(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製品基板とダミー基板を含む複数枚の各種基板を保持する基板保持具と、 前記各種基板を前記基板保持具に装填する移載機構と、 前記基板保持具に載置可能な基板枚数と、前記基板保持具に載置される前記製品基板の枚数とを取得し、取得した前記製品基板の枚数から前記製品基板を複数の基板群に分割し、取得した前記製品基板の枚数と前記基板保持具に載置可能な基板枚数、及び前記製品基板の基板群の数に基づいて前記ダミー基板を複数の基板群に分割し、前記製品基板の基板群と前記ダミー基板の基板群を組合せて、前記基板保持具の複数の領域に前記製品基板を分散させて載置する基板配置データを作成し、作成された基板配置データに応じて、前記各種基板を前記移載機構に前記基板保持具に移載させる制御部と、を備えた基板処理装置。
前記移載機構は、前記各種基板N枚を一括に搬送可能に構成されており、 前記制御部は、取得した前記製品基板の枚数に応じて、前記製品基板N枚と前記製品基板N−1枚の基板群に複数分割し、分割された基板群を前記基板保持部の複数の領域に移載するよう前記基板配置データを作成するよう構成されている請求項1記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記基板保持具に載置可能な基板枚数と前記基板保持具に載置される前記製品基板の枚数から前記ダミー基板の枚数を算出し、算出された前記ダミー基板の枚数に基づき前記ダミー基板の基板群を作成するよう構成されている請求項1記載の基板処理装置。
前記制御部は、 モニタ基板を前記基板保持具に装填する移載パターンを設定する設定画面を有し、 前記設定画面上で、前記基板保持具の上下端に装填する前記モニタ基板の枚数と、前記基板保持具の基板保持領域に装填する前記モニタ基板の枚数と、それぞれ設定可能に構成されている請求項1に記載の基板処理装置。
製品基板とダミー基板を含む複数枚の各種基板を保持する基板保持具に載置可能な基板枚数と、前記基板保持具に載置される前記製品基板の枚数とを取得し、取得した前記製品基板の枚数から前記製品基板を複数の基板群に分割し、取得した前記製品基板の枚数と前記基板保持具に載置可能な基板枚数、及び前記製品基板の基板群の数に基づいて前記ダミー基板を複数の基板群に分割し、前記製品基板の基板群と前記ダミー基板の基板群を組合せて、前記基板保持具の複数の領域に前記製品基板を分散させて載置する基板配置データを作成する工程と、 前記基板配置データに基づいて前記各種基板を前記基板保持具に移載する工程と、 前記基板保持具を炉内に装入して前記製品基板を処理する工程と、 を有する半導体装置の製造方法。
製品基板とダミー基板を含む複数枚の各種基板を保持する基板保持具と、 前記基板を前記基板保持具に装填する移載機構と、 前記各種基板を前記基板保持具に移載させるように前記移載機構を制御するよう構成されている制御部と、を備えた基板処理装置で実行されるプログラムあって、 前記制御部に、 前記基板保持具に載置可能な基板枚数と、前記基板保持具に載置される前記製品基板の枚数とを取得し、取得した前記製品基板の枚数から前記製品基板を複数の基板群に分割し、取得した前記製品基板の枚数と前記基板保持具に載置可能な基板枚数、及び前記製品基板の基板群の数に基づいて前記ダミー基板を複数の基板群に分割し、前記製品基板の基板群と前記ダミー基板の基板群を組合せて、前記基板保持具の複数の領域に前記製品基板を分散させて載置する基板配置データを作成させる手順と、 作成された前記基板配置データに応じて、前記基板を前記移載機構に移載させる手順と、を実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における基板処理装置を説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0011】
本実施形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC:Integrated Circuit)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。
【0012】
図1や
図2に示すように、本実施形態の基板処理装置100は、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納するキャリアとしてポッド110を使用し、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aには、ポッド搬入搬出口112が、筐体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112は、フロントシャッタ113によって開閉される。ポッド搬入搬出口112の正面前方側には、ロードポート114が設置されており、ロードポート114は、ポッド110を載置する。ポッド110は、ロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、ロードポート114上から搬出される。
【0013】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転棚105が設置されており、回転棚105は、支柱116を中心に回転し、棚板117に複数個のポッド110を保管する。
図2に示すように、筐体111内におけるロードポート114と回転棚105との間には、ポッド搬送装置118が設置されている。ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ118aと、水平搬送機構としてのポッド搬送機構118bとで構成されており、ロードポート114、回転棚105、ポッドオープナ121との間で、ポッド110を搬送する。
【0014】
図2に示すように、筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aには、ウエハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口120が1対、垂直方向に上下2段に並べられて開設されており、上下段のウエハ搬入搬出口120には1対のポッドオープナ121がそれぞれ設置されている。
【0015】
ポッドオープナ121は、ポッド110を載置する載置台122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構123とを備えている。ポッドオープナ121は、載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉する。載置台122は、基板を移載する際に基板収容器が載置される移載棚である。
【0016】
図2に示すように、サブ筐体119は、ポッド搬送装置118や回転棚105の設置空間の雰囲気と隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域には、ウエハ移載機構125が設置されている。
【0017】
ウエハ移載機構125は、ウエハ200をツィーザ125cに載置して水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置125a、およびウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ125bとで構成されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびウエハ移載装置125aの連続動作により、ボート217に対して、ウエハ200を装填および脱装する。図に示すように、本実施形態におけるツィーザ125cは、5枚であり、ウエハ移載機構125は、ウエハ200を5枚一括、若しくは1枚ずつ搬送可能に構成されている。
【0018】
図2に示すように、ボート217の上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202は、内部に処理室(不図示)を備え、該処理室の周囲には、処理室内を加熱するヒータ(不図示)を備える。処理炉202の下端部は、炉口ゲートバルブ147により開閉される。
【0019】
図1に示すように、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ115が設置されている。ボートエレベータ115に連結されたアーム128には、シールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0020】
次に、本実施形態の基板処理装置の動作について説明する。
図1、
図2に示すように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ポッド搬入搬出口112から搬入される。搬入されたポッド110は、回転棚105の指定された棚板117へ、ポッド搬送装置118によって、自動的に搬送されて受け渡される。
【0021】
ポッド110は回転棚105で一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは、ロードポート114から直接、ポッドオープナ121に搬送されて、載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120は、キャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。
【0022】
図2に示すように、載置台122に載置されたポッド110は、そのキャップが、キャップ着脱機構123によって取り外され、ポッド110のウエハ出し入れ口が開放される。また、ウエハ200は、ポッド110からウエハ移載機構125によってピックアップされ、ボート217へ移載されて装填される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載機構125は、ポッド110に戻り、次のウエハ110をボート217に装填する。
【0023】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハ移載装置125aによるウエハ200のボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には、回転棚105ないしロードポート114から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0024】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、処理炉202の下端部が炉口ゲートバルブ147によって開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されて、シールキャップ219に支持されたボート217が、処理炉202内の処理室へ搬入されて行く。搬入後は、処理室内でウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ボートエレベータ115によりボート217が引き出され、その後は、概上述の逆の手順で、ウエハ200およびポッド110は筐体111の外部へ払出される。
【0025】
<処理炉の構成>
図3および
図4に示す通り、処理炉202にはウエハ(基板)200を加熱するための加熱部であるヒータ207が設けられている。ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管203が配設されている。反応管203は例えば石英(SiO
2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。
【0026】
反応管203の下端には、例えばステンレス等から製作されたマニホールド209が取り付けられる。マニホールド209は筒状に形成され、その下端開口は蓋体であるシールキャップ219により気密に閉塞される。反応管203とマニホールド209とシールキャップ219の間には、それぞれOリング220が設けられる。これら反応管203、マニホールド209およびシールキャップ219により、処理室201が形成される。シールキャップ219にはボート支持台218を介して基板保持部であるボート217が立設される。
【0027】
ボート217にはバッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で縦方向に多段に積載される。そして、ボート217は、ボートエレベータ115により反応管203に対し昇降することができるようになっている。ボート支持台218の下端部には、処理の均一性を向上するためにボート217を回転させるボート回転機構267が設けられている。ヒータ207は処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱する。
【0028】
処理室201内には、ノズル410(第1のノズル410)、ノズル420(第2のノズル420)、ノズル430(第3のノズル430)が反応管203の下部を貫通するように設けられている。ノズル410、ノズル420、ノズル430には、ガス供給ラインとしてのガス供給管310(第1のガス供給管310)、ガス供給管320(第2のガス供給管320)、ガス供給管330(第3のガス供給管330)が、それぞれ接続されている。このように、反応管203には3本のノズル410、420、430と、3本のガス供給管310、320、330とが設けられており、処理室201内へ複数種類、ここでは3種類のガス(処理ガス)を供給することができるように構成されている。
【0029】
ガス供給管310には上流側から順に流量制御装置(流量制御部)であるマスフローコントローラ(Mass Flow Controller、略称:MFC)312および開閉弁であるバルブ314が設けられている。ガス供給管310の先端部にはノズル410が連結されている。ノズル410は、L字型のロングノズルとして構成されており、その水平部はマニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル410の垂直部は、反応管203の内壁とウエハ200との間に形成される円弧状の空間に、反応管203の内壁に沿って上方(ウエハ200の積載方向)に向かって立ち上がるように(つまりウエハ配列領域の一端側から他端側に向かって立ち上がるように)設けられている。すなわち、ノズル410は、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うように設けられている。
【0030】
ノズル410の側面にはガスを供給するガス供給孔410aが設けられている。ガス供給孔410aは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔410aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれ同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、ガス供給管310、MFC312、バルブ314、ノズル410により第1のガス供給系が構成される。
【0031】
また、ガス供給管310にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管510が接続されている。主に、キャリアガス供給管510、MFC512、バルブ514により第1のキャリアガス供給系が構成される。
【0032】
ガス供給管320には上流側から順に流量制御装置(流量制御部)としてのMFC322および開閉弁であるバルブ324が設けられている。ガス供給管320の先端部にはノズル420が連結されている。ノズル420は、ノズル410と同様のL字型ロングノズルとして構成されている。ノズル420の水平部及び垂直部の構成も、ノズル410と同様の構成である。
【0033】
ノズル420の側面にはガスを供給するガス供給孔420aが設けられている。ガス供給孔420aは、ガス供給孔410aと同様な構成で設けられている。主に、ガス供給管320、MFC322、バルブ324、ノズル420により第2のガス供給系が構成される。
【0034】
更にガス供給管320にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管520が連結されている。主に、キャリアガス供給管520、MFC522、バルブ524により第2のキャリアガス供給系が構成される。
【0035】
ガス供給管330には上流側から順に流量制御装置(流量制御部)としてのMFC332および開閉弁であるバルブ334が設けられている。ガス供給管330の先端部にはノズル430が連結されている。ノズル430は、ノズル410と同様に、L字型のロングノズルとして構成されている。ノズル430の水平部及び垂直部の構成も、ノズル410,420と同様の構成である。
【0036】
ノズル430の側面にはガスを供給するガス供給孔430aが設けられている。ガス供給孔430aは、ガス供給孔410a、420aと同様な構成で設けられている。主に、ガス供給管330、MFC332、バルブ334、ノズル430により第3のガス供給系が構成される。
【0037】
更にガス供給管330にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管530が連結されている。主に、キャリアガス供給管530、MFC532、バルブ534により第3のキャリアガス供給系が構成される。
【0038】
このように、本実施形態におけるガス供給の方法は、反応管203の内壁と、積載された複数枚のウエハ200の端部とで定義される円弧状の縦長の空間内に配置したノズル410、420、430を経由してガスを搬送し、ノズル410、420、430にそれぞれ開口されたガス供給孔410a、420b、430cからウエハ200の近傍で初めて反応管203内にガスを噴出させており、反応管203内におけるガスの主たる流れをウエハ200の表面と平行な方向、すなわち水平方向としている。このような構成とすることで、各ウエハ200に均一にガスを供給でき、各ウエハ200に形成される薄膜の膜厚を均一にできる効果がある。なお、反応後の残ガスは、排気口、すなわち、後述する排気管231の方向に向かって流れるが、この残ガスの流れの方向は、排気口の位置によって適宜特定され、垂直方向に限ったものではない。
【0039】
ガス供給管310からは、第1の金属元素を含む原料ガスとして、例えば少なくともチタン(Ti)元素を含むTi含有原料である四塩化チタン(TiCl
4)がMFC312、バルブ314、ノズル410を介して処理室201内に供給される。なお、TiCl
4のように常温常圧下で液体状態である液体材料を用いる場合は、液体原料を気化器やバブラ等の気化システムにより気化して、Ti含有ガスであるTiCl
4ガスとして供給することとなる。
【0040】
ガス供給管320からは、炭素、および、第2の金属元素を含む原料ガスとして、例えば少なくとも炭素(C)元素とアルミニウム(Al)元素とを含むTMA(トリメチルアルミニウム。(CH
3)
3Al)がMFC322、バルブ324、ノズル420を介して処理室201内に供給可能に構成される。なお、TMAのように液体状態である液体材料を用いる場合は、液体原料を気化器やバブラ等の気化システムにより気化して、CおよびAl含有ガスとして供給することとなる。
【0041】
ガス供給管330からは、窒素元素を含む原料ガスとして、例えばアンモニア(NH
3)がMFC332、バルブ334、ノズル430を介して処理室201内に供給される。
【0042】
キャリアガス供給管510、520および530からは、例えば窒素(N
2)ガスが、それぞれMFC512、522および532、バルブ514、524および534、ノズル410、420および430を介して処理室201内に供給される。
【0043】
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、マニホールド209においてノズル410,420,430と対抗する位置に、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられる。この構成により、ガス供給孔410a、420a、430aから処理室201内のウエハ200の近傍に供給されたガスは、水平方向、すなわちウエハ200の表面と平行な方向に向かって流れた後、下方に向かって流れ、排気管231より排気されることとなる。
【0044】
排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、APC(Auto Pressure Controller)バルブ243、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ243は、排気バルブであり、圧力調整部として機能する。主に、排気管231、APCバルブ243、圧力センサ245により、排気系すなわち排気ラインが構成される。なお、真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
【0045】
なお、APCバルブ243は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。
【0046】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電量を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル410、420および430と同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0047】
図5に示されているように、制御部としてのコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶部としての記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。制御部121には、例えばタッチパネル等として構成された操作部としての入出力装置122が接続されている。
【0048】
記憶部121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶部121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラム、例えば、基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。また、本実施形態における後述する基板配置プログラムが格納されている。なお、これらプロセスレシピ等は、例えば、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう場合がある。また、RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0049】
I/Oポート121dは、上述のMFC312,322,332,512,522,532、バルブ314,324,334,514,524,534、APCバルブ243、圧力センサ245、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
【0050】
CPU121aは、記憶部121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、操作部122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU121aは、読み出したプロセスレシピに従って、MFC312、322、332、512、522、532による各種ガスの流量調整動作、バルブ314、324、334、514、524、534の開閉動作、APCバルブ243の開閉動作およびAPCバルブ243による圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0051】
制御部121は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶部としての外部記憶装置(例えば、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ等)123を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすることにより、本実施形態に係る制御部121を構成することができる。
【0052】
コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶部123を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶部123を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶部121cや外部記憶部123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部121c単体のみを含む場合、外部記憶部123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0053】
(2)基板処理工程 次に、金属膜の成膜工程について説明する。金属膜の成膜工程は、上述した基板処理装置100の処理炉202を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として実行される。
【0054】
図4は、金属膜(本実施形態ではTiN膜)の形成工程例を示す処理フロー図である。以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0055】
(ウエハチャージおよびボートロード) 複数枚のウエハ200がボート217に装填されると、
図3に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端開口を閉塞した状態となる。
【0056】
(圧力調整および温度調整) 処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づき、APCバルブ243がフィードバック制御される(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電量がフィードバック制御される(温度調整)。続いて、回転機構267によりボート217およびウエハ200の回転を開始する。
【0057】
なお、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間、真空ポンプ246は常時作動させた状態が維持され、ヒータ207による処理室201内の加熱及び回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転は継続して行われる。
【0058】
続いて、TiN層を形成する工程(ステップ11からステップ14)を実行する。 (TiCl
4ガス供給) ガス供給管310のバルブ314を開き、ガス供給管310内に第1の原料としてのTiCl
4ガスを流す。ガス供給管310内を流れたTiCl
4ガスは、MFC312により流量調整される。流量調整されたTiCl
4ガスは、ノズル410のガス供給孔410aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiCl
4ガスが供給されることとなる。このとき同時にバルブ514を開き、キャリアガス供給管510内にN
2ガス等の不活性ガスを流す。キャリアガス供給管510内を流れたN2ガスは、MFC512により流量調整される。流量調整されたN
2ガスはTiCl
4ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル420、ノズル430内へのTiCl
4ガスの侵入を防止するために、バルブ524、534を開き、キャリアガス供給管520、キャリアガス供給管530内にN
2ガスを流す。N
2ガスは、ガス供給管320、ガス供給管330、ノズル420、ノズル430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。
【0059】
このときAPCバルブ243を適正に調整して、処理室201内の圧力を、例えば0.1〜6650Paの範囲内の圧力とする。MFC312で制御するTiCl
4ガスの供給流量は、例えば100〜2000sccmの範囲内の流量とする。MFC512、522、532で制御するN
2ガスの供給流量は、それぞれ例えば100〜30000sccmの範囲内の流量とする。TiCl
4ガスをウエハ200に対して供給する時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば0.01〜20秒の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば250〜550℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。TiCl
4ガスの供給により、ウエハ200上に、例えば1原子層未満のTi含有層が形成される。
【0060】
(残留ガス除去)
Ti含有層が形成された後、ガス供給管310のバルブ314を閉じ、TiCl
4ガスの供給を停止する。このとき、排気管231のAPCバルブ243は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはTi含有層形成に寄与した後のTiCl
4ガスを処理室201内から排除する。なお、このときバルブ514、524、534は開いたままとして、N
2ガスの処理室201内への供給を維持する。N
2ガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはTi含有層形成に寄与した後のTiCl
4ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。
【0061】
(NH
3ガス供給) 処理室201内の残留ガスを除去した後、ガス供給管330のバルブ334を開き、ガス供給管330内にNH
3ガスを流す。ガス供給管330内を流れたNH
3ガスは、MFC332により流量調整される。流量調整されたNH
3ガスは、ノズル430のガス供給孔430aから処理室201内に供給される。処理室201内に供給されたNH
3ガスは熱で活性化された後、排気管231から排気される。このときウエハ200に対して、熱で活性化されたNH
3ガスが供給されることとなる。このとき同時にバルブ534を開き、キャリアガス供給管530内にN
2ガスを流す。キャリアガス供給管530内を流れたN
2ガスは、MFC532により流量調整される。N
2ガスはNH
3ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。なお、このとき、ノズル410、420内へのNH
3ガスの侵入を防止するために、バルブ514、524を開き、キャリアガス供給管510、520内にN
2ガスを流す。N
2ガスは、ガス供給管310、320、ノズル410、ノズル420を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。
【0062】
NH
3ガスを熱で活性化させて流すときは、APCバルブ243を適正に調整して、処理室201内の圧力を、例えば0.1〜6650Paの範囲内の圧力とする。MFC332で制御するNH
3ガスの供給流量は、例えば100〜20000sccmの範囲内の流量とする。MFC512、522、532で制御するN
2ガスの供給流量は、それぞれ例えば100〜30000sccmの範囲内の流量とする。熱で活性化させたNH
3ガスをウエハ200に対して供給する時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば0.01〜30秒の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、ステップ11と同様、ウエハ200の温度が、例えば250〜500℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
【0063】
このとき処理室201内に流しているガスは、処理室201内圧力を高くすることで熱的に活性化されたNH
3ガスであり、この活性化されたNH
3ガスは、ステップ11でウエハ200上に形成されたTi含有層の少なくとも一部と反応する。これによりTi含有層は窒化されて、窒化チタン層(TiN層)へと改質される。
【0064】
(残留ガス除去) TiN層を形成した後、ガス供給管330のバルブ334を閉じて、NH
3ガスの供給を停止する。このとき、排気管231のAPCバルブ243は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはTiN層形成に寄与した後のNH
3ガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。なお、このときバルブ514、524、534は開いたままとして、N
2ガスの処理室201内への供給を維持する。N
2ガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはTiN層形成に寄与した後のNH
3ガスや反応副生成物を処理室201内から排除する効果を高めることができる。
【0065】
上記したステップ11からステップ14の処理を、予め設定されたX回(第1の所定回数)だけ実行する。すなわち、ステップ11からステップ14の処理を1セットとして、これらの処理をXセットだけ実行する。このように、TiCl
4ガス供給とNH
3ガス供給とを交互にX回行うことにより、所定の厚さのTiN層(第1の層)が形成される。
【0066】
(パージおよび大気圧復帰) 所定の膜厚のTiN膜を形成する成膜処理がなされると、N
2等の不活性ガスが処理室201内へ供給され、排気管231から排気されることで、処理室201内が不活性ガスでパージされる(ガスパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0067】
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ) その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出される。その後、処理済のウエハ200は、ボート217より取り出される。
【0068】
次に、本実施形態における基板処理シーケンスについて
図7を用いて説明する。本実施形態では基板処理(プロセスレシピ)まで実行されるように構成している。例えば、ボート217への基板移載処理まで実行するように構成してもよい。
【0069】
(S1)少なくとも基板処理装置100に所定枚数の製品基板200が投入され、上位コンピュータまたは操作部122から製品基板200を処理する指示を、制御部121が受け付けると、本実施形態における基板処理シーケンスを開始するように構成される。
【0070】
(S2)制御部121は、ボート217へ基板を配置(レイアウト)するための各種データを記憶部121cから取得する。具体的には、ボートの全スロット数、製品基板、モニタウエハ、補充ダミーウエハ等の各種基板の枚数を含む情報を取得する。また、制御部121は、操作者から基板配置データの作成に必要なデータを取得するため、設定画面を操作部122に適宜表示するよう構成してもよい。
【0071】
(S3) 制御部121は、取得したデータに基づき、後述する
図8に示す基板配置プログラムを実行して、基板配置データを作成するように構成されている。制御部121は、この作成された基板配置データを記憶部121cに保存するように構成される。このましくは、製品基板200を処理するプロセスレシピに関連付けて、この基板配置データを保存するように構成される。基板配置プログラムの詳細は後述する。
【0072】
(S4) 制御部121は、S3で作成した基板配置データに基づきウエハ移載機構125等の搬送機構を動作させて、各種基板をボート217に搬送させる。
【0073】
(S5) 本工程は、予め記憶部121cに保存されたプロセスレシピまたは後述する基板配置プログラムと関連付けられたプロセスレシピ等を実行する工程である。制御部121は、上述のようにプロセスレシピを実行して、製品基板200に所定の処理を施す。尚、本実施の形態では、金属膜(TiN膜)を形成するよう構成されている。
【0074】
次に、本実施形態における基板配置プログラムについて
図8を用いて説明する。
図8によれば、ボート217に載置可能な基板枚数(以後、製品領域スロット数ともいう)と、ボート217に載置される製品基板の枚数から製品基板を複数の基板群(以後、第1ユニットともいう)に分割し、取得した製品基板の枚数とボート217に載置可能な基板枚数、及び製品基板の基板群(第1ユニット)の数に基づいてダミー基板を複数の基板群(以後、第3ユニットともいう)に分割し、製品基板の基板群(第1ユニット)とダミー基板の基板群(第3ユニット)を組合せて、ボート217の複数の基板載置領域に製品基板を分散させて載置するための基板配置データを、制御部121が作成するよう構成される。
【0075】
(S101)制御部121は、
図7のS2で取得した各種データに基づいて、基板配置の実行条件を確認する。
【0076】
(S102)制御部121は、投入された製品基板200をN(Nは自然数)枚単位で分割する。ここで、N枚数単位で分割した基板群をユニットと呼称し、ユニット群(ユニットの集合体)を配列と称する。分割した全ユニット数を算出し、製品基板200だけの配列を作成する。ここで、Nのデフォルトは、5とする。これは、移載機構125のツィーザ125cの数に合せて、一度に基板を搬送可能な最大値としている。これにより、搬送時間短縮を図れるように構成されている。
【0077】
また、製品基板200の投入枚数がNで割り切れないとき、製品基板200は、N枚単位の基板群とN−1枚単位の基板群が作成され、N枚単位の基板群を大ユニット、N−1枚単位の基板群を小ユニットと称する。以後、モニタウエハでも同様である。
【0078】
制御部121は、S101で確認した実行条件により、製品基板200の全ユニット数、大ユニット数、大ユニット内の基板枚数がそれぞれ算出されるよう構成される。また、制御部121は、大ユニットの優先位置補正情報に従い、製品基板200だけの配列を並べ替えるよう構成される。
【0079】
(S103) 制御部121は、S101で確認した実行条件により、モニタウエハのユニット数を確認し、モニタウエハのユニット位置を算出し、S102で作成された製品基板200の配列(第1の配列)にモニタウエハのユニットを結合して、製品基板200とモニタウエハの配列を作成するよう構成される。以後、モニタウエハのユニットを第2ユニットと称する。
【0080】
尚、モニタウエハの移載指定が無い場合、このS103は行われずに次のステップ(S104)へ移行する。ここで、第2ユニットの配置決定に関しては後述する
図9で説明する。
【0081】
(S104)制御部121は、補充ダミー基板200のみの配列を作成する。制御部121は、ダミー枚数及び大間隔(後述する)の数を算出して配列を作成し、大間隔の優先位置補正情報に従い、配列を並べかえるように構成されている。ここで、補充ダミー基板のユニットを第3ユニットと称する。そして、制御部121は、補充ダミー基板のみで構成される第3ユニットを第1ユニット間、および第1ユニットと第2ユニットとのユニット間に割り込ませ、基板配置データの配列を作成する。
【0082】
(S105) 制御部121は、S101で確認した実行条件に従い、上下サイドダミー基板とS104で作成した配列(第3の配列)の外側の間に第2ユニットを搬送する指定があれば、更に、第2ユニットを結合して基板配置データの配列の作成を完了する。
【0083】
図9は、製品領域スロット数が100、製品基板200を載置する領域に製品基板PDが50枚(N=5で第1ユニット数10、全ユニットで製品基板5枚)のときに、モニタウエハ無し(一番左側)から移載パターン7(一番右側)までのモニタウエハを移載する設定例(
図9下側)であり、それぞれの設定例に対して本実施形態における基板配置プログラムを実行して、基板配置データの配列を作成し、この基板配置データを利用して各種基板をボート217に搭載した時の移載状況を模式的に示す図である。尚、SDはサイドダミー基板、FDは補充ダミー基板、Mはモニタウエハを示し、SD5は、サイドダミー基板が5枚移載されていることを示す。また、製品領域スロット数とは、ボート217の全スロットのうち、上下サイドダミー基板を載置するスロットを除く各種基板が載置されるスロットのことである。
【0084】
図9の点線で囲まれているところ部分が、モニタウエハを移載する移載パターンを設定するためのテーブルを示す図である。この設定テーブルは、上下サイドダミー基板側にモニタウエハを移載するか設定する項目(
図9に上、下と記載)と上下サイドダミー基板に挟まれた製品基板200を載置する領域に1箇所から4箇所までモニタウエハを配置できるようになっており、それぞれにモニタウエハの枚数を設定することができる。
【0085】
図9に示す中(1)は、製品基板200を載置する領域を二等分する領域(ボート217の中央部分)にモニタウエハを載置するときに設定される。この場合、製品基板200を載置する領域に1箇所(1番目)にモニタウエハを移載することを示す(
図9の移載パターン2及び移載パターン4)。また、中(2)は、製品基板200を載置する領域を三等分する領域にモニタウエハを載置するときに設定され、製品基板200を載置する領域に2箇所のうち上側から2番目にモニタウエハを移載することを示す(
図9の移載パターン5)。
【0086】
中(3)は、製品基板200を載置する領域を四等分する領域にモニタウエハを載置するときに設定される。この場合、製品基板200を載置する領域に3箇所のうち上側から3番目にモニタウエハを移載することを示す(
図9の移載パターン6参照)。中(4)は、製品基板200を載置する領域を五等分する領域にモニタウエハを載置するときに設定される。この場合、製品基板200を載置する領域に4箇所のうち上側から4番目にモニタウエハを移載することを示す(
図9の移載パターン7参照)。
【0087】
尚、製品領域の途中に移載するモニタウエハの領域の数は、枚数1以上指定された領域を有効数としてカウントされる。つまり、制御部121は、枚数1以上指定された領域の数で、第1ユニット配列(製品基板の配列)を分割するように構成されている。よって、操作者が、仮に、中(1) =0、中(2)=0、 中(3)=1、と設定したとき、制御部121は、中(1) =0、中(2)=0、 中(3)=1、中(4)=0の場合、必要な領域を中(1) =1のみと同じと解釈し、第1ユニット配列を二等分するようにモニタウエハはどのように配置するよう構成される(
図9の移載パターン2と同様)。また、制御部121は、中(1) =0、中(2)=2、 中(3)=0、中(4)=1の場合、必要な領域を中(1) =2、中(2)=1と同じと解釈し、第1ユニット配列を三等分するようにモニタウエハはどのように配置するよう構成される(
図9の移載パターン5参照)。
【0088】
尚、
図9の移載パターン6(右側から2番目)では、上、中(1) 、中(2)、 中(3)、下にそれぞれ4が設定されているので、上下サイドダミー基板と製品基板200を載置する領域を四等分する領域(3か所)のそれぞれにモニタウエハが4枚ずつ移載されている。
【0089】
このように、
図9に示す点線で囲まれる設定テーブルに予めモニタウエハの移載パターンを設定されていると、本実施形態における基板配置プログラムを実行することにより、モニタウエハを所望な領域に移載することができるよう構成される。
【0090】
また、
図9に示すように、製品基板のユニット(第1ユニット)またはモニタウエハの領域(第2ユニット)の間には、必ずダミー基板のユニット(第3ユニット)が配置されており、第1ユニットは、第2ユニットと隣接しないよう構成される。
【0091】
図10により、
図8に示す基板配置プログラムの具体例を説明する。制御部120が該基板配置プログラムを実行するときに、
図10中のS102等のステップは
図8に示す各ステップに対応しつつ、制御部120が基板200の配列を作成する手順を示す。ここで、製品ウエハPD、補充ダミー基板FD、モニタウエハMと称する。
【0092】
尚、
図10は、製品基板PD=28、製品領域のスロットNo=57、
図9に示すモニタ移載パターンテーブルの設定が、上=3、中(1)=2、中(2)=1、下=1と設定されている場合の制御部120の基板配列を作成する手順である。また、製品基板について、大ユニットを下側に優先させて配置する指定、ダミー基板については大間隔(後述する)の両端に優先させて配置する指定がされている。これらの基板配置作成用の情報は、
図8に示すS101で確認される。
【0093】
(S101)製品基板PDが28枚なので、製品基板PDのユニットが、5,5,5,5,4,4の6ユニット(配列)が作成される。ここで、第1ユニット(大)が5、第1ユニット(小)が4と称する。そして、製品基板PDの優先配置情報により、必要に応じて並び替えてS101の工程が終了する。この場合、第1ユニット(小)がボート217の上側、第1ユニット(大)がボート217の下側に配置されるように配列が並び替えられる。これにより、第1の配列作成工程を終了して次のステップに移行する。
【0094】
(S102)移載パターンの設定が
図9に示す中(1)=2、中(2)=1となっているので、製品基板PDの配列(6ユニット)を3等分するようにモニタウエハMが配置される。従い、制御部120は、第1ユニット(小)4、第1ユニット(小)4、第2ユニット2、第1ユニット(大)5、第1ユニット(大)5、第2ユニット1、第1ユニット(大)5、第1ユニット(大)5とボート217の上側から配置されるような配列を作成するように構成される。これにより、第2の配列作成工程を終了して次のステップに移行する。
【0095】
(S103)制御部120は、補充ダミー基板FDだけの配列が作成するよう構成される。つまり、製品基板領域スロットから製品基板PD−モニタウエハMを引いた残りのボート217のスロット数の割当を算出する。例えば、算出されたボート217のスロット数を、第1ユニット数+第2ユニット数+1で割り算し、残りのスロットを分割する。残りのスロット数が割り切れないときは、スロット数Sとスロット数S−1の組合せで間隔(スロット数)を決定する。このスロット数Sを大間隔、スロット数S−1を小間隔とする。
【0096】
図10では、製品領域スロット数―製品基板PD数―モニタウエハ数=22であり、そして、第1ユニット+第2ユニットの数が8であるため、制御部120は、全スロット数を9になるように、スロット数S=3、スロット数S−1=2、且つ、スロット数S=4ユニット、スロット数S−1=5ユニットをそれぞれ算出する。
【0097】
ここで、大間隔をスロット数(大)、小間隔をスロット数(小)と称すると、このスロット数(大) 、スロット数(小)にフィルダミー基板FDが補充されることを示す補充ダミー基板FDの配列(第3ユニット)が作成され、更に、補充ダミー基板FDの優先配置情報により、必要に応じて並び替えられる。この場合、スロット数(大)がボート217の両端側に配置されるように、補充ダミー基板FDの配列が並び替えられる。
【0098】
制御部120は、作成された補充ダミー基板FDの配列(第3ユニット)をS102で作成された第2の配列(製品基板PDとモニタウエハMの配列)と結合させるよう構成されている。製品基板PDのユニット(第1ユニット)間または製品基板PDのユニット(第1ユニット)とモニタウエハM(第2ユニット)間に第3ユニットを配置する。つまり、第1ユニット間または第1ユニットと第2ユニット間が隣接しないように第3ユニットが配置される。
【0099】
これにより、第3の配列作成工程を終了して次のステップに移行する。
【0100】
(S104)モニタウエハMの移載パターン設定が、予め指定されていると、第3の配列の外側に配置された第3ユニットとサイドダミー基板SDの間にモニタウエハMが配置される。
【0101】
この場合、上=3、下=1の設定により、制御部120は、上側サイドダミー基板と上端に配置される第3ユニットの間にモニタウエハMのユニット(3枚)と下側サイドダミー基板と下側に配置される第3ユニットの間にモニタウエハMのユニット(1枚)がボート217に載置されるように配置し、基板配置データの作成を終了する。
【0102】
(実施例1)
図11は、製品領域スロット数が95枚、製品基板PDが23枚、
図9に示すモニタウエハMの指定なしという条件で
図8に示す基板配置プログラムを実行し、ボート217に各種基板を移載したときの様子を模式的に示す一例である。
図11は製品基板PDのユニットがデフォルト(N=5)で割り切れない場合、つまり、製品基板PDが大ユニットと小ユニットの組合せになる場合を示す。尚、
図11に示す大ユニットの優先配置が上側、下側、両端の時をそれぞれ示す。
【0103】
(実施例2)
図12の移載条件は、製品領域スロット数が84枚、製品基板PDが20枚、
図9に示すモニタウエハMの指定なしという条件で
図8に示す基板配置プログラムを実行し、ボート217に各種基板を移載したときの様子を模式的に示す一例である。
図12はボート217の残りのスロット(製品領域スロット数と製品基板PDの枚数の差)が割り切れない場合、つまりスロット数(大)とスロット数(小)の両方が存在するときを示す。尚、
図11に示すスロット数(大)の優先配置が上側、下側、両端の時をそれぞれ示す。
【0104】
このように、本実施形態(実施例1または実施例2)によれば、製品領域スロット数に対して、製品基板PDの枚数が少ないときに、製品基板PDをボート217の基板処理領域内の複数の領域に分割して配置することができる。
【0105】
また、本実施形態(実施例1または実施例2)によれば、製品基板PDの枚数を移載機構125のツィーザ125cの数と同じにするように構成されている。これにより、製品領域スロット数に対して、製品基板PDを搬送する際の時間を短縮することができる。
【0106】
尚、本実施形態(実施例1または実施例2)において、製品領域スロット数に対して、製品基板PDの枚数を20枚以上にすると効果が顕著となる。枚数が少なすぎる(例えば、10枚以下)となると、1枚ずつ搬送する場合と搬送時間があまり変わらないためである。また、100枚以下若しくは80枚以下の好ましく、枚数が多いと本実施形態における製品基板200をユニット毎に分散させて配置する必要が無くなるためである。
【0107】
図13は、本実施形態による製品基板200と比較例による製品基板200のそれぞれをボート217に移載し、同条件で膜厚を測定した結果を示す。尚、図には分かり易くするために、製品基板(または製品基板群)200のみを示す。本実施形態における製品基板200の基板間の膜厚均一性が0.15に対し、比較例では、0.57となり、本実施形態による製品基板200の測定結果が良好となった。
【0108】
このように、本実施形態によれば、投入された製品基板枚数とボートのスロット数に応じて、製品基板をボート上に複数分散させて配置(移載)することができるので、炉内の製品基板間の膜厚均一性を改善し、基板品質の低下を抑制できる。
【0109】
特に、本実施形態によれば、製品基板がパターンウエハの場合に効果が、更に顕著となる。通常のパターン無しのウエハと比較しパターンウエハは表面積が大きいため、パターンウエハ(群)周辺でのガスの消費量(成膜反応寄与量)が多くなり、ガス分圧が下がることによる成膜速度の低下を引き起こし、また、パターンウエハ(群)周辺での反応副生成物の発生量が多くなり、反応副生成物がウエハ表面に再付着し成膜阻害が起こり、成膜速度の低下を引き起こすためである。ここで、パターンウエハは、通常のウエハの表面により複雑且つ微細なパターンが形成されたウエハのことである。
【0110】
本実施形態によれば、移載機構が一括に移載可能な枚数毎に、ボート上に分散させて配置(移載)することができるので、基板搬送時間を削減でき、生産効率が向上する。
【0111】
本実施形態によれば、製品基板の投入数、モニタウエハの有無及び配置位置に応じて、装置オペレータが基板配置用のパラメータを選択する必要が無くなり、装置オペレータを介在しないで自動で基板配置を決定することができるので、装置オペレータの工数やミスが削減できる。
【0112】
また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて薄膜を成膜する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて薄膜を成膜する場合にも、好適に適用できる。
【0113】
また、本実施例に係る基板処理装置のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置などに限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置にも適用することができる。