特許第6785870号(P6785870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6785870-高分子組成物 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785870
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】高分子組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 297/00 20060101AFI20201109BHJP
   C08L 53/00 20060101ALI20201109BHJP
   B32B 7/02 20190101ALI20201109BHJP
   C09J 153/00 20060101ALI20201109BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20201109BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   C08F297/00
   C08L53/00
   B32B7/02
   C09J153/00
   C09J7/38
   G09F9/00 313
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-544232(P2018-544232)
(86)(22)【出願日】2017年9月7日
(65)【公表番号】特表2019-512560(P2019-512560A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】KR2017009813
(87)【国際公開番号】WO2018048216
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0115609
(32)【優先日】2016年9月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】チョン・エ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ス・チョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン・ス・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ナ・チ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ハ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ス・チ・クォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ファン・チュ
(72)【発明者】
【氏名】クン・ホ・パク
(72)【発明者】
【氏名】キョン・オ・キム
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−115124(JP,A)
【文献】 特表2002−531598(JP,A)
【文献】 特表2010−536969(JP,A)
【文献】 特表2016−525584(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/033871(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 251/00 − 283/00
C08F 283/02 − 289/00
C08F 291/00 − 297/08
C08L 53/00 − 53/02
B32B 1/00 − 43/00
C09J 1/00 − 5/10
C09J 7/00 − 7/50
C09J 9/00 − 201/10
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度が20℃以上であり、トリブロック共重合体の形態である第1ブロックおよびガラス転移温度が10℃以下である第2ブロックを含み、
前記第1または第2ブロックは、架橋性官能基を含み、
前記第2ブロックは、前記第1ブロックの両末端にそれぞれ結合されているブロック共重合体を含み、
前記第1ブロックは、AブロックとBブロックを含み、前記Aブロックが前記Bブロックの両末端にそれぞれ結合されており、第2ブロックが前記Aブロックの末端に結合されており、
前記Aブロックは、アルキルメタクリレート、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、スチレン、スチレン誘導体、マレイミドおよびアクリロニトリルよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含み、
前記Bブロックは、アルキルアクリレート、オレフィン化合物、ジエン化合物およびアルキレンオキシドよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含み、
前記第2ブロックは、アルキルアクリレートに由来する重合単位を主成分として含み、
架橋性官能基と反応する官能基を有する多官能性架橋剤をさらに含む、高分子組成物。
【請求項2】
第1ブロックは、ガラス転移温度が30℃以上のAブロックとガラス転移温度が0℃以下のBブロックを含む、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項3】
AおよびBブロックの合計重量を基準としてAブロックの重量比が50〜95重量%の範囲内である、請求項に記載の高分子組成物。
【請求項4】
第1ブロックの数平均分子量は、15,000〜150,000の範囲内にある、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項5】
第1ブロックの多分散度(Mw/Mn)が1.01〜3の範囲内にある、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項6】
第2ブロックは、アルキルアクリレート100重量部に対して0.1〜5重量部の架橋性単量体に由来する重合単位をさらに含む、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項7】
第1および第2ブロックの合計重量を基準とする第2ブロックの重量比は、65〜95重量%の範囲内である、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項8】
ブロック共重合体は、数平均分子量(Mn)が10万〜80万の範囲内である、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項9】
ブロック共重合体は、多分散度(Mw/Mn)が5以下である、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項10】
ブロック共重合体は、相分離構造を形成する、請求項1に記載の高分子組成物。
【請求項11】
相分離構造は、スフィア構造である、請求項10に記載の高分子組成物。
【請求項12】
光学フィルムと;前記光学フィルムの一面に形成されている粘着剤層と;を含み、前記粘着剤層は、請求項1に記載の高分子組成物の架橋物を含む光学積層体。
【請求項13】
光学フィルムに下塗り層を介して粘着剤層が設けられている粘着型光学フィルムにおいて、粘着剤層が請求項1に規定の高分子組成物を含有する粘着剤により形成されており、また、前記下塗り層は、ポリマー類を含有することを特徴とする、粘着型光学フィルム。
【請求項14】
請求項1に記載の光学積層体を含むディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子組成物、光学積層体およびディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願との相互引用
本出願は、2016年9月8日付けの韓国特許出願第10−2016−0115609号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0003】
高分子組成物は、様々な分野において使用され、代表的には粘着剤に使用される。粘着剤が使用される分野の一つとして、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device、以下、「LCD装置」という)が挙げられる。LCD装置は、通常、2枚の透明基板の間に注入された液晶成分を含む液晶パネルと光学フィルムを含む。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルムまたは輝度向上フィルムなどがある。光学フィルムを積層するか、光学フィルムを液晶パネルなどの被着体に付着するために、光学フィルム用粘着剤が使用される場合が多い。粘着剤としては、アクリル重合体、ゴム、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂などを使用したものがある。光学フィルム、特に偏光板用の粘着剤としては、透明性に優れ、酸化や黄変に対する抵抗性が良いアクリル共重合体を含む粘着剤が一般的に使用される。
【0004】
光学フィルム用粘着剤組成物において要求される主な物性は、凝集力、粘着力、再作業性、低い光漏れ性および応力緩和性などがある。特許文献1〜3には、前記のような物性を達成するための粘着剤組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第1023839号公報
【特許文献2】韓国登録特許第1171976号公報
【特許文献3】韓国登録特許第1171977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高分子組成物、光学積層体、偏光板およびディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の高分子組成物は、第1ブロックおよび第2ブロックを含むブロック共重合体を含む。本発明において高分子組成物は、一般的に知られている化学的架橋と、物理的方式による物理的架橋構造を同時に具現できる成分を含む組成物を指すことができる。前記高分子組成物は、例えば、粘着剤組成物を形成し得る高分子組成物であってもよい。
【0008】
ブロック共重合体は、例えば、トリブロック共重合体の形態である第1ブロックおよび第2ブロックを含み、前記第2ブロックが前記第1ブロックの両末端にそれぞれ結合されているブロック共重合体であってもよい。本発明において第2ブロックが第1ブロックの両末端に結合されているというのは、第1ブロックの鎖の両末端を介して共有結合にて第2ブロックが連結されていることを意味する。
【0009】
ブロック共重合体は、例えば、ガラス転移温度が20℃以上の第1ブロックと、ガラス転移温度が10℃以下の第2ブロックとを含むことができる。本明細書において「所定ブロックのガラス転移温度」は、当該ブロックに含まれる単量体だけで形成された重合体から測定されるガラス転移温度を意味する。一例示で、前記第1ブロックのガラス転移温度は、20℃以上、40℃以上または60℃以上であってもよい。また、前記第1ブロックのガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、例えば、200℃以下、180℃以下または160℃以下であってもよい。一例示で、前記第2ブロックのガラス転移温度は、10℃以下、0℃以下または−10℃以下であってもよい。前記第2ブロックのガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、例えば、−80℃以上、−70℃以上、−60℃以上であってもよい。第1ブロックと第2ブロックのガラス転移温度を前記範囲内に調節することによって、第1ブロックと第2ブロックが後述する微細相分離構造を有するようになり、応力緩和点を含む構造を形成し得る物理的架橋を形成する。上記のようにブロック共重合体が物理的架橋を形成することによって、優れた粘着信頼性、再作業性および切断性を有する粘着剤層を形成し得る架橋性組成物を提供することができる。
【0010】
本発明において、例えば、第1ブロックは、トリブロック共重合体の形態であってもよい。前記トリブロック共重合体は、例えば、AブロックとBブロックを含み、前記AブロックがBブロックの両末端にそれぞれ結合されていてもよい。本発明においてAブロックがBブロックの両末端に結合されているというのは、Aブロックの鎖の両末端を介して共有結合にてBブロックが連結されていることを意味する。第1ブロックが前述したA−B−A形態のトリブロック構造を有することによって、本発明の光学フィルムが付着したディスプレイが駆動される条件で発生する熱によるディスプレイの曲げ現象を効果的に緩和することができ、これによる光漏れ現象をも顕著に改善することができる。
【0011】
本発明において第1ブロックのAブロックとBブロックは、微細相分離構造を示すことが好ましい。微細相分離構造を形成することによって、第1ブロックよりなる物理的架橋構造内に外部応力を効果的に分散させることができるBブロックよりなる応力緩和構造を含み、優れた応力緩和特性を有する粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0012】
前記第1ブロックは、微細相分離現象を通じてスフィア、シリンダー、ジャイロイド、ラメラ相を形成し得る。微細相分離現象の相の種類は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、AFM)を利用して高分子の表面をイメージ化するか、高倍率の電子顕微鏡で観察することによって把握することができる。本発明の第1ブロックは、その相の種類を特に限定しないが、スフィア相である場合、粘着特性と物理的架橋特性に優れた高分子組成物を提供することができる。
【0013】
本発明において第1ブロックは、前述した第1ブロックのガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、互いにガラス転移温度が異なるAブロックとBブロックを含むことができる。前述したAブロックのガラス転移温度は、30℃以上、40℃以上または50℃以上であってもよい。前記Aブロックのガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、例えば、200℃以下、180℃以下または160℃以下であってもよい。前述したBブロックのガラス転移温度は、0℃以下、−10℃以下、または−20℃以下であってもよい。前記Bブロックのガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、例えば、−80℃以上、−70℃以上、−60℃以上であってもよい。AブロックとBブロックのガラス転移温度の範囲を前記のように調節することによって、光学フィルムが付着したディスプレイが駆動される条件で発生する熱によるディスプレイの曲げ現象を効果的に緩和することができ、これによる光漏れ現象をも顕著に改善することができる。
【0014】
Aブロックは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルメタクリレート、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、スチレン、スチレン誘導体、マレイミドおよびアクリロニトリルよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルメタクリレートおよびN−アルキルアクリルアミドとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するものが使用できる。一例示で、スチレン誘導体として、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレンおよびビニルトルエンのうち一つ以上が使用できる。Aブロックは、好ましくは、メチルメタクリレートおよびスチレンよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。または、Aブロックは、メチルメタクリレートおよびスチレンに由来する重合単位を主成分として含むことができる。本発明において主成分として含むというのは、50重量%、55重量%、65重量%、75重量%または95重量%を超過して含むことを意味する。Aブロックが前述した重合単位を主成分として含むことによって、光学積層体およびディスプレイ装置に適した粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0015】
Bブロックは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルアクリレート、オレフィン化合物、ジエン化合物およびアルキレンオキシドよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルアクリレートとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートが使用できる。一例示で、オレフィン化合物およびジエン化合物として、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のオレフィン化合物およびジエン化合物が使用できる。一例示で、アルキレンオキシドとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキシドが使用できる。Bブロックは、好ましくは、ブチルアクリレート、エチレングリコールまたは2−エチルヘキシルアクリレートに由来する重合単位を主成分として含むことができる。Bブロックが前述した重合単位を主成分として含むことによって、光学積層体およびディスプレイ装置に適した粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0016】
第1ブロックは、例えば、数平均分子量(Mn)が15,000以上、20,000以上、または25,000以上であってもよい。第1ブロックの数平均分子量(Mn)の上限は、150,000以下、100,000以下または50,000以下であってもよい。第1ブロックは、例えば、多分散度(PDI;Mw/Mn)、すなわち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率が3以下、2.2以下または1.4以下であってもよい。多分散度(Mw/Mn)の下限は、1.01以上、1.15以上または1.3以上であってもよい。本発明において数平均分子量および重量平均分子量は、例えば、GPC(Gel Permeation Chromatograph)を使用して実施例で提示された方法で測定することができる。第1ブロックの数平均分子量および多分散度を前記のような範囲に調節することによって、耐久性および寸法安定性に優れた粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0017】
第2ブロックは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルアクリレートに由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルアクリレートとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートが使用できる。好ましくは、前記アルキルアクリレートは、ブチルアクリレートであってもよい。第2ブロックが前述した重合単位を主成分として含むことによって、光学積層体およびディスプレイ装置に適した粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0018】
また、第2ブロックは、例えば、アルキルアクリレート100重量部に対して0.1重量部以上、0.3重量部以上または0.5重量部以上の架橋性単量体に由来する重合単位をさらに含むことができる。また、第2ブロックは、例えば、アルキルアクリレート100重量部に対して5重量部以下、3.3重量部以下、または1.5重量部以下の架橋性単量体に由来する重合単位をさらに含むことができる。第2ブロックが前述した範囲の架橋性単量体に由来する重合単位を含むことによって、曲げの抑制特性に優れ、温度変化によって接着力が維持される粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0019】
ブロック共重合体が物理的架橋構造を形成するためには、第1ブロックと第2ブロックが互いに混ざらず(immiscible)、微細相分離構造を示すことが好ましい。本発明のブロック共重合体は、例えば、前述したガラス転移温度を有する第1ブロックおよび第2ブロックを含むことによって、第1ブロックと第2ブロックが微細相分離構造を形成し得る。また、本発明のブロック共重合体は、例えば、前述した重合単位を含む第1ブロックと第2ブロックを含み、微細相分離構造を形成し得る。
【0020】
微細相分離構造を形成することによって、第1ブロックよりなる物理的架橋構造内に外部応力を効果的に分散させることができる第2ブロックよりなる応力緩和構造を含み、優れた応力緩和特性を有する粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0021】
前記ブロック共重合体は、微細相分離現象を通じてスフィア、シリンダー、ジャイロイド、ラメラ相を形成し得る。微細相分離現象の相の種類は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、AFM)を利用して高分子の表面をイメージ化するか、高倍率の電子顕微鏡で観察することによって把握することができる。本発明のブロック共重合体は、その相の種類を特に限定しないが、スフィア相である場合、粘着特性と物理的架橋特性に優れた高分子組成物を提供することができる。
【0022】
一例示で、ブロック共重合体は、前記第1ブロックまたは第2ブロックが化学的架橋性官能基を含むことができる。化学的架橋性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、アミン基、アルコキシシリル基またはビニル基などが例示できる。好ましくは、本発明の架橋性官能基は、ヒドロキシ基であってもよい。第1ブロックまたは第2ブロックが架橋性官能基を含むことによって、高分子組成物が優れた粘着信頼性、再作業性および切断性を有する粘着剤層を形成し得る。
【0023】
前記架橋性官能基は、例えば、ガラス転移温度が低い第2ブロックに含まれ得る。ガラス転移温度が相対的に低い第2ブロックに架橋性官能基が含まれることによって、曲げの抑制特性に優れ、温度変化によって接着力が維持される粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0024】
ブロック共重合体は、例えば、前記第1および第2ブロックの合計重量を基準として第2ブロックの重量比が65重量%以上、75重量%以上80重量%以上または85重量%以上であってもよい。第2ブロックの重量比の上限は、95重量%以下、93重量%以下、91重量%以下、または87重量%以下であってもよい。ガラス転移温度が低い第2ブロックの重量比が前記範囲を満たすことによって、曲げの抑制特性に優れた粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0025】
ブロック共重合体は、例えば、数平均分子量(Mn)が10万以上、15万以上または20万以上であってもよい。ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)の上限は、80万以下、60万以下、40万以下であってもよい。ブロック共重合体は、例えば、多分散度(PDI;Mw/Mn)、すなわち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率が5以下、4.1以下または3.2以下であってもよい。多分散度(Mw/Mn)の下限は、1.1以上、1.45以上または1.8以上であってもよい。ブロック共重合体の数平均分子量および多分散度を前記のような範囲に調節することによって、耐久性および寸法安定性に優れた粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができる。
【0026】
前記ブロック共重合体を製造する方法は、特に限定されず、通常の方式で製造することができる。ブロック重合体は、例えば、LRP(Living Radical Polymerization)方式で重合することができ、その例としては、有機希土類金属複合体を重合開始剤として使用するか、または、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として使用してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの無機酸塩の存在の下に合成するアニオン重合法、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として使用して有機アルミニウム化合物の存在の下に合成するアニオン重合法、重合制御剤として原子移動ラジカル重合剤を使用する原子移動ラジカル重合法(ATRP)、重合制御剤として原子移動ラジカル重合剤を使用し、且つ、電子を発生させる有機または無機還元剤の下で重合を行うARGET(Activators Regenerated by Electron Transfer)原子移動ラジカル重合法(ATRP)、ICAR(Initiators for continuous activator regeneration)原子移動ラジカル重合法(ATRP)、無機還元剤、可逆的付加開裂連鎖移動剤を使用する可逆的付加開裂連鎖移動による重合法(RAFT)、または有機テルル化合物を開始剤として使用する方法などがあり、このような方法のうち適切な方法が選択されて適用され得る。
【0027】
一例示で、二官能性開始剤を使用してBブロックよりなる二官能性高分子開始剤を製造し、Aブロックにて鎖延長反応を行って、A−B−A形態の二官能性トリブロック高分子開始剤を第1ブロックとして製造する。その後、第2ブロックにて鎖延長反応を行って、本発明のブロック共重合体を製造する。
【0028】
本発明の高分子組成物は、多官能性架橋剤を含むことができる。多官能性架橋剤としては、本発明のブロック共重合体が含む架橋性官能基と反応して架橋作用ができる官能基を少なくとも2個以上有するものであれば、その種類が特に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤または金属キレート架橋剤などが使用でき、好ましくは、イソシアネート系架橋剤が使用できる。
【0029】
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートまたはナフタレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物であるか、または前記ジイソシアネート化合物をポリオールと反応させた化合物が使用でき、前記でポリオールとしては、例えば、トリメチロールプロパンなどが使用できる。
【0030】
粘着剤組成物には、前記のうち一種または二種以上の架橋剤が使用され得るが、使用され得る架橋剤が前記に限定されるものではない。
【0031】
一例示で、多官能性架橋剤は、高分子組成物にブロック共重合体100重量部に対して0.05重量部以上または0.1重量部以上含まれ得る。多官能性架橋剤の含量の上限は、0.35重量部以下または0.3重量部以下であってもよい。このような範囲で高分子組成物で形成した粘着剤層のゲル分率、凝集力、粘着力および耐久性などを優秀に維持することができる。
【0032】
また、本発明は、光学積層体に関する。
例示的な光学積層体は、光学フィルムと;前記光学フィルムの一面に形成されている粘着剤層とを含むことができる。前記粘着剤層は、例えば、前記光学フィルムをディスプレイ装置の液晶パネルなどや他の光学フィルムに付着するための粘着剤層であってもよい。前記粘着剤層は、前述した本発明の高分子組成物の架橋物を主成分として含むことができる。前記で光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルムまたは輝度向上フィルムなどや前記のうち2種以上が積層された積層体が例示され得る。
【0033】
本発明において光学積層体は、光学フィルムが偏光フィルムである光学積層体であってもよい。前記光学積層体に含まれる偏光フィルムの種類は、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系偏光フィルムなどのようにこの分野において公知となっている一般的な種類を制限なしに採用することができる。
【0034】
偏光フィルムは、様々な方向に振動しながら入射する光から一方の方向に振動する光のみを抽出できる機能性フィルムである。このような偏光フィルムは、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されている形態であってもよい。偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアセテート系樹脂をケル化して得られる。この場合、使用できるポリビニルアセテート系樹脂には、ビニルアセテートの単独重合体はもちろん、ビニルアセテートおよび前記と共重合可能な他の単量体の共重合体をも含まれ得る。前記でビニルアセテートと共重合可能な単量体の例には、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類などの一種または二種以上の混合が挙げられるが、これに限定されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂のケル化度は、通常、85モル%〜100モル%程度、好ましくは、98モル%以上であってもよい。前記ポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールまたはポリビニルアセタルなどをも使用できる。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000〜10,000程度または1,500〜5,000程度であってもよい。
【0035】
偏光フィルムは、前記のようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸(例えば、一軸延伸)する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、該二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着したポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸(boric acid)水溶液で処理する工程およびホウ酸水溶液で処理した後に水洗する工程などを経て製造することができる。前記で二色性色素としては、ヨード(iodine)や二色性の有機塩料などが使用できる。
【0036】
また、偏光板は、前記偏光フィルムの一面または両面に付着した保護フィルムをさらに含むことができ、この場合、前記粘着剤層は、前記保護フィルムの一面に形成されていてもよい。保護フィルムの種類は、特に限定されず、例えば、TAC(Triacetyl cellulose)のようなセルロース系フィルム;ポリカーボネートフィルムまたはPET(poly(ethylene terephthalet))のようなポリエステル系フィルム;ポリエーテルスルホン系フィルム;またはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムまたはシクロ系やノルボルネン構造を有する樹脂やエチレン−プロピレン共重合体などを使用して製造されるポリオレフィン系フィルムなどの一層または二層以上の積層構造のフィルムなどが使用できる。
【0037】
また、前記偏光板は、保護層、反射層、防眩層、位相差板、広視野角補償フィルムおよび輝度向上フィルムよりなる群から選ばれた一つ以上の機能性層をさらに含むことができる。
【0038】
また、本発明は、粘着型光学フィルムに関する。本発明の例示的な粘着型光学フィルムは、光学フィルムに下塗り層を介して粘着剤層が設けられる。前記粘着剤層は、ベースポリマーとして、ガラス移転温度が0℃以下、−10℃以下または−20℃以下である(メタ)アクリル系重合体(A’)セグメントおよびガラス移転温度が30℃以上、40℃以上または50℃以上である(メタ)アクリル系重合体(B’)セグメントを有するブロック共重合体を含有する粘着剤により形成され得る。前記A’セグメントのガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、例えば、−80℃以上、−70℃以上または−60℃以上であってもよい。前記B’セグメントのガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、例えば、200℃以下、180℃以下または160℃以下であってもよい。A’およびB’セグメントのガラス転移温度の範囲を前記のように調節することによって、光学フィルムが付着したディスプレイが駆動される条件で発生する熱によるディスプレイの曲げ現象を効果的に緩和することができ、これによる光漏れ現象をも顕著に改善することができる。
【0039】
A’セグメントは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルアクリレート、オレフィン化合物、ジエン化合物およびアルキレンオキシドよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルアクリレートとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートが使用できる。一例示で、オレフィン化合物およびジエン化合物として、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のオレフィン化合物およびジエン化合物が使用できる。一例示で、アルキレンオキシドとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキシドが使用できる。
A’セグメントは、好ましくは、ブチルアクリレート、エチレングリコールまたは2−エチルヘキシルアクリレートに由来する重合単位を主成分として含むことができる。A’セグメントが前述した重合単位を主成分として含むことによって、粘着型光学フィルムに適した粘着剤層を形成し得るベースポリマーを提供することができる。
【0040】
B’セグメントは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルメタクリレート、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、スチレン、スチレン誘導体、マレイミドおよびアクリロニトリルよりなる群から選ばれた一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルメタクリレートおよびN−アルキルアクリルアミドとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するものが使用できる。一例示で、スチレン誘導体として、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレンおよびビニルトルエンのうち一つ以上が使用できる。B’セグメントは、好ましくは、メチルメタクリレートおよびスチレンよりなるグンに選択された一つ以上に由来する重合単位を主成分として含むことができる。または、B’セグメントは、メチルメタクリレートおよびスチレンに由来する重合単位を主成分として含むことができる。B’セグメントが前述した重合単位を主成分として含むことによって、粘着型光学フィルムに適した粘着剤層を形成し得るベースポリマーを提供することができる。
【0041】
本発明において、例えば、ベースポリマーは、トリブロック共重合体として、A’およびB’セグメントがB’−A’−B’形態に連結されていてもよい。ベースポリマーが前述したB’−A’−B’形態に連結されたトリブロック構造を有することによって、本発明の粘着型光学フィルムが付着したディスプレイが駆動される条件で発生する熱によるディスプレイの曲げ現象を効果的に緩和することができ、これによる光漏れ現象をも顕著に改善することができる。
【0042】
本発明においてベースポリマーのA’セグメントとB’セグメントは、微細相分離構造を示すことが好ましい。ベースポリマーは、微細相分離構造を形成することによって、ベースポリマーの物理的架橋構造内に外部応力を効果的に分散させることができるA’セグメントよりなる応力緩和構造を含み、優れた応力緩和特性を有する粘着剤層を形成し得る。
【0043】
本発明においてベースポリマーは、例えば、B’セグメントに連結されており、ガラス転移温度が10℃以下、0℃以下または−10℃以下である重合体(C)セグメントをさらに含むことができる。前記Cセグメントのガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、例えば、−80℃以上、−70℃以上または−60℃以上であってもよい。前記Cセグメントのガラス転移温度を前記範囲内に調節することによって、ベースポリマーとCセグメントが後述する微細相分離構造を有するようになり、応力緩和点を含む構造を形成し得る物理的架橋を形成する。前記のようにベースポリマーが物理的架橋を形成することによって、優れた粘着信頼性、再作業性および切断性を有する粘着剤層を形成し得る架橋性組成物を提供することができる。
【0044】
Cセグメントは、前述したガラス転移温度を満たすことができると、その組成が特に限定されるものではないが、例えば、アルキルアクリレートに由来する重合単位を主成分として含むことができる。一例示で、アルキルアクリレートとして、凝集力、ガラス転移温度および粘着性の調節などを考慮して、炭素数が1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートが使用できる。好ましくは、前記アルキルアクリレートは、ブチルアクリレートであってもよい。Cセグメントが前述した重合単位を主成分として含むことによって、光学積層体およびディスプレイ装置に適した粘着剤層を含む粘着型光学フィルムを提供することができる。
【0045】
一例示で、Cセグメントが化学的架橋性官能基を含むことができる。化学的架橋性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、アミン基、アルコキシシリル基またはビニル基などが例示できる。好ましくは、本発明の架橋性官能基はヒドロキシ基であってもよい。Cセグメントが架橋性官能基を含むことによって、優れた粘着信頼性、再作業性および切断性を有する粘着剤層を含む粘着型光学フィルムを提供することができる。
【0046】
ベースポリマーは、例えば、Cセグメントの重量比が65重量%以上、75重量%以上、80重量%以上または85重量%以上であってもよい。Cセグメントの重量比の上限は、95重量%以下、93重量%以下、91重量%以下、または87重量%以下であってもよい。ガラス転移温度が低いCセグメントの重量比が前記範囲を満たすことによって、曲げの抑制特性に優れた粘着剤層を含む粘着型光学フィルムを提供することができる。
【0047】
前記ベースポリマーの分子量、多分散度および製造方法は、前述した本発明の高分子組成物のブロック共重合体の分子量、多分散度および製造方法において説明したものと同様なので説明を省略する。
【0048】
下塗り層は、ポリマー類および酸化防止剤を含有する下塗り剤により形成される。前記ポリマー類の材料は、粘着剤層と光学フィルム、例えば液晶光学補償層のうちいずれにも良好な密着性を示し、凝集力に優れた被膜を形成し得るものが好ましい。
【0049】
前記ポリマー類としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂および分子中にアミノ基を含むポリマー類が挙げられる。ポリマー類の使用形態は、溶剤可溶型、水分散形および水溶解型のうちいずれでも良い。例えば、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどや水分酸性樹脂(エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、(メタ)アクリル系エマルジョンなど)が挙げられる。また、水分散型は、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドなどの各種の樹脂を乳化剤を使用してエマルジョン化したもの、または、前記樹脂中に水分酸性親水基のアニオン基、カチオン基またはノニオン 基を導入して乳化物にしたもの等が使用できる。また、イオン高分子錯体が使用できる。
【0050】
ポリマー類は、粘着剤層に、例えば、イソシアネート系化合物を含む場合には、イソシアネート系化合物と反応性を有する官能基を有することが好ましい。前記ポリマー類としては、分子中にアミノ基を含むポリマー類が好ましい。特に末端に1級アミノ基を有するものが好適に使用され、イソシアネート系化合物との反応により一層堅固に密着し、耐久性が向上する。末端に1級アミノ基を有するポリマーは、末端に1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0051】
分子中にアミノ基を含むポリマー類としては、ポリエチレンイミン系、ポリアリルアミン系、ポリビニルアミン系、ポリビニルピリジン系、ポリビニルピロリジン系およびジメチルアミノアクリル酸エチルなどのアミノ基含有単量体の重合体などが挙げられる。これらのうちでも、ポリエチレンイミン系が好ましい。ポリエチレンイミン系材料としては、ポリエチレンイミン構造を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸エステルへのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物が挙げられる。特に末端に1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルであるポリアクリル酸エステルへのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物が好ましい。
【0052】
ポリエチレンイミンは、特に限定されず、種々のものが使用できる。ポリエチレンイミンの重量平均分子量は、特に限定されないが、一般的に100〜100万程度である。例えばポリエチレンイミンの市販品の例としては、株式会社日本触媒のエポミンSPシリーズ(SP−003、SP006、SP012、SP018、SP103、SP110およびSP200等)、エポミンP−1000等が挙げられる。これらのうちでも、エポミンP−1000が好ましい。
【0053】
ポリアクリル酸エステルへのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物のポリアクリル酸エステルは、後述するアクリル系粘着剤のベースポリマー(アクリル系ポリマー)を構成するアルキル(メタ)アクリレートおよびその共重合単量体をエマルジョン重合することによって得られる。共重合単量体としては、エチレンイミンなどを反応させるためにカルボキシル基などの官能基を有する単量体が使用される。カルボキシル基などの官能基を有する単量体の使用比率は、反応させるエチレンイミンなどの比率に応じて適宜調整する。また、共重合単量体としては、スチレン系単量体を使用することが好ましい。また、アクリル酸エステル中のカルボキシル基などに別途合成したポリエチレンイミンを反応させることによって、ポリエチレンイミンをグラフト化した付加物を使用してもよい。例えば市販品の例としては、株式会社日本触媒のポリメントNK−380が挙げられる。
【0054】
また、アクリル系重合体エマルジョンのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物などが使用できる。例えば市販品の例としては、株式会社日本触媒のポリメントSK−1000が挙げられる。
【0055】
前記の他に、末端に1級アミノ基を有するポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル中のカルボキシル基または水酸基を過量のジイソシアネートと反応させ、また、過量のジアミンと反応させて、末端に1級アミノ基を導入したものが挙げられる。また、末端に1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルは、前記(メタ)アクリル酸エステルと末端に1級アミノ基を有する単量体を共重合することによって得られる。末端に1級アミノ基を有する単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレートおよびアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0056】
また、下塗り層には、前記ポリマー類の他に、必要に応じて、また、本発明の目的を逸脱しない範囲で酸化防止剤などの各種添加剤を適宜使用してもよい。
【0057】
下塗り層が含有する酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系およびアミン系の酸化防止剤が挙げられ、これらの中から選択される少なくとも一つ以上が使用できる。これらのうちでも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0058】
フェノール系酸化防止剤の具体的な例としては、単環フェノール化合物として、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2、6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2、6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2、6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、2、6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2、6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2、6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、スチレン化混合クレゾール、DL−α−トコフェロールおよびステアリルβ−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンエステル(propionate)等が挙げられ、二環フェノール化合物として、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−ブチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2、2’−エチリデンビス(4、6−ジ−t−ブチルフェノール)、2、2’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3、6−ジオキサオクタメチレンビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオンエステル(propionate)]、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンエステル(propionate)]、1、6−ヘキサンジオールビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンエステル(propionate)]および2、2’−チオジエチレンビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンエステル(propionate)]などが挙げられ、三環フェノール化合物として、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリス(2、6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1、3、5−トリス[(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2、6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられ、四環フェノール化合物として、テトラキス[メチレン−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンエステル(propionate)]メタンなどが挙げられ、リン含有フェノール化合物として、ビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウムおよびビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)ニッケルなどが挙げられる。
【0059】
リン系酸化防止剤の具体的な例としては、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テトラトリデシル−4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、4、4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト(但し、アルキルは炭素数12〜15程度)、4、4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−1、1、3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4、4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)ビス[4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)]1、6−ヘキサンジオールジホスファイト、ヘキサトリデシル−1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス[4、4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホスファイト、トリス(1、3−ジステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、9、10−ジヒドロ−9−ホスファフェナントレン−10−オキシド、テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)−4、4’−ビフェニレンジホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル4、4’−イソプロピリデンジフェノールペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびフェニルビスフェノール−A−ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0060】
硫黄系酸化防止剤としては、ジアルキルチオジブロピオネートおよびアルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルを使用することが好ましい。ここで使用されるジアルキルチオジブロピオネートとしては、炭素数6〜20のアルキル基を有するジアルキルチオジブロピオネートが好ましく、また、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとしては、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルが好ましい。この場合、多価アルコールエステルを構成する多価アルコールの例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどが挙げられる。このようなジアルキルチオジブロピオネートとしては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。なお、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとしては、例えば、グリセリントリブチルチオプロピオンエステル(propionate)、グリセリントリオクチルチオプロピオンエステル(propionate)、グリセリントリラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリルチオプロピオンエステル(propionate)、トリメチロールエタントリブチルチオプロピオンエステル(propionate)、トリメチロールエタントリオクチルチオプロピオンエステル(propionate)、トリメチロールエタントリラウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリステアリルチオプロピオンエステル(propionate)、ペンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオンエステル(propionate)、ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオンエステル(propionate)およびペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプロピオンエステル(propionate)等が挙げられる。
【0061】
アミン系酸化防止剤の具体的な例としては、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジンエタノールとの重縮合物、N、N’、N”、N’”−テトラキス−(4、6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン2−イル)−4、7−ジアザデカン−1、10−ジアミン、ジブチルアミン1、3、5−トリアジンN、N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル1、6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ[{6−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)アミノ−1、3、5−トリアジン2、4−ジイル}{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、テトラキス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1、2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス−(1、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(N−メチル−2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1、1’−(1、2−エタンジイル)ビス(3、3、5、5−テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1、2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1、2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル/β、β、β’ 、β’−テトラメチル−3、9−[2、4、8、10−テトラオキサスピロ(5、5)ウンデカン]ジエチル]−1、2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β、β、β’、β’−テトラメチル−3、9−[2、4、8、10−テトラオキサスピロ(5、5)ウンデカン]ジエチル]−1、2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、N、N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2、4−ビス[N−ブチル−N−(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1、3、5−トリアジン縮合物、ポリ[6−N−モルホリル−1、3、5−トリアジン2、4−ジイル][(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド]、N、N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1、2−ジブロモエタンとの縮合物および[N−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]プロピオンアミドなどが挙げられる。
【0062】
下塗り層がポリマー類および酸化防止剤を含む場合、一般的にポリマー類100重量部に対して酸化防止剤0.01〜500重量部を含むことができる。酸化防止剤の使用比率が前記範囲に該当する場合、投錨性と外観が良好であり、酸化防止性能に優れた下塗り層を提供することができる。酸化防止剤の使用比率は、好ましくは、ポリマー類100重量部に対して0.1〜300重量部、または1〜100重量部である。
【0063】
また、下塗り層は、前記ポリマー類と共に架橋剤を含有することができる。例えば、アミノ基を含むポリマー類と反応する架橋剤を混合して架橋させて、下塗り層の強度を向上させることができる。アミノ基を含むポリマー類と反応する架橋剤としては、エポキシ化合物などが挙げられる。本発明の粘着型光学フィルムの製造は、例えば、光学フィルム、例えば、液晶光学補償層に下塗り層を形成し、粘着剤層を形成することによって行う。
【0064】
下塗り層の形成は、例えば、前記ポリマー類および酸化防止剤を含有する下塗り剤溶液をコーティング法、ディッピング法、スプレー法などの塗工法を利用して塗布し、乾燥して行われる。下塗り層の厚さは、10〜5000nmまたは50〜500nmが好ましい。下塗り層の厚さが薄くなると、下塗り層が十分な強度を示さないため、十分な密着性が得られない場合がある。また、あまりにも厚い場合、光学特性の低下を招くことができる。なお、下塗り層の塗布量(固形分)は、1平方メートル当たり0.1〜5立方センチメートル、0.1〜1立方センチメートル、または0.1〜0.5立方センチメートルであることが好ましい。
【0065】
粘着剤層の形成は、前記下塗り層上に積層することによって行う。形成方法としては、特に限定されず、粘着剤(溶液)を塗布して乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法などが使用できる。塗布法は、リバースコーティング、グラビアコーティングなどのロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用することができる。
【0066】
離型シートの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、これらのラミネート体などの適当な薄葉体などが挙げられる。離型シートの表面には、粘着剤層からの剥離性を向上させるために、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理が実施されていてもよい。
【0067】
また、本発明は、ディスプレイ装置、例えば、液晶ディスプレイ装置に関する。例示的な表示装置は、液晶パネルおよび前記液晶パネルの一面または両面に付着した前記偏光板または光学積層体を含むことができる。前記偏光板または光学積層体は、前記記述した粘着剤により液晶パネルに付着していてもよい。
【0068】
前記装置において液晶パネルとしては、例えば、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型またはPD(polymer dispersed)型のようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用され得る。
【0069】
また、液晶表示装置のその他の構成、例えば、カラーフィルター基板またはアレイ基板のような上下部基板などの種類も特に限定されず、この分野に公知となっている構成が制限なしに採用され得る。
【発明の効果】
【0070】
本発明は、化学的架橋構造と共に物理的架橋構造を形成し得る高分子を使用して作業性に優れ、耐久性および寸法安定性などに優れ、且つ、ディスプレイの曲げ現象を効果的に緩和できる粘着剤層を形成し得る高分子組成物を提供することができ、このような高分子組成物の架橋物を含む光学積層体およびこれを含むディスプレイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1図1は、本発明の例示的な粘着型光学フィルムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、本発明による実施例および本発明によらない比較例を通じて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例に限定されるものではない。
【0073】
以下、実施例においてMwは重量平均分子量を意味し、Mnは数平均分子量を意味する。
【0074】
1.分子量の測定
数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI)は、GPC(Gel permeation chromatography)を使用して以下の条件で測定し、検量線の製作には、Agilent systemの標準ポリスチレンを使用して測定結果を換算した。
【0075】
<測定条件>
測定機:Agilent GPC(Agilent 1200 series、U.S.)
コラム:PL Mixed B 2個連結
コラム温度:40℃
溶離液:THF(tetrahydrofuran)
流速:1.0mL/min
濃度:〜1mg/mL(100μL injection)
【0076】
2.耐久性の評価方式
実施例または比較例で製造された粘着型偏光板を、横の長さが320cmであり、且つ縦の長さが180cmになるようにカットして、試験片を製造した。製造した試験片を粘着剤層を媒介で厚さが約0.7mm程度である市販のLCDパネルに付着し、試験片が付着したパネルを50℃および5気圧で約20分間保管して、サンプルを製造する。製造されたサンプルを80℃で300時間維持した後、粘着剤層の粘着界面においての気泡または剥離現象の発生の有無を観察し、下記の基準に基づいて耐久性を評価する。
【0077】
<耐久性の評価基準>
A:気泡および剥離現象の発生が観察されない場合
B:気泡および/または剥離現象が若干観察される場合
C:気泡および/または剥離現象が多量観察される場合
【0078】
3.曲げ抑制力の評価方式
実施例または比較例で製造された粘着型偏光板を、横の長さが3cmであり、且つ縦の長さが40.5cmになるようにカットして、試験片を製造する。製造した試験片を粘着剤層を媒介で厚さが約0.7mm程度である横4cmおよび縦42cmのLCD用パネルに付着する。試験片の一方の端部を磁石を利用して鉄板支持台付きオーブン壁に取り付け、他方の端部が壁から浮かび上がった距離(d1)を測定する。試験片を60℃で72時間保管した後、オーブン壁から浮かび上がった距離(d2)を測定し、曲げを測定する。曲げの相対分率は、比較例3のランダム共重合体を使用した試験片の曲げ値を基準として計算する。
【0079】
曲げ(bending)=d2−d1
曲げの相対分率(%)=(試験片の曲げ/基準試験片の曲げ)×100
【0080】
製造例1.ペンタブロック共重合体(A1)の製造例
エチレンビス(2−ブロモイソブチレート)0.5g、ブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)15.5gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)16gを500mLの丸い底フラスコに入れ、シールした後、約40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。酸素を除去した後、フラスコを65℃に加熱したオイルバスに入れ、0.002gのCuBrと0.006gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した0.1mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を前記フラスコに投入した。次いで、触媒還元剤として、Sn(EH)(tin(II)2−ethylhexanoate)0.04gを投入して、反応を開始した。単量体の転換率が約90%である時点であらかじめ酸素を除去しておいたメチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)140gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)140gを投入し、さらに40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。反応物の温度が65℃に到達すると、0.025gのCuBrと0.064gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.0mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入し、0.49gのSn(EH)(tin(II)2−ethylhexanoate)を入れ、鎖延長反応を行った。転換率が80%以上に到達したときに反応を終了し、数平均分子量(Mn)が85,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.32であるマクロ開始剤を製造した。メタノールに反応混合物を滴加して沈殿を得、真空乾燥して収得した前記マクロ開始剤100g、ブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)840g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)8.5gおよびエチルアセテート1000gを3Lの重合反応器に投入し、約60分間窒素でバブリングして酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で0.047gのCuBrと、0.12gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、Sn(EH)(tin(II)2−ethylhexanoate)1.23g を投入して、反応を開始した。反応転換率が約70%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が350,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.84であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は14:86程度である。
【0081】
製造例2.ペンタブロック共重合体(A2)の製造例
エチレンビス(2−ブロモイソブチレート)0.26g、ブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)28.2gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)30gを500mLの丸い底フラスコに入れ、シールした後、約40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。酸素を除去した後、フラスコを65℃に加熱したオイルバスに入れ、0.005gのCuBrと0.013gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した0.2mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を前記フラスコに投入した。次いで、触媒還元剤としてアゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液0.72gを投入して、反応を開始した。単量体の転換率が約90%である時点であらかじめ酸素を除去しておいたメチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)145g、スチレン14.5gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)160gを投入し、さらに40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。反応物の温度が65℃に到達すると、0.036gのCuBrと0.092gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液6gを投入して、鎖延長反応を行った。転換率が80%に到達したとき、反応混合物をポンプを用いて3Lの重合反応器に全量移送した。3Lの反応器にブチルアクリレート(Butyl acrylate)1300g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)13.1gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)1000gを投入し、約60分間窒素でバブリングして酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で0.035gのCuBrと、0.090gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液3.3gを投入して、反応を鎖延長反応を開始した。反応転換率が約80%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が250,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.88であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は15:85程度である。
【0082】
製造例3.ペンタブロック共重合体(A3)の製造
ポリエチレングリコール、ビス(2−ブロモイソブチレート)(数平均分子量(Mn)が10,000)19.5g、メチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)150g、およびエチルアセテート170gを500mLの丸い底フラスコに入れ、40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。フラスコを65℃に加熱したオイルバスに入れ、反応物の温度が65℃に到達すると、0.033gのCuBrと0.085gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液5.3gを投入して、鎖延長反応を行った。転換率が80%に到達したとき、反応混合物をポンプを用いて3Lの重合反応器に全量移送した。3Lの反応器にブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)1320g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)13.3gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)1000gを投入し、約60分間窒素でバブリングして酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で0.039gのCuBrと、0.10gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液3.3gを投入して、鎖延長反応を開始した。反応転換率が約85%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が240,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.15であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は13:87程度である。
【0083】
製造例4.ペンタブロック共重合体(A4)の製造
エチレングリコールジ−アルファブロモイソブチレート0.33g、2−エチルヘキシルアクリレート(2−Ethylhexyl acrylate、2−EHA)22.9gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)25gを500mLの丸い底フラスコに入れ、シールした後、約40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。酸素を除去した後、フラスコを65℃に加熱したオイルバスに入れ、0.003gのCuBrと0.007gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した0.2mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を前記フラスコに投入した。次いで、触媒還元剤としてアゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)5%EA溶液0.40gを投入して、反応を開始した。単量体の転換率が約90%である時点であらかじめ酸素を除去しておいたメチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)130gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)160gを投入し、さらに40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。反応物の温度が65℃に到達すると、0.029gのCuBrと0.075gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.0mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入して、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液4.6gを投入して鎖延長反応を行った。転換率が80%に到達したとき、反応混合物をポンプを用いて3Lの重合反応器に全量移送した。3Lの反応器にブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)1185g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)12.0gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)1000gを投入し、約60分間窒素でバブリングして酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で0.036gのCuBrと、0.093gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液3.0gを投入して、鎖延長反応を開始した。反応転換率が約70%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が220,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.85であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は15:85程度である。
【0084】
前記製造例1〜4で製造したブロック共重合体の組成および物性を表に整理すれば、下記のとおりである。
【0085】
【表1】
【0086】
比較製造例1.トリブロック共重合体(B1)の製造
エチレングリコールジ−アルファブロモイソブチレート0.26g、メチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)190gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)190gを投入し、40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。反応物の温度が65℃に到達すると、0.036gのCuBrと0.092gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液6gを投入して、鎖延長反応を行った。転換率が80%に到達したとき、反応混合物をポンプを用いて3Lの重合反応器に全量移送した。3Lの反応器にブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)1300g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)13.1gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)1000gを投入し、約60分間窒素でバブリングして、酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で、0.035gのCuBrと、0.090gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液3.3gを投入して、鎖延長反応を開始した。反応転換率が約80%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が240,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.84であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は15:85程度である。
【0087】
比較製造例2.ジブロック共重合体(B2)の製造
エチルアルファブロモイソブチレート0.28g、メチルメタクリレート(Methyl methacrylate、MMA)190gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)190gを投入し、40分間窒素でバブリングして酸素を除去した。反応物の温度が65℃に到達すると、0.036gのCuBrと0.092gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)を酸素を除去した1.5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)に溶かした溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液6gを投入して、鎖延長反応を行った。転換率が80%に到達したとき、反応混合物をポンプを用いて3Lの重合反応器に全量移送した。3Lの反応器にブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)1300g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)13.1gおよびエチルアセテート(Ethyl acetate)1000gを投入し、約60分間窒素でバブリングして、酸素を除去した。窒素の雰囲気の下で反応温度を約65℃に維持した状態で0.035gのCuBrと、0.090gのTPMA(tris(2−pyridylmethyl)amine)および5mLのDMF(N、N−dimethylformamide)を混合した触媒溶液を投入し、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)を5重量%で含有し、溶媒がエチルアセテート(Ethyl acetate)である溶液3.3gを投入して、鎖延長反応を開始した。反応転換率が約80%に到達した時点で反応を終了し、分子量(Mn)が260,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.87であるブロック共重合体溶液を製造した。前記で第1ブロックと第2ブロックの重量比は、15:85程度である。
【0088】
比較製造例3.ランダム共重合体(B3)の製造
化学的架橋だけが導入されたランダム共重合体(B3)は、次のように製造した。ブチルアクリレート(Butyl acrylate、BA)200g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−Hydroxybutyl acrylate、4−HBA)2.0gおよびエチルアセテート600gをフラスコに投入した後、60分間窒素でバブリングして、溶存酸素を除去する。反応温度が65℃に到達すると、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrille、AIBN)0.10gが含まれた2重量%エチルアセテート溶液を投入して、反応を開始する。反応転換率が約70%になると、反応を終了し、分子量(Mn)が220,000であり、分子量分が布4.52であるランダム共重合体を得た。
【0089】
実施例1
製造例1で製造したペンタブロック共重合体(A1)100重量部に架橋剤(TDI−TMPTA adduct、toluene diisocyanate−trimethylolpropane adduct)約0.2重量部と公知の架橋触媒約0.02重量部を配合して、高分子組成物を製造した。次いで、前記組成物を離型処理されたPET(poly(ethylene terephthalate))フィルムに約25μm程度の厚さでコーティングし、120℃で約3分間乾燥させた。次いで、形成された乾燥層を公知の偏光板の一面に転写して、粘着型偏光板を製造した。
【0090】
実施例2〜4
製造例2〜4で製造したペンタブロック共重合体(A2、A3、A4)を使用したことを除いて、実施例1と同じ方式で粘着型偏光板を製造した。
【0091】
比較例1〜3
比較製造例1〜3で製造したブロック共重合体(B1、B2)およびランダム共重合体を使用したことを除いて、実施例1と同じ方式で粘着型偏光板を製造した。
【0092】
前記実施例および比較例の高分子組成物などに対して物性を評価した結果を下記表2に整理して記載した。
【0093】
【表2】
【0094】
表2の結果から化学的架橋構造に物理的架橋構造が加えられたブロック共重合体を使用する場合、化学的架橋だけが得られるランダム共重合体に比べて、高温条件で優れた耐久物性が得られた。特にペンタブロック共重合体を使用する場合、物理的架橋点の内部に存在する応力緩和点の作用によりトリブロックやジブロック共重合体を使用する場合に比べて優れた曲げ抑制特性を示すことを確認することができた。
【符号の説明】
【0095】
10 粘着型偏光板
100 光学フィルム
110 下塗り層
120 粘着剤層
図1