(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器が、円筒状、直方体、立方体、長方形の箱、矩形六面体、直角矩形柱、矩形平行六面体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形状を有し、前記流れ分配器の断面形状が、チューブ、円、四角、矩形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の容器。
前記流れ分配器が、連結された中空棒構造を有し、前記中空棒の等価内径が1/8インチ〜1インチの範囲であり、前記中空棒の各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲である、請求項1に記載の容器。
前記流れ分配器が、共通の中心にて交差し、前記共通の中心から前記蓋と平行に延在し、かつ、側面で封止された2〜16本の中空棒を有し、前記流れ分配器の等価内径が1/8インチ〜1インチの範囲であり、前記中空棒の各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲である、請求項1に記載の容器。
前記流れ分配器が、前記蓋に対して平行な前記容器の断面積の30%〜90%の範囲の前記蓋に平行な断面積を有する、高さ1/8インチ〜1インチの中空シャワーヘッド構造を有し、前記中空シャワーヘッドの各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲である、請求項1に記載の容器。
前記流れ分配器が、中空棒及び中空シャワーヘッドを有し、前記中空シャワーヘッドは1/8インチ〜1インチの高さを有し、かつ、前記蓋に対して平行な前記中空シャワーヘッドから伸びた前記中空棒と共に前記流れ分配器の中心に配置されており、前記中空シャワーヘッドは前記中空棒と流体連通し、前記中空棒は1/8インチ〜1インチの範囲の等価内径を有し、かつ、側面で封止されており、前記流れ分配器の各噴出口の等価直径は0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲である、請求項1に記載の容器。
前記化学前駆体が、六塩化タングステン、五塩化タングステン、五塩化タンタル、五塩化モリブデン、四塩化ハフニウム、四塩化ジルコニウム、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、水素化シクロペンタジエニルタングステントリカルボニル(CpW(CO)3H))、二水素化ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)タングステン(iPrCp)2WH2、二水素化ビス(アルキルシクロペンタジエニル)タングステン(RCp)WH2、Ni(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Ni(II)(tBu‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Ni(II)(iPr‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐エチルアミジナート(Ni(II)(Et‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐メチルアミジナート(Ni(II)(Me‐AMD)2)、Co(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Co(II)(tBu‐AMD)2)、Co(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Co(II)(iPr‐AMD)2)、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH)、tert‐ブチルイミノ‐トリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert‐ブチルイミド‐トリス(メチルエチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオナト)ストロンチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
前記容器の形状が、円筒状、直方体、立方体、長方形の箱、矩形六面体、直角矩形柱、矩形平行六面体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記流れ分配器の断面形状が、チューブ、四角、矩形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
前記流れ分配器が、チューブ、円、四角、矩形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される断面形状を有する、高さ1/8インチ〜1インチの中空シャワーヘッドを有し、
前記中空シャワーヘッドが、前記蓋に対して平行な前記容器の断面積の30%〜90%の範囲の前記蓋に対して平行な断面積を有し、
前記中空シャワーヘッドの各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲であり、
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
前記流れ分配器が、中空棒及び中空シャワーヘッドの組み合わせを有し、前記中空シャワーヘッドは前記蓋に対して平行な前記中空シャワーヘッドから伸びた前記中空棒と共に前記流れ分配器の中心に配置され、前記中空シャワーヘッドは1/8インチ〜1インチの高さを有し、かつ、前記中空棒と流体連通し、前記中空棒は1/8インチ〜1インチの範囲の等価内径を有し、かつ、側面で封止されており、前記流れ分配器の各噴出口の等価直径は0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲であり、
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
前記化学前駆体が、六塩化タングステン、五塩化タングステン、五塩化タンタル、五塩化モリブデン、四塩化ハフニウム、四塩化ジルコニウム、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、水素化シクロペンタジエニルタングステントリカルボニル(CpW(CO)3H))、二水素化ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)タングステン(iPrCp)2WH2、二水素化ビス(アルキルシクロペンタジエニル)タングステン(RCp)WH2、Ni(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Ni(II)(tBu‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Ni(II)(iPr‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐エチルアミジナート(Ni(II)(Et‐AMD)2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐メチルアミジナート(Ni(II)(Me‐AMD)2)、Co(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Co(II)(tBu‐AMD)2)、Co(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Co(II)(iPr‐AMD)2)、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH)、tert‐ブチルイミノ‐トリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert‐ブチルイミド‐トリス(メチルエチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオナト)ストロンチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
前記容器の形状が、円筒状、直方体、立方体、長方形の箱、矩形六面体、直角矩形柱、矩形平行六面体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記流れ分配器の断面形状が、チューブ、円、四角、矩形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
前記流れ分配器が、チューブ、円、四角、矩形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される断面形状を有する、高さ1/8インチ〜1インチの中空シャワーヘッドを有し、
前記中空シャワーヘッドが、1/8インチ〜1インチの高さ、及び前記蓋に対して平行な前記容器の断面積の30%〜90%の範囲の前記蓋に対して平行な断面積を有し、
前記中空シャワーヘッドの各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲であり、
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
昇華速度が、前記容器内の前駆体格納レベルが減少した際に<5%減少する、請求項16に記載の方法。
前記流れ分配器が、中空棒及び中空シャワーヘッドの組み合わせを有し、前記中空シャワーヘッドは前記蓋に対して平行な中空シャワーヘッドから均等に伸びた前記中空棒と共に前記流れ分配器の中心に配置され、前記中空シャワーヘッドは1/8インチ〜1インチの高さを有し、かつ、前記中空棒と流体連通し、前記中空棒は1/8インチ〜1インチの範囲の等価内径を有し、かつ、側面で封止されており、前記流れ分配器の各噴出口の等価直径は0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲であり、
前記化学前駆体が、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
昇華速度が、前記容器内の前駆体格納レベルが減少した際に<5%減少する、請求項16に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
背景
電子デバイス製造産業は、集積回路及び他の電子デバイスを作製するための原料又は前駆体として種々の化学品を要求する。化学気相堆積(CVD)及び原子層堆積(ALD)プロセス等の堆積プロセスは、基材の表面に1つまたはそれより多くの膜又はコーティングを形成するように、半導体デバイスの製造中に1つまたはそれより多くの工程で用いられる。典型的なCVD又はALDプロセスにおいて、固相及び/又は液相であることができる前駆体源は、1つまたはそれより多くの基材を収容する反応チャンバに運ばれ、そこでは前駆体は温度又は圧力等のある条件下で反応して、基材表面にコーティング又は膜を形成する。
【0003】
処理チャンバに前駆体蒸気を供給するための幾つかの認められた技術がある。1つの方法は、液体マスフロー制御器(LMFC)により制御された流速で、液体前駆体を液体形態で処理チャンバに供給し、次いで前駆体を使用の時点において気化器により蒸発させる。第二の方法は、加熱することにより液体前駆体を蒸発させ、得られた蒸気をマスフロー制御器(MFC)により制御された流速でチャンバに供給することを含む。第三の方法は、キャリアガスを液体前駆体に通して上方へバブリングすることを含む。第四の方法は、キャニスターに収容された前駆体の表面上にキャリアガスを流せるようにすることと、キャニスターから出た前駆体蒸気を、つづいて処理ツールに運ぶこととを含む。
【0004】
本開示に記載されるのは、高純度のプロセス化学前駆体を、半導体デバイスの製造に用いられる処理ツールに輸送するための容器、システム、及びそれを用いる方法である。より具体的には、本開示に記載されるのは、複数の小さい孔又は噴出口等の流れ分配器、及び化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスにおける堆積反応器等の処理ツールのための化学前駆体を含む容器(器又はアンプル)を備えるシステムである。
【0005】
昇華による固体前駆体からの化学蒸気の輸送は、本発明の主題の1つである。
【0006】
昇華により固体前駆体から化学蒸気を輸送する従来の容器に関連する1つの課題は、前駆体の高い利用度を得ることの困難性である。洗浄し、補充するために運転を中止する際に、容器内に残される前駆体の量を最小化することは困難である。この問題の1つの原因は、従来の固体源容器において、前駆体の表面と、キャリアガスを循環させるために用いられるインレット及びアウトレットとの間の距離、並びにキャリアガスが前駆体蒸気と接触する領域の体積が、前駆体が使い果たされるにつれて増加することである。
【0007】
前駆体チャンバのより均一な加熱及び改善されたキャリアガス循環を含む試みが、前駆体利用度を増大させるためになされてきた。これらの努力が前駆体利用度の改善をもたらしてきたものの、これらの改善の実行に必要な構造は容器の洗浄をより困難にする可能性があり、前駆体利用度の更なる改善に対する必要がある。
【0008】
幾つかの従来技術は、インレットチューブが前駆体表面の上方に配置されている設計を提供するが、キャリアガスが低い容器充填レベル又は低い格納レベルにおいて前駆体の表面をかく乱するのに十分な運動量を提供しない。したがって、従来技術の設計に関する前駆体輸送速度は、高い容器充填レベル(又は高い格納レベル)における前駆体輸送速度と比較して、低い容器充填レベル(又は低い格納レベル)において典型的には著しく低い。
幾つかの従来技術は、インレットチューブが前駆体表面の下方に配置されている設計も提供する。前駆体(液体又は固体)は、バブラーにおいて供給される。米国特許第8313804号明細書、米国特許第6698728号明細書、及び米国特許第6033479号明細書に開示されるように、使用の際に、キャリアガスはバブリングされ、ディップ管を介して前駆体により飽和される。
【0009】
しかし、これらの設計は、固体によるインレットの閉塞、固体の周りのキャリアガスチャネリングに起因する不均一な輸送速度、及び容器使用中の輸送速度変化のために、固体前駆体の輸送に関する問題が存在することが多い。
【0010】
したがって、上述の欠点を克服することを目的とする、堆積又は処理サイトへ前駆体を輸送するためのシステム及び方法に対する当分野における必要がある。
【発明の概要】
【0011】
概要
本発明の目的は、堆積又は処理サイトに化学前駆体を輸送するための容器、システム及び方法を提供し、上述の欠点を克服することである。前駆体の昇華速度は、前駆体格納レベルが容器内で低減した際に<25%、好ましくは<5%、より好ましくは<3%減少するか、または増加する。
【0012】
1つの側面において、本発明は、
側壁、
基部、
平坦な表面を有する蓋、
インレットチューブ、
噴出口として複数の小さい開口部を含む流れ分配器、及び
蓋を貫通するアウトレットを備え、
インレットチューブが蓋を貫通して流れ分配器中に張り出し、かつ、流れ分配器と流体連通し、
噴出口が、蓋に対して60〜90°の範囲の角度で基部に面し、
各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.25インチ(0.64cm)の範囲である、化学前駆体を処理ツールに輸送するための容器である。
【0013】
別の側面において、本発明は、処理ツールに化学前駆体を輸送するためのシステムであって、
金属ハロゲン化物、金属β‐ジケトネート、金属β‐ジケトエステラート、金属β‐ケトイミナート、金属β‐ジイミナート、金属アルキル、金属カルボニル、アルキル金属カルボニル、金属シクロペンタジエニル、金属シクロペンタジエニルカルボニル、金属ピロリル、金属イミダゾリル、金属アミジナート、金属アルコキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学前駆体であって、
配位子が、金属原子と錯形成する単座配位子、二座配位子、及び多座配位子からなる群から選択され、
金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Sm、Tb、Er、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Fe、Co、Ni、Ru、Ir、Rh、Cu、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Te、Cr、Mo、Ta及びWからなる群から選択される化学前駆体と、
化学前駆体を収容する容器であって、
側壁、
基部、
平坦な表面を有する蓋、
インレットチューブ、
噴出口として複数の小さい開口部を含む流れ分配器、及び
蓋を貫通するアウトレットを備え、
インレットチューブが蓋を貫通して流れ分配器中に張り出し、かつ、流れ分配器と流体連通し、
噴出口が、蓋に対して60〜90°の範囲の角度で基部に面し、
各噴出口の先端が、噴出口が面している化学前駆体から0.5インチ以上の距離に設けられ、
各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.25インチ(0.64cm)の範囲である容器と
を含むシステムである。
【0014】
更に別の側面において、本発明は、化学前駆体を処理ツールに輸送するための方法であって、
金属ハロゲン化物、金属β‐ジケトネート、金属β‐ジケトエステラート、金属β‐ケトイミナート、金属β‐ジイミナート、金属アルキル、金属カルボニル、アルキル金属カルボニル、金属シクロペンタジエニル、金属シクロペンタジエニルカルボニル、金属ピロリル、金属イミダゾリル、金属アミジナート、金属アルコキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学前駆体であって、
配位子が、金属原子と錯形成する単座配位子、二座配位子、及び多座配位子からなる群から選択され、
金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Sm、Tb、Er、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Fe、Co、Ni、Ru、Ir、Rh、Cu、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Te、Cr、Mo、Ta及びWからなる群から選択される化学前駆体を提供することと、
化学前駆体を収容する容器であって、
側壁、
基部、
平坦な表面を有する蓋、
インレットチューブ、
噴出口として複数の小さい開口部を含む流れ分配器、及び
蓋を貫通するアウトレットを備え、
インレットチューブが蓋を貫通して流れ分配器中に張り出し、かつ、流れ分配器と流体連通し、
噴出口が、蓋に対して60〜90°の範囲の角度で基部に面し、
各噴出口の先端が、噴出口が面している化学前駆体から0.5インチ以上の距離に設けられ、
各噴出口の等価直径が0.01インチ(0.025cm)〜0.25インチ(0.64cm)の範囲である容器を提供することと、
キャリアガスが噴出口を通過すること、及び化学前駆体の表面に衝突することにより、キャリアガスと混合される化学前駆体の蒸気又は液滴を製造して前駆体を含む流体ストリームを形成することと、
前駆体を含む流体ストリームを容器のアウトレットを通して処理ツールに移動させることとを含み、
昇華速度が、容器内の前駆体格納レベルが初期の充填高さから初期の充填高さの20%に減少した際に、<25%、好ましくは<10%、より好ましくは<5%、及び最も好ましくは<3%減少するか、または増加する方法である。
【0015】
容器の形状は任意であることができる。形状としては、以下に制限されないが、円筒状、直方体、立方体、長方形の箱、矩形六面体、直角矩形柱、又は矩形平行六面体;及び円、長円、四角、矩形、又は当分野で用いられる任意の他の形状の断面を有するものが挙げられる。
【0016】
流れ分配器の断面形状は、任意であることができる。形状としては、以下に制限されないが、チューブ、円、四角、矩形、これらの組み合わせ、又は当分野で用いられる任意の他の形状が挙げられる。
【0017】
流れ分配器は、蓋と平行に延在し、かつ、インレットチューブと流体連通している1つまたはそれより多くの中空部材を含むことができる。流れ分配器の各中空部材は、容器の蓋に対して60〜90°の範囲の角度で流れ分配器の底部に設けられた噴出口としての複数の小さい開口部を有する。
【0018】
流れ分配器は、共通の中心にて交差し、共通の中心から蓋と平行に延在し、かつ、インレットチューブと流体連通している2〜16本のパイプ又は中空棒を有することができる。好ましくは、各パイプ又は中空棒は、側面で密封され、前駆体に向けられた噴出口としての複数の小さい開口部だけを有する。流れ分配器は、中空クロスであることができる。各中空棒は、以下に制限されないが、四角を含む任意の断面形状を有することができる。各パイプ又は中空棒は、1/8インチ〜1インチの範囲の等価内径を有することができる。
【0019】
流れ分配器は、以下に制限されないが、チューブ、円、四角、矩形、又は当分野で用いられる任意の他の形状を含む任意の断面形状を有するシャワーヘッド形状を有することもできる。
【0020】
シャワーヘッドは、蓋に対して平行な容器の面積の5%〜90%、好ましくは30%〜90%、及びより好ましくは60%〜90%の範囲の蓋に平行な面積を有する。
【0021】
流れ分配器中の各噴出口は、0.01インチ(0.025cm)、〜0.25インチ(0.64cm)、好ましくは0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲の直径を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
昇華により固体前駆体から化学蒸気を輸送する従来の容器に関連した1つの課題は、前駆体の高い利用度を得ることの困難性である。洗浄し、補充するために運転を中止する際に、容器内に残される前駆体の量を最小化することは困難である。
【0024】
記載する本発明の目的のために、本明細書で幾つかの用語が定義され、用いられる。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語「管路」は、システムの2つ又はそれより多くの構成要素間で流体を輸送することができる1つ又はそれより多くの構造を指す。例えば、管路としては、液体、蒸気、及び/又はガスを輸送するパイプ、ダクト、通路、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語「流体連通」は、液体、蒸気、及び/又はガスを制御された方法で(すなわち漏れなく)構成要素間で輸送することを可能にする2つ又はそれより多くの構成要素の間の連結性を指す。2つ又はそれより多くの構成要素を互いに流体連通するように連結することは、溶接部、フランジ管路、ガスケット及びボルトを用いた方法等、当分野で知られている任意の適切な方法を含むことができる。
【0027】
用語「噴出口」は、流れ分配器内の開口部であって、インレットチューブを通って入った後に、そこから流体が流れ分配器から出る開口部を含む。用語「シャワーヘッド」は、非共線配置、例えば円、同心円、放射線状の線、六角パターン、又は任意の他の対称若しくは非対称配置で配置された2つより多くの噴出口開口部と流体連通した(例えば円筒形状の)ひとつの内部空洞容積を含む。用語「噴出口の角度」は、噴出口開口部を画定する表面の面に垂直な噴出口開口部の中点を通る線の角度を含む。用語「前駆体格納レベルが容器内で減少した際」は、初期の充填高さから初期の充填高さの20%への前駆体格納レベルの減少を含む。用語「昇華」は、固体前駆体の気化、及び液体前駆体の気化(本開示では「蒸発」とも呼ばれる)も含む。
【0028】
用語「レイノルズ数」は、当技術分野で知られている流体力学で用いられる無次元量である。レイノルズ数は、流体速度と、流体が通る管の等価直径と、流体の密度とを掛け合わせ、流体の動的粘度で割ったものとして定義される。円筒管内の流れについては、その内径が等価直径として一般的に用いられる。矩形管又は非円筒管等の他の形状では、等価直径はD
E=4A/Pと定義され、式中、Aは断面積であり、Pは断面の周長である。ホール又はオリフィスを通る流れについては、ホール又はオリフィスの等価直径、及びホール又はオリフィスを通過する際の流体の平均速度が用いられる。
【0029】
本発明の部分を記載する明細書及び特許請求の範囲において、幾つかの方向に関する用語を用いる場合がある(例えば、上、下、左、右等)。これらの方向に関する用語は、単に本発明の説明及び請求の助けとなることを意図するだけのものであって、いかなる形であれ、本発明を限定することを意図するものではない。
【0030】
本発明は、前駆体含有流体ストリームを堆積プロセスに輸送するのに用いられる容器における前駆体利用度の改善、並びに係る容器の洗浄及び補充の簡易化を含む。前駆体の昇華速度は、前駆体格納レベルが容器内で減少した際に<5%減少するか、または増加する。
【0031】
より具体的には、本開示で記載されるのは、1種又はそれより多くのプロセス化学品を半導体製造のために設計された処理ツールに提供し、プロセス化学品をプロセス化学容器又はアンプル、及び輸送装置内の他の関連した構成要素から容易に効率的に洗浄することを可能にするために用いられるシステム及び方法である。
【0032】
開示された実施態様は、インレットチューブから輸送されたキャリアガスの噴出口が前駆体の表面をかく乱するのに十分な運動量を有するように、キャリアガスをインレットチューブから前駆体表面の上方に設けられた流れ分配器に輸送する構造を提供することにより、当分野における必要を満たす。
【0033】
1つの側面において、化学前駆体を輸送するのに用いられる容器は、以下に制限されないが、円筒状、直方体、立方体、長方形の箱、矩形六面体、直角矩形柱、又は矩形平行六面体;及び円、長円、四角、矩形、又は当分野で用いられる任意の他の形状の断面を有するものを含む任意の形状を有することができる。処理ツールへの容器の体積は、100ミリリットル(ml)〜10リットルの範囲である。本開示に記載の容器(container)の他に取り得る名称としては、「アンプル」、「容器(Vessel)」、「ソース容器」、「ホスト」、及び他のふさわしい名称が挙げられる。本開示に記載の容器は、リザーバを最初に充填し、洗浄する手段を更に含むことができる。
【0034】
ある実施態様において、容器は、ネジ又は他の手段等でリザーバの上部の上に固定され、かつ、エラストマーの若しくは金属oリング及び/又はガスケットで封止される大きなキャップ、蓋、又は栓を有する。この蓋は、フロート、超音波、差圧、熱及び他の様式の浸漬型レベルセンシングを含むレベルセンシングプローブの設置に用いられる平坦な表面を有することが多い。それは、典型的には処理ツール、又は少量の化学前駆体を処理ツールに輸送する際に用いられるOEMツール内に取り付けられる。直接液体注入(DLI)プロセスでは、正確な流速を圧力によって制限することができ、したがって、インレット圧力を厳しく制御することが要求される。しばしば、これらのアンプルは、蒸気圧、粘性及び前駆体反応性などの変数を維持するために、小さい温度制御ユニット内に置かれる。
【0035】
容器を構築する材料は典型的にはステンレス鋼であるが、問題となる材料に対する前駆体の反応性に応じてその他の材料でも作ることができる。本明細書で記載されるシステムを構築する材料は、1つまたはそれより多くの以下の特徴:腐食又は前駆体との反応を防止する化学適合性、使用される圧力及び減圧力を支持するのに十分な強度、並びに一般的に、使用するプロセス化学品及び/又は溶媒に応じて1mTorr〜500mTorrで減圧を保つ密閉性を示す。容器は、前駆体にアクセスできるように1つ又は複数の弁及びポート及びセンサも含む。
【0036】
ある実施態様において、容器の1つまたはそれより多くは、容器の中または外側に設けることができるレベルセンシング装置を含む。レベルセンシング装置が容器の中に設けられる実施態様において、レベルセンシング機能は、超音波レベルセンサ、又は代替的にはフロートプローブを用いて実施される。その他のレベルセンシング技術としては、以下限定されないが、熱系レベルセンシング、差圧、離散超音波レベルセンシング及び連続超音波レベルセンシングの両方、容量性、光学及びマイクロ波インパルスレーダレベルセンシング、並びに/又はこれらの組み合わせが挙げられる。レベルセンシングはまた、容器の外に配置することができる。これらのレベルセンシングの種類としては、超音波、重量計/ロードセル、熱、X線/放射線、及び類似の技術が挙げられる。これらの技術は、測定の正確性はあまり正確ではない場合があるが、容器の内部に侵入しないという利点を有する。超音波による空状態であることのセンシングは、輸送ラインに取り付けられ、締め付けられ、または埋め込まれた超音波センサを使用して行うことができ、交換可能なバルクタンク内に化学品が残っていない場合に、補充装置が正確な測定をできるようにして、エンドユーザー顧客が大部分のプロセス化学品を使い尽くすことができるようにする。
【0037】
1つ又は複数の容器は、容器に不活性ガスを流入させるための別個の貫通部(たとえばインレットチューブ)を更に含むことができる。ある実施態様において、化学品は、容器のインレット側と容器のアウトレットにおける圧力との差圧のために、少なくとも初めは流れる。その後、時にポンプ又は他の手段を用いて、化学品を必要とされる場所に輸送することができる。この貫通部は通常、容器の上部に溶接された小さいチューブの形態をとり、それは次いで容器への不活性ガスの流入を制御する弁(手動又は自動)に取り付けられる。不活性ガスライン貫通部の流れ方向は既定されておらず、複数の機能、例えば(その機能のための第三のポートを更に組み入れることにより)容器の内側から過剰な圧力を排出すること、又は別容器から補充することのために用いることができる。不活性ガスラインは、容器の内側のバッフルに取り付けることができ、それは排出動作中に不活性ガス輸送装置又はベント装置へのプロセス化学品の飛散を防止するのに用いられる。このようなバッフルは、直角チューブ、「T字」継手、スクリーン/メッシュ組立て品、又は一般市場で入手可能な全ての金属、セラミック、又はプラスチックフィルタを含むフィルタからなることができる。典型的に、前駆体レベルの上方にある空間はヘッドスペースと呼ばれるため、このポートは、通常、ヘッドスペースポートと呼ばれる。
【0038】
エアロゾルの形成及び固体によるインレットチューブの閉塞を回避するために、本開示で記載されるのは、前駆体の表面より下に沈められたインレットチューブを用いることなく、キャリアガス飽和を達成する装置である。キャリアガスは化学前駆体の表面の下に注入されるのではなく、その代わりに、キャリアガスは前駆体の表面の上方のヘッドスペースに注入される。
【0039】
1つの実施態様において、インレットチューブは流れ分配器中に張り出している。流れ分配器の断面形状は任意であることができ、以下に制限されないが、チューブ、四角、矩形、又は当分野で用いられる任意の他の形状が挙げられる。流れ分配器は、蓋表面に平行に延在し、かつ、インレットチューブパイプと流体連通している1つまたはそれより多くの中空部材(たとえば棒、パイプ)を含む。流れ分配器の各中空部材は、容器の蓋表面に対して60〜90°の範囲の角度で中空部材の底部に設けられた噴出口として2つより多くの、すなわち複数の小さい開口部を有する。好ましくは、噴出口開口部は、例えば放射線状に均等に分散され、流れ分配器はこれを可能とするように構成される(そのために例えば放射状に配置された棒、及び/又は円筒状のシャワーヘッドを有する)。
【0040】
流れ分配器は、蓋表面と平行に均等に伸びた、インレットチューブパイプと流体連通している2〜16本のパイプ又は中空棒を有することができる。好ましくは、各パイプ又は中空棒は、側面で封止され、かつ、前駆体に向けられた噴出口として複数の小さい開口部だけを有する。各中空棒は、以下に制限されないが、四角を含む任意の断面形状を有することができる。各パイプ又は中空棒は、1/8インチ〜1インチの範囲の直径を有することができる。流れ分配器は中空クロスであることができる。この設計の1つの例は、
図1及び
図2に示される。
【0041】
流れ分配器内の各噴出口の直径は、0.01インチ(0.025cm)〜0.25インチ(0.64cm)、好ましくは0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲であることができる。
【0042】
流れ分配器は、以下に制限されないが、容器の断面の形状と同じ形状に制限されないが、例えばチューブ、円、四角、矩形、又は当分野で用いられる任意の他の形状を含む任意の断面形状を有するシャワーヘッド形状を有することもできる。シャワーヘッドは、蓋表面に平行な容器の面積の5%〜90%、好ましくは30%〜90%、及びより好ましくは60%〜90%の範囲の蓋表面に平行な面積を有することができる。シャワーヘッドの高さは、約1/8インチ〜1インチ、好ましくは1/4インチ〜1/2インチである。
【0043】
このシャワーヘッド形状の流れ分配器の設計の1つの例は、
図3に示される。
【0044】
流れ分配器は、シャワーヘッド形状と、シャワーヘッドの端部から均等に伸びた、シャワーヘッドと流体連通している2〜16本のパイプ又は中空棒との任意の組み合わせの形状であることができる。この設計の1つの例は、
図4に示される。
【0045】
流れ分配器は、1つ又はそれより多くの中空の輪の形状であることもでき、または中空の同心円状の輪であることができる。
【0046】
流れ分配器の各中空部材は、複数の小さい開口部、又はノズル若しくは噴出口としての中空部材の底部に設けられた貫通部を含む。キャリアガスは、噴出口を通って流れ、前駆体チャンバに入る。各流れ分配器は約2〜60個、好ましくは6〜33個の噴出口を有する。流れ分配器の各噴出口は、0.01インチ(0.025cm)〜0.25インチ(0.64cm)好ましくは0.01インチ(0.025cm)〜0.05インチ(0.125cm)の範囲の直径を有することができる。
【0047】
より具体的には、各噴出口は、容器の蓋に対して60°〜90°の角度で垂直に下向きに配向される。結果として、キャリアガスは、化学前駆体の表面に衝突し、これによってキャリアガスが表面上に向けられていない他の設計で生じる質量輸送制限を低減する。噴出口は、容器内の前駆体高さに関わらず、前駆体の表面をかく乱するのに十分な運動量を有するが、衝突箇所において重大な飛散又はダスティングを発生させるのには不十分な運動量を有するように設計される。
【0048】
前駆体の表面への衝突のために、各噴出口は、キャリアガスに対して50より大きい、及びより好ましくは150より大きいレイノルズ数を達成するように好ましくは設計される。レイノルズ数は、ノズル内径と、噴出口先端での実際のガス速度と、キャリアガスの密度を掛け合わせ、キャリアガスの動的粘度で割ったものとして定義される。これらの物理特性を決定する際に、容器ヘッドスペース内部の温度及び圧力が基準として用いられる。また、噴出口は、前駆体表面へのキャリアガスの可能な限り均一な衝突を達成するように設計される。
【0049】
図1〜4は、本発明の実施態様の例を提供する。
【0050】
図1〜3に示されるように、容器は、輸送される前駆体を収容する、容器基部、容器側壁、及び蓋で画定される内容積を有する。前駆体の表面、側壁及び蓋の内面は、輸送される前駆体の充填レベルと共に変化する蒸気空間又はヘッドスペースを画定する。容器は、容器の内容積及びヘッドスペースと流体連通したキャリアガスインレット弁も有する。
【0051】
図1において、キャリアガスインレットチューブは、
図2に示されるように、流れ分配器の底部に設けられた12個の噴出口を有する十字又はクロスバー形状の流れ分配器中に張り出している。
【0052】
図3において、キャリアガスインレットチューブは、流れ分配器の底部に設けられた噴出口を含むシャワーヘッド形状の流れ分配器中に張り出している。
【0053】
動作中、キャリアガス、たとえば、制限されないが、不活性ガス(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン)、窒素、又はこれらの組み合わせを、キャリアガスインレットチューブを通し、キャリアガス噴出口を通して導入する。
【0054】
プロセス前駆体を、金属ハロゲン化物、金属β‐ジケトネート、金属β‐ジケトエステラート、金属β‐ケトイミナート、金属β‐ジイミナート、金属アルキル、金属カルボニル、アルキル金属カルボニル、金属シクロペンタジエニル、金属シクロペンタジエニルカルボニル、金属ピロリル、金属イミダゾリル、金属アミジナート、及び金属アルコキシドからなる群から選択され、配位子が、金属原子と錯形成する単座配位子、二座配位子、及び多座配位子であることができ、金属が、以下に制限されないが、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Sm、Tb、Er、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Fe、Co、Ni、Ru、Ir、Rh、Cu、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Te、Cr、Mo、Ta及びWを含む周期表の2族〜15族の元素から選択される、少なくとも1種の金属錯体から選択することができる。
【0055】
本開示に記載のシステム、方法、及び装置により用いることができる例示的なプロセス化学品としては、以下に制限されないが、六塩化タングステン、五塩化タングステン、五塩化タンタル、五塩化モリブデン、四塩化ハフニウム、四塩化ジルコニウム、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、ジコバルトヘキサカルボニルジアルキルアセチレン(R’CCR”)Co
2(CO)
6)、シクロペンタジエニルコバルトジカルボニル、アルキルシクロペンタジエニルコバルトジカルボニル、コバルトトリカルボニルニトロシル(Co(CO)
3(NO))、(tert‐ブチルアリル)コバルトトリカルボニル(tBuAllyl)Co(CO)
3、シクロペンタジエニルマンガントリカルボニル(CpMn(CO
3)、アルキルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル(例えば、MeCpMn(CO)
3、EtCpMn(CO)
3)、3‐(t‐BuAllyl)Mn(CO)
4、水素化シクロペンタジエニルタングステントリカルボニル(CpW(CO)
3H))、水素化アルキルシクロペンタジエニルトリカルボニル((RCp)W(CO)
3H)、トリス(カルボニル)(アルキルシクロペンタジエニル)メチルタングステン((RCp)W(CO)
3Me)、トリス(カルボニル)(アルキルシクロペンタジエニル)エチルタングステン((RCp)W(CO)
3Et)、アルキルシクロペンタジエニルビス(ニトロシル)ヒドリドタングステン((RCp)W(NO)
2)H)、アルキルシクロペンタジエニルビス(ニトロシル)メチルタングステン((RCp)W(NO
2)Me)、アルキルシクロペンタジエニルビス(ニトロシル)エチルタングステン((RCp)W(NO
2)Et)、二水素化ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)タングステン(iPrCp)
2WH
2、二水素化ビス(アルキルシクロペンタジエニル)タングステン(RCp)WH
2、Ni(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Ni(II)(tBu‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Ni(II)(iPr‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐エチルアミジナート(Ni(II)(Et‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐メチルアミジナート(Ni(II)(Me‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Co(II)(tBu‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Co(II)(iPr‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐エチルアミジナート(Co(II)(Et‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐メチルアミジナート(Co(II)(Me‐AMD)
2)、四塩化チタン(TiCl
4)、テトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)、テトラキス(エチルメチルアミド)チタン(TEMAT)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((EtCp)
2Ru)、ビス(ジメチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(ジエチルペンタジエニル)ルテニウム、RuO
4、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH)、テトラキス(ジエチルアミド)ハフニウム(TDEAH)、テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウム(TEMAH)、テトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム(TDMAZ)、テトラキス(ジエチルアミド)ジルコニウム(TDEAZ)、テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム(TEMAZ)、シクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ハフニウム、メチルシクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ハフニウム、エチルシクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ハフニウム、シクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、メチルシクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、エチルシクロペンタジエニル‐トリス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、tert‐ブチルイミド‐トリス(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMAT)、tert‐ブチルイミノ‐トリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert‐ブチルイミド‐トリス(メチルエチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、tert‐アミルイミド‐トリス(ジメチルアミノ)タンタル(TAIMAT)、エチルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル(EITDET)、エチルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(EITDMT)、エチルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル(EITEMT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオナト)ストロンチウム、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオナト)バリウム、M(R
nC
5H
5n)
2(式中n=1〜5、Rは直鎖又は分岐のC
1~6アルキルから選択される。)、M(R
nC
4NH
4-n)
2(式中、n=2〜4、Rは直鎖又は分岐のC
1~6アルキルから選択される。)、及びM(R
nN
2H
3-n)
2(式中、n=2〜3、Rは直鎖又は分岐のC
1~6アルキルから選択される。)、タンタルペンタエトキシド(TAETO)、銅パーフルオロアセチルアセトナート‐トリメチルビニルシラン、及び関連する有機金属銅、チタン、又はタンタル化合物が挙げられる。他の材料、たとえばコバルト、バリウム、ストロンチウム、チタネート混合物(BST)、及びPZLT前駆体、並びに低k誘電性前駆体も含められ、本開示に記載の装置、システム、及び方法に適合可能である。
【0056】
好ましくは、プロセス化学品は、六塩化タングステン、五塩化タングステン、五塩化タンタル、五塩化モリブデン、四塩化ハフニウム、四塩化ジルコニウム、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、水素化シクロペンタジエニルタングステントリカルボニル(CpW(CO)
3H))、二水素化ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)タングステン(iPrCp)
2WH
2、二水素化ビス(アルキルシクロペンタジエニル)タングステン(RCp)WH
2、Ni(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Ni(II)(tBu‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Ni(II)(iPr‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐エチルアミジナート(Ni(II)(Et‐AMD)
2)、Ni(II)N,N’‐ジ‐メチルアミジナート(Ni(II)(Me‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐ターシャリー‐ブチルアミジナート(Co(II)(tBu‐AMD)
2)、Co(II)N,N’‐ジ‐イソプロピルアミジナート(Co(II)(iPr‐AMD)
2)、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH)、tert‐ブチルイミノ‐トリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert‐ブチルイミド‐トリス(メチルエチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert‐ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオナト)ストロンチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0057】
より好ましくは、プロセス化学品は、五塩化タングステン、ジコバルトヘキサカルボニルtert‐ブチルアセチレン(CCTBA)、五塩化タンタル、六塩化タングステン、五塩化モリブデン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0058】
本発明の原理が好ましい実施態様と関連して上記に記載されてきたが、この記載は、単に例示であり、本発明の範囲を制限しないことが明確に理解されるであろう。
【0059】
例
例1
モデリング試験を実施して、
図1に示された容器から輸送される五塩化タングステン(WCl
5)前駆体からの昇華速度を算出した。キャリアガスは、直径0.036インチの噴出口を12個有する十字型の流れ分配器から導入された。
【0060】
クロスパイプの内径は、0.18インチであった。容器の内径は、5.6インチ(14.224cm)であった。
【0061】
モデリングが、2種の前駆体格納レベルに関してなされた。高い格納レベル(5Kgの化学品格納量)において、クロスの底稜線と固体格納(前駆体)表面との距離は、0.49インチであった。低い格納レベル(1Kgの化学品格納量、元の充填高さの20%)において、距離は5.50インチであった。
【0062】
3D流体流れ及び種輸送計算が、市販のComputational Fluid Dynamics(CFD)ソフトウェア、Fluent
TMにより用いられた。
【0063】
モデリングは、昇華が充填表面で起こるという過程を用いた。昇華速度は、化学蒸気の飽和層が充填表面に存在すると仮定して、充填表面に近いガス相中の局所的な化学蒸気濃度と飽和化学蒸気濃度との差に直線的に比例するとしてモデリングされた。
局所的な昇華速度=Coeff×(ガス相の質量分率−飽和質量分率)
(式中、昇華速度はkg/m
2sの単位である。)
【0064】
五塩化タングステンにより充填された本発明の容器に関して、
局所的な昇華速度(kg/m
2s))=0.0361×(質量分率[WCl
5]−0.3177)
(式中、0.3177は、容器の温度150℃及び圧力105Torrにおける五塩化タングステンの飽和質量分率であった。)
であることがわかる。0.0361kg/m
2sの係数値は、780gの五塩化タングステンにより充填された本発明の容器からの実験データにより較正された。充填表面における昇華速度分布があるため、全体の昇華速度は充填表面全体に亘る積算値であった。
【0065】
不活性キャリアフロー1000sccm、容器温度150℃、105Torrの容器圧力において、昇華速度は低い格納レベル(すなわち低い容器充填レベル)において3.4e〜4kg/m
2s、及び高い格納レベル(すなわち高い容器充填レベル)において2.26e〜4kg/m
2sと算出された
容器は、より低い充填レベルにおける良好な昇華速度という予想外の結果を提供した。
【0066】
例2
類似のモデリング試験を実施することにより、
図3に示された容器から輸送される五塩化タンタル(TaCl
5)前駆体からの昇華速度が算出された。キャリアガスは、シャワーヘッド型の流れ分配器から導入された。シャワーヘッド型の流れ分配器は33個の噴出口を有していた。各噴出口の直径は0.01インチである。
【0067】
シャワーヘッド流れ分配器の断面積は、容器内側の断面積の56%に等しい13.46平方インチであった。
【0068】
高い格納レベルにおいて、シャワーヘッド底側と固体表面との距離は2.35インチであった。低い充填表面において、距離は3.53インチであった。
【0069】
3D流体流れ及び種輸送計算が、市販のComputational Fluid Dynamics(CFD)ソフトウェア、Fluent
TMにより用いられた。
【0070】
充填表面上で昇華が起こる。昇華速度は、化学蒸気の飽和層が充填表面に存在すると仮定して、充填表面に近いガス相中の局所的な化学蒸気濃度と飽和化学蒸気濃度との差に直線的に比例するとしてモデリングされた。すなわち、
局所的な昇華速度(kg/m
2s)=Coeff×(ガス相の質量分率−飽和質量分率)
である。
【0071】
五塩化タンタルで充填された本発明の容器に関して、
局所的な昇華速度(kg/m
2s)=0.0358×(質量分率[TaCl
5]−0.7382)
(式中、0.7382は、容器の温度150℃及び圧力105TorrにおけるTaCl
5の飽和質量分率である。)
ことがわかった。例1と同じ係数値が用いられた。
【0072】
不活性キャリアフロー1000sccm、容器温度150℃、105Torrにおいて、昇華速度は低い格納レベルにおいて2.14e〜3kg/m
2s、及び高い格納レベルにおいて2.20e〜3kg/m
2sと算出された。低い格納レベルにおける昇華速度は<3%減少した。
【0073】
シャワーヘッド設計は、より高い全体の昇華速度(チャンバに残っているストリームがほとんど飽和である)、及び充填レベルの変化によるより小さい変化を提供した。
【0074】
シャワーヘッド設計はより小さい穴(0.01インチ)、ひいては充填表面近くの質量輸送を促進するより強い噴出を用いる。それは、より均一な昇華速度分布も与える。したがって、この設計は、より高い全体の昇華速度(チャンバに残っているストリームがほとんど飽和である)、及び格納レベルの変化によるより小さい変化を有する。
【0075】
例3
容器は、基部、側壁、蓋、及びクロスバー形状の流れ分配器を含む、シリンダー形状で構成された。インレットチューブは、蓋を通ってクロスバー形状の流れ分配器に突き出していた。クロスバー形状の流れ分配器は、
図1に示されるように、クロスバーの底部に均等に分布した12個の噴出口を有していた。
【0076】
容器は5.6インチの内径を有し、2.5Lの格納容量を有する(>5kgの五塩化タングステン格納容量に相当する)。クロスパイプの内径は4.0インチであった。
【0077】
容器は、キャリアガスが前駆体材料と接触した後にそれを除去するために、蓋内にアウトレットポートも備えていた。アウトレットストリームは、蒸発した前駆体材料を捕集するために冷ガラストラップを通過し、次いで減圧ポンプに入った。減圧制御弁は、容器内を一定圧力に維持した。
【0078】
容器は、780gの五塩化タングステン(WCl
5)で充填された。容器は、190℃に加熱されたオーブン内の180℃で維持されたアルミニウム板に置かれた。この温度勾配は、セパレータ上の固体凝縮を回避するように維持された。
【0079】
試験中、下流圧力は100torrにて維持され、窒素キャリアガスは、1000sccmにおいて5分間、容器に導入された。キャリアガスにより輸送される五塩化タングステン蒸気を凝縮させるように、キャリアガスは、冷却されたガラストラップを通過した。5.8gの五塩化タングステンが、5分の輸送時間中にトラップ内に捕集され、1.16g/分又は1.93e
-5kg/sの輸送速度を提供した。昇華速度は1.24e
-3kg/m
2sであった。
【0080】
実験は、本発明の容器が、低い容器充填体積においてさえ、五塩化タングステンの高い昇華速度を与えたことを示した。
【0081】
本発明で設計された流れ分配器を有する容器が高い前駆体輸送速度を維持できること、又は高い容器充填レベルにおける前駆体輸送速度と比較して、低い容器充填レベルにおいてより高い前駆体輸送速度を提供できることが示された。
【0082】
したがって、容器は、前駆体の高い利用度を得ることができ、洗浄し、補充するために運転を中止する際に、容器内に残される前駆体の量を最小化することができる。
【0083】
例4
容器は、基部、側壁、蓋、及びシャワーヘッド流れ分配器を含む、シリンダー形状で構成された。インレットチューブは、蓋を通ってシャワーヘッド流れ分配器に突き出していた。シャワーヘッド流れ分配器は、
図3に示されるように、断面において管状であり、分配器の底面の周りに均等に分布した直径0.01インチの穴を33個含み、容器の蓋に対して90°にてガス流を方向付けるように配向されていた。
【0084】
シャワーヘッド流れ分配器の断面積は、容器内側の断面積の69%に相当する13.46平方インチであった。
【0085】
容器は、キャリアガスが前駆体材料と接触した後にそれを除去するために、蓋内にアウトレットポートも備えていた。アウトレットストリームは、蒸発した前駆体材料を捕集するように冷トラップを通過し、次いで減圧ポンプに入った。減圧制御弁は、容器内を一定圧力に維持した。
【0086】
容器は、最大設計充填レベルの50%に等しいレベルまで液体で充填された。液体材料は、アルキル金属カルボニル前駆体と同じ蒸気圧を有していた。シャワーヘッド流れ分配器の噴出口は、液体の表面から2.68インチであった。
【0087】
キャリアガスは、600立方センチメートル毎分(sccm)の速度にて流れ分配器を通って流された。平均容器温度は18℃であり、容器内の圧力は35.3Torr(絶対)であった。液体の蒸気圧は、0.407Torr(絶対)であった。キャリアガスは、流れ分配器より下の領域で均一に液体表面に衝突することが観察された。キャリアガスの流れは4時間維持された。キャリアの流れを停止した後、冷トラップに捕集された前駆体液体は、7.775グラムと測定され、アウトレットストリームが前駆体により完全に飽和され、試験条件に関して最大限可能な輸送速度を達成したことを示した。
【0088】
例5
容器は、基部、側壁、蓋、及びシャワーヘッド流れ分配器を含む、シリンダー形状で構成された。インレットチューブは、蓋を通ってシャワーヘッド流れ分配器に突き出していた。シャワーヘッド流れ分配器は、
図3に示されるように、断面において管状であり、分配器の底面の周りに均等に分布した直径0.01インチの穴を33個含み、容器の蓋に対して90°にてガス流を方向付けるように配向されていた。
【0089】
シャワーヘッド流れ分配器の断面積は、容器内側の断面積の56%に相当する13.46平方インチであった。
【0090】
容器は、キャリアガスが前駆体材料と接触した後にそれを除去するために、蓋内にアウトレットポートも備えていた。アウトレットストリームは、蒸発した前駆体材料を捕集するように冷トラップを通過し、次いで減圧ポンプに入った。減圧制御弁は、容器内を一定圧力に維持した。
【0091】
容器は、700gの固体五塩化タングステンで充填された。シャワーヘッド流れ分配器の噴出口は、固体の表面から約6.7インチであった。容器底部は170℃に加熱され、容器の蓋は180℃に加熱され、容器の弁マニホールドは、190℃に加熱された。この温度勾配は、セパレータ及び容器の蓋上での固体凝縮を回避するように維持された。試験中、下流圧力は150Torrにて維持され、窒素キャリアガスは1000sccmにて容器に導入された。較正されたマスフロー計を用いて五塩化タングステンの輸送速度が測定され、それは0.35g/分又は0.6e
-5kg/sであった。昇華速度は3.78e
-4kg/m
2sであった。
【0092】
例は、この容器設計を用いることにより、五塩化タングステンのより高い輸送速度が低い容器充填レベルでさえ達成できることを示している。
【0093】
続く詳細な説明は、好ましい例示的な実施態様を提供するに過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、又は構成を制限することは意図されない。むしろ、好ましい例示的な実施態様の続く詳細な説明は、本発明の好ましい例示的な実施態様を実行することを可能にする記載を当業者に与えるであろう。種々の変更が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配列においてなされることができる。
【0094】
特許請求の範囲において、文字を、請求された方法の工程(例えばa、b、及びc)を特定するために用いることができる。これらの文字は、方法の工程を指す目的で用いられ、順序が特許請求の範囲に具体的に記載されない限り、それが記載されない範囲で、請求された工程が実施される順序を示すことは意図されない。