特許第6789388号(P6789388)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6789388バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789388
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6551 20140101AFI20201116BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20201116BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20201116BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20201116BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20201116BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20201116BHJP
【FI】
   H01M10/6551
   H01M2/10 S
   H01M10/613
   H01M10/625
   H01M10/647
   H01M10/6556
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-518450(P2019-518450)
(86)(22)【出願日】2018年7月5日
(65)【公表番号】特表2019-535108(P2019-535108A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(86)【国際出願番号】KR2018007653
(87)【国際公開番号】WO2019013492
(87)【国際公開日】20190117
【審査請求日】2019年4月5日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0087940
(32)【優先日】2017年7月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ガン−ウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ヨプ・ソン
【審査官】 田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−043757(JP,A)
【文献】 特開2010−070011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6551
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/6556
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルが積層されるバッテリーセル積層体と、
前記バッテリーセル積層体が収納されるケースと、
前記ケースの内部に挿入され、前記バッテリーセル積層体に接触して支持される放熱部材と、
を含
前記ケースには挿入孔が形成され、
前記放熱部材が、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに結合し、前記挿入孔に挿入される少なくとも一つの突出部と、
を含み、
前記突出部には、少なくとも一つの段差が形成され、前記段差には係止溝が形成され、前記ケースには、前記係止溝に結合可能なフックが形成される、
バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記ベースプレートは、前記ケースの内部に挿入され、前記ケースのうち、前記挿入孔が形成された一側に接触することを特徴とする、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記ベースプレートの一側が、前記ケースに接触し、前記一側に対向する前記ベースプレートの他側が、前記バッテリーセル積層体に接触することを特徴とする、請求項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記突出部は、少なくとも二つが設けられ、
第1突出部には、冷媒が前記ベースプレートに流入できるように冷媒流入口が形成されて流入流路が連結され、第2突出部には冷媒が前記ベースプレートから流出できるように冷媒流出口が形成されて流出流路が連結されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記ケースには、少なくとも一つのガイド突起が形成され、
前記ベースプレートには、前記ガイド突起に沿って前記ベースプレートの挿入をガイドできる少なくとも一つのガイド孔が形成されることを特徴とする、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
請求項1からのうちのいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項7】
請求項1からのうちのいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックに関し、より詳しくは、締結部材を備えることなく放熱部材を固定することができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2017年7月11日出願の韓国特許出願第10−2017−0087940号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に関する技術開発及び需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しつつあり、従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が用いられていたが、最近は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらないため充電及び放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いリチウム二次電池が広く用いられている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質が各々塗布された正極板及び負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、即ち、電池ケースと、を備える。
【0005】
リチウム二次電池は、正極、負極及びこれらの間に介されるセパレータ及び電解質で構成され、正極活物質及び負極活物質に何を使用するかによって、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery,LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery,PLIB)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅シート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に、正極または負極活物質を塗布した後、乾燥することで形成される。
【0006】
従来のバッテリーモジュールには、バッテリーセルで発生する熱を放出するためにバッテリーセルに接触するヒートシンクのような放熱部材が使用される。 しかし、ケースにバッテリーセルが収納された後、ヒートシンクがバッテリーセルに接触することから、ヒートシンクを固定するためのボルト及びナットのような締結部材が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ボルト及びナットのような締結部材を備えることなく放熱部材をバッテリーセルに接触し固定できるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、放熱部材をケースの内部に正確に挿入可能なバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明の一面によれば、複数のバッテリーセルが積層されるバッテリーセル積層体と、前記バッテリーセル積層体が収納されるケースと、前記ケースの内部に挿入され、前記バッテリーセル積層体に接触し支持される放熱部材と、を含む、バッテリーモジュールを提供し得る。
【0010】
また、前記ケースには挿入孔が形成され、前記放熱部材は、ベースプレートと、前記ベースプレートに結合し、前記挿入孔に挿入される少なくとも一つの突出部と、を含み得る。
【0011】
そして、前記ベースプレートは、前記ケースの内部に挿入され、前記ケースのうち挿入孔が形成された一側に接触し得る。
【0012】
また、前記ベースプレートの一側は、前記ケースに接触し、前記一側に対向する前記ベースプレートの他側は、前記バッテリーセル積層体に接触し得る。
【0013】
そして、前記突出部は、少なくとも二つが設けられ、第1突出部には、冷媒が前記ベースプレートに流入できるように冷媒流入口が形成されて流入流路が連結され、第2突出部には冷媒が前記ベースプレートから流出できるように冷媒流出口が形成されて流出流路が連結され得る。
【0014】
また、前記突出部は、前記挿入孔に挿入され、前記ケースにフック方式またはスナップ方式で結合し得る。
【0015】
そして、前記突出部には、少なくとも一つの段差が形成され、前記段差には係止溝が形成され、前記ケースには、前記係止溝に結合可能なフックが形成され得る。
【0016】
また、前記ケースには、少なくとも一つのガイド突起が形成され、前記ベースプレートには、前記ガイド突起に沿って前記ベースプレートの挿入をガイドできる少なくとも一つのガイド孔が形成され得る。
【0017】
なお、本発明の他面によれば、前述のバッテリーモジュールを含むバッテリーパックが提供され、前記のバッテリーモジュールを含む自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例は、防熱部材がバッテリーセル積層体によって支持され、突出部がケースにフック方式またはスナップ方式で結合することから、ボルト及びナットのような締結部材を備えることなくバッテリーセルに接触し固定することができる。
【0019】
また、放熱部材がケースに形成されたガイド突起に沿って挿入されるため、ケースの内部に正確に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な全体斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な分離斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおけるケースの内部を示した図である。
図4図1の線A−A’に沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0022】
図面における各構成要素またはその構成要素をなす特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映することではない。本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不要にぼやかすと判断される場合、その説明を略する。
【0023】
本明細書において使用される「結合」または「連結」という用語は、一つの部材と他の部材とが直接結合するか、または直接連結される場合のみならず、一つの部材が接続部材を介して他の部材に間接的に結合するか、または間接的に連結される場合も含む。
【0024】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な全体斜視図であり、図2は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な分離斜視図であり、図3は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおけるケースの内部を示した図であり、図4は、図1の線A−A’に沿って見た断面図である。図3においては、ケースの一部が部分切開されている。
【0025】
図1図4を参照すれば、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、バッテリーセル積層体100と、ケース200と、放熱部材300と、を含む。
【0026】
バッテリーセル積層体100は、複数のバッテリーセル110が積層されるように構成され得る(図4参照)。バッテリーセル110は、多様な構造を有し得、複数のバッテリーセル110は、多様な方式で積層され得る。バッテリーセル110は、正極板/セパレーター/負極の順に配列される単位セル(Unit Cell)または正極板/セパレーター/負極板/セパレーター/正極板/セパレーター/負極の順に配列されたバイセル(Bi−Cell)を電池容量に合わせて複数個を積層した構造を有し得る。
【0027】
バッテリーセル110には、電極リードが備えられ得る。電極リードは、外部へ露出して外部機器に接続する一種の端子であって、伝導性材質が使われ得る。電極リードは、正極リード及び負極リードを含み得る。正極リードと負極リードとは、バッテリーセル110の長手方向に対して相互反対方向に配置してもよく、または正極リードと負極リードとがバッテリーセル110の長手方向に対して相互同一の方向に位置してもよい。電極リードは、バスバーに電気的に結合し得る。
【0028】
バッテリーセル積層体100には、バッテリーセル110を収納する複数のカートリッジ(図示せず)が備えられ得る。各々のカートリッジは、プラスチックの射出成形によって製造され得、バッテリーセル110を収納できる収納部が形成された複数のカートリッジが積層され得る。複数のカートリッジが積層されたカートリッジ組立体には、コネクター要素または端子要素が備えられ得る。コネクター要素は、例えば、バッテリーセル110の電圧または温度に関わるデータを提供できるBMS(Battery Management System,図示せず)などに接続するための多様な形態の電気的な接続部品または接続部材が含まれ得る。そして、端子要素は、バッテリーセル110に接続するメイン端子であって、正極端子及び負極端子を含み、端子要素には、ターミナルボルトが備えられ、外部と電気的に接続し得る。一方、バッテリーセル110は、多様な形状を有し得る。
【0029】
ケース200には、バッテリーセル積層体100が収納される(図4参照)。ケース200は、バッテリーセル積層体100またはバッテリーセル110が収納された複数のカートリッジの全体を囲み、これによって外部の振動や衝撃からバッテリーセル積層体100またはカートリッジ組立体を保護する。
【0030】
ケース200は、バッテリーセル積層体100またはカートリッジ組立体の形状に対応する形状に形成され得る。例えば、バッテリーセル積層体100またはカートリッジ組立体が六面体形状に設けられる場合、ケース200も、これに対応するように六面体形状として設けられ得る。ケース200は、例えば、金属材質のプレートを折り曲げて製造されるか、または、プラスチック射出物によって製造され得る。そして、ケース200は、一体型として製造されてもよく、または分離した各々のプレートが結合して製造されてもよい。ケース200には、前述のコネクター要素または端子要素が外部に露出可能な貫通部(図示せず)が形成され得る。即ち、コネクター要素または端子要素は、外部の所定の部品または部材と電気的に接続し得るが、このような電気的接続がケース200によって妨げられないようにケース200に貫通部が形成され得る。
【0031】
ケース200には、後述する放熱部材300の突出部320が挿入されるように挿入孔210が形成され得(図1及び図2参照)、放熱部材300のガイド孔311がガイドされるようにガイド突起230が形成され得る(図2及び図3参照)。
【0032】
放熱部材300は、バッテリーセル積層体100で発生する熱を放出できる多様な方式が適用され得、例えば、放熱部材300は、ヒートシンクとして設けられ得る。放熱部材300は、ケース200の内部に挿入され、バッテリーセル積層体100に接触し支持される。従来のバッテリーモジュール(図示せず)の場合、ケース(図示せず)にバッテリーセル(図示せず)が挿入され、バッテリーセル(図示せず)の下側に放熱部材(図示せず)が配置されてバッテリーセルに接触し、放熱部材を固定するためにボルト及びナットを使用した。しかし、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、放熱部材300が先に挿入されてケース200に接触し、放熱部材300がケース200に接触した状態でバッテリーセル積層体100が挿入されて放熱部材300に接触するため、放熱部材300は、バッテリーセル積層体100によって支持され、これによって、放熱部材300を固定するためのボルト及びナットが不要となる。
【0033】
放熱部材300は、ベースプレート310と、突出部320と、を含み得る。ベースプレート310は、多様な形状を有し得、バッテリーセル積層体100に接触してバッテリーセル110から発生する熱を放出する。このために、ベースプレート310には、冷媒が流入してから流出されるように設けられ得る。
【0034】
ベースプレート310は、ケース200の内部に挿入され、ケース200のうち挿入孔210が形成された一側に接触し得る。ここで、ベースプレート310の一側は、ケース200に接触し、一側に対向するベースプレート310の他側は、バッテリーセル積層体100に接触し得る(図4参照)。即ち、ベースプレート310がケース200の内側面とバッテリーセル積層体100のと間に介され、ケース200の内側面及びバッテリーセル積層体100に各々接触し得、これによって、ベースプレート310は、バッテリーセル積層体100によって支持される。ケース200には、バッテリーセル積層体100を支持するための蓋(図示せず)が結合し得る。
【0035】
突出部320は一つ以上が設けられ得、ベースプレート310に結合してケース200に形成された挿入孔210に挿入される。即ち、突出部320がケース200の挿入孔210に挿入されれば、ベースプレート310はケース200の内側面に接触する。ここで、突出部320には、一つ以上の段差328が形成され得、段差328には係止溝329が形成され、ケース200の挿入孔210には突出部320の係止溝329に結合可能なフック220が形成され得る。ここで、フック220の形状は多様である。即ち、突出部320は、挿入孔210に挿入され、ケース200にフック方式またはスナップ方式で結合し得る。但し、突出部320にフックが形成され、ケース200に係止溝が形成されてもよい。前述のように、放熱部材300のベースプレート310がケース200とバッテリーセル積層体100との間に介されてバッテリーセル積層体100によって支持されるため、放熱部材300を固定するボルト及びナットを備えなくてもよい。しかし、放熱部材300の固定力を高めるためにケース200にフック220が形成され、突出部320に形成された係止溝329にフック方式で結合すれば、放熱部材300は、突出部320が形成された部分でフック方式で結合し固定され、バッテリーセル積層体100に接触した部分では、バッテリーセル積層体100によって支持されるため、ボルト及びナットを備えなくても充分固定できる効果を奏する。そして、これによって、ボルト及びナットの製作に必要な費用を節減することができ、ボルト及びナット結合工程が省略されるので、作業者の作業が便利となる効果を奏する。
【0036】
一方、突出部320は、ベースプレート310へ流入する冷媒の入口とベースプレート310から流出する冷媒の出口の機能を有し得る。即ち、突出部320は、ケース200にフック結合してベースプレート310を支持することもでき、または、冷媒の移動通路として用いられることも可能である。もし、突出部320がフック結合によってベースプレート310を単に支持する機能のみを有すれば、突出部320の個数は一つであってもよく、一つ以上が備えられてもよく、この場合、冷媒がベースプレート310に流入した後、ベースプレート310から流出されるためにベースプレート310には流入口と流出口とが別に形成され得る。しかし、突出部320が冷媒の移動通路の機能も有するとしたら、突出部320は二つ以上が設けられ得る。即ち、冷媒の流入口と流出口とが少なくとも一つずつ必要となるため、突出部320は少なくとも二つを有することが望ましい。但し、突出部320が一つ設けられ、一つの突出部320が流入口または流出口のいずれか一つの機能を有し、突出部320の流入口または流出口に対応するようにベースプレート310に突出部320ではなく流出口または流入口が形成された場合の実施例も可能である。突出部320が二つである場合、第1突出部321には冷媒がベースプレート310に流入するように冷媒流入口322が形成されて流入流路(図示せず)に連結され、第2突出部325には、冷媒がベースプレート310から流出するように冷媒流出口326が形成されて流出流路(図示せず)に連結され得る。即ち、冷媒は、流入流路(図示せず)から第1突出部321に形成された冷媒流入口322に通してベースプレート310へ流入し、ベースプレート310から第2突出部325に形成された冷媒流出口326を通して流出流路(図示せず)へ流出する。
【0037】
放熱部材300は、ケース200に挿入される過程で反るか、回転してしまい、挿入方向と異なる方向へケース200に挿入され得る。これを防止するために、図2及び図3を参照すれば、ケース200には一つ以上のガイド突起230が形成され、ベースプレート310には、一つ以上のガイド孔311が形成され得る。即ち、ベースプレート310に形成されたガイド孔311がケース200に形成されたガイド突起230に沿って挿入されるため、ベースプレート310の挿入時、ベースプレート310が反るか回転することなく正確な方向へ挿入することができるという効果を奏する。
【0038】
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10の作用及び効果について説明する。
【0039】
図1図4を参照すれば、ケース200には挿入孔210が形成され得、放熱部材300にはベースプレート310から突出する突出部320が形成され得る。放熱部材300は、ケース200に挿入され、ケース200の内側面とバッテリーセル積層体100との間に介されるため、放熱部材300は、バッテリーセル積層体100によって支持され得る。そして、ケース200の挿入孔210にはフック220が形成され、放熱部材300の突出部320には係止溝329が形成され、放熱部材300の突出部320は、ケース200にフック方式またはスナップ方式で結合し得る。
【0040】
このような方式によって放熱部材300がバッテリーセル積層体100によって支持され、突出部320がケース200にフック方式またはスナップ方式で結合するため、ボルト及びナットのような締結部材を備えなくてもバッテリーセル110に接触し固定することができるという効果を奏する。
【0041】
一方、本発明の一実施例によるバッテリーパック(図示せず)は、前述のような本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10を一つ以上含み得る。また、前記バッテリーパックは、このようなバッテリーモジュール10の他に、このようなバッテリーモジュール10を収納するためのケース、バッテリーモジュール10の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどがさらに含まれ得る。
【0042】
一方、本発明の一実施例による自動車(図示せず)は、前述のバッテリーモジュール10またはバッテリーパック(図示せず)を含み得、前記バッテリーパックには、前記バッテリーモジュール10が含まれ得る。そして、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、前記自動車、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車のような電気を使用するように設けられる所定の自動車(図示せず)に適用することができる。
【0043】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックに関し、特に、二次電池関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 バッテリーモジュール
100 バッテリーセル積層体
110 バッテリーセル
200 ケース
210 挿入孔
220 フック
230 ガイド突起
300 放熱部材
310 ベースプレート
311 ガイド孔
320 突出部
321 第1突出部
322 冷媒流入口
325 第2突出部
326 冷媒流出口
328 段差
329 係止溝
図1
図2
図3
図4