(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源から出力されたレーザパルスまたは前記分岐部から出力された第1レーザパルスおよび第2レーザパルスを増幅する増幅器を更に備える請求項4に記載のレーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
図1は、レーザ装置1の構成を示す図である。レーザ装置1は、光源11、分岐部12、増幅器13、増幅器14および共振器18を備える。光源11は、レーザパルスを繰り返し出力する。光源11は例えばQスイッチレーザ発振器やモード同期レーザ発振器である。分岐部12は、光源11から出力されたレーザパルスを分岐して第1レーザパルスP1および第2レーザパルスP2を出力する。分岐部12は例えばビームスプリッタである。また、光源11から増幅器13,14へ光ファイバによりレーザパルスを導光する場合には、分岐部12は好適には光ファイバカプラである。
【0022】
増幅器13は、分岐部12から出力された第1レーザパルスP1を増幅する。増幅器14は、分岐部12から出力された第2レーザパルスP2を増幅する。増幅器13,14は例えば光ファイバ増幅器や固体レーザ増幅器である。なお、増幅器が光源11と分岐部12との間の光路上に設けられてもよく、この場合には、光源11から出力されたレーザパルスを増幅器により増幅して、その増幅後のレーザパルスを分岐部12により分岐する。また、増幅器は設けられなくてもよい。
【0023】
共振器18は、増幅器13により増幅されてミラー15,16により反射されて到達した第1レーザパルスP1を入力するとともに、増幅器14により増幅されてミラー17により反射されて到達した第2レーザパルスP2を入力する。共振器18は、複数のレーザパルスを積算してエネルギを増強することができるエンハンスメント共振器である。以下では、共振器18の実施形態について、
図2および
図3を用いて説明する。
【0024】
図2は、第1実施形態の共振器100の構成を示す図である。この共振器100は、
図1に示されたレーザ装置1の共振器18として用いられる。
【0025】
共振器100は、光路結合ミラー101、ミラー103、ミラー104、パーシャルミラー109、第1ミラー111、第1入力結合ミラー112、第2ミラー121、第2入力結合ミラー122、ミラー123、検出器131、制御部132、ピエゾアクチュエータ133、検出器141、制御部142、ピエゾアクチュエータ143、検出器151、制御部152およびピエゾアクチュエータ153を備える。
【0026】
共振器100は、光路結合ミラー101とミラー104との間の共通光路L0、光路結合ミラー101と第1ミラー111との間の第1光路L1、光路結合ミラー101と第2ミラー121との間の第2光路L2、および、光路結合ミラー101から外部へ光を出力する際の外部光路L3を有する。
【0027】
光路結合ミラー101は、第1光路L1および第2光路L2と共通光路L0および外部光路L3との間で光を結合することができる。ミラー103は、光路結合ミラー101とミラー104との間の共通光路L0の途中に設けられている。ミラー103およびミラー104それぞれの反射面は凹面であるのが好適である。パーシャルミラー109は、外部光路L3の途中に設けられている。
【0028】
第1入力結合ミラー112は、光路結合ミラー101と第1ミラー111との間の第1光路L1の途中に設けられている。第1入力結合ミラー112は、外部から到達した第1レーザパルスP1を第1光路L1に沿って伝搬させて光路結合ミラー101に入射させることができる。
【0029】
第2入力結合ミラー122およびミラー123は、光路結合ミラー101と第2ミラー121との間の第2光路L2の途中に設けられている。第2入力結合ミラー122は、外部から到達した第2レーザパルスP2を第2光路L2に沿って伝搬させてミラー123を経て光路結合ミラー101に入射させることができる。
【0030】
光路結合ミラー101の反射率は略50%である。パーシャルミラー109の反射率は例えば1%以下である。第1入力結合ミラー112および第2入力結合ミラー122それぞれの反射率は例えば99.99%である。その他のミラーの反射率は99.99%超である。
【0031】
検出器131は、外部から第1レーザパルスP1が第1入力結合ミラー112に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部132は、検出器131により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ133を駆動し、ピエゾアクチュエータ133により第1ミラー111の位置を調整することで、第1光路L1の光路長を調整する。
【0032】
検出器141は、外部から第2レーザパルスP2が第2入力結合ミラー122に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部142は、検出器141により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ143を駆動し、ピエゾアクチュエータ143により第2ミラー121の位置を調整することで、第2光路L2の光路長を調整する。
【0033】
検出器151は、光路結合ミラー101から外部光路L3へ出力された光のうちパーシャルミラー109で反射された光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部152は、検出器151により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ153を駆動し、ピエゾアクチュエータ153によりミラー123の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整する。これにより、制御部152は、光路結合ミラー101における光の結合の状態を変化させて、光路結合ミラー101から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を変化させることができる。
【0034】
次に、第1入力結合ミラー112および第2入力結合ミラー122におけるレーザパルス入力動作について説明する。第1入力結合ミラー112および第2入力結合ミラー122それぞれの反射率をRとする。
【0035】
増幅器13から出力された第1レーザパルスP1が最初に第1入力結合ミラー112に入射されると、第1入力結合ミラー112の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器100内部の第1光路L1に沿って光路結合ミラー101へ伝搬するとともに、第1入力結合ミラー112の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器131により検出される。
【0036】
増幅器14から出力された第2レーザパルスP2が最初に第2入力結合ミラー122に入射されると、第2入力結合ミラー122の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器100内部の第2光路L2に沿って光路結合ミラー101へ伝搬するとともに、第2入力結合ミラー122の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器141により検出される。
【0037】
第1入力結合ミラー112から共振器100内に第1光路L1に沿って導入されたレーザパルスは光路結合ミラー101に入射される。第2入力結合ミラー122から共振器100内に第2光路L2に沿って導入されたレーザパルスも光路結合ミラー101に入射される。これらのレーザパルスのうち光路結合ミラー101において共通光路L0に結合されたものは、共通光路L0に沿ってミラー103を経てミラー104で反射される。ミラー104で反射されたレーザパルスは、共通光路L0に沿ってミラー103を経て光路結合ミラー101に入射される。
【0038】
共通光路L0に沿って光路結合ミラー101に入射されたレーザパルスは、光路結合ミラー101により2分岐されて、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って出射される。光路結合ミラー101から第1光路L1に沿って出射されたレーザパルスは、第1入力結合ミラー112を経て第1ミラー111で反射され、再び第1入力結合ミラー112を経て光路結合ミラー101に入射される。光路結合ミラー101から第2光路L2に沿って出射されたレーザパルスは、ミラー123および第2入力結合ミラー122を経て第2ミラー121で反射され、再び第2入力結合ミラー122およびミラー123を経て光路結合ミラー101に入射される。
【0039】
その後も増幅器13から出力された第1レーザパルスP1が第1入力結合ミラー112に逐次に入射される。外部から第1入力結合ミラー112に入射される第1レーザパルスP1のうち第1入力結合ミラー112を透過したものと、第1ミラー111から第1入力結合ミラー112に入射されて反射されたレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共振器100内で効率よく積算されていく。外部から第1入力結合ミラー112に入射された第1レーザパルスP1と、第1ミラー111から第1入力結合ミラー112に入射されたレーザパルスとの間で、相対強度比が(1−R):Rとなる迄、共振器100内においてレーザパルスが積算される。このとき、検出器131により検出される反射光強度は小さくなる。
【0040】
そこで、制御部132は、検出器131により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ133を駆動し、ピエゾアクチュエータ133により第1ミラー111の位置を調整することで第1光路L1の光路長を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0041】
第2入力結合ミラー122におけるレーザパルス入力動作についても同様である。制御部142は、検出器141により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ143を駆動し、ピエゾアクチュエータ143により第2ミラー121の位置を調整することで第2光路L2の光路長を調整して、外部から第2入力結合ミラー122に入射される第2レーザパルスP2のうち第2入力結合ミラー122を透過したものと、第2ミラー121から第2入力結合ミラー122に入射されて反射されたレーザパルスとの間の相対位相差を0にする。
【0042】
次に、光路結合ミラー101における光結合動作について説明する。第1光路L1に沿って光路結合ミラー101に入射して光路結合ミラー101で反射されるレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー101に入射して光路結合ミラー101を透過するレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共通光路L0に沿って効率よく出射される。そこで、制御部152は、共振器100内にレーザパルスを積算していく期間では、検出器151により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ153を駆動し、ピエゾアクチュエータ153によりミラー123の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0043】
また、第1光路L1に沿って光路結合ミラー101に入射して光路結合ミラー101を透過するレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー101に入射して光路結合ミラー101で反射されるレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは外部光路L3に沿って効率よく出射される。そこで、制御部152は、共振器100内からレーザパルスを外部光路L3に沿って外部へ出力させる期間では、検出器151により検出される反射光強度が最大となるようにピエゾアクチュエータ153を駆動し、ピエゾアクチュエータ153によりミラー123の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0044】
制御部152は、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を第1の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー101に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー101から共通光路L0および外部光路L3のうち主として共通光路L0に沿って伝搬させることができる。制御部152は、光路長差を上記第1の値と異なる第2の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー101に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー101から共通光路L0および外部光路L3のうち主として外部光路L3に沿って伝搬させて外部へ出射させることができる。
【0045】
本実施形態では、制御部152は、任意のタイミングで相対位相差を様々な値に設定することができ、光路結合ミラー101における光の結合の状態を様々に変化させることができる。制御部152は、光路結合ミラー101から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を様々に変化させることができるので、共振器100内から外部光路L3へ出力するレーザパルスの割合を調整することができる。また、制御部152は、共振器100内から外部光路L3へ連続して複数のレーザパルスを出力することができ、その場合に、各パルスレーザの強度を調整することができ、また、パルス数を調整することもできる。このように、本実施形態では、レーザパルス出力の自由度が高い。
【0046】
図3は、第2実施形態の共振器200の構成を示す図である。この共振器200も、
図1に示されたレーザ装置1の共振器18として用いられる。
【0047】
共振器200は、光路結合ミラー201、光路分岐ミラー202、ミラー203、ミラー204、パーシャルミラー209、ミラー211、第1入力結合ミラー212、ミラー213、ミラー221、第2入力結合ミラー222、ミラー223、検出器231、制御部232、ピエゾアクチュエータ233、検出器241、制御部242、ピエゾアクチュエータ243、検出器251、制御部252およびピエゾアクチュエータ253を備える。
【0048】
共振器200は、共通光路L0、第1光路L1、第2光路L2および外部光路L3を有する。共通光路L0は、光路結合ミラー201からミラー203およびミラー204を経て光路分岐ミラー202へ至る迄の光路である。第1光路L1は、光路分岐ミラー202からミラー211,第1入力結合ミラー212およびミラー213を経て光路結合ミラー201に至る迄の光路である。第2光路L2は、光路分岐ミラー202からミラー221,第2入力結合ミラー222およびミラー223を経て光路結合ミラー201に至る迄の光路である。外部光路L3は、光路結合ミラー201から外部へ光を出力する際の光路である。
【0049】
光路結合ミラー201は、第1光路L1および第2光路L2と共通光路L0および外部光路L3との間で光を結合することができる。ミラー203およびミラー204は、光路結合ミラー201から光路分岐ミラー202に至る迄での共通光路L0の途中に設けられている。ミラー203およびミラー204それぞれの反射面は凹面であるのが好適である。パーシャルミラー209は、外部光路L3の途中に設けられている。
【0050】
第1入力結合ミラー212は、光路分岐ミラー202から光路結合ミラー201に至る迄の第1光路L1の途中に設けられている。第1入力結合ミラー212は、外部から到達した第1レーザパルスP1を第1光路L1に沿って伝搬させて光路結合ミラー201に入射させることができる。
【0051】
第2入力結合ミラー222およびミラー223は、光路分岐ミラー202から光路結合ミラー201に至る迄の第2光路L2の途中に設けられている。第2入力結合ミラー222は、外部から到達した第2レーザパルスP2を第2光路L2に沿って伝搬させてミラー223を経て光路結合ミラー201に入射させることができる。
【0052】
光路結合ミラー201および光路分岐ミラー202それぞれの反射率は略50%である。パーシャルミラー209の反射率は例えば1%以下である。第1入力結合ミラー212および第2入力結合ミラー222それぞれの反射率は例えば99.99%である。その他のミラーの反射率は99.99%超である。
【0053】
検出器231は、外部から第1レーザパルスP1が第1入力結合ミラー212に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部232は、検出器231により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ233を駆動し、ピエゾアクチュエータ233によりミラー211の位置を調整することで、第1光路L1の光路長を調整する。
【0054】
検出器241は、外部から第2レーザパルスP2が第2入力結合ミラー222に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部242は、検出器241により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ243を駆動し、ピエゾアクチュエータ243によりミラー221の位置を調整することで、第2光路L2の光路長を調整する。
【0055】
検出器251は、光路結合ミラー201から外部光路L3へ出力された光のうちパーシャルミラー209で反射された光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部252は、検出器251により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ253を駆動し、ピエゾアクチュエータ253によりミラー223の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整する。これにより、制御部252は、光路結合ミラー201における光の結合の状態を変化させて、光路結合ミラー201から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を変化させることができる。
【0056】
次に、第1入力結合ミラー212および第2入力結合ミラー222におけるレーザパルス入力動作について説明する。第1入力結合ミラー212および第2入力結合ミラー222それぞれの反射率をRとする。
【0057】
増幅器13から出力された第1レーザパルスP1が最初に第1入力結合ミラー212に入射されると、第1入力結合ミラー212の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器200内部の第1光路L1に沿って光路結合ミラー201へ伝搬するとともに、第1入力結合ミラー212の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器231により検出される。
【0058】
増幅器14から出力された第2レーザパルスP2が最初に第2入力結合ミラー222に入射されると、第2入力結合ミラー222の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器200内部の第2光路L2に沿って光路結合ミラー201へ伝搬するとともに、第2入力結合ミラー222の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器241により検出される。
【0059】
第1入力結合ミラー212から共振器200内に第1光路L1に沿って導入されたレーザパルスは光路結合ミラー201に入射される。第2入力結合ミラー222から共振器200内に第2光路L2に沿って導入されたレーザパルスも光路結合ミラー201に入射される。これらのレーザパルスのうち光路結合ミラー201において共通光路L0に結合されたものは、共通光路L0に沿ってミラー203およびミラー204を経て光路分岐ミラー202に入射される。
【0060】
共通光路L0に沿って光路分岐ミラー202に入射されたレーザパルスは、光路分岐ミラー202により2分岐されて、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って出射される。光路分岐ミラー202から第1光路L1に沿って出射されたレーザパルスは、ミラー211、第1入力結合ミラー212およびミラー213を経て光路結合ミラー201に入射される。光路分岐ミラー202から第2光路L2に沿って出射されたレーザパルスは、ミラー221、第2入力結合ミラー222およびミラー223を経て光路結合ミラー201に入射される。
【0061】
その後も増幅器13から出力された第1レーザパルスP1が第1入力結合ミラー212に逐次に入射される。外部から第1入力結合ミラー212に入射される第1レーザパルスP1のうち第1入力結合ミラー212を透過したものと、ミラー211から第1入力結合ミラー212に入射されて反射されたレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共振器200内で効率よく積算されていく。外部から第1入力結合ミラー212に入射された第1レーザパルスP1と、ミラー211から第1入力結合ミラー212に入射されたレーザパルスとの間で、相対強度比が(1−R):Rとなる迄、共振器200内においてレーザパルスが積算される。このとき、検出器231により検出される反射光強度は小さくなる。
【0062】
そこで、制御部232は、検出器231により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ233を駆動し、ピエゾアクチュエータ233によりミラー211の位置を調整することで第1光路L1の光路長を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0063】
第2入力結合ミラー222におけるレーザパルス入力動作についても同様である。制御部242は、検出器241により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ243を駆動し、ピエゾアクチュエータ243によりミラー221の位置を調整することで第2光路L2の光路長を調整して、外部から第2入力結合ミラー222に入射される第2レーザパルスP2のうち第2入力結合ミラー222を透過したものと、ミラー221から第2入力結合ミラー222に入射されて反射されたレーザパルスとの間の相対位相差を0にする。
【0064】
次に、光路結合ミラー201における光結合動作について説明する。第1光路L1に沿って光路結合ミラー201に入射して光路結合ミラー201を透過するレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー201に入射して光路結合ミラー201で反射されるレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共通光路L0に沿って効率よく出射される。そこで、制御部252は、共振器200内にレーザパルスを積算していく期間では、検出器251により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ253を駆動し、ピエゾアクチュエータ253によりミラー223の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0065】
また、第1光路L1に沿って光路結合ミラー201に入射して光路結合ミラー201で反射されるレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー201に入射して光路結合ミラー201を透過するレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは外部光路L3に沿って効率よく出射される。そこで、制御部252は、共振器200内からレーザパルスを外部光路L3に沿って外部へ出力させる期間では、検出器251により検出される反射光強度が最大となるようにピエゾアクチュエータ253を駆動し、ピエゾアクチュエータ253によりミラー223の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0066】
制御部252は、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を第1の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー201に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー201から共通光路L0および外部光路L3のうち主として共通光路L0に沿って伝搬させることができる。制御部252は、光路長差を上記第1の値と異なる第2の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー201に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー201から共通光路L0および外部光路L3のうち主として外部光路L3に沿って伝搬させて外部へ出射させることができる。
【0067】
本実施形態でも、制御部252は、任意のタイミングで相対位相差を様々な値に設定することができ、光路結合ミラー201における光の結合の状態を様々に変化させることができる。制御部252は、光路結合ミラー201から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を様々に変化させることができるので、共振器200内から外部光路L3へ出力するレーザパルスの割合を調整することができる。また、制御部252は、共振器200内から外部光路L3へ連続して複数のレーザパルスを出力することができ、その場合に、各パルスレーザの強度を調整することができ、また、パルス数を調整することもできる。このように、本実施形態でも、レーザパルス出力の自由度が高い。
【0068】
以上までに
図1〜
図3を用いて説明した実施形態では共振器18(100,200)に2つのレーザパルスP1、P2を繰り返し入力する構成であったが、以下に
図4〜
図6を用いて説明するように共振器に1つのレーザパルスを入力する構成としてもよい。
【0069】
図4は、レーザ装置2の構成を示す図である。レーザ装置2は、光源21、増幅器23および共振器28を備える。光源21は、レーザパルスP0を繰り返し出力する。光源21は例えばQスイッチレーザ発振器やモード同期レーザ発振器である。増幅器23は、光源21から出力されたレーザパルスP0を増幅する。増幅器23は例えば光ファイバ増幅器や固体レーザ増幅器である。共振器28は、増幅器23により増幅されたレーザパルスP0を入力する。共振器28は、複数のレーザパルスを積算してエネルギを増強することができるエンハンスメント共振器である。以下では、共振器28の実施形態について、
図5および
図6を用いて説明する。
【0070】
図5は、第3実施形態の共振器300の構成を示す図である。この共振器300は、
図4に示されたレーザ装置2の共振器28として用いられる。
【0071】
共振器300は、光路結合ミラー301、ミラー303、ミラー304、入力結合ミラー305、ミラー306、パーシャルミラー309、第1ミラー311、第2ミラー321、検出器331、制御部332、ピエゾアクチュエータ333、検出器351、制御部352およびピエゾアクチュエータ353を備える。
【0072】
共振器300は、光路結合ミラー301とミラー306との間の共通光路L0、光路結合ミラー301と第1ミラー311との間の第1光路L1、光路結合ミラー301と第2ミラー321との間の第2光路L2、および、光路結合ミラー301から外部へ光を出力する際の外部光路L3を有する。
【0073】
光路結合ミラー301は、第1光路L1および第2光路L2と共通光路L0および外部光路L3との間で光を結合することができる。ミラー303、ミラー304および入力結合ミラー305は、光路結合ミラー301とミラー306との間の共通光路L0の途中に設けられている。入力結合ミラー305は、外部から到達したレーザパルスP0を共通光路L0に沿って伝搬させてミラー304およびミラー303を経て光路結合ミラー301に入射させることができる。ミラー303およびミラー304それぞれの反射面は凹面であるのが好適である。パーシャルミラー309は、外部光路L3の途中に設けられている。
【0074】
光路結合ミラー301の反射率は略50%である。パーシャルミラー309の反射率は例えば1%以下である。入力結合ミラー305の反射率は例えば99.99%である。その他のミラーの反射率は99.99%超である。
【0075】
検出器331は、外部からレーザパルスP0が入力結合ミラー305に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部332は、検出器331により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ333を駆動し、ピエゾアクチュエータ333によりミラー306の位置を調整することで、共通光路L0の光路長を調整する。
【0076】
検出器351は、光路結合ミラー301から外部光路L3へ出力された光のうちパーシャルミラー309で反射された光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部352は、検出器351により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ353を駆動し、ピエゾアクチュエータ353により第2ミラー321の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整する。これにより、制御部352は、光路結合ミラー301における光の結合の状態を変化させて、光路結合ミラー301から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を変化させることができる。
【0077】
次に、入力結合ミラー305におけるレーザパルス入力動作について説明する。入力結合ミラー305の反射率をRとする。
【0078】
増幅器23から出力されたレーザパルスP0が最初に入力結合ミラー305に入射されると、入力結合ミラー305の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器300内部の共通光路L0に沿って光路結合ミラー301へ伝搬するとともに、入力結合ミラー305の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器331により検出される。
【0079】
入力結合ミラー305から共振器300内に共通光路L0に沿って導入されたレーザパルスは光路結合ミラー301に入射される。共通光路L0に沿って光路結合ミラー301に入射されたレーザパルスは、光路結合ミラー301により2分岐されて、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って出射される。光路結合ミラー301から第1光路L1に沿って出射されたレーザパルスは、第1ミラー311で反射されて再び光路結合ミラー301に入射される。光路結合ミラー301から第2光路L2に沿って出射されたレーザパルスは、第2ミラー321で反射されて再び光路結合ミラー301に入射される。
【0080】
第1ミラー311から第1光路L1に沿って光路結合ミラー301に入射されたレーザパルス、および、第2ミラー321から第2光路L2に沿って光路結合ミラー301に入射されたレーザパルスのうち、光路結合ミラー301において共通光路L0に結合されたものは、共通光路L0に沿って伝搬しミラー306で反射される。その反射されたレーザパルスは、共通光路L0に沿って伝搬して光路結合ミラー301に入射される。
【0081】
その後も増幅器23から出力されたレーザパルスP0が入力結合ミラー305に逐次に入射される。外部から入力結合ミラー305に入射されるレーザパルスP0のうち入力結合ミラー305を透過したものと、ミラー306から入力結合ミラー305に入射されて反射されたレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共振器300内で効率よく積算されていく。外部から入力結合ミラー305に入射されたレーザパルスP0と、ミラー306から入力結合ミラー305に入射されたレーザパルスとの間で、相対強度比が(1−R):Rとなる迄、共振器300内においてレーザパルスが積算される。このとき、検出器331により検出される反射光強度は小さくなる。
【0082】
そこで、制御部332は、検出器331により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ333を駆動し、ピエゾアクチュエータ333によりミラー306の位置を調整することで共通光路L0の光路長を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0083】
次に、光路結合ミラー301における光結合動作について説明する。第1光路L1に沿って光路結合ミラー301に入射して光路結合ミラー301で反射されるレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー301に入射して光路結合ミラー301を透過するレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共通光路L0に沿って効率よく出射される。そこで、制御部352は、共振器300内にレーザパルスを積算していく期間では、検出器351により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ353を駆動し、ピエゾアクチュエータ353により第2ミラー321の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0084】
また、第1光路L1に沿って光路結合ミラー301に入射して光路結合ミラー301を透過するレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー301に入射して光路結合ミラー301で反射されるレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは外部光路L3に沿って効率よく出射される。そこで、制御部352は、共振器300内からレーザパルスを外部光路L3に沿って外部へ出力させる期間では、検出器351により検出される反射光強度が最大となるようにピエゾアクチュエータ353を駆動し、ピエゾアクチュエータ353により第2ミラー321の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0085】
制御部352は、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を第1の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー301に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー301から共通光路L0および外部光路L3のうち主として共通光路L0に沿って伝搬させることができる。制御部352は、光路長差を上記第1の値と異なる第2の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー301に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー301から共通光路L0および外部光路L3のうち主として外部光路L3に沿って伝搬させて外部へ出射させることができる。
【0086】
本実施形態でも、制御部352は、任意のタイミングで相対位相差を様々な値に設定することができ、光路結合ミラー301における光の結合の状態を様々に変化させることができる。制御部352は、光路結合ミラー301から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を様々に変化させることができるので、共振器300内から外部光路L3へ出力するレーザパルスの割合を調整することができる。また、制御部352は、共振器300内から外部光路L3へ連続して複数のレーザパルスを出力することができ、その場合に、各パルスレーザの強度を調整することができ、また、パルス数を調整することもできる。このように、本実施形態でも、レーザパルス出力の自由度が高い。
【0087】
図6は、第4実施形態の共振器400の構成を示す図である。この共振器400は、
図4に示されたレーザ装置2の共振器28として用いられる。
【0088】
共振器400は、光路結合ミラー401、光路分岐ミラー402、ミラー403、ミラー404、入力結合ミラー405、ミラー406、パーシャルミラー409、ミラー411、ミラー421、検出器431、制御部432、ピエゾアクチュエータ433、検出器451、制御部452およびピエゾアクチュエータ453を備える。
【0089】
共振器400は、共通光路L0、第1光路L1、第2光路L2および外部光路L3を有する。共通光路L0は、光路結合ミラー401からミラー403、ミラー404、入力結合ミラー405およびミラー406を経て光路分岐ミラー402へ至る迄の光路である。第1光路L1は、光路分岐ミラー402からミラー411を経て光路結合ミラー401に至る迄の光路である。第2光路L2は、光路分岐ミラー402からミラー421を経て光路結合ミラー401に至る迄の光路である。外部光路L3は、光路結合ミラー401から外部へ光を出力する際の光路である。
【0090】
光路結合ミラー401は、第1光路L1および第2光路L2と共通光路L0および外部光路L3との間で光を結合することができる。ミラー403、ミラー404、入力結合ミラー405およびミラー406は、光路結合ミラー401から光路分岐ミラー402に至る迄での共通光路L0の途中に設けられている。入力結合ミラー405は、外部から到達したレーザパルスP0を共通光路L0に沿って伝搬させてミラー406を経て光路分岐ミラー402に入射させることができる。ミラー403およびミラー406それぞれの反射面は凹面であるのが好適である。パーシャルミラー409は、外部光路L3の途中に設けられている。
【0091】
光路結合ミラー401および光路分岐ミラー402それぞれの反射率は略50%である。パーシャルミラー409の反射率は例えば1%以下である。入力結合ミラー405の反射率は例えば99.99%である。その他のミラーの反射率は99.99%超である。
【0092】
検出器431は、外部からレーザパルスP0が入力結合ミラー405に入射したときに生じる反射光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部432は、検出器431により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ433を駆動し、ピエゾアクチュエータ433によりミラー404の位置を調整することで、共通光路L0の光路長を調整する。
【0093】
検出器451は、光路結合ミラー401から外部光路L3へ出力された光のうちパーシャルミラー409で反射された光を受光し、その反射光の強度を検出する。制御部452は、検出器451により検出された反射光強度に基づいてピエゾアクチュエータ453を駆動し、ピエゾアクチュエータ453によりミラー421の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整する。これにより、制御部452は、光路結合ミラー401における光の結合の状態を変化させて、光路結合ミラー401から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を変化させることができる。
【0094】
次に、入力結合ミラー405におけるレーザパルス入力動作について説明する。入力結合ミラー405の反射率をRとする。
【0095】
増幅器23から出力されたレーザパルスP0が最初に入力結合ミラー405に入射されると、入力結合ミラー405の透過率(1−R)に応じた強度のレーザパルスが共振器400内部の共通光路L0に沿って光路分岐ミラー402へ伝搬するとともに、入力結合ミラー405の反射率Rに応じた強度の反射光が生じる。その反射光の強度は検出器431により検出される。
【0096】
入力結合ミラー405から共振器400内に共通光路L0に沿って導入されたレーザパルスは光路分岐ミラー402に入射される。共通光路L0に沿って光路分岐ミラー402に入射されたレーザパルスは、光路分岐ミラー402により2分岐されて、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って出射される。光路分岐ミラー402から第1光路L1に沿って出射されたレーザパルスは、ミラー411を経て光路結合ミラー401に入射される。光路分岐ミラー402から第2光路L2に沿って出射されたレーザパルスは、ミラー421を経て光路結合ミラー401に入射される。
【0097】
ミラー411から第1光路L1に沿って光路結合ミラー401に入射されたレーザパルス、および、ミラー421から第2光路L2に沿って光路結合ミラー401に入射されたレーザパルスのうち、光路結合ミラー401において共通光路L0に結合されたものは、共通光路L0に沿って伝搬し光路分岐ミラー402に入射される。
【0098】
その後も増幅器23から出力されたレーザパルスP0が入力結合ミラー405に逐次に入射される。外部から入力結合ミラー405に入射されるレーザパルスP0のうち入力結合ミラー405を透過したものと、ミラー404から入力結合ミラー405に入射されて反射されたレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共振器400内で効率よく積算されていく。外部から入力結合ミラー405に入射されたレーザパルスP0と、ミラー404から入力結合ミラー405に入射されたレーザパルスとの間で、相対強度比が(1−R):Rとなる迄、共振器400内においてレーザパルスが積算される。このとき、検出器431により検出される反射光強度は小さくなる。
【0099】
そこで、制御部432は、検出器431により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ433を駆動し、ピエゾアクチュエータ433によりミラー404の位置を調整することで共通光路L0の光路長を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0100】
次に、光路結合ミラー401における光結合動作について説明する。第1光路L1に沿って光路結合ミラー401に入射して光路結合ミラー401を透過するレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー401に入射して光路結合ミラー401で反射されるレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは共通光路L0に沿って効率よく出射される。そこで、制御部452は、共振器400内にレーザパルスを積算していく期間では、検出器451により検出される反射光強度が最小となるようにピエゾアクチュエータ453を駆動し、ピエゾアクチュエータ453によりミラー421の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0101】
また、第1光路L1に沿って光路結合ミラー401に入射して光路結合ミラー401で反射されるレーザパルスと、第2光路L2に沿って光路結合ミラー401に入射して光路結合ミラー401を透過するレーザパルスとの間で、相対位相差が0であれば、これら2つのレーザパルスは外部光路L3に沿って効率よく出射される。そこで、制御部452は、共振器400内からレーザパルスを外部光路L3に沿って外部へ出力させる期間では、検出器451により検出される反射光強度が最大となるようにピエゾアクチュエータ453を駆動し、ピエゾアクチュエータ453によりミラー421の位置を調整することで、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を調整して、上記相対位相差を0にする。
【0102】
制御部452は、第1光路L1と第2光路L2との間の光路長差を第1の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー401に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー401から共通光路L0および外部光路L3のうち主として共通光路L0に沿って伝搬させることができる。制御部452は、光路長差を上記第1の値と異なる第2の値に設定することで、第1光路L1および第2光路L2それぞれに沿って伝搬して光路結合ミラー401に入射したレーザパルスを、光路結合ミラー401から共通光路L0および外部光路L3のうち主として外部光路L3に沿って伝搬させて外部へ出射させることができる。
【0103】
本実施形態でも、制御部452は、任意のタイミングで相対位相差を様々な値に設定することができ、光路結合ミラー401における光の結合の状態を様々に変化させることができる。制御部452は、光路結合ミラー401から共通光路L0および外部光路L3それぞれへのレーザパルスの出射比率を様々に変化させることができるので、共振器400内から外部光路L3へ出力するレーザパルスの割合を調整することができる。また、制御部452は、共振器400内から外部光路L3へ連続して複数のレーザパルスを出力することができ、その場合に、各パルスレーザの強度を調整することができ、また、パルス数を調整することもできる。このように、本実施形態でも、レーザパルス出力の自由度が高い。
【0104】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、共振器内の光学系は様々な態様とすることができる。ピエゾアクチュエータに替えて、圧電フィルムを用いてミラーの反射面の位置を変化させてもよい。