【文献】
“ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル”,「電撃ゲームアプリ Vol.10 マックピープル 2013年7月号増刊」,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年 6月14日,第10巻,pp.102-107
【文献】
“ルクちゃんのハートバルーン”,「マックピープル 2012.5」,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2012年 3月29日,第18巻,第7号,p.143
【文献】
“パズルゲーム「マジカルビート」のPS Vita版が12日にPS Storeで配信開始”,4gamer.net,日本,Aetas株式会社,2013年12月 5日,[2020年9月8日検索],URL,https://www.4gamer.net/games/085/G008540/20131205038/
【文献】
“音ゲー+落ちものゲー「0D Beat Drop」の配信が11月11日に開始”,4gamer.net,日本,Aetas株式会社,2009年11月 2日,[2020年9月8日検索],URL,https://www.4gamer.net/games/089/G008996/20091102019/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0017】
1.構成
図1は、本実施形態のネットワークシステム(ゲームシステム)を示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のネットワークシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0018】
サーバ20は、複数のユーザ(プレーヤ)間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であり、本実施形態ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるコミュニティ型のサービスを提供するサーバである。つまり、サーバ20は、ユーザの情報(ユーザ名、日記、掲示情報、ゲームフィールドの状況など)をログインしたユーザだけでなく、当該ユーザとフレンド関係にある他のユーザにも送信し、ユーザ間でコミュニケーションを図るようにしている。サーバ20は、会員登録を行ったユーザに限定してサービスを提供するようにしてもよい。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0019】
また、本実施形態のサーバ20は、端末10からの要求に応じて、オンラインゲームサービス(ソーシャルゲーム)を提供する。本実施形態では、端末10においてゲームプログラムが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム要素(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報、当該ゲームを構成するステージに関する情報等が管理される。
【0020】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0021】
図2に本実施形態のゲーム装置(端末10)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0022】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0023】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラ
ムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。また、記憶部170は、楽曲データに関する情報、プレーヤが保有する(プレーヤが使用可能な)キャラクタに関する情報(種類、各種パラメータ、属性、レア度等)、プレーヤが保有する複数のキャラクタのうちプレーヤによってデッキを構成するキャラクタとして設定された複数のキャラクタの設定情報、プレーヤが保有するアイテムに関する情報、ゲームを構成するステージに関する情報等の各種データを記憶する。
【0024】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはCRTなどのディスプレイにより実現できる。
【0025】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0026】
通信部196はサーバ20との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0027】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0028】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作入力)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、楽曲再生部110、表示制御部112、評価部114、スコア算出部116、オブジェクト制御部118、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0029】
楽曲再生部110は、記憶部170に記憶された楽曲データの再生を行う。
【0030】
表示制御部112は、それぞれに属性が設定された複数のオブジェクトを表示部190に表示させる制御を行う。表示制御部112は、前記オブジェクトの属性、属性ごとのオブジェクト及び配置位置の少なくとも1つを、ランダムに(抽選により)決定してもよいし、所定のルールに従って決定してもよい。
【0031】
また、表示制御部112は、プレーヤに操作入力のタイミング及び属性を指示する指示標識とを表示部に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部112は、楽曲再生部110によって再生される楽曲データに合わせて予め定められた指示標識ごとの基準タイミングで各指示標識が基準位置に位置するように移動させる表示制御を行う。表示制御部112は、各指示標識で指示される属性を識別可能な態様(色、形状等)で各指示標識を表示させる。また、表示制御部112は、プレーヤによってデッキを構成するキャラクタとして設定された複数のキャラクタを表示部190に表示させる制御を行ってもよい。
【0032】
評価部114は、入力部150への操作入力によって前記複数のオブジェクトのいずれかが選択された場合に、前記操作入力のタイミングを取得し、取得した入力タイミングと前記指示標識で指示されるタイミング(基準タイミング)とに基づいてプレーヤの操作を評価する処理を行う。
【0033】
スコア算出部116は、評価部114の評価結果と、入力部150への操作入力により選択されたオブジェクトの属性と前記指示標識で指示される属性とが一致するか否かと、前記操作入力により選択されたオブジェクトの属性と同一の属性が設定され互いに隣接するオブジェクト(選択されたオブジェクトを含む)の数とに基づいて、ゲームスコアを算出する。また、スコア算出部116は、前記複数のキャラクタ(デッキを構成する複数のキャラクタ)のパラメータを更に加味してゲームスコアを算出してもよい。
【0034】
オブジェクト制御部118は、入力部150への操作入力により選択されたオブジェクトの属性と同一の属性が設定され互いに隣接する複数のオブジェクト(選択されたオブジェクトを含む)を消去し、消去したオブジェクトと同数のオブジェクトを追加して表示させる制御を行う。オブジェクト制御部118は、追加して表示するオブジェクトの属性をランダムに決定してもよいし、所定のルールに従って決定してもよい。
【0035】
また、オブジェクト制御部118は、オブジェクトの消去によって生じる空領域に、消去したオブジェクトと同数のオブジェクトを追加して配置する制御(第1の制御)を行ってもよいし、オブジェクトの消去によって生じる空領域を、消去されたオブジェクトの所定方向に存在するオブジェクトを前記所定方向と逆方向にシフトさせることで詰め、当該シフトにより生じる空領域に、消去したオブジェクトと同数のオブジェクトを追加して配置する制御(第2の制御)を行ってもよい。また、オブジェクト制御部118は、評価部114の評価結果に基づいて、前記入力タイミングと前記指示標識で指示されるタイミングとのズレが所定値以内の場合に、前記第1の制御を行い、前記入力タイミングと前記指示標識で指示されるタイミングとのズレが所定値よりも大きい場合に、前記第2の制御を行ってもよい。
【0036】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像(複数のオブジェクト、指示標識、評価結果、ゲームスコア、複数のキャラクタ等を含むゲーム画像)を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0037】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0038】
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。また、処理部100は、デッキを構成するキャラクタの設定情報が変更された場合に、当該設定情報をサーバ20に送信してもよい。
【0039】
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステム(ゲームシステム)として構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成
するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。また、処理部100の各部の処理を、サーバと端末で分散して実行するようにゲームシステムを構成してもよい。
【0040】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0041】
本実施形態のゲームシステムは、プレーヤが楽曲に合わせて操作入力を行うゲーム(音楽ゲーム)を実行するように構成されている。
【0042】
図3は、本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である。ゲーム画面GIは、端末10の表示部190(タッチパネル)に表示され、プレーヤは、指先やタッチペン等をタッチパネルに接触させる操作(タッチ操作)を行うことで操作入力を行うことができる。
【0043】
図3に示すように、ゲーム画面GIの下半分領域(第1領域)には、パズルゲーム用の複数のオブジェクトOB(OB
1、OB
2、OB
3)が表示される。なお、オブジェクトOBを、ピース、ブロック或いはパネルと呼称してもよい。複数のオブジェクトOBは、格子状に配列して(
図3の例では、6行8列)表示される。各オブジェクトOBには、「ビジュアル」、「ダンス」、「ボーカル」のいずれかの属性が設定されており、「ビジュアル」属性のオブジェクトOB
1には円形マークが付され、「ダンス」属性のオブジェクトOB
2には三角形マークが付され、「ボーカル」属性のオブジェクトOB
3には星形マークが付されている。なお、各オブジェクトOBを、設定された属性を識別可能に色分けして表示してもよい。
【0044】
また、ゲーム画面GIの上半分領域(第2領域)には、プレーヤに操作入力のタイミングと属性(選択すべきオブジェクトOBの属性)とを指示する複数の指示標識DS(DS
1、DS
2、DS
3)が表示される。複数の指示標識DSは、出現位置ALで発生(出現)し、パスPT(移動経路)に沿って基準位置SLに向けて(図中矢印で示す方向に)一定速度で移動する。各指示標識DSは、再生中の楽曲データに合わせて予め定められた指示標識DSごとの基準タイミングで基準位置SLに到達するように移動する。指示標識DSのうち、円形の指示標識DS
1は、「ビジュアル」属性のオブジェクトOB
1を選択することを指示するものであり、三角形の指示標識DS
2は、「ダンス」属性のオブジェクトOB
2を選択することを指示するものであり、星形の指示標識DS
3は、「ボーカル」属性のオブジェクトOB
3を選択することを指示するものである。
【0045】
なお、出現位置ALでは、同一属性の指示標識DSが2つ同時に出現し、同時に出現した2つの指示標識DSは、左右のパスPTを移動して同時に基準位置SLに到達する。これにより、プレーヤがゲーム画面GIの右側を見ている場合でも左側を見ている場合でも、各指示標識DSで指示されるタイミングを把握させ易くすることができる。また、各指示標識DSが第2領域の周縁部を移動するように表示することで、各指示標識DSの移動距離(各指示標識DSが基準位置SLに到達するまでの時間)を長くすることができ、これにより、第2領域に多くの指示標識DSが表示されている場合であっても、各指示標識DSで指示されるタイミングを把握させ易くすることができる。
【0046】
なお、パスPTで囲まれた領域PA(キャラクタ表示領域)には、デッキを構成する複数のキャラクタが表示される。例えば、デッキを構成する複数のキャラクタが楽曲に合わせて順番に登場する演出画像をキャラクタ表示領域に表示してもよい。プレーヤは、音楽ゲームを行う際に、自身が所有する複数のキャラクタの中から、デッキを構成する複数のキャラクタを任意に選択することができる。
【0047】
プレーヤは、指示標識DSが基準位置SLに到達するタイミングに合わせて複数のオブジェクトOBのいずれかを選択するタッチ操作(タップ操作)を行うことで高評価を得ることができる。すなわち、指示標識DSが基準位置SLに達するタイミング(基準タイミング)とオブジェクトOBを選択するタッチ操作のタイミングのズレが小さいほど得られる評価値が高くなる。
【0048】
また、プレーヤは、指示標識DSで指示される属性と同一属性のオブジェクトOBを選択するタッチ操作を行うことで、指示標識DSで指示される属性と異なる属性のオブジェクトOBを選択する場合よりも高いゲームスコア(得点)を得ることができる。例えば、円形の(「ビジュアル」属性の)指示標識DS
1が基準位置SLに到達するタイミングに合わせて「ビジュアル」属性のオブジェクトOB
1を選択するタッチ操作を行うことで高いスコアを得ることができる。また、選択されたオブジェクトOBの属性と同一の属性が設定され、互いに隣接する(選択されたオブジェクトOBと連続して隣接する)オブジェクトOBの数が多いほど、得られるスコアは高くなる。
【0049】
また、デッキを構成する複数のキャラクタのパラメータ(例えば、能力値)が高いほど、得られるスコアは高くなる。デッキを構成する各キャラクタには、能力値として、3つの属性(「ビジュアル」、「ダンス」、「ボーカル」属性)に対応する3つの能力値が設定されている。プレーヤは、キャラクタを強化する(例えば、キャラクタを合成のベースとし他のキャラクタを素材として、当該キャラクタと当該他のキャラクタとを合成する)ことで当該キャラクタの能力値を増加させることができる。
【0050】
プレーヤがオブジェクトOBを選択するタッチ操作を行ったときの1操作当たりのゲームスコアの増加量ΔSは、例えば次式により算出される。
【0051】
ΔS=E×C
n×C
a×P (1)
ここで、Eは、オブジェクトOBを選択するタッチ操作のタイミング(入力タイミング)の評価値であり、入力タイミングと基準タイミングのズレが小さいほど高くなる値である。また、C
nは、選択されたオブジェクトOBの属性と同一の属性が設定され互いに隣接するオブジェクトOB(選択されたオブジェクトOBを含む)の数に応じて変動する係数であり、当該オブジェクトOBの数が多くなるほど大きくなる(例えば、当該オブジェクトOBの数が多くなるほど等比級数的に増大する)値である。また、C
aは、選択されたオブジェクトOBの属性と指示標識DSの属性とが一致しているか否かに応じて変動する係数であり、例えば、一致する場合には「10」となり、一致しない場合には「1」となる。また、Pは、デッキを構成する複数のキャラクタのパラメータの合計値であり、例えば、複数のキャラクタの能力値のうち指示標識DSで指示される属性に対応する能力値の合計値である。
【0052】
例えば、
図3においてプレーヤが、円形の指示標識DS
1に合わせてオブジェクトOB
11を選択するタッチ操作を行った場合には、選択されたオブジェクトOB
11と同一属性で互いに隣接するオブジェクトOBの数は「5」となり、これに応じて係数C
nが決定される。また、選択されたオブジェクトOB
11の属性と指示標識DS
1の属性は一致するため、係数C
aは「10」となる。
【0053】
本実施形態によれば、同一楽曲で指示標識DSの出現パターンが同一であっても、複数のオブジェクトOBの配置状況によってゲーム展開が変わる(選択するオブジェクトOBの属性及び選択するオブジェクトOBと同一属性で隣接するオブジェクトOBの数に応じて得られるスコアが変わる)ため、ゲーム展開の多様性を確保することができる。すなわち、プレーヤは、指示標識DSで指示された属性と各オブジェクトOBの配置及び属性と
を考慮してオブジェクトOBを選択するといった戦略的なゲームプレイを楽しむことができ、楽曲に合わせて(指示されたタイミングに従って)操作入力を行うゲームにおいてゲームの戦略性と複雑性を高めることができる。
【0054】
ここで、プレーヤがオブジェクトOBを選択する操作を行うと、選択されたオブジェクトOBと同一属性で互いに隣接するオブジェクトOBは第1領域から消去され、消去されたオブジェクトOBと同数のオブジェクトOBが第1領域に追加して配置される。
【0055】
本実施形態では、入力タイミングの評価値に応じて、オブジェクトOBを第1領域に追加配置する制御の手法を切り替える。具体的には、入力タイミングと基準タイミングのズレが所定値以内の場合には、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域にオブジェクトOBを配置する第1の制御を行い、入力タイミングと基準タイミングのズレが所定値よりも大きい場合には、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域を上方向(所定方向の一例)に存在するオブジェクトOBを下方向にシフトすることで詰め、当該シフトにより生じる空領域にオブジェクトを配置する第2の制御を行う。
【0056】
例えば、
図4に示すように、基準位置SLに最も近い位置に存在する指示標識DS(ここでは、指示標識DS
1)と基準位置SL間の距離が十分に大きいタイミング(入力タイミングと基準タイミングのズレが所定値よりも大きい場合)に、プレーヤがオブジェクトOB(ここでは、「ボーカル」属性のオブジェクトOB
3)を選択するタッチ操作を行うと、第2の制御が行われる。すなわち、
図5に示すように、選択されたオブジェクトOBと同一属性の隣接するオブジェクトOB(ここで、4個のオブジェクトOB)が消去され、
図6に示すように、当該消去によって生じる空領域は、消去されたオブジェクトOBの上方向に存在するオブジェクトOBが下方向にシフトすることで詰められ、
図7に示すように、当該シフトによって生じる空領域に新たなオブジェクトOB(ここでは、4個のオブジェクトOB)が追加して配置される。
【0057】
一方、
図8に示すように、基準位置SLに最も近い位置に存在する指示標識DS(ここでは、指示標識DS
1)と基準位置SL間の距離が十分に小さいタイミング(入力タイミングと基準タイミングのズレが所定値以内の場合)に、プレーヤがオブジェクトOB(ここでは、「ビジュアル」属性のオブジェクトOB
1)を選択するタッチ操作を行うと、第1の制御が行われる。すなわち、
図9に示すように、選択されたオブジェクトOBと同一属性の隣接するオブジェクトOB(ここで、13個のオブジェクトOB)が消去され、
図10に示すように、当該消去によって生じる空領域に新たなオブジェクトOB(ここでは、13個のオブジェクトOB)が追加して配置される。
【0058】
第1の制御では、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域を他のオブジェクトOBを下方向にシフトすることで詰める制御を行わず、当該消去によって生じる空領域に直接オブジェクトOBを追加配置するため、第2の制御と比べてオブジェクトOBの追加配置を短時間で実行することができる。オブジェクトOBの追加配置を短時間で実行することで、オブジェクトの追加配置が完了する前に次の指示標識DSが基準位置SLに到達してしまうことを抑制することができ、特に、大量のオブジェクトOBを消去した場合に有効である。一方、第2の制御では、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域を他のオブジェクトOBを下方向にシフトすることで詰める制御を行うことで、オブジェクトOBが消去された後のオブジェクトの配置状況を予測し易くすることができる。
【0059】
本実施形態では、第1の制御と第2の制御のそれぞれの特徴に鑑みて、入力タイミングと基準タイミングとのズレが大きい場合には、第2制御を行うことで、オブジェクトOBが消去された後のオブジェクトOBの配置状況を予測し易くし、入力タイミングと指示標識で指示されるタイミングとのズレが小さい場合には、第1制御を行うことで、オブジェ
クトOBの追加配置を迅速に実行するようにしている。これにより、指示標識DSで指示されるタイミングでないタイミングでオブジェクトOBを選択・消去することで、より多くの同一属性のオブジェクトOBが互いに隣接するような配置状況を準備しておき、指示標識DSで指示されるタイミングで同一属性の互いに隣接する複数のオブジェクトOBを選択することで、大量のオブジェクトOBを消去して高いゲームスコアを得るといった戦略的なゲームプレイを行い易くすることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、オブジェクトOBの追加配置を、入力タイミングの評価結果に関わらず、常に第1の制御によって行うようにしてもよい。この場合、オブジェクトOBを消去した後に追加配置するオブジェクトOBの属性を予告することで、オブジェクトOBが消去された後のオブジェクトの配置状況が予測し易くなるようにしてもよい。例えば、基準位置SLを示す画像の形状や色を、予告する属性に対応する形状や色とすることで、追加配置するオブジェクトOBの属性を予告してもよい。例えば、予告された属性が「ビジュアル」属性であるときに、オブジェクトOBを選択する操作が行われた場合には、複数のオブジェクトOBを消去した後に追加配置する全てのオブジェクトOBの属性を「ビジュアル」属性とする。また、追加配置する一部のオブジェクトOBの属性を予告された属性としてもよい。また、追加配置する複数のオブジェクトOBのうち予告された属性とするオブジェクトOBの数を、入力タイミングの評価結果に基づいて決定してもよい。例えば、入力タイミングと基準タイミングとのズレが小さいほど、予告された属性とするオブジェクトOBの数が多くなるようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、オブジェクトOBの追加配置を、入力タイミングの評価結果に関わらず、常に第2の制御によって行うようにしてもよい。この場合、オブジェクトOBを消去した後オブジェクトOBの追加配置が完了するまでは、オブジェクトOBを選択する操作入力を受け付けないように構成してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、オブジェクト制御部118は、第1領域に配置(初期配置及び追加配置)する各オブジェクトOBの属性を、ランダムに決定してもよいし、再生中の楽曲データに関連付けて設定された属性ごとの確率に基づき決定してもよい。また、本実施形態では、表示制御部112は、第2領域に出現させる各指示標識DSの属性を、ランダムに決定してもよいし、楽曲データに関連付けて設定された属性ごとの確率に基づき決定してもよいし、或いは、楽曲データに関連付けて指示標識DSごとに予め設定された属性としてもよい。また、楽曲データのある区間を再生している場合には、出現させる指示標識DSの属性をランダム又は属性ごとの確率に基づき決定し、楽曲データの他の区間を再生している場合には、出現させる指示標識DSの属性を予め設定された属性としてもよい。第1領域に配置されるオブジェクトOBの属性として出現頻度の高い属性と、第2領域に出現する指示標識DSの属性として出現頻度の高い属性とを一致させることでゲームの難易度を低くすることができ、逆に一致させないことでゲームの難易度を低くすることができる。
【0063】
また、本実施形態では、ゲーム状況が所定の条件を満たした場合に、ワイルドカードとして機能する指示標識DSを第2領域に出現させ、当該指示標識DSに合わせてオブジェクトOBを選択する操作が行われた場合には、スコア算出部116が、選択されたオブジェクトOBの属性に関わらず、選択されたオブジェクトOBの属性と当該指示標識DSで指示される属性とが一致すると判定するようにしてもよい。例えば、オブジェクトOBが消去される度に消去したオブジェクトOBの数に応じて増加するゲージを設定しておき、当該ゲージが所定値に達した場合に、ワイルドカードとして機能する指示標識DSを出現させるようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、デッキを構成する各キャラクタにスキル(必殺技等の特殊効果
)を設定しておき、スキルが発動可能となったキャラクタを選択する操作入力が行われた場合に、選択されたキャラクタに設定されたスキルを発動させるように構成してもよい。スキルとして、例えば、特定の属性のオブジェクトOBを消去する効果や、特定の位置に配置されたオブジェクトOBを消去する効果等を設定することができる。
【0065】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステムの処理の一例について
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
表示制御部112は、複数のオブジェクトOBを第1領域に配置する(ステップS10)。次に、スコア算出部116は、ゲームスコアSを0にセットする(ステップS12)。次に、楽曲再生部110は、楽曲データの再生を開始する(ステップS14)。
【0067】
次に、表示制御部112は、楽曲データに関連付けて設定された指示標識DSごとの基準タイミングに従って、第2領域において指示標識DSを基準位置SLに向けて移動させる表示制御を行う(ステップS16)。
【0068】
次に、評価部114は、複数のオブジェクトOBのいずれかを選択する操作入力があったか否かを判断し(ステップS18)、当該操作入力があった場合(ステップS18のY)には、当該操作入力のタイミングを取得し、取得した入力タイミングと基準タイミングとのズレ量Dに基づいてプレーヤの操作を評価して評価値Eを算出する(ステップS20)。当該操作入力がない場合(ステップS18のN)には、ステップS34に移行する。
【0069】
次に、スコア算出部116は、評価値Eと、選択されたオブジェクトOB及び指示標識DSの属性と、選択されたオブジェクトOBと同一属性で互いに隣接するオブジェクトOBの数とに基づきゲームスコアの増加量ΔSを算出する(ステップS22)。すなわち、スコア算出部116は、選択されたオブジェクトOBの属性と指示標識DSの属性とが一致しているか否かに応じて係数C
aを決定し、選択されたオブジェクトOBと同一属性で互いに隣接するオブジェクトOBの数に基づき係数C
nを決定し、デッキを構成する複数のキャラクタのパラメータの合計値Pを算出し、評価値Eと、係数C
a及びC
nと、合計値Pとに基づいて、式(1)により増加量ΔSを算出する。次に、スコア算出部116は、現在のゲームスコアSに増加量ΔSを加算して新たなゲームスコアSを算出する(ステップS24)。
【0070】
次に、オブジェクト制御部118は、選択されたオブジェクトOBと同一属性で互いに隣接するオブジェクトOBを第1領域から消去する(ステップS26)。なお、オブジェクト制御部118は、選択されたオブジェクトOBと同一属性で隣接するオブジェクトOBが存在しない場合には、選択されたオブジェクトOBのみを消去する。
【0071】
次に、オブジェクト制御部118は、入力タイミングと基準タイミングとのズレ量Dが閾値T(所定値)以下であるか否かを判断し(ステップS28)、閾値T以下の場合(ステップS28のY)には、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域に、消去したオブジェクトOBと同数のオブジェクトOBを追加して配置する第1の制御を行う(ステップS30)。一方、ズレ量Dが閾値Tよりも大きい場合(ステップS28のN)には、オブジェクト制御部118は、オブジェクトOBの消去によって生じる空領域を、上方向に存在するオブジェクトOBを下方向にシフトさせることで詰め、当該シフトにより生じる空領域に、消去したオブジェクトOBと同数のオブジェクトを追加して配置する第2の制御を行う(ステップS32)。
【0072】
次に、処理部100は、楽曲データの再生が終了したか否かを判断し(ステップS34
)、終了していない場合(ステップS34のN)には、ステップS16に移行し、ステップS16以降の処理を繰り返す。
【0073】
4.変形例
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。