(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版の周回移動方向に沿って前記基材を移動させる動作である請求項1又は請求項2に記載のスクリーン印刷方法。
前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる動作である請求項1又は請求項2に記載のスクリーン印刷方法。
前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版の周回移動方向に沿って前記基材を移動させる動作である請求項6又は請求項7に記載の印刷層付き基材の製造方法。
前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる動作である請求項6又は請求項7に記載の印刷層付き基材の製造方法。
前記相対移動駆動機構は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる機構である請求項11又は請求項12に記載のスクリーン印刷装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1、2に記載の印刷方法においては、平坦なスクリーン版が用いられる。そのため、平坦面からの押し込み限界量以上の曲げ深さを有する物品の被印刷面には、スクリーン版が届かず、印刷ができない。また、平坦なスクリーン版を使用するため、凸部と凹部の両方を有する物品の被印刷面には、凹部の印刷の際に凸部がスクリーン版と干渉する場合があり、これによっても印刷ができなくなる。
【0005】
本発明の目的は、スクリーン版の平坦面から押し込み限界量以上の曲げ深さを有する物品の被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する物品の被印刷面に印刷できるスクリーン印刷方法及びスクリーン印刷装置、並びに印刷層付き基材の製造方法及び基材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記構成からなる。
(1) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷方法であって、
印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スクリーン版の帯幅方向に沿ってスクリーン内周側に設けたスキージを、前記基材上で掃引して、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記被印刷面に転写して前記印刷層を形成する工程と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する工程と、を含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。
(2) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷方法であって、
印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スクリーン版の帯幅方向に沿ってスクリーン内周側に設けたスキージを、前記基材上で掃引して、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記被印刷面に転写して前記印刷層を形成する工程と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする工程と、を含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。
(3) 印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて基材と前記スクリーン版を相対移動させ、前記スクリーン版に載せた印刷材料をスキージにより被印刷面に転写して印刷層を形成する曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法であって、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする、
曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法。
(4) 印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて基材と前記スクリーン版を相対移動させ、前記スクリーン版に載せた印刷材料をスキージにより被印刷面に転写して印刷層を形成する曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法であって、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する、
曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法。
(5) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷装置であって、
前記基材の上方に配置され、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版と、
前記スクリーン版の帯幅方向に沿ったスクリーン内周側に設けられ、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記基材の被印刷面に転写して前記印刷層を形成するスキージと、
前記スクリーン版を周方向に沿って周回駆動するスクリーン周回駆動部と、
周回駆動される前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スキージを前記基材上で掃引する相対移動駆動機構と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する揺動駆動機構と、を具備することを特徴とするスクリーン印刷装置。
(6) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷装置であって、
前記基材の上方に配置され、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版と、
前記スクリーン版の帯幅方向に沿ったスクリーン内周側に設けられ、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記基材の被印刷面に転写して前記印刷層を形成するスキージと、
前記スクリーン版を周方向に沿って周回駆動するスクリーン周回駆動部と、
周回駆動される前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スキージを前記基材上で掃引する相対移動駆動機構と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする揺動駆動機構と、を具備することを特徴とするスクリーン印刷装置。
(7) (4)又は(5)に記載のスクリーン印刷装置に用いられる前記基材であって、
凹部と凸部の形成される前記被印刷面に、前記印刷層を有する基材。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスクリーン印刷方法及びスクリーン印刷装置、並びに印刷層付き基材の製造方法及び基材によれば、スクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する物品の被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する物品の被印刷面に印刷できる。また、スクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有した被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面に印刷層を備えた、従来では実現できなかった基材を得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
図1はスクリーン印刷方法を説明するための模式図である。
【0010】
本スクリーン印刷方法は、曲面形状を有する基材11の被印刷面13に、印刷層15を形成するものであり、概略的には次に示す工程を含む。まず、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版17を、そのスクリーン版17の周方向に沿って周回駆動させる。基材11とスクリーン版17は、周回駆動したスクリーン版17の周速度に合わせて相対移動させる。スキージ19は、スクリーン版17の帯幅方向(
図1の紙面に垂直な方向)に沿ってスクリーン内周側に設けられる。このスキージ19を、基材11上で掃引することにより、スキージ19は、スクリーン版17に載せた印刷材料21を被印刷面13に転写して印刷層15を形成する。上記が印刷層形成工程である。
【0011】
本スクリーン印刷方法は、上記の印刷層形成工程の他に、アタック角保持工程が含まれる。アタック角保持工程においては、基材11とスキージ19の少なくとも一方を、基材11の曲面形状に応じて揺動させる。この揺動によって、スキージ19と基材11との成すアタック角θは一定に維持される。なお、ここでいうアタック角とは、スキージ19の先端がスクリーン版17を介して基材11と接する接点における接線と、スキージ19のスクリーン版17の周回駆動上流側の面でスキージ先端を含む仮想線とで形成される角のうち、周回駆動上流側の角を意味する。
【0012】
基材11とスクリーン版17との相対移動は、スクリーン版17の周回移動方向に沿って基材側を移動させる動作となる。また、印刷材料21は、スクリーン版17の内周面に印刷前に供給しておく。また、印刷材料21は、印刷開始後に任意のタイミングで供給することであってもよい。
【0013】
次に、上記のスクリーン印刷方法を実施するためのスクリーン印刷装置について説明する。
図2はスクリーン印刷装置の第1構成例を示す側面図である。
本構成例のスクリーン印刷装置100は、基材11の上方に配置され、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版17と、スクリーン版17に載せた印刷材料を基材11の被印刷面13に転写して印刷層15を形成するスキージ19と、スクリーン版17を周方向に沿って周回駆動するスクリーン周回駆動部59を備える。また、スクリーン印刷装置100は、詳細は後述するが、基材11とスクリーン版17とを相対移動させ、スキージを基材11上で掃引する相対移動駆動機構と、スキージ19と基材11との成すアタック角を一定にする揺動駆動機構とを備える。
【0014】
スキージ19は、スクリーン版17を介して印刷材料を基材11の被印刷面13に転写して印刷層15をできればよい。スキージ19の材質は、一般的なゴム製に限らず、その他の樹脂、金属などの材質を使用できる。
【0015】
ベース23は、支持基台25が固定され、支持基台25には台座ホルダ31が支持される。台座ホルダ31は、基材11を固定する台座35を支持し、相対移動駆動機構と揺動駆動機構との一部である駆動部27によって、台座ホルダ31の長軸方向(
図2の水平方向)に駆動される。これにより、台座35上の基材11の被印刷面13にスクリーン版17が転動しながら印刷が行われる。
【0016】
支持基台25は、その両側部にそれぞれカムフォロア29を備える。一対のカムフォロア29は、支持基台25に回転自在に支持される。カムフォロア29は、台座ホルダ31を、台座ホルダ31の長軸方向である
図2の水平方向に往復移動自在に支持する。
【0017】
台座ホルダ31の短軸方向の両側面(
図2の紙面表裏側の面)には、台座ホルダ31の長軸方向に一対のカム溝33が延設される。図示例では、手前側のカム溝33のみ示しているが、カム溝33の裏側にも図示しないカム溝が延設されている。これらカム溝33は、基材11の被印刷面13に沿う曲溝で形成される。
【0018】
カムフォロア29とカム溝33は、揺動駆動機構43の一部として正面カムを構成する。正面カムは、板(台座ホルダ31)の側面に板厚方向に凹む輪郭曲線の溝が形成され、この溝に原動節であるカムフォロア29が嵌め込まれる。このカム機構によれば、原動節であるカムフォロア29がカム溝33に嵌りながら運動することで、台座ホルダ31への確実な動力伝達が行え、台座ホルダ31の高速、高精度な運動が可能となる。
【0019】
本構成の基材11は、被印刷面13が曲面形状を有する。被印刷面13の曲面形状は、下側に凹む凹曲面となる。更に詳細には、被印刷面13の凹曲面は、中央が水平面となり、その両側が曲面の上り傾斜面となる。水平面と傾斜面との高低差はDとなる。台座ホルダ31は、カム溝33がカムフォロア29に係合して、駆動部27によって駆動される。これにより、基材11は、支持基台25に対して
図2の左右方向に、上記の水平面と傾斜面とに沿った往復移動が可能となる。
【0020】
台座ホルダ31の上面に固定される台座35は、基材11より柔らかい材料、例えば、カーボンや樹脂で構成される。樹脂としては、例えば、ベークライト(登録商標)、PEEK(ピーク:登録商標)、塩化ビニル、POM(ジュラコン:登録商標)等を使用できる。これらの樹脂は、導電性を付与するための導電膜等による表面処理やカーボン等の混合等が施されていてもよい。また、台座35は、基材11の被印刷面13と略同じ形状の、下側に凹む形状の表面を有する。この台座35は、ボルト37により台座ホルダ31に締結される。
【0021】
台座35は、少なくとも表面の体積抵抗率が、好ましくは10
9Ωm以下であり、10
7Ωm〜10
8Ωmがより好ましい。これにより、印刷時に発生する静電気を抑制し、被印刷面13からのスクリーン版17の版離れを良化させる。更に、印刷材料21の切れがよくなり、版を汚染することなく印刷精度が向上する。また、静電気の発生が低減されるため、塵埃等の異物を引き寄せず、良好な印刷層15を形成できる。
【0022】
台座35の上面には複数の孔が開口する。孔は、真空装置(図示略)に接続されて、孔から外部空気が吸引される。台座35の上面に載置された基材11は、各孔の吸引によって台座35に真空吸着される。なお、台座35は、基材11と同一形状の溝(図示略)を有し、この溝内に基材11が嵌め込まれる。
【0023】
支持基台25と台座ホルダ31との間には、ベルト又はチェーン(図示略)を用いた相対移動駆動機構41が設けられる。相対移動駆動機構41は、周回駆動されるスクリーン版17の周速度に合わせて、台座ホルダ31をスクリーン版17に対して相対移動させる。すなわち、相対移動駆動機構41は、スキージ19のスクリーン版17との接触位置において、スクリーン版17の周回移動方向に沿って、台座ホルダ31を駆動する。その結果、定位置で回転するスクリーン版17に対し、基材11が台座35を介して相対移動して、基材11上でスキージ19による掃引がなされる。
【0024】
一方、カム溝33とカムフォロア29は、揺動駆動機構43を構成する。揺動駆動機構43は、基材11とスキージ19の少なくとも一方を、基材11の曲面形状に応じて曲面形状の曲率中心を中心に揺動させる。本構成においては、揺動駆動機構43が正面カムとなり、基材11を揺動させる。基材11は、カム溝33とカムフォロア29で構成される正面カムにより、基材11の曲率中心を中心に揺動可能となる。この揺動動作によって、スキージ19と基材11との成すアタック角θが一定に維持される。
【0025】
本構成の基材11の場合、台座35及び台座ホルダ31は、カム溝33の両脇側に形成された曲溝の領域で、基材11の曲率中心とカム溝33の曲率中心が一致し、この曲率中心を軸として揺動する。
【0026】
次に、スクリーン版17の支持機構について説明する。
支持基台25には、スクリーン支持フレーム45が立設される。スクリーン支持フレーム45は、円筒状のスクリーン版17を回転自在に支持するスクリーン支持ブラケット47が取り付けられる。
【0027】
図3は
図2のA−A線断面図である。
スクリーン支持ブラケット47は、ブラケット本体51の両端部にブラケット側板53が垂設される。一対のブラケット側板53は、軸55の両端を固定する。この軸55は、一対のブラケット側板53の間に、円筒状のスクリーン版17を有するスクリーンユニット56を回転自在に支持する。
【0028】
スクリーンユニット56は、内径側に軸55を支持する転がり軸受58が取り付けられ、外径側に円筒状のスクリーン版17が取り付けられた、一対の円柱形状のスクリーン枠57を有する。一対のスクリーン枠57とスクリーン版17とは、不図示の柱部によって一体とされ、低摩擦で軸55に回転自在に支持される。スクリーン支持フレーム45とスクリーン支持ブラケット47との間には、バネ等の付勢部材49が設けられる。付勢部材49は、スクリーン支持ブラケット47を台座35側へ付勢可能にする。
【0029】
スクリーンユニット56は、基材11の上方に配置される。スクリーン版17には、印刷パターンが形成され、帯板の長手方向両端同士を接続して断面円形の無端帯状として形成される。
【0030】
スクリーン版17は、Niメッキのステンレス版を好適に使用できる。Niメッキのステンレス版は、一般的な樹脂(例えばテトロン(登録商標))製の版と比較して剛性が高くて歪みにくい。そのため、円筒形状の形状維持が良好となり、印刷歪みの発生を防止できる。
【0031】
スクリーン版17は、スクリーン周回駆動部59によって、軸55を中心に回転駆動される。スクリーン周回駆動部59は、スクリーン駆動モータ61と、歯車や摩擦ローラ等の回転伝達部材63と、を有する。スクリーン駆動モータ61は、駆動軸を軸55と平行にしてスクリーン支持ブラケット47に固定される。スクリーン駆動モータ61は、駆動軸に回転伝達部材63が固定され、回転伝達部材63によって、スクリーン駆動モータ61の回転を一方のスクリーン枠57に伝達する。これにより、スクリーン周回駆動部59は、スクリーンユニット56を回転駆動し、スクリーン版17を周方向に沿って周回させる。
【0032】
スキージ19は、スクリーン内周側にスクリーン版17の帯幅方向に沿って設けられる。スキージ19は、スキージ基部65が軸55に固定され、スキージ先端部67がスクリーン版17の内周面に当接する。このスキージ19は、台座35の保持溝39に嵌め込まれ、真空吸着された基材11の被印刷面13に、印刷材料21(
図1参照)を転写して、印刷層を形成する。
【0033】
スクリーン版17は、一定のテンションを有してスクリーン枠57に張られる。スキージ19は、スキージ先端部67がスクリーン版17を半径方向外側に押圧することで、印刷材料21をスクリーン版17が有する印刷パターンで被印刷面13に押し出す。これにより、被印刷面13に印刷層が形成される。
【0034】
なお、スクリーン印刷装置100は、スクリーン版17の内周面に印刷材料21を供給する印刷材料供給部(図示略)を備える。印刷材料供給部は、印刷による印刷材料21の消費量に応じ定期的に印刷材料21をスクリーン版17の内周面側に供給可能とする。
【0035】
次に、上記構成のスクリーン印刷装置100の作用を説明する。
図4はスクリーン印刷方法による曲面形状の被印刷面への印刷過程を(A)〜(C)に段階的に示す動作説明図である。
本構成例のスクリーン印刷方法では、
図4(A)に示すように、不図示のスクリーン周回駆動部によって、無端帯状のスクリーン版17が例えば反時計回りに周回駆動する。相対移動駆動機構は、このスクリーン版17の周回駆動と同期して、すなわち、スクリーン版17の周速度に合わせて基材11を移動させる。本構成では、スクリーン版17が定位置に支持され、基材11が台座35を介して
図4(B)、
図4(C)に示すように図中左側から右側へ向けて駆動される。
【0036】
更に、揺動駆動機構は、基材11の曲面形状に沿ったカム溝33に倣い、台座35を基材11の曲面形状の曲率中心を中心にして揺動させる。これにより、基材11上のスキージ19による押圧点(スキージ19とスクリーン版17との接触点と同じ位置)においては、
図5に示すように、各接触点において常に一定のアタック角θで被印刷面13に接する。なお、本構成以外でも、スキージ19が、スクリーン版17の曲面形状における曲率中心を中心に、被印刷面13に対して相対的に揺動自在に支持され、アタック角θを一定にできる構成であればよい。これにより、印刷材料21の安定した押し出し圧が得られ、滲み等の抑制された高精細な転写(印刷)が可能となる。
【0037】
アタック角θは、前述したように、スキージ19と基材11とで形成される角度のうち、スクリーン周回駆動上流側の角を示す。このアタック角θは、90°以下が好ましく、80°以下がより好ましい。またアタック角θは50°以上が好ましく、60°以上がより好ましい。この範囲であると、版離れが良好であるため、滲み等が抑制された高精細な印刷が可能となる。なお、曲面形状でのアタック角θは、スキージ19による押圧点での基材11の接線と、スキージ19とでできる角を示す。
【0038】
また、スクリーン版17は、被印刷面13との接触点近傍では、被印刷面13と垂直に接した後、版離れする際に相互に擦れることがない。すなわち、スクリーン版17と被印刷面13の接触点においては、スクリーン版17と被印刷面13とが相互に滑ることはない。このため、スキージ19によってスクリーン版17の内周面から被印刷面13側に押し出された印刷材料21は、スクリーン版17の印刷パターンに従って被印刷面13に正確な形状で転写される。
【0039】
その際、スクリーン版17は、無端帯状とされて基材11に押し当てられた状態で基材11と相対移動する。そのため、これまで平坦状のスクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する被印刷面13や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面13に対しても、スクリーン版17を適正に被印刷面13へ当接させられる。よって、適正な印刷条件で印刷が可能となる。
【0040】
また、このスクリーン印刷方法では、定位置で周回駆動されるスクリーン版17に対して基材11が移動する。この構成によれば、相対移動駆動機構41を、基材側にのみ設ければよく、スクリーン印刷装置100の構造を簡素にできる。
【0041】
そして、このスクリーン印刷方法では、印刷材料供給部を備えることで、印刷材料21を、スクリーン内周側で所定量に維持できる。これにより、印刷材料21の押し出し量の変動が抑制され、安定的な印刷が可能となる。また、複数の基材11を、連続して印刷でき、安定した印刷品質の基材11を量産できる。
【0042】
なお、ここでの基材11は、透光性を有するガラスが好適に用いられる。このようなガラスの基材11の適用先としては、例えば、自動車、電車、船舶、航空機等の輸送機の内装が挙げられる。より具体的には、自動車のインストルメントパネル、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ダッシュボード、センターコンソール、シフトノブ等の内装部品に上記基材11を好適に使用できる。これにより、内装部品に高い意匠性や高級感等を付与でき、輸送機の内装デザインを向上させられる。
【0043】
また、基材11としては、ガラスや、セラミクス、樹脂、木材、金属等の板が挙げられ、特にガラスとしては、無色透明の非晶質ガラスの他、結晶化ガラスや色ガラス等が挙げられる。また、上記ガラスとしては、無機ガラスであることが好ましい。無機ガラスにすることで、アクリル樹脂やポリカーボネート等の有機ガラスに比べ、高硬度で、且つ、透明度が低下しにくくなる。よって、耐久性を高められる。
【0044】
ガラスとして、例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボロンシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスを使用できる。厚さが薄くても強化処理によって大きな応力が入りやすく、薄くても高強度なガラスが得られる、アルミノシリケートガラスの使用が好ましいが、これに限らない。
【0045】
ガラス組成の具体例としては、モル%で表示した組成で、SiO
2を50〜80%、Al
2O
3を0.1〜25%、Li
2O+Na
2O+K
2Oを3〜30%、MgOを0〜25%、CaOを0〜25%及びZrO
2を0〜5%含むガラスが挙げられるが、特に限定されない。より具体的には、以下のガラスの組成が挙げられる。なお、例えば、「MgOを0〜25%含む」とは、MgOは必須ではないが25%まで含んでもよい、の意である。(i)のガラスはソーダライムシリケートガラスに含まれ、(ii)及び(iii)のガラスはアルミノシリケートガラスに含まれる。
(i)モル%で表示した組成で、SiO
2を63〜73%、Al
2O
3を0.1〜5.2%、Na
2Oを10〜16%、K
2Oを0〜1.5%、Li
2Oを0〜5%、MgOを5〜13%及びCaOを4〜10%を含むガラス。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO
2を50〜74%、Al
2O
3を1〜10%、Na
2Oを6〜14%、K
2Oを3〜11%、Li
2Oを0〜5%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%及びZrO
2を0〜5%含有し、SiO
2及びAl
2O
3の含有量の合計が75%以下、Na
2O及びK
2Oの含有量の合計が12〜25%、MgO及びCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成が、SiO
2を68〜80%、Al
2O
3を4〜10%、Na
2Oを5〜15%、K
2Oを0〜1%、Li
2Oを0〜5%、MgOを4〜15%及びZrO
2を0〜1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成が、SiO
2を67〜75%、Al
2O
3を0〜4%、Na
2Oを7〜15%、K
2Oを1〜9%、Li
2Oを0〜5%、MgOを6〜14%及びZrO
2を0〜1.5%含有し、SiO
2及びAl
2O
3の含有量の合計が71〜75%、Na
2O及びK
2Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス。
【0046】
なお、上記した相対移動駆動機構や揺動駆動機構は一例であって、これに限らない。相対移動機構として、例えば、互いに直交するX軸、Y軸、及び鉛直軸であるZ軸、X軸又はY軸と平行な軸を中心に揺動する揺動軸の少なくともいずれかを駆動する機構を備えるステージを用いてもよい。
【0047】
<第1構成例の変形例>
図6は第1構成例の変形例としてのスクリーン印刷装置の側面図である。
本変形例のスクリーン印刷装置100Aは、台座ホルダ69、台座71、及びカム溝73が、上述したスクリーン印刷装置100と異なる。他の構成はスクリーン印刷装置100と同様である。基材11は、被印刷面13に凸部と凹部とを有する。カム溝73は、この被印刷面13の曲面形状に倣った形状に形成される。したがって、台座ホルダ69及び台座71についても、このカム溝73に倣った形状に形成される。
【0048】
このスクリーン印刷装置100Aによれば、カム溝73に沿って台座ホルダ69及び台座71が駆動され、スキージ19の基材11に対するアタック角が一定に維持される。これにより、凸部と凹部の両方を有する基材11の被印刷面13に印刷が可能となる。
【0049】
上記の基材11としては、一方向又は二方向以上に曲げられた曲面形状を有するものが利用できる。これまでのスクリーン印刷において、被印刷面13がスクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する基材や、被印刷面13に凸部と凹部の両方を有する基材であっても、被印刷面13に適正な印刷が行える。なお、基材11の凹部と凸部により形成される曲面形状の最大振幅(基材11の側面視で、高さ方向における最高部と最低部との差)の厚みは、好ましくは5mm以上300mm以下、より好ましくは10mm以上200mm以下、更に好ましくは10mm以上50mm以下である。このような曲面形状の最大振幅の厚みを持つ基材11であっても、凹部と凸部の全面に印刷層15を簡単に形成できる。
【0050】
曲面形状を有する基材11のうち、曲面形状が凹部である場合、凹部の曲率半径は200mm以上5000mm以下が好ましく、300mm以上3000mm以下がより好ましい。
【0051】
以上のように、本構成例によるスクリーン印刷装置100、スクリーン印刷装置100Aは、
図7(A)に示す凹曲面ガラスの形状の他、
図7(B)に示す凹部と凸部を有する曲面ガラス等の種々の形状の基材11に印刷できる。更には、
図7(C)に示すように、より複雑な凹部と凸部を有するS字形状の曲面ガラスにも印刷できる。
【0052】
<第2構成例>
次に、第2構成例のスクリーン印刷装置を説明する。
図8は第2構成例のスクリーン印刷装置の要部側面図である。なお、以下の各構成例及び変形例において、
図1〜
図7に示した部材・部位と同一の部材や部位に対しては、同一の符号を付することで、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0053】
第2構成例のスクリーン印刷装置200は、基材11が移動不能に固定される。スクリーン印刷装置200の相対移動駆動機構75は、スクリーン版17とスキージ19とを基材11の曲面形状に沿って移動させる。この場合の相対移動駆動機構75は、モータ等を駆動源とし、
図8における水平方向(X方向)及び垂直方向(Z方向)への移動を可能とする、公知のXZステージ機構を使用できる。
【0054】
相対移動駆動機構75は、前述同様の円筒状のスクリーン版17を回転自在に支持するスクリーン支持ブラケット77を有する。スクリーン支持ブラケット77は、X方向及びZ方向に移動が可能となっている。このスクリーン支持ブラケット77は、軸55の軸方向直交断面が逆U字型のスクリーン支持フレーム79を有する。
【0055】
スクリーン支持フレーム79は、U字型の開口側となる一対の下端部に、それぞれ回転自在なローラ81を有する。ローラ81は、基材表面に転がり接触してスクリーン支持フレーム79の基材11に対する向き(傾斜)を変更する。つまり、スクリーン支持フレーム79は、基材11に対するスキージ19のアタック角θを一定に維持する揺動駆動機構として機能する。
【0056】
スクリーン支持フレーム79の内側には、スライド部材83がスライド自在に配置される。スライド部材83は、スクリーン版17の軸55を支持すると共に、バネ等の付勢部材85により基材11に向けて付勢される。これにより、スクリーン版17とスキージ19が基材11側に押し当てられる。
【0057】
図9(A)は第2構成例のスクリーン印刷装置の平坦な被印刷面を移動中の側面図、(B)は曲面形状の被印刷面を移動中の側面図である。
このスクリーン印刷装置200による、基材11とスクリーン版17との相対移動は、スクリーン版17とスキージ19とを基材11の曲面形状に沿って移動させる動作となる。つまり、スクリーン支持ブラケット77は、相対移動駆動機構の駆動によって、
図9(A)の被印刷面13が平坦面の状態から、
図9(B)の曲面形状に到達する。すると、スクリーン支持フレーム79は、スクリーン版17の軸55を移動方向先方に向けて回転駆動(揺動)される。よって、スクリーン支持フレーム79は、基材11の傾斜に倣って傾き、スキージ19の向きが変わる。この揺動動作により、スキージ19の基材11に対するアタック角θが一定になる。
【0058】
このスクリーン印刷装置200によれば、スクリーン版17と、スクリーン内周側に設けたスキージ19とが、基材11の曲面形状に沿って相対移動駆動機構と揺動駆動機構により一体的に移動する。この構成例は、特に基材11が、移動しにくい大きさ、或いは強度的に移動がしにくい場合等に有効となる。
【0059】
<第3構成例>
次に、第3構成例のスクリーン印刷装置を説明する。
図10は第3構成例のスクリーン印刷装置の要部側面図である。
第3構成例のスクリーン印刷装置300は、無端帯状のスクリーン版17が複数のスクリーンローラ87に張架され、周回駆動される。
【0060】
このスクリーン印刷装置300は、複数(図例では4つ)のスクリーンローラ87に無端帯状のスクリーン版17が張架される。張架されたスクリーン版17は、図示しないモータ等のスクリーン周回駆動部によって周回駆動される。スキージ19は、上記の構成例と同様に、このスクリーン版17の内周側に配置される。
【0061】
上記構成のスクリーン印刷装置300によれば、円筒形状のスクリーン版17の周長である2πr(rは円筒形状の半径)以上の長さの印刷パターンを、基材の被印刷面に一度に印刷できる。長尺な無端帯状のスクリーン版17にすることで、印刷の適用可能範囲を大幅に拡大できる。
【0062】
図11は第3構成例の変形例としてのスクリーン印刷装置の要部側面図である。なお、図中の破線円は、前述した円筒形状の場合におけるスクリーン版17の仮想線である。
第3構成例の変形例のスクリーン印刷装置300Aは、
図10に示すスクリーン印刷装置300と比較して、スキージ19を挟む一対のスクリーンローラ87の間隔が小さい。これにより、スキージ19の先端部分のスクリーン版17を、より先細る形状に構成できる。
【0063】
曲面形状を有する基材11のうち、曲面形状が凹部である場合、第3構成例のスクリーン印刷装置を使用すると小さい曲率半径にも印刷できる。その曲率半径の下限は50mmであり、60mmがより好ましい。
【0064】
このスクリーン印刷装置300Aによれば、スキージ19の掃引位置より後方では、スクリーン版17と基材表面との成す角が、円筒形状であるスクリーン版17の場合よりも大きくなる。これにより、基材11からの版離れが良好となる。その結果、印刷パターンの形状を乱すことなく、高精度な印刷が行える。特に、基材11に曲率半径の小さい凹面が存在する場合には、スキージ19を押し当てる領域が狭くなるため印刷が難しくなる。その場合でも、スクリーン印刷装置300Aは、スキージ19の前後のスクリーン版17を鋭角に配置できるため、狭い領域の印刷が可能となる。
【0065】
なお、スクリーン印刷装置300、スクリーン印刷装置300Aは、共に基材11が動くものであるが、スクリーン印刷装置200と同様に、スクリーン版17とスキージ19とを、固定された基材11に対して移動させることでもよい。
【0066】
以上説明したように、上記した各スクリーン印刷装置100,100A,200,300,300Aによれば、これまでのスクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する物品の被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する物品の被印刷面に印刷が可能となる。
また、上記スクリーン印刷方法により印刷された基材は、斬新な形状の印刷物で、デザイン性が高く、見栄えの良い、優れた製品となる。
【0067】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0068】
以上のとおり、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷方法であって、
印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スクリーン版の帯幅方向に沿ってスクリーン内周側に設けたスキージを、前記基材上で掃引して、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記被印刷面に転写して前記印刷層を形成する工程と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する工程と、を含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。
(2) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷方法であって、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スクリーン版の帯幅方向に沿ってスクリーン内周側に設けたスキージを、前記基材上で掃引して、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記被印刷面に転写して前記印刷層を形成する工程と、前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする工程と、を含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。
上記(1)、(2)のスクリーン印刷方法によれば、スクリーン版は、無端帯状であるので、従来の平版では、接触できなかった平版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面に、スキージにより接触可能となる。スキージは、スクリーン版の曲面形状の曲率中心を中心に揺動自在に支持される。スキージは、曲面形状を移動する各接触点において、一定、又は60°以上80°以下に保持されたアタック角で被印刷面に接する。これにより、印刷材料の安定した押し出し圧が得られ、滲み等の抑制された高精細な転写(印刷)が可能となる。
【0069】
(3) 前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版の周回移動方向に沿って前記基材を移動させる動作である(1)又は(2)に記載のスクリーン印刷方法。
このスクリーン印刷方法によれば、定位置のスクリーン版に対して基材のみが移動することになる。基材は、スクリーン版の帯幅方向に垂直な平面内で被印刷面をスクリーン版に接するように移動する。この構成によれば、相対移動駆動機構を、基材側にのみ設ければよく、スクリーン印刷装置の構造が簡素となる。
【0070】
(4) 前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる動作である(1)又は(2)に記載のスクリーン印刷方法。
このスクリーン印刷方法によれば、スクリーン版と、スクリーン内周側に設けたスキージとが、基材の曲面形状に沿って一体的に移動する。この構成例は、特に基材が、移動しにくい大きさ、或いは強度的に移動しにくい場合等に有効となる。
【0071】
(5) 前記スクリーン版の内周面に前記印刷材料を供給する工程を含む(1)〜(4)のいずれか一つに記載のスクリーン印刷方法。
このスクリーン印刷方法によれば、印刷材料を、スクリーン内周側で所定量に維持できる。これにより、印刷材料の押し出し量の変動が抑制され、安定的な印刷が可能となる。また、複数の基材を、連続して印刷でき、安定した印刷品質の基材を量産できる。
【0072】
(6) 印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて基材と前記スクリーン版を相対移動させ、前記スクリーン版に載せた印刷材料をスキージにより被印刷面に転写して印刷層を形成する曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法であって、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする、
曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法。
(7) 印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版を、該スクリーン版の周方向に沿って周回駆動し、且つ、周回駆動した前記スクリーン版の周速度に合わせて基材と前記スクリーン版を相対移動させ、前記スクリーン版に載せた印刷材料をスキージにより被印刷面に転写して印刷層を形成する曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法であって、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する、
曲面形状を有する印刷層付き基材の製造方法。
上記(6)、(7)の印刷層付き基材の製造方法によれば、スクリーン版は、無端帯状であるので、従来の平版では、接触できなかった平版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面に、スキージにより接触可能となる。スキージは、スクリーン版の曲面形状の曲率中心を中心に揺動自在に支持される。スキージは、曲面形状を移動する各接触点において、一定、又は60°以上80°以下に保持されたアタック角で被印刷面に接する。これにより、印刷材料の安定した押し出し圧が得られ、滲み等の抑制された高精細な転写(印刷)が可能となる。
【0073】
(8) 前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版の周回移動方向に沿って前記基材を移動させる動作である(6)又は(7)に記載の印刷層付き基材の製造方法。
(9) 前記基材と前記スクリーン版との相対移動は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる動作である(6)又は(7)に記載の印刷層付き基材の製造方法。
(10) 前記スクリーン版の内周面に前記印刷材料を供給する工程を含む(6)〜(9)のいずれか一つに記載の印刷層付き基材の製造方法。
【0074】
(11) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷装置であって、
前記基材の上方に配置され、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版と、
前記スクリーン版の帯幅方向に沿ったスクリーン内周側に設けられ、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記基材の被印刷面に転写して前記印刷層を形成するスキージと、
前記スクリーン版を周方向に沿って周回駆動するスクリーン周回駆動部と、
周回駆動される前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スキージを前記基材上で掃引する相対移動駆動機構と、
前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を60°以上80°以下に保持する揺動駆動機構と、を具備することを特徴とするスクリーン印刷装置。
(12) 曲面形状を有する基材の被印刷面に印刷層を形成するスクリーン印刷装置であって、前記基材の上方に配置され、印刷パターンが形成された無端帯状のスクリーン版と、前記スクリーン版の帯幅方向に沿ったスクリーン内周側に設けられ、前記スクリーン版に載せた印刷材料を前記基材の被印刷面に転写して前記印刷層を形成するスキージと、前記スクリーン版を周方向に沿って周回駆動するスクリーン周回駆動部と、周回駆動される前記スクリーン版の周速度に合わせて前記基材と前記スクリーン版とを相対移動させ、前記スキージを前記基材上で掃引する相対移動駆動機構と、前記基材と前記スキージの少なくとも一方を、前記基材の曲面形状に応じて前記曲面形状の曲率中心を中心に揺動させ、前記スキージと前記基材との成すアタック角を一定にする揺動駆動機構と、を具備することを特徴とするスクリーン印刷装置。
上記(11)、(12)のスクリーン印刷装置によれば、スクリーン版は、無端帯状であるので、従来の平版では、接触できなかった平版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有する被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面に、スキージにより接触可能となる。スキージは、揺動駆動機構によってアタック角が一定、又は60°以上80°以下に保持される。すなわち、スクリーン版の曲面形状の曲率中心を中心に揺動自在に支持され、曲面形状を移動する各接触点において、一定、又は60°以上80°以下のアタック角で被印刷面に接する。これにより、印刷材料の安定した押し出し圧が得られ、滲み等の抑制された高精細な転写(印刷)が可能となる。
【0075】
(13) 前記相対移動駆動機構は、前記スクリーン版の周回移動方向に沿って前記基材を移動させる機構である(11)又は(12)に記載のスクリーン印刷装置。
このスクリーン印刷装置によれば、定位置のスクリーン版に対して基材のみが相対移動駆動機構により移動することになる。基材は、スクリーン版の帯幅方向に垂直な平面内で被印刷面をスクリーン版に接するように移動する。この構成によれば、相対移動駆動機構を、基材側にのみ設ければよく、スクリーン印刷装置の構造が簡素となる。
【0076】
(14) 前記相対移動駆動機構は、前記スクリーン版と前記スキージとを前記基材の曲面形状に沿って移動させる機構である(11)又は(12)に記載のスクリーン印刷装置。
このスクリーン印刷装置によれば、スクリーン版と、スクリーン内周側に設けたスキージとが、基材の曲面形状に沿って相対移動駆動機構により一体的に移動する。この構成例は、特に基材が、移動しにくい大きさ、或いは強度的に移動しにくい場合等に有効となる。
【0077】
(15) 前記スクリーン版の内周面に前記印刷材料を供給する印刷材料供給部を備える(11)〜(14)のいずれか一つに記載のスクリーン印刷装置。
このスクリーン印刷装置によれば、印刷材料供給部によりスクリーン内周側の印刷材料が所定量に維持される。これにより、印刷材料の押し出し量の変動が抑制され、安定的な印刷が可能となる。また、複数の基材を、連続して印刷でき、安定した印刷品質の基材を量産できる
【0078】
(16) 前記スクリーン版は、円筒形状である(11)〜(15)のいずれか一つに記載のスクリーン印刷装置。
このスクリーン印刷装置によれば、スクリーン版を1つの軸で回転支持できる。これにより、スクリーン周回駆動部を簡素な構造にできる。
【0079】
(17) (11)〜(16)のいずれか一つのスクリーン印刷装置に用いられる前記基材であって、凹部と凸部の形成される前記被印刷面に、前記印刷層を有する基材。
この基材によれば、スクリーン版の押し込み限界量以上の曲げ深さを有した被印刷面や、凸部と凹部の両方を有する被印刷面に印刷層を備えた、従来では実現できなかった物品にできる。
【0080】
(18) 前記凹部と前記凸部により形成される前記曲面形状の最大振幅の厚みは、10mm以上300mm以下である(17)の基材。
この基材によれば、印刷層が形成された凹部と凸部を有し、物品のデザイン性を高められる。
【0081】
(19) ガラスを含んでなる(17)又は(18)の基材。
この基材によれば、高い意匠性や高級感等を付与でき、デザイン性を向上できる。
【0082】
(20) 前記ガラスは、無機ガラスである(19)の基材。
この基材によれば、有機ガラスに比べて、高硬度で、且つ、透明度が低下しにくく、耐久性を高められる。