【実施例1】
【0023】
以下、
図1を参照して、実施例1の荷物配送システムの構成を説明する。同図に示すように本実施例の荷物配送システム1は、運転手端末11と、荷主端末12と、サーバ13を含む構成である。運転手端末11と、荷主端末12と、サーバ13は、ネットワーク9を介して通信可能に接続されているものとする。
【0024】
以下、
図2を参照して本実施例のサーバ13の構成を説明する。同図に示すように、本実施例のサーバ13は、運転手情報受信部131と、荷物情報受信部132と、リスト生成・更新部133と、リスト送信部134と、閲覧状況送信部135と、荷物引受け情報受信部136と、配送料金受信部137と、記憶部138を含む。
【0025】
<
図3A:荷物情報の登録動作>
以下、
図3Aを参照して、荷物情報の登録動作を説明する。荷物情報受信部132は、荷主端末12から、荷受け地座標と、荷物サイズと、配送地座標を含む荷物情報を受信する(S132−1)。荷物情報受信部132は、受信した荷物情報を記憶部138に記憶する(S132−2)。登録される荷物情報の例を
図6に示す。同図に示すように荷物情報は、荷受け地座標と、荷物サイズと、配送地座標以外に、荷主ID、荷物ID、配送期限、配送料金、配送料金に基づいて定められる運転手手数料、当該荷物の詳細情報、運転手端末における総表示回数などを表す閲覧状況、などを含んでもよい。
【0026】
<
図3B:リスト生成動作>
以下、
図3Bを参照して、リスト生成動作を説明する。運転手情報受信部131は、運転手端末11から、主たる目的の出発地座標と、出発予定時刻と、荷台空き容量と、到着地座標と、到着予定時刻を含む運転手情報を受信する(S131−1)。リスト生成・更新部133は、出発地座標から到着地座標までのルートのうち、到着予定時刻までの到着が可能なルートを探索し、荷台空き容量が荷物サイズを収容可能か否かを判定し、探索したルートおよび、判定の結果に基づいて、記憶部138に記憶済みの荷物情報を絞り込んでリストを生成する(S133−1)。
【0027】
なお、運転手情報受信部131は、運転手端末11から、主たる目的の往路と復路それぞれの運転手情報を受信してもよい。この場合、リスト生成・更新部133は、主たる目的の往路と復路それぞれに対して、リストを生成する(S133−1)。
【0028】
図7に運転手情報と荷物情報のマッチング例を示す。例えば同図に示すように、出発地座標Aから到着地座標Bまでのルートであって、座標Aを出発し、座標Aに近い座標Cに立ち寄って依頼された荷物を積み込み、座標Bに近い座標Dに立ち寄って依頼された荷物を届けた後、座標Bに到達するA→C→D→Bというルートが、到着予定時刻までに十分に走行可能なルートである場合、リスト生成・更新部133は、C→Dに対応する荷物情報を該当するリストに含め、リストを生成することになる。
【0029】
出発地座標、到着地座標、荷受け地座標、配送地座標の位置関係に特に決まりはなく、重要なのは、到着予定時刻までに到着地座標に十分に間に合うルートであるのか否かである。従って、例えば同図に示すように、出発地座標Aから到着地座標Bまでのルートであって、座標Aを出発し、座標Aから遠く、どちらかというと座標Bに近い座標Eに立ち寄って依頼された荷物を積み込み、座標Bから遠く、どちらかというと座標Aに近い座標Fに立ち寄って依頼された荷物を届けた後、座標Bに到達するA→E→F→Bというルートなども、リストに含まれる可能性がある。
【0030】
図8に、主たる目的の往路と復路それぞれの運転手情報を受信した場合の復路の運転手情報と荷物情報のマッチング例を示す。復路の例も
図7の例と同様である。例えば、出発地座標Bから到着地座標Aまでの復路のルートであって、座標Bを出発し、座標Bに近い座標Hに立ち寄って依頼された荷物を積み込み、座標Aに近い座標Gに立ち寄って依頼された荷物を届けた後、座標Aに到達するB→H→G→Aというルートが、到着予定時刻までに十分に走行可能なルートである場合、リスト生成・更新部133は、H→Gに対応する荷物情報を該当するリストに含め、リストを生成することになる。
【0031】
リスト送信部134は、生成したリストを対応する運転手端末11(対応する運転手情報を送信した運転手端末11)に送信する(S134−1)。
【0032】
<
図4A:閲覧状況送信動作>
以下、
図4Aを参照して、閲覧状況送信動作を説明する。運転手情報受信部131は、該当する運転手端末11における表示回数を運転手端末11から受信する(S131−2)。リスト生成・更新部133は、表示回数に基づいて、対応する荷物情報の閲覧状況を更新する(S133−2)。閲覧状況送信部135は、更新された閲覧状況を、対応する荷主端末12に送信する(S135)。なお、更新された閲覧状況の送信頻度は任意に設定できるものとする。
図9に閲覧状況送信部135が送信する閲覧状況の例を示す。同図に示すように、対応する荷物情報(同図の例では荷物ID:9835−746の荷物情報)を含むリストの総表示回数(同図の例では16回)を閲覧状況として表示するだけでなく、詳細情報を示すリンク先まで閲覧された回数(同図の例では10回)などを表示してもよい。荷主が配送料金を変更し、変更後の配送料金をサーバ13に送信することが可能なインターフェースを予め用意しておき、閲覧状況には、このインターフェースへのリンク(図中下線付きの「LINK」)を表示してもよい。
【0033】
総表示回数の値が大きくなっても、荷物の引き受け手となる運転手が現れないということは、その荷物を運ぶ手間に対して運転手の取り分である運転手手数料が安すぎるためであると推定される。そこで、閲覧状況に総表示回数などを表示するとともに上記インターフェースへのリンクを表示して、総表示回数が大きい荷物情報について荷主に配送料金の変更を促す構成とすれば、荷物と運転手のマッチングがより円滑に進むと考えられる。
【0034】
<
図4B:荷物引受けに基づく荷物情報およびリストの更新動作>
以下、
図4Bを参照して、荷物引受けに基づく荷物情報およびリストの更新動作を説明する。荷物引受け情報受信部136は、リストを閲覧した運転手によって選択された荷物情報である荷物引受け情報を対応する運転手端末11から受信する(S136)。リスト生成・更新部133は、荷物引受け情報に対応する荷物情報にフラグを付与して、荷物情報を更新する(S133−3)。リスト生成・更新部133は、現在返信待ちのリストがある場合には、上述のフラグを付与した荷物情報を除外したリストを再生成して、リストを更新する(S133−3)。リスト送信部134は、該当する運転手端末11に更新したリストを送信する(S134−2)。なお、リスト生成・更新部133は、新たにリストを生成する場合にフラグを付与された荷物情報をリストアップしないものとする。
【0035】
<
図5A:荷主からの申請に基づく荷物情報およびリストの更新動作>
以下、
図5Aを参照して、荷主からの申請に基づく荷物情報およびリストの更新動作を説明する。配送料金受信部137は、荷主端末12から荷主が更新した配送料金を受信する(S137)。ステップS137は、例えばステップS135において閲覧状況送信部135が閲覧状況を送信したことにより荷主が配送料金を変更したことを契機として発生する。リスト生成・更新部133は、受信した配送料金に基づいて、対応する荷物情報を更新する(S133−4)。リスト生成・更新部133は、現在返信待ちのリストがある場合には、更新した荷物情報に基づいてリストを再生成してリストを更新する(S133−4)。
リスト送信部134は、該当する運転手端末11に更新したリストを送信する(S134−3)。
【0036】
<
図5B:配送期限に基づく荷物情報およびリストの更新動作>
以下、
図5Bを参照して、配送期限に基づく荷物情報およびリストの更新動作を説明する。リスト生成・更新部133は、配送期限に基づいて、配送料金および配送料金に基づいて定められる運転手手数料を更新する(S133−5)。運転手手数料は、例えば配送料金に所定の比率を乗算した値段としてもよい。また配送料金から所定のシステム手数料を差し引いた残りの金額を運転手手数料に充当してもよい。
【0037】
図10に示すように、リスト生成・更新部133は、配送期限に近づけば近づくほど、運転手手数料が高くなるように運転手手数料を改定することにより、荷物情報を更新する(S133−6)。リスト生成・更新部133は、現在返信待ちのリストがある場合には、更新した荷物情報に基づいてリストを再生成して、リストを更新する(S133−6)。リスト送信部134は、該当する運転手端末11に更新したリストを送信する(S134−4)。
【0038】
本実施例の荷物配送システム1、サーバ13によれば、運転手の主たる目的に応じて絞り込まれた荷物から、運転手の好みや荷物の条件に応じて、運転手が何れかの荷物を選択できる。
【0039】
<変形例1>
運転手の主たる目的が中止・変更になった場合、上記のマッチングによる配送が難しくなる場合がある。こうした場合に、配送のキャンセル、再マッチングなどを行うとユーザ側から見てもシステム側から見ても煩雑になり、余計なコストが嵩む。以下では、上記課題を解決するための変形例1のサーバ13Aの動作例について説明する。本変形例のサーバ13Aは実施例1と異なるリスト・生成更新部133Aを含み、他の構成については実施例1と同じである。本変形例では、運転手情報に、主たる目的の遂行を開始したことを証明する主目的開始情報を含むようにする。リスト生成・更新部133Aは、主目的開始情報を受信した場合に限り、対応するリストを生成する(S133A、図示略)。
【0040】
これにより、主目的開始情報を送信済みの、主たる目的を予定通り遂行している運転手の端末にのみ、リストを生成、送信することができ、主たる目的の中止・変更によって配送がキャンセルされるケースを大幅に減らすことができる。
【0041】
<変形例2>
本発明では、運転手が主たる目的の片手間に荷物配送を引き受けるケースを主に想定している。このため、荷物の配送距離が長大になりすぎると、荷物配送の引き受け手がいなくなる恐れがある。以下では、上記課題を解決するための変形例2のサーバ13Bの動作例について説明する。本変形例のサーバ13Bは実施例1と異なるリスト・生成更新部133Bを含み、他の構成については実施例1と同じである。
【0042】
リスト生成・更新部133Bは、荷物情報をN個(Nは2以上の整数)の荷物情報である第1荷物情報、…、第N荷物情報に分割して、分割後の各荷物情報に基づいてリストの生成および更新を実行する(S133B、図示略)。第1荷物情報の荷受け地座標は分割前の対応する荷物情報の荷受け地座標と等しく、第N荷物情報の配送地座標は分割前の対応する荷物情報の配送地座標と等しく、第n荷物情報(nは整数であって、n=2,…,N)の荷受け地座標は、第n−1荷物情報の配送地座標と等しい。ここで、第n荷物情報の荷受け地座標は、予め定めた中継候補地の座標である。中継候補地として、例えば、物流センターなどが考えられる。ただし、荷物中継の拠点になる施設であれば、どんな施設でも良い。例えばコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなども中継候補地になりうる。
【0043】
図11を参照して、荷物情報を中継候補地で分割した例を説明する。同図に示す荷受け地座標Iから配送地座標Jまでの配送距離が予め定めた配送距離を超えていたものとする。この場合、リスト生成・更新部133Bは、該当する荷物情報を4個の荷物情報である第1荷物情報(I→S1)、第2荷物情報(S1→S2)、第3荷物情報(S2→S3)、第4荷物情報(S3→J)に分割して、分割後の各荷物情報に基づいてリストの生成および更新を実行する(S133B)。
【0044】
この場合、第1荷物情報の荷受け地座標(I)は分割前の対応する荷物情報(I→J)の荷受け地座標(I)と等しく、第4荷物情報の配送地座標(J)は分割前の対応する荷物情報(I→J)の配送地座標(J)と等しく、第2、第3、第4荷物情報の荷受け地座標(S1,S2,S3)はそれぞれ、第1、第2、第3荷物情報の配送地座標(S1,S2,S3)と等しい。S1,S2,S3を中継候補地座標ともいう。
【0045】
図12を参照して、
図11の分割例に基づくマッチングの例について説明する。同図に示すように、サーバ13Bは主たる目的がA1→B1である運転手の運転手端末11に対して、A1に近い位置にある荷受け地座標IからB1に近い位置にある配送地座標S1までの運送である第1荷物情報を含むリストを送信する。一方、サーバ13Bは主たる目的がA2→B2である運転手の運転手端末11に対して、A2に近い位置にある荷受け地座標IからB2に近い位置にある配送地座標S2までの運送である第1荷物情報、第2荷物情報を含むリストを送信する。
【0046】
この変形例では、荷物を複数の車両によりリレー形式で配送することを想定しているため、ある荷物引受け情報を受信した場合、サーバ13Bは、受信した荷物引受け情報と合致する荷物情報(分割)を削除し、リストを再生成して運転手端末11に再送する。例えば、ある運転手端末から、荷物引受け情報として第1荷物情報(I→S1)を受信した場合、第1荷物情報(I→S1)を荷物情報から削除してリストを再生成し、他の運転手端末11に再送する。また、ある運転手端末から、荷物引受け情報として第1荷物情報(I→S1)と第2荷物情報(S1→S2)をまとめて受信した場合、第1荷物情報(I→S1)と第2荷物情報(S1→S2)を荷物情報から削除してリストを再生成し、他の運転手端末11に再送する。
【0047】
これにより、荷物の配送距離が長大な場合であっても、荷物情報を分割してリスト化して運転手に選ばせることができるため、荷物と運転手のマッチングを円滑に行うことができる。
【0048】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0049】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0050】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0051】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0052】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0053】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0054】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0055】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0056】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。