【実施例】
【0040】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の実施態様をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
(ペロブスカイト構造を有する化合物の合成)
[実施例1]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化カルシウム(CaBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化カルシウム溶液を作製した。次いで、70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化カルシウム溶液をモル比でCa/(Ca+Pb)が0.03となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(Ca+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
前記塗布膜の化合物を、X線回折(XRD、Cu Kα線、X’pert PRO MPD, スペクトリス社製)の手段で測定することにより、2θ=14°の位置に(hkl)=(001)由来のピークを有しており、3次元のペロブスカイト構造であることを確認した。
【0042】
[実施例2]
Ca/(Ca+Pb)を0.05とする以外は上記実施例1と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0043】
[実施例3]
Ca/(Ca+Pb)を0.1とする以外は上記実施例1と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0044】
[実施例4]
Ca/(Ca+Pb)を0.2とする以外は上記実施例1と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0045】
[比較例1]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。次いで、モル比で臭化メチルアンモニウム/Pb=1となるように溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0046】
[比較例2]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃でヨウ化鉛(PbI
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化鉛溶液を作製した。70℃でヨウ化メチルアンモニウム(CH
3NH
3I)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化メチルアンモニウム溶液を作製した。次いで、モル比でヨウ化メチルアンモニウム/Pb=1となるように溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0047】
[比較例3]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃でヨウ化鉛(PbI
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化鉛溶液を作製した。同様に、70℃でヨウ化カルシウム(CaI
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化カルシウム溶液を作製した。
上記のヨウ化鉛溶液とヨウ化カルシウム溶液をモル比でCa/(Ca+Pb)が0.05となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、[実施例1]に記載の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(Ca+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0048】
(発光スペクトル測定)
実施例1〜4及び比較例1で得られたペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜の発光スペクトルを、蛍光光度計(日本分光製、商品名FT−6500、430nm以下波長カットフィルター、励起光430nm、感度high)を用いて測定した。また、前記塗布膜の紫外可視吸光光度計を用いて透過率(%)を測定した。紫外可視吸光光度計としては、日本分光製、商品名V−670を用いた(以下も同機器を用いた)。
尚、前記塗布膜間の発光強度の比較は、波長530nm付近の最大発光強度を、以下の式(S)−1で補正して行った。
[波長530nm付近の最大発光強度/(100−波長430nmの透過率)]×100 … (S)−1
【0049】
(発光スペクトル測定)
比較例2、及び3で得られたペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜の発光スペクトルを、蛍光光度計(日本分光製、商品名FT−6500、600nm以下波長カットフィルター、励起光550nm、感度high)を用いて測定した。また、前記塗布膜の紫外可視吸光光度計を用いて透過率を測定した。
尚、前記塗布膜間の発光強度の比較は、波長750nm付近の最大発光強度を、以下の式(S)−2で補正して行った。
[波長750nm付近の最大発光強度/(100−波長550nmの透過率)]×100 … (S)−2
【0050】
以下の表1に、実施例1〜4、比較例1〜3のペロブスカイト構造を有する化合物の溶液作成における構成と、最大発光強度を記載する。表1中、「M/(M+Pb)」は上記一般式(1)中の「a」の仕込み比における値である。
【0051】
【表1】
【0052】
上記の結果から、本実施形態に係るペロブスカイト構造を有する化合物を含む実施例1〜4の発光材料は、比較例1〜3のペロブスカイト構造を有する化合物と比して、優れた発光強度を有していることが確認できた。
【0053】
(ペロブスカイト構造を有する化合物の合成)
[実施例5]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化ストロンチウム(SrBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化ストロンチウム溶液を作製した。次いで、70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化ストロンチウム溶液をモル比でSr/(Sr+Pb)が0.1となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(Sr+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0054】
[実施例6]
Sr/(Sr+Pb)を0.2とした以外は上記実施例5と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0055】
[実施例7]
Sr/(Sr+Pb)を0.3とした以外は上記実施例5と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0056】
[実施例8]
Sr/(Sr+Pb)を0.5とした以外は上記実施例5と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0057】
[実施例9]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化ランタン(LaBr
3)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化ランタン溶液を作製した。次いで、70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化ストロンチウム溶液をモル比でLa/(La+Pb)が0.05となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(La+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0058】
[実施例10]
La/(La+Pb)を0.1とした以外は実施例9と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0059】
(発光スペクトル測定)
発光強度の比較方法は上記実施例1〜4及び比較例1と同様の方法で行なった。
【0060】
以下の表2に、実施例5〜10及び比較例1のペロブスカイト構造を有する化合物の溶液作成における構成と、最大発光強度を記載する。表2中、「M/(M+Pb)」は上記一般式(1)中の「a」の仕込み比における値である。
【0061】
【表2】
【0062】
上記の結果から、本実施形態に係るペロブスカイト構造を有する化合物を含む実施例5~10の発光材料は、比較例1のペロブスカイト構造を有する化合物と比して、優れた発光強度を有していることが確認できた。
【0063】
≪ICP−MSによる測定≫
実施例5〜8で得られたガラス基板上のペロブスカイト型結晶構造を有する化合物に対して硝酸1mL添加し、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を溶解させた。溶解後の溶液をイオン交換水で合計10mlとし、ICP−MS(ELAN DRCII、パーキンエルマー製)によってPb、及びMの量を測定し、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物に含まれるMの量を(M)/(M+Pb)の式に当てはめて評価した。
ICP−MSによる測定の結果、実施例5の[M/(M+Pb)]の値が0.10であった。
ICP−MSによる測定の結果、実施例6の[M/(M+Pb)]の値が0.20であった。
ICP−MSによる測定の結果、実施例7の[M/(M+Pb)]の値が0.29であった。
ICP−MSによる測定の結果、実施例8の[M/(M+Pb)]の値が0.51であった。
【0064】
[実施例11]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化バリウム(BaBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化バリウム溶液を作製した。次いで、70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化バリウム溶液をモル比でBa/(Ba+Pb)が0.03となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(Ba+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0065】
[実施例12]
Ba/(Ba+Pb)を0.05とする以外は上記実施例11と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0066】
[実施例13]
Ba/(Ba+Pb)を0.1とする以外は上記実施例11と同様の方法でペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0067】
[実施例14]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化ジスプロシウム(DyBr
3)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化ジスプロシウム溶液を作製した。次いで、70℃で臭化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Br)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化ジスプロシウム溶液をモル比でDy/(Dy+Pb)が0.1となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の臭化メチルアンモニウム溶液を、モル比で臭化メチルアンモニウム/(Dy+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0068】
[実施例15]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化カルシウム(CaBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化カルシウム溶液を作製した。次いで、70℃で塩化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Cl)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の塩化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化カルシウム溶液をモル比でCa/(Ca+Pb)が0.1となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記の塩化メチルアンモニウム溶液を、モル比で塩化メチルアンモニウム/(Ca+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0069】
[実施例16]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。同様に、70℃で臭化カルシウム(CaBr
2)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化カルシウム溶液を作製した。次いで、70℃でヨウ化メチルアンモニウム(CH
3NH
3I)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化メチルアンモニウム溶液を作製した。
上記の臭化鉛溶液と臭化カルシウム溶液をモル比でCa/(Ca+Pb)が0.1となるように混合し溶液を作製した。得られた混合溶液と、上記のヨウ化メチルアンモニウム溶液を、モル比でヨウ化メチルアンモニウム/(Ca+Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0070】
[比較例4]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。次いで、70℃で塩化メチルアンモニウム(CH
3NH
3Cl)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度の塩化メチルアンモニウム溶液を作製した。次いで、モル比で塩化メチルアンモニウム/(Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0071】
[比較例5]
2.5cm×2.5cmサイズのガラス基板を用意した。このガラス基板をオゾンUV処理した。
70℃で臭化鉛(PbBr
2)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記載する)の溶媒に溶解して0.1Mの濃度の臭化鉛溶液を作製した。次いで、70℃でヨウ化メチルアンモニウム(CH
3NH
3I)をDMFの溶媒に溶解して0.1Mの濃度のヨウ化メチルアンモニウム溶液を作製した。次いで、モル比でヨウ化メチルアンモニウム/(Pb)=1となるように更に溶液を混合した。
上記のガラス基板に、1000rpmの回転数で前記溶液をスピンコートにより塗布し、大気中100℃で10分間乾燥させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜を得た。
【0072】
(発光スペクトル測定)
実施例11〜14で得られたペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜の発光スペクトルを、蛍光光度計(日本分光製、商品名FT−6500、励起光430nm、感度High)を用いて測定した。また、前記塗布膜の紫外可視吸光光度計を用いて透過率(%)を測定した。
尚、前記塗布膜間の発光強度の比較は、波長530nm付近の最大発光強度を、以下の式(S)−3で補正して行った。
[波長530nm付近の最大発光強度/(100−波長430nmの透過率)]×100 … (S)−3
【0073】
(発光スペクトル測定)
実施例15及び比較例4で得られたペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜の発光スペクトルを、蛍光光度計(日本分光製、商品名FT−6500、励起光430nm、感度High)を用いて測定した。また、前記塗布膜の紫外可視吸光光度計を用いて透過率(%)を測定した。
尚、前記塗布膜間の発光強度の比較は、波長500nm付近の最大発光強度を、以下の式(S)−4で補正して行った。
[波長500nm付近の最大発光強度/(100−波長430nmの透過率)]×100 … (S)−4
【0074】
(発光スペクトル測定)
実施例16及び比較例5で得られたペロブスカイト構造を有する化合物の塗布膜の発光スペクトルを、蛍光光度計(日本分光製、商品名FT−6500、励起光430nm、感度High)を用いて測定した。また、前記塗布膜の紫外可視吸光光度計を用いて透過率(%)を測定した。
尚、前記塗布膜間の発光強度の比較は、波長540nm付近の最大発光強度を、以下の式(S)−5で補正して行った。
[波長540nm付近の最大発光強度/(100−波長430nmの透過率)]×100 … (S)−5
【0075】
以下の表3及び表4に、実施例11〜14及び比較例4〜5のペロブスカイト構造を有する化合物の溶液作成における構成と、最大発光強度を記載する。表3及び表4中、「M/(M+Pb)」は上記一般式(1)中の「a」の仕込み比における値である。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
上記結果に示した通り、本実施形態を適用した、2価又は3価の金属イオンとしてバリウムイオンを用いた実施例11〜13、及びジスプロシウムイオンを用いた実施例14は、本実施形態を適用しない比較例1よりも最大発光強度が高かった。
また、Xとして2種のハロゲン化物イオン(Br及びCl)を用い、本実施形態を適用した実施例15は本実施形態を適用しない比較例4よりも最大発光強度が高かった。
同様に、Xとして2種のハロゲン化物イオン(Br及びI)を用い、本実施形態を適用した実施例16は本実施形態を適用しない比較例5よりも最大発光強度が高かった。