【実施例1】
【0018】
本発明の具体的な実施例1について
図1〜
図5に基づいて説明する。
【0019】
本実施例は、
図1,2に示すように、内部に筒状の燃焼部1を有する燃焼器本体部2と、この燃焼部1の内面の接線方向に向けて燃料ガスを導入する燃料ガス導入部3とから成り、燃料ガス導入部3から燃焼部1内に燃料ガスが導入されることで、この燃料ガスが燃焼部1内で旋回流になってこの燃焼部1内に渦流火炎が形成され、この渦流火炎の熱若しくは渦流火炎の燃焼によって生じた燃焼ガスの熱により被加熱部4としての燃焼器本体部2が加熱されるように構成され、更に、燃焼部1を囲繞する燃焼部囲繞流路部5と、燃焼部1から排出された燃焼ガスを燃焼部囲繞流路部5に誘導する燃焼ガス誘導部6とが備えられている小型渦流燃焼器である。
【0020】
具体的には、本実施例は、
図3に示すように、燃焼器本体部2、筒状燃焼部形成部8、燃料ガス導入部3、折り返し部10、導入部断熱部12、及びガス導入部側閉塞板部13の各部により構成されている。
【0021】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細に説明する。
【0022】
本実施例の燃焼器本体部2は、この燃焼器本体部2自体が被加熱部4となる構成とされていて、そのため、熱伝導率の高い金属部材(例えばアルミニウムやアルミニウム合金等)で構成されている。
【0023】
また、本実施例の燃焼器本体部2は、後述する筒状燃焼部形成部8を挿入配設する燃焼部形成孔7と、燃焼によって生じる燃焼ガスを外部へ排出するための排気経路部14とが設けられている。
【0024】
具体的には、燃焼部形成孔7は、燃焼器本体部2の前後方向に貫通する貫通孔であり、内径寸法がこの燃焼部形成孔7内に挿入配設される筒状燃焼部形成部8の外径寸法よりも若干大径に設定されている。即ち、本実施例の燃焼器本体部2は、燃焼部形成孔7に筒状燃焼部形成部8を挿入配設すると、燃焼部形成孔7と筒状燃焼部形成部8との間に隙間が形成されるように構成されていて、この隙間を、燃焼部1から排出された燃焼ガスが流通する燃焼部囲繞流路部5とした構成とされている。
【0025】
また、本実施例の燃焼部形成孔7は、燃焼部1の燃焼ガス排出口9側、言い換えると、この燃焼部形成孔7に挿入配設される筒状燃焼部形成部8の先端側が大径に形成されていて、筒状燃焼部形成部8が挿入配設されることで、前述した燃焼部囲繞流路部5を形成するとともに、後述する燃焼ガス誘導部6を構成する燃焼ガス折り返し流路部11が形成されるように構成されている。この燃焼ガス折り返し流路部11は、燃焼部囲繞流路部5と同様、燃焼部1(筒状燃焼部形成部8)を囲繞するように環状に形成されるとともに、燃焼部囲繞流路部5と連通状態に形成されていて、本実施例は、この燃焼ガス折り返し流路部11を介して燃焼部1から排出された燃焼ガスが燃焼部囲繞流路部5へ導入されるように構成されている。
【0026】
また、排気経路部14は、燃焼器本体部2の長さ方向(前後方向)を横断するように設けられていて、一端が前述した燃焼部囲繞流路部5に接続され、他端が燃焼器本体部2の後面部に形成された排気口15に接続されている。即ち、本実施例は、この燃焼器本体部2を長さ方向に横断する排気経路部14を燃焼ガスが流通することで、燃焼ガスと燃焼器本体部2とが熱交換し、燃焼器本体部2が燃焼ガスの熱により加熱される被加熱部4となる構成とされている。尚、排気経路部14の取り回し及び排気口15の配置は、本実施例に記載の構成に限定されるものでは無い。
【0027】
また、本実施例の筒状燃焼部形成部8は、前述した燃焼器本体部2とは別部材で構成されていて、具体的には、燃焼器本体部2より熱伝導率が低い低熱伝導部材(例えば耐熱性ステンレス鋼材)で構成されている。
【0028】
即ち、本実施例は、この筒状燃焼部形成部8を燃焼器本体部2よりも熱伝導率が低い低熱伝導部材を用いて構成することで、筒状燃焼部形成部8から燃焼器本体部2への熱の流出が抑制されるとともに、燃焼器本体部2から筒状燃焼部形成部8への冷熱の流入が抑制されるように構成されている。
【0029】
また、本実施例の筒状燃焼部形成部8について更に具体的に説明すると、本実施例の筒状燃焼部形成部8は、円筒状に形成されていて、基端部にこの筒状燃焼部形成部8を燃焼部形成孔7に対して所定位置に配設するための位置決め用基板部16が設けられた構成とされている。また、この位置決め用基板部16は、燃焼器本体部2の前面部と同形状に形成されていて、この位置決め用基板部16を燃焼器本体部2の前面部に重合配設することで、筒状燃焼部形成部8が燃焼部形成孔7の所定位置(燃焼部形成孔7の中心軸と筒状燃焼部形成部8の中心軸とが一致する状態)に配設されるよう構成されている。尚、この位置決め用基板部16を燃焼器本体部2に重合配設させる際に、この位置決め用基板部16と燃焼器本体部2との間に、この位置決め用基板部16と燃焼器本体部2との間の熱伝導を抑制するための断熱部材を介在させても良い。
【0030】
即ち、本実施例は、前述した燃焼器本体部2に形成された燃焼部形成孔7に、この燃焼器本体部2と別体に構成された筒状燃焼部形成部8が配設されることにより燃焼部1が形成される構成とされていて、この燃焼部1を形成する筒状燃焼部形成部8の外側に前述した燃焼部囲繞流路部5及び燃焼ガス折り返し流路部11が形成されているように構成されている。
【0031】
詳細には、筒状燃焼部形成部8の位置決め用基板部16を燃焼器本体部2の前面部に重合配設することで、筒状燃焼部形成部8が燃焼部形成孔7と隙間をあけて配設されて燃焼部1が形成され、更に、この燃焼部形成孔7と筒状燃焼部形成部8との間の隙間の、筒状燃焼部形成部8内に形成される渦流火炎を囲繞する位置に燃焼部囲繞流路部5が形成されるとともに、この燃焼部囲繞流路部5よりも燃焼ガス排出口9側に燃焼ガス折り返し流路部11が形成されるように構成されている。
【0032】
また、本実施例は、前述した燃焼部1から排出された燃焼ガスを燃焼ガス折り返し流路部11へ誘導する折り返し部10が備えられており、この折り返し部10と前述した燃焼ガス折り返し流路部11とで、燃焼部1から排出された燃焼ガスを燃焼部囲繞流路部5へと誘導する燃焼ガス誘導部6が構成されている。
【0033】
具体的には、本実施例の折り返し部10は、板状に形成され、燃焼部1の燃焼ガス排出口9側の燃焼部1の長さ方向延長線上、言い換えると、燃焼部1から排出された燃焼ガスの進路上に配設されていて、燃焼部1(筒状燃焼部形成部8)から排出された燃焼ガスがこの折り返し部10に衝突して進行方向を180°折り返して、燃焼ガスを燃焼ガス折り返し流路部11へと誘導するように構成されている。
【0034】
より具体的には、本実施例の折り返し部10は、平板状に形成されており、燃焼器本体部2の後面部に重合配設されて、この燃焼器本体部2に形成された燃焼部形成孔7の後面側開口部を閉塞するとともに、燃焼部1から排出された燃焼ガスがこの折り返し部10に衝突することで、その進路を折り返して燃焼ガス折り返し流路部11に向かうように構成されている。
【0035】
また、この折り返し部10は、板面中央部に耐熱ガラス等の耐熱性透明部材から成る渦流火炎視認部17が設けられていて、この渦流火炎視認部17から燃焼部1内に形成される渦流火炎の燃焼状態を目視にて確認できるように構成されている。尚、この折り返し部10は、渦流火炎視認部17を設けない単なる板状部材とした構成でも良い。また、本実施例は、燃焼器本体部2の燃焼部形成孔7が貫通孔として形成されていることから、前述した折り返し部10を用いて燃焼部形成孔7の開口部が閉塞される構成とされているが、燃焼部形成孔7を貫通孔とせずに有底孔として形成して、この燃焼部形成孔7の底部を折り返し部10とすることで折り返し部10を別体で設けない構成としても良い。
【0036】
また、本実施例の燃料ガス導入部3は、燃焼器本体部2と同じ部材(アルミニウムやアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属部材)から成り、燃焼器本体部2及び燃焼部1と別体で構成されている。
【0037】
具体的には、本実施例の燃料ガス導入部3は、前述した筒状燃焼部形成部8の位置決め用基板部16と同形状の板状に形成され、導入部断熱部12を介して筒状燃焼部形成部8(具体的には、筒状燃焼部形成部8の位置決め用基板部16)に重合配設される構成とされている。
【0038】
より具体的には、燃料ガス導入部3は、板面中央部に、前後方向(板厚方向)に貫通し筒状燃焼部形成部8と連通する燃焼部連通孔18が形成されており、また、この燃焼部連通孔18内に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入経路部19がこの燃焼部連通孔18の左右両側に設けられている。
【0039】
更に詳細に説明すると、この燃料ガス導入経路部19は、先端部に小径(数mm)の接線方向吹出口部20が設けられていて、この接線方向吹出口部20は、燃焼部連通孔18の内周面の接線方向に向けて燃料ガスを導入するように構成されている。即ち、本実施例は、この燃料ガス導入経路部19に設けられた接線方向吹出口部20から燃焼部連通孔18内に燃料ガスが導入されることで、燃焼部連通孔18内で燃料ガスが旋回流となって燃焼部1に向かって進み、そのまま、この燃焼部連通孔18と連通する燃焼部1内(具体的には、筒状燃焼部形成部8内)でも旋回流を保持するように構成されている。尚、本実施例では燃料ガス導入部3に導入される燃料ガスは、予め空気と可燃性ガスとが混合された予混合気とされている。
【0040】
また、本実施例のガス導入部側閉塞板部13は、平板状に形成されており、燃料ガス導入部3に重合配設されて、この燃料ガス導入部3に形成された燃焼部連通孔18の基端側開口部を閉塞するように構成されている。
【0041】
また、このガス導入部側閉塞板部13は、板面中央部に耐熱ガラス等の耐熱性透明部材から成る渦流火炎視認部17が設けられていて、この渦流火炎視認部17から燃焼部1内に形成される渦流火炎の燃焼状態を目視にて確認できるように構成されている。尚、このガス導入部側閉塞板部13は、折り返し部10同様、渦流火炎視認部17を設けない単なる板状部材とした構成でも良い。
【0042】
また、本実施例は、燃料ガス導入部3の燃焼部連通孔18が貫通孔として形成されていることから、前述したガス導入部側閉塞板部13を用いて燃焼部連通孔18の開口部が閉塞される構成とされているが、前述した折り返し部10同様、燃焼部連通孔18を貫通孔とせずに有底孔として形成して、この燃焼部連通孔18の底部をガス導入部側閉塞板部13とすることで、ガス導入部側閉塞板部13を別体で設けない構成としても良い。
【0043】
また更に、本実施例の燃焼部1は、前述したように、燃焼器本体部2に形成された燃焼部形成孔7に、燃焼器本体部2と別体の筒状燃焼部形成部8が配設されて形成されていて、筒状燃焼部形成部8は、燃焼部形成孔7の内周面との間に燃焼部囲繞流路部5を介して配設されている構成とされているが、例えば、
図4に示すように、更に筒状燃焼部形成部8の内面に断熱部材を付設して火炎断熱部21を形成し、この火炎断熱部21で燃焼部1内(筒状燃焼部形成部8内)に形成される渦流火炎の燃焼熱の筒状燃焼部形成部8への熱伝導を抑制し、筒状燃焼部形成部8の加熱は前述した燃焼部囲繞流路部5での燃焼ガスとの熱交換により行われる構成としても良い。
【0044】
上述のように構成した本実施例の作用・効果について以下に説明する。
【0045】
本実施例は、燃料供給部から供給される燃料ガス(予混合気)が燃料ガス導入部3を介して燃焼部1へ導入され、この燃焼部1に導入された燃料ガスは、旋回流状態で導入され、この旋回流状態の燃料ガスに着火することで燃焼部1内に渦流火炎が形成され、この渦流火炎の燃焼によって生じる高温の燃焼ガスが燃焼部1(筒状燃焼部形成部8の燃焼ガス排出口9)から排出され、この燃焼部1から排出された燃焼ガスは、その進行方向に設けられている折り返し部10に衝突して進行方向が180°折り返されて燃焼ガス折り返し流路部11に誘導され、この燃焼ガス折り返し流路部11を通じて燃焼部1を囲繞するように設けられている燃焼部囲繞流路部5へと導入される。
【0046】
この燃焼部囲繞流路部5へ導入された燃焼ガスは、筒状燃焼部形成部8と接触してこの筒状燃焼部形成部8と熱交換することとなり、この熱交換により燃焼部1を形成する筒状燃焼部形成部8の温度が上昇し、この燃筒状燃焼部形成部8の温度が高温化する、若しくは筒状燃焼部形成部8の温度低下を防いで高温状態を保持(所謂、保温)することで渦流火炎の熱の筒状燃焼部形成部8への熱伝導が抑制(低減)されて、渦流火炎の火炎温度の低下が抑制される。
【0047】
更に、燃焼部1、具体的には、筒状燃焼部形成部8を囲繞する燃焼部囲繞流路部5による熱伝導抑制作用と、燃焼器本体部2と燃料ガス導入部3との間に設けられた導入部断熱部12との断熱作用により、燃焼部1内に形成された渦流火炎の熱の燃焼器本体部2及び燃料ガス導入部3への熱伝導が可及的に抑制され、これにより渦流火炎の熱の外部放出が抑制されて渦流火炎の火炎温度が低下せず高温状態が維持されることとなり、この渦流火炎の火炎温度の高温状態が維持される。
【0048】
即ち、本実施例は、燃焼部囲繞流路部5を流通する燃焼ガスによる燃焼部1の加熱効果(若しくは保温効果)と、燃焼部囲繞流路部5による燃焼部1と燃焼器本体部2との間の熱伝導抑制効果と、導入部断熱部12による燃焼部1と燃料ガス導入部3との間の断熱効果とにより、燃焼部1内に形成される渦流火炎の火炎温度の低下が抑制されて火炎温度の高温状態が維持され、これにより、燃焼反応が促進されて、従来の問題点であった不完全燃焼による一酸化炭素の発生が可及的に抑制されることとなる(
図5参照)。
【0049】
また、本実施例は、燃焼部囲繞流路部5が、燃焼部1と燃焼器本体部2との間に形成されていて、燃焼部囲繞流路部5において、燃焼部1とともに、燃焼器本体部2とも熱交換することとなり、これにより、被加熱部4としての燃焼器本体部2もこの燃焼部囲繞流路部5を流通する燃焼ガスにより加熱されることとなる。
【0050】
また、本実施例は、この燃焼部囲繞流路部5を通過した燃焼ガスが、燃焼器本体部2の長さ方向を横断するように形成された排気経路部14内を流通して燃焼器本体部2の後面部に設けられている排気口15から排気されるように構成されているので、この排気経路部14を流通する燃焼ガスと燃焼器本体部2との間でも熱交換が行なわれ、燃焼器本体部2全体が燃焼ガスにより効率的に加熱されることとなり、これにより、被加熱部4としての燃焼器本体部2を発熱体として用いることが可能となる。
【0051】
しかも、本実施例は、燃焼器本体部2に形成された燃焼部形成孔7に筒状燃焼部形成部8を挿入配設するという簡易な構成で、渦流火炎の火炎温度を低下させない燃焼部構造を容易に設計実現可能とすることができる。
【0052】
このように、本実施例は、従来の問題点であった不完全燃焼による一酸化炭素の発生が可及的に抑制されるとともに、高温の燃焼ガスの熱を有効利用することができる安全性、且つ実用性に優れた画期的な小型渦流燃焼器となる。
【実施例3】
【0058】
本発明の具体的な実施例3について
図7に基づいて説明する。
【0059】
本実施例は、実施例2と同様、燃焼ガスの熱により燃料ガス導入部3が加熱され、これにより燃料ガスが温められることで燃焼反応が促進されるように構成されている場合であるが、実施例2よりも更に積極的に燃料ガス導入部3が加熱されるように構成されている場合である。
【0060】
具体的には、実施例2の燃焼部囲繞流路部5に導入された燃焼ガスが燃料ガス導入部3に接触することで燃料ガス導入部3が加熱される構成に加えて、更に、排気経路部14を流通する燃焼ガスの熱により燃料ガス導入部3が加熱されるように構成されている。
【0061】
より具体的には、本実施例では、燃料ガス導入部3と筒状燃焼部形成部8とが一体に形成されていて、燃料ガス導入部3が位置決め用基板部16を兼用する構成とされ、更に、導入部断熱部12が設けられておらず、燃料ガス導入部3が燃焼器本体部2の前面部に直接、重合配設されることで、燃焼部囲繞流路部5の一側開口部が燃料ガス導入部3に接面して、燃焼部囲繞流路部5に導入された燃焼ガスが燃料ガス導入部3に接触するように構成されている。
【0062】
また、本実施例の排気経路部14は、燃料ガス導入部3を加熱するための第一排気経路部14Aと、燃焼器本体部2を加熱するための第二排気経路部14Bで構成されている。
【0063】
具体的には、第一排気経路部14Aは、
図7に示すように、この第一排気経路部14Aと燃料ガス導入部3との間に介する燃焼器本体部2の厚みを、燃焼器本体部2の耐久性(強度)を保持しつつできるだけ肉薄にする位置に、燃料ガス導入部3、具体的には、この燃料ガス導入部3に形成される燃料ガス導入経路部19に対して平行に配設されていて、一端が燃焼部囲繞流路部5に接続され、他端が燃焼器本体部2の側面部に設けられた第一排気口15Aに接続されていて、この第一排気経路部14Aを流通する燃焼ガスの熱により燃料ガス導入部3が加熱される構成とされている。
【0064】
また、第二排気経路部14Bは、第一排気経路部14Aから分岐され、燃焼器本体部2の長さ方向(前後方向)を横断するように設けられ、燃焼器本体部2の後面部に形成された第二排気口15Bに接続されていて、この第二排気経路部14Bを流通する燃焼ガスの熱により被加熱部4である燃焼器本体部2が加熱される構成とされている。
【0065】
これにより、実施例2に比べて、より一層効率的に燃料ガス導入部3が燃焼ガスとの熱交換により加熱されて、この燃料ガス導入部3内に導入された燃料ガスがより効率良く温められ、これにより、より燃焼速度(反応速度)が増し、燃焼反応時間が短縮されてより一層完全燃焼が促進され、不完全燃焼がより一層低減して一酸化炭素の発生がより一層抑制されることとなる。
【0066】
その余の構成は実施例1と同様である。
【実施例5】
【0073】
本発明の具体的な実施例5について
図9に基づいて説明する。
【0074】
本実施例は、実施例1において、燃焼器本体部2が被加熱部4とされず、燃焼器本体部2と別体に設けられる接続被加熱部4Aが被加熱部4とされる場合である。
【0075】
具体的には、実施例1における燃焼ガス誘導部6を構成する折り返し部10と、燃焼器本体部2内に形成される排気経路部14とが異なる構成であるとともに、被加熱部4としての接続被加熱部4Aが追加される構成とされている。
【0076】
以下、本実施例に係る上記の折り返し部10、排気経路部14及び接続被加熱部4Aについて具体的に説明する。
【0077】
本実施例の折り返し部10は、平板状に形成され、板面中央部に板厚方向に貫通する貫通孔24が形成されるとともに、この貫通孔24が複数の燃焼ガス通過孔25が形成されているガス折り返し板部26で閉塞されている構成とされている。
【0078】
また、排気経路部14は、筒状燃焼部形成部8の基端部側、言い換えると、燃焼部囲繞流路部5の燃料ガス導入部3側で、この燃料ガス導入部3に沿設状態に配設されていて、一端が燃焼部囲繞流路部5に接続され、他端が燃焼器本体部2の側面部に設けられた排気口15に接続されている構成とされている。
【0079】
また、被加熱部4となる接続被加熱部4Aは、箱状に形成され、燃焼器本体部2の後面部に設けられた折り返し部10に形成されている貫通孔24と連通する本体側接続開口部27と、導入した燃焼ガスが排出される被加熱部側排気口28が設けられた構成とされている。
【0080】
即ち、本実施例は、
図9に示すように、燃焼器本体部2の後面部にガス折り返し板部26を有する折り返し部10が重合配設され、この折り返し部10に被加熱部4となる接続被加熱部4Aが接続されている構成とされて、燃焼部1(筒状燃焼部形成部8)の燃焼ガス排出口9から排出された燃焼ガスが、その排出方向に配設されるガス折り返し板部26に向かって進み、このガス折り返し板部26に衝突して進行方向を折り返し燃焼ガス折り返し流路部11へと誘導されるものと、燃焼ガス通過孔25を通過して被加熱部4となる接続被加熱部4Aへ導入されるものとに分かれ、燃焼ガス折り返し流路部11に誘導された燃焼ガスは燃焼部囲繞流路部5を流通して燃焼部1を形成する筒状燃焼部形成部8を加熱した後、排気経路部14を流通して排気口15から外部へ排出され、接続被加熱部4Aに導入された燃焼ガスはこの接続被加熱部4Aを加熱した後、この接続被加熱部4Aに設けられた被加熱部側排気口28から外部へ排出される構成とされている。
【0081】
その余の構成は実施例1と同様である。
【0082】
尚、本発明は、実施例1〜5に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。