(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
健康的で潤いのある肌は、皮膚表面の角質層に水分が十分に保有されている。しかし、皮膚表面を覆っている皮脂の分泌量が低下したり、皮膚中の角質細胞間脂質が減少したりすると、角質層の水分含有量は低下していわゆる乾燥肌(ドライスキン)となる。乾燥肌は、年齢、体質、気候、環境、ライフスタイル等の様々な要因が関与しており、更に栄養障害、腎不全、粘液水腫等の全身性疾患から生じることもある。
【0003】
従来、乾燥肌の処置には、保湿成分を含むスキンケア製品が利用されている。保湿成分の中でも、γ−オリザノールは、皮脂腺賦活化作用等により乾燥性皮膚疾患を改善する成分として有用であることが知られている。しかしながら、γ−オリザノールは保存安定性が低く、γ−オリザノールを含む組成物では、γ−オリザノールの含有量が経時的に低下するという欠点がある。
【0004】
そこで、従来、γ−オリザノールの安定性を改善する製剤技術として、γ−オリザノールと共にアスパラギン酸及び/又はその塩を配合する方法(特許文献1参照)等が報告されている。しかしながら、多様な処方設計に対応するために、特許文献1の製剤化技術とは異なる手法によって、γ−オリザノールの安定性の改善を図る技術の開発が望まれている。
【0005】
一方、ヘパリン類似物質は、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等が知られており、しかも副作用が少ないことから、外用組成物の有効成分として用いられている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来、ヘパリン類似物質をγ−オリザノールと併用することについては、一切知られておらず、これらを併用することによって得られる効果については類推すらできないのが現状である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.外用組成物
本発明の外用組成物は、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする。γ−オリザノールとヘパリン類似物質を併用することにより、γ−オリザノールの安定性が向上し、γ−オリザノールの経時的な含有量の低下を抑制することが可能になる。以下、本発明の外用組成物について、詳述する。
【0012】
γ−オリザノール
本発明の外用組成物は、γ−オリザノールを含有する。γ−オリザノールとは、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル、又はフェルラ酸とステロールとのエステルである。
【0013】
本発明の外用組成物において、γ−オリザノールとして、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル又はフェルラ酸とステロールとのエステルのいずれか一方を単独で使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。本発明で使用されるγ−オリザノールの好適な例として、フェルラ酸シクロアルテニル(C
40H
58O
4)を含むもの、更に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニルを95重量%以上含むもの、特に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニルを98重量%以上含むものが挙げられる。
【0014】
γ−オリザノールのCAS登録番号は、「11042−64−1」で表される。本発明で使用されるγ−オリザノールには、オリザノールA(CAS登録番号[21238−33−5])及びオリザノールC(CAS登録番号[469−36−3])等が含まれ得る。
【0015】
本発明で使用されるγ−オリザノールについては、その原料、製造方法、精製方法等は特に限定されず、例えば、米糠等から自ら単離及び精製したもの等が挙げられる。
【0016】
また、γ−オリザノールは、例えば、オリザ油化株式会社、築野食品工業株式会社、和光純薬工業株式会社、理研ビタミン株式会社、岡安商店株式会社等により製造販売されており、本発明の外用組成物では、γ−オリザノールとして、これらの市販品を使用することもできる。
【0017】
本発明の外用組成物におけるγ−オリザノールの含有量については、特に制限されず、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.05重量%以上、好ましくは0.05〜2重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%が挙げられる。
【0018】
本発明の外用組成物において、γ−オリザノールは可溶化された状態で含まれていてもよく、また乳化された状態で含まれていてもよい。本発明の外用組成物では、γ−オリザノールは可溶化又は乳化のいずれの状態であっても、安定性の向上を図ることができる。ここで、γ−オリザノールの可溶化とは、γ−オリザノールがミセル中に取り込まれることにより、透明かつ均一に溶解することを指す。また、γ−オリザノールの乳化とは、水相にγ−オリザノールを含む油相を界面活性剤により小滴として分散させエマルションを生成すること、又はγ−オリザノールを含む油相に、界面活性剤により水相を小滴として分散させたエマルションを生成することを指す。
【0019】
ヘパリン類似物質
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質を含む。ヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている公知の薬剤である。
【0020】
本発明で使用されるヘパリン類似物質の由来については、特に制限されないが、例えば、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得られたもの、食用獣の組織(例えば、ウシやブタ等の気管軟骨を含む肺臓)から抽出したもの等が挙げられる。本発明の乳化組成物では、ヘパリン類似物質として、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質が好適に使用される。
【0021】
本発明の外用組成物におけるヘパリン類似物質の含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1重量%以上、好ましくは0.1〜1重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%が挙げられる。
【0022】
また、本発明の外用組成物において、γ−オリザノールに対するヘパリン類似物質の比率については、特に制限されないが、皮膚水分量、皮膚バリア機能、使用感、及び低温条件下でのγ−オリザノールの安定性をより一層向上させるという観点から、γ−オリザノール1重量部当たり、ヘパリン類似物質が0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜8重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部が挙げられる。
【0023】
水
本発明の外用組成物において、γ−オリザノールを可溶化又は乳化させる場合には、溶媒として、水が含まれていることが好ましい。
【0024】
本発明の外用組成物において水を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば1重量%以上が挙げられる。通常、水の含有量が多い程、γ−オリザノールの安定性が低下する傾向があるが、本発明の外用組成物では、水の含有量が多くても、γ−オリザノールの安定性の向上を図ることができる。かかる本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用組成物における水含有量として、好ましくは10〜99.5重量%、更に好ましくは20〜99重量%、特に好ましくは30〜95重量%が挙げられる。
【0025】
界面活性剤
また、本発明の外用組成物は、γ−オリザノールを可溶化又は乳化させて所望の製剤形態にするために、界面活性剤が含まれていることが好ましい。界面活性剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されず、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよいが、好ましくはノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0026】
界面活性剤としては、具体的には、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(2〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜50モル)ベヘニルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど)、POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100モル)・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(5〜100)、ポリソルベート(20〜85)、グリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリン等)、水素添加大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
本発明の外用組成物に、界面活性剤を含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜30重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物がクリーム剤の場合であれば、界面活性剤の含有量として、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、界面活性剤の含有量として、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%が挙げられる。
【0028】
油性基剤
本発明の外用組成物は、所望の製剤形態への調製等のために、必要に応じて、油性基剤が含まれていてもよい。油性基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、植物油、動物油、鉱物油、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸、高級アルコール、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0029】
油性基剤として、具体的には、オリーブ油、小麦胚芽油、こめ油、サフラワー油、大豆油、つばき油、とうもろこし油、なたね油、ごま油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、落花生油、ホホバ油、硬化油、アボガド油、ウイキョウ油、チョウジ油、ハッカ油、ユーカリ油、レモン油、オレンジ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、木ロウ等の植物油;ラード、魚油、スクワラン、蜜蝋等の動物油;パラフィン、水添ポリイソブテン、流動パラフィン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、ワセリン等の鉱物油;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸エチル等の炭素数4〜30の脂肪酸と炭素数1〜34のアルコールのエステル;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、セバシン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数4〜30の脂肪酸;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラノリンアルコール等の炭素数6〜34の1価高級アルコール;ジメチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン等のシリコーンオイル等が挙げられる。これらの油性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
本発明の外用組成物に、油性基剤を含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜80重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物が水中油型のクリーム剤の場合であれば、油性基剤の含有量として、0.1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、油性基剤の含有量として、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%が挙げられる。
【0031】
多価アルコール
更に、本発明の外用組成物には、保湿性の向上等のために、必要に応じて多価アルコールが含まれていてもよい。
【0032】
多価アルコールとしては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
本発明の外用組成物に、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜30重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物がクリーム剤の場合であれば、多価アルコールの含有量として、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、多価アルコールの含有量として、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%が挙げられる。
【0034】
ビタミン類
本発明の外用組成物には、必要に応じてビタミン類が含まれていてもよい。ビタミン類としては、具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、水添レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール等のビタミンA類;パンテノール、パントテニルエチルエーテル、パントテン酸アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩等)、パントテン酸アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩等)、アセチルパントテニルエチルエーテル等のビタミンB5類;ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、これらの無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)等のビタミンB6類;アスコルビン酸、アスコルビン酸モノアルキルエステル(例えば、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレート、テトラへキシルデカン酸アスコルビル等)、アスコルビン酸ジアルキルエステル(例えば、アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレート)、アスコルビン酸トリアルキルエステル(例えば、アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレート等)等のビタミンC類;ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB12類、ビタミンD類、ビタミンK類、ナイアシン類、葉酸、ビオチン、リコペン等が挙げられる。これらのビタミン類は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのビタミン類の中でも、好ましくはビタミンA類、ビタミンB5類及びビタミンC類、更に好ましくはビタミンA類及びビタミンB5類、より好ましくはビタミンB5類、特に好ましくはパンテノールが挙げられる。
【0035】
本発明の外用組成物において、ビタミン類を含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%が挙げられる。
【0036】
その他の成分
更に、本発明の外用組成物は、所望の製剤形態にするために、必要に応じて、前述する成分以外の基材や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8−シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D−ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の含有量は、製剤形態等に応じて適宜設定することができる。
【0037】
更に、本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質以外の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
【0038】
製剤形態・使用態様
本発明の外用組成物は、γ−オリザノールが可溶化又は乳化した状態に製剤化されていることが望ましい。γ−オリザノールを乳化させる場合、水中油型又は油中水型のいずれの乳化タイプであってもよいが、好ましくは水中油型が挙げられる。
【0039】
本発明の外用組成物は、経皮適用される製剤(外用医薬品、化粧料等)として使用され、とりわけ外用医薬品として好適に使用される。
【0040】
本発明の外用組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、水溶性軟膏剤、油脂性軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤、クリーム剤が挙げられる。
【0041】
これらの製剤形態への調製は、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いてγ−オリザノールを可溶化又は乳化させて製剤化することにより行うことができる。例えば、クリーム剤の場合であれば、γ−オリザノール、油性基剤、界面活性剤、及び必要に応じて添加される他の油性成分を含む油相と、ヘパリン類似物質、水、及び必要に応じて添加される他の水溶性成分を含む水相とを調製し、これらを混合して乳化処理することにより製造される。
【0042】
発明の外用組成物は、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質の作用によって、皮膚水分量の保持、及び皮膚バリア機能の付与が可能になるので、乾燥肌の予防又は改善に使用することができる。更に、発明の外用組成物は、乾燥肌が悪化した状態の疾患、又は乾燥肌によって引き起こされ得る皮膚疾患の予防又は治療に使用することもできる。このような皮膚疾患としては、例えば、乾燥性皮膚疾患(例えば、皮脂欠乏症、皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎、進行性指掌角皮症、足蹠角皮症、小児乾燥性湿疹等)、毛孔性苔癬、乾皮症、皮膚掻痒症、魚鱗癬、さめ肌、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手指のあれ、手足のひび・あかぎれ、小児乾燥性皮膚等が挙げられる。
【0043】
2.γ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態の安定化方法
本発明は、γ−オリザノールを含む外用組成物においてγ−オリザノールを安定化する方法であって、外用組成物中でγ−オリザノールとヘパリン類似物質を共存させることを特徴とする、γ−オリザノールの安定化方法を提供する。
【0044】
当該安定化方法において、γ−オリザノール、ヘパリン類似物質、これらの含有量、これらの比率、配合される他の成分の種類や含有量、外用組成物の製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
試験例1:液剤におけるγ−オリザノールの安定性の評価
1.液剤の調製
表1に示す組成の液剤を調製した。具体的には、先ず、ヘパリン類似物質、パンテノール、及び水を混合溶解させたA相を準備した。また、別途、セバシン酸ジエチルにγ−オリザノールを溶解させ、更に、予め60℃に加温、溶解させたポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油を加えて撹拌し、均一に混和させたB相を準備した。次いで、A相及びB相を80℃に加温して混合し、均一に撹拌した後に、室温まで冷却することにより液剤を調製した。得られた液剤は、いずれもγ−オリザノールが可溶化されている状態であった。
【0047】
2.γ−オリザノールの安定性の評価
得られた各液剤20gをバイアル瓶(内径30mm、高さ65mm)に充填し、蓋をして、50℃で35日間保管した。保管後の各液剤をよく混合した後に、医薬部外品原料規格2006に準じた紫外可視吸光度測定法により、液剤中のγ−オリザノール濃度を測定した。測定されたγ−オリザノール濃度に基づいて、以下の判定基準に従って、γ−オリザノールの安定性を評価した。
<γ−オリザノールの安定性の判定基準>
○:保管前に比べて、γ−オリザノール濃度が減少していない。
△:保管前のγ−オリザノール濃度を100%とした場合に、保管後のγ−オリザノール濃度が0%超3%以下減少している。
×:保管前のγ−オリザノール濃度を100%とした場合に、保管後のγ−オリザノール濃度が3%超減少している。
【0048】
得られた結果を表1に示す。この結果、γ−オリザノール単独の場合(比較例1)では、保管後にγ−オリザノールの含有量の低下が認められたが、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含む場合(実施例1及び2)では、γ−オリザノールが安定に保持され、含有量の低下を抑制できていた。
【0049】
【表1】
【0050】
試験例2:乳化組成物におけるγ−オリザノールの安定性の評価
表2に示す組成の乳化組成物(水中油型のクリーム剤)を調製した。具体的には、表2に示す水相の各成分を混合して80℃に加温し、均一に撹拌することにより、水相を調製した。また、別途、表2に示す油相の各成分を80℃に加温し、均一に撹拌することにより、油相を調製した。なお、油層の調製において、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル及びポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテルについては、予め80℃に加温して溶解させて、他の成分との混合を行った。次いで、得られた水相と油相を80℃に加温した状態で混合して乳化処理を行い、冷却することにより、乳化組成物水中油型のクリーム剤)を得た。
【0051】
得られた結果を表2に示す。この結果、前記試験例1に示す液剤の場合と同様、乳化組成物でも、γ−オリザノール単独の場合(比較例2)では、保管後にγ−オリザノールの含有量の低下が認められたが、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含む場合(実施例3〜7)では、γ−オリザノールが安定に保持され、含有量の低下を抑制できていた。
【0052】
【表2】
【0053】
製剤例
表3に示す組成の水中油型のクリーム剤、表4に示す組成の油中水型のクリーム剤、表5に示す組成の水中油型の乳液剤、表6に示す組成のゲル剤を調製した。これらの外用組成物は、いずれもγ−オリザノールの安定性に優れており、γ−オリザノールの経時的な含有量の低下を抑制できていた。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】