(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)及び酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)を必須の反応原料とするものである請求項1記載の印刷インキ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の組成物は、酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)と金属錯体(B)とを含有する。前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)は、分子構造中にウレタン結合部位を有し、かつ、カルボキシ基等の酸基を有するものであればよく、その他の具体構造は特に限定されない。また、本発明において(メタ)アクリレート樹脂とは、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、或いはその両方を有する樹脂のことをいう。また、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、メタクリロイル基の一方或いは両方のことをいい、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
【0012】
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の一例としては、例えば、ポリイソシアネート化合物(a1)、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)及び酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)を必須の反応原料とするもの等が挙げられる。
【0013】
前記ポリイソシアネート化合物(a1)は、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(1)で表される繰り返し構造を有するポリイソシアネート化合物;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0014】
【化1】
[式中、R
1はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基の何れかである。R
2はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、又は構造式(1)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。lは0又は1〜3の整数であり、mは1以上の整数である。]
【0015】
前記ポリイソシアネート化合物(a1)の中でも、流動性及び印刷面の光沢に優れる他、耐ミスチング性や乳化適正等の一般的な印刷適性にも優れる印刷インキが得られることから、前記構造式(1)で表される分子構造を有するポリイソシアネート化合物や、各種ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体など平均官能基数が3以上であるポリイソシアネート化合物を必須で用いることが好ましい。特に、前記ポリイソシアネート化合物(a1)に占める前記平均官能基数が3以上であるポリイソシアネート化合物の割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、ポリイソシアネート化合物がイソシアヌレート変性体である場合、原料ジイソシアネート化合物は脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0016】
前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等の脂肪族ヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の脂肪族ヒドロキシポリ(メタ)アクリレート化合物;アクリル酸4−ヒドロキシフェニル、アクリル酸β−ヒドロキシフェネチル、アクリル酸4−ヒドロキシフェネチル、アクリル酸1−フェニル−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシ−4−アセチルフェニル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の芳香族ヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等種々の環状エーテル化合物との開環重合によって得られるポリオキシアルキレン変性モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物;前記モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物との重縮合によって得られるラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0017】
前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)の中でも、流動性及び印刷面の光沢に優れる他、耐ミスチング性や乳化適正等の一般的な印刷適性にも優れる印刷インキが得られることから、前記脂肪族ヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物、前記脂肪族ヒドロキシポリ(メタ)アクリレート化合物、及びこれらのポリオキシアルキレン変性体或いはラクトン変性が好ましく、ラクトン変性脂肪族ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、ラクトン変性脂肪族ヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。更に、前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)に占める前記ラクトン変性脂肪族ヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物の割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
【0018】
前記酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)は、分子構造中にカルボキシ基等の酸基とヒドロキシ基とを有するものであれば、カルボキシ基及びヒドロキシ基の数やその他の具体構造は特に限定されない。また、酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)それぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、流動性及び印刷面の光沢に一層優れる印刷インキが得られることから脂肪族化合物であることが好ましく、炭素原子数2〜20の脂肪族炭化水素上にカルボキシ基を1〜3個、ヒドロキシ基を1〜3個有する化合物がより好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシテトラデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシヘプタデカン酸、ヒドロキシオクタデカン酸(ヒドロキシステアリン酸)、リシノール酸等のモノヒドロキシ化合物;グリセリン酸、2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−(ジヒドロキシメチル)プロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸、3,3−ジメチロールプロピオン酸等のジヒドロキシ化合物;3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸等のトリヒドロキシ化合物等が挙げられる。
【0019】
前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)は、前記ポリイソシアネート化合物(a1)、前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)及び前記酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)の他、他の反応原料を併用したものであってもよい。他の反応原料としては、例えば、前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)や前記酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)以外のポリオール化合物等が挙げられる。前記ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、プロプレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
【0020】
前記他の反応原料を用いる場合には、本発明が奏する効果が十分に発揮されることから、前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の反応原料に占める前記ポリイソシアネート化合物(a1)、前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(a2)及び前記酸基含有ヒドロキシ化合物(a3)の合計質量の割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
【0021】
酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)を製造する方法は特に限定されず、通常は、一般的なウレタン(メタ)アクリレート樹脂同様の方法にて製造することができる。各成分の反応割合や反応順等は所望の樹脂設計や樹脂性能に応じて適宜調整されるものであり、特に限定されるものではない。反応条件の一例としては、反応原料中のイソシアネート基1モルに対し、反応原料中の水酸基が0.9〜1.1モルの範囲となる割合で各反応原料を用い、20〜120℃に加熱する方法が挙げられる。当該反応では所望に応じてオクチル酸亜鉛等の公知慣用のウレタン化触媒や、各種の酸化防止剤、重合禁止剤等を用いても良い。
【0022】
前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の酸価は、流動性及び印刷面の光沢に一層優れる印刷インキが得られることから1〜50mgKOH/gの範囲であることが好ましく、3〜40mgKOH/gの範囲であることがより好ましく、3〜35mgKOH/gの範囲であることが特に好ましい。本発明において樹脂の酸価はJIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
【0023】
前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の質量平均分子量(Mw)は、印刷インキ用途に用いた際の流動性及び印刷面の光沢に一層優れる印刷インキが得られることから1,000〜25,000の範囲であることが好ましく、1,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
【0024】
本願発明において樹脂の分子量は下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
【0025】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0026】
前記金属錯体(B)は、例えば、アルミニウムトリエチレートアルミニウムトリプロピレート、アルミニウムジプロピレートモノブチレート、アルミニウムトリブチレート等のアルミニウムトリアルキレート;アルミニウムアセチルアセテートジプロピレート、アルミニウムアセチルアセテートジブチレート、アルミニウムトリアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムオクタデシルアセトアセテートジプロピレート等のアルミニウムアルキルアセトアセテート;チタンテトラプロピレート、チタンテトラブチレート等のチタンテトラアルキレート;チタンビス(アセチルアセテート)ジプロピレート等のチタンアルキルアセトアセテート;ジルコニウムテトラブチレート等のジルコニウムテトラアルキレート等が挙げられる。これらの具体的な市販製品としては、例えば、川研ファインケミカル株式会社製のアルミニウム有機化合物シリーズ(「AMD」、「ASBD」、「AIPD」、「PADM」、「アルミニウムエトキサイド」、「ALCH」、「ALCH−TR」、「アルミキレートM」、「アルミキレートD」、「アルミキレートA、A(W)」)、味の素ファインテクノ株式会社製「プレンアクト」シリーズ(「AL−M」、「TTS」)、松本ファインケミカル株式会社製「オルガチックス」シリーズ(「AL−3001」、「AL−3100」、「AL−3200」、「AL−3215」、「TA−8」、「TA−21」、「TA−23」、「TA−30」、「TC−100」、「TC−401」、「TC−710」、「TC−750」、「ZA−45」、「ZA−65」、「AC−150」、「ZC−540」)等が挙げられる。前記金属錯体(B)は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0027】
前記金属錯体(B)の配合量は所望のインキ性能等に応じて適宜調整可能であるが、特に、流動性が高く印刷面の光沢に優れ、かつ、耐ミスチングや乳化適正等のその他の性能も十分に高い印刷インキとなることから、前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対し0.5〜20質量部の範囲であることが好ましく、1〜15質量部の範囲であることが特に好ましい。
【0028】
本発明の組成物は、前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)及び金属錯体(B)の他、その他の樹脂成分(C)等、他の成分を含有していてもよい。前記その他の樹脂成分(C)の一例としては、各種の(メタ)アクリレートモノマー(C1)、前記(A)成分以外のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(C2)、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(C3)、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂(C4)、ケトン樹脂(C5)、ジアリルフタレート(DAP)樹脂(C6)等が挙げられる。本発明の効果、即ち、酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)と金属錯体(B)とを含有する組成物を印刷インキ用途に用いることにより、流動性が高く印刷面の光沢に優れる印刷インキになるという効果は、その他の樹脂成分(C)がどのような樹脂であっても十分に発揮される。したがって、前記その他の樹脂成分(C)は印刷インキ用に利用可能な各種の樹脂材料を任意に用いることができ、特に限定されるものではないが、具体例の一部を以下に列記する。
【0029】
前記(メタ)アクリレートモノマー(C1)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等の水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中にポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;
【0030】
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中にポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;
【0031】
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有トリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のトリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中にポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のトリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;
【0032】
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の4官能以上の水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中にポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した4官能以上のポリオキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0033】
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(C2)は、例えば、各種のポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じて各種のポリオール化合物を反応させて得られるものが挙げられる。これら各反応原料の具体例は、酸基含有前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の説明にて例示したもの等が挙げられる。
【0034】
前記エポキシ(メタ)アクリレート化合物(C3)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂や、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のエポキシ基含有化合物の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレート化合物(C3)は分子構造中にポリオキシアルキレン鎖を有するものであってもよい。
【0035】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂(C4)は、分子構造中にポリエステル構造部位を有する(メタ)アクリレート樹脂であればよく、反応原料の一部に油脂や脂肪酸を含むアルキド型や、反応原料の一部にポリイソシアネートを含むウレタン変性型であってもよい。
【0036】
本発明の組成物において、前記その他の樹脂成分(C)の配合量は所望のインキ性能等に応じて適宜調整可能であるが、本発明の効果が一層効果的に奏されることから、前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、前記金属錯体(B)及びその他の樹脂成分(C)の合計に対する前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)と前記金属錯体(B)との合計質量が0.5〜20質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0037】
本発明の組成物は主に活性エネルギー線硬化型印刷インキ用に好適に用いることができ、照射する活性エネルギー線に応じた光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン化合物等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、光重合開始剤の選択は照射する活性エネルギー線の種類等により適切なものを選択して用いればよい。
【0038】
前記光重合開始剤の市販品は、例えば、BASF社製の「IRGACURE」シリーズ(「IRGACURE127」、「IRGACURE184」、「IRGACURE250」、「IRGACURE270」、「IRGACURE290」、「IRGACURE369E」、「IRGACURE379EG」、「IRGACURE500」、「IRGACURE651」、「IRGACURE754」、「IRGACURE819」、「IRGACURE907」、「IRGACURE1173」、「IRGACURE2959」、「IRGACURE MBF」、「IRGACURE TPO」、「IRGACURE OXE 01」、「IRGACURE OXE 02」)、IGM RESINS社製の「OMNIRAD」シリーズ(「OMNIRAD184」、「OMNIRAD250」、「OMNIRAD369」、「OMNIRAD369E」、「OMNIRAD651」、「OMNIRAD907FF」、「OMNIRAD1173」)、大同化成工業株式会社製「DAIDO UV−CURE」シリーズ、「BENZOPHENONE」、「PHOTOCURE 50」、「PHOTOCURE 550」、「EAB−SS」等が挙げられる。これら光重合開始剤は組成物の合計100質量部中0.05〜20質量部程度の範囲で用いることが好ましい。
【0039】
本発明の組成物は、前記重合開始剤と併せて光増感剤を含有しても良い。前記光増感剤は、例えば、脂肪族アミン等のアミン化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。これら光増感剤は組成物の合計100質量部中0.1〜10質量部程度の範囲で用いることが好ましい。
【0040】
本発明の組成物は、更に、顔料、染料、体質顔料、有機又は無機フィラー、有機溶剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、重合禁止剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤、ワックス等、通常の印刷インキが含有する各種の添加剤を含有しても良い。
【0041】
前記顔料は、公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。これら顔料の添加量は顔料の種類等により最適値が異なるが、組成物の合計100質量部に対し5〜30質量部となる範囲であることが好ましい。
【0042】
前記体質顔料は、例えば、酸化チタン、クラファイト、亜鉛、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレイ、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、ガラスビーズ等が上げられる。これら体質顔料の添加量は顔料の種類等により最適値が異なるが、組成物の合計100質量部に対し0.1〜20質量部となる範囲であることが好ましい。
【0043】
本発明の組成物及び印刷インキにおいて各成分の配合割合等は特に限定されず、目的の印刷用途や性能等に応じて適宜配合物や配合割合を調整することができる。各成分は全て一括で配合してもよいし、一部を先に配合してプレミックスを作った後にその他の成分と配合するなどの分割配合でもよい。混合方法は特に限定されず、ミキサー等で撹拌混合する方法、三本ロールミルを用いる方法、ビーズミル等の分散機を用いる方法等が挙げられる。
【0044】
本発明の印刷インキは、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。前記活性エネルギー線は、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線が挙げられる。光源としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、UV−LED、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、走査型やカーテン型の電子線加速器による電子線等が挙げられる。
【0045】
本発明の印刷インキは、紙や各種のプラスチックフィルム等、様々な基材に対し印刷することができる。具体的には、カタログ、ポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等に用いる紙基材;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等、食品や飲料、化粧品等の包装資材用のプラスチックフィルム基材;アルミニウムホイル、合成紙、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を印刷対象物とすることができる。
【0046】
本発明の印刷インキの印刷方式は特に限定されず、例えば、平版オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等により印刷することができる。これらの中でも特に、版面に水を連続的に供給する平版オフセット印刷において好適に利用することができる。水を連続供給するオフセット印刷機は多数の印刷機メーカーによって製造販売されており、一例としてハイデルベルグ社、小森コーポレーション社、リョービMHIグラフィックテクノロジー社、マンローランド社、KBA社等を挙げることができ、またシート形態の印刷用紙を用いる枚葉オフセット印刷機、リール形態の印刷用紙を用いるオフセット輪転印刷機、いずれの用紙供給方式においても本発明を好適に利用することが可能である。更に具体的には、ハイデルベルグ社製スピードマスターシリーズ、小森コーポレーション社製リスロンシリーズ、リョービMHIグラフィックテクノロジー社製ダイヤモンドシリーズ等のオフセット印刷機を挙げることができる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
赤外吸収スペクトルの測定
[機種] 日本分光株式会社製 FT/IR−4100
[測定条件]イソシアネート基を示す2250cm
-1の赤外吸収スペクトルを確認することで反応完結を確認した。
【0049】
質量平均分子量(Mw)の測定
下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0050】
酸価の測定条件
JIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定した。
【0051】
製造例1 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−1)の製造
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)187.1質量部、12−ヒドロキシステアリン酸16.1質量部、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.17質量部を加え、65℃まで加熱した。イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)108.6質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃まで加熱して2時間反応させた。イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、目的のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−1)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−1)の質量平均分子量(Mw)は4,477、酸価は11.2mgKOH/gであった。
【0052】
製造例2 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−2)の製造
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)143.3質量部、12−ヒドロキシステアリン酸6.0質量部、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.12質量部を加え、65℃まで加熱した。イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)79.8質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃まで加熱して2時間反応させた。イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、目的のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−2)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−2)の質量平均分子量(Mw)は4,275、酸価は6.0mgKOH/gであった。
【0053】
製造例3 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−3)の製造
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)116.4質量部、12−ヒドロキシステアリン酸31.3質量部、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.12質量部を加え、65℃まで加熱した。イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)79.1質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃まで加熱して2時間反応させた。イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、目的のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−3)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−3)の質量平均分子量(Mw)は4,663、酸価は27.3mgKOH/gであった。
【0054】
製造例4 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−4)の製造
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)201.4質量部、グリコール酸3.8質量部、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.17質量部を加え、65℃まで加熱した。イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)116.7質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃まで加熱して2時間反応させた。イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、目的のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−4)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−4)の質量平均分子量(Mw)は4,135、酸価は8.9mgKOH/gであった。
【0055】
製造例5 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−5)の製造
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)167.9質量部、ジメチロールプロピオン酸3.4質量部、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.17質量部を加え、65℃まで加熱した。イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)116.9質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃まで加熱して2時間反応させた。イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、目的のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−5)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A−5)の質量平均分子量(Mw)は4,389、酸価は5.5mgKOH/gであった。
【0056】
実施例1〜7 組成物(1)〜(8)の製造
下記表1に示す割合で各成分を配合し、1時間撹拌して組成物(1)〜(8)を得た。金属錯体の詳細は以下の通り。
・(メタ)アクリレートモノマー:ダイセル・オルネクス株式会社製「OTA 480」、プロピレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、1分子あたりのプロピレンオキサイド平均付加数3
・金属錯体(B−1):川研ファインケミカル株式会社製「ALCH−TR」、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)
・金属錯体(B−2):味の素ファインテクノ株式会社製「プレンアクト AL−M」、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート
【0057】
【表1】
【0058】
実施例9〜21及び比較例1 印刷インキの製造
下記表3〜5に示す割合で各成分を配合し、ミキサー(単軸ディゾルバー)で撹拌した後、3本ロールミルを用いて練肉して印刷インキを得た。実施例14については、組成物(1)以外の成分を配合してミキサー(単軸ディゾルバー)で撹拌し、3本ロールミルを用いて練肉した後、組成物(1)を添加して混合し、印刷インキを得た。
得られた印刷インキについて下記の要領で種々の評価を行った。結果を表3〜5に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
製造例6 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の製造
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコにポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」)60.3質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃まで加熱した。フラスコ内を撹拌しながら2−ヒドロキシエチルアクリレート35.7質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃で更に3時間反応させた。グリセリン4.0質量部を添加し、75℃で反応を続け、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失したのを確認し、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を得た。
【0061】
流動性の評価
25℃に空調した室内において、地平面と70゜の角度をなすガラス板の上端に印刷インキ1.0mlを置き、1日後に流動した距離を測定した。数値が大きいほど流動性が良好であることを示す。
【0062】
展色物の作製方法
簡易展色機(豊栄精工社製「RIテスター」)を用い、印刷インキ0.10mlをRIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばした。アート紙(王子製紙社製「OK金藤片面」)の表面に、200cm
2の面積にわたって黄濃度1.4(X−Rite社製「SpectroEye濃度計」で計測)で均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
【0063】
紫外線(UV)ランプ光源による硬化方法
先で得た展色物に紫外線(UV)を照射し、印刷インキを硬化させた。具体的には、水冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載した紫外線(UV)照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、印刷インキを硬化させた。
【0064】
印刷面の光沢
硬化後の展色物における印刷面の光沢値を60°光沢計(BYK Garder GmbH製)で測定し、次の3段階で評価した。数値が高い程、光沢が良い事を示す。
(評価基準)
A:光沢55以上
B:光沢45以上 55未満
C:光沢45未満
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】