(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
したがって、第1の態様において、本発明は、組成物の貯蔵安定性を改善するためのイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用であって、ここで、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0008】
【化1】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、好ましくは、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である、使用を対象とする。
【0009】
第2の態様によると、本発明は、保存剤としての、好ましくは抗微生物薬及び/又は殺菌剤としてのイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用であって、ここで、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0010】
【化2】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である、使用を対象とする。
【0011】
本発明の第2の態様の好ましい一実施形態において、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくは、本明細書において定義されている通りの組成物中において3000ppm以下の最小阻害濃度(MIC)を有する。したがって、本発明の第2の態様によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくは、本明細書において定義されている通りの組成物中において、
(a)グラム陽性細菌に対して800ppm以下、
及び/又は
(b)グラム陰性細菌に対して2500ppm以下、
及び/又は
(c)酵母及び菌に対して2500ppm以下
の最小阻害濃度(MIC)を有することが、特に好ましい。
【0012】
特定の一実施形態において、本発明の第2の態様によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくは、本明細書において定義されている通りの組成物中において、カンジダ・アルビカンス(Candica albicans)に対して100ppm以下の最小阻害濃度(MIC)を有する。さらに、本発明の第2の態様によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、3000ppm以下の量で組成物に存在することが好ましい。
【0013】
第3の実施形態によると、本発明は、保存促進剤として、すなわち保存剤(P)の活性を増強するためのイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用であって、ここで、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0014】
【化3】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、好ましくは、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である、使用を対象とする。
【0015】
好ましくは、活性が増強される、すなわち増大される保存剤(P)は、ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される。
【0016】
好ましくは、保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(IDE)との重量比[(P)/(IDE)]は、0.1/1から10/1である。
【0017】
好ましくは、本発明の第1、第2及び第3の態様による前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、液体組成物のような組成物中に存在する。さらに好ましくは、本発明の第1、第2及び第3の態様による前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、洗剤又は化粧品組成物中に存在する。
【0018】
また別の態様において(第4の態様)、本発明は、式(I)
【0019】
【化4】
のイソソルビドエーテル誘導体を含む組成物であって、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、好ましくは、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、
ここで、さらに、組成物中の前記イソソルビドエーテル誘導体の量は3000ppmを超えない、組成物を対象とする。
【0020】
好ましくは、前の段落の前記組成物は、液体組成物であり、及び/又は洗剤及び化粧品組成物からなる群から選択される。
【0021】
以下において、本発明をより詳細に記載する。
【0022】
「微生物体」という用語は、通常顕微鏡技法を使用してのみ可視である小さい生物体を記載するために使用される。微生物体としては、あらゆる種類の細菌、古細菌、原生動物、菌、藻類が挙げられ、さらにはある特定の動物、例えばワムシも挙げられる。
【0023】
「保存剤」という用語は、当技術分野において知られている通りに理解される。したがって、保存剤は、洗剤又は化粧品組成物のような組成物に添加されることで、病原体などの望まれない微生物体の成長(増殖)を防止する及び/又は微生物成長による若しくは前記組成物の望ましくない化学変化による分解を防止若しくは遅延する化合物である。「分解」は、特に、有機物がより単純な形態の物質に分解されるプロセスと理解される。
【0024】
この発明による「抗微生物」という用語は、微生物体を死滅させる又はそれらの成長を阻害する化合物である。好ましくは、関連の微生物体は、グラム陰性細菌、例えば大腸菌及び/又はシュードモナス属の種(Pseudomonas spp) (緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)など)、又はグラム陽性細菌、例えばブドウ球菌属の種(Staphylococcus spp) (黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及び表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)など)、ブレビバクテリウム属の種(Brevibacterium spp) (ブレビバクテリウム・エピデルミス(Brevibacterium epidermis)など)、プロピオン酸菌属の種(Propionibacterium spp) (アクネ菌(Propionibacterium acnes)など)である。この発明による殺菌剤は、菌又は菌胞子の成長を死滅又は阻害する抗微生物化合物である(菌としては、酵母が挙げられる)。好ましくは、関連の菌は、アスペルギルス属の種(Aspergillus spp) (アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)など)、カンジダ属の種(Candida spp) (カンジダ・アルビカンスなど)及びマラセチア属の種(Malassezia spp) (癜風菌(Malassezia furfur)など)からなる群から選択される。
【0025】
「組成物」という用語は、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)に加えて、少なくともさらなる化合物が存在しなければならないことを示す。組成物の追加の化合物(複数可)は、組成物の用途に依存し、したがって、広い範囲で変動することができる。「化粧品組成物」は、本明細書において、清浄、ケア、保護、良好な状態の維持、芳香、外観の変化のため、又は体臭に影響を及ぼす目的のため、人体上で又はそれの口腔内で外部から使用されることを専ら又は主に意図される当業者に知られている全ての組成物を意味すると理解されるべきである。
【0026】
したがって、本発明による化粧品組成物は、特に、ボディケアのための処方物、例えばボディミルク、クリーム、ローション、スプレー可能なエマルジョン、体臭などを消失する製品であってよい。それは、界面活性剤含有処方物、例えば泡浴及びシャワー浴、ヘアーシャンプー並びにケアリンスであってよい。意図される用途に依存して、化粧品処方物は、一連の助剤及び添加剤、例えば界面活性剤、油体、乳化剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、生体活性成分、UV光保護因子、抗酸化剤、脱臭剤、制汗剤、抗フケ剤、皮膜形成剤、膨潤剤、昆虫忌避剤、セルフタンニング剤、チロシン阻害剤(色素脱失剤)、ヒドロトロープ、可溶化剤、香油、染料などを含むことができる。
【0027】
洗剤は、希釈溶液中に、好ましくは清浄特性を有する界面活性剤を典型的に含有する。
【0028】
保存剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用
本発明の1つの必須知見は、イソソルビドエーテル誘導体(IED)を保存剤として使用することであり、ここで、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0029】
【化5】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基である。
【0030】
「n-アルキル」という用語は、該残基が非分岐であり(「n」)、任意のヘテロ原子を含有しない、すなわち、C原子及びH原子のみを含有することを示す。
【0031】
したがって、R
1がC
8からC
12のn-アルキル残基であるならば、前記残基は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
8CH
3、-(CH
2)
9CH
3、-(CH
2)
10CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
9CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され
、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、C
8からC
12のn-アルキル残基は-(CH
2)
7CH
3である。
【0032】
R
1が-CH
2CH(OH)-R
2である場合において、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0033】
特定の好ましい一実施形態において、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、より好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3である。
【0034】
上に記述されている通り、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、保存剤として使用される。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくは、保存剤「イソソルビドエーテル誘導体」(IED)に加えて、微生物成長(菌成長を含める)、望まれない微生物体の過剰な増殖による又は望ましくない化学変化による分解に対して保護されなければならない、好ましくは微生物成長による分解に対して保護されなければならない少なくともさらなる化合物を含有する組成物の一部である。保護されるべきさらなる化合物は、組成物の用途に依存しており、より詳細に下記で記載する。この発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、抗微生物薬として使用される、すなわち、所望されない微生物体を死滅させる若しくは組成物におけるそれらの成長を阻害する、及び/又は殺菌剤として使用される、すなわち、菌若しくは菌胞子を死滅若しくは阻害するのが特に好ましい。イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、グラム陰性細菌及び/又はグラム陽性細菌に対する抗微生物薬として、並びに/或いは酵母及び/又は菌に対する、より好ましくはグラム陽性若しくはグラム陰性細菌、酵母及び/又は菌に対する、さらに好ましくはグラム陰性細菌及び/又は菌に対する殺菌剤として、組成物中に使用されるのが特に好ましい。特定の一実施形態において、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、ブレビバクテリウム属の種(ブレビバクテリウム・エピデルミスなど)、プロピオン酸菌属の種(アクネ菌など)、ブドウ球菌属の種(黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌など)、大腸菌、シュードモナス属の種(緑膿菌など)、アスペルギルス属の種(アスペルギルス・ブラジリエンシスなど)、カンジダ属の種(カンジダ・アルビカンスなど)及びマラセチア属の種(癜風菌など)からなる群に対する、より好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する、さらに好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する、なおより好ましくはアスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス、癜風菌からなる群に対する、なおより好ましくはアスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する抗微生物薬として及び/又は殺菌剤として組成物中に使用される。
【0035】
好ましくは、保存剤として使用される、好ましくは抗微生物薬として及び/又は殺菌剤として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、3000ppm以下、より好ましくは1ppmから3000ppmの範囲、さらに好ましくは1ppmから2500ppmの範囲、なおより好ましくは、10ppmから2000ppmの範囲又は10ppmから1500ppmの範囲のような10ppmから2500ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有する。前の文章に与えられている最小阻害濃度(MIC)は、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、酵母及び/又は菌に対する、より好ましくはグラム陰性細菌、酵母及び/又は菌に対する、さらに好ましくはブレビバクテリウム属の種、プロピオン酸菌属の種、ブドウ球菌属の種、大腸菌、シュードモナス属の種、アスペルギルス属の種、カンジダ属の種及びマラセチア属の種からなる群に対する、なおより好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する、またなおより好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対することが特に好ましい。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、さらに好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0036】
前の段落の追加又は代替として、保存剤として使用される、好ましくは抗微生物薬として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、グラム陽性細菌に対して、好ましくはブレビバクテリウム属の種、プロピオン酸菌属の種及びブドウ球菌属の種からなる群に対して、より好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌からなる群に対して、800ppm以下のように1000ppm以下、より好ましくは1ppmから1000ppmの範囲、さらに好ましくは5ppmから800ppmの範囲、なおより好ましくは、50ppmから600ppmの範囲のように20ppmから700ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有する。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3であり、さらに好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0037】
好ましくは、保存剤として使用される、好ましくは抗微生物薬として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、グラム陰性細菌に対して、好ましくは大腸菌及びシュードモナス属の種に対して、より好ましくは大腸菌及び緑膿菌に対して、2500ppm以下のような3000ppm以下、より好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、さらに好ましくは100ppmから2500ppmの範囲、なおより好ましくは500ppmから2500ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有する。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、より好ましくはR
1が-(CH
2)
7CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0038】
別の実施形態において、保存剤として使用される、好ましくは殺菌剤として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体は、酵母及び/又は菌に対して、好ましくはアスペルギルス属の種、カンジダ属の種及びマラセチア属の種からなる群に対して、より好ましくはアスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対して、2500以下のような3000ppm以下、より好ましくは1ppmから3000ppmの範囲、さらに好ましくは1ppmから2500ppmの範囲、なおより好ましくは、10ppmから1500ppmの範囲のような1ppmから2000ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有する。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、またなおより好ましくはR
1が-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0039】
保存剤として使用される、好ましくは殺菌剤として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、菌に対して、より好ましくはアスペルギルス属の種及びカンジダ属の種に対して、なおより好ましくはアスペルギルス・ブラジリエンシス及びカンジダ・アルビカンスに対して、1000ppm以下、より好ましくは1ppmから1000ppmの範囲、さらに好ましくは1ppmから500ppmの範囲、なおより好ましくは、1ppmから60ppmの範囲のような1ppmから100ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有することが特に好ましい。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、またなおより好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0040】
好ましい一実施形態において、保存剤として使用される、好ましくは殺菌剤として使用されるこの発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、カンジダ属の種に対して、より好ましくはカンジダ・アルビカンスに対して、100ppm以下、より好ましくは1ppmから100ppmの範囲、さらに好ましくは1ppmから80ppmの範囲、なおより好ましくは1ppmから60ppmの範囲における最小阻害濃度(MIC)を有する。したがって、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、好ましくはR
1が-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくはR
1が-(CH
2)
11CH
3である式(I)であることが特に好ましい。
【0041】
好ましくは、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体(IED)は、組成物、好ましくは水性組成物のような液体組成物の一部である。合計でのイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、3000ppm以下、好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、より好ましくは10ppmから2500ppmの範囲であることが好ましい。
【0042】
したがって、組成物において、この段落に示されている通りの合計量が超えられない限り、この発明による異なるイソソルビドエーテル誘導体(IED)が使用され得る。好ましい一実施形態において、この発明によるただ1種のイソソルビドエーテル誘導体(IED)が組成物中に存在する。この情報は、本明細書において定義されている全ての実施形態に、特に、下記で定義されている追加の使用及び組成物に適用可能である。
【0043】
さらに、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)又は副生物(BP)が存在し得ることが可能であり得る。しかしながら、それらの化合物、すなわち、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)又は副生物(BP)は、少量で存在することが好ましい。この発明による少量は、該量が、イソソルビドエーテル誘導体の合計量、すなわちIED、BP及びIEの合計量に基づいて、25wt.-%以下、さらに好ましくは15wt.-%以下、なおより好ましくは10wt.-%以下、またなおより好ましくは、3.0wt.-%以下、例えば2.0wt.-%以下のような5.0wt.-%以下であることを意味する。この情報は、本明細書において定義されている全ての実施形態に、特に、下記で定義されている追加の使用及び組成物に適用可能である。
【0044】
イソソルビドエーテル誘導体(IED)が保存剤として使用される組成物中に存在する追加構成成分(複数可)は、組成物の最終用途に依存する。したがって、好ましい実施形態において、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が使用される組成物は、洗剤及び化粧品組成物からなる群から選択される。好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。
【0045】
この発明による洗剤は、液体、ゲル又は固体の形態であってよい。好ましくは、この発明による洗剤は液体である。好ましくは、該洗剤は、本明細書において定義されている通りのイソソルビドエーテル誘導体(IED)に加えて、好ましくは清浄特性を有する界面活性剤を希釈溶液中に含有する。好ましくは、界面活性剤は、非イオン性又は両性であってよい。界面活性剤の画分は、約1wt.-%から30wt.-%、好ましくは5wt.-%から25wt.-%、特に10wt.-%から20wt.-%であってよい。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド及びグルクロン酸誘導体、脂肪酸N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦ベースの植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するならば、これらは従来の同族体分布を有することができるが、好ましくは狭小な同族体分布を有する。両性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。前記界面活性剤は、専ら公知の化合物である。
【0046】
さらなる任意選択の成分は、以下に限定されないが、粘度調整剤、カチオン性界面活性剤、発泡促進剤又は発泡低減剤、香料、染料、光学的光沢剤、染料移動阻害剤及び他の保存剤から本明細書において考察されているものであってよい。これに関して、洗剤中に存在する上記で考察されている通りの量におけるイソソルビドエーテル誘導体は、発泡低減剤又は軟化薬として作用することができないことが記述される必要がある。
【0047】
この発明による化粧品組成物は、専ら又は主に、清浄、ケア、保護、良好な状態の維持、芳香、外観の変化のために、又は体臭に影響を及ぼす目的のために人体上又はそれの口腔内で外部から使用されると意図される。
【0048】
好ましくは、化粧品組成物は、本明細書において定義されている通りのイソソルビドエーテル誘導体(IED)に加えて、界面活性剤を含有する。存在することができる界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性若しくは両イオン性の界面活性剤である。界面活性剤含有化粧品調製物、例えばシャワージェル、泡浴、シャンプーなどにおいて、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤が存在する。界面活性剤の画分は、好ましくは約1重量%から30重量%、好ましくは5重量%から25重量%、特に10重量%から20重量%である。
【0049】
アニオン性界面活性剤の典型例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ及びジアルキルスルホスクシネート、モノ及びジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸、例えば、アシルラクチレート、アシルタータレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテートなど、アルキルオリゴグリコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦ベースの植物性生成物)並びにアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するならば、これらは従来の同族体分布を有することができるが、好ましくは狭小な同族体分布を有する。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド及びグルクロン酸誘導体、脂肪酸N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦ベースの植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するならば、これらは従来の同族体分布を有することができるが、好ましくは狭小な同族体分布を有する。カチオン性界面活性剤の典型例は、第4級アンモニウム化合物、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド及びエステルクワットなど、特に、四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。両性又は両イオン性の界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。特に適当な温和な、すなわち特に皮膚適合性のある界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/若しくはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタール並びに/又はタンパク質脂肪酸縮合物であり、後者は、好ましくは小麦タンパク質に基づく。
【0050】
別の実施形態において、イソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、組成物中3000ppmの表示上限を超えていることがある。こうした場合において、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、保存剤として、好ましくは抗微生物薬として及び/又は殺菌剤としてだけでなく、増粘剤及び/若しくは乳化剤、並びに/又は発泡促進剤及び/若しくは感覚調整剤及び/若しくは稠度因子及び/若しくは軟化薬としても使用され得る。したがって、別の実施形態において、本発明は、
(a)保存剤、好ましくは抗微生物薬として、並びに/又は殺菌剤、より好ましくは抗微生物薬として、並びに/又はグラム陰性細菌、グラム陽性細菌、酵母及び/若しくは菌に対する、より好ましくはグラム陰性細菌、酵母及び/若しくは菌に対する、さらに好ましくはブレビバクテリウム属の種、プロピオン酸菌属の種、ブドウ球菌属の種、大腸菌、シュードモナス属の種、アスペルギルス属の種、カンジダ属の種及びマラセチア属の種からなる群に対する、なおより好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する、またなおより好ましくはブレビバクテリウム・エピデルミス、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、アスペルギルス・ブラジリエンシス、カンジダ・アルビカンス及び癜風菌からなる群に対する殺菌剤としての、並びに
(b)増粘剤及び/若しくは乳化剤、並びに/又は発泡促進剤及び/若しくは感覚調整剤及び/若しくは稠度因子及び/若しくは軟化薬として、より好ましくは増粘剤及び/又は乳化剤としての、
組成物中におけるイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用を対象とし、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0051】
【化6】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、好ましくは、R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、
ただし、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の合計量は、3000ppm超、好ましくは3010ppm以上、より好ましくは3000ppm超から50000ppmの範囲、なおより好ましくは3010ppm以上から5000ppmの範囲、さらに好ましくは5000ppmから40000ppmの範囲であるという条件である。
【0052】
こうした場合において、該組成物は、好ましくは洗剤又は化粧品組成物である。より好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。
【0053】
保存促進剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用
本発明の1つのさらなる知見は、イソソルビドエーテル誘導体(IED)を保存促進剤として使用することであり、ここで、前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0054】
【化7】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基である。
【0055】
「n-アルキル」という用語は、該残基が非分岐であり(「n」)、任意のヘテロ原子を含有しない、すなわち、C原子及びH原子のみを含有することを示す。
【0056】
したがって、R
1がC
8からC
12のn-アルキル残基であるならば、前記残基は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
8CH
3、-(CH
2)
9CH
3、-(CH
2)
10CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
9CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され
、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、C
8からC
12のn-アルキル残基は-(CH
2)
7CH
3である。
【0057】
R
1が-CH
2CH(OH)-R
2である場合において、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0058】
特定の好ましい一実施形態において、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択される。
【0059】
この発明による「保存促進剤」は、保存剤(P)の活性を増加又は増強する物質を意味する。つまり、組成物中の保存剤(P)の活性は、保存促進剤の存在により増加される。この増加された活性は、特に、ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択され、より好ましくはホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される保存剤に関して観察された。
【0060】
好ましくは、保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(IDE)との重量比[(P)/(IDE)]は、0.1/1から10/1、より好ましくは1/1から8/1である。
【0061】
典型的に、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の合計量は、保存促進剤として使用されるならば、組成物の合計量に基づいて10ppmから5000ppmの範囲である。本発明の一実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、保存促進剤として使用されるならば、組成物の合計量に基づいて3000ppm以下、好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、より好ましくは10ppmから2500ppmの範囲である。本発明の別の実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、保存促進剤として使用されるならば、3000ppm超、好ましくは3010ppm以上、より好ましくは3000ppm超から50000ppmの範囲、なおより好ましくは3010ppm以上から5000ppmの範囲、さらに好ましくは5000ppmから40000ppmの範囲である。後者の実施形態は、特に、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が保存促進剤としてだけでなく、加えて、増粘剤及び/若しくは乳化剤、並びに/又は発泡促進剤及び/若しくは感覚調整剤及び/若しくは稠度因子及び/若しくは軟化薬として、より好ましくは増粘剤及び/又は乳化剤として使用される場合において適用可能である。
【0062】
好ましくは、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、保存促進剤として使用されるならば、組成物、好ましくは水性組成物のような液体組成物の一部である。好ましくは、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が使用されている組成物は、洗剤及び化粧品組成物からなる群から選択される。好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。洗剤又は化粧品組成物の好ましい実施形態に関して、上記で提供されている情報が参照される。
【0063】
貯蔵安定剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用
本発明の1つのさらなる知見は、イソソルビドエーテル誘導体(IED)を貯蔵安定剤として使用すること、すなわち、貯蔵安定性を改善することであり、ここで前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、式(I)
【0064】
【化8】
であり、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基である。
【0065】
「n-アルキル」という用語は、該残基が非分岐であり(「n」)、任意のヘテロ原子を含有しない、すなわち、C原子及びH原子のみを含有することを示す。
【0066】
したがって、R
1がC
8からC
12のn-アルキル残基であるならば、前記残基は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
8CH
3、-(CH
2)
9CH
3、-(CH
2)
10CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
9CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され
、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、C
8からC
12のn-アルキル残基は-(CH
2)
7CH
3である。
【0067】
R
1が-CH
2CH(OH)-R
2である場合において、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0068】
特定の好ましい一実施形態において、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択される。
【0069】
この発明による「貯蔵安定剤」は、組成物の寿命を増加させる物質を意味する。つまり、組成物の構成成分、特に、組成物の必須部分を構成する構成成分は全く劣化されないか、又は分解プロセスは抑制若しくは減弱され、好ましくは、分解プロセスは抑制される。
【0070】
典型的に、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の合計量は、貯蔵安定剤として使用されるならば、組成物の合計量に基づいて10ppmから5000ppmの範囲である。本発明の一実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、貯蔵安定剤として使用されるならば、組成物の合計量に基づいて、3000ppm以下、好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、より好ましくは10ppmから2500ppmの範囲である。本発明の別の実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、貯蔵安定剤として使用されるならば、3000ppm超、好ましくは3010ppm以上、より好ましくは3000ppm超から50000ppmの範囲、なおより好ましくは3010ppm以上から5000ppmの範囲、さらに好ましくは5000ppmから40000ppmの範囲である。後者の実施形態は、特に、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が貯蔵安定剤としてだけでなく、加えて、増粘剤及び/若しくは乳化剤、並びに/又は発泡促進剤及び/若しくは感覚調整剤及び/若しくは稠度因子及び/若しくは軟化薬として、より好ましくは増粘剤及び/又は乳化剤として使用される場合において適用可能である。
【0071】
好ましくは、イソソルビドエーテル誘導体(IED)は、貯蔵安定剤として使用されるならば、組成物、好ましくは水性組成物のような液体組成物の一部である。好ましくは、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が使用されている組成物は、洗剤及び化粧品組成物からなる群から選択される。好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。洗剤又は化粧品組成物の好ましい実施形態に関して、上記で提供されている情報が参照される。
【0072】
3000ppmを超えない量で式(I)のイソソルビドエーテル誘導体(複数可)を含む組成物
本発明は、加えて、式(I)
【0073】
【化9】
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)を含む組成物であって、
式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基であり、
ここでさらに、組成物中の前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、3000ppmを超えない、組成物を対象とする。
【0074】
「n-アルキル」という用語は、該残基が非分岐であり(「n」)、任意のヘテロ原子を含有しない、すなわち、C原子及びH原子のみを含有することを示す。
【0075】
したがって、R
1がC
8からC
12のn-アルキル残基であるならば、前記残基は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
8CH
3、-(CH
2)
9CH
3、-(CH
2)
10CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
9CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され
、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、C
8からC
12のn-アルキル残基は-(CH
2)
7CH
3である。
【0076】
R
1が-CH
2CH(OH)-R
2である場合において、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0077】
特定の好ましい一実施形態において、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、より好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3である。
【0078】
好ましくは、該組成物は洗剤又は化粧品組成物である。
【0079】
組成物中のイソソルビドエーテル誘導体(IED)の合計量は、組成物の合計量に基づいて、3000ppm以下、好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、より好ましくは10ppmから2500ppmの範囲である。したがって、組成物中、この段落に示されている通りの合計量が超えられない限り、この発明による式(I)の異なるイソソルビドエーテル誘導体(IED)が使用され得る。しかしながら、式(I)のただ1種のイソソルビドエーテル誘導体(IED)が組成物中に存在することが好ましい。
【0080】
さらに、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)又は副生物(BP)が存在し得ることが可能であり得る。しかしながら、それらの化合物、すなわち、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)及び副生物(BP)は、少量で存在することが好ましい。この発明による少量は、該量が、イソソルビドエーテル誘導体の合計量、すなわち、IED、BP及びIEの合計量に基づいて、25wt.-%以下、さらに好ましくは15wt.-%以下、なおより好ましくは10wt.-%以下、またなおより好ましくは、3.0wt.-%以下、例えば2.0wt.-%以下のような5.0wt.-%以下であることを意味する。
【0081】
好ましい実施形態において、該組成物は洗剤又は化粧品組成物である。好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。
【0082】
好ましくは、該組成物は、この発明による式(I)のイソソルビドエーテル誘導体(IED)に加えて、ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択され、より好ましくはホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される少なくとも1種、好ましくは1種の保存剤(P)を含むことができる。
【0083】
該組成物が、加えて、少なくとも1種の保存剤(P)を含む場合において、前記保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(複数可)(IDE)との重量比[(P)/(IDE)]は、0.1/1から10/1、より好ましくは1/1から8/1である。
【0084】
定義及びさらに好ましい実施形態に関して、「保存剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用」又は「保存促進剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用」という見出し下の情報が参照される。
【0085】
式(I)のイソソルビドエーテル誘導体及び少なくとも1種の保存剤(P)を含む組成物
本発明は、加えて、
(a)式(I)
【0086】
【化10】
のイソソルビドエーテル誘導体(IDE)
(式中、
R
1は、C
8からC
12のn-アルキル残基又は-CH
2CH(OH)-R
2であり、ここでR
2はC
6からC
10のn-アルキル残基である)、並びに
(b)ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択され、より好ましくはホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される保存剤(P)
を含む組成物であって、
ここで、保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(IDE)との重量比[(P)/(IDE)]は、0.1/1から10/1である、組成物を対象とする。
【0087】
「n-アルキル」という用語は、該残基が非分岐であり(「n」)、任意のヘテロ原子を含有しない、すなわち、C原子及びH原子のみを含有することを示す。
【0088】
したがって、R
1がC
8からC
12のn-アルキル残基であるならば、前記残基は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
8CH
3、-(CH
2)
9CH
3、-(CH
2)
10CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、好ましくは-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
9CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され
、より好ましくは-(CH
2)
7CH
3及び-(CH
2)
11CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、C
8からC
12のn-アルキル残基は-(CH
2)
7CH
3である。
【0089】
R
1が-CH
2CH(OH)-R
2である場合において、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
6CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
8CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、より好ましくは、前記残基R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
5CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、なおより好ましくは、前記残基R
1は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0090】
特定の好ましい一実施形態において、R
1は、-(CH
2)
7CH
3、-(CH
2)
11CH
3、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3及び-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3からなる群から選択され、好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3又は-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3であり、より好ましくは、R
1は-(CH
2)
7CH
3である。
【0091】
好ましくは、1種のような少なくとも1種の保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(複数可)(IDE)との重量比[(P)/(IDE)]は、0.1/1から10/1、より好ましくは1/1から8/1である。
【0092】
典型的に、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の合計量は、組成物の合計量に基づいて10ppmから5000ppmの範囲である。本発明の一実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、組成物の合計量に基づいて、3000ppm以下、好ましくは10ppmから3000ppmの範囲、より好ましくは10ppmから2500ppmの範囲である。本発明の別の実施形態において、式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)の量は、3000ppm超、好ましくは3010ppm以上、より好ましくは3000ppm超から50000ppmの範囲、なおより好ましくは3010ppm以上から5000ppmの範囲、さらに好ましくは5000ppmから40000ppmの範囲である。後者の実施形態は、特に、イソソルビドエーテル誘導体(IED)が、貯蔵安定性を増強するため又は保存剤(又は保存促進剤)としてだけでなく、加えて、増粘剤及び/若しくは乳化剤、並びに/又は発泡促進剤及び/若しくは感覚調整剤及び/若しくは稠度因子及び/若しくは軟化薬として、より好ましくは増粘剤及び/又は乳化剤として使用される場合において適用可能である。
【0093】
さらに、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)又は副生物(BP)が存在し得ることが可能であり得る。しかしながら、それらの化合物、すなわち、式(I)に属さないイソソルビドエーテル(IE)及び副生物(BP)は、少量で存在することが好ましい。この発明による少量は、該量が、イソソルビドエーテル誘導体の合計量、すなわち、IED、BP及びIEの合計量に基づいて、25wt.-%以下、さらに好ましくは15wt.-%以下、なおより好ましくは10wt.-%以下、またなおより好ましくは、3.0wt.-%以下、例えば2.0wt.-%以下のような5.0wt.-%以下であることを意味する。
【0094】
好ましい実施形態において、該組成物は洗剤又は化粧品組成物である。好ましくは、該組成物、例えば洗剤又は化粧品組成物は、水性組成物のような液体組成物である。
【0095】
定義及びさらに好ましい実施形態に関して、「保存剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用」又は「保存促進剤としての、この発明によるイソソルビドエーテル誘導体の使用」という見出し下の情報が参照される。
【実施例】
【0096】
以下において、本発明は実施例としてさらに記載されている。
[実施例]
【0097】
イソソルビドアルキルエーテル(化合物(1)及び(2))は、公知のエーテル化方法に従って、例えばEP 2 295 030に記載されている通りに調製することができる。モノエーテルは、蒸留によって精製することができる。ヒドロキシルエーテル誘導体(化合物(3)及び(4))は、イソソルビドを1,2-アルキルオキシドと、EP 2 174 941に記載されている通りに反応させることによって合成することができる。
【0098】
【表1】
【0099】
化合物(1)は、式(I)
【0100】
【化11】
を有し、
式中、
R
1は、-(CH
2)
7CH
3である。
【0101】
化合物(2)は、式(I)
【0102】
【化12】
を有し、
式中、
R
1は、-(CH
2)
11CH
3である。
【0103】
化合物(3)は、式(I)
【0104】
【化13】
を有し、
式中、
R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
7CH
3である。
【0105】
化合物(4)は、式(I)
【0106】
【化14】
を有し、
式中、
R
1は、-CH
2CH(OH)-(CH
2)
9CH
3である。
【0107】
比較化合物(1)は、式
【0108】
【化15】
を有し、
式中、
R
1は、-(CH
2)
7CH
3である。
【0109】
MIC:
DIN 58 940に従った最小阻害濃度(MIC)決定
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式(I)
【化16】
(式中、
R1は、C8からC12のn-アルキル残基又は-CH2CH(OH)-R2であり、ここでR2はC6からC10のn-アルキル残基である)
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)を含む組成物であって、ここでさらに、組成物中の前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)の量が3,000ppmを超えない、上記組成物。
[実施形態2]
ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール、及びジンクピリチオンからなる群から選択される保存剤(P)を追加で含み、ここで好ましくは、さらに、保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(IED)との重量比[(P)/(IED)]が0.1/1から10/1である、実施形態1に記載の組成物。
[実施形態3]
(a)式(I)
【化17】
(式中、
R1は、C8からC12のn-アルキル残基又は-CH2CH(OH)-R2であり、ここでR2はC6からC10のn-アルキル残基である)
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)、並びに
(b)ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される保存剤(P)
を含む組成物であって、
ここで、保存剤(P)とイソソルビドエーテル誘導体(IED)との重量比[(P)/(IED)]が0.1/1から10/1である、上記組成物。
[実施形態4]
組成物中の前記イソソルビドエーテル誘導体(IED)の量が3,000ppmを超えない、実施形態3に記載の組成物。
[実施形態5]
前記組成物が洗剤又は化粧品組成物である、実施形態1から4のいずれかに記載の組成物。
[実施形態6]
式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体(IED)のR1が、-(CH2)7CH3、-(CH2)11CH3、-CH2CH(OH)-(CH2)7CH3又は-CH2CH(OH)-(CH2)9CH3である、実施形態1から5のいずれかに記載の組成物。
[実施形態7]
液体組成物である、実施形態1から6のいずれかに記載の組成物。
[実施形態8]
組成物の貯蔵安定性を改善するための、式(I)
【化18】
(式中、
R1は、C8からC12のn-アルキル残基又は-CH2CH(OH)-R2であり、ここでR2はC6からC10のn-アルキル残基である)
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用。
[実施形態9]
保存剤としての、式(I)
【化19】
(式中、
R1は、C8からC12のn-アルキル残基又は-CH2CH(OH)-R2であり、ここでR2はC6からC10のn-アルキル残基である)
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用。
[実施形態10]
前記イソソルビドエーテル誘導体が、抗微生物薬及び/又は殺菌剤として使用される、実施形態9に記載の使用。
[実施形態11]
前記イソソルビドエーテル誘導体が、3000ppm以下の最小阻害濃度(MIC)を有する、実施形態9又は10に記載の使用。
[実施形態12]
前記イソソルビドエーテル誘導体が、
(a)グラム陽性細菌に対して800ppm以下、
及び/又は
(b)グラム陰性細菌に対して2500ppm以下、
及び/又は
(c)酵母及び菌に対して2500ppm以下
の最小阻害濃度(MIC)を有する、実施形態9から11のいずれかに記載の使用。
[実施形態13]
前記イソソルビドエーテル誘導体が、カンジダ・アルビカンスに対して100ppm以下の最小阻害濃度(MIC)を有する、実施形態9から12のいずれかに記載の使用。
[実施形態14]
前記イソソルビドエーテル誘導体が、3000ppm以下の量で組成物中に存在する、実施形態9から13のいずれかに記載の使用。
[実施形態15]
保存促進剤としての、すなわち、保存剤の活性を増強するための、式(I)
【化20】
(式中、
R1は、C8からC12のn-アルキル残基又は-CH2CH(OH)-R2であり、ここでR2はC6からC10のn-アルキル残基である)
のイソソルビドエーテル誘導体(IED)の使用。
[実施形態16]
保存剤が、ホルムアルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、その塩を含む安息香酸、安息香酸エステル誘導体、その塩を含むサリチル酸、その塩を含む4-ヒドロキシ安息香酸、その塩を含むソルビン酸、その塩を含むデヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸エステル誘導体、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、4-イソプロピル-m-クレゾール及びジンクピリチオンからなる群から選択される、実施形態15に記載の使用。
[実施形態17]
式(I)に従ったイソソルビドエーテル誘導体のR1が、-(CH2)7CH3、-(CH2)11CH3、-CH2CH(OH)-(CH2)7CH3又は-CH2CH(OH)-(CH2)9CH3である、実施形態8から16のいずれかに記載の使用。
[実施形態18]
前記イソソルビドエーテル誘導体が組成物中に存在する、実施形態8から17のいずれかに記載の使用。
[実施形態19]
前記組成物が液体組成物である、実施形態18に記載の使用。
[実施形態20]
前記組成物が洗剤又は化粧品組成物である、実施形態8から19のいずれかに記載の使用。