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特許6784237シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784237
(24)【登録日】2020年10月27日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20201102BHJP
   C30B 29/06 20060101ALI20201102BHJP
   C30B 25/20 20060101ALI20201102BHJP
   C23C 16/02 20060101ALI20201102BHJP
   C23C 16/24 20060101ALI20201102BHJP
   C23C 14/48 20060101ALI20201102BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20201102BHJP
   H01L 21/322 20060101ALI20201102BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C30B29/06 504A
   C30B25/20
   C23C16/02
   C23C16/24
   C23C14/48 Z
   H01L21/20
   H01L21/322 J
   H01L21/304 648H
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-138250(P2017-138250)
(22)【出願日】2017年7月14日
(65)【公開番号】特開2019-21746(P2019-21746A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2019年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】中杉 直
(72)【発明者】
【氏名】黛 雅典
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−130402(JP,A)
【文献】 特開平08−136524(JP,A)
【文献】 特開2010−109141(JP,A)
【文献】 特開2002−329691(JP,A)
【文献】 特開2004−356416(JP,A)
【文献】 特開2017−034173(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/057640(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 14/48
C23C 16/02
C23C 16/24
C30B 25/20
C30B 29/06
H01L 21/20
H01L 21/304
H01L 21/322
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板上にエピタキシャル層を形成するシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
前記シリコン基板に、炭素を含むイオンを注入した後、
オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程と、SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程とを組み合わせることにより、前記シリコン基板の表面を洗浄し、その後、
前記シリコン基板上に前記エピタキシャル層を形成することを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項2】
前記炭素を含むイオン注入を、炭素イオン又はCイオンを注入することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項3】
前記オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程と、前記SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程とを、交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法及びシリコンエピタキシャルウェーハに関し、特に、半導体シリコン基板に炭素を含むイオンを注入した後、半導体シリコン基板表面にエピタキシャル層を形成するシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD、CIS等の固体撮像素子等の半導体装置の微細化、高性能化に伴い、それらの製品歩留まりを向上させるために、材料としての基板にも高品質化が要求され、これに対応した各種シリコンウェーハが開発されている。
【0003】
特に、製品特性に直接影響を与えるウェーハ表層部の汚染及び結晶欠陥の低減は大変重要であり、その改善策として、エピタキシャルウェーハのゲッタリング能力を高める手法の開発が進められている。その中でも、シリコン基板に炭素を含むイオンを注入し、シリコン基板表面にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウェーハは、先端デバイス特性改善に有力な方法として開発が進められている。
【0004】
従来のエピタキシャル層形成前の基板の洗浄方法としては、SC−1+SC−2洗浄だけで行っており、その洗浄の目的は、汚染及びパーティクルの除去のために行っていた(特許文献1)。しかしながら、炭素を含むイオンを注入した基板にこのような洗浄方法を適用しても、汚染やパーティクルの除去は十分ではないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2には、SOI基板の製造方法において、基板に水素イオンを注入する前に、SC−1洗浄+SC−2洗浄、HF洗浄+O3洗浄を組み合わせる洗浄が開示されているが、これは水素イオン注入前に洗浄する方法であり、炭素を含むイオンを注入した後の洗浄方法については何ら記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4839836号(WO2005/001916)
【特許文献2】特開2006−303089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エピタキシャル層形成前にシリコン基板に炭素を含むイオンを注入した場合、ゲッタリング能力が高まる一方で、イオン注入工程によって生じる汚染の増大及び炭素を含んだパーティクルの増加により、その後のエピタキシャル成長での汚染拡散及びエピ欠陥発生等の問題が生じることが判明した。具体的には、シリコン基板に炭素を含むイオンを注入した後、Al汚染を始め、Mo、Nb汚染及び、C系のパーティクルが含まれていることが判った。そして、近年になって、デバイスの高品質化が進み、このような基板品質では、デバイスでの特性不良、特に白傷不良が発生することが判った。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、炭素を含むイオンの注入によりゲッタリング能力を高めると共に、エピタキシャル層形成前に、Al、Mo、Nb等汚染除去の難しい元素の汚染低減及び、EP欠陥の起点となるC系のパーティクル低減ができ、エピタキシャル成長後に汚染拡散及びエピ欠陥の発生が抑制されたシリコンエピタキシャルウェーハを製造することが可能なエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル層を形成するシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であって、前記シリコン基板に、炭素を含むイオンを注入した後、オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程と、SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程とを組み合わせることにより、前記シリコン基板の表面を洗浄し、その後、前記シリコン基板上に前記エピタキシャル層を形成することを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【0010】
このようなシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であれば、炭素を含むイオンの注入によりゲッタリング能力を高めると共に、Al、Mo、Nb等汚染除去の難しい元素の汚染低減及び、EP欠陥の起点となるC系のパーティクル低減ができ、エピタキシャル成長後に汚染拡散及びエピ欠陥の発生が抑制されたシリコンエピタキシャルウェーハを製造することができる。
【0011】
またこの場合、前記炭素を含むイオン注入を、炭素イオン又はCイオンを注入することにより行うことが好ましい。
【0012】
このような炭素を含むイオンを注入することにより、エピタキシャルウェーハのゲッタリング能力を、確実に向上させることができる。
【0013】
また、この場合、前記オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程と、前記SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程とを、交互に繰り返し行うことが好ましい。
【0014】
このように洗浄することで、高い汚染レベルであっても、エピタキシャル層形成前に、汚染低減及びパーティクル低減を確実に行うことができる
【0015】
また本発明では、シリコン基板上にエピタキシャル層を有するシリコンエピタキシャルウェーハであって、前記シリコン基板は、炭素を含むイオンが注入されたイオン注入層を有し、前記エピタキシャル層表面のAl汚染量が1×10atoms/cm以下、0.12μm以上のエピタキシャル欠陥が20個/wafer以下であることを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハを提供する。
【0016】
このようなAl汚染やエピタキシャル欠陥が低減されたシリコンエピタキシャルウェーハであれば、CCD、CMOSイメージセンサ等の半導体装置の基板として用いた場合に、白傷の発生を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であれば、炭素を含むイオンの注入によりゲッタリング能力を高めると共に、エピタキシャル層形成前に、Al、Mo、Nb等汚染除去の難しい元素の汚染低減及び、EP欠陥の起点となるC系のパーティクル低減をすることができ、エピタキシャル成長での汚染拡散及びエピ欠陥の発生が抑制された、高品質なシリコンエピタキシャルウェーハを製造することが可能となる。
【0018】
そのため、本発明のシリコンエピタキシャルウェーハであれば、CCD、CMOSイメージセンサ等の高品質、高歩留まりが要求される製品に使用された場合に、白傷不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法の一例を示したフロー図である。
図2】実施例1におけるパーティクル測定結果(A)〜(C)及び比較例1におけるパーティクル測定結果(D)である。
図3】比較例1における炭素イオン(A)又はCイオン(B)注入後の洗浄を行った後のパーティクルのSEM画像及びSEMによる元素分析結果である。
図4】実施例2及び比較例2における、Alの定量分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述したように、シリコン基板に炭素を含むイオンを注入した後では、Al汚染を始め、Mo、Nb汚染及び、C系のパーティクルが含まれており、このような基板品質では、デバイスでの特性不良、特に白傷不良を生じさせるという問題があった。
【0021】
そして、本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、シリコン基板に炭素を含むイオンを注入した後に、エピタキシャル成長の前洗浄として、オゾン水洗浄で酸化膜を付けてその後フッ酸洗浄で酸化膜を除去すれば(O+HF洗浄)、深さ方向に形成された、汚染物質やパーティクルを除去することが可能であることを発見した。そして更に、SC−1+SC−2洗浄を行うと、O+HF洗浄で取り切れない汚染物質やパーティクルも除去することができ、更に、各O+HF洗浄及びSC−1+SC−2洗浄の後にO洗浄を加えることにより、基板表面が親水化され、パーティクルの再付着を防止することが可能になることを見出し、本発明に到達した。
【0022】
即ち、本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル層を形成するシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であって、前記シリコン基板に、炭素を含むイオンを注入した後、オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程と、SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程とを組み合わせることにより、前記シリコン基板の表面を洗浄し、その後、前記シリコン基板上に前記エピタキシャル層を形成することを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【0023】
以下、本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法を詳細に説明する。図1に、本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法の一例を示したフロー図を示す。
【0024】
本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法においては、まず、シリコン基板に炭素含むイオンを注入する(S1)。これによりゲッタリング能力を付与する。この時、炭素含むイオンとしては、炭素イオン又はCイオンを注入することが望ましい。
【0025】
次いで、オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程(O+HF+O洗浄工程ともいう)を行う(S2)。この洗浄工程は、連続した洗浄槽で行うことができ、最初のO洗浄では酸化膜を形成し、次のHF洗浄では酸化膜を除去し、次のO洗浄では表面を親水性にする。
【0026】
この時、使用する洗浄液の条件は特に限定されないが、例えば、オゾン水は濃度5〜15mg/L、流量10〜15L/min、フッ酸は濃度10〜20%、流量20〜30L/minとすることができる。最初のオゾン水洗浄とHF洗浄後のオゾン水洗浄は、同じ条件でも良いが、最初のオゾン水洗浄の濃度をHF洗浄後のオゾン水洗浄の濃度よりも高くすることが好ましい。
【0027】
次いで、SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程(以下、SC−1+SC−2+O洗浄工程ともいう)を行う(S3)。この洗浄工程は、連続した洗浄槽で行うことができ、最初のSC−1洗浄ではパーティクル除去を行い、次のSC−2洗浄では汚染を除去し、最後のO洗浄は表面を親水性にする。
【0028】
この時の洗浄条件は特に限定されないが、例えば、SC−1洗浄は、アンモニア(NH濃度28%)、過酸化水素水(H濃度30%)、水の体積比(以下、NHOH:H:HOともいう)で1:1:5〜1:1:20、流量20〜30L/min、SC−2洗浄は、塩酸(HCl濃度36%)、過酸化水素水(H濃度30%)、水の体積比(以下、HCl:H:HOともいう)で1:1:50〜200、流量20〜30L/minとすることができる。また、オゾン水は濃度5〜15mg/L、流量10〜15L/minとすることができる。
【0029】
(S2)のO+HF+O洗浄工程と(S3)のSC−1+SC−2+O洗浄工程とは、連続して行うこともでき、この場合の洗浄時間は、通常、同じになる。洗浄能力を確実なものとするためには、例えば、(S2)、(S3)中の各洗浄を1〜5分程度、好ましくは2〜3分実施することが望ましい。
【0030】
(S2)の洗浄工程と(S3)の洗浄工程は、この順番に限定されず、逆であっても構わない。即ち、SC−1洗浄、SC−2洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程の後に、オゾン水洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の順で行う洗浄工程を行っても良い。
【0031】
また、(S2)、(S3)の各洗浄工程の間に純水でリンスする工程を入れることもできる。更に(S2)と(S3)を交互に繰り返すことにより、高い汚染レベルであっても汚染除去及びパーティクル除去をより確実に行うことができる。この場合、最大でも5回の繰り返し洗浄で十分であり、この時形成されるO洗浄の酸化膜厚は、1nm程度である。
【0032】
上記(S2)中の最後のO洗浄、(S3)中のO洗浄において、1nm程度(例えば、0.5nm〜1.5nm)の薄い酸化膜を形成することで、エピタキシャル成長前の水素ベークで容易に除去することができ、エピタキシャル層を容易に形成することができるために好ましい。
【0033】
次いで、シリコン基板上にエピタキシャル層を形成する(S4)。通常、水素ベークによりウェーハ表面の酸化膜を除去してから、エピタキシャル成長を行う。これにより、エピタキシャル層表面のAl汚染が、1×10atoms/cm以下、0.12μm以上のエピタキシャル欠陥が、20個/wafer以下のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
【0034】
従って、本発明によれば、シリコン基板上にエピタキシャル層を有するシリコンエピタキシャルウェーハであって、前記シリコン基板は、炭素を含むイオンが注入されたイオン注入層を有し、前記エピタキシャル層表面のAl汚染量が1×10atoms/cm以下、0.12μm以上のエピタキシャル欠陥が20個/wafer以下であることを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハが提供される。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
直径300mm、抵抗率10Ω・cmのリンドープのシリコン単結晶基板を準備し、シリコン基板表面の0.12μm以上のパーティクルを測定した。その結果、シリコン基板表面にはパーティクルは存在していないことが確認された(図2(A))。
【0037】
次に、シリコン基板に炭素イオン、又は、Cイオンを加速電圧80keV、ドーズ量2.5×1015atoms/cmでイオン注入を行い、イオン注入後の段階で同様にシリコン基板表面のパーティクル測定を行った。その結果、炭素イオンを注入した場合は1370個/wafer、Cイオンを注入した場合は1243個/waferとなった(図2(B))。
【0038】
そして、O+HF+O洗浄工程を、最初のO洗浄が(濃度10mg/L、流量15L/min、2min)、HF洗浄が(濃度15%、流量25L/min、2min)、最後のO洗浄が(濃度10mg/L、流量15L/min、2min)の条件で行い、その後、SC−1+SC−2+O洗浄工程を、SC−1洗浄が(NHOH:H:HO=1:1:10、流量25L/min、2min)、SC−2洗浄が(HCl:H:HO=1:1:100、流量25L/min、2min)、O洗浄が(濃度10mg/L、流量15L/min、2min)の条件で行った後、同様にシリコン基板表面のパーティクル測定を行った。その結果、炭素イオンを注入した場合は5個/wafer、Cイオンを注入した場合は7個/waferとなった。この結果を図2(C)に示す。
【0039】
以上により、このO+HF+O洗浄工程とSC−1+SC−2+O洗浄工程はそれぞれ1回のみの実施であるが、EP欠陥の原因となるシリコン基板表面のパーティクルがほとんどなくなっていることが判った。
【0040】
さらに、水素ベーク及び5μmのエピタキシャル成長を行った後に、同様にしてEP欠陥の評価を行った。その結果、20個/wafer以下であった。
【0041】
(比較例1)
実施例1と同様にシリコン基板の準備、炭素イオン又はCイオン注入をした後、SC−1+SC−2+O洗浄のみを行い、洗浄後のシリコン基板表面のパーティクル測定を行った。その結果、炭素イオンを注入した場合は549個/wafer、Cイオンを注入した場合は456個/waferとなった(図2(D))。
【0042】
このように、SC−1+SC−2+O洗浄のみではシリコン基板表面のパーティクルを十分に除去することができなかった。また、このシリコン基板表面のパーティクルをSEMで分析した結果、図3に示すように、炭素起因のパーティクルであることが確認された。炭素イオン又はCイオン注入後の洗浄を行った後のパーティクルのSEM画像及びSEMによる元素分析結果をそれぞれ図3(A)、(B)に示す。
【0043】
(実施例2)
イオン注入元素を炭素イオンとし、実施例1と同じ方法でシリコン基板の準備、イオン注入、O+HF+O洗浄工程とSC−1+SC−2+O洗浄工程を行った後、ICP−MSでAl汚染の定量分析を行った。このAl汚染の評価では、O+HF+O洗浄工程とSC−1+SC−2+O洗浄工程を交互に1回〜5回繰り返して行ったときのそれぞれの定量分析を行った。この結果を図4に示す。
【0044】
図4から分かるように、O+HF+O洗浄とSC−1+SC−2+O洗浄とを少なくても1回以上行うことにより、Al汚染量は1×10atoms/cm以下となった。また、これらの洗浄を繰り返すことで、Al汚染量はより減少した。そして、O+HF+O洗浄工程とSC−1+SC−2+O洗浄工程を実施した後、水素ベーク及び5μmのエピタキシャル成長を行った後でも同様にしてエピタキシャル表面のAl汚染の定量分析を行った。その結果、エピタキシャル成長前と同等のレベルであることが確認された。
【0045】
(比較例2)
イオン注入後の洗浄を、SC−1+SC−2+O洗浄工程を1回のみとした以外は、実施例2と同じ方法でAl汚染の定量分析を行った。この結果を図4に示す。SC−1+SC−2+O洗浄工程だけでは、1×1010atoms/cmを超える汚染量となった。この時の、SC−1、SC−2、O洗浄の条件は、実施例1の条件と同じで実施した。
【0046】
また、SC−1+SC−2+O洗浄を実施した後、水素ベーク及び5μmのエピタキシャル成長を行った後でも同様にして、エピタキシャル表面のAl汚染の定量分析を行った。その結果、エピタキシャル成長前と同等のレベルであることが確認された。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
図1
図2
図3
図4