
[実施例40]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−シアノフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-40)
【0331】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-40)
【0332】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),7.23(d,J=8.3Hz,1H),7.41−7.52(m,5H),7.77(d,J=7.3Hz,2H),7.86(d,J=8.3Hz,2H),7.98(d,J=8.2Hz,2H),8.13(d,J=8.1Hz,3H),8.33(d,J=7.9Hz,2H),8.52(d,J=5.1Hz,1H),8.76(s,1H),8.90(s,1H),9.01(s,1H),9.16(s,1H),10.46(s,1H),10.70(s,1H).
TOF−MS(m/z):602.27(M+H)
+.
【0333】
[実施例41]
N−{4−メチル−3−[{4−(4−シアノフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(5−フェニルチオフェン−2−カルボキサミド)ニコチンアミド (化合物IV-41)
【0334】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-41)
【0335】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.21(s,3H),7.22(d,J=8.3Hz,1H),7.37−7.47(m,5H),7.60(d,J=4.0Hz,1H),7.72(d,J=7.3Hz,2H),7.92(d,J=8.4Hz,2H),8.02(d,J=4.9Hz,1H),8.11(s,1H),8.27(d,J=8.3Hz,2H),8.51(d,J=5.1Hz,1H),8.64(s,1H),8.84(s,1H),8.92(s,1H),9.05(s,1H),10.47(s,1H),10.69(s,1H).
TOF−MS(m/z):608.41(M+H)
+.
【0336】
[実施例42]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−2−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}イソニコチンアミド (化合物IV-42)
5−アミノニコチン酸の替わりに市販の2−アミノピリジン−4−カルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0337】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-42)
【0338】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.15(s,3H),7.06−7.16(m,2H),7.34−7.55(m,7H),8.01(s,1H),8.15(s,1H),8.41−8.58(m,5H),8.90(s,1H),9.19(s,1H),10.42(s,1H),11.09(s,1H).
TOF−MS(m/z):590.01(M+H)
+.
【0339】
以下の実施例43〜44においては、2−メチル−5−ニトロアニリンの替わりに市販の3−ニトロアニリンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸もしくは対応する市販のカルボン酸を用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0340】
[実施例43]
N−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物IV-43)
【0341】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-43)
【0342】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ7.14(s,1H),7.33(s,2H),7.44−7.54(m,6H),8.04(s,1H),8.45(s,1H),8.64−8.69(m,4H),8.91(s,1H),9.11(s,1H),9.38(s,1H),9.83(s,1H),10.51(s,1H),10.66(s,1H).
TOF−MS(m/z):576.18(M+H)
+.
【0343】
[実施例44]
N−{4−メチル−3−[{4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−(4−フェニルベンズアミド)ニコチンアミド (化合物IV-44)
【0344】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-44)
【0345】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ7.42−7.51(m,8H),7.70−7.89(m,3H),8.09−8.158(m,2H),8.50(s,1H),8.69−8.93(m,5H),8.92(s,1H),9.18(s,1H),9.38(s,1H),9.84(s,1H),10.53(s,1H),10.71(s,1H).
TOF−MS(m/z):564.35(M+H)
+.
【0346】
[実施例45]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{2−(モルホリン−4−イル)エトキシ}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-1)
4−ヒドロキシアセトフェノン(10mmol,1.36g)のTHF(30mL)溶液にN−モルホリノエタノール(1.3mL)を加え,さらにトリフェニルホスフィン(2.6g)を加えた。ジエチルアゾジカルボキシレート(60%トルエン溶液)を3mL加え,室温で4時間撹拌した。溶媒留去後,シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−(2−モルホリノエトキシ)アセトフェノン(1.7g)を白色固体として得た。収率68%。
【0347】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.87(dt,J=9.5Hz,2.5Hz,2H),6.88(dt,J=9.5Hz,2.5Hz,2H),4.16−4.11(m,2H),3.67(t,J=4.6Hz,4H),2.78(t,J=5.7Hz,2H),2.54(t,J=4.6Hz,4H),2.49(s,3H).
【0348】
3−アセチルピリジンの替わりに、上記で得られた4−(2−モルホリノエトキシ)アセトフェノンを用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0349】
【化82】
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(化合物V-1)
【0350】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.63(s,1H),10.42(s,1H),9.09(d,J=2.3Hz,1H),8.87(d,J=1.4Hz,1H),8.73(s,1H),8.63(t,J=2.1Hz,1H),8.39(d,J=5.0Hz,1H),8.13(d,J=1.8Hz,1H),8.09(d,J=9.2 Hz,2H),8.02(d,J=3.7Hz,1H),7.63(dd,J=5.0Hz,0.9Hz,1H),7.49(dd,J=3.7Hz,0.9Hz,1H),7.46−7.43(m,2H),7.27(d,J=5.0Hz,1H),7.21(d,J=8.2 Hz,1H),7.14(dd,J=5.0Hz,3.7Hz,1H),7.02(d,J=9.2Hz,2H),4.13(t,J=5.7Hz,2H),3.54(t,J=4.6Hz,4H),2.67(t,J=5.7Hz,2H),2.44(t,J=4.4Hz,4H),2.23(s,3H).
TOF−MS(m/z):718.02(M+H)
+.
【0351】
以下の実施例46〜48においては、N−モルホリノエタノールの替わりに対応する市販のアルコールを用い、実施例45に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0352】
[実施例46]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-2)
【0353】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物V-2)
【0354】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.64(s,1H),10.43(s,1H),9.10(d,J=2.3Hz,1H),8.87(d,J=1.8Hz,1H),8.74(s,1H),8.63(t,J=2.3Hz,1H),8.39(d,J=5.5Hz,1H),8.14(d,J=1.8Hz,1H),8.09(d,J=8.7Hz,2H),8.02(d,J=3.7Hz,1H),7.63(dd,J=5.0Hz,0.9Hz,1H),7.49(dd,J=3.7Hz,1.4Hz,1H),7.46−7.43(m,2H),7.27(d,J=5.5Hz,1H),7.21(d,J=8.2Hz,1H),7.14(dd,J=5.0Hz,3.7Hz,1H),7.01(d,J=8.7Hz,2H),4.10(t,J=6.0 Hz,2H),3.36(m,4H overlapped with water),2.65(t,J=5.7,2H),2.27−2.23(brs,4H),2.23(s,3H),2.11(s,3H).
TOF−MS(m/z):731.14(M+H)
+.
【0355】
[実施例47]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{2−(4−エチルピペラジン−1−イル)エトキシ}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-3)
【0356】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物V-3)
【0357】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.64 (s,1H),10.43(s,1H),9.10(d,J=2.3Hz,1H),8.87(d,J=1.8Hz,1H),8.73(s,1H),8.63(t,J=2.1Hz,1H),8.39(d,J=5.5Hz,1H),8.14(d,J=1.8Hz,1H),8.09(d,J=9.2Hz,2H),8.02(d,J=4.1Hz,1H),7.63(dd,J=5.3Hz,0.7Hz,1H),7.49(dd,J=3.7Hz,0.9,1H),7.45−7.43(m,2H),7.27(d,J=5.5Hz,1H),7.21(d,J=8.2Hz,1H),7.14(dd,J=5.0Hz,3.7Hz,1H),7.01(d,J=9.2Hz,2H),4.11(t,J=5.7Hz,2H),3.36(m,4H overlapped with water),2.66(t,J=5.7Hz,2H),2.32−2.19(m,5H),0.95(t,J=7.3Hz,3H).
TOF−MS(m/z):745.11(M+H)
+.
【0358】
[実施例48]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{2−(ジメチルアミノ)エトキシ}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-4)
【0359】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物V-4)
【0360】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.64(s,1H),10.44(s,1H),9.09(d,J=2.3Hz,1H),8.87(d,J=1.8Hz,1H),8.76(s,1H),8.62(t,J=2.3Hz,1H),8.38(d,J=5.5Hz,1H),8.12(d,J=2.3Hz,1H),8.09(d,J=9.1Hz,2H ),8.02(d,J=3.7Hz,1H),7.63(dd,J=5.0Hz,1.4Hz,1H),7.49(dd,J=3.7Hz,1.4Hz,1H),7.46−7.43(m,2H),7.27(d,J=5.5Hz,1H),7.21(d,J=8.7Hz,1H),7.14(dd,J=5.0Hz,3.7Hz,1H),7.01(d,J=8.7Hz,2H),4.12−4.07(m,2H),2.65(t,J=5.7Hz,2H),2.23(s,3H),2.18(s,6H).TOF−MS(m/z):676.35(M+H)
+.
【0361】
[実施例49]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(カルボキシメトキシ)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-5)
3−アセチルピリジンの替わりにWO2009/012650記載の方法により得られる2−(4−アセチルフェノキシ)酢酸メチルを用い、実施例1に記載の方法に準じてN−[4−メチル−3−{[4−{4−(メトキシカルボニルメトキシ)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドを合成した。次いで常法によりメチルエステルを加水分解し、標記化合物を得た。
【0362】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物V-5)
【0363】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.98(s,1H),10.62(s,1H),9.44(brs,1H),9.24(s,1H),8.97(s,1H),8.79(s,1H),8.43(d,J=5.0Hz,1H),8.17−8.10(m,4H),7.63(d,J=4.6Hz,1H),7.55−7.49(m,2H),7.46−7.43(m,2H),7.27(d,J=8.2Hz,1H),7.14(t,J=4.1Hz,1H),7.04(d,J=8.7Hz,2H),4.78(s,2H),2.24(s,3H),2.11(s,3H).TOF−MS(m/z):663.27(M+H)
+.
【0364】
[実施例50]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物V-6)
3−アセチルピリジンの替わりにWO2009/012650記載の方法により得られる2−(4−アセチルフェノキシ)酢酸メチルを用い、実施例1に記載の方法に準じて4−[4−(ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル]−2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)ピリミジンを合成した。次いで常法によりブチルエステルを加水分解し、4−[4−(カルボキシメトキシ)フェニル]−2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)ピリミジンを得た。
【0365】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ9.04(s,1H),8.86(d,J=2.3Hz,1H),8.50(d,J=5.5Hz,1H),8.12(d,J=6.9Hz,2H),7.86(dd,J=8.2Hz,2.3Hz,1H),7.49(d,J=8.2Hz,1H),7.42(d,J=5.5Hz,1H),7.03(d,J=8.7Hz,2H),4.77(s,2H),2.42(s,3H).
【0366】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
4−[4−(カルボキシメトキシ)フェニル]−2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)ピリミジン(0.47g)およびN−メチルピペラジン(0.14g)のDMSO(10mL)溶液に、DMT−MM(0.4g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に飽和酢酸アンモニウム溶液(2mL)を加え、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去後の残渣をメタノールから再結晶させることにより、4−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ]フェニル}−2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)ピリミジン(0.49g)を収率86%で得た。
【0368】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ9.58(d,J=2.3Hz,1H),8.46(d,J=5.5Hz,1H),8.13(dt,J=9.5Hz,2.5Hz,2H),7.81(dd,J=8.2Hz,2.7Hz,1H),7.31(d,J=8.2Hz,1H),7.20(d,J=5.5Hz,1H),7.08−7.05(m,3H),4.76(s,2H),3.73−3.68(m,4H),2.60−2.47(m,4H),2.44(s,3H),2.38(s,3H).
【0369】
2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)−4−(3−ピリジル)ピリミジンの替わりに上記で得られた4−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ]フェニル}−2−(5−ニトロ−2−メチルアニリノ)ピリミジンを用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0370】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物V-6)
【0371】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.66(s,1H),10.45(s,1H),9.09(d,J=2.7Hz,1H),8.86(d,J=2.3Hz,1H),8.79(s,1H),8.61(t,J=2.3Hz,1H),8.39(d,J=5.0Hz,1H),8.10(d,J=1.8Hz,1H),8.08(d,J=8.7Hz,2H),8.02(d,J=4.1Hz,1H),7.63(dd,J=5.0Hz,1.4Hz,1H),7.49(dd,J=3.7Hz,0.9Hz,1H),7.47−7.43(m,2H),7.27(d,J=5.5Hz,1H),7.21(d,J=8.7Hz,1H),7.14(dd,J=5.0Hz,3.7Hz,1H),6.99(d,J=8.7Hz,2H),4.89(s,2H),3.42(m,4H overlapped with water),2.3(brs,4H),2.22(s,3H),2.16(s,3H).
TOF−MS(m/z):745.15(M+H)
+.
【0372】
[実施例51]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-1)
【0373】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-1)
【0374】
実施例11で合成した化合物(IV-11,140mg,0.22mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、これにHBTU(133mg,0.35mmol)と無水HOBt(47mg,0.35mmol)を室温で加え、反応溶液を30分撹拌した。反応混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(52mg,0.40mmol)を加え、30分撹拌した。その溶液にN−メチルピペラジン(0.6mmol)を加え、室温で1日半撹拌した。その後、反応混合物を冷水(20mL)に注ぎ、得られた素結晶をろ過により得た。素結晶をTHFとヘキサンの混合溶媒から再結晶化し、標記化合物を収率74%で得た。
【0375】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),2.32(s,3H),3.77(brs,8H),7.14(t,J=3.7Hz,1H),7.24(d,J=8.4Hz,1H),7.37(d,J=5.1Hz,1H),7.45−7.50(m,5H),7.61(d,J=5.1Hz,1H),8.03(d,J=4.9Hz,1H),8.13(s,1H),8.19(d,J=8.2Hz,2H),8.50(d,J=5.1Hz,1H),8.63(s,1H),8.88(s,1H),8.92(s,1H),9.10(s,1H),10.44(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):715.17(M+H)
+.
【0376】
以下の実施例52〜54、及び、56〜61においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例51に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0377】
[実施例52]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-2)
【0378】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-2)
【0379】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(s,3H),3.35(brs,4H),3.58(brs,4H),7.14(t,J=5.0Hz,1H),7.22(d,J=7.0Hz,1H),7.37(d,J=6.0Hz,1H),7.42−7.58(m,5H),7.62(d,J=6.0Hz,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),8.20(s,1H),8.23−8.36(m,2H),8.50(d,J=8.0Hz,1H),8.64(s,1H),8.88(s,1H),8.91(s,1H),9.10(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):702.17(M+H)
+.
【0380】
[実施例53]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−メチルピペラジン−1−アザカルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-3)
【0381】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-3)
【0382】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),2.29(s,3H),3.41(brs,8H),7.12−7.15(m,1H),7.23(d,J=8.8Hz,1H),7.38(d,J=4.9Hz,1H),7.41−7.52(m,6H),7.61(d,J=3.8Hz,1H),8.02(d,J=4.9Hz,1H),8.13(s,1H),8.19(d,J=8.0Hz,2H),8.50(d,J=5.1Hz,1H),8.63(s,1H),8.89(d,J=9.0Hz,2H),9.09(s,1H),10.45(s,1H),10.65(s,1H).TOF−MS(m/z):730.37(M+H)
+.
【0383】
[実施例54]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−エチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-4)
【0384】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-4)
【0385】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.10(t,J=7.3Hz,3H),2.23(s,3H),2.88(brs,6H),3.64(brs,4H),7.14(t,J=3.8Hz,1H),7.23(d,J=8.0Hz,1H),7.38(d,J=5.4Hz,1H),7.44(d,J=3.8Hz,1H),7.47−7.55(m,4H),7.61(d,J=5.4Hz,1H),8.02(d,J=4.8Hz,1H),8.13(s,1H),8.20(d,J=8.0Hz,2H),8.50(d,J=5.1Hz,1H),8.64(s,1H),8.88(s,1H),8.93(s,1H),9.11(s,1H),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):729.41(M+H)
+.
【0386】
[実施例55]
N−[4−メチル−3−{[4−{3−(4−エチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-5)
4−アセチル安息香酸メチルの替わりに市販の3−アセチル安息香酸メチルを用い、N−メチルピペラジンの替わりにN−エチルピペラジンを用い、実施例51に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0387】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-5)
【0388】
1H−NMR(600MHz,DMSO−d
6)δ10.65(1H,brs),10.45(1H,brs),9.11(1H,d,J=2.3Hz),8.96(1H,s),8.87(1H,d,J=1.8Hz),8.60(1H,t,J=2.3Hz),8.50(1H,d,J=5.3Hz),8.20(1H,d,J=7.9Hz),8.13(1H,s),8.08(1H,s),8.04(1H,d,J=3.8Hz),7.65(1H,d,J=5.0Hz),7.57(1H,t,J=7.9Hz),7.53−7.50(3H,m),7.46(1H,d,J=4.1Hz),7.41(1H,d,J=5.0Hz),7.23(1H,d,J=8.2Hz),7.16(1H,dd,J=5.3Hz,3.8Hz),3.57(2H,br),3.32−3.29(2H,br),2.37−2.33(2H,br),2.30(2H,q,J=7.0Hz),2.24(5H,brs),0.97(3H,t,J=7.0Hz).
【0389】
[実施例56]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(ピペリジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-6)
【0390】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-6)
【0391】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.54(brs,6H),2.24(s,3H),3.39(brs,4H),7.14−7.19(m,2H),7.41−7.48(m,7H),8.01(d,J=4.9Hz,1H),8.17(brs,3H),8.49(s,1H),8.64(s,1H),8.89(brs,2H),9.13(s,1H),10.45(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):700.18(M+H)
+.
【0392】
[実施例57]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−プロピルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-7)
【0393】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-7)
【0394】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ0.85(t,J=7.3Hz,3H),1.50−1.55(m,2H),2.23(s,3H),2.45−2.53(m,2H),3.32−3.80(m,8H),7.10−7.15(m,1H),7.20−7.61(m,2H),7.47−7.65(m,7H),8.02(d,J=2.1Hz,1H),8.13(s,1H),8.20(d,J=13Hz,3H),8.56(d,J=6.3Hz,1H),8.63(s,1H),8.91(d,J=8.7Hz,2H),9.01(d,J=3.3Hz,1H),9.10(s,1H),10.47(s,1H),10.66(s,1H).
TOF−MS(m/z):743.18(M+H)
+.
【0395】
[実施例58]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-8)
【0396】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-8)
【0397】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.98(s,3H),2.23(s,3H),3.30−3.60(m,8H),7.12−7.25(m,2H),7.30−7.62(m,8H),8.01(d,J=6.0Hz,CH),8.13(s,CH),8.20(d,J=8.0Hz,2H),8.49(d,J=2.5Hz,1H),8.64(s,CH),8.90(d,J=11.0Hz,2H),9.10(s,CH),10.46(s,1H),10.65(s,1H).
【0398】
[実施例59]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-9)
【0399】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-9)
【0400】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.20−1.41(m,6H),1.56−1.80(m,5H),2.23(s,3H),3.40−3.70(m,8H),7.14(d,J=2.0Hz,CH),7.24(d,J=3.0Hz,CH),7.38−7.70(m,8H),8.03(d,J=2.0Hz,CH),8.13(s,CH),8.20(d,J=4.5Hz,2H),8.51(d,J=2.0Hz,2H),8.63(s,2H),8.90(d,J=7.3Hz,2H),9.10(s,CH),10.45(s,1H)10.65(s,1H).
TOF−MS(m/z):783.27(M+H)
+.
【0401】
[実施例60]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−ジフェニルメチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-10)
【0402】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-10)
【0403】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),3.34(s,4H),7.08−7.22(m,8H),7.34−7.50(m,2H),8.05(d,J=1.83Hz,2H),8.16−8.19(m,4H),8.47−8.49(d,J=3.2Hz,1H),8.65(s,1H),8.88(s,2H),8.81(s,2H),10.45(s,1H),10.67(s,1H).
TOF−MS(m/z):867.31(M+H)
+.
【0404】
[実施例61]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−イソプロピルピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-11)
【0405】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-11)
【0406】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ1.10(d,J=5.7Hz,6H),2.23(s,3H),2.89(brs,4H),3.67(brs,4H),7.13(brs,1H),7.24(d,J=8.1Hz,1H),7.38−7.63(m,8H),8.02(d,J=4.0Hz,1H),8.11(s,1H),8.19(d,J=7.5Hz,2H),8.50(d,J=4.8Hz,1H),8.63(s,1H),8.87(s,1H),8.92(s,1H),9.09(s,1H),10.45(s,1H),10.65(s,1H).
【0407】
[実施例62]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド 塩酸塩(化合物VI-12)
N−メチルピペラジンの替わりに市販のN−Boc−ピペラジンを用い、実施例51に記載の方法に準じてN−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−Boc−ピペラジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドを合成した。次いで4mol/Lの塩化水素−1,4−ジオキサン溶液により脱Boc化し、標記化合物を得た。
【0408】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-12)
【0409】
ESI−MS(m/z):701.3(M+H)
+.
【0410】
以下の実施例63〜74においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例51に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0411】
[実施例63]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−カルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-13)
【0412】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-13)
【0413】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.23(s,3H),2.53(brs,6H),3.36−3.51(m,6H),4.52(brs,1H),7.14(t,J=3.9Hz,1H),7.24(d,J=7.9Hz,1H),7.35(d,J=5.1Hz,1H),7.44−7.49(m,5H),7.61(d,J=5.1Hz,1H),8.02(d,J=4.9Hz,1H),8.12(s,1H),8.18(d,J=8.0Hz,2H),8.50(d,J=5.1Hz,1H),8.63(s,1H),8.87(s,1H),8.92(s,1H),9.10(s,1H),10.45(s,1H),10.65(s,1H).ESI−MS(m/z):745.3(M+H)
+.
【0414】
[実施例64]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(4−ヒドロキピペリジン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-14)
【0415】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-14)
【0416】
ESI−MS(m/z):716.3(M+H)
+.
【0417】
[実施例65]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-15)
【0418】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-15)
【0419】
ESI−MS(m/z):743.3(M+H)
+.
【0420】
[実施例66]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−[4−{2−(ジメチルアミノ)エチル}ピペリジン−1−カルボニル]フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-16)
【0421】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-16)
【0422】
ESI−MS(m/z):771.3(M+H)
+.
【0423】
[実施例67]
N−{4−メチル−3−{[4−{4−[4−{2−(4−エチルピペラジン−1−イル)エチル}ピペリジン−1−カルボニル]フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-17)
【0424】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-17)
【0425】
ESI−MS(m/z):840.5(M+H)
+.
【0426】
[実施例68]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−(ヘキサヒドロ−4−エチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−カルボニル)フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-18)
【0427】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-18)
【0428】
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.66(1H,brs),10.47(1H,brs),9.12(1H,d,J=2.3Hz),8.92(1H,s),8.89(1H,d,J=1.8Hz),8.64(1H,s),8.51(1H,d,J=5.1Hz),8.20(2H,d,J=8.4Hz),8.17(1H,d,J=5.5Hz),8.05(1H,d,J=4.1Hz),7.65(1H,dd,J=5.1Hz,1.2Hz),7.52(1H,dd,J=3.7Hz,1.2Hz),7.48−7.46(4H,m),7.39(1H,d,J=5.3Hz),7.24(1H,d,J=8.6Hz),7.17(1H,dd,J=5.1Hz,3.7Hz),3.61(2H,br),2.68(1H,br),2.60(1H,br),2.52−2.41(6H,m),2.26(3H,s),1.81(1H,br),1.65(1H,br),0.91(3H,t,J=7.0Hz).
EI−MS(m/z):742(M)
+.
【0429】
[実施例69]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(メチルアミノ)カルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-19)
【0430】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-19)
【0431】
ESI−MS(m/z):646.2(M+H)
+.
【0432】
[実施例70]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(ジメチルアミノ)カルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-20)
【0433】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-20)
【0434】
ESI−MS(m/z):660.2(M+H)
+.
【0435】
[実施例71]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(オキセタン−3−イル)アミノカルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-21)
【0436】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-21)
【0437】
ESI−MS(m/z):688.2(M+H)
+.
【0438】
[実施例72]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノカルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-22)
【0439】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-22)
【0440】
ESI−MS(m/z):729.3(M+H)
+.
【0441】
[実施例73]
N−{4−メチル−3−[{4−[4−{(1−メチルピペリジン−4−イル)メチルアミノカルボニル}フェニル]ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-23)
【0442】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-23)
【0443】
ESI−MS(m/z):743.3(M+H)
+.
【0444】
[実施例74]
N−[4−メチル−3−{[4−{2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミノカルボニルフェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-24)
【0445】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-24)
【0446】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(3H,s),2.39(2H,t,J=6.7Hz),2.50(6H,s),3.36(2H,m),7.16(1H,dd,J=5.0Hz,3.8Hz),7.24(1H,d,J=8.5Hz),7.41(1H,d,J=5.0Hz),7.45(1H,d,J=3.8Hz),7.49−7.51(2H,m),7.65(1H,dd,J=5.0Hz,0.9Hz),7.94(2H,d,J=8.5Hz),8.04(1H,d,J=3.8Hz),8.08(1H,s),8.21(2H,d,J=8.2Hz),8.48−8.51(2H,m),8.62(1H,t,J=2.3Hz),8.89(1H,d,J=1.8Hz),8.97(1H,s),9.12(1H,d,J=2.3Hz),10.47(1H,s),10.66(1H,s).
TOF−MS(m/z):703.4(M+H)
+.
【0447】
[実施例75]
N−[4−メチル−3−{[4−{(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニルフェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-25)
N−メチルピペラジンの替わりにJournal of Organic Chemistry, 2009, 74, 1791-1793に記載の方法により得られる2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチルアミンを用い、実施例51に記載の方法に準じてN−[4−メチル−3−{[4−{(2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)アミノカルボニルフェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミドを合成した後、1mol/LのテトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液で脱TBS化して標記化合物を得た。
【0448】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-25)
【0449】
TOF−MS(m/z):676.2(M+H)
+.
【0450】
以下の実施例76〜79においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例51に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0451】
[実施例76]
N−{4−メチル−3−[{4−(2−ピペリジニルエチルアミノカルボニルフェニル)ピリミジン−2−イル}アミノ]フェニル}−5−[5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド]ニコチンアミド (化合物VI-26)
【0452】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-26)
【0453】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ2.24(3H,s),2.40(4H,m),2.46(2H,t,J=6.7Hz),3.39(2H,m),3.54−3.56(4H,m),7.15(1H,dd,J=5.3Hz,3.8Hz),7.23(1H,d,J=8.5Hz),7.41(1H,d,J=5.3Hz),7.44(1H,d,J=3.8Hz),7.49−7.51(2H,m),7.64(1H,dd,J=5.0Hz,1.2Hz),7.92(2H,d,J=8.5Hz),8.04−8.11(2H,m),8.22(2H,d,J=8.8Hz),8.50−8.55(2H,m),8.66(1H,t,J=2.3Hz),8.86(1H,s),8.96(1H,s),9.12(1H,s),10.48(1H,s),10.77(1H,brs).
ESI−MS(m/z):743.3(M+H)
+.
【0454】
[実施例77]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−[{2−(モルホリン−4−イル)エチル}アミノカルボニル]フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-27)
【0455】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-27)
【0456】
ESI−MS(m/z):745.3(M+H)
+.
【0457】
[実施例78]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−[{2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル}アミノカルボニル]フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-28)
【0458】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-28)
【0459】
ESI−MS(m/z):758.3(M+H)
+.
【0460】
[実施例79]
N−[4−メチル−3−{[4−{4−[{2−(1−メチルピペリジン−4−イル)エチル}アミノカルボニル]フェニル}ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル]−5−{5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド}ニコチンアミド (化合物VI-29)
【0461】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-29)
【0462】
ESI−MS(m/z):757.3(M+H)
+.
【0463】
上記各化合物に準じて製造された化合物のESI−MS(m/z)データを以下に記載する。なお、実施例80〜86、88〜89においては、5-[([2,2']Bithiophenyl-5-carbonyl)-amino]-N-[3-(4-chloro-pyrimidin-2-ylamino)-4-methyl-phenyl]-nicotinamideを対応するアミンと縮合させることにより標記化合物を合成した。
【0464】
[実施例80]
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-45)
【0465】
ESI−MS(m/z):595.8(M+H)
+.
【0466】
以下の実施例81〜84においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例80に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0467】
[実施例81]
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-46)
【0468】
ESI−MS(m/z):610.8(M+H)
+.
【0469】
[実施例82]
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-47)
【0470】
ESI−MS(m/z):625.0(M+H)
+.
【0471】
[実施例83]
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-48)
【0472】
ESI−MS(m/z):697.0(M+H)
+.
【0473】
[実施例84]
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-49)
【0474】
ESI−MS(m/z):667.0(M+H)
+.
【0475】
[実施例85]
実施例83で得られた化合物(化合物IV-48)を常法により脱Boc化することにより標記化合物を得た。
【0476】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-50)
【0477】
ESI−MS(m/z):597.2(M+H)
+.
【0478】
以下の実施例86においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例80に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0479】
[実施例86]
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-51)
【0480】
ESI−MS(m/z):737.2(M+H)
+.
【0481】
[実施例87]
5-[([2,2']Bithiophenyl-5-carbonyl)-amino]-N-[3-(4-chloro-pyrimidin-2-ylamino)-4-methyl-phenyl]-nicotinamideを対応するボロン酸とカップリングさせることにより標記化合物を合成した。
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-52)
【0482】
ESI−MS(m/z):694.4(M+H)
+.
【0483】
以下の実施例88〜89においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例80に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0484】
[実施例88]
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-53)
【0485】
ESI−MS(m/z):736.1(M+H)
+.
【0486】
[実施例89]
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-54)
【0487】
ESI−MS(m/z):668.1(M+H)
+.
【0488】
[実施例90]
後述する化合物IV-56をHClで脱保護することにより標記化合物を合成した。
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-55)
【0489】
ESI−MS(m/z):596.4(M+H)
+.
【0490】
[実施例91]
化合物IV-52を常法により接触還元することにより標記化合物を合成した。
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-56)
【0491】
ESI−MS(m/z):696.1(M+H)
+.
【0492】
実施例92−93においては、5-[([2,2']Bithiophenyl-5-carbonyl)-amino]-N-[3-(4-chloro-pyrimidin-2-ylamino)-4-methyl-phenyl]-nicotinamideを対応するボロン酸とカップリングさせることにより標記化合物を合成した。
[実施例92]
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-57)
【0493】
ESI−MS(m/z):610.2(M+H)
+.
【0494】
[実施例93]
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-58)
【0495】
ESI−MS(m/z):624.2(M+H)
+.
【0496】
実施例94−95においては、化合物IV-55を対応するアミンと還元的アミノ化反応により対応するアミンと反応させることにより表記化合物を合成した。
[実施例94]
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-59)
【0497】
ESI−MS(m/z):667.4(M+H)
+.
【0498】
[実施例95]
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-60)
【0499】
ESI−MS(m/z):736.4(M+H)
+.
【0500】
以下の実施例96〜97においては、N−メチルピペラジンの替わりに対応するアミンを用い、実施例51に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0501】
[実施例96]
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-46)
【0502】
ESI−MS(m/z):936.3(M+H)
+.
【0503】
[実施例97]
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-47)
【0504】
ESI−MS(m/z):756.1(M+H)
+.
【0505】
以下の実施例98〜101においては、実施例75で得られた(化合物VI-25)を、対応するアルコール(反応点に関係しないアミノ基およびカルボキシル基は適切に保護)とEDCIを用いて縮合させ、その後にHClにより脱保護することにより表記化合物を得た。
【0506】
[実施例98]
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-48)
【0507】
ESI−MS(m/z):805.3(M+H)
+.
【0508】
[実施例99]
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-49)
【0509】
ESI−MS(m/z):804.4(M+H)
+.
【0510】
[実施例100]
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-50)
【0511】
ESI−MS(m/z):791.3(M+H)
+.
【0512】
[実施例101]
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-51)
【0513】
ESI−MS(m/z):791.3(M+H)
+.
【0514】
実施例75で得られた(化合物VI-25)を、対応するアルコールとEDCIを用いて縮合させることにより表記化合物を得た。
【0515】
[実施例102]
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-52)
【0516】
ESI−MS(m/z):919.2(M+H)
+.
【0517】
[実施例103]
実施例102で得られた(化合物VI-52)を、トリフルオロ酢酸により脱Boc化することにいより表記化合物を得た。
【0518】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VI-53)
【0519】
ESI−MS(m/z):819.4(M+H)
+.
【0520】
[実施例104]
実施例10で得られた(化合物IV-10)をLiAlH
4で還元することにより、表記化合物を得た。
【0521】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-1)
【0522】
ESI−MS(m/z):619.2(M+H)
+.
【0523】
[実施例105]
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-2)
【0524】
実施例104で得られた(化合物VII-1)を常法により二酸化マンガンで酸化して得られたアルデヒド体(100mg, 0.16mmol)をTHF(5mL)に溶解させ、メチルアミン塩酸塩(22mg, 0.32mmol)および触媒量の酢酸を加え、室温で30分撹拌した。次いでNa(OAc)
3BH(103.2mg, 0.48mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液をEtOAc/THF (1:1)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去して得られた残渣をHPLCにて精製することにより、表記化合物(48mg)を得た。収率47%。
【0525】
ESI−MS(m/z):632.2(M+H)
+.
【0526】
以下の実施例106〜123においては、メチルアミン塩酸塩の替わりに対応する市販のアミンを用い、実施例105に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0527】
[実施例106]
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-3)
【0528】
ESI−MS(m/z):646.2(M+H)
+.
【0529】
[実施例107]
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-4)
【0530】
ESI−MS(m/z):689.2(M+H)
+.
【0531】
[実施例108]
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-5)
【0532】
ESI−MS(m/z):686.2(M+H)
+.
【0533】
[実施例109]
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-6)
【0534】
ESI−MS(m/z):688.2(M+H)
+.
【0535】
[実施例110]
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-7)
【0536】
ESI−MS(m/z):701.3(M+H)
+.
【0537】
[実施例111]
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-8)
【0538】
ESI−MS(m/z):715.3(M+H)
+.
【0539】
[実施例112]
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-9)
【0540】
ESI−MS(m/z):702.3(M+H)
+.
【0541】
[実施例113]
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-10)
【0542】
ESI−MS(m/z):729.3(M+H)
+.
【0543】
[実施例114]
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-11)
【0544】
ESI−MS(m/z):715.3(M+H)
+.
【0545】
[実施例115]
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-12)
【0546】
ESI−MS(m/z):674.2(M+H)
+.
【0547】
[実施例116]
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-13)
【0548】
ESI−MS(m/z):729.3(M+H)
+.
【0549】
[実施例117]
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-14)
【0550】
ESI−MS(m/z):744.4(M+H)
+.
【0551】
[実施例118]
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-15
【0552】
ESI−MS(m/z):731.3(M+H)
+.
【0553】
[実施例119]
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-16)
【0554】
ESI−MS(m/z):729.3(M+H)
+.
【0555】
[実施例120]
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-17)
【0556】
ESI−MS(m/z):743.4(M+H)
+.
【0557】
[実施例121]
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-18)
【0558】
ESI−MS(m/z):757.4(M+H)
+.
【0559】
[実施例122]
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-19)
【0560】
ESI−MS(m/z):687.3(M+H)
+.
【0561】
[実施例123]
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VII-20)
【0562】
ESI−MS(m/z):729.3(M+H)
+.
【0563】
以下の実施例124〜130においては、3−アセチルピリジンの替わりに対応するメチルケトンを用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0564】
[実施例124]
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-61)
【0565】
EI−MS(m/z):594.1(M)
+.
【0566】
[実施例125]
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-62)
【0567】
EI−MS(m/z):589.4(M)
+.
【0568】
[実施例126]
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-63)
【0569】
EI−MS(m/z):589.5(M)
+.
【0570】
[実施例127]
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-64)
【0571】
EI−MS(m/z):590.4(M)
+.
【0572】
[実施例128]
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-65)
【0573】
EI−MS(m/z):634.1(M)
+.
【0574】
[実施例129]
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-66)
【0575】
EI−MS(m/z):666.1(M)
+.
【0576】
[実施例130]
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-67)
【0577】
EI−MS(m/z):650.3(M)
+.
【0578】
以下の実施例131においては、3−アセチルピリジンの替わりに市販のメチルケトンを用い、実施例1に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0579】
[実施例131]
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物IV-68)
【0580】
EI−MS(m/z):734.1(M)
+.
【0581】
以下の実施例148〜149においては、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに対応する市販のカルボン酸を用い、実施例54に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0582】
[実施例132]
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-1)
【0583】
EI−MS(m/z):716.3(M)
+.
【0584】
[実施例133]
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-2)
【0585】
EI−MS(m/z):722.3(M)
+.
【0586】
以下の実施例134〜137においては、2−メチル−5−ニトロアニリンの替わりに対応する市販のアニリンを用い、実施例54に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0587】
[実施例134]
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-3)
【0588】
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 10.65 (1H, brs), 10.26 (1H, brs), 9.13 (1H, d, J = 2.8 Hz), 9.09 (1H, brs), 8.94 (1H, d, J = 1.6 Hz), 8.66 (1H, m), 8.48 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.04 (1H, d, J = 4.0 Hz), 7.65 (1H, dd, J = 4.8 Hz, 1.2 Hz), 7.52-7.50 (3H, m), 7.46 (1H, d, J = 4.0 Hz), 7.45 (1H, m), 7.37 (1H, m), 7.25 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.19 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 5.1 Hz, 3.6 Hz), 3.63 (2H, br), 3.32 (2H, br), 2.42 (2H, br), 2.35 (2H, q, J = 7.1 Hz), 2.32 (2H, br), 2.16 (3H, s), 0.99 (3H, t, J = 7.1 Hz). EI-MS (m/z): 729 (M)
+.
【0589】
[実施例135]
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-4)
【0590】
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 10.67 (1H, brs), 10.45 (1H, brs), 9.12 (1H, d, J = 2.8 Hz), 8.93 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.90 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.71 (1H, m), 8.60 (1H, d, J = 5.1 Hz), 8.36 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.20 (1H, brs), 8.05 (1H, d, J = 4.0 Hz), 7.65 (1H, dd, J = 4.8 Hz, 1.6 Hz), 7.52-7.50 (4H, m), 7.46 (1H, d, J = 3.6 Hz), 7.35 (1H, dd, J = 9.1 Hz, 2.0 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 5.1 Hz, 3.6 Hz), 7.09 (1H, d, J = 9.1 Hz), 3.90 (3H, s), 3.60 (2H, br), 3.30 (2H, br), 2.37 (2H, br), 2.30 (2H, q, J = 7.1 Hz), 2.28 (2H, br), 0.96 (3H, t, J = 7.1 Hz). EI-MS (m/z): 744 (M)
+.
【0591】
[実施例146]
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-5)
【0592】
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 10.66 (1H, brs), 10.17 (1H, brs), 9.76 (1H, brs), 9.15 (1H, d, J= 2.0 Hz), 8.96 (1H, m), 8.72 (1H, d, J= 1.6 Hz), 8.58 (1H, d, J = 5.1 Hz), 8.27 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.12 (1H, m), 8.05 (1H, d, J = 3.6 Hz), 7.65 (1H, m), 7.57 (1H, m), 7.51-7.44 (5H, m), 7.23 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.16 (1H, dd, J= 5.1 Hz, J = 3.6 Hz), 3.60 (2H, br), 3.32 (2H, br), 2.37 (2H, br), 2.32 (2H, q, J= 7.5 Hz), 2.27 (2H, br), 2.23 (3H, s), 0.97 (3H, t, J = 7.5 Hz). EI-MS (m/z): 729 (M)
+.
【0593】
[実施例137]
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物VIII-6)
【0594】
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 10.67 (1H, brs), 10.60 (1H, brs), 9.25 (1H, brs), 9.12 (1H, d, J= 2.4 Hz), 8.90 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.66 (1H, m), 8.57 (1H, d, J = 5.1 Hz), 8.43 (1H, dd, J = 7.1 Hz, 2.4 Hz), 8.25 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.04 (1H, d, J = 3.6 Hz), 7.65 (1H, m), 7.51-7.45 (6H, m), 7.28 (1H, dd, J = 10.3 Hz, 8.7 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 5.1 Hz, 3.6 Hz), 3.61 (2H, br), 3.30 (2H, br), 2.39 (2H, br), 2.35-2.29 (4H, m), 0.97 (3H, t, J = 7.1 Hz). EI-MS (m/z): 733 (M)
+.
【0595】
以下の実施例138〜実施例144に示す化合物の合成に関しては、N−モルホリノエタノールの替わりに対応するアルコールを用い、実施例45に記載の方法に準じて標記化合物を得た。保護基が必要なアルコールに関しては、適切に保護されたアルコールを用い、脱保護することにより目的物を得た。
【0596】
[実施例138]
5−([2,2’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)−N−(3−((4−(4−(2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエトキシ)フェニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−4−メチルフェニル)ニコチンアミド
【0597】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
5-([2,2'-bithiophene]-5-carboxamido)-N-(3-((4-(4-(2-(4-ethylpiperazin-1-yl)-2-oxoethoxy)phenyl)pyrimidin-2-yl)amino)-4-methylphenyl)nicotinamide
【0598】
1H-NMR(DMSO
d6, 400MHz): 10.67 (s, 1H), 10.44 (s, 1H), 9.10 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.86 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.61 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.1 Hz, 2H ), 8.03 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 3.7, 0.9 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 2H), 7.27 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 5.0, 3.7 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.89 (s, 2H), 3.41 (m, 4H), 2.3 (m, 6H), 2.22 (s, 3H), 0.97 (t, J= 7.1 Hz, 3H). ESI-MS calculated molecular ion [M+H
+]:759.25, found 759.19
【0599】
[実施例139]
5−([2,2’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)−N−(4−メチル−3−((4−(4−(2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)エトキシ)フェニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)ニコチンアミド
【0600】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
5-([2,2'-bithiophene]-5-carboxamido)-N-(4-methyl-3-((4-(4-(2-((2-(4-methylpiperazin-1-yl)ethyl)amino)ethoxy)phenyl)pyrimidin-2-yl)amino)phenyl)nicotinamide
【0601】
1H-NMR(DMSO
d6, 400MHz): 10.51 (brs, 1H), 9.16 (brs, 1H), 8.93 (brs, 1H), 8.79 (brs, 1H), 8.71 (brs, 1H) , 8.44(brs, 1H), 8.20-8.10 (m, 4H), 7.68 (brs, 1H), 7.51(m, 3H), 7.32-7.13 (m, 5H), 4.11(brs, 2H), 2.91 (m, 4H), 2.66(s, 4H), 2.55 (brs,4H). (several peaks were missing due to broad absorbance signal )ESI-MS calculated molecular ion [M+H
+]:774.29, found 774.37
【0602】
[実施例140]
5−([2,2’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)−N−(4−メチル−3−((4−(4−(2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)エトキシ)フェニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)ニコチンアミド
【0603】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
2-(4-(2-((5-((5-([2,2'-bithiophene]-5-carboxamido)pyridin-3-yl)amino)-2-methylphenyl)amino)pyrimidin-4-yl)phenoxy)acetic acid
【0604】
1H-NMR(DMSO
d6, 400MHz): 10.67 (s, 1H), 9.10 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.89 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.61 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.39 -8.37(m, 2H), 8.03 - 8.00 (m, 4H), 7.61 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.41-7.35 (m, 3H) , 7.26 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.14-7.11 (m, 1H), 6.90 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 4.44 (s, 2H), 2.31 (s, 3H). ESI-MS calculated molecular ion [M+H
+]:635.15, found635.23
【0605】
[実施例141]
3−(2−(4−(2−((5−(5−([2,2’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)ニコチンアミド)−2−メチルフェニル)アミノ)ピリミジンン−4−イル)フェノキシ)アセトアミド)−2−スルホプロパン酸
【0606】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
3-(2-(4-(2-((5-(5-([2,2'-bithiophene]-5-carboxamido)nicotinamido)-2-methylphenyl)amino)pyrimidin-4-yl)phenoxy)acetamido)-2-sulfopropanoic acid
【0607】
1H-NMR(DMSO
d6, 400MHz): 10.65 (s, 1H), 10.42 (s, 1H), 9.10 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.86 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.59 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.1 Hz, 2H ), 8.02 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 5.3, 1.1 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 3.7, 1.4 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 5.3, 3.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.51 (s, 2H), 3.67- 3.61 (m, 1H), 3.54 - 3.50 (m, 2H), 1.90 (s, 3H). ESI-MS calculated molecular ion [M-H
+]:812.13, found 811.97
【0608】
[実施例142]
3−(4−(2−((5−(5−([2,2’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)ニコチンアミド)−2−メチルフェニル)アミノ)ピリミジンン−4−イル)フェニル)−2−アミノプロパン酸
【0609】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
3-(4-(2-((5-(5-([2,2'-bithiophene]-5-carboxamido)nicotinamido)-2-methylphenyl)amino)pyrimidin-4-yl)phenyl)-2-aminopropanoic acid
【0610】
1H-NMR(DMSO
d6, 400MHz): 10.69 (s, 1H), 10.43 (s, 1H), 9.09 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.87 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.63 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.62 (dd, J = 5.3, 1.1 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.7, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.49 (dd, J = 3.7, 1.1 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 5.0, 3.7 Hz, 1H), 3.49(overlapped with water signal), 3.21-3.17 (m, 1H) 2.99-2.89 (m, 1H), 3.67- 3.61 (m, 1H), 3.54 - 3.50 (m, 2H), 1.22 (s, 3H). ESI-MS calculated molecular ion [M-H
+]:676.17, found 676.34
【0611】
以下の化合物は、N−メチルピペラジンの替わりにN−エチルピペラジンを用い、2,2’−ビチオフェン−5−カルボン酸の替わりに対応するカルボン酸を用い、実施例50 に記載の方法に準じて標記化合物を得た。
【0612】
[実施例143]
5−(3−(チオフェン−2−イル)フェニルカルボキサミド)−N−(3−((4−(4−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)カルボニル)フェニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−4−メチルフェニル)ニコチンアミド
【0613】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
MM086098
【0614】
EI−MS(m/z):722.2(M)
+.
【0615】
[実施例144]
5−([2,3’−ビチオフェン]−5−カルボキサミド)−N−(3−((4−(4−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)カルボニル)フェニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−4−メチルフェニル)ニコチンアミド
【0616】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
MM086099
【0617】
EI−MS(m/z):728.1(M)
+.
【0618】
上記で合成した化合物のPARG阻害試験、PAR集積試験、及び細胞増殖阻害試験を行った。以下にその詳細を示す。
【0619】
[実施例145]
【0620】
[PARG阻害試験]
PARG活性の測定には、ラットリコンビナントPARGを次の方法で調製して用いた。
N末端側にグルタチオン−S−トランスフェラーゼを融合させた完全長136kDa(RPG300−PGEX4T#11)のPARG(GST−PARG)を大腸菌で発現させ、下川らの方法(J.Biochem(Tokyo)1999、126:748-755)を参考にして、以下のようにGSH−セファロースを用いてアフィニティー精製を行った。まず、LB培地−100μg/mLアンピシリンの500mL培養液を調製し、最後に1mMイソプロピル−β−チオガラクトピラノシドを加えて発現誘導し、3時間培養した。6000g、4℃、15分間遠心分離し、沈殿させ、緩衝液A[20mM リン酸カリウム(pH7.5)、10mM β−メルカプトエタノール、150m NaCl]で洗浄して、7000g、4℃、10分間遠心分離し、沈殿に、緩衝液AにComplete(Roche社)及び終濃度1mg/mL 卵白リゾチーム(Sigma社)を加え、氷上で10分間保温後、トリトンX−100を終濃度1%、NaClを0.4Mとなるように加え、よく攪拌した後、超音波破砕を氷水中で10秒間、3回行った。10,000gで30分間遠心して、上清と沈殿に分けた。上清に0.1%硫酸プロタミンを加え、4℃で1時間攪拌した後、10,000gで1時間遠心し、上清に緩衝液B[20mM リン酸カリウム(pH7.5)、10mM β−メルカプトエタノール、0.1% トリトンX−100]を150mM NaCl濃度となるように加え、GSH−セファロース4B樹脂(Amersham社)10mLを添加後、1時間、4℃で転倒混和した。500gで5分遠心分離後、上清を除去し、緩衝液C[20mM リン酸カリウム(pH7.5)、10mM β−メルカプトエタノール、150mM NaCl]を加え、転倒混和後、500gで5分遠心分離後、上清除去を4回繰り返した。次に、溶出緩衝液を加えて500gで5分遠心分離後、上清除去を4回繰り返して溶出した後、セントリコン−50(Amicon社)を用いて濃縮した。緩衝液D[50mM リン酸カリウム(pH7.5)、10%グリセロール、0.05%トリトンX−100、10mMβ−メルカプトエタノール]を入れて−80℃において保存した。
【0621】
[
32P]ポリ(ADP−リボース)は、下川らの方法(Organic Chemistry Insights、2009、2:1-5)により、[
32P]−NADを用いて調製した。反応混合液[20mM リン酸カリウム(pH7.5)、50mL KCl、4.0μM [
32P]ポリ(ADP−リボース)]に、試験化合物を終濃度が25μM、75μMになるように加え、あるいは1μM−100μM範囲の異なる濃度となるように加え、GST−PARG 15ngを加えて20μLとした。30℃で30分間インキュベーション後に、最終濃度1%になるようにSDSを加えて反応を終了させた。反応液をポリエチレンイミン−セルロースTLCプレート(Macherey-Nagel社)に2μLをスポットし、展開溶液(0.1M LiCl、3M 酢酸、3M 尿素)で展開を行った。放射能を富士イメージングプレート(富士フイルム社)に感光し、BAS−2500(富士フイルム社)によって解析を行った。
【0622】
放射能の強さは、そのまま検出されるスポットの濃度に反映されるため、反応液をスポットした原点と、反応生成物が検出される領域の濃度を計測し、全体に占める分解産物の割合を計測した。すなわち未分解物は反応液をスポットした原点に残り、PARGにより分解された[
32P]ADP−リボースはRf0.22のスポットとなる。そして、ポリ(ADP−リボース)分解活性は下記[式1]より算出した。
【0623】
[式1]
ポリ(ADP−リボース)分解活性(arbitrary unit)=(分解産物の放射能)/(全放射能)
【0624】
各試験化合物の75μMでのポリ(ADP−リボース)分解を阻害する割合を算出した。その結果を[表6]に示す。
【0625】
また、各試験化合物について、1μM−100μM範囲の異なる濃度となるように加えた場合のIC
50値を表7に示す。
【0626】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0627】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0628】
[実施例146]
【0629】
[ウェスタンブロッティングを用いたPAR集積試験]
肺がん細胞の一種であるA549細胞を培養用の6ウェルプレートに7×10
5(細胞/ウェル/1.8mL)ずつ播種した。37℃、二酸化炭素濃度5%条件下に一昼夜培養後、各試験化合物を20μMに希釈し,プレートの各ウェルに200μLずつ添加し、37℃、二酸化炭素濃度5%条件下にて4時間インキュベートした。インキュベート後、200mMに調整した過酸化水素水を10μL添加し、10分間インキュベートした。各ウェルの培養上清を除去し、PBS(−)で洗浄後、PBS(−)を1mLずつ添加した。セルスクレーパーにて細胞をプレートより掻き集め、遠心(4℃、1500rpm、5分)して上清を完全に除去し、Protease inhibitor及びPhosphatase inhibitorを含むLysis bufferで細胞を懸濁し、氷中にて数分間放置して細胞を溶解した。細胞溶解物を遠心(4℃、12000rpm、10分)して上清を回収し、Bradford法によりタンパク定量した。等量のタンパクになるよう各試料にバッファーを加えて調整し、これを95℃にて5分間加熱処理し、氷中で2分間以上急冷させ、ウェスタンブロッティングを用いたPAR集積アッセイ解析に供した。
【0630】
上記試料を、グラジエントSDS-polyacrylamideゲル(4〜20%)を用いて電気泳動した。電気泳動後のゲルを、PVDF membraneに転写した。転写後のメンブランをTBS−Tにて洗浄し、5%ブロッキングBuffer(5%スキムミルク/TBS−T)にて室温で1時間振とう(ブロッキング)した。一次抗体にPAR Rabbit Polyclonal Antibody(1:2000、TREVIGEN社)を用いて、4℃にて一晩振とうした。一次抗体反応後、メンブランをTBS−Tにて洗浄し、二次抗体としてAnti-Rabbit IgG-Peroxidase antibody(1:5000、Sigma-Aldrich社)を用いて、室温にて1時間振とうした。このメンブランをTBS−Tにて洗浄後、ECL Prime Western Blotting Detection Reagents(GE Healthcare社)内の発光試薬にて発光させた。これを、LASイメージングアナライザー(LAS-4000-mini、GE Healthcare社)にて検出した。
図1の標準判定基準に基づいたPAR集積アッセイの結果を[表8]に示す。PAR集積判定は、以下の5段階で行った。
−(バンドなし):PAR集積なし、±:PAR集積の可能性あり、+:PAR集積(小)、++:PAR集積(中)、+++: PAR集積(大)
±は、
図1中の+で表されるほどPARは集積していないが、集積が認められる結果である。
【0631】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
[実施例147]
【0633】
肺がん細胞の一種であるA549細胞を培養用の96穴ウェルプレートに等量ずつ播種した。37℃、CO
25%条件下に一昼夜培養後、各試験化合物を適切な濃度に希釈し,プレートの各ウェルに添加した。72時間培養した後、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)試薬を各ウェルに加えて4時間培養した。プレートを遠心し,培養上清を除去した。DMSOを各ウェルに加えて撹拌し、吸光光度計で570nmの吸光度を測定した。細胞の培養は37℃、CO
25%条件下行った。各試験化合物における増殖抑制率から、50%細胞増殖抑制濃度(IC
50(μM))を算出した。その結果を[表9]に示す。
【0634】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0635】
[実施例148]
【0636】
[放射線増感作用試験]
ヒトがん細胞株に対する放射線増感作用を解析した。
[方法]
ヒト肺がん細胞株A549細胞、及びヒト骨肉腫SAOS細胞は、RPMI1640(Gibco Life Technologies社)、及びMcCoy’s 5A(Sigma-Aldrich社)にそれぞれ終濃度10%牛胎児血清(Hyclone社)とペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco Life Technologies社)を1/100量加えて調製した培養液(以下、それぞれ「RPMI1640培養液」及び「McCoy’s 5A培養液」という)中で培養した。
【0637】
化合物(IV-1、MO2282とも称す)及び非添加群にはdimethyl sulfoxideを等濃度となるように照射2時間以上前に細胞培養液に添加した。25cm
2フラスコ(ファルコン社)中でA549及びSAOS細胞の各3サンプルについて炭素線照射を行い、照射後、6ウェルプレート(Thermo Scientific社)に細胞を播種した。なお、炭素線照射は放射線医学総合研究所HIMAC(heavy ion medical accelerator at the National Institute of Radiological Sciences)による炭素線単回照射を290MeV/n、70keV/μmの条件で行った。非照射サンプルでは、各3サンプルを1ウェルあたり200細胞ずつ、6ウェルプレートに播種した。各ウェルあたりの培養液は3mLとした。化合物(MO2282)及び非添加群にはdimethyl sulfoxideを等濃度となるように細胞培養液に添加した。炭素線照射後のA549及びSAOS細胞を、37℃、5%CO
2の条件で炭酸ガスインキュベーターに7−14日間、0.4μMの化合物IV-1存在下(
図2の「MO2282」)又は非存在下(
図2の「CTRL」)のRPMI1640培養液及びMcCoy’s 5A培養液中で培養し、4%中性緩衝ホルマリン(Wako社)で固定、0.1%クリスタルバイオレットで染色し水2mLで洗浄後、風乾させた。50細胞以上の細胞により形成されたコロニーを1つのコロニーと見なし、コロニー数を計測した。非照射サンプルについてplating efficiency=(コロニー数)/(播種細胞数)とし、
図2にその結果から得られる生存率曲線を示した。放射線増感率(ER,enhancement ratio)は生存率曲線から、下記[式2]より算出した。
【0638】
[式2]
ER=(薬剤非添加時の10%生存率を与える線量)/(薬剤添加時の10%生存率を与える線量)
【0639】
[結果]
炭素線照射したA549細胞及びSAOS細胞のERは、それぞれ1.4及び1.3であった。この結果は、化合物(IV-1)はがん細胞に対する放射線増感作用を有することを示している。
【0640】
[実施例149]
【0641】
[PARG阻害剤のスクリーニングにおける、DUSP22機能が低下した細胞の利用]
各種がんにおいてDUSP22遺伝子変異が知られている。DUSP22の機能不全がPARG阻害下で合成致死を示すか検討するために、ヒト子宮頚がん細胞株であるHeLaに対し、siRNAを用いてDUSP22又はPARG、もしくはその両方をノックダウンしそれぞれの条件での細胞生存率をcolony formation assayによって検討した。
【0642】
[方法]
6ウェルプレート(TrueLine社)に播種したHeLa細胞に対し、DUSP22ノックダウン用siRNA(dsiDUSP22)、PARGノックダウン用siRNA(dsiPARG)、或いは前記siDUSP22及びsiPARGの両方を、それぞれ最終濃度が12.5nMとなるように添加し、Hiperfect transfection Regent(Qiagen社)を用いて無血清条件下でトランスフェクションした。トランスフェクションして4時間後に等量の20%血清含有RPMI1640(Gibco Life Technologies社)を加え、さらに2日間培養することで、標的タンパク質濃度を低下させた。その後、accutase(MS Technosystems社)を用いて細胞を分散させ、新しい6ウェルプレートに300cells/wellで播種し(n=3)、37℃、5%CO
2の条件で炭酸ガスインキュベーターにて7日間培養した。各ウェルのRPMI1640培養液量は3mLとした。7日後、各ウェルをPBSで洗浄し、4%中性緩衝ホルマリン(Wako社)を2mL/ウェル加え、室温で30分間固定した。ホルマリンをアスピレーターにて除去後、コロニーを0.02%クリスタルバイオレット液で染色し、風乾させた。50細胞以上で形成されているコロニーを1つのコロニーとみなし、コロニー数を計測することで、各条件での生存細胞数を算出した。dsiDUSP22及びdsiPARGの塩基配列を表10に示す。コントロールにはdsi RNA (Negative Control (DS NC1)、Integrated DNA Technologies社)を用いた。
【0643】
[結果]
HeLa細胞中のPARGをノックダウンしたところ、細胞生存率低下は認められなかった(
図3の右から2番目の棒グラフ)。一方、HeLa細胞中のDUSP22をノックダウンしたところ、細胞生存率の低下が認められた(
図3の右から3番目の棒グラフ)。さらに、DUSP22及びPARGの両方をノックダウンしたところ、DUSP22単独でノックダウンした場合と比べ、細胞生存率のさらなる低下が認められた(
図3の左から1番目の棒グラフ)。この結果より、DUSP22とPARG両遺伝子の機能不全は合成致死性を誘導することが示された。
【0644】
上記結果より、DUSP22をノックダウンした細胞を用い、ノックダウンしていない細胞に対する細胞生存率の低下を指標として、PARG阻害活性を有する化合物をスクリーニングできると考えられる。
【0645】
また、上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、DUSP22遺伝子が正常である細胞に対しては生存阻害活性が低いため、本発明のPARG阻害活性を有する化合物は、がん細胞に対する特異的な細胞増殖阻害活性剤となり、副作用の少ない増殖性疾患治療剤、例えば、抗がん剤として利用できる。
【0646】
[実施例150]
[PARG阻害剤のスクリーニングにおける、APOBEC3A、ALS2CR12、又はCAPN2機能が低下した細胞の利用]
APOBEC3A、ALS2CR12、及びCAPN2遺伝子変異についてもがんとの関連性が指摘されている。そこで、APOBEC3A、ALS2CR12、及びCAPN2の機能不全がPARG阻害下で合成致死を示すか検討した。
【0647】
[方法]
24ウェルプレート(TrueLine社)に播種したA549細胞に対し、APOBEC3A、ALS2CR12、及びCAPN2ノックダウン用二本鎖siRNA(DsiRNA)を終濃度10nM又は30nMとなるように、Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies社)1μL(
図4の左図)又は2μL(
図4の右図)を用いて導入した。かかるDsiRNA(Integrated DNA Technologies)の配列は表10に示す。5%CO
2存在下で37℃にて24時間培養後、accutase(MS Technosystems社)を用いて細胞を剥離し、96ウェルプレート(TrueLine社)に200cells/wellで播種し(n=3)、さらに24時間培養した。その後、終濃度500nMのVI-4(MO2455とも称す)のメシル酸塩を含むRPMI1640培養液に交換して2日間培養した後、同じ組成の培地に交換してさらに2日間培養し、細胞の生存率をCCKアッセイ(Dojindo社)により調べた。
【0648】
VI-4存在下で培養したA549細胞において、APOBEC3A及びALS2CR12をそれぞれノックダウンした場合(
図4の「APOBEC3A」及び「ALS2CR12」)、ノックダウンしなかった場合(
図4の「N.C.」)と比べ、細胞生存率は38〜64%に低下した。この結果は、APOBEC3A又はALS2CR12をノックダウンした細胞は、VI-4に対する感受性が高まったことを示している。一方、VI-4存在下で培養したA549細胞において、CAPN2をノックダウンした場合(
図5の「CAPN2」)、ノックダウンしなかった場合(
図5の「N.C.」)と比べ、VI-4に対する細胞生存率を2.8倍に上昇させた(
図5)。この結果は、CAPN2をノックダウンした細胞は、VI-4に対する感受性が低下し、耐性付与されたことを示している。
【0649】
上記結果より、APOBEC3A又はALS2CR12をノックダウンした細胞を用い、ノックダウンしていない細胞に対する細胞生存率の低下を指標として、PARG阻害活性を有する化合物をスクリーニングでき、また、CAPN2をノックダウンした細胞を用い、ノックダウンしていない細胞に対する細胞生存率の低下抑制を指標として、PARG阻害活性を有する化合物をスクリーニングできると考えられる。
【0650】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0651】
[実施例151]
【0652】
[カスパーゼ1阻害剤による影響]
96ウェルプレート(Nunc)に2500cells/wellの密度で血清10%とカスパーゼ1阻害剤(Z−WEHD−FMK)100nMを含むDMEM培養液50μLと共にマウスメラノーマB16細胞を播種した。2時間後、1μM VI-4を含むDMEM培養液を50μL加えた。炭酸ガスインキュベーターで37℃、2日間培養後、培養液を除去し、Cell Counting Kit(CCK)solution(Dojindo社)を10%含むDMEM培養液100μLを氷上で加え、30分間、37℃で反応させ、450/600nmの吸光度を測定することで生細胞数を測定した。その結果、カスパーゼ1の阻害剤処理は、B16細胞に対するVI-4の細胞数減少効果を打ち消した。その結果を
図6Aに示す。
【0653】
[NLRP3機能阻害]
24ウェルプレート(TrueLine社)に2×10
5cells/wellで播種したA549細胞に対し、翌日dsiCASP1、dsiNLRP3、及びdsiNC(コントロール)をLipofectamine RNAi MAX(Life Technologies社)を用いて血清条件下でトランスフェクションした。dsiRNAの最終濃度は10nMとした。さらに翌日、accutase(MS Technosystems社)を用いて細胞を分散させ、96ウェルプレート(Nunc社)に330cells/wellで播種した。さらに翌日、アスピレーターで培養液を除去し、300nM VI-4及び10%血清を含むRPMI培養液を100μL加え、37℃の炭酸ガスインキュベーターで4日間培養した。培養液の交換は、同組成のRPMI1640培養液を用いて3日目に一度行った。アスピレーターで培養液を除去し、CCK solutionを10%含むDMEM培養液100μLを氷上で加え、2時間37℃で反応させ、450/600nmの吸光度を測定することで生細胞数を測定した。その結果、カスパーゼ1経路の活性化に寄与するCASP1の機能阻害そしてNLRP3遺伝子のノックダウンは、A549細胞に対するVI-4の細胞数減少効果を抑制した。dsiNLRP3の塩基配列を表10に示す。その結果を
図6Bに示す。
【0654】
この結果は、PARG阻害活性を有する化合物は、APOBEC3A及びALS2CR12の機能不全下では合成致死性が誘導されることを示す。また、CAPN2、NLRP3、カスパーゼ1の機能不全があるがん細胞では、PARG阻害活性を有する化合物に耐性的性質を示す。
【0655】
上記結果より、APOBEC3A及びALS2CR12をノックダウンした細胞を用い、細胞生存率の低下を指標として、PARG阻害活性を有する化合物をスクリーニングできると考えられる。
【0656】
また、上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、APOBEC3A及びALS2CR12の機能が正常である細胞に対しては生存阻害活性が低いため、本発明のPARG阻害活性を有する化合物は、がん細胞を特異的な細胞増殖阻害活性剤となり、副作用の少ない増殖性疾患治療剤、例えば、抗がん剤として利用できる。
【0657】
また、上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、APOBEC3A及びALS2CR12の機能不全があるがん細胞では、生存阻害活性が高いため、この性質を調べることで、PARG阻害活性を有する化合物を抗がん剤として適用が有効ながん種を選択することができる。
【0658】
また、上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、CAPN2、NLRP3、カスパーゼ1の機能不全があるがん細胞では、PARG阻害活性を有する化合物に耐性的性質を示すため、この性質を調べることで、PARG阻害活性を有する化合物を抗がん剤として適用が有効ながん種を選択することができる。
【0659】
[実施例152]
【0660】
[PARG阻害剤の薬物動態マーカーとして代謝物リボシルアデノシンとリボシルイノシンの測定]
標準物質リボシルアデノシン(ribosyladenosine, R-ado)の調製は、ポリ(ADP−リボース)にPDEを添加し、PDE buffer [10mM sodium-phosphate緩衝液(pH7.0)、10mM MgCl
2]中、37℃で一晩反応させ、ホスホリボシル−AMPとAMPに分解し、後述のHPLCによりホスホリボシル−AMPの保持時間17分のピークを分取した。ホスホリボシル−AMPに0.5M Tris−HCl(pH8.0)存在下でBAPを添加し60℃で1時間反応させ、同様にHPLCにより保持時間32分のピークを分取し、後述のLC/MSにより分子量が399であることとその紫外線吸収スペクトルを確認し、リボシルアデノシンを得た。標準物質リボシルイノシン(ribosylinosine, R-ino)の調製はリボシルアデノシンを0.05Mpottasium-phosphate(pH7.5)中でadenosine deaminase(Sigma社)10U/mLと25℃で30分反応させた。HPLCにより保持時間26分のピークを分取し、LC/MSにより分子量が400であることと、その紫外線吸収スペクトルを確認した。
【0661】
マウス血漿のリボシルアデノシン及びリボシルイノシンの定量を上記の標準物質リボシルアデノシンとリボシルイノシンを用いて以下のように行なった。
【0662】
マウス血漿はヘパリンで湿らせた採血管で採取、秤量後、3倍量のアセトニトリルを添加し懸濁後、10000g、10分間4℃で遠心し、上清を回収し、−80℃で保存した。溶解後、filtrationを行い、LC/MS/MSで以下の条件で分析を行った結果を
図7A、Bに示す。(Aは標準物質リボシルアデノシン)
【0663】
HPLC conditions: column; InertSustain C18 (2.1× 150 mm), eluent; solvent A, 3mM ammonium acetate, solvent B, acetonitrile, from 0 min to 5 min 0 % B, and then from 5 min to 20 min, linear gradient to the final percent of 7.5 % B, flow rate, 0.3 mL/min.
MS/MS conditions: ion source; turbo spray, curtain gas ; 40.0 L/min, collision gas; 4 L/min, ion spray voltage; 5000 V, temperature; 500 ℃, ion source gas 1; 50 L/min, ion source gas 2; 80L/min.
【0664】
マウス尿検体のリボシルアデノシン及びリボシルイノシンの定量は以下の手順で行なった。
【0665】
マウス尿検体は自由摂餌条件でmetabolic cageを用いて一晩採取し秤量し−80℃で保存した。尿試料は水及びメタノールで前処理を行ったAutoprep EDS-1(250mg)を用いて行った。尿試料をカラムに添加後、水1mLで洗浄し、メタノール1mLで目的化合物を溶出させた。メタノールを遠心エバポレートした後、水に再溶解させたものをLC/MS/MSの試料とした。LC/MS/MSの分析を行った結果を
図7C、Dに示す。Cは標準物質リボシルイノシン)
【0666】
PARP阻害剤(olaparib:AZD2281、Selleck社)の効果測定にはC57BL/6J系統のマウス(オス、日本クレア社)を使用した。Olaparib溶液(100mg/mL Olaparib-100%(v/v)dimethyl sulfoxide(DMSO、Sigma-Aldrich社)と溶媒液(11%(w/v)2-hydroxy-propyl-β-cyclodextrin(Sigma-Aldrich社)含有phosphate buffered saline(PBS))を1:9の液量比で混和しフィルター滅菌後、50mg/kg体重となるように7日間連日で1日一回腹腔内投与を行った(各n=3)。PARP阻害剤投与後の血漿中のマウス血漿のリボシルアデノシン及びリボシルイノシンの定量の結果を
図8に示す。
【0667】
マウス血漿中のリボシルアデノシンおよびマウス尿中リボシルイノシンについてLC/MS/MSでの抽出条件と分析条件を至適化し測定したところ、マウス血漿中のリボシルアデノシンとマウス尿中リボシルイノシンが感度よく検出できた。
【0668】
また、マウス血漿中のリボシルアデノシンはマウス個体にポリ(ADP−リボース)合成酵素阻害剤を投与すると、約1/3に低下したことから体内のポリ(ADP−リボース)代謝状態のモニタリングに有効であり、本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物によるポリ(ADP−リボース)代謝状態のモニタリングの変動の測定に有効であると考えられる。
【0669】
[実施例153]
本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物によるマウスにおける抗腫瘍効果を検証した。
[A549移植腫瘍モデルマウスにおけるVI-4の抗腫瘍効果]
【0670】
10%牛胎児血清(Gibco社) および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco Life Technologies社)を含むRPMI1640培地で培養したA549細胞を遠心回収し、1×10
7cells/mLの細胞懸濁液を調製し、0.1mL(1×10
6cells)をマウス(BALB/c−nu/nu、雄、5週齢)の右脇腹皮下に移植した。細胞を移植して3日おきに、腫瘍径および体重を計測し、腫瘍体積(長径×短径
2/2)が約100mm
3に達した後に全マウスに0.3M HPβCD 0.36mL/25g体重で3日間前投与し、VI-4投与群および対照群(HPβCD投与)の2群に群分け(n=6)を行った。VI-4投与群および対照群の薬剤投与前の平均腫瘍体積(平均±S.E.)はそれぞれ142.7±25.6mm
3および141.9±24.4mm
3、平均体重はそれぞれ22.1±0.5gおよび22.5±0.6gであった。VI-4投与群は、0.3M HPβCDに溶解したVI-4(1.35−1.27mg/mL)を18mg/kg体重で、一日おきに腹腔内に投与した。対照群は、0.3M HPβCD を0.36mL/25g体重で同様の間隔で投与した。体重は2日おき、腫瘍径は2−4日おきに計測した。阻害剤を投与して2週間以降の腫瘍体積の増加速度は対照群と比べて低下し、VI-4による腫瘍の増殖抑制傾向が認められた(
図9)。
【0671】
[結果]
上記実施例153の実験の目的と、得られた結果と、その結果から導き出される結論
本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物によるマウスにおける抗腫瘍効果を検証する目的でヒト肺がん細胞株の移植腫瘍を有するマウスに2日おきに腹腔内投与を行ったところ、腫瘍の増殖抑制傾向を示し、抗腫瘍効果を有することが示唆された。上記の結果より、本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物は、腫瘍の増殖抑制傾向を示し、抗腫瘍効果を有することが示唆され、抗がん剤として利用できると考えられる。
【0672】
[実施例154]
ヒト正常線維芽細胞WI-38細胞を96ウェルプレートに播種し(TrueLine)(n=3)、MO2455、MO2282またはコントロールとしてDMSO同濃度を含むDMEM培地で、3日間培養した。その後、新たなDMEM培地に交換し、細胞の生存率をCCKアッセイ(Dojindo)により調べた。使用した培地は全て10% FBS(Gibco)および1% penicillin-streptomycin(Thermo Fisher Scientific)を含む。ヒト正常線維芽細胞WI-38に対してMO2455は増殖抑制を示さなかったが、MO2282は増殖抑制を示し、IC50は約2 microMであった(
図10)。上記の結果は正常細胞に対しては生存阻害活性が低いため、本発明のMO2455は、がん細胞に対する特異性が高い細胞増殖阻害活性剤となり、副作用の少ない増殖性疾患治療剤、例えば、抗がん剤として利用できる。
【0673】
[実施例155]
12ウェルプレート(TrueLine)または24ウェルプレートに7x10^4 (7×10
4)cells/wellまたは3.5x10^4 (3.5×10
4)cells/wellとなるように播種したHeLa細胞に対し、PEA15、PAX5あるいはA549細胞に対しCAPN2のdsiRNA (Dicer-substrate siRNA, Integrated DNA Technologies社製、配列は表11に示す。) またnegative controlを終濃度10 nMとなるように添加し、Lipofectamine RNAiMAX (Life Technologies) 4.4 μl(HeLa細胞)、1.0 μl(A549細胞)を用いてMEM培地中でトランスフェクションを行った。5% CO
2存在下で37℃にて2日または3日間培養し、High Pure RNA isolation kit (Roche) を用いてRNAを精製した後、High-Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Thermo Fisher Scientific) を用いてキットに添付のプロトコールに従ってcDNAを合成した。その後、PEA15およびPAX5の遺伝子の発現レベルを調べるためにリアルタイムPCR(qRT-PCR)を行った。qRT-PCRはPower SYBR Green PCR Master Mix(Thermo Fisher Scientific)またはSYBR Select Master Mix(Thermo Fisher Scientific)を用いて販売会社のプロトコールに従って行った。用いたプライマーの配列は表12に示す。PEA15、PAX5
図11左図)およびCAPN2 (
図12)発現レベルはそれぞれの dsiRNA処理により顕著に低下を示した。
【0674】
24ウェルプレート(TrueLine)に3.5x10^4(3.5×10
4)cells/wellで播種したHeLa細胞に対し、PEA15、PAX5のdsiRNAまたはnegative control を終濃度10 nMとなるように添加し、Lipofectamine RNAiMAX 2.2 μlを用いてMEM培地中でトランスフェクションした。 DsiRNAの配列は表10に示す。5% CO
2存在下で37℃にて約24時間培養後、accutase(MS Technosystems)を用いて細胞を剥離した。96ウェルプレートに500 cells/wellで播種し(n=3)、1日培養後、終濃度500nMのMO2455を含むMEM培地に交換してさらに培養した。3日後、新しいMEM培地に交換し、細胞の生存率をCCKアッセイ(Dojindo)により調べた。使用した培地は全て10% FBS(Gibco)および1% penicillin-streptomycin(Thermo Fisher Scientific)を含む。PAX5およびPEA15ノックダウン細胞におけるMO2455に対する感受性はコントロールと比較して上昇を示した
図11右図)。CAPN2ノックダウン細胞におけるMO2455に対する感受性はコントロールと比較して低下を示した(実施例150にすでに示している)。
【0675】
上記結果より、PAX5およびPEA15をノックダウンした細胞を用い、細胞生存率の低下を指標として、PARG阻害活性を有する化合物をスクリーニングできると考えられる。また、PARG阻害活性を有する化合物は、PAX5およびPEA15の機能不全があるがん細胞では、PARG阻害活性を有する化合物に感受性亢進を示すため、この性質を調べることで、PARG阻害活性を有する化合物を抗がん剤として適用が有効ながん種を選択することができる。
【0676】
[実施例156]
10 cmディッシュに9x10^5(9×10
5)個となるように播種したA549細胞に対し、DUSP22とPARGについてそれぞれ単独、あるいは両者を、またはnegative controlのdsiRNA (Dicer-substrate siRNA, Integrated DNA Technologies社製) をそれぞれ終濃度6 nMとなるように添加し、Lipofectamine RNAiMAX (Life Technologies) 24 μlを用いてRPMI1640培地 [10% FBS (Sigma)] 中でトランスフェクションを行った。DsiRNA(Integrated DNA Technologies)の配列は表10に示す。5% CO
2存在下で37℃にて約17.5時間後、accutase (MS Technosystems) 処理で細胞を剥離し、2.9x10^5 cellsをGrowth Factor Reduced Matrigel (BD Biosciences) と混合し、11週齢のヌードマウス(Balb/c nu/nu)の両足の皮下に移植した(n = 3)。細胞移植5日後から、3-5日の間隔で腫瘍径を測定し、移植29日後に腫瘍重量を測定した。腫瘍体積は(長径x短径x高さ)/2より求めた。DUSP22及びPARGの両者をノックダウンした場合、それぞれ単独及びコントロール群に比較して、有意な腫瘍サイズの減少 (P<0.05) を示した
図13)。
上記結果より、DUSP22遺伝子が機能低下したがん細胞に対してはPARGを阻害することで、細胞増殖阻害が亢進することから、増殖性疾患治療剤、例えば、抗がん剤として利用できる。
【0677】
[実施例157]
マウスメラノーマB16細胞株を96ウェルプレートに播種し(TrueLine)(n=3)、各薬剤またはコントロールとしてDMSO同濃度を含むDMEM培地で、数日間培養した。その後、新たなDMEM培地に交換し、細胞の生存率をCCKアッセイ(Dojindo)により調べた。使用した培地は全て10% FBS(Gibco)および1% Penicillin Streptomycin(Thermo Fisher Scientific)を含む。各薬剤は異なる細胞増殖抑制活性を示し、MO2455ではIC50値は約0.3 microMと高感受性を示し、MO2442、MO2443はもっとも高い細胞増殖抑制活性をB16細胞株に対して示した(
図14)。
【0678】
上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、マウスメラノーマB16細胞株と同様の性質を示すがん細胞では、生存阻害活性が高いため、この性質を調べることで、PARG阻害活性を有する化合物を抗がん剤として適用が有効ながん種を選択することができる。
【0679】
[実施例158]
本発明の化合物がマウスメラノーマB16細胞株に対してアポトーシス誘導活性を示すかどうかを調べるためにB16細胞株を直径10 cmプレートに播種し(TrueLine)、MO2455またはコントロールとしてDMSO同濃度を含むDMEM培地で、培養後、経時的に細胞を回収した。その後、回収した細胞を3%のFBSを含むPBS(-)(3S-PBS)で2回洗浄した後、70% エタノールを添加し-20℃で一晩固定した。固定細胞液を3S-PBSにより3回洗浄後、染色液(50 mg/ml propidium iodide (SIGMA-Aldrich), 0.1 mg/ml RNase A (SIGMA-Aldrich) in FACS Staining buffer)を添加し、遮光条件下において室温で2時間反応させることによりDNAを染色した。染色した細胞を41 mmのナイロンメンブレンに通した後、FACSCalibur(Beckon Dickinson)を用いて、propidium iodideにより得られた蛍光強度を用いて、DNA含量を測定した。
【0680】
また、本発明の化合物がマウスメラノーマB16細胞株に対してポリ(ADP−リボース)集積作用を示すかどうかを調べるために、B16細胞株を直径10 cmプレートに播種し(TrueLine)、MO2455またはコントロールとしてDMSO同濃度を含むDMEM培地で培養後、 経時的に細胞をスクレーパーで氷上でかき集め、培養上清ごと遠心チューブに移して、1500 rpmで5分間遠心した。上清を除き、ペレットをPBS(-)でピペッティングにより洗浄して5000 rpmで5分間遠心した。PBS(-)による洗浄は計2回行い、洗浄した細胞はLeammli’s sample buffer (10% glycerol、2% SDS、50 mM Tris-Cl (pH 6.8)、10% β-mercaptoethanol、Phosphostop (Roche)、Complete Mini (Roche))で溶解し、94℃ 4分間加熱してタンパク質を完全に変性させた後、Handy Sonic (UR-21P、TOMY)で超音波処理してゲノムDNAを切断し、Bradford法にてタンパク質濃度を定量した。細胞溶解液を混合して不溶分画を再度均一化し、可溶化タンパク質を含む細胞溶解液と5×SDS sample buffer (5×SDS loading buffer、0.31 M Tris-HCl (pH6.8)、10% SDS、25% sucrose、0.025% bromophenol blue、5 % β-mercaptoethanol)を混合、定電流下でSDS-polyaclylamidegel electrophoresis (SDS-PAGE)を行った。さらにblotting buffer (25 mM Tris、192 mM glycine、10% methanol、20% SDS)を用いて、親水化したpolyvinylidenedifluoride (PVDF) membrane (Bio-Rad)に上記泳動後にタンパク質をblottingした。Blotting済みPVDF membraneは5% スキムミルクTBSTを用いて室温で1時間blocking後、Anti-PAR rabbit polyclonal antibody(Cat# 4336-BPC-100)を用いて一次抗体反応を行った。このとき、抗体は5% スキムミルクTBSTで希釈し室温で1時間の反応を行った。その後、PVDF membraneをTris-buffer-saline (TBS)/ 0.1% Tween20 (TBST)で洗浄し、二次抗体反応を行った。二次抗体は室温で60分間の反応を行った。抗体反応済みPVDF membraneをTBSTで洗浄しHRPの基質としてImmobilon (Millipore)を加え、X線フィルムを感光させてシグナルを検出した。本発明のPARG阻害活性を有する化合物MO2455は、マウスメラノーマB16細胞株に対して処理10時間後にはアポトーシスの進行を示すサブG1細胞画分を増加させることが示された(
図15)。また、本発明のPARG阻害活性を有する化合物MO2455は、ポリ(ADP−リボース)集積作用を添加1時間後より亢進させることが示された(
図16)。
【0681】
上記結果より、PARG阻害活性を有する化合物は、マウスメラノーマB16細胞株と同様の性質を示すがん細胞では、ポリ(ADP−リボース)集積作用とアポトーシス誘導性が高いため、この性質を調べることで、PARG阻害活性を有する化合物を抗がん剤として適用が有効ながん種を選択することができる。
【0682】
[実施例159]
ヒト胃がん細胞株NCI-N87を培養後、accutase (MS Technosystems) 処理で細胞を剥離し、5x10^6(5×10
6)cellsをGrowth Factor Reduced Matrigel (BD Biosciences) と混合し、ヌードマウス(Balb/c nu/nu)の脇腹の皮下に移植した。平均サイズが100 mm
3に達したのち、薬剤の投与を開始し、腫瘍径を経時的に測定した(n=7)。本発明のMO2455の溶解型製剤はMO2455を 21 mg、マクロゴール400を1000 mgを混合し、超音波処理を出力50%で40 分行い調製した。本発明のMO2455の乳化型製剤はMO2455を21 mg、マクロゴール400を870 mg、ポリソルベート80を130 mg混合し、超音波処理を出力50%で50分行い調製し、5mlガラスバイアルに分注し室温において遮光下で保管した。製剤コントロールとしては上記にMO2455を含まない製剤を同様に調製し用い、4%マンニトールで希釈した製剤及び製剤コントロールを投与に用いた。本発明のMO2455の溶解型製剤は2−3日おきに一回、30 mg/kg体重で尾静脈あるいは30 mg/kg体重で腹腔内投与を行った。乳化型製剤は週5日、50 mg/kg体重で尾静脈投与を行った。尾静脈投与が困難となった一部の個体に対しては腹腔内投与を行った。腫瘍体積の変化は測定した腫瘍径により求めた。MO2455の投与群ではコントロール群に比較して、腫瘍サイズの減少傾向を示した(
図17)。
上記の結果より、本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物によるマウスにおける抗腫瘍効果を検証する目的でヒト胃がん細胞株の移植腫瘍を有するマウスに静脈投与あるいは腹腔内投与を行ったところ、腫瘍の増殖抑制傾向を示し、抗腫瘍効果を有することが示唆された。
上記の結果より、本発明におけるPARG阻害活性を有する化合物は抗がん剤として利用できる。
【0683】
【表11】
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【0684】
【表12】
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