【文献】
Sooriyakumaran, Ratnam et al.,Positive Bilayer Resists for 248 and 193 nm Lithography,Proceedings of SPIE,1998年,3333,219-227
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーの誘導自己集合は、ナノスケールオーダーの図形の微小寸法(CD)を達成できる微細電子デバイスの製造のためにより一層小さなパターン化された図形を生成するための有用な方法である。誘導自己集合法は、マイクロリソグラフィ技術の解像能力を拡大するために望ましい。慣用のリソグラフィ法では、基材または層状基材上にコーティングされたフォトレジスト層にマスクを通して露光するために紫外線(UV)を使用し得る。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工を用いた乾式現像を可能とするためにケイ素などの耐火性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こして、露光された領域が、現像剤溶液を用いてまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液を用いてはまたは慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。次いで、集積回路図形、例えばゲート、ビアまたはインターコネクタを、基材または層状基材中にエッチングし、そして残りのフォトレジストを除去する。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いた場合は、集積回路図形の図形分法は制限される。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。大規模集積へのニーズの故に、デバイスの回路寸法及び図形は絶え間なく縮小されてきた。過去には、図形の最終の解像度は、それ自体に制限のある、フォトレジストの露光に使用される光の波長に依存してきた。ブロックコポリマー画像形成を用いたグラフォエピタキシ及びケモエピタキシなどの誘導集合技術は、CD変動を減少しながら解像度を向上するために使用される非常に望ましい技術である。これらの技術は、慣用のUVリソグラフィ技術を増強するか、あるいはEUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィを使用する方策において更により高い解像度及びCDコントロールを可能とするために使用することができる。誘導自己集合ブロックコポリマーは、エッチング耐性のコポリマー性単位のブロックと、エッチングされやすいコポリマー性単位のブロックを含み、このブロックコポリマーは、基材上でコーティング、整列及びエッチングされた時に、非常に高密度のパターンの領域を与える。
【0003】
グラフォエピタキシ誘導自己集合方法では、ブロックコポリマーは、慣用のリソグラフィ(紫外線、深紫外線、電子ビーム、極端紫外線(EUV)露光源)を用いてプリパターン化されてライン/スペース(L/S)またはコンタクトホール(CH)パターンなどの繰り返しのトポグラフィ図形が形成されている基材の周りに自己組織化する。L/S誘導自己集合アレイの一例では、ブロックコポリマーは、予めパターン化されたライン間のトレンチ中に異なるピッチの並行なライン−スペースパターンを形成できる自己整列したラメラ領域を形成して、トポグラフィカルライン間のトレンチ中の空間をより微細なパターンに分割することによりパターン解像度を増強することができる。例えば、ミクロ相分離することができ、かつプラズマエッチングに耐性のある炭素を豊富に含むブロック(例えばスチレンや、またはSi、Ge、Tiのような何らかの他の元素を含むもの)とプラズマエッチングまたは除去性が高いブロックとを含むジブロックコポリマーは、高解像度のパターン画定を供することができる。高エッチング性ブロックの例には、酸素を豊富に含みかつ耐火性元素を含まず、更に高エッチング性ブロックを形成することができるモノマー、例えばメチルメタクリレートを含み得る。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造プロセスに使用されるガスである。このようにして、慣用のリソグラフィ技術と比べて非常に微細なパターンを典型的なIC基材上に生成でき、そうしてパターンの増加が達成される。同様に、慣用のリソグラフィによって画定されるコンタクトホールまたはポストのアレイの周りでの誘導自己集合によって適当なブロックコポリマーがそれ自体で配列するグラフォエピタキシを用いることによってコンタクトホールなどの図形もより密度高く生成でき、そうしてエッチングした時にコンタクトホールのより密度の高いアレイを与えるエッチング可能なドメインと耐エッチング性のドメインとのより密度の高いアレイを形成する。その結果、グラフォエピタキシは、パターン修正及びパターン増加の両方を提供する可能性を持つ。
【0004】
化学エピタキシまたはピン止め化学エピタキシでは、ブロックコポリマーの自己アセンブリは、異なる化学親和性の領域を持つが、自己集合プロセスを誘導するトポグラフィを持たないかまたは僅かにしか持たない表面の周りに形成される。例えば、基材の表面を慣用のリソグラフィ(UV、DUV、電子線、EUV)を用いてパターン化することによって、表面ケミストリが照射によって変性された露光領域が、露光されておらず化学的変化がない領域と交互しているライン・アンド・スペース(L/S)パターンに異なる化学親和性の表面を生成できる。これらの領域はトポグラフィの差異は持たないが、ブロックコポリマーセグメントの自己集合を誘導する表面化学的差異またはピン止めを示す。具体的には、耐エッチング性の繰り返し単位(例えばスチレン繰り返し単位)及び高速エッチング性の繰り返し単位(例えばメチルメタクリレート繰り返し単位)を含むブロックセグメントを持つブロックコポリマーの誘導自己集合は、パターン上での耐エッチング性ブロックセグメントと高エッチング性のブロックセグメントの正確な配置を可能とするだろう。この技術は、これらのブロックコポリマーを正確に配置すること、及びその後に、プラズマまたはウェットエッチング加工の後に基材にパターンをパターン転写することを可能にする。化学的エピタキシは、これを、化学的差異の変化によって微調整して、ラインエッジラフネス及びCDコントロールの向上を助けて、パターンの調整を可能とすることができるという利点を有する。繰り返しコンタクトホール(CH)アレイなどの他のタイプのパターンも、ケモエピタキシを用いてパターン調整することができる。
【0005】
中性層は、誘導自己集合に使用されたブロックコポリマーのいずれのブロックセグメントにも親和性を持たない、基材上のまたは処理された基材の表面上の層である。ブロックコポリマーの誘導自己集合のグラフォエピタキシ法では中性相が有用である、というのも、これらは、基材に対する耐エッチング性ブロックポリマーセグメント及び高エッチング性ブロックポリマーセグメントの適切な配置をもたらす誘導自己集合のためのブロックポリマーセグメントの適切な配置または配向を可能とするからである。例えば、慣用の放射線リソグラフィで画定されたライン・アンド・スペース図形を含む表面では、中性層は、ブロックセグメントが基材の表面に対して垂直に配向するようにブロックセグメントが配向することを可能とするが、このような配向は、慣用のリソグラフィで画定されるライン間の長さに対するブロックコポリマー中のブロックセグメントの長さに依存してパターン調整とパターン増加の両方に理想的な配向である。
【0006】
誘導自己集合プロセスにおける高いケイ素含有率を有するスチレンとジメチルシロキサンとのジブロックコポリマーの使用は、高ケイ素含有率の集合体が基材中への自己集合パターンのプラズマエッチング転写を可能とするものであるが、これは、ブロックドメインの自己集合のために必要なアニール温度を低下させるための溶剤アニールの使用(US2011/0272381(特許文献1))を必要とするか、またはその代わりに、酸素含有率が7.5ppm未満の低酸素のガス条件での高温(275〜350℃)下の加工(US2013/020344(特許文献2))を必要とする。その結果、特に空気で行う場合により低い温度で加工できる、高ケイ素ドメインを含むブロックコポリマーへの要望がある。
【0007】
スチレンとジメチルシロキサンとのブロックコポリマーなどの慣用のブロックコポリマー材料を用いたライン・アンド・スペースまたはコンタクトホールまたはビアのアレイを画定するためにグラフォエピタキシ法を用いる場合には、高温を使用するかまたは溶剤でのアニールを用いる必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで使用する場合、アルキルとは、線状または分岐状であることができる飽和炭化水素基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル及び類似物)のことであるか、または一つの飽和環を含む炭化水素を指すシクロアルキル(例えばシクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似物)のことであり、フルオロアルキルは、全ての水素がフッ素で置き換えられた線状または分岐状飽和アルキル基のことであり、シクロフルオロアルキルは、全ての水素がフッ素で置き換えられたシクロアルキル基のことである。「−b−」という記載は「−ブロック−」のことであり、ブロックコポリマーを形成するモノマー繰り返し単位を指す。
【0017】
本発明は、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を含む新規のブロックコポリマーに関し、ここでR
1は水素またはC
1〜C
4アルキルであり、R
2は水素、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシまたはハライドから選ばれる基から選択され、R
3は水素、C
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4フルオロアルキルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は独立してC
1〜C
4アルキルから選択され、そしてnは1〜6である。
【0019】
本発明の一つの観点では、ブロックコポリマーはジブロックコポリマーである。
【0020】
本発明の他の態様の一つ、特にシリコンが豊富なドメインが、ガイドとなるグラフォエピタキシラインに沿って基材に対して並行なシリンダ状ドメインとして自己集合するシリンダグラフォエピタキシプロセスに有用な態様では、該新規ブロックコポリマーは、約5.3〜約8.0の範囲の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)の比率を有する。本発明の他の観点の一つでは、ポリマーは28,000〜75,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。
【0021】
本発明のこの観点の更に別の態様の一つでは、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)の比率は5.3〜8.0の範囲である。本発明の更に別の観点の一つでは、ポリマーは28,000〜46,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。
【0022】
更に別の態様の一つでは、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)の比率は7.3〜6.0の範囲である。この態様の他の観点の一つでは、ポリマーは28,000〜46,000g/モルのMnを有する。更に別の態様の一つでは、該ポリマーは1.0〜1.2の多分散度も有する。
【0023】
本発明の更に別の態様の一つでは、該ブロックコポリマーは、5.3〜8.0の範囲の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)の比率を有し、ここでR
1は水素であり、R
2は水素またはC
1〜C
4アルキルであり、R
3はC
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4フルオロアルキルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12はそれぞれメチルであり、そしてnは2〜6である。本発明の更に別の態様の一つでは、R
1は水素であり、R
2は水素であり、R
3はC
1〜C
4アルキルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12はそれぞれメチルであり、そしてnは2〜6である。本発明の好ましい態様の一つでは、R
1は水素であり、R
2は水素であり、R
3はメチルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12はそれぞれメチルであり、そしてnは3である。本発明の他の観点の一つでは、該ポリマーは置換基に関し上記の限定、7.3〜6.0の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のより狭い範囲の比率、並びに28,000〜46,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。
【0024】
ブロックコポリマーが、ガイドとなるグラフォエピタキシラインに沿って基材に対して垂直なシリンダとして自己組織化する慣用のグラフォエピタキシまたはケモエピタキシに有用な他の態様の一つでは、該新規ブロックコポリマーは、1.2〜0.8の繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比、28,000〜75,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。これの他の態様の一つでは、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比は1.2〜0.8であり、及び該ポリマーは28,000〜46,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。これの他の態様の一つでは、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比は0.9〜1.1であり、及び該ポリマーは28,000〜46,000g/モルのMn及び1.0〜1.2の多分散度を有する。
【0025】
本発明の更に別の態様の一つでは、該ブロックコポリマーは、1.2〜0.8の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)の比率を有し、及び繰り返し単位(1)及び(2)は、R
1が水素であり、R
2が水素またはC
1〜C
4アルキルであり、R
3がC
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4フルオロアルキルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12がメチルであり、そしてnが2〜6である単位である。この発明の更に別の態様では、R
1は水素であり、R
2は水素であり、R
3はC
1〜C
4アルキルであり、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12はメチルであり、そしてnは2〜6である。この発明の他の態様の一つでは、R
1は水素であり、R
2は水素であり、R
3はメチルであり、そしてR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12はメチルであり、そしてnは3である。
【0026】
本発明の更に別の態様の一つでは、該ポリマーは1.2〜0.8の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比を有し、かつMn及び多分散度に関しての上記の態様と共に置換基に関して上記の限定を有する。
【0027】
繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を含むこの発明の該新規ブロックコポリマーは、スチレン及びアルキルメタクリレートのブロックコポリマーの形成に適用可能な慣用のブロック共重合技術を用いて、各々対応するモノマーI及びモノマーIIからのリビングアニオン重合で製造し得る(Nagaki,Aiichiro;Miyazaki,Atsuo;Yoshida,Jun−ichi from Macromolecules(Washington,DC,United States)(2010),43(20),8424−8429(非特許文献1))及びそこに引用されている文献を参照されたい)。
【0028】
その代わりに、本発明のブロックコポリマーは、他のブロックコポリマー前駆体のポリマー変性法によって製造し得る。スキーム1は、tert−ブチルメタクリレート及びスチレンのブロックコポリマーを出発材料として使用するこのようなポリマー変性法の非限定的な例の概要を示すものであり、これは、ブロックコポリマーが、0.8〜1.2または5.3〜8.0の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比を有し、かつR
1が水素であり、R
2が水素であり、R
3がメチルであり及びR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12がそれぞれメチルであり及びnが3である本発明の態様を与えるものである。
【0030】
本発明の新規ブロックコポリマーは、該新規ブロックコポリマー及び溶剤を含む組成物に調製される。
【0031】
適当な溶剤の例は、エステル類、アルコールエステル類、エーテル類、アルコールエーテル類、ラクトン類及びこれらの混合物をベースとする慣用のスピンコート溶剤である。
【0032】
より具体的な例は1,2−プロパンジオールアルキルエーテル(ここでアルキル基は、C
1〜C
4アルキル部分である);1,2−プロパンジオールアルキルエーテルのアルキルカルボキシレートエステル(ここでアルキル基はC
1〜C
4アルキル部分である);アルキルアセテート(ここでアルキル基はC
1〜C
4アルキル部分である);アルキルベンゼン(ここでアルキル基はC
1〜C
4アルキル部分である)、C
8〜C
12アルカン、C
6〜C
12シクロアルカン、これらの混合物及び類似物である。
【0033】
他の具体的な例は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、n−ブチルアセテート、ガンマ−ブチロラクトン、アニソール、2−ヘプタノン、キシレン、アニソール、デカリン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、リモネン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、またはこれらの混合物などの溶剤である。
【0034】
本発明の該新規ブロックコポリマーは、溶剤(複数種可)中に溶液として溶解され、ここでブロックコポリマーは、溶剤中に、全組成物の0.5〜5重量%の間の濃度を持つ。他の態様の一つでは、該ブロックコポリマーの濃度は、全組成物の0.5〜1.5重量%の間である。
【0035】
該ブロックコポリマー組成物は、無機含有ポリマー;小分子、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャ、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び類似物などを包含する添加剤;並びに上記の少なくとも一つを含む組み合わせからなる群から選択される追加の成分及び/または添加剤を含むことができ、ここで前記追加の成分及び/または添加剤の一種以上は、ブロックコポリマーと一緒に共集合して、ブロックコポリマーアセンブリを形成する。
【0036】
該組成物は、更に、界面活性剤などの添加剤を含んでよい。
【0037】
上記の該新規ブロックコポリマー調合物を使用するパターン化に有用な誘導自己集合のための一般的な方法は、次のステップi)〜iv);
i)ブロックコポリマー組成物を基材上にコーティングしフィルムを形成するステップ;
ii)ブロックコポリマーフィルムにフローベーク(flow bake)を施用して溶剤を除去し及び任意選択に、基材中に任意のトポグラフィを共形的にコーティングするステップ;
iii)アニールベークを施用して、ブロックコポリマーの自己集合に影響を及ぼすステップ;及び
iv)自己集合したポリマー構造を現像してパターンアレイを形成するステップ、
を含む。
【0038】
ステップi)における基材への該新規ブロックコポリマーの施用は、スピンコート技術(スピン乾燥含む)によって行われる。自己誘導化ドメイン形成は、フローベーク、アニールの間にまたはこれらの操作の一つ以上の組みあわせの間に(ステップii及びiii)起こり得る。
【0039】
一つの態様では、該新規ブロックコポリマーからスピンコートされたフィルムは、空気中で100℃と160℃の間の範囲のフローベーク(ステップii)に付され、その後、溶剤アニールまたは低酸素環境の必要なく、同様に空気中で120℃と250℃の間の範囲のアニールベーク(ステップiii)が行われる。他の態様の一つでは、空気中でのアニールベークは、この場合も溶剤アニールまたは低酸素環境の必要なく、180℃と250℃の間の範囲で行われる。
【0040】
その代わりに、アニール(ステップiii)は120℃と300℃との間で行うことができ、そして溶剤アニールの必要なく窒素中で行われる。他の態様の一つでは、空気中でのアニールベークは、溶剤アニールの必要なく、180℃と300℃の間の範囲で行われる。
【0041】
本発明は更に、(上述の通り、全てのその可能な態様において)該新規ブロックコポリマーにおける繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比が1.2〜0.8の間である該新規ブロックコポリマーを使用し、及びいずれのドメインも中性層と結合する優先性を持たないために中性表面に対して垂直に配向したシリンダ状ミクロドメインを含むミクロ相分離したドメインを有する、配向したブロックコポリマー集合体が上記の方法によって調製される、態様に関する。ミクロ相分離ドメインは、中性表面に対し垂直に配向したラメラ状ドメインを有し、これは、ブロックコポリマー集合体中に並行なライン/スペースパターンを供する。こうして配向したドメインは、後の加工条件下に熱的に安定している。そのため、ベーク及び/またはアニールも含んで該新規ブロックコポリマー及び集合体の層をコーティングした後に、ブロックコポリマーのドメインは、中性表面上に形成しかつそれに対し垂直に留まり、そうして基材表面上に高耐性領域と高エッチング可能領域とを与え、これを、更に基材層中にパターン転写することができる。誘導自己組織化ブロックコポリマーパターンは、既知の技術を用いて下にある基材中に転写される。一つの例では、湿式エッチングまたはプラズマエッチングを、任意にUV露光と組み合わせて、使用し得る。湿式エッチングは酢酸を用いたものであることができる。標準的なプラズマエッチングプロセス、例えば酸素を含むプラズマを使用してよく;追加的に、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、CF
4、CHF
3もプラズマ中に存在してよい。
図1a〜1cは、中性層が変性されてパターン化化学的親和性を画定するケモエピタキシプロセスを例示している(
図1a)。次いで、ブロックコポリマーを、化学的に変性された中性層上にコーティングしそしてアニールして、基材表面に対して垂直のドメインを形成する(
図1b)。これらのドメインのうちの一つを次いで除去して、基材表面上にパターンを形成する(
図1c)。
【0042】
図2aから
図2iは、ネガトーンプロセスを用いた増加ライン形成のための新規プロセスを例示している。
図2aでは多層スタックが基材上に形成されており、ここでこのスタックは、高炭素下層及びケイ素反射防止膜層と、架橋された中性層とフォトレジスト層とを含む基材を含んでいる。任意の基材を使用し得る。リソグラフィプロセスに耐性がありかつ架橋後に中性を維持するものであれば任意の中性層を使用し得る。フォトレジストは、利用可能なものであれば任意のものでよく、例えば193nmフォトレジスト、液浸193nmフォトレジスト、電子線フォトレジスト、EUVフォトレジスト、248nmフォトレジスト、ブロードバンド、365nm、436nmなどがある。フォトレジスト層は慣用の技術を用いて画像形成されてパターンを形成する。
図2bに示すように、ネガトーンフォトレジストを使用し得るし、または未露光の領域を現像除去して非常に狭いトレンチを形成するのに有機溶剤を使用するポジトーンフォトレジストも使用し得る。層を除去するためのプラズマエッチング、層の表面を変性するためのプラズマエッチング、または材料の更なる堆積による層の化学的処理、または任意の他のピン止め方法などの技術を使用して、新規下層は処理され、該新規ブロックコポリマーのブロックのうちの一方に特定の化学的親和性を持ったピン止め表面を形成し、ここで前記ブロックコポリマーは、1.2〜0.8の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比を有し及び前記ブロックは中性層に対し垂直に配向する。
図2cに示すように、中性層を除去するために酸素を含むプラズマを使用し得る。次いで、フォトレジストを、
図2dに示す様に溶剤ストリッパまたはプラズマエッチングを使用して剥ぎ取る。フォトレジストの除去に既知の任意の有機溶剤などの溶剤を使用してよく、例えば1−メトキシ−2−プロパノールアセテート(PGMEA)、1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)、乳酸エチルなどがある。フォトレジストは、露光されたフォトレジストの除去に通常使用されるような水性アルカリ性現像剤でフォトレジストパターンを現像することによって除去してもよい。基材上の中性層は、フォトレジスト加工ステップの後でもなおもその中性を維持している。パターン化された中性層上に、該新規ブロックコポリマーを含む組成物をコーティングしそして処理して(例えばアニール)、該新規ブロックコポリマーの交互セグメントの自己誘導整列パターンを形成する(
図2e)。中性である層は、該新規ブロックコポリマーを整列させて高耐エッチング性の領域及び低耐エッチング性の領域を与えて、パターン増加を
図1eに示す様に達成できるようにするために必要であり;中性層が十分に中性ではない場合には、表面に対し並行な望ましくない配向が達成されるであろう。次いで、
図2fに示す様に、引き続くエッチングはブロックコポリマーの高エッチング性ブロックを除去して、非常に高い解像度のパターン化表面を残す。ブロックの一方を除去する典型的なエッチングは、上述の通り湿式エッチングまたはプラズマエッチングであろう。次いで、
図2g〜2iに示すように、パターンを、反射防止コーティングスタック用のエッチング液を用いて、プラズマエッチングによってより下のスタック層中に転写し得る。典型的なエッチングは、基材に依存してプラズマエッチングであろう。
【0043】
図3a〜3gは、ネガトーンプロセスを用いた増加ライン形成のための新規プロセスを例示している。多層スタックを、
図3aにおいて基材中性層及びフォトレジスト層上に形成し、ここで基材は、高炭素下層及びケイ素反射防止コーティング層を含む。リソグラフィプロセスに耐性がありかつ架橋後に中性を維持するものであれば任意の中性層を使用し得る。フォトレジストは、利用可能なものであれば任意のものでよく、例えば193nmフォトレジスト、液浸193nmフォトレジスト、電子線フォトレジスト、EUVフォトレジスト、248nmフォトレジストなどがある。フォトレジスト層は慣用の技術を用いて画像形成されてパターンを形成する。
図3bに示すようにポジトーンフォトレジストを使用して微細なフォトレジストラインを形成する。場合によっては、フォトレジストをオーバー露光、すなわち高いエネルギー線量で露光して、非常に微細なパターンを形成する。該新規中層下層上の非常に微細なフォトレジストパターンは、1.2〜0.8の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比を有し及び中性層に対し垂直に配向している該新規ブロックコポリマーを用いた自己整列パターンを形成するために使用される。該新規ブロックコポリマーを含む組成物をコーティングしそして処理して(例えばアニール)、ブロックコポリマーの交互セグメントの自己誘導整列パターンを形成する。中性である層は、該ブロックコポリマーを整列させて高耐エッチング性の領域及び低耐エッチング性の領域を与えて、パターン増加を
図3cに示す様に達成できるようにするために必要であり;中性層が十分に中性ではない場合には、図示のものに対し垂直な望ましくない配向が達成されるであろう。次いで、
図3dに示す様に、引き続くエッチングは該新規ブロックコポリマーの高エッチング性ブロックを除去して、非常に高い解像度のパターン化表面を残す。典型的なエッチングは、上述の通り湿式エッチングまたはプラズマエッチングであろう。次いで、
図3e〜gに示すように、パターンを、プラズマエッチングによってより下のスタック層中に転写し得る。典型的なエッチングは、基材に依存してプラズマエッチングであろう。
【0044】
図4a〜4dは、ケモエピタキシプロセスを用いた増加コンタクトホールを形成するための新規方法を例示する。多層スタックを基材上に形成し、ここでこのスタックは、基材(例えばケイ素反射防止コーティング層、チタン反射防止コーティング、二酸化ケイ素など)、中性層及びフォトレジスト層を含んでいる。リソグラフィプロセスに耐性がありかつ架橋後に中性を維持するものであれば任意の中性層を使用し得る。フォトレジストは、利用可能なものであれば任意のものでよく、例えば193nmフォトレジスト、液浸193nmフォトレジスト、電子線フォトレジスト、EUVフォトレジスト、248nmフォトレジストなどがある。フォトレジスト層は慣用の技術を用いて画像形成されてパターンを形成する(
図4a)。下層は、層を除去するためのプラズマエッチング、層の表面を変性するためのプラズマエッチング、または材料の更なる堆積による層の化学的処理及び他のピン止め法などの技術を用いて処理してピン止め表面を形成する。
図4bに示すように中性層を除去するために酸素を含むプラズマを使用し得る。次いで、フォトレジストを、溶剤ストリッパまたはプラズマエッチングを使用して剥ぎ取る。フォトレジストの除去のために既知の有機溶剤、例えばPGMEA、PGME、乳酸エチルなどの溶剤を使用し得る。露光されたフォトレジストの除去に使用される水性アルカリ性現像剤でパターンを現像することによってもフォトレジストを使用してよい。基材上の中性層は、フォトレジスト加工ステップの後でもなおもその中性を維持している。パターン化中性層上に(
図4c)、1.2〜0.8の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比を有し及び中性層に対し垂直に配向している新規ブロックコポリマーを含む該新規組成物をコーティング及び処理(例えばアニール)して、ブロックコポリマーの交互セグメントの自己誘導整列コンタクトホールパターンを形成する。中性のままの層は、該ブロックコポリマーの所望の配向を起こして、高耐エッチング性の領域及び低耐エッチング性の領域を与えて、パターン増加を達成できるようにするために必要であり;中性層が十分に中性ではない場合には、図示のものに対し垂直な望ましくない配向が達成されるであろう。次いで、
図4dに示す様に、引き続くエッチングは該新規ブロックコポリマーの高エッチング性ブロックを除去して、非常に高い解像度のパターン化表面を残す。典型的なエッチングは、上述の通り湿式エッチングまたはプラズマエッチングであろう。次いでパターンを、プラズマエッチングによって下の方のスタック層中に転写し得る。典型的なエッチングは、基材に依存してプラズマエッチングであろう。このプロセスは、パターン調整及びパターンピッチ周波数増加の両方に使用できる。
【0045】
本発明の他の観点の一つでは、上記の該新規ブロックコポリマー調合物を使用するパターン化に有用な誘導自己集合のための一般的な方法は、ステップi)〜iv)を含み、更に、該新規ブロックコポリマー中の、繰り返し単位(2)に対する繰り返し単位(1)のモル比が5.3〜8の間である。しかし、この例では、シリンダ状ミクロドメインを含むミクロ相分離ドメインが基材に対して平行に配向している配向したブロックコポリマー集合体が調製される、というのもシリコンが豊富なドメインが優先的に基材と結合するからである。基材表面に対して並行に配向したシリンジ状ドメインを有するこれらのミクロ相分離ドメインは、ブロックコポリマーの自己集合の間に並行なライン/スペースパターンを供する。こうして配向したドメインは、後の加工条件下に熱的に安定している。そのため、ベーク及び/またはアニールも含んで該新規ブロックコポリマー及び集合体の層をコーティングした後に、ブロックコポリマーのドメインは、中性表面上に形成しかつそれに対し並行に留まり、そうして基材表面上に高
エッチング耐性領域と高エッチング性領域とを与え、これを、更に基材層中にパターン転写することができる。誘導自己組織化ブロックコポリマーパターンは、既知の技術を用いて下にある基材中に転写される。一つの例では、湿式エッチングまたはプラズマエッチングを、任意にUV露光と組み合わせて、使用し得る。湿式エッチングは酢酸を用いたものであることができる。標準的なプラズマエッチングプロセス、例えば酸素を含むプラズマを使用してよく;追加的に、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、CF
4、CHF
3もプラズマ中に存在してよい。
図5に示されるようなグラフォエピタキシ法の具体例の一つは、レジストによって予め形成されたパターンであって、レジストパターン表面がヒドロキシ末端ポリスチレンで処理されてポリマーブラシ表面を形成しているパターンを有することによって、ライン及びスペースを描画するのに使用し得る。
【0046】
図5a〜5gは、グラフォエピタキシ誘導自己集合(DSA)プロセスを用いた増加ラインの形成のための新規方法を例示する。グラフォエピタキシ・プリパターン構造は、
図5aにおいて、多層スタック(基材及びハードマスクB)とその上にトポグラフィカルガイド用ストリップパターン(ハードマスクA)を含み、ここで多層スタックは、高炭素下層、ケイ素反射防止コーティング層、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などの材料を含む。ガイド用トポグラフィカル構造は、多層スタックまたはフォトレジストのためのものと同じ種類の材料から作られている。トレンチ中で並行なシリンダ状BCPを基材に整列させるためには、BCP中のドメインの一つと類似の表面エネルギーを持つブラシ型材料(アライメント層)を、
図5bのようにコーティング及びベークし、そしてグラフトしていない過剰のブラシ型材料を、
図5cのようにトポグラフィカルプリパターン構造を保持するPGMEA、PGME、乳酸エチルなどの有機溶剤ですすぐ。次いで、該新規ブロックコポリマー液を、
図5dのように、化学的処理されたトポグラフィカルプリパターン上にコーティングし、そしてアニールして、
図5eに示すように基材に対して並行なシリンダ状構造を形成する。次いで、典型的には非ケイ素含有BCPドメインである耐エッチング性が比較的低いBCPドメインと、ケイ素含有ドメインの下の領域を除いた薄いブラシ層とを除去して、
図5fのように基材の表面上にラインパターンを生成する。次いで、
図5gのように、ラインパターンを、プラズマエッチングによって、下にあるハードマスクB及び基材中に連続的に転写する。
【0047】
上記のプロセスでは、任意のタイプの基材を使用し得る。一例として、基材としては、高炭素下層のコーティング及びケイ素反射防止コーティングを有する基材を使用してよい。高炭素下層は、約20nm〜約2ミクロンのコーティング厚を有することができる。この上に、約10nm〜約100nmのケイ素反射防止コーティングがコーティングされる。該新規ブロックコポリマーの自己集合化シリンダが基材に対して垂直に配向することが望ましい例では、中性層を使用してよい。
【0048】
以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び利用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に利用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきではない。
【実施例】
【0049】
ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。ポリ(スチレン−ブロック−tert−ブチルメタクリレート(PS−b−PtBMA)は、Polymer Source Inc.124 Avro Street,Dorval(Montreal),Quebec H9P 2X8,カナダから購入した。他の全ての化学品は、Aldrich Chemical Company(Sigma−Aldrich Corp St.Louis,MO,USA)から得た。
【0050】
フィルムのスピンコート及びベークは、Laurel WS−650−23Bスピンコータ−及び東京エレクトロン社のClean Track ACT−8を用いて行った。非ケイ素含有ドメインのプラズマエッチングのためには、Nordson(300 Nordson Dr.M/S 47 Amherst,OH 44001 U.S.A.)MARCHエッチャーを使用した。上面画像及び断面画像は、それぞれ、AMAT(Applied Materials,Inc.3050 Bowers Avenue P.O.Box 58039 Santa Clara,CA 95054−3299 U.S.A.)NanoSEM 3D及び日立(Hitachi High Technologies America Inc.10 North Martingale Road,Suite 500 Schaumburg,Illinois 60173−2295)S−5500で撮影した。
【0051】
例1 ポリ(スチレン−ブロック−メタクリル酸)(PS−b−PMAA)の調製のためのPS−b−PtBMAの加水分解
20.14gのPS−b−PtBMA(PSブロックのMnは29290g/モル(GPC)、PtBMAのMnはNMRで見積もって6000g/モル、PDIは1.04であった)を、磁気攪拌棒及び冷水凝縮器を備えた500mlのフラスコ中で320gの1,4−ジオキサン中に溶解した。この溶液に、ジオキサン中の4M HCl60ml及び脱イオン(DI)水15gを加えた。このフラスコを90℃の油浴中に浸漬し、そしてフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルが1366cm
−1でtert−ブチル基CHピークを示さなくなるまでこの温度で加水分解を行った。反応溶液を室温まで放冷し、そして攪拌しながらDI水中にゆっくりと注ぎ入れた。生じた白色のポリマーを濾過して単離し、そしてDI水及びメタノールで徹底的に洗浄した。最後に、重量が一定になるまでポリマーを真空中で乾燥して17gのPS−b−PMAAを得た。
【0052】
例2 PS−b−PAMA(ポリ(スチレン−ブロック−アリルメタクリレート))の製造
上記で調製した12gのPS−b−PMAAを、磁石棒を含む250mlフラスコ中で、110gの1,4−ジオキサン及び36gのTHF中に溶解した。この溶液に、30gのメタノール中に溶解した6gのテトラメチルアンモニウム5水和物を加えた。混合物を7時間室温で攪拌した後、13gのヨウ化アリルを加えた。この反応混合物を2日間室温で攪拌した。生じたヨウ化テトラメチルアンモニウムを濾別した。この濾液を攪拌しながらメタノール中に注ぎ入れた。生じたポリマーを濾過して単離し、そしてメタノールで徹底的に洗浄した。真空中で乾燥した後、11.2gのPS−b−PAMAが得られた。このポリマーは、34484g/モルのMw、33091
g/モルのMn及び1.04のPDIを有していた。
【0053】
例3 シリコン含有ブロックコポリマーであるポリ(スチレン−ブロック−3−(トリス(トリメチルシリル)シリル)プロピルメタクリレート)(SiBCP)の製造
上述のように調製した2.3gのPS−b−PAMAをトルエン中に溶解して、10重量%の溶液を調製した。トルエン中5重量%のドデカンチオール3.25g及びトリス(トリメチルシリル)シラン11.6gを加えた。氷浴中で混合物を0℃に冷却した後に、ヘキサン中1Mのトリエチルボラン3.2gを、2時間かけて少しづつ加えた。添加後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を攪拌しながらメタノール中に注ぎ入れた。生じたポリマーを濾過して単離しそしてメタノールで徹底的に洗浄した。このポリマーをTHF中に溶解し、そしてDI水中に析出することによって精製した。最後に、ポリマーを、重量が一定となるまで、50℃の減圧炉中で乾燥した。2.5gのSiBCPが得られた。このポリマーは、38032g/モルのMw、36280
g/モルのMn及び1.04のPDIを有していた。
【0054】
例4 試験例
上述のように製造したSiBCPをPGMEA中に溶解して、1.3重量%の溶液を調製した。この溶液を、0.2μmPTFEマイクロフィルタに通して濾過した。この溶液を、2200のrpmで30秒間、6インチケイ素ウェハ上にスピンキャストして28nmの薄いフィルムを得、そしてSiBCPフィルムを5分間、空気中で130℃でアニールした。このフィルムを、15秒間のCF
3プラズマエッチングに付して上面Si湿潤層を除去し、次いで20秒間のO
2プラズマでエッチングしてPSを除去した(エッチャー: MARCHエッチャー、Nordson Corp.)。自己集合ラインパターンを、NanoSEMで観察したところ、SiBCPが熱的にアニール可能であり、ラインパターンについては基材に対して並行なBCPシリンダ状フィンガープリント構造を形成したことを示した。というのも、基材に対して垂直なBCPシリンダ状構造はランダムホールのパターンを生成したであろうからである。