【実施例】
【0019】
(実施例1)
図1は、実施例1における自動分析装置100の概略構成図である。
【0020】
図1において、自動分析装置100は、分析対象の試料が収容された採血管等の検体容器101を検体吸引位置(検体分注位置)110まで搬送する検体容器搬送ユニット102aと、分析に使用する試薬が入っている試薬容器103を設置する試薬保管ユニット104と、図示されていない検体分注ノズルを用いて検体容器101内の試料を試料吐出位置107aに位置する反応容器107bに分注する検体分注ユニット105と、試薬容器103内の試薬を反応容器107bに分注する試薬分注ユニット106とを備える。
【0021】
また、自動分析装置100は、検体と試薬が混合された反応液を収容する反応容器107bを設置し、当反応液の液温がある温度範囲内に入る様に制御する反応促進ユニット(反応ユニット)107と、反応促進ユニット107で反応が促進された反応液中の物質の量を、光学的に測定する測定ユニット108とを備える。これらのユニットは制御装置113によって制御される。
【0022】
試薬保管ユニット104は、例えば複数本の試薬容器103を円周上に配置させ、回転させることで所望の位置に任意の試薬容器103を搬送するものであっても良いし、試薬容器103を一列あるいは縦横に複数列ずつ配置した構成であっても良い。
【0023】
測定ユニット108では、この測定ユニット108内の測定流路内の反応液を対象に光学的な測定を行う。測定ユニット108の測定動作の一例としては、反応液の吸光度の計測や、反応液への試薬の添加、電圧を印加した際の発光量の測定、反応液中の粒子数の計測、あるいは反応液が電極膜に接触した際の電流値や電圧値の変動を計測することがあげられる。
【0024】
そのため、測定ユニット108内には、光電子増倍管や光度計等の測光器や、CCDなどの撮像素子、電流値や電圧値の変動を測定する電流計、電圧計などが設けられている。
【0025】
反応促進ユニット107は、反応容器107bの温度を所定の温度範囲内に保つことによって、安定した反応を進行させる。例えば、円周上に複数の反応容器107bを配置した状態でヒータ等を用いて周囲を加温することにより温度コントロールするインキュベータであっても良いし、一定の温度範囲にコントロールされた液体が循環する槽内に反応容器を浸漬させる恒温槽であっても良い。
【0026】
自動分析装置100に要求される分析性能によっては、検体間のキャリーオーバの影響を考慮して、検体分注ユニット105が検体を分注する際、検体と接触する部分に検体が代わるごとに交換可能な分注チップを用いたり、検体と試薬とを反応させる反応容器107bに、毎回、未使用の反応容器107bを用いたりする場合がある。
【0027】
その際、一度使用した分注チップや反応容器107bは廃棄される。ある時間分の分析を実行するのに必要な新しい分注チップや反応容器107bが消耗品保管ユニット111に保管されており、消耗品搬送ユニット112によって適時、それらを使用する場所に供給される。
【0028】
検体容器搬送ユニット102aは、例えば検体容器101を一本あるいは複数本搭載した検体ラック109aを、搬送ベルト機構によって、直線状の搬送軌跡114aに沿って検体分注ユニット105の吸引位置まで搬送する。
【0029】
検体容器搬送ユニット102aの検体容器101の搬送軌跡114aと検体分注ユニット105の分注ノズルの移動軌跡115との交点、もしくは、接点が検体吸引位置110となる。よって、予め定めた検体吸引位置110を検体容器搬送ユニット102aの搬送軌跡114aが交差するように検体容器搬送ユニット102aが設置される。分注ノズルの移動軌跡115は、検体吸引位置110及び試料吐出位置107aを通過する軌跡である。
【0030】
自動分析装置100で使用できる検体容器101は、単一種類の検体容器101ではなく、複数種類の検体容器101を使用できる。
【0031】
図1に示した例では、5本の検体容器101を搭載できる検体ラック109aに検体容器101を搭載して搬送する。
【0032】
図1に示した例の場合、検体ラック109aは、自動分析装置100の
図1の左側に接続されている検体搬送システム118a−1から自動分析装置100に搬入された後、自動分析装置100の検体容器搬送ユニット102aにより矢印116で示す方向に移動し、検体分注位置110まで搬送される。
【0033】
検体分注位置110において、検体分注が行われた後、矢印117で示す方向に移動され、自動分析装置100の
図1の右側に接続されている検体搬送システム118a−2に搬送され、自動分析装置100から搬出される。
【0034】
ここで、自動分析装置100に接続する検査システムの検体搬送システム(
図1に示した例では、検体搬送システム118a−1、118a−2)に合わせて、自動分析装置100への検体容器101の搬入方向、搬出方向を変更する必要がある。
【0035】
このため、検体容器搬送ユニットは複数種類存在する。
【0036】
図3は、
図1に示した例とは異なる検体搬送システムが適用された場合の実施例1における自動分析装置100の概略構成図である。
図3において、自動分析装置100の右側に接続されている検体搬送システム118b−1から投入され、単数又は複数の検体容器101を搭載する検体ラック109bは、検体搬送システム118b−2、118b−3を介して自動分析装置100の検体容器搬送ユニット102bに搬入された後、直線状の搬送軌跡114bに沿って検体分注位置110まで搬送される。
【0037】
検知分注位置110にて検体分注が行われた後、検体分注位置110までの搬送方向116bと逆方向117bに搬送されて、検体ラック109bは、検体搬送システム118b−3から検体容器101が搬入された位置と同じ場所に戻され自動分析装置100から搬出される。その後、検体搬送システム118b−3、118b−2を介して、検体搬送システム118b−4に回収される。
【0038】
また、
図1に示した例では、検体ラック109aは、自動分析装置100の左側に接続された検体搬送システム118a−1から搬入されて、右側に接続された検体搬送システム118a−2へと搬出されるが、
図2に示す例のような場合もある。
【0039】
図2は、実施例1における、
図1に示した例とはさらに異なる検体搬送システムが適用された場合の自動分析装置の概略構成図である。
図2において、自動分析装置100の左側に接続された検体搬送システ118c−1、118c−3から検体ラック109cが、自動分析装置100の検体容器搬送ユニット102cに搬入された後、矢印116cのように移動されて、搬送軌114cに沿って移動され、検知吸引位置110から矢印117cのように移動され、自動分析装置100の左側に接続された検体搬送システム118c−2に搬出される場合もある。
【0040】
また、検体容器101を設置した検体ラック109cを一時的に貯めておくバッファエリア119が設けられ、このバッファエリア119から自動分析装置100に検体ラック109cが搬送される場合や、自動分析装置100からバッファエリア119に検体ラック109cが搬送される場合もある。
【0041】
図1、
図2、
図3に示す自動分析装置は、形状や構成要素、構造が異なる検体容器搬送ユニット102a、102b、102cを使用しているが、検体分注ユニット105の分注ノズルの軌跡115と、検体容器搬送ユニット102a、102b、102cのそれぞれの検体容器101の搬送軌跡114a、114b、114cとの交点、もしくは、接点である検体吸引位置110は、検体吸引位置110と自動分析装置100を構成する他のユニットとの相対位置が同一になる様に配置されている。
【0042】
図4A、
図4Bは、
図1に示した例において、検体容器搬送ユニット102aを自動分析装置100に取り付ける際に、検体吸引位置110と、検体容器搬送ユニット102aの検体容器101の搬送軌跡114aとが確実に交差可能とする構成の説明図である。
【0043】
図4Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体ラック109a上の複数の検体容器101のうちの
図4Aの左から2番目の検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0044】
また、
図4Bには、
図4Aに示した平面図のA方向から見た矢視図が示されている。
【0045】
図4Bにおいて、検体吸引位置110の下方であり、自動分析装置100の検体容器搬送ユニット102aの取付け面304には、上方に向かって突出するピン306が形成されている。このピン306の形状は円柱状、角柱状のものであってよい。寸法の一例としては、径が10mm、高さが10mmのものが考えられるが、他の寸法であってもよい。
【0046】
検体容器搬送ユニット102aの裏面であって、自動分析装置100の取付け面304と対向する面には、ピン306を挿入する穴305aが形成されている。この穴305aは、円形状、多角形状のものが考えられ、ピン306と同様な形状となっていればよい。
【0047】
検体分注ユニット105は、下方向に延び、検体を分注するための検体分注ノズル303を有し、この検体分注ノズル303が検体吸引位置110に位置したとき、検体分注ノズル303の中心軸303−1の延長線が、ピン306の中心軸と平行となる位置に、ピン306は形成されている。
【0048】
検体容器搬送ユニット102aを自動分析装置100に取付ける際、ピン306に検体容器搬送ユニット102aに形成された穴305aを嵌合させることで、ピン306と穴305aとが、検体容器搬送ユニット102aの位置合わせ機構となり、検体容器搬送ユニット102aを適切な位置に配置することができる。
【0049】
検体容器搬送ユニット102aは、図示の関係上、省略してあるが、ピン306が穴305aに嵌合された状態で、検体ラック109aを搬送させる搬送ベルト等を有し、検体ラック109aに搭載された複数の検体容器101のそれぞれを検体吸引位置110に位置させることができる。
【0050】
図5A、
図5Bは、検体容器搬送ユニット102bを自動分析装置100に取り付ける際に、検体吸引位置110と、検体容器搬送ユニット102bの検体容器101の搬送軌跡114bとが確実に交差可能とする構成の説明図である。
【0051】
図5Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体ラック109b上の複数の検体容器101のうちの
図5Aの左から2番目の検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0052】
また、
図5Bには、
図5Aに示した平面図のB方向から見た矢視図が示されている。
【0053】
図5Bにおいて、上述したように、検体吸引位置110の下方であり、自動分析装置100の検体容器搬送ユニット102a、102bの取付け面304には、上方に向かって突出するピン306が形成されている。
【0054】
そして、検体容器搬送ユニット102bの裏面であって、自動分析装置100の取付け面304と対向する面には、ピン306を挿入する穴305bが形成されている。
【0055】
この穴305bは、円形状、多角形状のものが考えられ、ピン306と同様な形状となっていればよい。
【0056】
検体分注ユニット105の検体分注ノズル303が検体吸引位置110に位置したとき、検体分注ノズル303の中心軸303−1の延長線が、ピン306の中心軸と平行となる位置に、ピン306は形成されている。
【0057】
検体容器搬送ユニット102bを自動分析装置100に取付ける際、ピン306と穴305bとが、検体容器搬送ユニット102bの位置合わせ機構となり、ピン306に検体容器搬送ユニット102bに形成された穴305bを嵌合させることで、検体容器搬送ユニット102bを適切な位置に配置することができる。
【0058】
検体容器搬送ユニット102bは、図示の関係上、省略してあるが、ピン306が穴305bに嵌合された状態で、検体ラック109bを搬送させる搬送ベルト等を有し、検体ラック109bに搭載された複数の検体容器101のそれぞれを検体吸引位置110に位置させることができる。
【0059】
ここで、自動分析装置100では複数種類の検体容器101を使用することができる。
【0060】
図4A、
図4B、
図5A及び
図5Bに示すように、互いに種類が異なる検体容器搬送ユニット102a、102bであっても、同一種類の検体容器101であれば、検体分注ユニット105の検体分注ノズル303と検体容器101との重力方向の相対位置が同一になるように構成することができる。例えば、検体容器101を検体ラック109aに搭載して使用する検体容器搬送ユニット102aの場合でも、検体容器101を検体ラック109bに搭載して使用する検体容器搬送ユニット102bの場合でも、同一種類の検体容器301aであれば、検体分注ノズル303と検体容器301aとの距離302aを同一の距離とすることができる。
【0061】
これは、検体容器搬送ユニット102aの穴305aの深さ寸法と、検体容器搬送ユニット102bの穴305bの深さ寸法を調整することにより、検体容器301aであれば、同一の距離302aとすることができる。
【0062】
同様に、容器301bであれば距離302b、容器301cであれば、距離302cとすることができる。
【0063】
上述のような構成により、検体容器搬送ユニットの種類が異なる場合でも、検体分注動作時における、検体分注ユニット105及び検体容器搬送ユニット102a、102bの構成部品間の相対位置や、検体分注ユニット105の各軸を動かす際の駆動条件を同一にすることができ、検体容器搬送ユニットの変更前後で同一の検体分注動作の安定性を確保することができる。
【0064】
また、検体分注ユニット105による検体分注動作時には、検体容器搬送ユニット102a及び102bと、分注ノズル303との位置関係をより正確に合致させることができる。
【0065】
図1、
図2、
図3に示す自動分析装置100では、操作者のメンテナンス作業の対象であるユニット、たとえば、検体分注ノズル303の清掃や交換、消耗品の交換作業などに関する検体分注ユニット105や消耗品保管ユニット111などは、同一構成のユニットを使用し、ユニット間の相対位置も同一にして配置してある。
【0066】
そのため、操作者は、検体容器搬送ユニット102a又は102b等に関するメンテナンス作業の手順を新たに覚える必要があるものの、自動分析装置100におけるその他のユニットに関するメンテナンス作業の手順は変更がないことから、それらに関する新たな作業手順等を覚える必要が無く、検査システムの変更に伴う操作者の負担を軽減することができる。
【0067】
図2に示した検体容器搬送ユニット102cの場合は、
図4A、
図4Bに示した構成と同様となるので、図示及び詳細な説明は省略する。
【0068】
なお、
図4A、
図4B、
図5A及び
図5Bに示す検体容器搬送ユニット102a、102bは、検体容器101を搭載した検体ラック109a、109bをラック搬送面上で移動させる構造を有しているが、本発明は、この構造に限定されるものではない。
【0069】
図6A、
図6Bは、検体容器搬送ユニット102a、102bとは異なる構造のディスク状(円形状)の検体検知容器搬送ユニット401を自動分析装置100に取り付ける際に、検体吸引位置110と、検体容器搬送ユニット401の検体容器101の円形状の搬送軌跡114dとが確実に交差可能とする構成の説明図である。
【0070】
図6Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体容器搬送ユニット401上の複数の検体容器101のうちの一つの検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0071】
また、
図6Bには、
図6Aに示した平面図のC−C線に沿った簡略断面図が示されている。
【0072】
図6Aに示すように、円形の検体容器搬送ユニット401の円周上に複数の検体容器101が設置され、周方向の搬送軌跡114dに検体容器101が搬送される。
【0073】
図6Bに示すように、検体容器搬送ユニット401は、固定部401fと回転部401rとを有する。固定部401fの底面には、自動分析装置100の取付け面304に形成されたピン306と嵌合する穴305cが形成されている。
【0074】
ピン306と嵌合する穴305cが検体容器搬送ユニット401の位置合わせ機構となる。回転部401rは、固定部401fに取り付けられたディスク回転中心軸402を中心として回転し、検体容器101を検体吸引位置110に搬送する。
【0075】
図6A、
図6Bに示した例においても、同一種類の検体容器101であれば、検体分注ユニット105の検体分注ノズル303と検体容器101との重力方向の相対位置が同一になるように構成することができる。
【0076】
例えば、同一種類の検体容器301aであれば、検体分注ノズル303と検体容器301aとの距離302aを、検体容器搬送ユニット102a及び102bと同一の距離とすることができる。つまり、固定部401fの穴305cの深さ寸法を調整することにより、検体容器301aであれば、同一の距離302aとすることができる。
【0077】
以上のように、実施例1によれば、検体吸引位置110の下方向位置における検体容器搬送ユニット取付け面304に、検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401に形成された穴305a、305b、305cと嵌合するピン306を形成したので、検体容器搬送ユニットの種類が異なる場合でも、検体分注動作時における、検体分注ユニット105及び検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401の構成部品間の相対位置や、検体分注ユニット105の各軸を動かす際の駆動条件を同一にすることができ、検体容器搬送ユニットの変更前後で同一の検体分注動作の安定性を確保することができる。
【0078】
また、操作者は、検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401に関するメンテナンス作業の手順を新たに覚える必要があるものの、自動分析装置100におけるその他のユニットに関するメンテナンス作業の手順は変更がないことから、それらに関する新たな作業手順等を覚える必要が無く、検査システムの変更に伴う操作者の負担を軽減することができる。
【0079】
つまり、検査システムの構成が変更されても、大幅な構成の変更を伴わず、コストアップを抑制でき、かつ、検査システムの構成の変更に伴う操作者の負担を軽減可能な自動分析装置を実現することができる。
【0080】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。
【0081】
図7A、
図7Bは、実施例2において、検体容器搬送ユニット102aを自動分析装置100に取り付ける際に、検体吸引位置110と、検体容器搬送ユニット102aの検体容器101の搬送軌跡114aとが確実に交差可能とする構成の説明図である。
【0082】
図7Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体ラック109a上の複数の検体容器101のうちの
図7Aの左から2番目の検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0083】
また、
図7Bには、
図7A部に示した平面図のA方向から見た矢視図が示されている。
【0084】
検体吸引位置110の下方であり、自動分液装置100の検体容器搬送ユニット102aの取付け面304には、穴305cが形成されている。この穴305cの形状は円柱状、角柱状のものであってよい。寸法の一例としては、径が10mm、高さが10mmのものが考えられるが、他の寸法であってもよい。
【0085】
また、検体容器搬送ユニット102aの裏面であって、自動分析装置100の取付け面304と対向する面には、穴305cに挿入するピン306が形成されている。このピン306は、円形状、多角形状のものが考えられ、穴305cと同様な形状となっていればよい。
【0086】
検体分注ユニット105の検体分注ノズル303が検体吸引位置110に位置したとき、検体分注ノズル303の中心軸303−1の延長線が、ピン306の中心軸と平行となる位置に、ピン306は形成されている。
【0087】
検体容器搬送ユニット102aを自動分析装置100に取付ける際、ピン306と穴305cとが検体容器搬送ユニット102aの位置合わせ機構となり、ピン306を取付け面304に形成された穴305cを嵌合させることで、検体容器搬送ユニット102aを適切な位置に配置することができる。
【0088】
他の構成は、実施例1と同様であるので、図示及び詳細な説明は省略する。
【0089】
なお、検体容器搬送ユニット102aについて説明したが、実施例2は、検体容器搬送ユニット102b、102c、401に
図7Bに示すような下方に延びるピン306を形成し、取付け面304に穴305cを形成する例も含むものである。
【0090】
実施例2においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0091】
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。
【0092】
上述した実施例1及び実施例2は、検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401と、自動分析装置100の検体容器搬送ユニットの取付け面304に設けるピン306又は穴305cの位置は、検体吸引位置110に位置する検体分注ノズル303の軸303−1の延長線に一致している。
【0093】
しかしながら、検体吸引位置110と検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401の搬送軌跡114a、114b、114c、114dが検体吸引位置110と交差するように、検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401を位置決め可能であれば、ピン306又は穴305cの位置を、検体吸引位置110に位置する検体分注ノズル303の軸303−1の延長線に一致させなくともよい。
【0094】
実施例3は、ピン又は穴の形成位置が、検体分注ノズル303の軸303−1の延長線に一致していない場合の例である。
【0095】
図8は、実施例3の説明図であり、検体容器搬送ユニット102aについて、ピン又は穴の形成位置が、検体分注ノズル303の軸303−1の延長線に一致していない場合の例の概略平面図であり、
図9は検体容器搬送ユニット102bについて、
図8の例と同様に一致していない場合の例の概略平面図である。
【0096】
図8において、601a及び601bは、
図4Bに示したようなピン306と穴305aとが形成される位置を上面から示す図である。
【0097】
ピンと穴との組み合わせ位置601aは、取付け面306にピン306が形成され、検体容器搬送ユニット102aの裏面に穴305aが形成される位置を示している。
【0098】
位置601aは、検体吸引位置110を原点とし、この原点から
図8の紙面上横方向距離が602aであり、縦方向距離が603aの位置である(検体吸引位置110から一定の水平距離だけ離間した位置)。
【0099】
また、ピンと穴との組み合わせ位置601bも、取付け面306にピン306が形成され、検体容器搬送ユニット102aの裏面に穴305aが形成される位置を示している。
【0100】
そして、位置601bは、検体吸引位置110を原点とし、この原点から
図8の紙面上横方向距離が602bであり、縦方向距離が603bの位置である。
【0101】
図9において、ピンと穴との組み合わせ位置601aは、取付け面306にピン306が形成され、検体容器搬送ユニット102bの裏面に穴305aが形成される位置を示している。
【0102】
図8に示した例と同様に、位置601aは、検体吸引位置110を原点とし、この原点から
図9の紙面上横方向距離が602aであり、縦方向距離が603aの位置である。
【0103】
また、ピンと穴との組み合わせ位置601bも、取付け面306にピン306が形成され、検体容器搬送ユニット102aの裏面に穴305aが形成される位置を示している。
【0104】
そして、位置601bは、
図8に示した例と同様に、検体吸引位置110を原点とし、この原点から
図9の紙面上横方向距離が602bであり、縦方向距離が603bの位置である。
【0105】
その他の構成は、実施例1と同様であるので、図示及びその詳細な説明は省略する。
【0106】
また、図示した例は、検体容器搬送ユニット102a及び102bに適用した場合の例であるが、実施例3は、検体容器搬送ユニット102c及び401にも適用可能である。
【0107】
実施例3においても、ピンと穴とが検体容器搬送ユニット102a、102bの位置合わせ機構となり、実施例1と同様な効果が得られる。実施例3においては、ピンと穴との組み合わせ位置が2点であるので、検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、401の位置合わせをさらに高精度に行うことができる。
【0108】
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。
【0109】
上述した実施例1〜3は、ピンと穴とを嵌合させて、検体容器搬送ユニットの位置合わせを行う例であるが、実施例4は、ピンではなく、位置合わせ治具を使用して検体容器搬送ユニットの位置合わせを行う例である。
【0110】
図10A、
図10B、
図11A及び
図11Bは、実施例4の説明図である。
【0111】
図10Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体容器搬送ユニット102dにより搬送された検体ラック109a上の複数の検体容器101のうちの左から2番目の検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0112】
また、
図10Bには、
図10Aに示した平面図のA方向から見た矢視図が示されている。
【0113】
図10Bにおいて、検体容器搬送ユニット102dの取り付け面304に穴305eを形成し、検体容器搬送ユニット102dの裏面に穴305dを形成する。検体容器搬送ユニット102dを取付け面304に固定する際に、穴305e、305d及び位置合わせ治具307aが位置合わせ機構となり、穴305e及び305dの両穴に位置合わせ治具307aを設置することで、検体吸引位置110に対して検体容器搬送ユニット102dの位置決めを行うことができる。位置合わせ治具307aは、円柱形状や、角柱形状であってもよく、位置合わせ治具307aの形状と、穴305d及び305eの形状とは、適合する形状となっている。
【0114】
図11A、
図111Bは、位置合わせ治具を用いて位置合わせを行う場合の変形例を示す図である。
【0115】
図11Aには、検体吸引位置110から検体を吸引する位置の検体分注ユニット105と、検体容器搬送ユニット102dにより搬送された検体ラック109a上の複数の検体容器101のうちの左から2番目の検体容器101が検体吸引位置110に位置する状態を示す平面図が示されている。
【0116】
また、
図11Bには、
図11Aに示した平面図のA方向から見た矢視図が示されている。
【0117】
図11Bにおいて、検体容器搬送ユニット102eには、穴305fが形成されており、この穴305fを検体吸引位置110であろう箇所まで移動させる。検体容器搬送ユニット102eには、図示した矢印方向に位置を調整可能な調整代501a、501b、501cが形成されている。
【0118】
検体容器搬送ユニット102eを自動分析装置100の検体容器搬送ユニット設置面に固定する際、位置合わせ治具307bを用いて検体容器搬送ユニット102eの位置を調整しながら固定する。
【0119】
位置合わせ治具307bは、検体分注ノズル303の軸303−1と、その軸が同一となるように、設定可能な穴もしくはピンを有する。
【0120】
検体容器搬送ユニット102eを自動分析装置100の検体容器搬送ユニット設置面に取り付ける際は、位置合わせ治具307aと穴307fとが位置合わせ機構となり、位置合わせ治具307aの突出部505を検体容器搬送ユニット102eの穴305fに一致させて挿入し、位置合わせ治具307bの軸と分注ノズル303の軸303−1とが一致するように、検体容器搬送ユニット102eを調整代501a、502bの方向に移動させて位置を調整する。
【0121】
また、位置合わせ治具307bには、検体分注ノズル303と検体容器搬送ユニット102eの検体ラックの設置面との間の距離の代表寸法502が作りこまれている。代表寸法502のひとつには、例えば、自動分析装置100のリセット動作が終了したときの検体分注ノズル303の先端と、検体容器搬送ユニット102eのラック設置面との距離がある。
【0122】
例えば、位置合わせ治具307bの検体容器搬送ユニット102eへの設置面503から代表寸法502に等しい距離に検体分注ノズル303が接触可能な面が形成された凹部の面504(図示した例では、検体分注ノズル303が挿入される凹部の底面)を設け、この面504に検体分注ノズル303の先端が接触するように検体容器搬送ユニット102eを調整代501cの方向に移動させて位置を調整する。
【0123】
上記手順で検体容器搬送ユニット102eを調整代501a、501b、501cの各方向に移動をさせて位置調整した後、検体容器搬送ユニット102eを固定することができる。
【0124】
実施例4においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0125】
以上の実施例によれば、検知分注ユニット105のノズル303の移動軌跡と検体容器搬送ユニット102a等の検体容器搬送軌跡との交点である検体吸引位置110に、検体容器搬送ユニットの位置決め可能なピン306およびピン306と嵌合可能な穴305a等の位置決め部材を備えるように構成したので、検体容器搬送ユニットの種類が異なる場合でも、検体分注動作時における、検体分注ユニット105及び検体容器搬送ユニット102a、102b、102c、102d、401の構成部品間の相対位置や、検体分注ユニット105の各軸を動かす際の駆動条件を同一にすることができ、検体容器搬送ユニットの変更前後で同一の検体分注動作の安定性を確保することができる。
【0126】
また、操作者は、自動分析装置100における大部分のユニットに関するメンテナンス作業の手順は変更がないことから、それらに関する新たな作業手順等を覚える必要が無く、検査システムの変更に伴う操作者の負担を軽減することができる。