(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記光検知部から取得した信号のうち信号強度が所定の値より大きい信号を前記検知信号として取得し、取得した該検知信号に基づいて前記電源部が前記駆動用アンプに供給する前記電圧を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータ制御装置。
前記制御部は、前記光検知部の検知信号を取得する回数が所定の値を超えた場合に、前記電源部が前記駆動用アンプに供給する電圧を固定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【0014】
ここで、圧電アクチュエータの構造例およびその動作について、以下に例を挙げて説明する。
図1は、圧電アクチュエータのフレーム構成の一例を示す図である。
図2は、
図1に例示するフレームに対する圧電素子の配置例を示す図である。
図3は、
図2に例示する圧電アクチュエータに対する配線例を示す図である。なお、ここで例示する圧電アクチュエータは、X軸およびY軸の2軸方向に光をスキャンするためのアクチュエータである。
【0015】
図1に示すように、圧電アクチュエータのフレーム構成は、シリコン基板上に形成された圧電アクチュエータのフレーム11にミラー1が取り付けられた構造を有する。フレーム11は、折り返し構造部12〜15と、X軸フレーム16および17とを備える。折り返し構造部12の左側はフレーム11との接続部であり、折り返し構造部13の左側はX軸フレーム16および17との接続部であり、折り返し構造部14の右側はX軸フレーム16および17との接続部であり、折り返し構造部15の右側はフレーム11との接続部である。なお、
図1では折り返し構造部12〜15での折り返しが1回の例を示したが、2回以上の折り返し構造であってもよい。折り返し構造部12〜15は、X軸フレーム16および17全体を捻る方向に回動させる。ミラー1はX軸フレーム16および17の回動中心に取り付けられており、レーザ光線等の光を照射して光をスキャンする。
図1においてスキャンのY軸方向は、ミラー1を通る上下方向の中心線に対して垂直、即ち左右の方向となる。X軸フレーム16および17もミラー1と接続されている。
図1においてスキャンのX軸方向は、ミラー1を通る左右方向の中心線に対して垂直、即ち上下の方向となる。したがって、
図1の場合は、紙面中上下方向がX軸となり、左右方向がY軸となる。
【0016】
図2に示すように、圧電アクチュエータ10は、
図1に示すフレーム11に対し、折り返し構造部12〜15の各々に駆動用の圧電素子22〜25と検知用の圧電素子32〜35とが設けられた構造を有する。また、X軸フレーム16および17の各々にも駆動用の圧電素子26および27と検知用の圧電素子36および37とが設けられている。
【0017】
図3に示すように、
図2に示す圧電アクチュエータ10に対しては、圧電素子22および24を共通で駆動するための配線SDA(Sub Drive Ach)と、圧電素子23および25を共通で駆動するための配線SDB(Sub Drive Bch)と、圧電素子26および27を共通で駆動するための配線MD(Main Drive)と、折り返し構造部12に接続された検知端子SSA1(Sub Sense Ach-1)と、折り返し構造部13に接続された検知端子SSB1(Sub Sense Bch-1)と、折り返し構造部14に接続された検知端子SSA2(Sub Sense Ach-2)と、折り返し構造部15に接続された検知端子SSB2(Sub Sense Bch-2)とが設けられている。
【0018】
また、
図4に、
図2に例示した各圧電素子とこれらの裏面に設けられる電極との組み合わせと各電極に接続される配線との例を示す。
図4に示すように、駆動用の圧電素子22および24の裏面には共通の配線SDAGが接続された電極42および44が配置され、圧電素子23および25の裏面には共通の配線SDBGが接続された電極43および45が配置され、圧電素子26および27の裏面には共通の配線MDGが接続された電極46および47が配置される。また、検知用の圧電素子32の裏面には配線SSA1Gが接続された電極52が配置され、圧電素子33の裏面には配線SSB1Gが接続された電極53が配置され、圧電素子34の裏面には配線SSA2Gが接続された電極54が配置され、圧電素子35の裏面には配線SSB2Gが接続された電極55が配置され、圧電素子36および37の裏面には共通の配線MSGが接続された電極56および57が配置される。
【0019】
一般的に、圧電素子に分極時に掛けた電圧と同じ極性の電圧を掛けると、圧電素子に引っ張る力が発生する。例えば分極時にGND基準で+30Vを掛けたとすると、GND基準で正極性の電圧を掛けることで、圧電素子の全体が縮む方向に変形する。これにより、圧電素子に引っ張る力が発生する。また、圧電素子に力を掛けると微弱な電圧が発生する。この電圧により電荷がチャージされて、圧電素子と電極との間に電流が流れる。圧電素子22〜27および圧電素子32〜37では、これらの特性を利用して駆動と検知とが行われる。
【0020】
なお、
図1から
図4においては、圧電素子を一方の面のみに配置した場合を例示したが、配置配線や圧電素子の作成上の自由度を向上させるために両面に配置してもよい。また、これらの圧電素子や電極の形成はほぼ半導体プロセスに準じるものであるため、大量生産によりコストダウンを図ることが可能である。
【0021】
図5は、圧電アクチュエータ10のX軸方向の動作を説明する図であり、
図6は、圧電アクチュエータ10を横方向から見た図である。なお、X軸方向は少ない投入エネルギーでできるだけ大きな振幅を得るために共振で動作させるのが一般的であることから、
図5および
図6では共振周波数で圧電アクチュエータ10を動作させている。
図5に示すように、時刻t1では電極MD−MDG間の電圧がゼロとなっている。この時刻t1での圧電アクチュエータ10は、
図6に示すように、ミラー1の中心の左側で圧電素子の変位がゼロである。時刻t2では、圧電素子が中央に縮む方向に変形し、それによりミラー1の中心がやや左向きに傾く。時刻t3では、圧電素子の縮みが最大となり、その結果、ミラー1の中心が左向きに最大に傾く。このようにして圧電アクチュエータ10はX軸方向に動作する。
【0022】
図7は、圧電アクチュエータ10のY軸方向の動作を説明する図であり、
図8は、圧電アクチュエータ10を下方向から見た図である。なお、
図7において、実線は電極SDA−SDAG間の電圧波形を示し、破線は電極SDB−SDBG間の電圧波形を示している。これらの波形は位相が180度反転した鋸波である。時刻t0では、電極SDA−SDAG間の電圧が最大となり、電極SDB−SDBG間の電圧がゼロとなる。その際(時刻t0)のミラー1は、
図8に示すように、ミラー1を中心として右向きに最大に傾く。時刻t1では、電極SDA−SDAG間の電圧が最大電圧のおおよそ4分の1、電極SDB−SDBG間の電圧が最大電圧のおおよそ4分の3となり、ミラー1の傾きが最大傾斜と水平とのおおよそ中間となる。時刻t2では、電極SDA−SDAG間および電極SDB−SDBG間とも、電圧が最大電圧のおおよそ中間の電圧となり、ミラー1の傾きがおおよそ水平となる。時刻t3では、電極SDA−SDAG間の電圧が最大電圧のおおよそ4分の3、電極SDB−SDBG間の電圧が最大電圧のおおよそ4分の1となり、ミラー1の傾きが時刻t0における最大傾斜の逆向きの最大傾斜と水平とのおおよそ中間の傾きとなる。時刻t4では、電極SDA−SDAG間の電圧がゼロ、電極SDB−SDBG間の電圧が最大電圧となり、ミラー1の傾きが時刻t0における最大傾斜の逆向きの最大傾斜となる。時刻t5では、電極SDA−SDAG間の電圧が最大、電極SDB−SDBG間の電圧がゼロとなり、ミラー1が時刻t0と同様に右向きに最大に傾く。
【0023】
図9〜
図12も圧電アクチュエータ10のY軸方向の動作を説明する図であり、
図8の動作を立体的に見た場合の図である。
図9は、
図8における時刻t0およびt5の状態を示す図であり、電極SDA、即ちAchに属する圧電素子22および24が最大に縮んでいる場合を示している。
図11は、
図8における時刻t4の状態を示す図であり、電極SDB、即ちBchに属する圧電素子23および25が最大に縮んでいる場合を示している。
図10および
図12は、それぞれ
図9および
図11に詳細な説明を加えた図である。
図9〜
図12に示すように、ミラー1に光が入射されると、反射光がY軸方向(水平方向)にスキャンされるのが分かる。なお、光スキャナ等のシステムにこのような圧電アクチュエータを適用させる場合、Y軸方向に直線的にスキャンさせる、即ちラスタスキャン動作とするのが一般的である。
図9〜
図12はラスタスキャンで動作させている状況を説明している。この動作において印加される電圧の周波数は数十Hz程度である。一般的な画像或いは映像を扱う場合、60〜70Hzで動作させることが多い。
【0024】
上述した動作では、X軸が共振現象を利用してできるだけ少ないエネルギーで動作させるのに対し、Y軸は非共振で動作させる。そのため、Y軸方向における圧電素子の変位量が小さい。そこで、圧電アクチュエータ10に折り返し構造部12〜15ならびにX軸フレーム16および17を設け、複数の圧電素子22〜27を並列に動作させることで、Y軸方向の変位量を稼ぐようにしている。
【0025】
なお、上述ではいわゆる片持ち梁と呼ばれる構造の圧電アクチュエータ10を例示したが、この構造に限定されるものではない。すなわち、以下の実施形態には、種々の構造による圧電アクチュエータを適用することが可能である。
【0026】
図13に、比較例としてのアクチュエータ駆動装置の概略構成例を示す。
図13に示すように、アクチュエータ駆動装置900は、波形生成部910と、アンプ921および923と、アクチュエータ930と、制御部950と、フォトダイオード(PD)951およびフォトダイオード(PD−X)952とを備える。波形生成部910からは、主走査用駆動電圧Mがアンプ921に出力され、副走査用駆動電圧Sがアンプ923に出力される。各々のアンプ921および923の電源には、0Vから必要な最大出力電圧までが得られるように、負電源Veeと、必要な最大出力電圧より高い電圧である正電源Vhとが用いられている。また、アクチュエータ930の駆動部には、アンプ921の出力M−AMP(主走査)と、アンプ923の出力S−AMP(副走査)とが接続される。
【0027】
ここで、
図14に示すように、主走査及び副走査を定常状態で駆動して2次元画像を描画する場合、時刻t0において左上隅から走査領域が始まり、右下隅で1画面の走査領域が終了する。描画領域外にはレーザ光を検出するフォトダイオード951および952が配置されている。副走査が駆動されずに主走査のみが駆動されている場合に走査されたレーザが入光する位置に設けられたフォトダイオード952と、主走査および副走査の両方が駆動されている場合に走査されたレーザが入光する位置に設けられたフォトダイオード951とによって、主走査および副走査の振幅が制御される。主走査の振幅をフォトダイオード952によって制御する場合、描画領域外で短い周期で入光する場合と描画領域に行って戻ってくる周期で入光する場合との両方の時間を利用することができる。例えば短い周期の場合、この周期をできるだけ小さくすることで描画領域外の描画を小さくできるため、効率良く描画することが可能となるが、マージンが小さく外乱に弱いという欠点がある。逆に長い周期の場合、効率が低下するが外乱に強くなるという利点がある。副走査については、フォトダイオード951を用いて主走査と同様に制御することができる。
【0028】
ここで、2次元画像の描画動作において主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの流れを、図面を用いて説明する。
図15は、主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの制御部の動作例を示すフローチャートである。
図16は、定常状態に落ち着くまでの主走査の振幅変化の一例を示す図である。
図17は、定常状態に落ち着くまでの副走査の振幅変化の一例を示す図である。
【0029】
図15〜
図17に示すように、2次元画像の描画をスタートすると、まず、主走査のゲインを徐々に増加させるとともに副走査のゲインを徐々に増加させながら(ステップS901およびS902)、フォトダイオード952への入光検知を行う(ステップS903)。その際、副走査の振幅も徐々に大きくなるが、主走査の方が早くリミットに達するように制御部950で制御する。その後、フォトダイオード952の位置(以下、PD−X位置という)より大きく、リミットXに達したタイミングで、主走査のゲインを維持して振幅を一旦固定する(ステップS904)が、副走査のゲイン増加はフォトダイオード951によるY軸方向の入光検知回数が予め規定しておいた所定の値である規定回数以上となるまで、すなわち副走査がマージンYを含めた振幅に達するまで継続する(ステップS905;NO)。その後、副走査がマージンYを含めた振幅に達すると(ステップS905;YES)、副走査のゲインが決定されて振幅が固定される(ステップS906)。
【0030】
主走査の振幅については、フォトダイオード951によるX軸方向の入光検知回数が予め規定しておいた規定回数以上となっていなければ(ステップS907;NO)、そのままゲインを決定して振幅を固定し(ステップS909)、本動作を終了する。一方、X軸方向の入光検知回数が規定回数以上となっていた場合には(ステップS907;YES)、副走査の振幅が確定する時間にリミットからマージンXを含んだ振幅まで減少され(ステップS908)、ステップS907へリターンする。以上のような動作により、
図16および
図17に示すように、主走査および副走査が定常状態に落ち着く。
【0031】
図18に、圧電アクチュエータの駆動感度ばらつきの例を示す。
図18において、縦軸は駆動に必要な電圧を示し、横軸は圧電アクチュエータの振幅感度を示す。
図18に示すように、電源電圧Vhは、駆動に必要な電圧が最も高い場合には、回路のヘッドルーム(出力不可能な電圧領域)に電源電圧ばらつきを加算したものになる。駆動に必要な電圧が最も高いのは、副走査の駆動感度が最も小さいアクチュエータを駆動する場合となっている。副走査の場合、ラスタスキャンを行うため、必然的に高い電圧が必要になる。これに対し、主走査は前述のように共振で駆動するので、一般的に副走査より低い駆動電圧で済む。
【0032】
つづいて、実施形態1にかかる駆動システムおよび駆動制御方法を、図面を用いて詳細に説明する。
図19は、実施形態1にかかる駆動システムの概略構成例を示す模式図である。
図19に示すように、駆動システム100は、アクチュエータ130、主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123、波形生成部110、制御部150、フォトダイオード(PD)151、フォトダイオード(PD−X)152、および電源部160を備える。アクチュエータ130、主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123、波形生成部110、フォトダイオード(PD)151およびフォトダイオード(PD−X)152は、
図13に例示した駆動システム900と同様であってよい。ただし、実施形態1にかかる駆動システム100は、主走査駆動用アンプ121および副走査駆動用アンプ123が電源部160から供給された電圧Vhsで駆動するように構成されている。
【0033】
図20は、
図19に示す駆動システムを用いた2次元画像の描画動作において主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの制御部の動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、実施形態1では、制御部150は、
図15〜
図17を用いて説明した動作(ステップS901〜S909)と同様の動作(ステップS101〜S109)を実行することで、主走査のゲインを決定して振幅を固定する。つぎに、制御部150は、副走査ゲインをパラメータAで除算することで電圧Vhsを求め(ステップS110)、つづいて、電源部160の電圧を電圧Vhsに設定する(ステップS111)。
【0034】
ここで、
図20に示すフローチャートを理解し易くするために、具体的な数値例を挙げて説明する。なお、電源電圧Vhは固定であるとする。また、副走査の必要振れ角を10度とし、副走査の駆動感度の標準値(TYP)を0.375度/Vとし、その最小値(MIN)を0.25度/Vとし、その最大値(MAX)を0.5度/Vとする。その場合、電圧が40V(=10度/(0.25度/V))となるため、マージンやヘッドルームを20%と見込むと、電源電圧Vhが48Vとなる。
【0035】
次に、駆動回路の振れ角のリミット(最大設定値)を1000とし、マージンを100とすると、駆動感度(MIN)のときに設定値を合わせるので、振れ角のリミットは900となる。次に、標準値(TYP)の駆動感度の場合は、主走査の振れ角を徐々に大きくすると、フォトダイオード952に入光するときのデータがおおよそ675となる。つまり、駆動感度(MIN)に対して675/900の電源電圧で所望の振れ角を得ることができる。したがって、この場合、
図20のステップS110におけるパラメータAには900が代入され、副走査ゲインには675が代入される。その結果、電圧Vhsは36Vと計算される。この電圧Vhsは、マージンおよびヘッドルームを考慮した値であり、電源電圧(48V)と比較すると、12V低減されている。最後に、駆動感度(MAX)の場合は、データがおよそ450となるため、同様の計算を行うことで、電圧Vhsが電源電圧Vhの半分の値である24Vと求まる。
【0036】
以上のように、実施形態1では、実際にアクチュエータ130を駆動させて電圧Vhsを設定しているので、無駄に大きな電源電圧Vhを必要としない。それにより、消費電力を抑えることが可能となる。また、アクチュエータ130の駆動感度のばらつきが大きい場合でも、各々で最適に電圧Vhsを設定可能であるため、アクチュエータ130の感度ばらつきの許容範囲を広くでき、それにより、アクチュエータ130の歩留まりを向上させることが可能となる。なお、その他の構成および動作は、上述した比較例と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
つぎに、実施形態2にかかる駆動システムおよび駆動制御方法を、図面を用いて詳細に説明する。
図21は、実施形態2にかかる駆動システムの概略構成例を示す模式図である。
図21に示すように、駆動システム200は、実施形態1にかかる駆動システム100と同様の構成において、電源部160が2つの電源部261および262に置き換えられた構成を備える。電源部261は、主走査駆動用の電源であり、制御部150からの制御にしたがって電圧Vhmを主走査駆動用アンプ121に供給する。電源部262は副走査駆動用の電源であり、制御部150からの制御にしたがって電圧Vhsを副走査駆動用アンプ123に供給する。
【0038】
図22は、
図21に示す駆動システムを用いた2次元画像の描画動作において主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの制御部の動作を示すフローチャートである。
図22に示すように、実施形態2では、制御部150は、
図20におけるステップS101〜S109と同様の動作を実行することで、主走査のゲインを決定して振幅を固定する。つぎに、制御部150は、主走査ゲインをパラメータBで除算して電圧Vhmを求めるとともに、副走査ゲインをパラメータAで除算することで電圧Vhsを求める(ステップS210)。なお、電圧VhmおよびVhsの算出方法は、実施形態1におけるステップS110で説明した算出方法と同様であってよい。つぎに制御部150は、主走査駆動用の電源部261の電圧を電圧Vhmに設定し、副走査駆動用の電源部262の電圧をVhsに設定する(ステップS211)。
【0039】
以上のように、実施形態2では、主走査および副走査それぞれを駆動する電圧VhmおよびVhsを別々に設定することが可能となるため、主走査駆動用の電圧Vhmを独立して低下させることができ、それにより、より消費電力を削減することが可能となる。また、主走査駆動用の回路部品に、比較的高耐圧が求められる副走査駆動用の回路部品とは異なり、一般的な部品を使用することが可能となるため、回路部品のコストダウンが可能となる。なお、その他の構成、動作および効果は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
つぎに、実施形態3について説明する。上述の実施形態で例示した駆動システムおよび駆動制御方法は、映像機器に採用することもできる。それにより、消費電力が小さく且つ高性能な光スキャナを搭載した映像機器を得ることができる。
【0041】
つぎに、実施形態4について説明する。上述の実施形態1および2で例示した駆動システムは、光偏向器として作用することができる。そのため、これらの駆動システムは、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなどの画像投影装置や画像投影装置を搭載した移動体装置などに搭載することが可能である。以下に、上述の実施形態1および2で例示した駆動システムを搭載した画像投影装置を、実施形態4として図面を用いて詳細に説明する。
【0042】
図23は、実施形態4にかかる画像投影装置の概略構成例を示す模式図である。
図23に示すように、画像投影装置1000は、赤色レーザ光源1001と、緑色レーザ光源1002と、青色レーザ光源1003と、コリメートレンズ1004と、光路合成手段1005と、2次元光偏向器1009と、LD駆動部1011と、光偏向器駆動部1012と、制御部1013と、記憶部1014とを備える。上述した実施形態1または2にかかる駆動システムは、光偏向器駆動部1012に組み込まれる。ただし、駆動システムにおけるフォトダイオード151および152は、2次元光偏向器1009など、走査されたレーザ光が入光する位置であれば適宜変更可能である。
【0043】
コリメートレンズ1004および光路合成手段1005は、レーザ光源1001〜1003から出力されたレーザ光を2次元光偏向器1009の反射ミラー1100(
図24参照)へ入射させる光学系を構成する。赤色レーザ光源1001、緑色レーザ光源1002および青色レーザ光源1003のそれぞれから発せられた光は、コリメートレンズ1004によってそれぞれ平行光になって出射される。
図23に示す例では、赤色レーザ光源1001として波長642nm、緑色レーザ光源1002として波長520nm、青色レーザ光源1003として波長450nmの光源をそれぞれ用いた。
【0044】
コリメートレンズ1004でコリメートされたレーザ光は、光路合成手段1005に入射される。光路合成手段1005は、3本の光路を1つの光路に合成するものであり、ダイクロイックミラーなどの光路合成プリズムで構成されている。この光路合成手段1005は、光源の数に対応した数の反射面を有してよい。したがって、
図23に示す例では、光路合成手段1005は、3つの反射面1006、1007および1008を有する。
【0045】
反射面1006には、赤色の波長のレーザ光を反射し、緑色、青色の波長のレーザ光を透過するダイクロイック膜が形成されている。反射面1007には、緑色の波長のレーザ光を反射し、青色の波長のレーザ光を透過するダイクロイック膜が形成されている。反射面1008は、青色の波長のレーザ光を反射する。このような反射面1006〜1008を備えることで、光路合成手段1005は3つの光路を1つの光路に合成する。
【0046】
合成されたレーザ光は、2次元光偏向器1009によってスクリーン1010を2次元に走査するように偏向される。スクリーン1010への画像の形成は、2次元光偏向器1009によるレーザ光の2次元光走査と、各レーザ光源1001〜1003の強度変調とによって行なわれる。このとき、各レーザ光源1001〜1003の強度変調信号は、LD駆動部1011から送られる。2次元光偏向器1009への動作信号は、光偏向器駆動部1012より送られる。画像を形成するためのLD駆動部1011および2次元光偏向器1009の制御は、制御部1013で行われる。記憶部1014には、2次元光偏向器1009を駆動するための初期データが格納されている。
【0047】
つづいて、実施形態4における2次元光偏向器1009のより具体的な構成例を、以下に図面を用いて詳細に説明する。
図24は、実施形態4にかかる2次元光偏向器の概略構成例を示す模式図である。
【0048】
図24に示すように、2次元光偏向器1009は、レーザ光を反射させる反射ミラー1100を中心部に備える。反射ミラー1100は、一対のトーションバー1101で支持されている。トーションバー1101の端部は、それぞれ圧電カンチレバー1102の一端に支持されている。圧電カンチレバー1102の他端は、それぞれ可動枠1103に支持されている。可動枠1103は、複数の折り返し部を有して蛇行して形成された一対の梁部(蛇行状梁部)1104で支持されている。蛇行状梁部1104は、素子枠部材1105に支持されている。蛇行した各梁部には、独立の圧電部材1106aおよび1106bが設けられている。
【0049】
図24に示す構成では、圧電カンチレバー1102を駆動することで、反射ミラー1100を支持するトーションバー1101にねじれが発生し、それにより、反射ミラー1100がY軸周りに回転振動する。ここでは、圧電カンチレバー1102に対して正弦波による駆動を行い、反射ミラー1100の回転に機械的共振を利用する。
【0050】
一方、蛇行状梁部1104を駆動することで、可動枠1103がX軸周りに回転し、これに応じて反射ミラー1100もX軸周りに回転する。具体的には、蛇行状梁部1104の蛇行した各梁部に独立に設けられた圧電部材1106aおよび1106bの一つおきにのこぎり波による電圧印加を行う。ここでは、圧電部材1106a同士が同じ波形の電圧印加パターンであり、圧電部材1106b同士が同じ波形の電圧印加パターンである。電圧印加パターンの一例を
図25に示す。
図25では、縦軸が電圧値を示し、横軸が時間を示す。
図25に例示するような電圧印加パターンによれば、蛇行状梁部1104の一つおきにのこぎり波の位相の調整が行われ、それにより、蛇行状梁部1104が回転駆動する。このような駆動により、均一性の高い光走査が可能になる。
【0051】
なお、
図23では、画像投影装置1000の一例としてプロジェクタ装置を示しているが、これに限らず、頭に装着するヘッドマウントディスプレイや、スクリーンとして拡散板やマイクロレンズアレイを使用し、フロントガラスなどの半透明板などを使って虚像を形成するヘッドアップディスプレイなどへ適用することができる。
図26に、ヘッドアップディスプレイの概略構成例を示す。
図26に示すように、ヘッドアップディスプレイ1200は、
図23に示す画像投影装置1000と同様の構成において、2次元光偏向器1009の先の光路上に、複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ1115と、半透明板1116(例えばコンバイナやフロントガラス)とが配置された構成を備える。
図26に示す構成では、2次元光偏向器1009による第1軸および第2軸周りのレーザ光の偏向動作に伴い、マイクロレンズアレイ1115上に画像が形成される。そして、半透明板1116を介して画像が拡大された虚像1117を視点1118より視認することができる。この場合、マイクロレンズアレイ1115によりレーザ光が拡散されるため、スペックルノイズの低減された虚像1117となる。半透明板1116には、車両の窓ガラス等を使うことも可能である。
【0052】
このような構成を備えるヘッドアップディスプレイ1200は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等の移動体に搭載することができる。そこで、ヘッドアップディスプレイ1200と、ヘッドアップディスプレイ1200が搭載される移動体とを備える移動体装置を提供することができる。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0054】
上記実施形態の駆動システムは、アクチュエータを駆動させることにより動作する装置であれば適用可能であり、例えば、反射面を有したアクチュエータを駆動させることにより、レーザ光源から照射されたレーザ光を対象方向に光走査し、対象方向からの反射光により対象方向に存在する物体を認識する物体認識装置に適用可能である。物体認識装置は、例えば、レーザレーダ、レーザ3次元計測装置、生体認証装置等である。
【0055】
また、上記実施形態の駆動システム100および200では、光検知部であるフォトダイオード151(
図14のPD951に相当)/152(
図14のPD−X952に相当)による入光検知回数が規定回数以上となるまでゲインを増加しているが、他にも
図27および
図28に示すように、描画領域(
図14参照)外で短い周期でフォトダイオード151/152に入光するようなレーザの走査軌跡である場合に、フォトダイオード151/152に先(往路)に入光した光がフォトダイオード151/152を通り過ぎた時間T1と、後(復路)に戻ってきてフォトダイオード951/952に入光した時間T2との時間差T3(
図28参照)が所定の値より大きくなるまでゲインを増加する構成としてもよい。これにより、設定時にマージンを一定以上にすることや、時間経過によりマージンが大きくなりすぎている場合に電圧値を小さくすることで、より省エネ効果が向上する。また、ゲインを最大にしてもマージンを一定以上にすることができない場合は、故障しているとして制御装置が故障情報を出力する構成にしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態の制御部150は、環境温度が変化した情報を取得した場合や、起動してから所定の時間経過した場合に、チェックモードとして再度上記実施形態で説明した振幅調整を行ってもよい。これにより、環境変化や時間変化により振幅が変化した場合においても安定した振幅を保つことができる。
【0057】
ここで、
図27および
図28に示したように、フォトダイオード151/152を通過した光が再入光するまでの時間(時間差T3)が所定の値より大きくなるまでゲインを増加するように構成した場合の主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの流れを、
図29を用いて説明する。
図29は、主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの制御部の動作例を示すフローチャートである。
図29に示す動作では、上述において
図15を用いて説明した動作と同様の動作において、
図15のステップS905がステップS301に、ステップS907がステップS302に、それぞれ置き換えられている。
【0058】
図29のステップS301では、制御部150は、フォトダイオード152から取得した検知信号を用いて、フォトダイオード152に先(往路)に入光した光がフォトダイオード152を通り過ぎた時間T1と、後(復路)に戻ってきてフォトダイオード152に入光した時間T2とからこれらの時間差(Y軸方向時間差)T3を求め、求められたY軸方向時間差T3が予め規定しておいた所定の値以上となるまで、すなわち副走査がマージンYを含めた振幅に達するまで継続する(ステップS301;NO)。その後、副走査がマージンYを含めた振幅に達すると(ステップS301;YES)、ステップS906へ移行して副走査のゲインが決定され、振幅が固定される。なお、フォトダイオード152から取得した検知信号にはノイズが含まれているため、制御部150は、取得した信号のうち所定の値より大きい値の信号を検知信号として取り出して、上述のY軸方向時間差T3を求めてもよい。
【0059】
図29のステップS302では、フォトダイオード151から取得した検知信号を用いることで、主走査の振幅について、フォトダイオード151を先に入光した光が出ていった時間T1と後に光が入光した時間T2とからこれらの時間差(X軸方向時間差)T3を求め、求められたX軸方向時間差T3が予め規定しておいた所定の値以上となっていなければ(ステップS302;NO)、そのままゲインを決定して振幅を固定し(ステップS909)、本動作を終了する。一方、X軸方向時間差T3が予め規定しておいた所定の値以上となっていた場合には(ステップS302;YES)、副走査の振幅が確定する時間にリミットからマージンXを含んだ振幅まで減少され(ステップS908)、ステップS302へリターンする。以上のような動作により、
図16および
図17で説明した動作と同様にして、主走査および副走査が定常状態に落ち着く。なお、フォトダイオード152から取得した信号と同様に、フォトダイオード151から取得した検知信号にはノイズが含まれているため、制御部150は、取得した信号のうち所定の値より大きい値の信号を検知信号として取り出して、上述のX軸方向時間差T3を求めてもよい。また、ステップS301およびS302以外の動作は、
図15で説明した動作と同様であってよいため、ここでは重複する説明を省略する。
【0060】
また、上述において
図27を用いて説明した構成では、光の走査経路が描画領域(
図14参照)外で往復して同一のフォトダイオード151/152に入光する場合を例示したが、この構成に限定されるものではない。たとえば上記の実施形態において、光検知部であるフォトダイオードを近接して2つ設け、これら2つのフォトダイオードに1つの往路または経路で連続して光が入射するように構成することも可能である。このような構成の場合、一方のフォトダイオード(たとえば走査経路における上流側のPD)が受光した時間T3と、他方のフォトダイオード(たとえば走査経路における下流側のPD)が受光した時間T4との時間差T6が所定の値より小さくなるまでゲインを増加する構成とすることができる。
【0061】
これにより、設定時に時間差T6のマージンを一定以上にすることや、時間経過によりマージンが大きくなりすぎている場合に電圧値を小さくすることで、より省エネ効果が向上する。また、ゲインを最大にしてもマージンを一定以上にすることができない場合は、故障しているとして制御装置が故障情報を出力する構成にしてもよい。
【0062】
ここで、
図30および
図31を用いて、近接する2つのフォトダイオードにそれぞれ入射した光の入射時間の時間差(時間差T6)が所定の値より大きくなるまでゲインを増加するように構成した場合の主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの流れを説明する。
図30は、上記実施形態における光検知部であるフォトダイオードが近接して2つ設けられた場合の一例を説明するための図である。時間差T6は、一方のフォトダイオード(たとえば走査経路における上流側のPD151a)が受光した時間T3と、他方のフォトダイオード(たとえば走査経路における上流側のPD151b)が受光した時間T4との時間差である。なお、
図30において、フォトダイオード151aおよび151bは、たとえば
図19または
図21におけるフォトダイオード151または152に相当するものである。すなわち、本説明では、上述の実施形態におけるフォトダイオード151および152が、それぞれ2つのフォトダイオード151aおよび151bにより構成されている。
【0063】
図31は、主走査および副走査が定常状態に落ち着くまでの制御部の動作例を示すフローチャートである。
図31に示す動作では、上述において
図15を用いて説明した動作と同様の動作において、
図15のステップS905がステップS401に、ステップS907がステップS402に、それぞれ置き換えられている。
【0064】
図31のステップS401では、制御部150は、フォトダイオード151aから取得した検知信号およびフォトダイオード151bから取得した検知信号を用いて、フォトダイオード151aに光が入射した時間T4と、フォトダイオード151bに光が入射した時間T5を求め、T4とT5の時間差(Y軸方向時間差)T6を算出する。算出された時間差T6が予め規定しておいた所定の値以下となるまで、すなわち、副走査がマージンYを含めた振幅に達するまで継続する(ステップS401;NO)。その後、副走査がマージンYを含めた振幅に達すると(ステップS401;YES)、ステップS906へ移行して副走査のゲインが決定され、振幅が固定される。なお、フォトダイオード151aおよび151bから取得した検知信号にはノイズが含まれているため、制御部150は、取得した信号のうち所定の値より大きい値の信号を検知信号として取り出して、上述のY軸方向時間差T6を求めてもよい。
【0065】
図31のステップS402では、フォトダイオード151aおよび151bから取得した検知信号を用いることで、主走査の振幅について、フォトダイオード151aに光が入射した時間T4と、フォトダイオード151bに光が入射した時間T5を求め、T4とT5の時間差T6(X軸方向時間差)を算出する。算出されたX軸方向時間差T6が予め規定しておいた所定の値以下となっていなければ(ステップS402;NO)、そのままゲインを決定して振幅を固定し(ステップS909)、本動作を終了する。一方、X軸方向時間差T6が予め規定しておいた所定の値以下となっていた場合には(ステップS402;YES)、副走査の振幅が確定する時間にリミットからマージンXを含んだ振幅まで減少され(ステップS908)、ステップS302へリターンする。以上のような動作により、
図16および
図17で説明した動作と同様にして、主走査および副走査が定常状態に落ち着く。なお、フォトダイオード152から取得した信号と同様に、フォトダイオード151から取得した検知信号にはノイズが含まれているため、制御部150は、取得した信号のうち所定の値より大きい値の信号を検知信号として取り出して、上述のX軸方向時間差T6を求めてもよい。また、ステップS401およびS402以外の動作は、
図15で説明した動作と同様であってよいため、ここでは重複する説明を省略する。
【0066】
また、上記実施形態の駆動システム100および200におけるアクチュエータ130を除いた構成は、アクチュエータ制御装置ともいう。
図32に、アクチュエータ制御装置の概略構成例を示す。
図32に示すように、アクチュエータ制御装置1500は、CPU(Central Processing Unit)1501、RAM(Random Access Memory)1502、ROM(Read Only Memory)1503、FPGA(Field-Programmable Gate Array)1504、外部インタフェース(I/F)1505、およびアクチュエータドライバ1506を備えている。これらの構成のうち、CPU1501、RAM1502、ROM1503および外部I/F1505は、たとえば上述における制御部150(
図19、
図21等参照)を構成する。また、FPGA1504は上述した波形生成部110に相当し、アクチュエータドライバ1506は、たとえば
図19における主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123および電源部160、または、
図21における主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123および2つの電源部261および262に相当する。
【0067】
CPU1501は、ROM1503等の記憶装置からプログラムやデータをRAM1502上に読み出し、処理を実行して、制御部150の全体の制御や機能を実現する演算装置である。RAM1502は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。ROM1503は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU1501が駆動システム100/200の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。RAM1502および/またはROM1503は、制御に関わるパラメータや光検出部(PD151、PD−X152等)から取得した信号を記憶する記憶部の機能を備える。
【0068】
FPGA1504は、CPU1501の処理に従って、アクチュエータドライバ1506に適した制御信号を出力する回路であり、上述した波形生成部110の機能を備える。外部I/F1505は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、光検出部(PD151、PD−X152等)、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F1505は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F1505が用意されてもよい。
【0069】
アクチュエータドライバ1506は、上述したように、たとえば
図19における主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123および電源部160、または、
図21における主走査駆動用アンプ121、副走査駆動用アンプ123および2つの電源部261および262に相当し、FPGA1504から入力された信号をアンプ(AMP121、123等)により増幅してアクチュエータ130に出力する電気回路である。なお、アクチュエータドライバ1506は、FPGA1504に組み込まれていてもよい。
【0070】
アクチュエータ制御装置1500において、CPU1501は、外部I/F1505を介してフォトダイオード151および152の信号を取得する。上述した実施形態に係るアクチュエータ制御装置1500は、CPU1501の命令および
図32に示したハードウェア構成によって、上記に説明する機能構成を実現することができる。