【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、クリーンデバイス社会実装推進事業「次世代半導体を用いた超小型電力変換モジュールの多用途社会実装」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0024】
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係る接合装置100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る接合装置100の接合方法を示す模式的な側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る接合装置100の斜視図である。
【0025】
図1に示すように、接合装置100は、枠体10と、壁部20と、回動軸30と、複数の押圧部40とを備える。接合装置100は、金属材料Mを介して基板Bに部品Cを接合する。
【0026】
金属材料Mには、銀、銅またはニッケルの金属粒子が分散されている。金属材料Mは、金属粒子とアルコールのような溶媒とを混合してペースト化することによって作製される。
【0027】
基板Bは、例えば、リードフレームである。
【0028】
部品Cは、例えば、半導体チップである。部品Cは、例えば、ワイヤーであってもよい。
【0029】
枠体10は、壁部20を支持する。枠体10は、例えば、ステンレスで形成される。枠体10には、支持台14(
図3)が取り付けられる。
【0030】
図3に示すように、支持台14は、基板Bを支持する。支持台14は、例えば、銅で形成される。
【0031】
再び、
図1を参照する。壁部20は、鉛直方向に延びている。壁部20は、例えば、ステンレスで形成される。
【0032】
回動軸30は、壁部20に固定される。回動軸30は、長手方向に延びる。回動軸30は、例えば、ステンレスで形成される。
【0033】
押圧部40は、アーム42と、押圧子43と、重り45とを有する。
【0034】
アーム42は、回動軸30から延びている。アーム42は、例えば、ステンレスで形成される。アーム42は、回動軸30の回りに回動する。
【0035】
押圧子43の形状は、例えば、球状である。押圧子43は、例えば、直径5mmである。押圧子43は、アーム42に取り付けられている。詳しくは、押圧子43は、半分がアーム42にはめ込まれており、半分がアーム42から露出している。押圧子43は、部品Cを押圧する。押圧子43は、押圧面44を有する。押圧面44は、下に凸であることが好ましい。さらに好ましくは、押圧面44は、球面の一部であることが好ましい。
【0036】
押圧子43が部品Cと点接触することによって、基板Bに部品Cを接合する。押圧子43は、部品Cの中心部と点接触することによって、基板Bに部品Cを接合することが好ましい。押圧子43が部品Cの中心部と点接触するため、接合時に、部品Cが傾くことを抑制し、部品Cの全面に均等に加圧することができる。押圧子43は、弾性体である。押圧子43は、例えば、テフロン(登録商標)で形成される。押圧子43が、弾性体であるため、押圧子43が部品Cを押圧した際、押圧子43が部品Cを傷つけることを抑制することができる。
【0037】
重り45は、アーム42に取り付けられている。重り45は、例えば、銅で形成される。重り45の形状は、例えば、直方体である。重り45には、貫通孔451とネジ孔452とが形成されている。貫通孔451の径は、アーム42の径と略等しい。貫通孔451にアーム42を挿入し、ネジ孔452にネジ453を挿入することによって、重り45は、アーム42の所定の位置に取り付けられる。重り45の大きさは、押圧子43が部品Cと点接触した際に、他の部材(例えば、枠体10)に接触しない大きさに設定される。したがって、押圧子43のみが部品Cと点接触するため、効果的に部品Cに圧力を加えることができる。押圧子43は、回動軸30と重り45との間に位置する。接合装置100には、回動軸30を支点、重り45を力点、押圧子43を作用点として、てこの原理が働く。したがって、少スペースでも高い圧力を得ることができる。さらに、押圧子43から重り45までの距離を調整することによって、押圧子43に付与される荷重を容易に調整することができる。また、重り45を重量の異なる重り45に取り換えることによって、押圧子43に付与される荷重を容易に調整することができる。そしてさらには、押圧子43の位置可変機構も加えれば、押圧子43から回動軸30までの距離を変えても荷重調整が可能となる。
【0038】
図2を参照して、接合装置100の接合方法について説明する。
図2(a)〜
図2(d)の工程を行うことによって、金属材料Mを介して基板Bと部品Cとが接合される。
【0039】
図2(a)に示すように、接合装置100を用意する。
図2(a)に示す状態において、押圧面44は、上方を向いている。
【0040】
図2(b)に示すように、支持台14(
図3)の上面に基板Bを配置する。そして、基板Bの上面に金属材料Mを形成する。そして、部品Cを金属材料Mの上に配置する。すなわち、金属材料Mを介して、基板Bに部品Cを積層する。
【0041】
図2(c)に示すように、アーム42を時計回りに回動させる。
【0042】
図2(d)に示すように、押圧子43が部品Cと点接触するように、アーム42を時計回りに回動させる。接合装置100は、押圧子43が部品Cと点接触することによって基板Bに部品Cを接合する。典型的に、金属材料Mを介して基板Bに部品Cを接合する際、接合装置100を加熱炉に設置し金属材料Mを焼結させて基板Bに部品Cを接合する。
【0043】
一般的には、部品Cの上にガラス基板などの部品押さえ板を介して重りを積み上げることによって、部品Cを加圧することが行われている。したがって、圧力を大きくするためには、重りを高く積み上げる必要があった。一方、接合装置100は、てこの原理を利用しているため、接合装置100の高さを低くすることができる。したがって、接合装置100が設置される加熱炉の高さを低くすることができる。その結果、金属材料Mを効率的に加熱して金属材料を焼結することができる。
【0044】
支持台14の熱伝導率は、アーム42の熱伝導率よりも高い。したがって、金属材料Mを焼結させる際、支持台14が基板Bおよび部品Cに下方からの熱を伝えやすくし、アーム42が基板Bおよび部品Cの上方へ熱を逃しづらくできる。その結果、金属材料Mを効率的に加熱することができる。
【0045】
押圧子43が部品Cと点接触する際、アーム42が延びる方向は、水平方向に平行である。したがって、接合装置100の高さを低くすることができる。その結果、接合装置100が設置される加熱炉の高さを低くすることができる。このため、金属材料Mを効率的に加熱して金属材料を焼結することができる。
【0046】
図3〜
図8を参照して、本発明の実施形態に係る接合装置100についてさらに説明する。
図4は、基板Bおよび部品Cを示す斜視図である。
図5(a)は、本発明の実施形態に係る押圧部40の斜視図である。
図5(b)は、回動軸保持部46を示す側面図である。
図6(a)は、回動軸30を示す側面図である。
図6(b)は、アーム取付部32を示す断面図である。
図7は、壁部20近傍の回動軸30を示す斜視図である。
図8(a)および
図8(b)は、アーム取付部32と回動軸保持部46とを示す断面図である。
【0047】
図3に示すように、接合装置100は、10個の押圧部40を備える。10個の押圧部40の各々は、複数の部品Cのうち対応する部品Cを押圧する。したがって、接合装置100は、部品C毎に個別に加圧することができる。このため、接合装置100は、部品C毎に部品Cに付与される圧力を設定することができる。
【0048】
図3に示すように、アーム42は、回動軸保持部46と、重り取付部47とを有する。回動軸保持部46は、回動軸30を保持する。重り取付部47には、重り45が取り付けられる。
【0049】
支持台14は、板状の部材である。支持台14の形状は、矩形状である。支持台14は、枠体10から着脱可能である。支持台14は、一対の位置決めピン16を有する。一対の位置決めピン16は、支持台14に載置される基板Bの位置を固定することができる。
【0050】
図4を参照して、接合装置100に配置される基板Bおよび部品Cについて説明する。基板Bは、単位基板Baが短冊状に並列に並んでいる。本実施形態では、基板Bは、10個の単位基板Baを有する。単位基板Baの各々には、部品Cが配置される。基板Bには、複数のガイド孔Hが設けられている。基板Bには、少なくとも一対のガイド孔Hを有していればよい。本実施形態では、一対のガイド孔HaおよびHbのそれぞれを、一対の位置決めピン16(
図3)に通すことによって、基板Bは所定の位置に固定される。
【0051】
図4に示す基板Bに複数の部品Cを接合する場合、従来の接合方法では、基板Bの変形(反り)または部品押さえや重りの変形によって部品C毎に圧力のばらつきが生じていた。一方、接合装置100は、押圧部40を備える。接合装置100は、部品C毎に個別に加圧することができる。したがって、部品C毎に圧力のばらつきを抑制することができる。
【0052】
図5(a)を参照して、押圧部40についてさらに説明する。
図5(a)において、厚さd1は、回動軸保持部46の厚さを示す。
図5(a)に示すように、押圧部40は、アーム42と、押圧子43とを有する。アーム42は、回動軸保持部46と、重り取付部47とを有する。
【0053】
回動軸保持部46は、板状である。回動軸保持部46の厚さd1は、例えば、6mmである。回動軸保持部46の一端は、重り取付部47に接続する。回動軸保持部46の他端には、C字状の切欠き48が形成される。回動軸保持部46には、押圧子43が取り付けられる。
【0054】
重り取付部47は、棒状である。重り取付部47は、円柱状である。重り取付部47には、重り45が取り付けられる。
【0055】
図5(b)を参照して、回動軸保持部46についてさらに説明する。
図5(b)において、中心c1は、円弧状部492を規定する円の中心を示す。半径r1は、円弧状部492を規定する円の半径を示す。間隔d6は、第1平面部494と第2平面部496との間隔を示す。直径d7は、円弧状部492を規定する円の直径を示す。長さd8は、第1平面部494の長さを示す。長さd9は、第2平面部496の長さを示す。
【0056】
図5(b)に示すように、回動軸保持部46は、円弧状部492と、第1平面部494と、第2平面部496とを有する。円弧状部492と、第1平面部494と、第2平面部496とによって、切欠き48が規定される。
【0057】
円弧状部492は、円弧状である。円弧状部492は、中心c1を中心とする半径r1の円の一部である。半径r1は、例えば、5mmである。
【0058】
第1平面部494は、円弧状部492の一端493と接続する。第1平面部494は、平面状である。
【0059】
第2平面部496は、円弧状部492の他端495と接続する。第2平面部496は、平面状である。
【0060】
間隔d6は、直径d7よりも小さい。間隔d6は、例えば、9mmである。直径d7は、例えば、10mmである。本実施形態では、第1平面部494の長さd8は、第2平面部496の長さd9よりも長い。
【0061】
図6(a)および
図6(b)を参照して、回動軸30についてさらに説明する。
図6(a)において、間隔d11は、一対のアーム移動規制部70の間隔を示す。
図6(b)において、中心c2は、円弧状部322を規定する円の中心を示す。半径r2は、円弧状部322を規定する円の半径を示す。最短距離d16は、中心c2から平面部324までの最短距離を示す。長さd17は、半径r2と最短距離d16を加えた長さを示す。直径d18は、円弧状部322を規定する円の直径を示す。
【0062】
図6(a)に示すように、回動軸30は、複数のアーム取付部32と、複数の本体部34と、複数のアーム移動規制部70とを有する。
【0063】
アーム取付部32は、円柱が一部切り欠かれた形状を有する。アーム取付部32には、アーム42が取り付けられる。
【0064】
本体部34は、円柱状である。本体部34は、アーム移動規制部70を介してアーム取付部32と接続する。
【0065】
図7に示すように、アーム移動規制部70は、環状部72と、突出部74と、切欠き76とを有する。環状部72は、環状である。突出部74は、環状部72から突出する。環状部72は、切欠き76を有する。隣接する一対のアーム移動規制部70は、回動軸30の軸方向D1へのアーム42の移動を規制する。アーム取付部32は、一対のアーム移動規制部70によって規定される。すなわち、一対のアーム移動規制部70は、アーム42に対応して設けられる。一対のアーム移動規制部70の間隔d11(
図6(a))は、回動軸保持部46の厚さd1(
図5(a))と略同一である。
【0066】
図6(b)に示すように、アーム取付部32の周面は、円弧状部322と、平面部324とを有する。
【0067】
円弧状部322は、円弧状である。円弧状部322は、中心c2を中心とする半径r2の円の一部である。半径r2は、例えば、5mmである。本実施形態では、半径r2は、半径r1(
図5(b))と等しい。
【0068】
平面部324は、円弧状部322と接続する。平面部324は、平面状である。
【0069】
長さd17は、間隔d6(
図5(b))以下である。本実施形態では、長さd17と、間隔d6は等しい。長さd17は、例えば、9mmである。半径r2は、例えば、5mmである。最短距離d16は、例えば、4mmである。直径d18は、間隔d6(
図5(b))よりも大きい。
【0070】
アーム42は、回動軸30から着脱可能であることが好ましい。
図5、
図6および
図8を参照して、アーム42の着脱可能な構成について説明する。
【0071】
図5および
図6を参照して説明したように、直径d18は、間隔d6よりも大きい。さらに、長さd17は、間隔d6以下である。本実施形態では、長さd17と間隔d6とは略同一である。したがって、
図8(a)に示すようにアーム取付部32の平面部324と、回動軸保持部46の第1平面部494および第2平面部496とが平行となる方向D2に回動軸保持部46の角度を合わせた場合に、回動軸保持部46をアーム取付部32から取り付けることができる。詳しくは、回動軸保持部46の角度を方向D2に合わせることによって、第1平面部494と第2平面部496の間にアーム取付部32を通過させて回動軸保持部46をアーム取付部32に取り付けることができる。すなわち、アーム42を回動軸30に取り付けることができる。
【0072】
また、
図8(b)に示すように、回動軸保持部46を回動させて回動軸保持部46の角度を方向D2以外の角度にすることよって、回動軸保持部46はアーム取付部32に保持される。直径d18が間隔d6よりも大きいため、第2平面部496がアーム取付部32に引っ掛かり、回動軸保持部46がアーム取付部32から抜けることを抑制することができる。また、本実施形態において半径r1と半径r2とは等しい。したがって、回動軸保持部46の円弧状部492が、アーム取付部32の円弧状部322に沿うように、回動軸保持部46を滑らかに回動させることができる。
【0073】
また、
図8(b)に示した状態のように、回動軸保持部46がアーム取付部32に保持された状態から、
図8(a)に示した状態のように、回動軸保持部46の角度を方向D2に合わせることによって、第1平面部494と第2平面部496の間にアーム取付部32を通過させて回動軸保持部46からアーム取付部32を取り外すことができる。すなわち、アーム42を回動軸30から取り外すことができる。
【0074】
アーム42は、回動軸30から着脱可能である。したがって、回動軸30からアーム42を取り外すことによって、接合部品の選択をし、接合したい部品Cのみを接合することができる。
【0075】
アーム取付部32の円弧状部322を規定する円の直径d18は、回動軸保持部46の第1平面部494と回動軸保持部46の第2平面部496との間隔d6よりも大きい。さらに、アーム取付部32の円弧状部322を規定する円の半径r2とアーム取付部32の円弧状部322を規定する円の中心c2からアーム取付部32の平面部324までの最短距離d16とを加えた長さd17は、回動軸保持部46の第1平面部494と回動軸保持部46の第2平面部496との間隔d6以下である。したがって、回動軸保持部46が所定の角度となる場合のみアーム取付部32から回動軸保持部46を着脱することができる。回動軸保持部46が所定の角度となる場合以外では、回動軸保持部46はアーム取付部32に保持される。
【0076】
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43が部品Cと点接触によって、金属材料Mを介して基板Bに部品Cを接合する。したがって、部品Cの全面に対して均等な圧力を加えることができる。その結果、基板Bと部品Cとの剪断強度のばらつきを抑制した再現性の高い接合が可能となる。
【0077】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、押圧面44は下に凸である。したがって、押圧子43が部品Cと接触する際に、点接触にすることができる。その結果、部品Cの全面に対して均等な圧力を加えることができる。
【0078】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43は、部品Cの中心部と点接触することによって、基板Bに部品Cを接合する。したがって、部品Cの全面に対して均等な圧力を加えることができる。
【0079】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、少なくとも1つの押圧部40の各々は、アーム42に取り付けられる重り45を有する。押圧子43は、回動軸30と重り45との間に位置する。したがって、接合装置100は、回動軸30を支点、重り45を力点、押圧子43を作用点として、てこの原理が働く。その結果、少スペースでも高い圧力を得ることができる。さらに、押圧子43から重り45までの距離を調整することによって、押圧子43に付与される荷重を容易に調整することができる。また、重り45を重量の異なる重り45に取り換えることによって、押圧子43に付与される荷重を容易に調整することができる。そしてさらには、押圧子43の位置可変機構も加えれば、押圧子43から回動軸30までの距離を変えても荷重調整が可能となる。
【0080】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、アーム42は、回動軸30から着脱可能である。したがって、回動軸30からアーム42を取り外すことによって、接合部品の選択をし、接合したい部品Cのみを接合することができる。
【0081】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100は、基板Bを支持する支持台14を備える。また、支持台14は、基板Bの位置を固定する。したがって、押圧子43が部品Cの中心部と点接触するように、基板Bの位置を固定することができる。したがって、部品Cの全面に対して均等な圧力を加えることができる。
【0082】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、支持台14の熱伝導率は、アーム42の熱伝導率よりも高い。したがって、金属材料Mを焼結させる際、支持台14が基板Bおよび部品Cに下方からの熱を伝えやすくし、アーム42が基板Bおよび部品Cの上方へ熱を逃しづらくできる。その結果、金属材料Mを効率的に加熱することができる。また、押圧子43を耐熱性と低熱伝導性とを有したフッ素樹脂製とすることで部品Cと直接接触しても熱が逃げにくく、更に効率的に加熱することができる。
【0083】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43が部品Cと点接触する際、アーム42が延びる方向は、水平方向に平行である。したがって、接合装置100の高さを低くすることができる。その結果、接合装置100が設置される加熱炉の高さを低くすることができる。このため、金属材料Mを効率的に加熱して金属材料を焼結することができる。
【0084】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43は、弾性体である。したがって、押圧子43が部品Cを押圧した際、押圧子43が部品Cを傷つけることを抑制することができる。
【0085】
また、
図1〜
図8を参照して説明したように、接合装置100は、少なくとも複数の押圧部40を備える。複数の押圧部40の各々は、複数の部品Cのうち対応する部品Cを押圧する。したがって、接合装置100は、部品C毎に個別に加圧することができる。このため、接合装置100は、部品C毎に部品Cに付与される圧力を設定することができる。
【0086】
図9を参照して、本発明の実施形態に係る接合装置100の実施例について説明する。
図9(a)は、本発明の実施形態に係る接合装置100によって接合した基板Bおよび部品Cを示す図である。
図9(b)は、従来の方法で接合した基板Bと部品Cの剪断強度の結果を示すグラフである。
図9(c)は、本発明の実施形態に係る接合装置100によって接合した部品Cの剪断強度の結果を示すグラフである。
図9(b)および
図9(c)において横軸は、部品Cの番号を示し、縦軸は、剪断強度を示す。
【0087】
接合装置100は、
図3に示した接合装置100を用いて、重り45の重さと位置を調整した。
図9(a)に示すように、TO247リードフレーム(基板B)へ1.85mm□のSiCショットキーバリアダイオード(部品C)を10個接合した。接合装置100は、UNITEMP社製真空炉(RSS−450−210)へ設置した。チップ間距離は17.5mmであったためアーム42はこのピッチに合わせて10本配置した。ダイアタッチ材(金属材料M)は、銀ペーストを使用した。焼結時にチップセンターへ140g(0.4MPa)の荷重が加わるように、アーム42へ重り45を固定した。TO247フレームは支持台14に設けた2本の位置決めピン16へ挿入して位置決め、および、固定を行った。
【0088】
図9(b)に示すように、従来の接合方法では、部品C毎に、剪断強度のばらつきが発生した。従来の接合方法では、一体の部品押さえ板にて複数の部品Cを面接触で押圧するため、各部品に対して均一な加圧が行われないことが原因と考えられる。
【0089】
一方、
図9(c)に示すように、本願発明の実施形態に係る接合装置100によって接合した部品Cの剪断強度の結果は、剪断強度のばらつきが1/5となった。点接触かつ個別加圧で部品Cを押圧するため、部品に対して均一な加圧がおこなわれることが原因と考えられる。また、断面観察においては、焼結後のダイアタッチ材の厚さは一定であることが確認された。したがって、加圧時に均等に荷重が加わっていることが証明された。
【0090】
なお、
図1〜
図9を参照して説明したように、アーム42は、1つの押圧子43を有していたが、本発明はこれに限定されない。アーム42は、2つ以上の押圧子43を有していてもよい。
図10は、本発明の実施形態に係る接合装置100の斜視図である。アーム42の各々は、2つの押圧子43を有する。2つの押圧子43はそれぞれ、異なる部品Cに点接触する。したがって、基板Bにおける様々な配置の部品Cに対して圧力を与えることができる。なお、アーム42の各々が、複数の押圧子43を有する場合、押圧子43がフレキシブルに可動する構成とすることが好ましい。
図11は、アーム42の模式的な側面図である。
図11に示すように、アーム42は、押圧子保持部462をさらに有する。押圧子保持部462は、可動部464と押圧子取付部466とを有する。可動部464は、回動軸保持部46に取り付けられている。可動部464は、回動軸保持部46に固定された固定点を中心にして前後左右に可動である。押圧子取付部466は、可動部464に取り付けられている。押圧子取付部466には、2つの押圧子43が取り付けられている。押圧子取付部466は、可動部464の動きに対応して動く。したがって、1つのアーム42に設けた複数の押圧子43によって複数の部品Cに対して均等に加圧することができる。なお、1つのアーム42に対して複数の押圧子43を有し複数の部品Cに対して加圧する場合、複数の部品Cに対して均等に加圧する観点から、複数の押圧子43は3つまでとすることが好ましい。また、3つの押圧子43によって、面積の大きい1つの部品Cに対して加圧する場合は、3つの押圧子43は正三角形の頂点に配置されることが好ましい。
【0091】
また、
図1〜
図9を参照して説明したように、押圧部40は、1つのアーム42または1つの押圧子保持部462を有していたが、本発明はこれに限定されない。押圧部40は、2つ以上のアーム42を有していてもよい。
図12は、本発明の実施形態に係る接合装置100の斜視図である。押圧部40の各々は、2つのアーム42と2つの押圧子43とを有する。押圧部40の各々は、アーム42が一部連結している。したがって、アーム42を回動させることによって、一度に2つの押圧子43を部品Cに点接触させることができる。なお、この場合、
図10を参照して説明した接合装置100と同様に、
図11を参照して説明したように押圧子43がフレキシブルに可動する構成とすることが好ましい。したがって、複数の部品Cに対して均等に加圧することができる。
【0092】
また、基板Bに対して部品Cが搭載される位置に応じて押圧子43の位置を変更することが好ましい。
図13を参照して、部品Cが搭載される位置に応じて押圧子43の位置を変更することが好ましいことについて説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る押圧部40の模式的な側面図である。
【0093】
図13(b)に示す押圧子43は、
図13(a)に示す押圧子43よりもアーム42が延びる方向(以下、アーム方向と記載する)にずれて配置されている。したがって、基板Bに対してアーム方向にずれて部品Cが配置されていても、押圧子43をアーム方向にずらして配置することによって、基板Bに部品Cを接合することができる。
【0094】
また、
図13(c)に示す押圧子43は、
図13(a)に示す押圧子43よりも高さ方向に長い。すなわち、
図13(c)に示す押圧子43の押圧面44は、
図13(a)に示す押圧子43の押圧面44よりも低い位置に位置する。したがって、基板Bまたは部品Cの厚さが異なる場合であっても、押圧子43の高さ方向の長さを変更することによって基板Bに部品Cを接合することができる。
【0095】
また、
図13(d)に示す回動軸保持部46の高さ方向の長さは、
図13(a)に示す回動軸保持部46の高さ方向の長さよりも長い。したがって、基板Bまたは部品Cが薄い場合であっても、回動軸保持部46の高さ方向の長さを変更することによって基板Bに部品Cを接合することができる。
【0096】
アーム方向に並んだ複数の部品Cを基板Bに接合できることが好ましい。
図14を参照して、本発明の実施形態に係る接合装置100について説明する。
図14(a)は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な側面図である。
図14(b)は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な斜視図である。
図1〜
図13を参照して説明した接合装置100との重複部分については説明を省略する。
【0097】
図14(a)および
図14(b)に示すように、接合装置100は、枠体10と、壁部20と、第1回動軸30aと、第2回動軸30bと、第3回動軸30cと、第1押圧部40aと、第2押圧部40bと、第3押圧部40cとを備える。枠体10は、壁部20を支持する。壁部20は、鉛直方向に延びている。
【0098】
第1回動軸30aと、第2回動軸30bと、第3回動軸30cとは壁部20に固定される。第1回動軸30aと、第2回動軸30bと、第3回動軸30cとの高さ方向の位置は異なる。また、第1回動軸30aと、第2回動軸30bと、第3回動軸30cとのアーム方向の位置は異なる。
【0099】
第1押圧部40aは、第1回動軸30aから延びている。第2押圧部40bは、第2回動軸30bから延びている。第3押圧部40cは、第3回動軸30cから延びている。
【0100】
第1押圧部40aは、第1アーム42aと、第1押圧子43aと、重り45aとを有する。第2押圧部40bは、第2アーム42bと、第2押圧子43bと、重り45bとを有する。第3押圧部40cは、第3アーム42cと、第3押圧子43cと、重り45cとを有する。第1押圧子43aと、第2押圧子43bと、第3押圧子43cとは高さ方向の長さが異なる。詳しくは、第1押圧子43a、第2押圧子43b、第3押圧子43cの順に高さ方向の長さが長くなる。より詳しくは、第1アーム42aと、第2アーム42bと、第3アーム42cとを回動させた際、第1押圧子43aの押圧面44aと、第2押圧子43bの押圧面44bと、第3押圧子43cの押圧面44cとの高さ方向の位置が同じになるように、第1押圧子43a、第2押圧子43b、第3押圧子43cの高さ方向の長さは設定されている。
【0101】
第2アーム42bには、開口49bが形成されている。開口49bは、第1押圧子43aが通過可能である。第3アーム42cには、開口49cが形成されている。開口49cは、第1押圧子43aと第2押圧子43bとが通過可能である。したがって、第3アーム42cを回動させた後に、第2押圧子43bが開口49cを通過するように第2アーム42bを回動させることができる。そして、第2アーム42bを回動させた後に、第1押圧子43aが開口49bと開口49cとを通過するように第1アーム42aを回動させることができる。このように、第1アーム42aと、第2アーム42bと、第3アーム42cとを回動させることによって、第1押圧子43aの押圧面44aと、第2押圧子43bの押圧面44bと、第3押圧子43cの押圧面44cとの高さ方向の位置が同じになる。また、第1押圧子43aの押圧面44aと、第2押圧子43bの押圧面44bと、第3押圧子43cの押圧面44cとは、アーム方向に並んで配置されている。したがって、アーム方向に並んだ複数の部品Cを基板Bに接合することができる。
【0102】
なお、第1アーム42aと、第2アーム42bと、第3アーム42cとを回動させた際、重り45aと、重り45bと、重り45cとのそれぞれが干渉しない位置に、重り45aと、重り45bと、重り45cとは取り付けられている。
【0103】
また、第1押圧部40aと、第2押圧部40bと、第3押圧部40cとを、第1回動軸30aと、第2回動軸30bと、第3回動軸30cとが延びる方向に複数設けることによって、基板Bの上にマトリクス状に配置された部品Cを接合することができる。例えば、第1押圧部40aと、第2押圧部40bと、第3押圧部40cとを、それぞれ3つずつ設けることによって、基板Bの上に縦方向に3つずつ、横方向に3つずつ配置された部品C(合計9つの部品C)を基板Bに接合することができる。
【0104】
以上、
図14を参照して説明したように、第2押圧部40bの第2アーム42bには、第1押圧部40aの第1押圧子43aが通過可能な開口49bが形成されている。したがって、第1アーム42aを回動させた際、第1押圧子43aを開口49bに通過させることができる。その結果、アーム方向に並んだ複数の部品Cを基板Bに接合することができる。
【0105】
図1〜
図14を参照して説明した接合装置100では、アーム42が回動することによって、押圧部40に取り付けられた押圧子43が部品Cと接触することによって基板Bに部品Cを接合していたが、アーム42と押圧子43とが分離した状態からアーム42が回動することによって、押圧子43がアーム42と接触することによって基板Bに部品Cを接合してもよい。
【0106】
図15および
図16を参照して、本発明の実施形態に係る接合装置100について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な斜視図である。
図16(a)は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な側面図である。
図16(b)は、接触部50の近傍の模式的な拡大図である。
図16(b)において、接触点P1は、第1端可動部54aと押圧子43aとが接触する点を示し、接触点P2は、第1端可動部54aと押圧子43bとが接触する点を示し、接触点P3は、第2端可動部54bと押圧子43bとが接触する点を示し、接触点P4は、第2端可動部54bと押圧子43cとが接触する点を示す。
図1〜
図14を参照して説明した接合装置100との重複部分については説明を省略する。
【0107】
図15および
図16(a)に示すように、接合装置100は、枠体10と、壁部20と、回動軸30と、第1押圧部40aと、第2押圧部40bと、第3押圧部40cと、支持台14と、板状部材18とを備える。第1押圧部40aのアーム42と、第2押圧部40bのアーム42と、第3押圧部40cのアーム42のそれぞれは、接触部50を有する。第1押圧部40aと、第2押圧部40bと、第3押圧部40cとのそれぞれは、3つの押圧子43を有する。
図16(b)に示すように、押圧子43は、板状部材18に配置される。
【0108】
図16(b)に示すように、接触部50は、接続可動部52と、第1端可動部54aと、第2端可動部54bとを有する。接続可動部52は、回動軸保持部46に取り付けられている。接続可動部52は、軸522を有する。接続可動部52は、軸522を中心にして可動である。第1端可動部54aは、軸542a(固定点)を有する。第1端可動部54aは、軸542aを中心にして可動である。同様に、第2端可動部54bは、軸542b(固定点)を有する。第2端可動部54bは、軸542bを中心にして可動である。接触部50は、押圧子43と接触する。本実施形態では、第1端可動部54aと、第2端可動部54bとが、押圧子43と接触する。
【0109】
接合装置100では、押圧子43が可動部54a、54bと点接触することによって、押圧子43と部品Cとが接触し、基板Bに部品Cを接合する。詳しくは、基板Bに複数の部品Cを接合する際、第1端可動部54aの一端は、接触点P1において押圧子43aと点接触する。一方、第1端可動部54aの他端は、接触点P2において押圧子43bと点接触する。また、第2端可動部54bの一端は、接触点P4において押圧子43cと点接触する。一方、第2端可動部54bの他端は、接触点P3において押圧子43bと点接触する。したがって、押圧面44aと、押圧面44bと、押圧面44cとに均等に荷重が加わる。その結果、アーム方向に並んだ複数の部品Cを基板Bに接合できる。本実施形態では、押圧部40が回動軸30の軸方向に3つ並んでいるため、基板Bの上にマトリクス状に配置された部品Cを接合することができる。
【0110】
押圧子43aと、押圧子43bと、押圧子43cとのそれぞれは、大径部412と、小径部414とを有する。大径部412の径は、小径部414の径よりも大きい。大径部412と、小径部414とは、例えば、円柱状である。小径部414の高さは、大径部412の高さよりも高い。本実施形態では、押圧面44は平面状である。なお、押圧面44は、球面の一部の形状であってもよい。
【0111】
板状部材18は、枠体10に取り付けられている。板状部材18は、支持台14の上方に配置されている。板状部材18には、貫通孔182が形成されている。貫通孔182の径の大きさは、小径部414の径よりも大きい。したがって、小径部414は、貫通孔182を通過可能である。また、貫通孔182の径は、大径部412の径よりも小さい。
【0112】
弾性部材60aと、弾性部材60bと、弾性部材60cとは、例えば、バネである。押圧子43aには、弾性部材60aが取り付けられている。押圧子43bには、弾性部材60bが取り付けられている。押圧子43cには、弾性部材60cが取り付けられている。詳しくは、弾性部材60aの一端が大径部412に取り付けられており、小径部414の一部を取り囲むように配置されている。弾性部材60aの径と、弾性部材60bの径と、弾性部材60cの径とは、小径部414の径よりも大きい。また、弾性部材60aの径と、弾性部材60bの径と、弾性部材60cの径とは、貫通孔182の径よりも大きい。したがって、弾性部材60aと、弾性部材60bと、弾性部材60cとは、貫通孔182を通過できない。その結果、アーム42を回動させることによって接触部50の押圧子43への接触が無くなった場合、すなわち、接触部50によって押圧子43に付与される荷重が無くなった場合、弾性部材60によって押圧子43が押し上げられる。その結果、基板Bと部品Cとを容易に支持台14に配置することができる。
【0113】
以上、
図15〜
図16を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43が可動部54a、54bと点接触することによって、基板Bに部品Cを接合する。したがって、1つのアーム42に設けた複数の押圧子43によって複数の部品Cに対して均等に加圧することができる。
【0114】
なお、
図15〜
図16を参照して説明した接合装置100では、接触部50は、複数の可動部(接続可動部52、第1端可動部54aおよび第2端可動部54b)を有していたが、可動部が押圧子43と接触し得る限り本発明はこれに限定されない。例えば、接触部50は、可動部を1つのみ有していてもよい。
【0115】
なお、接合装置100は、押圧部40が部品Cを加圧する位置を変更できるように構成されることが好ましい。
図17(a)は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な上面図である。
図17(b)は、本発明の実施形態に係る接合装置100の模式的な側面図である。
図17(a)において、軸方向D1は、回動軸30の軸方向を示す。方向D2は、アーム方向を示す。
図17(b)において、方向D3は、鉛直方向を示す。
【0116】
図17(a)に示すように、接合装置100は、軸方向D1への押圧部40の移動を可能にする位置調整機構を備えることが好ましい。また、接合装置100は、方向D2への押圧部40の移動を可能にする位置調整機構を備えることが好ましい。したがって、押圧部40が部品Cを加圧する位置を変更することができる。その結果、基板Bに配置される部品Cの配置の自由度が向上する。
【0117】
また、
図17(b)に示すように、接合装置100は、方向D3への押圧部40の移動を可能にする位置調整機構を備えることが好ましい。したがって、支持台14の形状を変えることなく、基板Bと部品Cとの高さが異なる場合であっても、基板Bと部品Cとを接合することができる。
【0118】
図1〜
図17を参照して説明した接合装置100では、点接触する部分は下に凸であったが、点接触する部分は上に凸でもよい。
図18は、本発明の実施形態に係る押圧部40の模式的な側面図である。
図18において、接触点P11は、アーム42と押圧子43とが接触する点を示す。
図1〜
図17を参照して説明した接合装置100との重複部分については説明を省略する。
【0119】
図18に示すように、押圧子43はアーム42に取り付けられていない。すなわち、アーム42と押圧子43とは分離可能である。本実施形態では、押圧子43は、剛性を有することが好ましい。本実施形態では、押圧面44は平面である。
【0120】
基板Bに部品Cを接合する際、まず、基板Bの上に押圧子43を配置する。そして、アーム42を回動させることによって、押圧子43とアーム42とが接触点P11において点接触する。本実施形態では、点接触する部分は上に凸である。したがって、押圧子43を介して部品Cの全面に均等に加圧することができる。また、本実施形態では、押圧子43は、剛性を有する。したがって、薄層チップのような剛性の低い部品Cであっても基板Bに接合することができる。
【0121】
図1〜
図18を参照して説明した接合装置100では、押圧部40は、点接触する押圧子43を有していたが、押圧部40は、点接触する押圧子43を有していなくてもよい。
図19は、本発明の実施形態に係る押圧部40の模式的な側面図である。
図19において、接触点P21は、基板支持部材90と基準面142とが接触する点を示す。
図1〜
図18を参照して説明した接合装置100との重複部分については説明を省略する。
【0122】
図19に示すように、押圧部40は、アーム42と、基板支持部材90とを有する。基板支持部材90は、基板Bを支持する。基板支持部材90は、平坦部92と、半球状部94とを有する。平坦部92は、平坦状である。半球状部94は、半球状である。支持台14は、基準面142を有する。基準面142には、凹部144が形成されている。基板支持部材90は、基準面142に配置される。詳しくは、半球状部94の一部が、凹部144に配置される。基板支持部材90は、凹部144に可動に支持されている。凹部144には、吸引孔が形成されている。吸引機構によって吸引孔から基板支持部材90を吸引し基板支持部材90を固定することが可能である。
【0123】
基板Bに部品Cを接合する際、まず、基板支持部材90の上に基板Bと部品Cとを配置する。そして、アーム42を回動させることによって、アーム42が部品Cを押圧する。この際、基板支持部材90は、部品Cの全面に均等に荷重がかかる位置で安定する。ここで、基板支持部材90は、接触点P21において基準面142と点接触する。基板支持部材90の位置が安定してから、基板支持部材90を吸引機構によって吸引孔から吸引することによって、基板支持部材90は固定される。
【0124】
以上、
図19を参照して説明したように、接合装置100では、基板支持部材90が基準面142と点接触することによって、基板Bに部品Cを接合する。したがって、部品Cの全面に均等に加圧することができる。
【0125】
以上、図面(
図1〜
図19)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0126】
(1)
図1〜
図19を参照して説明したように、接合装置100では、押圧子43は、テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂で形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、押圧子43は、セラミックや金属材料で形成されてもよい。押圧子43は、セラミックや金属材料で形成された場合、押圧子43がテフロン(登録商標)で形成される場合よりも高温での焼結接合を行うことができる。
【0127】
(2)
図1〜
図19を参照して説明したように、接合装置100では、押圧部40は、重り45を有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、押圧部40は、重り45を有していなくてもよい。この場合、アーム42の自重によって、部品Cに圧力を与えることができる。さらに、アーム42を取り外せば無加圧での接合も可能である。