(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラ1(以下、カメラ1と呼ぶ)の要部構成図である。カメラ1は、カメラボディ2と交換レンズ3とにより構成される。交換レンズ3は、マウント部(不図示)を介してカメラボディ2に装着される。カメラボディ2に交換レンズ3が装着されると、カメラボディ2側の接続部202と交換レンズ3側の接続部302とが接続され、カメラボディ2および交換レンズ3間の通信が可能となる。
【0007】
交換レンズ3は、撮像光学系(結像光学系)31と、レンズ制御部32と、レンズメモリ33とを備える。撮像光学系31は、焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)を含む複数のレンズや絞りにより構成され、カメラボディ2の撮像素子22の撮像面上に被写体像を結像する。レンズ制御部32は、カメラボディ2のボディ制御部21から出力される信号に基づいて焦点調節レンズを光軸L1方向に進退移動させ撮像光学系31の焦点位置を調節する。ボディ制御部21から出力される信号には、焦点調節レンズの移動量や移動方向、移動速度などを表す信号が含まれる。レンズメモリ33は、不揮発性の記憶媒体等により構成され、交換レンズ3に関連する情報、例えば撮像光学系31の射出瞳の位置に関する情報等のレンズ情報が記憶される。レンズメモリ33に記憶されるレンズ情報は、レンズ制御部32により読み出されて、ボディ制御部21に送信される。
【0008】
カメラボディ2は、ボディ制御部21と、撮像素子22と、メモリ23と、表示部24と、操作部25とを備える。撮像素子22は、CCDやCMOS等のイメージセンサであり、撮像素子22には複数の画素が二次元状(行方向及び列方向)に配置される。撮像素子22は、撮像光学系31の射出瞳を通過した光束を受光して受光量に応じた信号を生成し、生成した信号をボディ制御部21に出力する。撮像素子22の複数の画素は、例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタを有する。各画素はカラーフィルタを通して被写体像を撮像する。撮像素子22から出力される信号と、RGBの色情報とが、ボディ制御部21に入力される。
【0009】
ボディ制御部21は、CPU、ROM、RAM等により構成され、制御プログラムに基づきカメラ1の各部を制御する。また、ボディ制御部21は、各種の信号処理を行う。例えば、ボディ制御部21は、撮像素子22に制御信号を供給して撮像素子22の動作を制御する。ボディ制御部21は、焦点検出部21aと画像データ生成部21bとを有する。画像データ生成部21bは、撮像素子22から出力される信号に各種の画像処理を行って画像データを生成する。焦点検出部21aは、撮像素子22からの信号を用いて瞳分割型の位相差検出方式によりデフォーカス量を算出し、デフォーカス量をレンズ制御部32に送信する。すなわち、焦点検出部21aは、撮像光学系31の焦点位置を調節するための信号であるデフォーカス量を算出し、レンズ制御部32に送信する。換言すると、焦点検出部21aは、撮像素子22から出力される信号を用いて、撮像光学系31による像の結像面と撮像素子22の撮像面とのずれ量を算出する。ボディ制御部21は、ずれ量から焦点調節レンズの移動量と移動方向とを算出する。ボディ制御部21は、算出された焦点調節レンズの移動量と移動方向とに関する情報を、接続部202と接続部302とを介してレンズ制御部32に送信する。レンズ制御部32は、ボディ制御部21から送信された情報に基づき、不図示のモータを駆動して、焦点調節レンズを、撮像光学系31による像が撮像素子22の撮像面に結像する位置、すなわち合焦位置に移動させる。
【0010】
メモリ23は、メモリカード等の記録媒体であり、ボディ制御部21によって画像データや音声データ等の書き込み及び読み出しが行われる。表示部24は、ボディ制御部21により生成された画像データから生成される画像を表示する。また、表示部24は、シャッター速度、絞り値等の撮影に関する情報やメニュー画面等を表示する。操作部25は、レリーズボタン、録画ボタン、各種設定スイッチなどを含み、操作部25の操作に応じた操作信号をボディ制御部21へ出力する。
【0011】
図2は、第1の実施の形態に係る撮像素子22の画素の配置例を示す図である。撮像素子22では、画素が二次元状(行方向および列方向)に配置される。各画素には、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる分光特性を有する3つのカラーフィルタのいずれかが設けられる。Rのカラーフィルタは主に赤色の波長域の光を透過し、Gのカラーフィルタは主に緑色の波長域の光を透過し、Bのカラーフィルタは主に青色の波長域の光を透過する。
【0012】
各画素は、配置されるカラーフィルタに応じて異なる分光特性を有する。撮像素子22では、RおよびGのカラーフィルタを有する画素が交互に配置される画素群401と、GおよびBのカラーフィルタを有する画素(以下、R、GおよびBのカラーフィルタを有する画素をそれぞれR画素、G画素、およびB画素と称する)が交互に配置される画素群402とが二次元状に繰り返し配置される。こうして、R画素とG画素とB画素とは、ベイヤー配列に従い、配置されている。
【0013】
撮像素子22は、上述のようにベイヤー配列されたR、G、Bの撮像画素12と、撮像画素12の一部に置換して配置された撮像兼焦点検出画素11、13とを有する。撮像画素12は、画像データ生成部21bが画像データを生成するための信号、すなわち撮像信号を出力する。撮像兼焦点検出画素11、13は、撮像信号と、焦点検出部21aがデフォーカス量を算出するための信号、すなわち焦点検出信号とを出力する。なお、撮像兼焦点検出画素11、13は、焦点検出部21aがデフォーカス量を算出するための焦点検出信号のみを出力する焦点検出画素としてもよい。焦点検出部21aは、焦点検出画素11、13から出力される焦点検出信号に基づいてデフォーカス量を算出する。撮像兼焦点検出画素11、13は、行方向に並んだGの撮像画素に置換して配置されるので、Gの分光特性を有する。即ち、撮像兼焦点検出画素11、13は、それぞれ、Gの波長域の光を光電変換して生成された電荷に基づく撮像信号を出力する。また、撮像兼焦点検出画素11、13は互いに、Rの撮像画素12を挟んで、行方向(
図2に示すX軸方向)に交互に配置される。撮像兼焦点検出画素11の信号と撮像兼焦点検出画素13の信号とは、後述する位相差式焦点検出のための一対の焦点検出信号として用いられる。なお、画素11と画素13とは任意の間隔で配置してもよい。また、画素11と画素12と画素13とを1つの単位として、行方向または列方向、または行方向および列方向に任意の間隔で配置してもよい。
【0014】
撮像画素12は、マイクロレンズ40と光電変換部41とを有する。撮像兼焦点検出画素11、13は、マイクロレンズ40および光電変換部41に加えて、反射部42A、42Bをそれぞれ有する。反射部42A、42Bは、光の入射方向において、マイクロレンズ40、光電変換部41、反射部42A、42Bの順となる位置に設けられる。撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とは、その反射部42A、42Bの位置が異なる。なお、後述の
図7または
図8に示すように、撮像兼焦点検出画素11、13は、2つのRの撮像画素とGの撮像画素12とを挟んで、行方向に交互に配置してもよい。この場合、撮像兼焦点検出画素11、13に挟まれるGの撮像画素12は、反射部42Aまたは反射部42Bを有していない。
【0015】
図2に図示するように、撮像兼焦点検出画素11の反射部42Aは、その光電変換部41のほぼ左半分の領域に対応して配置される。他方、撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは、その光電変換部41のほぼ右半分の領域に対応して配置される。換言すると、反射部42Aは、撮像兼焦点検出画素11、13の並び方向に光電変換部41を2分割(
図2に示すY軸方向を軸に分割)した一方の領域に対応して配置され、反射部42Bは、光電変換部41を2分割した他方の領域に対応して配置される。
【0016】
なお、
図2においては、撮像兼焦点検出画素11、13は、行方向(
図2に示すX軸方向)、即ち横方向に配列されたが、列方向(
図2に示すY軸方向)、即ち縦方向に配列されてもよい。撮像兼焦点検出画素11、13が列方向に配列された場合には、反射部42Aが光電変換部41のほぼ上半分と下半分の一方の領域に対応して配置され、反射部42Bが光電変換部41のほぼ上半分と下半分の他方の領域に対応して配置される。換言すると、反射部42Aは、撮像兼焦点検出画素11、13の並び方向と交差する方向に光電変換部41を2分割(
図2に示すX軸方向を軸に分割)した一方の領域に対応して配置され、反射部42Bは、光電変換部41を2分割した他方の領域に対応して配置される。
【0017】
図3は、第1の実施の形態に係る撮像素子に入射する光束を説明するための図である。なお、
図3は、1つの撮像画素12と1つの撮像兼焦点検出画素11と1つの撮像兼焦点検出画素13とが示されている。撮像画素12は、上述のように、マイクロレンズ40と、マイクロレンズ40を透過した光束を受光する光電変換部41とを有する。撮像兼焦点検出画素11、13は、上述のように、マイクロレンズ40と、マイクロレンズ40を透過した光束が入射する光電変換部41と、光電変換部41の一部を透過した光束を光電変換部41に向けて反射する反射部42A、42Bとを有する。
【0018】
なお、
図3で図示する撮像画素12はGの撮像画素12である。
図2に図示するように撮像兼焦点検出画素11、13と撮像画素12が配置されている場合、Gの撮像画素12は撮像兼焦点検出画素11または撮像兼焦点検出画素13の周辺に配置されるGの撮像画素12である。
後述の
図7または
図8に示すように撮像兼焦点検出画素11、13と撮像画素12が配置されている場合、Gの撮像画素12は撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13との間に配置されるGの撮像画素12である。なお、撮像兼焦点検出画素11または撮像兼焦点検出画素13の周辺に配置されるGの撮像画素12であってもよい。
【0019】
撮像兼焦点検出画素11では、第1の瞳領域61を通過した第1の光束と第2の瞳領域62を通過した第2の光束とがマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。光電変換部41に入射した第1及び第2の光束のうちの第2の光束は、光電変換部41を通過して反射部42Aで反射されて光電変換部41に再入射する。他方、撮像兼焦点検出画素13は、第1の瞳領域61を通過した第1の光束と第2の瞳領域62を通過した第2の光束とがマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。光電変換部41に入射した第1及び第2の光束のうちの第1の光束は、光電変換部41を通過して反射部42Bで反射されて光電変換部41に再入射する。なお、
図3において、破線65は、第1の瞳領域61を通過して撮像兼焦点検出画素13のマイクロレンズ40および光電変換部41を透過し反射部42Bで反射された第1の光束を模式的に表している。
【0020】
撮像画素12では、
図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61及び第2の瞳領域62の両方を通過した光束がマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。撮像画素12は、第1及び第2の瞳領域61、62の両方を通過した光束に関する信号S1を出力する。すなわち、撮像画素12は、第1及び第2の瞳領域61、62の両方を通過した光を光電変換し、光電変換して生成された電荷に基づく信号S1を出力する。撮像兼焦点検出画素11は、第1の瞳領域61及び第2の瞳領域62を通過した第1及び第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42Aによって反射された第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2とを加算した信号(S1+S2)を出力する。撮像兼焦点検出画素13は、第1の瞳領域61及び第2の瞳領域62を通過した第1及び第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42Bによって反射された第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3とを加算した信号(S1+S3)を出力する。
【0021】
ボディ制御部21の画像データ生成部21bは、撮像画素12の信号S1と、撮像兼焦点検出画素11、13の信号(S1+S2)、(S1+S3)とに基づき、被写体像に関する画像データを生成する。なお、この画像データの生成の際には、信号S2,S3の影響を抑えるために、例えば、撮像兼焦点検出画素11、13の信号(S1+S2)、(S1+S3)のゲインを撮像画素12の信号S1のゲインに比べて小さくするとよい。
【0022】
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、撮像画素12の信号S1と、撮像兼焦点検出画素11の信号(S1+S2)と撮像兼焦点検出画素13の信号(S1+S3)とに基づき、合焦位置を求めるため相関演算を行う。焦点検出部21aは、この相関演算によって、第1の瞳領域61を通過した第1の光束による像と第2の瞳領域62を通過した第2の光束による像とのズレ量を算出し、この像ズレ量に基づきデフォーカス量を算出する。
【0023】
焦点検出部21aは、撮像画素12の出力と撮像兼焦点検出画素11の出力との差分、撮像画素12の出力と撮像兼焦点検出画素13との差分を求める。焦点検出部21aは、求めた差分から、第1の瞳領域61を通過した第1の光束による像と、第2の瞳領域62を通過した第2の光束による像との像ズレ量を算出する。算出した像ズレ量に基づきデフォーカス量を算出する。例えば、信号S1と信号(S1+S2)とから、反射部42Aによって反射された第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2を求める。焦点検出部21aは、信号S1と信号(S1+S3)とから、反射部42Bによって反射された第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3を求める。焦点検出部21aは、信号S2と信号S3との位相差検出を行ってデフォーカス量を求める。
【0024】
本実施の形態では、撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13では、光が入射する方向と交差する方向において互いに異なる位置に反射部42A、42Bが設けられ、撮像兼焦点検出画素11の反射部42Aは瞳領域62を介して入射する光を反射し、撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは瞳領域61を介して入射する光を反射する。このため、撮像兼焦点検出画素11の光電変換部41では瞳領域62を通過する光の受光量が増加する。撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41では瞳領域61を通過する光の受光量が増加する。この結果、撮像兼焦点検出画素11から出力される信号は、瞳領域62を通過する光による信号成分が増加する。撮像兼焦点検出画素13から出力される信号は、瞳領域61を通過する光による信号成分が増加する。撮像画素12および撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13による信号を用いることで、被写体像の位相差情報を得ることができ、デフォーカス量を算出することができる。また、本実施の形態では、従来のように、光の入射面において位相差検出のための遮光膜を設けることなく、反射光を用いて被写体像の位相差を検出する。このため、画素が有する開口が小さくなることを回避できる。さらに、光電変換部41を通過した光を反射部42A、42Bにより光電変換部41に反射させるため、画素の光電変換部41の感度(量子効率)を向上させることができる。
【0025】
図4は、第1の実施の形態に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。
図4に示す撮像素子22は、裏面照射型の撮像素子である。撮像素子22は、第1基板(半導体層とも称する)111と、第2基板114とを備える。第1基板111は半導体基板により構成され、第2基板114は半導体基板やガラス基板等により構成される。第2基板114は、第1基板111の支持基板として機能する。第1基板111は、接着層113を介して第2基板114に積層される。
図4に示すように、入射光は、主に白抜き矢印で示すZ軸プラス方向へ向かって入射する。また、座標軸に示すように、Z軸に直交する紙面右方向をX軸プラス方向、Z軸およびX軸に直交する紙面手前方向をY軸プラス方向とする。
図4に示す例では、X軸プラス方向に向かって撮像兼焦点検出画素11(以下、撮像兼焦点検出画素11Aとも称する)、撮像画素12(以下、撮像画素12Aとも称する)、撮像兼焦点検出画素13、撮像画素12(以下、撮像画素12Bとも称する)、撮像兼焦点検出画素11(以下、撮像兼焦点検出画素11Bとも称する)が配置されている。
【0026】
撮像兼焦点検出画素11、撮像画素12および撮像兼焦点検出画素13には、それぞれマイクロレンズ40、カラーフィルタ43、遮光膜44、反射防止膜45、およびp+層46、拡散分離部57が設けられる。マイクロレンズ40は、入射した光を光電変換部41に集光する。
図4に示す例では、撮像兼焦点検出画素11にGのカラーフィルタ、撮像画素12にRのカラーフィルタ、撮像兼焦点検出画素13にGのカラーフィルタがそれぞれ設けられている。遮光膜44は、隣接する画素に光が漏れることを抑制する。p+層46は、p型の不純物を用いて形成され、光電変換部41への暗電流の混入を低減させる。拡散分離部57は、光電変換部41間を分離する。
【0027】
第1基板111は、電極や絶縁膜が設けられる第1面105aと、第1面とは異なる第2面105bとを有する。第2面105bは、光が入射する入射面となる。第1基板111の第1面105aには、配線層112が積層して設けられる。撮像素子22には、光電変換部41および出力部70が設けられ、光電変換部41および出力部70は、X軸方向およびY軸方向に複数配置されている。
【0028】
光電変換部41は、例えばフォトダイオード(PD)であり、入射した光を電荷に変換する。また、出力部70は、光電変換部41によって光電変換された電荷から信号を生成して出力する。出力部70は、生成した信号を配線層112へ出力する。出力部70は、転送トランジスタ(転送部)50や増幅トランジスタ等のトランジスタ等により構成される。
図4に示す例では、半導体層111に形成されるn+領域47およびn+領域48は、それぞれn型の不純物を用いて形成され、転送トランジスタ50のソース・ドレイン領域として機能する。また、配線層112に絶縁膜を介して形成される電極49は、転送トランジスタ50のゲート電極(転送ゲート)として機能する。また、n+領域47は、光電変換部41の一部としても機能する。電極49は、コンタクト51を介してメタル層115に設けられる出力部70の配線52に接続される。撮像兼焦点検出画素11、13、および撮像画素12は行方向(X軸方向)に配置され、撮像兼焦点検出画素11、13、および撮像画素12の配線52は、互いに接続されて共有される。
【0029】
配線層112は、導体膜(金属膜)および絶縁膜を含む配線層であり、複数の配線やビアなどが配置される。導体膜には、銅、アルミニウム等が用いられる。絶縁膜は、導体膜間の絶縁膜や絶縁膜などを含み、酸化膜や窒化膜などで構成される。配線層112には、反射部42Aおよび反射部42Bが設けられる。反射部42Aおよび反射部42Bは、メタル層115に設けられる。反射部42Aおよび反射部42Bは、導体膜等により構成され、例えばアルミニウム、銅、タングステン、又はこれらの膜の多層膜である。
図4に示す例では、反射部42Aおよび反射部42Bは、メタル層115において光電変換部41のほぼ半分を覆う導体膜により構成される。また、配線層112に形成される配線の一部、例えば出力部70に接続する信号線の一部を、反射部42として用いることができる。この場合、反射部42Aおよび反射部42Bは、光を反射するための導体膜と、信号を伝送するための信号線とに共用される。なお、反射部42Aおよび反射部42Bを、絶縁膜により構成するようにしてもよい。この場合、出力部70に用いられる絶縁膜やメタル層の一部を、反射部42として用いることができる。
【0030】
反射部42Aおよび反射部42Bは、光が入射する方向と交差する方向において、隣の画素から異なる間隔で設けられる。例えば、
図4においては、撮像兼焦点検出画素11Aの反射部42Aは、X軸方向において、撮像兼焦点検出画素11Aの隣の撮像画素12Aから所定の第1間隔D1で設けられる。撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは、X軸方向において、撮像兼焦点検出画素13の隣の撮像画素12Bから第1間隔D1とは異なる所定の第2間隔D2で設けられている。なお、後述するように、隣の画素からの間隔は、拡散分離部57からの間隔であってもよい。例えば、第1間隔D1は、撮像画素12Aの拡散分離部57と反射部42Aとの間隔でもよい。第2間隔D2は、撮像画素12Bの拡散分離部57と反射部42Bとの間隔でもよい。また、第1間隔D1、第2間隔D2は間隔がない(ゼロ)ことがあってもよい。
【0031】
また、反射部42Aおよび反射部42Bは、撮像兼焦点検出画素11の出力部70と撮像兼焦点検出画素13の出力部70との間に設けられる。
図4においては、撮像兼焦点検出画素11Bの反射部42Aおよび撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは、撮像兼焦点検出画素11Bの出力部70と撮像兼焦点検出画素13の出力部70との間に設けられている。撮像兼焦点検出画素11の出力部70および撮像兼焦点検出画素13の出力部70は、反射部42Aと反射部42Bとの間に設けられる。
図4においては、撮像兼焦点検出画素11Aの出力部70および撮像兼焦点検出画素13の出力部70は、撮像兼焦点検出画素11Aの反射部42Aと撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bとの間に設けられている。
【0032】
反射部42Aおよび反射部42Bは、隣の画素の光電変換部との間にある拡散分離部57から異なる間隔で設けられる。例えば、
図4においては、撮像兼焦点検出画素11Aの反射部42Aは、撮像兼焦点検出画素11Aの光電変換部41と隣の撮像画素12Aの光電変換部41との間にある拡散分離部57から所定の第3間隔で設けられる。撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは、撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41と隣の撮像画素12Bの光電変換部41との間にある拡散分離部57から、第3間隔とは異なる所定の第4間隔で設けられる。また、撮像兼焦点検出画素11の光電変換部41は、撮像兼焦点検出画素11の光の入射面となる第2面105bと反射部42Aとの間に設けられ、撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41は、撮像兼焦点検出画素13の光の入射面となる第2面105bと反射部42Bとの間に設けられる。このため、撮像兼焦点検出画素11の光電変換部41と反射部42Aとは、光が入射する方向(Z軸プラス方向)に順に設けられる。同様に、撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41と反射部42Bとは、光が入射する方向に順に設けられる。
【0033】
また、反射部42Aおよび反射部42Bは、撮像兼焦点検出画素11の出力部70の配線52と撮像兼焦点検出画素13の出力部70の配線52との間に設けられる。
図4においては、撮像兼焦点検出画素11Bの反射部42Aおよび撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bは、撮像兼焦点検出画素11Bの出力部70の配線52と撮像兼焦点検出画素13の出力部70の配線52との間に設けられている。さらに、
図4においては、撮像画素12Aおよび撮像画素12Bの出力部70は、それぞれ反射部42Aと反射部42Bとの間に設けられる。撮像画素12Aおよび撮像画素12Bの出力部70の配線52は、それぞれ反射部42Aと反射部42Bとの間に設けられる。また、撮像画素12Aは、撮像兼焦点検出画素11Aの反射部42Aと撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bとの間に設けられ、撮像画素12Bは、撮像兼焦点検出画素11Bの反射部42Aと撮像兼焦点検出画素13の反射部42Bとの間に設けられる。
また、反射部42Aは、光が入射する方向(Z軸プラス方向)と交差する面(XY平面)において、光電変換部41の中心を通りY軸と平行な線で分割された領域のうち左半分(X軸マイナス方向)側の領域に少なくとも一部が設けられている。反射部42Bは、光が入射する方向(Z軸プラス方向)と交差する面(XY平面)において、光電変換部41の中心を通りY軸と平行な線で分割された領域のうち右半分(X軸プラス方向)側の領域に少なくとも一部が設けられている。なお、反射部42Aは、光が入射する方向(Z軸プラス方向)と交差する面(XY平面)において、光電変換部41の中心を通りX軸と平行な線で分割された領域のうち上半分(Y軸マイナス方向)側の領域に少なくとも一部が設けられていてもよい。反射部42Bは、光が入射する方向(Z軸プラス方向)と交差する面(XY平面)において、光電変換部41の中心を通りX軸と平行な線で分割された領域のうち下半分(Y軸プラス方向)側の領域に少なくとも一部が設けられていてもよい。
【0034】
反射部42Aおよび反射部42Bは、光電変換部41を透過した光を光電変換部41側に反射する。撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41は、マイクロレンズ40を介して入射する光と、反射部42Aおよび反射部42Bにより反射された光とを受光し、受光量に応じた電荷を生成する。また、撮像画素12の光電変換部41は、マイクロレンズ40を介して入射した光を受光し、受光量に応じた電荷を生成する。出力部70は、光電変換部41からの電荷による信号を配線層112へ出力する。配線層112へ出力された各画素からの信号は、画素の周辺回路等によりAD変換等の信号処理が行われて
図1に示すボディ制御部21へ出力される。
【0035】
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、前述したように、撮像素子22から出力される光電変換された電荷に基づく信号を用いて、デフォーカス量を算出する。例えば、焦点検出部21aは、撮像兼焦点検出画素11の信号(S1+S2)と撮像画素12の信号S1との減算を行って信号S2を得る。また、焦点検出部21aは、撮像兼焦点検出画素13の信号(S1+S3)と撮像画素12の信号S1との減算を行って信号S3を得る。焦点検出部21aは、信号S2および信号S3に基づき相関演算を行うことにより、撮像光学系31の異なる瞳領域を介して入射された一対の光束による像の位相差情報を得ることができ、位相差検出方式によりデフォーカス量を算出することができる。また、レンズ制御部32は、ボディ制御部21から出力されるデフォーカス量を用いて、撮像光学系31の焦点位置を調節することができる。
【0036】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)撮像素子22は、入射した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部41と、隣の画素12Aから第1間隔D1で設けられる、第1光電変換部41を通過した光を反射する第1反射部42Aと、を有する第1画素11と、入射した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部41と、隣の画素12Bから第1間隔D1とは異なる第2間隔D2で設けられる、第2光電変換部41を通過した光を反射する第2反射部42Bと、を有する第2画素13と、を備える。本実施の形態では、反射部42が配置される位置が互いに異なる画素11および画素13を備える。このため、画素11および画素13による信号を用いることで、被写体像の位相差情報を得ることができる。
【0037】
(2)撮像素子22は、入射した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部41と、第1光電変換部41で生成された電荷による信号を出力する第1出力部70と、を有する第1画素11と、入射した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部41と、第2光電変換部41で生成された電荷による信号を出力する第2出力部70と、を有する第2画素13と、第1出力部70と第2出力部70との間に設けられ、第1光電変換部41を通過した光を反射する第1反射部42Aと、第1出力部70と第2出力部70との間に設けられ、第2光電変換部41を通過した光を反射する第2反射部42Bと、を備える。このようにしたので、画素11および画素13による信号を用いることで、被写体像の位相差情報を得ることができる。
また、上記第1または第2画素と行方向(X方向)において隣接し、入射した光を光電変換して電荷を生成する第3光電変換部41と、第3光電変換部41で生成された電荷による信号を出力する第3出力部70と、を有する撮像のみを行う画素を第3画素とした場合、上記第1反射部42Aまたは第2反射部42Bは、第3出力部70と第1出力部70または第3出力部70と第2出力部70の間にあってもよい。
もしくは、第3出力部70と第1反射部42Aの間に第1出力部70、または、第3出力部70と第2反射部42Bの間に第2出力部70があってもよい。
(3)第1反射部42Aは、第1光電変換部41と隣の画素の光電変換部41との間にある分離部57から第3間隔で設けられ、第2反射部42Bは、第2光電変換部41と隣の画素の光電変換部41との間にある分離部57から第4間隔で設けられる。このようにしたので、異なる瞳領域を介して入射された一対の光束による像の位相差情報を得ることができる。
【0038】
(4)焦点制御装置は、撮像素子22と、光学系(撮像光学系31)を介して入射した光を受光した撮像素子22の第1出力部70から出力された信号と第2出力部70から出力された信号とに基づいて、光学系の焦点位置を調節する制御部(レンズ制御部32)と、を備える。このようにしたので、反射光を用いて被写体像の位相差情報を得ることができ、焦点位置の調節を行うことができる。
(5)焦点検出装置は、撮像素子22と、光学系(撮像光学系31)を介して入射した光を受光した第1光電変換部41からの信号と第2光電変換部41からの信号とに基づき光学系について焦点検出する焦点検出部(ボディ制御部21)と、を備える。このようにしたので、反射光を用いて被写体像の位相差情報を得ることができ、光学系についての焦点検出を行うことができる。
【0039】
(6)画素の微細化が進むと、画素が有する開口の大きさが光の波長よりも小さく(短く)なり、画素の有する光電変換部に光が入射しないおそれがある。光電変換部での受光量が減少するため、光電変換される電荷も減る。したがって、電荷から生成される信号の位相差情報から光学系の焦点検出を行うこと、光学系の焦点調節を行うことが困難となる。位相差検出のために、光の入射面において遮光膜を設けた画素はさらに受光量が減少する。したがって、位相差情報から光学系の焦点検出を行うこと、光学系の焦点調節を行うことがさらに困難となる。本実施の形態では、光の入射面において遮光膜を設けることなく、位相差情報から光学系の焦点検出を行うこと、光学系の焦点調節を行うことができる。本実施の形態では、画素の微細化が進んだ場合の受光量の減少、および焦点検出の精度の低下を抑制し、正確な焦点調節を行うことができる。
(7)本実施の形態の焦点検出用の画素として機能する画素11および画素13は、反射部を有しない画素と同等の感度を有する。このため、画素11および画素13からの信号に対する欠陥補正等が容易となり、画像を生成するための撮像用画素としては欠陥画素となることを抑制することができる。
【0040】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形
態と組み合わせることも可能である。
【0041】
(変形例1)
上述した実施の形態では、反射部42Aおよび反射部42Bをメタル層115の導体膜を用いて形成する例について説明した。しかし、メタル層115とは異なる位置に反射部を設けるようにしてもよい。また、導体(金属)とは異なる材料を用いて反射部を設けるようにしてもよい。
図5は、変形例1に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。変形例1に係る撮像素子では、反射部42Aおよび反射部42Bは、半導体層111に直接積層して設けられる。例えば、反射部42Aおよび反射部42Bは、酸化膜や窒化膜などである。具体的には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、又はこれらの膜の多層膜などである。なお、ポリシリコンを用いて反射部を形成するようにしてもよい。また、反射部は、半導体層111に絶縁膜を介して積層してもよい。本変形例では、メタル層115の導体膜を用いて反射部を設ける場合と比較して、半導体層111に近い位置に反射部が設けられる。このため、隣接する画素に反射部による反射光が入射することを抑制することができる。この結果、隣接する画素による信号にノイズが混入することを抑制することができる。
【0042】
(変形例2)
図6は、変形例2に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。変形例2に係る撮像素子22では、
図6(a)および
図6(b)に示すように、反射部42Aおよび反射部42Bに加えて遮光部55(遮光部55A〜遮光部55D)、56(遮光部56A〜遮光部56D)が更に設けられる。
図6(a)に示す遮光部55は、導体膜(金属膜)やポリシリコン等により構成される。遮光部55Aは、撮像兼焦点検出画素11の光電変換部41と反射部42Aとの間に設けられ、遮光部55Dは、撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41と反射部42Bとの間に設けられる。また、
図6(b)に示す遮光部56は、DTI(Deep Trench Isolation)により構成される。すなわち、
図6(b)に示す例では、画素間に溝が形成され、その溝に酸化膜、窒化膜、ポリシリコン等が埋め込まれる。遮光部56は、隣り合う光電変換部41の間に設けられる。例えば、遮光部56Bは、撮像兼焦点検出画素11の光電変換部41と撮像画素12の光電変換部41との間に設けられ、遮光部56Cは、撮像兼焦点検出画素13の光電変換部41と撮像画素12の光電変換部41との間に設けられる。
【0043】
本変形例では、遮光部55や遮光部56が配置されるため、隣接する画素に反射部42Aおよび反射部42Bによる反射光が入射することを抑制し、画素間のクロストークを抑制することができる。また、遮光部55および遮光部56により光電変換部41に光を再入射させるため、光電変換部41の感度を向上させることができ、焦点検出の精度を向上させることができる。なお、遮光部55および遮光部56の両方を各画素に設けるようにしてもよい。遮光部55(遮光部55A〜遮光部55D)および遮光部56(遮光部56A〜遮光部56D)は、反射部55(反射部55A〜反射部55D)および反射部56(反射部56A〜反射部56D)としてもよい。
【0044】
(変形例3)
図7は変形例3に係る撮像素子の画素の配置例を示す図であり、
図8は変形例3に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。上述した実施の形態では、撮像兼焦点検出画素11、13は互いに、Rの撮像画素12を挟んで、行方向に交互に配置される例について説明した。しかし、
図7および
図8に示すように、撮像兼焦点検出画素11、13を互いに、2つのRの撮像画素12およびGの撮像画素12を挟んで、行方向(X軸方向)に交互に配置するようにしてもよい。
【0045】
図8および
図9は、変形例3に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。
図8に示す例では、撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とでは、光電変換部41および出力部70の位置が光軸に対して対称(左右対称)となるように配置されている。しかし、
図9に示すように、撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とは、その反射部42A、42Bの位置が異なる以外は同様の構成としてもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態では、撮像兼焦点検出画素の信号と1つの撮像画素の信号との減算を行って、反射部によって反射された光を光電変換した電荷に基づく信号を算出する例について説明した。しかし、撮像兼焦点検出画素の信号と2つの撮像画素の信号の平均値との減算を行って、反射部によって反射された光を光電変換した電荷に基づく信号を算出するようにしてもよい。例えば、画素群401のGの撮像画素12のうち、
図7に示すように配置されたGの撮像画素12A、12B、12Cからの信号と、撮像兼焦点検出画素11、13からの信号とを用いる。焦点検出部21aは、撮像兼焦点検出画素11の信号と撮像画素12A、12Bの信号の平均値との減算を行うことにより、反射部42Aによって反射された第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2を算出する。また、焦点検出部21aは、同様に、撮像兼焦点検出画素13の信号とGの撮像画素12B、12Cの信号の平均値との減算を行って、反射部42Bによって反射された第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3を算出する。焦点検出部21aは、信号S2および信号S3を用いて相関演算を行うことにより、デフォーカス量を算出することができる。
【0047】
また、撮像兼焦点検出画素の信号と、撮像兼焦点検出画素の周辺に配置される複数の撮像画素の信号の平均値との減算を行って、反射部によって反射された光を光電変換した電荷に基づく信号を算出するようにしてもよい。例えば、画素群402のGの撮像画素12のうち、
図7に示すように配置されたGの撮像画素12D〜12Kからの信号と、撮像兼焦点検出画素11、13からの信号とを用いる。焦点検出部21aは、撮像兼焦点検出画素11の信号と撮像画素12D、12E、12F、12Gの信号の平均値との減算を行うことにより、反射部42Aによって反射された第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2を算出する。また、焦点検出部21aは、同様に、撮像兼焦点検出画素13の信号と撮像画素12H、12I、12J、12Kの信号の平均値との減算を行って、反射部42Bによって反射された第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3を算出する。焦点検出部21aは、信号S2および信号S3を用いて相関演算を行うことにより、デフォーカス量を算出することができる。
【0048】
(変形例4)
図10は、変形例4に係る撮像素子の断面構造の一例を示す図である。上述した実施の形態では、撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とでは、光電変換部41および出力部70の位置が光軸に対して対称(左右対称)となるように配置されている。しかし、
図10に示すように、撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とは、その反射部42A、42Bの位置が異なる以外は同様の構成としてもよい。また、反射部42A、42Bを、複数の層に設けるようにしてもよい。
図10(b)に示す例では、反射部42Bは、2つの層に形成されている。さらに、
図11に示すように、撮像兼焦点検出画素11と撮像兼焦点検出画素13とは、反射部42Aおよび反射部42Bの位置が異なる以外は同様の構成とし、変形例1の場合と同様にして反射部42Aおよび反射部42Bを酸化膜、窒化膜等を用いて形成するようにしてもよい。この場合に、反射部42A、42Bを、複数の絶縁膜を用いて形成してもよい。
図11に示す撮像兼焦点検出画素13では、出力部70に用いられるゲート絶縁膜や配線間の絶縁膜等の複数の絶縁膜を用いて反射部42Bを形成している。
【0049】
(変形例5)
上述した実施の形態および変形例では、反射部42Aおよび反射部42Bにより光電変換部41を通過した光を反射させ、反射光による信号成分を用いて焦点検出を行う。撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13にGのカラーフィルタを設ける例について説明したが、撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13に例えばRのカラーフィルタを設けるようにしてもよい。これにより、光電変換部41を透過しやすい長波長領域の光、例えば赤外光や近赤外光等の光による信号を焦点検出に用いることができる。また、光電変換部41を透過しやすい長波長領域の光を用いることがより好適であるため、本発明を、赤外線や近赤外線の画像が用いられる産業用のカメラや医療用のカメラにも適用することができる。
【0050】
(変形例6)
上述した実施の形態では、算出されたデフォーカス量に基づいて焦点調節レンズを制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。デフォーカス量に基づいてズームレンズや絞り等の動作を制御するようにしてもよい。
【0051】
(変形例7)
上述した実施の形態では、撮像素子22は、裏面照射型の構成とする例について説明した。しかし、撮像素子22を、光が入射する入射面側に配線層112を設ける表面照射型の構成としてもよい。
【0052】
(変形例8)
上述した実施の形態では、撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13にGのカラーフィルタを設ける例について説明したが、例えばRのカラーフィルタやBのカラーフィルタを設けるようにしてもよい。また、撮像兼焦点検出画素11および撮像兼焦点検出画素13に入射する光の全波長域を透過させるフィルタ(白色フィルタ)を設けるようにしてもよい。白色フィルタを設けることにより、焦点検出用の画素に入射する光の光量を増加させることができ、光電変換部41の感度を向上させることができる。また、白色フィルタを配置した画素を、焦点検出のための専用の画素として用いるようにしてもよい。
【0053】
(変形例9)
上述した実施の形態および変形例で説明した撮像素子を、複数の基板(例えば、複数の半導体基板)を積層して構成される積層センサ(積層型の撮像素子)に適用してもよい。例えば、撮像素子を、光電変換部を有する画素が配置された第1基板と、画素からの信号をデジタル信号に変換するAD変換部が配置された第2基板と、AD変換部から出力されるデジタル信号に対して各種の画像処理を行う画像処理部が配置された第3基板とを積層した構成としてもよい。この場合には、例えば、光が入射する側から、第1基板と第2基板と第3基板とを設けられる。
【0054】
(変形例10)
上述の実施の形態で説明した撮像素子22は、カメラ、スマートフォン、タブレット、PCに内臓のカメラ、車載カメラ等に適用されてもよい。
【0055】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0056】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2016年第70959号(2016年3月31日出願)