(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
好ましい実施形態において、上記レオロジー改変剤は、
(i) 少なくとも1種のエチレン性不飽和カルボン酸;
(iii) 少なくとも1種のC
1-C
2-アルキルメタクリレート、及び/又は
(iv) 少なくとも1種のC
2-C
4-アルキルアクリレート(アルキルアクリレートのアルキル基の数を平均したアルキル鎖長は2.1〜4.0である);
を、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を含む炭化水素の存在下で重合することによって得ることができる。
【0008】
別の好ましい実施形態において、上記レオロジー改変剤は、
(i) 少なくとも1種のエチレン性不飽和カルボン酸;
(ii) 少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
(iii) 少なくとも1種のC
1-C
2-アルキルメタクリレート、及び/又は
(iv) 少なくとも1種のC
2-C
4-アルキルアクリレート(アルキルアクリレートのアルキル基の数を平均したアルキル鎖長は2.1〜4.0である);
を、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を含む炭化水素の存在下で重合することにより得ることができる。
【0009】
本発明による炭化水素は、好ましくは少なくとも1個のOH基を含む。
【0010】
本発明により使用し得る炭化水素は、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を有する天然の炭化水素、例えば、カゼイン、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸又はその塩、脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、多糖(例えばデンプン、デキストラン、スクロース又はセルロース)であり得る。
【0011】
本発明により使用し得る炭化水素は、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を有する半合成炭化水素、例えば化学修飾セルロース又は置換セルロース(例えば、セルロースエステル及びエーテル、セルロースアセテート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプンの誘導体、デンプンエーテル及びエステル;水溶性修飾セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース又はメチルヒドロキシエチルセルロース)であり得る。
【0012】
本発明により使用し得る炭化水素は、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を有する合成炭化水素、例えば、ポリアクリレート、ポリビニルホスフェート、ポリビニルホスホネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)を有するポリマー、又はN-ビニルアミドとポリビニルピロリドンから作製される水溶性ポリマーであり得る。
【0013】
好ましい実施形態において、本発明による炭化水素は、場合により置換されていてもよいオリゴ糖及び/又は多糖である。オリゴ糖及び多糖は当技術分野において知られている。オリゴ糖は、少数(典型的には3〜9個)の単一の糖(単糖)を含む糖ポリマーである。多糖は、グリコシド結合により共に結合した単糖単位の長鎖で構成されるポリマー性炭水化物分子であり、加水分解されると構成単糖又はオリゴ糖を与える。オリゴ糖及び/又は多糖は、150pphm(100モノマー当たりの部)未満の量、好ましくは1pphm〜150pphmの量、より好ましくは2pphm〜75pphmの量、最も好ましくは5pphm〜50pphmの量で存在する。
【0014】
好ましい実施形態において、本発明による多糖は、ピラノースモノマーのポリマーであり、このモノマーの少なくとも30%はα-アノマー構造である。ピラノースモノマーは、テトラヒドロピラン:
【0015】
【化1】
のような(テトラヒドロ)ピラン環に基づくピラノース多糖のモノマーである。
【0016】
多糖中で、ピラノースモノマーは、(テトラヒドロ)ピラン環のO原子にも結合しているC原子に結合したOH基を含むエーテル結合の形成により共に連結している。このOH基は、2つの構造、すなわちα-アノマー構造及びβ-アノマー構造(ピラノース環の特定の「いす型」構造の使用により以下に示される):
【0017】
【化2】
のうちの1つにおける環状モノマー基中に存在し得る。
【0018】
上記に示される構造中の、2個のO原子が結合しているC原子はアノマー炭素と呼ばれ、また分子が環構造に閉じ込められている場合にはキラル中心となる。これに関して、ピラノースモノマーについては、直鎖(ヒドロキシアルデヒド)形態と環状(ヘミアセタール)形態の分子の相互変換により、環の形成が水溶液中で可逆的であることに留意されたい。
【0019】
多糖中のα-アノマー構造は、アミロース(例示的な例としてのみ用いられる)の構造を参照することにより以下に示される。
【0021】
アミロース中で、ピラノースモノマーの1位と4位の間(すなわち、アノマー炭素とその炭素に対して環中で4位のC原子との間)にエーテル結合が形成される。このような結合は、α(1→4)と記載される。しかし、本発明の第1の態様において用いられる多糖は、天然源由来の多糖に見られる任意のエーテル結合、例えばα(1→6)、β(1→4)及び/又はβ(1→6)などを含み得る(但しピラノースモノマーの50%未満は、α-アノマー構造で存在する)。好ましい実施形態において、炭化水素は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、タピオカデンプン及び可溶性デンプンなどのデンプンである。
【0022】
さらに好ましい実施形態において、本発明の炭化水素は、1種以上のアミロース、アミロペクチン、アガロース及びアガロペクチン;アミロースとアミロペクチンとの混合物;又はアガロースとアガロペクチンとの混合物である。
【0023】
別の好ましい実施形態において、炭化水素は、場合により置換されていてもよいβ-1,4-D-グルコピラノシドである。β-1,4-D-グルコピラノシドは、150pphm(100モノマー当たりの部(parts per hundred monomer))未満の量、好ましくは、1pphm〜150pphmの量、より好ましくは2pphm〜75pphmの量、最も好ましくは5pphm〜50pphmの量で存在する。
【0024】
さらにより好ましい実施形態において、炭化水素は、カルボキシメチルセルロース(CMC)及び/又はデンプンである。カルボキシメチルセルロース(CMC)は、150pphm(100モノマー当たりの部)未満の量、好ましくは1pphm〜150pphmの量、より好ましくは2pphm〜75pphmの量、最も好ましくは5pphm〜50pphmの量で存在する。さらに好ましい実施形態において、デンプンは、150pphm(100モノマー当たりの部)未満の量、好ましくは1pphm〜150pphmの量、より好ましくは2pphm〜75pphmの量、最も好ましくは5pphm〜50pphmの量で存在する。
【0025】
CMCとデンプンが存在する場合、CMCは、90pphm(100モノマー当たりの部)未満の量、好ましくは1pphm〜50pphmの量、最も好ましくは3pphm〜35pphmの量で存在し、デンプンは、60pphm(100モノマー当たりの部)未満の量、好ましくは1pphm〜25pphmの量、最も好ましくは2pphm〜15pphmの量で存在する。
【0026】
エチレン性不飽和カルボン酸は、一般的には、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ-又はジカルボン酸である。好適なエチレン性不飽和カルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸から選択される。これらの中でも、メタクリル酸が特に好ましい。
【0027】
モノマーii)として好適な非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーは、それ自体公知である。これらは、例えば
(a) モノエチレン性不飽和イソシアネートと非イオン性界面活性剤とのウレタン基含有反応生成物、
(b) エチレン性不飽和カルボン酸と非イオン性界面活性剤とのエステル、
(c) 非イオン性界面活性剤のビニルエーテル又はアリルエーテル
である。
【0028】
好適な非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコキシル化C
6-C
30-アルコール、例えば、脂肪アルコールアルコキシド又はオキソアルコールアルコキシドである。アルコール1モル当たり、少なくとも2モル、例えば2〜100モル、好ましくは3〜20モルの少なくとも1種のC
2-C
4-アルキレンオキシドが使用される。異なるアルキレンオキシド単位がブロック状に配置されていてもよいし、ランダム分布で存在していてもよい。好ましくは、使用されるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドである。
【0029】
好適な非イオン性界面活性剤のさらなるクラスは、C
6-C
14-アルキル鎖及び5〜30モルのエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノールエトキシドである。
【0030】
好ましい実施形態において、非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーは、一般式(I):
R-O-(CH
2-CHR’-O)
n-CO-CR”=CH
2 (I)
(式中、
Rは、C
6-C
30-アルキル、好ましくはC
8-C
22-アルキル、より好ましくはC
16-C
22-アルキルであり、
R’は、水素又はメチル、好ましくは水素であり、
R”は、水素又はメチル、好ましくはメチルであり、
nは、2〜100の整数、好ましくは3〜50、より好ましくは25である)
を有する。
【0031】
括弧内の繰り返し単位は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドに由来する。R'の意味は、各繰り返し単位において、他の繰り返し単位から独立している。異なるアルキレンオキシド単位がブロック状に配置されていてもよいし、ランダム分布で存在していてもよい。
【0032】
好適なC
1-C
2-アルキルメタクリレートは、メチルメタクリレート及びエチルメタクリレートであり、このうちメチルメタクリレートが特に好ましい。
【0033】
好適なC
2-C
4-アルキルアクリレートは、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート及びn-ブチルアクリレートである。上記のとおり、C
2-C
4-アルキルアクリレートの種類及び量は、C
2-C
4-アルキルアクリレート単位のアルキル基の数を平均した一定のアルキル鎖長が確立されるように選択される。平均アルキル鎖長は、アルキル基の最長のアルキル鎖中の炭素数(すなわち、例えばエチルについては2、n-ブチルについては4)に、C
2-C
4-アルキルアクリレートの総量のアルキルアクリレートのモル分率を乗じ、さらに個々の寄与を加算することによって計算される。
【0034】
好ましくは、C
2-C
4-アルキルアクリレートは、少なくともn-ブチルアクリレート、特にn-ブチルアクリレートとエチルアクリレートとの混合物を含む。好ましくは、コポリマーは、コポリマーの総重量に対して、5〜85重量%のn-ブチルアクリレートの共重合単位を含み、10重量%超〜60重量%の範囲が好ましく、また15重量%〜45重量%の範囲が特に好ましい。
【0035】
使用し得るエチレン性ポリ不飽和モノマーは、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどである。
【0036】
レオロジー改変剤は、アニオン性及び/又は非イオン性乳化剤をさらに含み得る。
【0037】
典型的な乳化剤は、アニオン性乳化剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、トリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシネートナトリウム塩及びアルキルアリールポリエーテルスルホネートのナトリウム塩;並びに非イオン性乳化剤、例えば、アルキルアリールポリエーテルアルコール及びエチレンオキシド-プロピレンオキシドコポリマーなどである。
【0038】
好ましい乳化剤は、一般式(II):
R-O-(CH
2-CHR’-O)
n-X (II)
(式中、Rは、C
6-C
30-アルキルであり、
R’は、水素又はメチルであり、
Xは、水素又はSO
3Mであり、
Mは、水素又はアルカリ金属であり、
nは、2〜100の整数である)
を有する。
【0039】
好ましい実施形態において、本発明による少なくとも1個のXH基を含む炭化水素は、コポリマーの総重量に対して、1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%、さらにより好ましくは5〜20重量%の量で存在する。つまり、少なくとも1個のXH基を含む炭化水素がコポリマーにグラフト化されていないとすると、少なくとも1個のXH基を含む炭化水素が、例えばコポリマーの総重量に対して100%の量で存在する場合、両成分(すなわち、一方の成分は少なくとも1個のXH基を含む炭化水素、他方の成分はコポリマー)は、1:1の重量比で存在する。
【0040】
本発明のレオロジー改変剤は、様々な方法で、好ましくは乳化重合により調製することができる。
【0041】
重合のため、好適な重合開始剤が使用される。熱的に活性化可能な遊離基重合開始剤が好ましい。
【0042】
好適な熱的に活性化可能な遊離基開始剤は、主に、ペルオキシ型及びアゾ型の遊離基開始剤である。これらとしては、特に、過酸化水素、過酢酸、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、過安息香酸、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルアセテート、ジラウロイルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジステアロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジデシルペルオキシジカーボネート、ジエイコシルペルオキシジカーボネート、ジ-t-ブチルペルベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0043】
過硫酸塩(ペルオキソ二硫酸塩)、特に過硫酸ナトリウムが最も好ましい。
【0044】
乳化重合を行う際、開始剤は、重合反応を開始するために十分な量で使用される。開始剤は、通常、使用されるモノマーの総重量に対して約0.005〜3重量%の量で用いられる。開始剤の量は、好ましくは、使用されるモノマーの総重量に対して約0.02〜2重量%、特に0.05〜0.5重量%である。
【0045】
乳化重合は、通常、35〜100℃で起こる。乳化重合は、バッチ工程として行ってもよいし、あるいはフィード法の形態で行ってもよい。好ましいのは、重合開始剤の少なくとも一部、及び適切であればモノマーの一部を最初に導入し、重合温度に加熱し、その後重合混合物の残りの部分を、重合を継続しながら複数の別個のフィード(このうち1つ以上は、モノマーを純粋形態又は乳化形態で含む)を介して連続的又は段階的に導入するフィード手順である。好ましくは、モノマーフィードは、モノマーエマルションの形態で行われる。モノマーフィードと並行して、さらなる重合開始剤を計量導入することができる。
【0046】
好ましい実施形態において、全量の開始剤を最初に導入する(すなわち、モノマーフィードと並行した開始剤のさらなる計量添加は行わない)。驚くべきことに、この手順は、レオロジー改変剤の特に高い透明度をもたらすことが見出された。
【0047】
従って、好ましい実施形態において、熱的に活性化可能な遊離基重合開始剤の全体を最初に導入し、好ましくはモノマーエマルションの形態のモノマー混合物を添加する。モノマー混合物フィードを開始する前に、初期チャージを、熱的に活性化可能な遊離基重合開始剤の活性化温度、又はそれより高い温度にする。活性化温度は、少なくとも半分の開始剤が1時間後に分解される温度であると考えられる。
【0048】
別の好ましいタイプの調製によれば、本発明のレオロジー改変剤は、レドックス開始剤系の存在下でのモノマー混合物の重合を通して得られる。レドックス開始剤系は、少なくとも1種の酸化剤成分及び少なくとも1種の還元剤成分を含み、反応媒体中、好ましくは触媒として重金属イオン(例えばセシウム塩、マンガン塩又は鉄(II)塩)が付加的に存在する。
【0049】
好適な酸化剤成分は、例えば過酸化物及び/又はヒドロペルオキシド、例えば、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルフェニルヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルカーボネート、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド及びジアセチルペルオキシドである。過酸化水素及びtert-ブチルヒドロペルオキシドが好ましい。
【0050】
好適な還元剤成分は、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜ジチオン酸塩、アルカリ金属次亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、モノ-及びジヒドロキシアセトン、糖(例えばグルコース又はデキストロース)、アスコルビン酸及びその塩、アセトン亜硫酸水素塩付加物及び/又はヒドロキシメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩である。アスコルビン酸が好ましい。
【0051】
還元剤成分又は触媒として同様に好適なのは、鉄(II)塩(例えば硫酸鉄(II))、スズ(II)塩(例えば、塩化スズ(II))、チタン(III)塩(例えば硫酸チタン(III))である。
【0052】
酸化剤の使用量は、使用されるモノマーの総重量に対して、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。還元剤は、使用されるモノマーの総重量に対して、0.001〜2.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0053】
特に好ましいレドックス開始剤系は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸系、例えば0.001〜5.0重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム及び0.001〜2.0重量%のアスコルビン酸、特に0.005〜1.0重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム及び0.005〜1.0重量%のアスコルビン酸、特に好ましくは0.01〜0.5重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム及び0.01〜0.5重量%のアスコルビン酸である。
【0054】
さらなる特定のレドックス開始剤系は、t-ブチルヒドロペルオキシド/過酸化水素/アスコルビン酸系、例えば0.001〜5.0重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.001〜5.0重量%の過酸化水素及び0.001〜2.0重量%のアスコルビン酸、特に0.005〜1.0重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.005〜1.0重量%の過酸化水素及び0.005〜1.0重量%のアスコルビン酸、特に好ましくは0.01〜0.5重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.01〜0.5重量%の過酸化水素及び0.01〜0.5重量%のアスコルビン酸である。
【0055】
好ましい実施形態において、モノマー混合物、好ましくはモノマーエマルション形態のモノマー混合物を水性初期チャージに添加し、これを重合温度に加熱する。モノマーフィードと並行して、少なくとも1回、レドックス開始剤系の酸化剤成分及び還元剤成分を添加する。好ましくは、レドックス開始剤系の酸化剤成分の一部を最初に導入する。適切な場合、一部のモノマーを最初に導入してもよい。
【0056】
本発明のレオロジー改変剤は、化学的脱臭に供し得る。化学的脱臭の間、さらなる開始剤、例えばレドックス開始剤を、実際の乳化重合の終了後に添加する。化学的脱臭に適したレドックス開始剤は、酸化成分として、例えば少なくとも1種の有機過酸化物及び/又はヒドロペルオキシド、例えば過酸化水素、tert-ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルフェニルヒドロペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド及びジアセチルペルオキシドを含み、還元成分として、例えば鉄(II)塩、アルカリ金属亜硫酸塩、アスコルビン酸、アセトン亜硫酸水素塩付加物及び/又はヒドロキシメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩を含む。
【0057】
コポリマー分散液は、一般的に、25〜40重量%、特に約30重量%の固体含有量を有する。
【0058】
非中和形態において、本レオロジー改変剤は比較的低い粘度を有する。このため本レオロジー改変剤は取扱いが容易であり、ポンピングにより問題なく計量し又は循環させることができる。中性化(例えば5.5超、好ましくは6超、特に8〜10のpHまでの中性化)の結果として、レオロジー改変剤は可溶となり、水性媒体の粘度はかなり増加する。好適な中和剤は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、アミン、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、及び他のアルカリ性物質である。
【0059】
本発明によるレオロジー改変剤は、コーティング組成物、織物製造用の製剤、織物印刷ペースト用の製剤、医薬品及び化粧品セクターにおける製剤、塗料、顔料用の製剤、食品における製剤、並びに洗剤、液体セッケン、シャンプー、シャワージェル、洗浄剤及び液体洗剤などのホームケア及びパーソナルケア製品用の製剤中のレオロジー改変剤として好適である。
【0060】
液体洗剤又は清浄剤の粘度は、慣用の標準的な方法(例えば20rpm及び20℃で、スピンドル3のブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer) LVT-II)を用いて測定することが可能であり、好ましくは、100〜5000mPasの範囲内である。好ましい組成物は300〜4000mPasの粘度を有し、1000〜2000mPasの値が特に好ましい。
【0061】
本発明はまた、請求項1〜10のいずれか1項に定義されるレオロジー改変剤と、活性物質、酵素、香料、医薬品、有機粒子、顔料、繊維、殺生物剤、除草剤、及び殺菌剤で作製される気泡(gas bubbles)、ナノ粒子、マイクロカプセルからなる群から選択される少なくとも1種の成分とを含む液体製剤にも関する。
【0062】
粒子、ベシクル(vesicles)及び気泡は、本発明のレオロジー改変剤を含む、ホームケア及びパーソナルケア製品、特に水性液体洗剤中で安定的に分散し得る。「安定」とは、例えば、本発明のレオロジー改変剤を含む液体洗剤が、室温及び40℃においては少なくとも6週間、好ましくは少なくとも12週間の期間にわたってクリーム化又は沈降することなく安定であるか、又は50℃において、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも3カ月間の期間にわたってクリーム化又は沈降することなく安定であることを意味する。
【0063】
本発明の液体製剤の好ましい実施形態は、
少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤(好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義されるレオロジー改変剤)、
少なくとも1種の界面活性剤、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分
を含む液体洗剤組成物である。
【0064】
本発明による用語「分散」は、DIN EN ISO 862:1995-10に定義されている。
【0065】
「連続相」は、前記成分が分散されている分散媒体として定義される。
【0066】
化合物は、20℃、1013mbarにおいて液体状態である場合、液体とみなされる。
【0067】
化合物は、20℃、1013mbarにおいて固体状態である場合、固体とみなされる。
【0068】
本発明のレオロジー改変剤の全ての上記の好ましい実施形態は、変更すべきところは変更して、この実施形態の前記液体洗剤組成物のために好ましい。本発明のレオロジー改変剤の好ましい総量は、組成物の総重量に対して、0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.9重量%、またより好ましくは0.4〜0.9重量%である。
【0069】
好ましくは、上記連続相は、本発明のレオロジー改変剤を含む。
【0070】
界面活性剤の総量は、組成物の総重量に対して、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは4〜22重量%、最も好ましくは4〜18重量%である。
【0071】
この実施形態の特に好ましい液体洗剤組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。
【0072】
好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、C
12-C
18アルカンスルホン酸塩、硫酸モノエステルと脂肪アルコールの塩、脂肪酸セッケン、硫酸モノエステルとエトキシル化脂肪アルコールとの塩、又はこれらのアニオン性界面活性剤の2種以上の混合物を含む。これらのアニオン性界面活性剤の中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、硫酸モノエステルとエトキシル化脂肪アルコールの塩、及びそれらの混合物がより好ましい。
【0073】
アニオン性界面活性剤の総量は、いずれの場合も全液体洗浄剤又は清浄剤に対して、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%である。
【0074】
ここで好ましく考慮され得るスルホネート型の界面活性剤は、C
9-
13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート(すなわちアルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネートの混合物)、並びに、例えば末端又は内部二重結合を有するC
12-
18モノオレフィンから、気体状三酸化硫黄によるスルホン化、及びそれに続くスルホン化生成物のアルカリ又は酸性加水分解によって得られるジスルホネートである。C
12-
11アルカンスルホネート及びα-スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココナッツ、パーム核又はタロウ脂肪酸のα-スルホン化メチルエステルもまた好適である。
【0075】
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、例えば、ココ脂肪アルコール、タロウ脂肪アルコール、ラウリル、ミリスチル、セチル若しくはステアリルアルコール又はC
10-C
20オキソアルコールから調製されるC
12-C
18脂肪アルコールの硫酸半エステルの塩、及びこれらの鎖長の第二級アルコールの硫酸半エステルの塩である。C
12-C
16アルキルスルフェート及びC
12-C
15アルキルスルフェート及びC
14-C
15アルキルスルフェートが、それらの洗浄特性により好ましい。2,3-アルキルスルフェートもまた、好適なアニオン性界面活性剤である。
【0076】
1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖又は分岐鎖C
7-
21アルコールの硫酸モノエステル、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2-メチル-分岐鎖C
9-
11アルコール又は1〜4個のEOを有するC
12-
18脂肪アルコールもまた好適である。
【0077】
脂肪酸セッケンは、さらなる好適なアニオン性界面活性剤である。飽和及び不飽和脂肪酸セッケン(例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素化)エルカ酸及びベヘン酸の塩)が特に好適であり、特に天然脂肪酸由来のセッケン混合物(例えばココナッツ、パーム核、オリーブ油又はタロウ脂肪酸)が好適である。
【0078】
脂肪酸セッケンを含むアニオン性界面活性剤は、そのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はアンモニウム塩の形態で存在し得る。アニオン性界面活性剤は、好ましくはそのナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態で存在する。中性化に使用し得るアミンは、好ましくはコリン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエチルアミン又はそれらの混合物であり、モノエタノールアミンが好ましい。
【0079】
この実施形態の特に好ましい液体洗剤組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。
【0080】
好適な非イオン性界面活性剤として、例えば、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸アミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド及びそれらの混合物が挙げられる。
【0081】
好ましく使用されるアルコキシル化脂肪アルコールは、エトキシル化脂肪アルコール、特に、好ましくはアルコール1モル当たり8〜18個のC原子及び平均4〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する、アルコール残基が直鎖の第一級アルコールである。特に、例えば、ココナッツ、ヤシ、タロウ脂肪又はオレイルアルコールから調製され、アルコール1モル当たり平均5〜8個のEOを有する、12〜18個のC原子を有するアルコールエトキシレートが好ましい。好ましいエトキシル化アルコールとしては、例えば、4個のEO又は7個のEOを有するC
12-14アルコール、7個のEOを有するC
9-11アルコール、5個のEO又は7個のEOを有するC
12-18アルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。上記エトキシル化度は統計的平均値であり、特定の製品については、整数であってもよいし、分数であってもよい。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個超のEOを有する脂肪アルコールも使用することができる。これらの例は、14個のEO、25個のEO、30個のEO又は40個のEOを有するタロウ脂肪アルコールである。1分子中にEO基とPO基を共に含む非イオン性界面活性剤もまた、本発明により使用し得る。(比較的高)分岐鎖のエトキシル化脂肪アルコールと非分岐のエトキシル化脂肪アルコールとの混合物、例えば、7個のEOを有するC
16-18脂肪アルコールと、7個のEOを有する2-プロピルヘプタノールとの混合物)がさらに好適である。
【0082】
非イオン性界面活性剤の総量は、好ましくは、いずれの場合も液体洗剤組成物の全量に対して、1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは1〜7重量%である。
【0083】
前記液体製剤の特に好ましい実施形態は、液体洗剤組成物の全量に対して、
好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義される少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤、
2〜20重量%(より好ましくは3〜15重量%)の少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、
1〜10重量%(より好ましくは1〜7重量%)の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分
を含む液体洗剤組成物である。
【0084】
前記液体洗剤組成物の別の実施形態において、少なくとも1種の無機塩を添加することが好ましい。本発明による無機塩は、アニオンとカチオン(いずれも無機)から構成される。「無機」とは、前記塩のイオンが、炭素原子への直接共有結合を有する水素原子を含まないことを意味する。
【0085】
前記無機塩は、いずれの場合も液体洗剤組成物の全量に対して、0.1〜1重量%(より好ましくは0.2〜0.9重量%、最も好ましくは0.1〜0.7重量%)の好ましい量で含まれる。
【0086】
好ましい無機塩は、一価金属カチオンの無機塩から選択される。塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム又はそれらの混合物が特に好ましい。
【0087】
前記液体製剤の好ましい実施形態は、
好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義される、少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤、
少なくとも1種の界面活性剤(好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤)、
少なくとも1種の無機塩、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分
を含む液体洗剤組成物である。
【0088】
前記液体製剤の特に好ましい実施形態は、液体洗剤組成物の全量に対して、
0.1〜1重量%(より好ましくは0.4〜0.9重量%)の、好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義される、少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤、
2〜20重量%(より好ましくは3〜15重量%)の、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、
1〜10重量%(より好ましくは1〜7重量%)の、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
0.1〜1重量%(より好ましくは0.2〜0.9重量%)の、少なくとも1種の無機塩、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分
を含む液体洗剤組成物である。
【0089】
液体洗剤組成物は、一般に、水を含む液体連続相、及び前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分を含む。
【0090】
好ましい前記液相に分散している成分は、微粒子固体の粒子である。
【0091】
好ましい微粒子固体の粒子は、0.01〜2000μm、特に0.05〜500μm、好ましくは1〜150μm、特に好ましくは5〜150μm、より好ましくは5〜100μm、最も好ましくは10〜100μm、さらにより好ましくは10〜80μmの平均粒径X
50,3を有する。前記粒径は、レーザー回折により測定することができる。
【0092】
前記微粒子固体の粒子は、特に、凝集物、顆粒、カプセル、顔料、繊維又はそれらの混合物から選択される。凝集物、顆粒、カプセル、顔料又はそれらの混合物が特に好ましいが、カプセル及び/又は顔料(特に好ましくはマイクロカプセル及び/又は色彩効果顔料)が、最も好ましい前記液体洗剤組成物中の分散成分である。
【0093】
カプセルは、コアを封入する固体シェルを含むコア-シェル粒子である。コアは、好ましくは液体である。カプセル及びマイクロカプセルは当技術分野で公知である。特に十分に適したカプセル又はマイクロカプセルの平均粒径X
50,3は、0.05〜500μm、特に好ましくは5〜150μm、最も好ましくは10〜100μm、例えば10〜80μmである。
【0094】
特に適したカプセルは、0.80〜1.20g/cm
3、とりわけ好ましくは0.90〜1.10g/cm
3(ISO 697:1981による)のバルク密度を有する。
【0095】
液体洗剤組成物中で使用される好ましいカプセル、とりわけマイクロカプセルは、非水溶性マイクロカプセルである。前記非水溶性カプセル、とりわけマイクロカプセルはシェル物質を含み、少なくとも20〜40℃の温度においては、水中で溶解又は分解しない。非水溶性カプセル、とりわけマイクロカプセルは、これらが、機械的ストレス下において洗浄中には崩壊せず、洗浄後にシェルの崩壊及びコアの放出を可能とするため有利である。
【0096】
好ましいカプセル、とりわけマイクロカプセルは、そのシェル中に、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、多糖、エポキシド樹脂、シリコン樹脂、カルボニル化合物(好ましくはホルムアルデヒド)とNH基を有する化合物(好ましくは、メラミン若しくは尿素又は混合物)との反応生成物から選択される少なくとも1種の物質を含む。
【0097】
カプセル、とりわけマイクロカプセルの調製は公知である。好適な方法は、US 3,516,941、US3,415,758又はEP 0 026 914 A1に開示されている。1つの方法は、水を含む媒体中のメラミン-ホルムアルデヒド-プレポリマー(及び/又はそれらのC1-4-アルキルエーテル)と、コア物質の分散相との酸誘導縮合反応である。本発明に適したさらなるマイクロカプセルは、WO 2001/049817 A2に記載されている。
【0098】
シェルは、少なくとも1つのカチオン電荷を有する少なくとも1つの化合物を含み得る。シェル中の好ましいカチオン性化合物は、カチオン性ポリマーである。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-69又はそれらの混合物から選択される。
【0099】
カプセル(とりわけマイクロカプセル)のコアの周囲のシェルは、好ましくは平均厚さ0.01〜50μm、特に好ましくは0.1μm〜30μm、最も好ましくは0.5μm〜8μmを有する。
【0100】
カプセル(とりわけマイクロカプセル)のコアは、好ましくは、織物への使用に適した活性物質を含む。このような活性物質は、好ましくは、
(a) 香気、
(b) 繊維ケア用の活性物質、とりわけシリコーン油、可溶性カチオン性ポリマー、
(c) スキンケア活性物質(とりわけビタミンE、アロエベラ抽出物、緑茶抽出物、D-パンテノール、プランクトン抽出物、尿素及び/又はグリシン)
から選択される。
【0101】
最も好ましくは、分散されている化合物は、コア中に少なくとも1種の香気を有する香料マイクロカプセルを含む。マイクロカプセルの好ましい実施形態は、当然のことながら、変更すべきところは変更して、前記香料マイクロカプセルの好ましい実施形態でもある。
【0102】
別の好ましい実施形態において、液体連続相に分散している成分は、微粒子固体の粒子、好ましくは顔料である。本発明による顔料は、色彩効果顔料又はパール顔料である。パール顔料は、真珠様効果、金属効果及び玉虫色効果を生じる。天然真珠エッセンス、魚鱗から得られるグアニンとヒポキサンチンとの混合物は、化粧品製剤において長らく使用されてきた。化粧品及び液体洗剤用途のために開発された合成パール顔料としては、例えば、マイカベースの顔料及びオキシ塩化ビスマス、又はオキシ塩化ビスマスマイカが挙げられる。二酸化チタンなどの金属酸化物でコーティングされた白雲母マイカプレートレットは広く使用されている。比較的薄い二酸化チタンコーティングは、真珠様又は銀様の光沢を生じる。比較的厚いコーティングを有するマイカプレートレットは、その成分は無色であるが、光干渉の現象を通じて発色し;これらは干渉顔料として公知である。板状顔料もまた、1つ以上の反射/透過層でコーティングされた複数の層状プレートレットで構成されている。典型的には、色彩効果顔料は、酸化金属層でコーティングされている天然マイカ又はガラスフレークなどの層状板状基質である。
【0103】
色彩効果顔料の特性の記載は、Pigment Handbook, Volume I, 第2版, pp. 829-858, John Wiley & Sons、NY 1988に見出し得る。層状板状基質をコーティングするために無色の酸化金属が使用される場合、色彩効果顔料は、光の反射及び屈折の結果として真珠様光沢を示し、酸化金属層の厚さに応じて、これらは干渉色効果も示し得る。着色酸化金属が使用される場合、観察される効果は、反射、屈折及び吸収によって決まる。
【0104】
色(反射色と呼ばれる)は、鏡面反射又は鏡様反射(反射角が入射角に等しい)によって最も効果的に見られる。反射色はコーティングの光学的厚さ(すなわち幾何的厚さ×屈折率)の関数である。約100nm〜約160nmの光学的厚さは、白色、銀様又は真珠様と呼び得る反射を生じ;約190nm以上の光学的厚さは、着色反射を生じる。マイカ又は二酸化チタンでコーティングされたマイカを含む真珠層顔料又は真珠光沢顔料は当技術分野で公知である。例えば、米国特許第3,087,828;3,926, 659;4,146,403;4,192,691;4,744,832;5,273,576;5,433,779;5,456,749;6,899,757;WO 2013/138312号を参照のこと。
【0105】
BASF CHIONE(商標)MSVAは、ラウロイルリシンでコーティングされた、合成フッ素金雲母(一般的には合成マイカとして知られる)からなる機能性鉱物である。得られた粉末は極めて白く且つビロード様の質感を有し、無水製剤、ヒドロアルコール性製剤、又は純水性製剤の両方の光学的明度及び感触を高めることができる。この高輝度添加剤は、あらゆる化粧品又はホームクリーニング及びパーソナルクリーニング用途(目及び唇領域を含む)、又は液体洗剤用途に適している。BASF CHIONE(商標)MSVAは、着色添加剤なしで、無水製剤又は水性製剤の両方において極めて白い外観を有する。
【0106】
本発明のレオロジー改変剤によって安定化されるとりわけ好ましい顔料は、BASF社製の、白色Chione(商標)のHD Infinite WhiteS130V、又は比較的大きな着色顔料のFlamenco Sparkle Gold 220J若しくはMulti Reflections(商標)のSoft Sparkle Orchid 580P、あるいはReflecks(商標)の、ホウケイ酸塩及びTiO
2をベースとする真珠光沢顔料及び玉虫色顔料、例えば微光性のGreen G830L若しくはホウケイ酸塩及びFe
2O
3をベースとするShiny rouge G450D、又はホウケイ酸塩及びTiO
2並びにフェロシアン化鉄をベースとするPurely Purple G536L、若しくはホウケイ酸塩及びTiO
2並びにSiO
2をベースとするVarying Violet G580Dである。
【0107】
特に適した顔料は、80〜900kg/m
3、とりわけ好ましくは100〜600g/cm
3(ISO 697:1981による)のバルク密度を有する。
【0108】
特に十分に適した顔料の平均粒径X
50,3は、0.05〜200μm、特に好ましくは5〜150μm、最も好ましくは10〜100μm、例えば10〜80μmである。
【0109】
本発明のレオロジー改変剤は、顔料の表面張力を水性製剤に適合させ且つ水性製剤中の顔料の安定性を増大させて、その結果顔料の沈降又はクリーミングがより長い保存期間中に回避されるような方法で顔料の表面を改変することもできる。本発明のレオロジー改変剤は特に上記顔料の表面コーティングに採用され、その結果顔料表面、レオロジー改変剤及び水性製剤間の相互作用エネルギーを最小化し、これにより全製剤の安定性の増大をもたらす。
【0110】
また同様に本明細書中に例示されるとおり、本発明の一実施形態において、本明細書中に記載されるとおりに提供され、且つ使用されるレオロジー改変剤は、エチルアクリレート(例えば30〜40pphm)、(n-)ブチルアクリレート(例えば30〜40pphm)、及びメタクリル酸(例えば25〜35pphm)を共重合させることによって得ることができる。場合により、さらなる化合物、例えばLutensol AT 25 メタクリレート(以下の表1中のASSOCを参照)、20rpmで150mPasを有するカルボキシメチルセルロース(以下の表1中のCMC150を参照)、乳化剤(例えばSDS)、2-エチルヘキシルチオグリコレート、H
2O
2、NaPS、及び/又はC12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(以下の表1を参照)を、上記重合反応に添加してもよい。さらなる実施形態において、粘度を調節するために、さらなる添加剤、特に(金属)錯化剤、例えばトリロンB(例えば、0.3pphm以下)(以下の表1を参照)及び/又は鎖移動剤、例えば2-EHTG(以下の表1を参照)を添加してもよい。
【0111】
また同様に本明細書中に例示されるとおり、液体連続相中に分散した成分が、顔料を微粒子固体の粒子として含む場合、エチルアクリレート(例えば30〜40pphm)、(n-)ブチルアクリレート(例えば30〜40pphm)、及びメタクリル酸(例えば25〜35pphm)を共重合することにより得ることができるレオロジー改変剤を選択することが、好ましい選択肢であることが見出された。場合により、さらなる化合物、例えばLutensol AT 25 メタクリレート(以下の表1中のASSOCを参照)、20rpmで150mPasを有するカルボキシメチルセルロース(以下の表1中のCMC150を参照)、乳化剤(例えば、SDS)、2-エチルヘキシルチオグリコレート、H
2O
2、NaPS、及び/又はC12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(以下の表1を参照)を、上記重合反応に添加してもよい。さらなる実施形態において、粘度を調節するために、さらなる添加剤、特に(金属)錯化剤、例えばトリロンB(例えば、0.3pphm以下の)(以下の表1を参照)及び/又は鎖移動剤、例えば2-EHTGなど(以下の表1を参照)を添加してもよい。
【0112】
一実施形態において、本発明による(特に本明細書中に記載される粒子/顔料に関連する)レオロジー改変剤は、30〜40pphmのエチルアクリレート、30〜40pphmのn-ブチルアクリレート、25〜35pphmのメタクリル酸、0.2〜2pphmの60%Lutensol AT 25メタクリレート(以下の表1中のASSOCを参照)、及び8〜20pphmの20rpmで150mPasを有するカルボキシメチルセルロース(以下の表1中のCMC150を参照)、及び場合によりさらなる化合物、例えば乳化剤(例えばSDS)、2-エチルヘキシルチオグリコレート、H
2O
2、NaPS、及び/又はC12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(以下の表1を参照)を、重合反応に添加することにより得ることができる。さらなる実施形態において、粘度を調節するために、さらなる添加剤、特に(金属)錯化剤、例えばトリロンB(例えば、0.3pphm以下)(以下の表1参照)及び/又は鎖移動剤、例えば2-EHTG(以下の表1を参照)を添加してもよい。
【0113】
前記好ましいレオロジー改変剤は、最も好ましくは、前記顔料が
i) 80〜900kg/m
3、とりわけ好ましくは100〜600g/cm
3(ISO 697:1981による)のバルク密度、及び/又は
ii) 5〜150μm、最も好ましくは10〜100μm、例えば10〜80μmの平均粒径X
50,3
を有する場合、液体連続相中の顔料の安定化のために使用される。
【0114】
前記液体製剤の好ましい実施形態は、
好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義される、少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤、
少なくとも1種の界面活性剤(好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤)、
少なくとも1種の無機塩、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種のマイクロカプセル及び/又は顔料
を含む液体洗剤組成物である。
【0115】
前記液体製剤の特に好ましい実施形態は、液体洗剤組成物の全量に対して
0.1〜1重量%(より好ましくは0.4〜0.9重量%)の、好ましくは請求項1〜10のいずれかに定義される、少なくとも1種の本発明のレオロジー改変剤、
2〜20重量%(より好ましくは3〜15重量%)の、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、
1〜10重量%(より好ましくは1〜7重量%)の、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
0.1〜1重量%(より好ましくは0.2〜0.9重量%)の、少なくとも1種の無機塩、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種のマイクロカプセル及び/又は顔料
を含む液体洗剤組成物である。
【0116】
本発明の液体洗剤組成物は、好ましくは、以下のステップ:
i) 水性液体の温度を20〜60℃の温度に調整するステップ、
ii) 界面活性剤を混合しながら添加するステップ、
iii) 本発明のレオロジー改変剤を混合しながら添加するステップ、
iv) 得られた混合物を最大40℃、好ましくは、最大35℃に冷却するステップ、
iv) 分散させるべき化合物を連続相に添加し、前記化合物を分散させるステップ、
v) 周囲温度に冷却するステップ
を含む方法によって調製されるが、
少なくとも前記ステップは、前記順序で行われ、
前記方法は、ステップi)〜v)の前、ステップi)〜v)の間又はステップi)〜v)の後に、任意の任意選択的ステップを含んでいてもよい。
【0117】
本発明はさらに、液体洗剤中で、活性物質、酵素、香料、医薬品、有機粒子、顔料、繊維、殺生物剤、除草剤、及び殺菌剤で作製される気泡、ナノ粒子、マイクロカプセルなどの粒子を安定化させるための、上記に定義されるレオロジー改変剤の使用に関する。
【0118】
以下の実施例は、本発明を例示する。しかし、本発明は、実施例に記載される実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0119】
【表1】
【0120】
比較実施例V1.1 - 炭化水素の不存在下におけるレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、850.2gの脱イオン水、0.66gの乳化剤SDS(水中15%)及び52.0gのPVPを混合した。85℃で、1.86gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。213.56gの脱イオン水、モノマー(78.0gのメタクリル酸、175.5gのエチルアクリレート、8.13gのASSOC)、7.8gの乳化剤SDS(水中15%)、及び2.89gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、13.94gの脱イオン水を添加した。エマルション添加の15分後、混合物に、26gのH
2O
2(水中1%)及び10.4gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で2時間15分添加した。次いで、0.13gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、26gのH
2O
2(水中1%)及び39gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0121】
比較実施例V1.2 - 炭化水素の不存在下におけるレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、898.23gの脱イオン水、2.72gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)を混合した。75℃で、8.71gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を75℃で5分間撹拌した。184.37gの脱イオン水、モノマー(22.88gのアクリル酸、45.75gのアクリルアミド、228.75gのn-ブチルアクリレート、38.13gのASSOC及び13.62gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%))からなるエマルションを2時間添加し、75℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、14.64gの脱イオン水を添加した。さらに1時間、75℃でさらなる重合を行った。続いて、0.15gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)及び6.1gのH
2O
2(水中5%)を混合物に添加した。次いで、15.25gのヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(水中1%)を75℃で1時間添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0122】
比較実施例V1.3 - 炭化水素の不存在下におけるレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、844.12gの脱イオン水、2.72gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)を混合した。75℃で、32.68gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を75℃で5分間撹拌した。184.37gの脱イオン水、モノマー(22.88gのアクリル酸、122gのアクリルアミド、95.31gのn-ブチルアクリレート、95.31gのエチルアクリレート、38.13gのASSOC及び13.62gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%))からなるエマルションを2時間添加し、75℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、14.64gの脱イオン水を添加した。さらに1時間、75℃でさらなる重合を行った。その後、0.15gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)及び6.1gのH
2O
2(水中5%)を混合物に添加した。次いで、15.25gのヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(水中1%)を75℃で1時間添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0123】
比較実施例V2.2 - 炭化水素の不存在下におけるレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、701.48gの脱イオン水、2.8gの乳化剤SDS(水中15%)を混合した。85℃で、2gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。229.88gの脱イオン水、モノマー(84gのメタクリル酸、94.5gのn-ブチルアクリレート、94.5gのエチルアクリレート、8.75gのASSOC、8.4gの乳化剤SDS(水中15%)、及び3.11gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルション添加の15分後、混合物に、28gのH
2O
2(水中1%)及び11.2gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で2時間15分添加した。エマルションの完全添加後、15.12gの脱イオン水を添加した。次いで、0.14gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、28gのH
2O
2(水中1%)及び42gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0124】
比較実施例V2.3 - 炭化水素の不存在下におけるレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、651.92gの脱イオン水、0.69gの乳化剤SDS(水中15%)を混合した。85℃で、1.86gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。215.2gの脱イオン水、モノマー(78gのメタクリル酸、182gのエチルアクリレート、7.8gの乳化剤SDS(水中15%)、及び2.89gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、13.94gの脱イオン水を添加した。エマルション添加の15分後、混合物に、26gのH
2O
2(水中1%)及び10.4gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で2時間15分添加した。次いで、0.13gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、26gのH
2O
2(水中1%)及び39gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0125】
実施例B1.4 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、847.55gの脱イオン水、0.69gの乳化剤SDS(水中15%)及び52gのCMC150を混合した。この工程の後続のステップは、比較実施例V2.3に記載した工程と同一であった:85℃で、1.86gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。215.2gの脱イオン水、モノマー(78gのメタクリル酸、182gのエチルアクリレート、7.8gの乳化剤SDS(水中15%)、及び2.89gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、13.94gの脱イオン水を添加した。エマルション添加の15分後、混合物に、26gのH
2O
2(水中1%)及び10.4gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で2時間15分添加した。次いで、0.13gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、26gのH
2O
2(水中1%)及び39gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0126】
実施例B1.11 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、806.82gの脱イオン水、2.8gの乳化剤SDS(水中15%)及び28gのCMC150を混合した。この工程の後続のステップは、比較実施例V2.2に記載した工程と同一であった:85℃で、2gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。229.88gの脱イオン水、モノマー(84gのメタクリル酸、94.5gのn-ブチルアクリレート、94.5gのエチルアクリレート、8.75gのASSOC、8.4gの乳化剤SDS(水中15%)、及び3.11gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルション添加の15分後、混合物に、28gのH
2O
2(水中1%)及び11.2gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で2時間15分添加した。エマルションの完全添加後、15.12gの脱イオン水を添加した。次いで、0.14gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、28gのH
2O
2(水中1%)及び42gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0127】
実施例B1.1〜B1.3、B1.5〜B1.10、B1.12及びB1.13は、出発物質の量を表2から導き得るとおりに変えたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0128】
実施例B2.1 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、882.14gの脱イオン水、0.14gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)、2.8gの乳化剤SDS(水中15%)及び28gのCMC150を混合した。85℃で、2gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。229.99gの脱イオン水、モノマー(84gのメタクリル酸、96.6gのn-ブチルアクリレート、96.6gのエチルアクリレート、3.5gのASSOC、8.4gの乳化剤SDS(水中15%)、及び3.11gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。11.2gのアスコルビン酸(水中0.25%)を2時間30分で添加した。エマルション添加の15分後、0.56gのH
2O
2(水中1%)を添加した。エマルションの完全添加後、15.01gの脱イオン水を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、1.12gのH
2O
2(水中1%)及び21gのアスコルビン酸(水中1%)を一定速度で1時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0129】
実施例B2.2は、出発物質の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0130】
実施例B3.1 - CMC及びデンプンを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、740.52gの脱イオン水、0.17gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中4%)、1.21gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)、68gのマルトデキストリン(水中50%)及び17gのCMC150を混合した。85℃で、2.43gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。279.28gの脱イオン水、モノマー(102gのメタクリル酸、114.75gのn-ブチルアクリレート、114.75gのエチルアクリレート、10.63gのASSOC、13.96gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。13.6gのアスコルビン酸(水中0.25%)を2時間30分で添加した。エマルション添加の15分後、0.68gのH
2O
2(水中1%)を添加した。エマルションの完全添加後、10.91gの脱イオン水及び8.49gのNaPS(水中1%)を10分間添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、1.36gのH
2O
2(水中1%)及び25.5gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。26%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0131】
実施例B3.2〜B3.5は、出発物質の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0132】
実施例B4.1 - デンプンを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、644.46gの脱イオン水、2.46gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)及び184gのマルトデキストリン(水中50%)を混合した。85℃で、18.4gのNaPS(水中1%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。339.99gの脱イオン水、モノマー(126.5gのメタクリル酸、143.75gのn-ブチルアクリレート、143.75gのエチルアクリレート、57.5gのASSOC、22.18gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)、73.6gのNaPS(水中1%))からなるエマルションを2時間添加し、75℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、18.4gの脱イオン水を添加した。さらに1時間、85℃で、さらなる重合を行った。その後、0.92gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)及び9.2gのH
2O
2(水中5%)を混合物に添加した。次いで、23gのヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(水中1%)を85℃で1時間添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。31%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0133】
実施例B4.2 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、1473.3gの脱イオン水、0.92gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)、4.6gの乳化剤SDS(水中15%)及び55.2gのCMC150を混合した。85℃で、3.29gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。229.88gの脱イオン水、モノマー(138gのメタクリル酸、159.85gのn-ブチルアクリレート、159.85gのエチルアクリレート、2.88gのASSOC、13.8gの乳化剤SDS(水中15%)及び5.11gのC12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、24.66gの脱イオン水を添加した。エマルション添加の15分後、0.92gのH
2O
2(水中25%)及び18.4gのアスコルビン酸(水中0.25%)を2時間15分で添加した。次いで、1.84gのH
2O
2(水中25%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、46gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0134】
実施例B2.2は、出発物質の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0135】
実施例B5.1 -高いCMC含有量を有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、1240.6gの脱イオン水、0.71gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)及び100gのCMC80を混合した。90℃で、1.43gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。226.66gの脱イオン水、モノマー(80gのメタクリル酸、60gのn-ブチルアクリレート、60gのエチルアクリレート、8gのPETIA(1,2-プロパンジオール中5%)、13.57gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%))からなるエマルションを3時間添加し、90℃で一定に撹拌した。同時に90gのNaPS(水中1%)を3時間添加した。エマルション及びNaPSの完全添加後、10.72gの脱イオン水を添加した。さらに0.5時間、90℃で、さらなる重合を行った。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。90℃で、0.8gのH
2O
2(水中25%)を添加し、冷却中、20gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。16%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0136】
実施例B5.2、B5.7、B5.8、B5.9、B5.10、B5.11、B5.13、B5.14、B5.15、B5.16、B5.18、B5.19、B5.21は、化学的成分の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0137】
実施例B5.3 - 高いCMC含有量を有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、1070.1gの脱イオン水、0.54gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%)及び75gのCMC150を混合した。75℃で、6.43gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を75℃で5分間撹拌した。94.56gの脱イオン水、モノマー(60gのメタクリル酸、44.63gのn-ブチルアクリレート、44.63gのエチルアクリレート、0.94gのASSOC、10.18gの乳化剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(水中28%))からなるエマルションを2時間添加し、75℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、8.04gの脱イオン水を添加した。さらに1時間、75℃でさらなる重合を行った。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。75℃で、0.6gのH
2O
2(水中25%)を添加し、冷却中、15gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。16%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0138】
実施例B5.4、B5.12、B5.20は、化学的成分の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0139】
実施例B5.5 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、1927.6gの脱イオン水、1.2gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)、6gの乳化剤SDS(水中15%)及び72gのCMC150を混合した。90℃で、4.29gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を90℃で5分間撹拌した。492.84gの脱イオン水、モノマー(180gのメタクリル酸、208.5gのn-ブチルアクリレート、208.5gのエチルアクリレート、3.75gのASSOC、18gの乳化剤SDS(水中15%)、及び6.67gの乳化剤C12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、90℃で一定に撹拌した。エマルション添加の15分後、1.2gのH
2O
2(水中1%)を添加し、18gのアスコルビン酸(水中0.25%)を、2時間30分同時に添加した。エマルションの完全添加後、32.16gの脱イオン水を添加した。アスコルビン酸(水中0.25%)の完全添加後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。90℃で、2.4gのH
2O
2(水中25%)を添加し、冷却中、60gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液。
【0140】
実施例B5.6、B5.17は、化学的成分の量を表2から導き得るとおりに変動させたことを除いて、同じ工程により製造した。
【0141】
実施例B5.22 - CMCを有するレオロジー改変剤の製造
アンカー撹拌機、還流冷却器、内部温度センサー及び計量ステーションを備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置中で、1474.3gの脱イオン水、0.92gのエチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄カリウム錯体(水中1%)、4.6gの乳化剤SDS(水中15%)、1.15gのトリロンB(エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)及び55.2gのCMC150を混合した。85℃で、3.29gのNaPS(水中7%)を添加し、混合物を85℃で5分間撹拌した。377.84gの脱イオン水、モノマー(138gのメタクリル酸、159.85gのn-ブチルアクリレート、159.85gのエチルアクリレート、2.88gのASSOC、13.8gの乳化剤SDS(水中15%)及び5.11gのC12-アルキルジフェニルオキシドジスルホネート(水中45%))からなるエマルションを2時間添加し、85℃で一定に撹拌した。エマルションの完全添加後、24.66gの脱イオン水を添加した。エマルション添加の15分後、0.92gのH
2O
2(水中25%)を添加し、18.4gのアスコルビン酸(水中0.25%)を2時間15分で添加した。次いで、1.84gのH
2O
2(水中25%)を添加した。その後、反応混合物を室温までゆっくりと冷却した。冷却中、46gのアスコルビン酸(水中2%)を一定速度で2時間添加した。21%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液が得られた。
【0142】
【表2】
【0143】
粘度の測定
せん断に供した粘度は、DIN 51550、DIN 53018及びDIN 53019に従い、ブルックフィールド粘度計のモデルRV-03で、スピンドルNo.3を0.3rpm、1rpm及び20rpm(1分当たり回転数)で用いて20℃において測定した。
【0144】
固体含有量の測定
分散液を140℃で30分間乾燥させ、乾燥残渣と加重サンプルの比から、固体含有量(%)を測定した。
【0145】
LD値の測定
分散液を0.01%に希釈し、粒径の尺度として純水と比較した分散液の光透過率(LD)を、Hach DR/2010で光学的に測定した。
【0146】
マイクロカプセルの安定性の測定
穏やかな撹拌下、香料マイクロカプセル(シェル:カチオン荷電ポリマーを含むメラミン-ホルムアルデヒド縮合物をベースとする;コア:香料)を「Persil(登録商標)Color」液体洗剤に添加し、その後本発明のレオロジー改変剤(B1.x〜B4.x;表2を参照)を添加し;30分間撹拌を続けた。pHをpH=8に再度調整した。最終製剤を50℃で4週間保存した。沈降及び/又はクリーミングを目視で判定し、香料マイクロカプセル及び本発明のレオロジー改変剤ではないレオロジー改変剤(V1.x〜V2.x;表2を参照)を有する液体洗剤製剤「Persil(登録商標)Color」(Henkel AG & Co. KGaA、ドイツ)(=極めて不良)と比較して評価した。最終結果は表3に示される。
【0147】
【表3】
顔料の安定性の測定
顔料安定性の測定のため、98gの液体洗剤「Persil(登録商標)Color」(Henkel AG & Co. KGaA、ドイツ)のプレミックスをガラス容器に注ぎ入れた。その後、0.1グラムの「Flamenco Sparkle Gold 220J」の顔料粉末又は0.01グラムの「Prestige Soft silver」(Sudarshan社、粒径10μm、バルク密度350kg/m
3)(それぞれ0.1%及び0.01%に相当)を添加し、約1500rpmで1分間穏やかに均質化した。最後の製剤化ステップにおいて、表2及び4に記載されるレオロジー改変剤を10グラム(水溶液中20%固体含有量)(製剤中2%固体含有量に相当)の量で添加した。さらに10分間撹拌した後、ガラス容器中の最終液体洗剤製剤を50℃で4週間保存した。保存時間後、顔料のクリーミング及び/又は沈降を、以下のように表4にまとめられるとおりに測定した。
【0148】
++++ 顔料は、最終製剤中で完全に均一に分配されたままである。
---- 顔料は、最終製剤中で完全に相分離し、全く均一に分配されていない。
【0149】
中間の評価ステップは、相分離した顔料の増加量により定義される。
【0150】
最終結果は表4に示される。
【0151】
【表4】
(付記)
(付記1)
(i) 少なくとも1種のエチレン性不飽和カルボン酸;
(ii) 場合により少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
(iii) 少なくとも1種のC1-C2-アルキルメタクリレート、及び/又は
(iv) 少なくとも1種のC2-C4-アルキルアクリレート(アルキルアクリレートのアルキル基の数を平均したアルキル鎖長は2.1〜4.0である);
を、少なくとも1個のXH基(Xは、O、P、N及びSからなる群から選択される)を含む炭化水素の存在下で重合することにより得ることができるレオロジー改変剤。
(付記2)
前記炭化水素が、置換されていてもよいオリゴ糖及び/又は多糖である、付記1に記載のレオロジー改変剤。
(付記3)
前記炭化水素が、置換されていてもよいβ-1,4-D-グルコピラノシドである、付記1又は2に記載のレオロジー改変剤。
(付記4)
前記炭化水素が、カルボキシメチルセルロース及び/又はデンプンである、付記1〜3のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記5)
非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーが、一般式(I):
R-O-(CH2-CHR’-O)n-CO-CR”=CH2 (I)
(式中、Rは、C6-C30-アルキルであり、
R’は、水素又はメチルであり、
R”は、水素又はメチルであり、
nは、2〜100の整数である)
を有する、付記1〜4のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記6)
エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸から選択される、付記1〜5のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記7)
コポリマーが、コポリマーの総重量に対して5〜85重量%のn-ブチルアクリレートの共重合単位を含む、付記1〜6のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記8)
アニオン性及び/又は非イオン性乳化剤をさらに含む、付記1〜7のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記9)
乳化剤が、一般式(II):
R-O-(CH2-CHR'-O)n-X (II)
(式中、Rは、C6-C30-アルキルであり、
R'は、水素又はメチルであり、
Xは、水素又はSO3Mであり、
Mは、水素又はアルカリ金属であり、
nは、2〜100の整数である)
を有する、付記8に記載のレオロジー改変剤。
(付記10)
炭化水素が、コポリマーの総重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の量で存在する、付記1〜9のいずれか1つに記載のレオロジー改変剤。
(付記11)
付記1〜10のいずれか1項に定義されるレオロジー改変剤と、活性物質、酵素、香料、医薬品、有機粒子、顔料、繊維、殺生物剤、除草剤及び殺菌剤で作製される気泡、ナノ粒子、マイクロカプセルからなる群から選択される少なくとも1種の成分とを含む液体製剤。
(付記12)
液体洗剤中の粒子を安定化させるための、付記1〜10のいずれか1つに定義されるレオロジー改変剤の使用。
(付記13)
付記1〜10のいずれか1項に定義される少なくとも1種のレオロジー改変剤、
少なくとも1種の界面活性剤、
水を含む液体連続相、及び
前記液体連続相に分散している少なくとも1種の成分
を含む液体洗剤組成物。
(付記14)
前記連続相が前記レオロジー改変剤を含む、付記13に記載の液体洗剤組成物。
(付記15)
少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む、付記13又は14のいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
(付記16)
アニオン性界面活性剤が、いずれの場合も全液体洗浄剤又は清浄剤に対して、2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%の総量で含まれる、付記13〜15のいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
(付記17)
非イオン性界面活性剤が、いずれの場合も全液体洗浄剤又は清浄剤に対して、1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の総量で含まれる、付記13〜16のいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
(付記18)
少なくとも1種の無機塩を付加的に含む、付記13〜17のいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
(付記19)
液体洗剤組成物の全量に対して、0.1〜1重量%、好ましくは0.1%〜0.7重量%の少なくとも1種の無機塩を含む、付記18に記載の液体洗剤組成物。
(付記20)
前記液体連続相に分散している成分として、微粒子固体の粒子、好ましくはマイクロカプセル及び/又は顔料を含む、付記13〜19のいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
(付記21)
前記微粒子固体の粒子、好ましくはマイクロカプセル及び/又は顔料が、0.05〜500μm、好ましくは5〜150μm、特に好ましくは10〜100μmの平均粒径X50,3を有する、付記20に記載の液体洗剤組成物。