【実施例】
【0111】
実施例(合成例、使用例を含む)により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、使用例1の組成物と使用例2の組成物との混合物を含む。本発明は、使用例の組成物の少なくとも2つを混合することによって調製した組成物をも含む。
【0112】
1.化合物(1)の実施例
化合物(1)は、下記の手順により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物や組成物の物性、および素子の特性は、下記の方法により測定した。
【0113】
NMR分析:測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。
1H−NMRの測定では、試料をCDCl
3などの重水素化溶媒に溶解させ、室温、500MHz、積算回数16回の条件で測定した。テトラメチルシランを内部標準として用いた。
19F−NMRの測定では、CFCl
3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
【0114】
ガスクロマト分析:測定には、島津製作所製のGC−2010型ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウム(1ml/分)を用いた。試料気化室の温度を300℃、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。試料はアセトンに溶解して、1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μlを試料気化室に注入した。記録計には島津製作所製のGCSolutionシステムなどを用いた。
【0115】
HPLC分析:測定には、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。
【0116】
紫外可視分光分析:測定には、島津製作所製のPharmaSpec UV−1700用いた。検出波長は190nmから700nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。
【0117】
測定試料:相構造および転移温度(透明点、融点、重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのものを試料として用いた。ネマチック相の上限温度、粘度、光学異方性、誘電率異方性などの物性を測定するときには、化合物と母液晶との混合物を試料として用いた。
【0118】
化合物を母液晶と混合した試料を用いた場合は、次のように測定した。化合物15重量%と母液晶85重量%とを混合して試料を調製した。この試料の測定値から、次の式で表される外挿法にしたがって、外挿値を計算し、この値を記載した。〈外挿値〉=(100×〈試料の測定値〉−〈母液晶の重量%〉×〈母液晶の測定値〉)/〈化合物の重量%〉
【0119】
化合物と母液晶との割合がこの割合であっても、結晶(または、スメクチック相)が25℃で析出する場合には、化合物と母液晶との割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更をしていき、結晶(または、スメクチック相)が25℃で析出しなくなった割合で試料の物性を測定した。なお、特に断りのない限り、化合物と母液晶との割合は、15重量%:85重量%である。
【0120】
化合物の誘電率異方性がゼロまたは正であるときは、下記の母液晶(A)を用いた。各成分の割合を、重量%で表した。
【0121】
化合物の誘電率異方性がゼロまたは負であるときは、下記の母液晶(B)を用いた。各成分の割合を重量%で表した。
【0122】
測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載されている。これを修飾した方法も用いた。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
【0123】
(1)相構造:偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置いた。この試料を、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。
【0124】
(2)転移温度(℃):測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたはエスアイアイ・ナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。
【0125】
結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC
1またはC
2と表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれS
A、S
B、S
C、またはS
Fと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。
【0126】
(3)化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。この母液晶に測定する化合物を添加した。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。これらの条件が相溶性の尺度である。
【0127】
(4)ネマチック相の上限温度(T
NIまたはNI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、T
NIの記号で示した。試料が化合物(1)と成分(b)、(c)、(d)のような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
【0128】
(5)ネマチック相の下限温度(T
C;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、T
Cを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
【0129】
(6)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
【0130】
(7)光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
【0131】
(8)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
【0132】
(9)電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
【0133】
(10)電圧保持率(VHR−2;80℃で測定;%):25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記の方法で電圧保持率を測定した。得られた結果をVHR−2の記号で示した。
【0134】
誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、特性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法は、測定(11a)から測定(15a)に記載した。誘電率異方性が負の場合は、測定(11b)から測定(15b)に記載した。
【0135】
(11a)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
【0136】
(11b)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
負の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmのVA素子に試料を入れた。この素子に39ボルトから50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性の項で測定した値を用いた。
【0137】
(12a)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0138】
(12b)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
【0139】
(13a)弾性定数(K;25℃で測定;pN)
正の誘電率異方性:測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量(C)および印加電圧(V)を測定した。これらの値を「液晶デバイスハンドブックク」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK
11およびK
33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK
11およびK
33の値を用いてK
22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK
11、K
22、およびK
33の平均値で表した。
【0140】
(13b)弾性定数(K
11およびK
33;25℃で測定;pN)
負の誘電率異方性:測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
【0141】
(14a)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
【0142】
(14b)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。
【0143】
(15a)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
【0144】
(15b)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cm
2の紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
【0145】
[合成例1]化合物(1−1−1)
【0146】
化合物(r−1)(10.0g,26.9mmol)、エタノール(3.9g、85.3mmol)、トリフェニルホスフィン(25.6g、97.5mmol)をテトラヒドロフラン(THF;100mL)に溶解させ、氷浴上で冷却した。そこへ、アゾジカルボン酸エチル(DEAD;2.2mol/Lのトルエン溶液;44.3mL、97.5mmol)を滴下し、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、さらにヘプタン/エタノール=1/3(体積比)から再結晶して1.2gの化合物(1−1−1)を得た。
【0147】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.16(s,2H),4.07(q,4H),1.41(t,6H).
【0148】
転移温度の測定には、化合物(1−1−1)をそのまま試料として用いた。上限温度(T
NI)、誘電率異方性(Δε)および光学異方性の測定には、化合物(1−1−1)と母液晶Bの混合物を試料として用いた。この測定法は、以下で合成した化合物にも採用した。
転移温度:C
1 49.9 C
2 68.8 I.T
NI=−116.1℃,Δε=−9.11,Δn=−0.017.
【0149】
[合成例2]化合物(1−1−3)
【0150】
化合物(r−1)(10.0g,26.9mmol)、1−ブタノール(6.3g、85.3mmol)、トリフェニルホスフィン(25.6g、97.5mmol)をTHF(100mL)に溶解させ、氷浴上で冷却した。そこへ、DEAD(2.2mol/Lのトルエン溶液;44.3mL、97.5mmol)を滴下し、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、さらにエタノールから再結晶して2.38gの化合物(1−1−3)を得た。
【0151】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.15(s,2H),3.99(t,4H),1.78(quin,4H),1.50(sex,4H),0.97(t,6H).転移温度:C 17.7 I.T
NI=−101.4℃,Δε=−10.1,Δn=−0.003.
【0152】
[合成例3]化合物(1−1−14)
【0153】
〈第1工程〉化合物(r−2)の合成
化合物(r−1)(18.0g,73.1mmol)をピリジン(100mL)に溶解させ、氷浴上で冷却した。そこへトリフルオロメタンスルホン酸無水物(29.7mL、175.5mmol)を滴下し、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルへ溶解させ、このエーテル溶液を2M塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1、体積比)で精製して34.9gの化合物(r−2)を得た。
【0154】
〈第2工程〉化合物(r−3)の合成
化合物(r−2)(15.1g,29.5mmol)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(0.202g、0.29mmol)、ヨウ化銅(I)(0.067g、0.35mmol)をトリエチルアミン(60mL)に溶解させ、そこへ、ペント−1−イン(4.31g、63.3mmol)を滴下し、室温で7日間終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣をトルエンに溶解させ、このトルエン溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製して7.80gの化合物(r−3)を得た。
【0155】
〈第3工程〉化合物(1−1−14)の合成
化合物(r−3)(3.80g,11.0mmol)をTHF(50mL)へ溶解させ、そこへ水素化アルミニウムリチウム(1.25g、32.9mmol)を加え、21時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を1M塩酸、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製した。これをアセトニトリル(8mL)に溶解させ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム二水和物(0.46g、2.28mmol)、6M塩酸(0.38mL)を加え、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応混合物をヘプタンにあけた。有機層を水、食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製し、さらにメタノールから再結晶して、化合物(1−1−14)を得た。
【0156】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.56(s,2H)、6.68(d,2H)、6.09(tt,2H)、2.22(q,4H)、1.52(sex,4H),0.95(t,6H).転移温度:C 17.8 I.T
NI=−116.4℃,Δε=−4.37,Δn=0.014.
【0157】
[合成例4]化合物(1−1−27)
【0158】
化合物(r−3)(3.00g,8.66mmol)をトルエン(25mL)と2−プロパノール(25mL)に溶解させ、そこへPd/C(0.17g)を加え、水素雰囲気下、水素を吸収しなくなるまで撹拌した。Pd/Cをろ別した後、溶媒を留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製し、さらにメタノールから再結晶して化合物(1−1−27)を得た。
【0159】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.36(s,2H),2.75(t,4H)、1.62(quin,4H)、2.22(q,4H)、1.40−1.31(m,8H)、0.91(t,6H).転移温度:C 21.0 I.T
NI=−154.1℃,Δε=−2.36,Δn=−0.053.
【0160】
[合成例5]化合物(1−2−20)
【0161】
〈第1工程〉化合物(r−5)の合成
化合物(r−4)(10.0g,35.7mmol)、t−BuOK(4.50g、40.1mmol)をTHF(10mL)へ溶解させ、−78℃に冷却した後、n−BuLi(1.6M/Lのヘキサン溶液;25.0mL、38.8mmol)を滴下し、同温で2時間撹拌した。そこへTHF(5mL)に溶解させた1−ブタナール(3.37g、40.1mmol)を滴下し、−78℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで戻した後、水へ注ぎ込んだ。塩化アンモニウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1、体積比)で精製して8.62gの化合物(r−5)を得た。
【0162】
〈第2工程〉化合物(r−6)の合成
化合物(r−5)(8.62g,23.5mmol)をトルエン(80mL)に溶解させ、そこへp-トルエンスルホン酸一水和物(0.23g、1.21mmol)を加え、発生する水を留去しながら5時間加熱還流をした。冷却後反応混合物を飽和重曹水へ注ぎ込んだ。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製して6.37gの化合物(r−6)を得た。
【0163】
〈第3工程〉化合物(1−2−20)の合成
化合物(r−6)(6.37g,18.2mmol)をTHF(50mL)へ溶解させ、そこへテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M/LのTHF溶液;19mL,19.0mmol)を10℃以下の温度で滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を水へ注ぎ込み、トルエンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製し、さらにメタノールから再結晶して、4.78gの化合物(1−2−20)を得た。
【0164】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.17(d,1H),7.03(t,1H),6.63(d,1H)、5.97(tt,1H),4.11(q,2H),2.18(q,2H)、1.49(sex,2H)、1.45(t,3H)、0.95(t,3H).転移温度:C 11.7 I.T
NI=−144.1℃,Δε=−4.05,Δn=−0.013.
【0165】
[合成例6]化合物(1−2−27)
【0166】
化合物(1−2−20)(3.61g,13.1mmol)をトルエン(25mL)、2−プロパノール(25mL)に溶解させ、そこへPd/C(0.14g)を加え、水素雰囲気下、水素を吸収しなくなるまで撹拌した。Pd/Cをろ別した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/トルエン=9/1、体積比)で精製し、さらにメタノールから再結晶して2.47gの化合物(1−2−27)を得た。
【0167】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.02(t,1H),6.94(d,1H),4.08(q,2H),2.69(td,2H),1.55(quin,2H),1.44(t,3H),1.35−1.29(m,4H)、0.89(t,3H).
転移温度:C 8.9 I.T
NI=−166.1℃,Δε=−2.78,Δn=−0.066.
【0168】
[合成例7]化合物(1−2−9)
【0169】
〈第1工程〉化合物(r−8)の合成
化合物(r−7)(6.64g,22.4mmol)、1−ブタノール(1.84g、24.8mmol)、トリフェニルホスフィン(6.52g、24.9mmol)をTHF(70mL)へ溶解させ、氷冷下でDEAD(2.2M/Lのヘキサン溶液;11.2mL、24.6mmol)を滴下し、さらに室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/トルエン=4/1、体積比)で精製して6.27gの化合物(r−8)を得た。
【0170】
〈第3工程〉化合物(1−2−9)の合成
化合物(r−8)(6.27g,17.8mmol)をTHF(50mL)へ溶解させ、そこへテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M/LのTHF溶液;18mL,18.0mmol)を10℃以下の温度で滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を水へ注ぎ込み、トルエンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/トルエン=2/1、体積比)で精製し、さらにメタノールから再結晶して2.17gの化合物(1−2−9)を得た。
【0171】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.04(t,1H),6.64(d,1H),4.05(q,2H)、3.96(t,2H),1.77(q,2H)、1.49(sex,2H),1.42(t,3H),0.96(t,3H).転移温度:C 9.2 I.T
NI=−137.4℃,Δε=−6.58,Δn=−0.026.
【0172】
[合成例8]化合物(1−4−1)
【0173】
化合物(r−9)(5.00g,22.5mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、そこへ氷冷下ジエチルアミノサルファトリフルオリド(DAST)(6.2mL;7.6g)を加え、室温で終夜撹拌した。飽和炭酸ナトリウム水溶液へ反応溶液を注ぎ込みジクロロメタンで抽出後、油層を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製し、さらにメタノールから再結晶して化合物(1−4−1)を得た。
【0174】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.02(s,2H),6.44(t,2H),4.07(q,4H),1.41(t,6H).Δε=−8.55.
【0175】
[比較例1]
比較のために、国際公開第2011/098224号の実施例1に開示された化合物(Ex−1)を選んで合成した。
【0176】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):6.62(dd,2H),3.98(t,4H),1.77(quin,4H),1.49(sex,4H),0.97(t,6H).転移温度:C −8.2 I.T
NI=−124.1℃,Δε=−5.88,Δn=−0.014.
【0177】
ベンゼン環上における2位と3位の置換基以外同一構造を有する比較化合物(Ex−1)と化合物(1−1−3)の物性を、「測定方法」の項で記載したように、同一の条件下で測定した。結果を下の表1にまとめた。2つの化合物は融点を有したが、ネマチック相を示さなかった。化合物(1−1−3)の誘電率異方性は、比較化合物(Ex−1)の約1.7倍であり、上限温度は23度高いことが分かった。したがって、化合物(1−1−3)は、比較化合物(Ex−1)に比べ、上限温度や誘電率異方性の観点から有用であると結論できる。
【0178】
注)光学異方性は、マイナスの値であった。これは、外挿法に起因する。
【0179】
合成例1などに記載された方法や、「2.化合物(1)の合成」の項を参考にしながら、以下に示す化合物を合成することが可能である。
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
2.液晶組成物の実施例
本発明は、使用例1の組成物と使用例2の組成物との混合物を含む。本発明は、使用例の組成物の少なくとも2つを混合した混合物をも含む。使用例における化合物は、下記の表2の定義に基づいて記号により表した。表2において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。使用例において記号の後にあるかっこ内の番号は、化合物が属する化学式を表す。(−)の記号は化合物(2)から(15)とは異なる、その他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、組成物の物性値をまとめた。物性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。
【0193】
【0194】
[使用例1]
4O−B(2CF3,3CF3)−O4 (1−1−3) 3%
3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−57) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 3%
3−HH−V (2−1) 40%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB―F (12−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (13−97) 5%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (13−113) 4%
3−HHBB(F,F)−F (14−6) 3%
NI=77.9℃;η=14.0mPa・s;Δn=0.101;Δε=6.8.
【0195】
[使用例2]
2O−B(2CF3,3CF3)−O2 (1−1−1) 3%
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−41) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 6%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (14−47) 3%
3−HH−V (2−1) 40%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB―F (12−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (13−97) 10%
3−HHBB(F,F)−F (14−6) 3%
NI=77.1℃;η=12.7mPa・s;Δn=0.101;Δε=5.7.
【0196】
[使用例3]
3V−B(2CF3,3CF3)−V3 (1−1−14) 5%
1V2−BEB(F,F)−C (15−15) 5%
3−HB−C (15−1) 17%
2−BTB−1 (2−10) 10%
5−HH−VFF (2−1) 29%
3−HHB−1 (3−1) 4%
VFF−HHB−1 (3−1) 8%
VFF2−HHB−1 (3−1) 10%
3−H2BTB−2 (3−17) 5%
3−H2BTB−3 (3−17) 4%
3−H2BTB−4 (3−17) 3%
NI=71.5℃;Δn=0.124;Δε=5.6.
【0197】
[使用例4]
5−B(2CF3,3CF3)−5 (1−1−27) 4%
2−HH−3 (2−1) 5%
3−HH−V1 (2−1) 10%
1V2−HH−1 (2−1) 8%
1V2−HH−3 (2−1) 7%
3−BB(2F,3F)−O2 (5−3) 7%
5−BB(2F,3F)−O2 (5−3) 3%
3−H1OB(2F,3F)−O2 (5−5) 6%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 8%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 19%
3−HDhB(2F,3F)−O2 (−) 7%
3−HHB−1 (3−1) 3%
3−HHB−3 (3−1) 2%
2−BB(2F,3F)B−3 (5−3) 11%
NI=78.3℃;η=22.5mPa・s;Δn=0.102;Δε=−4.3.
【0198】
[使用例5]
4O−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−9) 3%
1−BB−3 (2−6) 9%
3−HH−V (2−1) 29%
3−BB(2F,3F)−O2 (5−3) 11%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 20%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 14%
3−HHB−1 (3−1) 8%
5−B(F)BB−2 (3−8) 6%
NI=70.5℃;η=15.4mPa・s;Δn=0.100;Δε=−3.1.
【0199】
[使用例6]
3V−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−20) 4%
2−HH−3 (2−1) 16%
7−HB−1 (2−5) 9%
5−HB−O2 (2−5) 8%
3−HB(2F,3F)−O2 (5−1) 15%
5−HB(2F,3F)−O2 (5−1) 15%
3−HHB(2F,3CL)−O2 (6−12) 3%
4−HHB(2F,3CL)−O2 (6−12) 3%
5−HHB(2F,3CL)−O2 (6−12) 2%
3−HH1OCro(7F,8F)−5 (9−6) 5%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 10%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 10%
NI=70.2℃;η=23.8mPa・s;Δn=0.101;Δε=−2.5.
【0200】
[使用例7]
5−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−27) 3%
2−HH−3 (2−1) 20%
3−HH−4 (2−1) 9%
1−BB−3 (2−8) 8%
3−HB−O2 (2−5) 2%
3−BB(2F,3F)−O2 (5−3) 8%
5−BB(2F,3F)−O2 (5−3) 5%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 13%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (6−5) 21%
3−HHB−1 (3−1) 5%
3−HHB−O1 (3−1) 3%
5−B(F)BB−2 (3−8) 3%
NI=70.3℃;η=16.2mPa・s;Δn=0.093;Δε=−3.2.
【0201】
[使用例8]
2O−B(2F,3SF5)−O2 (1−5−1) 3%
2−HH−5 (2−1) 3%
3−HH−4 (2−1) 15%
3−HH−5 (2−1) 4%
3−HB−O2 (2−5) 12%
3−H2B(2F,3F)−O2 (5−4) 12%
5−H2B(2F,3F)−O2 (5−4) 15%
3−HHB(2F,3CL)−O2 (6−12) 5%
2−HBB(2F,3F)−O2 (6−7) 3%
3−HBB(2F,3F)−O2 (6−7) 9%
5−HBB(2F,3F)−O2 (6−7) 9%
3−HHB−1 (3−1) 3%
3−HHB−3 (3−1) 4%
3−HHB−O1 (3−1) 3%
【0202】
[使用例9]
2O−B(2SF5,3SF5)−O2 (1−6−1) 3%
3−HB−O1 (2−5) 15%
3−HH−4 (2−1) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (5−1) 12%
5−HB(2F,3F)−O2 (5−1) 12%
2−HHB(2F,3F)−1 (6−1) 11%
3−HHB(2F,3F)−1 (6−1) 12%
3−HHB(2F,3F)−O2 (6−1) 11%
5−HHB(2F,3F)−O2 (6−1) 13%
3−HHB−1 (3−1) 6%
【0203】
[使用例10]
5−B(2SF5,3SF5)−5 (1−6−27) 3%
5−HB−CL (12−2) 3%
7−HB(F)−F (12−3) 7%
3−HH−4 (2−1) 9%
3−HH−5 (2−1) 10%
3−HB−O2 (2−5) 13%
3−HHEB−F (13−10) 8%
5−HHEB−F (13−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (13−12) 9%
4−HHEB(F,F)−F (13−12) 5%
3−GHB(F,F)−F (13−109) 4%
4−GHB(F,F)−F (13−109) 5%
5−GHB(F,F)−F (13−109) 7%
2−HHB(F,F)−F (13−3) 4%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 5%
【0204】
[使用例11]
2O−B(2CF2H,3CF2H)−O2 (1−4−1) 3%
5−HB−CL (12−2) 14%
7−HB(F,F)−F (12−4) 3%
3−HH−4 (2−1) 10%
3−HH−5 (2−1) 5%
3−HB−O2 (2−5) 15%
3−HHB−1 (3−1) 8%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
2−HHB(F)−F (13−2) 7%
3−HHB(F)−F (13−2) 7%
5−HHB(F)−F (13−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 6%
3−H2HB(F,F)−F (13−15) 5%
4−H2HB(F,F)−F (13−15) 5%
【0205】
[使用例12]
2O−B(2CF3,3CF3)−O2 (1−1−1) 2%
4O−B(2CF3,3CF3)−O4 (1−1−3) 2%
3−HB−CL (12−2) 5%
5−HB−CL (12−2) 3%
3−HHB−OCF3 (13−1) 5%
3−H2HB−OCF3 (13−13) 5%
5−H4HB−OCF3 (13−19) 15%
V−HHB(F)−F (13−2) 4%
3−HHB(F)−F (13−2) 4%
5−HHB(F)−F (13−2) 7%
3−H4HB(F,F)−CF3 (13−21) 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 (13−21) 10%
5−H2HB(F,F)−F (13−15) 5%
5−H4HB(F,F)−F (13−21) 7%
2−H2BB(F)−F (13−26) 5%
3−H2BB(F)−F (13−26) 8%
3−HBEB(F,F)−F (13−39) 5%
NI=64.3℃;η=27.1mPa・s;Δn=0.092;Δε=8.0.
【0206】
[使用例13]
3V−B(2CF3,3CF3)−V3 (1−1−14) 3%
5−B(2CF3,3CF3)−5 (1−1−27) 3%
5−HB−CL (12−2) 10%
3−HH−4 (2−1) 7%
3−HHB−1 (3−1) 5%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (13−24) 18%
5−HBB(F,F)−F (13−24) 15%
3−HHEB(F,F)−F (13−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (13−12) 3%
5−HHEB(F,F)−F (13−12) 3%
2−HBEB(F,F)−F (13−39) 3%
3−HBEB(F,F)−F (13−39) 5%
5−HBEB(F,F)−F (13−39) 3%
3−HHBB(F,F)−F (14−6) 5%
NI=67.8℃;Δn=0.096;Δε=8.2.
【0207】
[使用例14]
4O−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−9) 5%
5−HB−F (12−2) 12%
6−HB−F (12−2) 9%
7−HB−F (12−2) 7%
2−HHB−OCF3 (13−1) 6%
3−HHB−OCF3 (13−1) 7%
4−HHB−OCF3 (13−1) 7%
5−HHB−OCF3 (13−1) 5%
3−HH2B−OCF3 (13−4) 4%
5−HH2B−OCF3 (13−4) 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H (13−3) 3%
3−HHB(F,F)−OCF3 (13−3) 4%
3−HH2B(F)−F (13−5) 3%
3−HBB(F)−F (13−23) 8%
5−HBB(F)−F (13−23)10%
5−HBBH−3 (4−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (4−2) 3%
NI=74.2℃;η=15.2mPa・s;Δn=0.085;Δε=4.0.
【0208】
[使用例15]
3V−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−20) 6%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 9%
3−H2HB(F,F)−F (13−15) 7%
4−H2HB(F,F)−F (13−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (13−15) 7%
3−HBB(F,F)−F (13−24) 20%
5−HBB(F,F)−F (13−24) 18%
3−H2BB(F,F)−F (13−27) 8%
5−HHBB(F,F)−F (14−6) 3%
5−HHEBB−F (14−17) 2%
3−HH2BB(F,F)−F (14−15) 4%
1O1−HBBH−4 (4−1) 4%
1O1−HBBH−5 (4−1) 4%
NI=86.7℃;η=35.7mPa・s;Δn=0.110;Δε=8.4.
上記の組成物に化合物(Op−05)を0.25重量%の割合で添加したときのピッチは65.3μmであった。
【0209】
[使用例16]
5−B(2CF3,3F)−O2 (1−2−27) 5%
5−HB−CL (12−2) 15%
3−HH−4 (2−1) 11%
3−HH−5 (2−1) 4%
3−HHB−F (13−1) 4%
3−HHB−CL (13−1) 3%
4−HHB−CL (13−1) 4%
3−HHB(F)−F (13−2) 9%
4−HHB(F)−F (13−2) 8%
5−HHB(F)−F (13−2) 8%
7−HHB(F)−F (13−2) 7%
5−HBB(F)−F (13−23) 3%
1O1−HBBH−5 (4−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (14−6) 3%
4−HHBB(F,F)−F (14−6) 3%
5−HHBB(F,F)−F (14−6) 4%
3−HH2BB(F,F)−F (14−15) 3%
4−HH2BB(F,F)−F (14−15) 3%
NI=103.7℃;η=21.0mPa・s;Δn=0.085;Δε=3.6.
【0210】
[使用例17]
2O−B(2F,3SF5)−O2 (1−5−1) 3%
7−HB(F,F)−F (12−4) 3%
3−HB−O2 (2−5) 7%
2−HHB(F)−F (13−2) 10%
3−HHB(F)−F (13−2) 10%
5−HHB(F)−F (13−2) 8%
2−HBB(F)−F (13−23) 9%
3−HBB(F)−F (13−23) 9%
5−HBB(F)−F (13−23) 15%
2−HBB−F (13−22) 4%
3−HBB−F (13−22) 4%
5−HBB−F (13−22) 3%
3−HBB(F,F)−F (13−24) 5%
5−HBB(F,F)−F (13−24) 10%
【0211】
[使用例18]
2O−B(2SF5,3SF5)−O2 (1−6−1) 3%
3−HB−CL (12−2) 12%
3−HH−4 (2−1) 12%
3−HB−O2 (2−5) 8%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 3%
3−HBB(F,F)−F (13−3) 28%
5−HBB(F,F)−F (13−3) 24%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 5%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 5%
【0212】
[使用例19]
5−B(2SF5,3SF5)−5 (1−6−27) 3%
2−HB−C (15−1) 5%
3−HB−C (15−1) 12%
3−HB−O2 (2−5) 15%
2−BTB−1 (2−10) 3%
3−HHB−F (13−1) 3%
3−HHB−1 (3−1) 7%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
3−HHB−3 (3−1) 13%
3−HHEB−F (13−10) 4%
5−HHEB−F (13−10) 4%
2−HHB(F)−F (13−2) 7%
3−HHB(F)−F (13−2) 7%
5−HHB(F)−F (13−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (13−3) 5%