【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明による円筒型電池セルは、
電極端子部位を除いた円筒形ケースの外面を熱収縮性チューブが包んでいる円筒型電池セルであって、前記熱収縮性チューブは、
熱収縮性を有するポリエステル系樹脂のチューブ基材と、
熱収縮性チューブに色相を付与する顔料と、
熱収縮性チューブの引張強度及び使用温度を高めるナイロン系樹脂の補強剤と、
熱収縮性チューブに照射された紫外線を吸収して熱エネルギーとして放出することにより、前記ナイロン系樹脂又はポリエステル系樹脂の高分子鎖が酸素と反応して分解反応を引き起こすことを防止する紫外線吸収剤(UV Absorber)と、
を含むことを特徴とする。
【0015】
したがって、本発明による円筒型電池セルは、熱収縮性チューブに照射された紫外線を吸収して熱エネルギーとして放出し、ナイロン系樹脂又はポリエステル系樹脂の高分子鎖が酸素と反応して分解反応を引き起こすことを防止する紫外線吸収剤を含むことにより、熱収縮性チューブが長期間紫外線に露出される場合にもフィルムが損傷されるか変色することがなくて本来の絶縁機能及び外観保護機能をうまく維持することができる。
【0016】
また、本発明による円筒型電池セルは、熱収縮性チューブに熱収縮性チューブの引張強度及び使用温度を高めるナイロン系樹脂の補強剤を使うことにより、チューブが高温に露出されるか外部衝撃によってチューブが易しく変形されることを防止することができる。
【0017】
前記熱収縮性チューブは、色相付与のための顔料をさらに含むことができ、電池セルの容量などの差を色相で区別して表示することができるので、易しく分類及び区別することができる利点がある。
【0018】
一具体例において、前記ポリエステル系樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)樹脂であってもよい。
【0019】
詳細に、前記ポリエステル系樹脂をチューブの総重量を基準に70重量%〜90重量%含むことができ、より詳細に、前記ポリエステル系樹脂を70重量%未満含む場合、本発明が要求する適切な熱収縮率を得にくいため熱収縮チューブの機能を正常に発揮しにくく、反対に90重量%以上含む場合、高温に露出される場合、チューブが過度に変形又は変質しやすい問題がある。
【0020】
一具体例において、前記円筒型二次電池用熱収縮性チューブの厚さは1μm〜100μmであってもよい。
【0021】
一具体例において、前記紫外線吸収剤はベンゾフェノン系化合物であってもよく、具体的に前記ベンゾフェノン系化合物はヒドロキシベンゾフェノン(hydroxy benzophenone)であってもよい。
【0022】
また、前記紫外線吸収剤を熱収縮性チューブの総重量を基準に0.1重量%〜5重量%含むことができ、詳細に0.5重量%〜5重量%含むことができ、より詳細に前記紫外線吸収剤を0.1重量%未満含む場合、紫外線吸収剤のナイロン系樹脂又はポリエステル系樹脂の高分子鎖が酸素と反応して分解反応を引き起こすことを防止する効果を発揮しにくくいため紫外線の照射によるクラック発生を防止しにくく、反対に5重量%を超える場合、高価の紫外線吸収剤が過度に添加され、UV安定化効能に比べて製造コストが過度に高くなる問題がある。
【0023】
一具体例において、前記ナイロン系樹脂はナイロン66であってもよく、前記ナイロン66は、熱変形温度が70℃と比較的高く、耐熱温度は105℃、引張弾性率は2.9×10
4kg/cm
2、屈曲弾性率は3.0×10
4kg/cm
2である。他のナイロン6、ナイロン6−10及びナイロン6−12に比べて耐熱性が高くて機械的剛性が高い。
【0024】
また、前記ナイロン系樹脂を熱収縮性チューブの総重量を基準に3重量%〜10重量%含むことができる。
【0025】
また、前記ナイロン系樹脂をポリエステル系樹脂にブレンド状態で含むことができる。
一具体例において、前記顔料を熱収縮性チューブの総重量を基準に10重量%〜20重量%含むことができる。
【0026】
一具体例において、本発明による熱収縮性チューブは、50℃の雰囲気の条件で、光の強度が61.5W/m
2、光の波長が300nm〜400nmの紫外線に1,000時間露出されてもクラック(crack)が発生しない。
【0027】
一具体例において、前記熱収縮性チューブは、照射された紫外線によって前記ナイロン系樹脂又はポリエステル系樹脂の高分子鎖が切断されて生成された自由ラジカルの連鎖反応を抑制する紫外線安定剤(UV Stabilizer)をさらに含むことができ、具体的に、前記紫外線安定剤はベンゾエート系化合物であってもよく、前記ベンゾエート系化合物は、例えばブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(butyl−4−hydroxybenzoate)であってもよい。
【0028】
したがって、本発明による熱収縮性チューブは、紫外線吸収剤によってフィルムでクラックが発生することを防止することができるだけではなく、照射された紫外線によって前記ナイロン系樹脂又はポリエステル系樹脂の高分子鎖が切断されて生成された自由ラジカルの連鎖反応を抑制する紫外線安定剤をさらに含むことにより、より長時間にわたって紫外線によるチューブの変質を防止することができる。
【0029】
一具体例において、前記円筒型電池セルは二次電池であってもよく、前記二次電池はその種類が特に限定されるものではないが、具体的な例として、高いエネルギー密度、放電電圧、出力安全性などの利点を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのリチウム二次電池であってもよい。
【0030】
一般に、リチウム二次電池は、陽極、陰極、分離膜、及びリチウム塩含有非水電解液から構成されている。
【0031】
以下では、前記リチウム二次電池のその他の構成について説明する。
【0032】
具体的に、前記陽極は、例えば陽極集電体に陽極活物質粒子から構成された陽極活物質と導電材及びバインダーが混合された陽極合剤を塗布して製造することができ、必要によっては前記陽極合剤に充填剤をさらに添加することができる。
【0033】
前記陽極集電体は、一般的に3〜201μmの厚さに製造され、当該電池の化学的変化を引き起こさないながらも高い導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、及びアルミニウム又はステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン又は銀で表面処理したものから選択される1種を使うことができ、詳細にはアルミニウムを使うことができる。集電体はその表面に微細な凹凸を形成して陽極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態が可能である。
【0034】
前記陽極活物質は、例えば前記陽極活物質粒子の他に、リチウムニッケル酸化物(LiNiO
2)などの層状化合物又は一つ又はそれ以上の遷移金属に置換された化合物;化学式Li
1+xMn
2−xO
4(ここで、xは0〜0.33)、LiMnO
3、LiMn
2O
3、LiMnO
2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li
2CuO
2);LiV
3O
8、LiV
3O
4、V
2O
5、Cu
2V
2O
7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi
1−xM
xO
2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGa、x=0.01〜0.3)で表現されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn
2−xM
xO
2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTa、x=0.01〜0.1)又はLi
2Mn
3MO
8(ここで、M=Fe、Co、Ni、Cu又はZn)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn
2O
4;ジスルフィド化合物;Fe
2(MoO
4)
3などから構成されることができ、これらにのみ限定されるものではない。
【0035】
前記導電材は、通常に陽極活物質を含めた混合物総重量を基準に0.1〜30重量%添加される。このような導電材は当該電池に化学的変化を引き起こさないながらも導電性を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、天然黒鉛又は人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維又は金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使うことができる。
【0036】
前記陽極に含まれるバインダーは活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合に役立つ成分であり、通常に陽極活物質を含む混合物の総重量を基準に0.1〜30重量%添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げることができる。
【0037】
前記陰極は陰極集電体上に陰極活物質を塗布して乾燥することによって製作され、必要によって、前述したように陽極に含まれる成分を選択的にさらに含むこともできる。
【0038】
前記陰極集電体は一般的に3〜500μmの厚さに作られる。このような陰極集電体は当該電池に化学的変化を引き起こさないながらも導電性を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅ステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム−カドミウム合金などを使うことができる。また、陽極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して陰極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態を使うことができる。
【0039】
前記陰極活物質としては、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛炭素などの炭素;Li
xFe
2O
3(0≦x≦1)、Li
xWO
2(0≦x≦1)、Sn
xMe
1−xMe'
yO
z(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族及び3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO
2、PbO、PbO
2、Pb
2O
3、Pb
3O
4、Sb
2O
3、Sb
2O
4、Sb
2O
5、GeO、GeO
2、Bi
2O
3、Bi
2O
4、及びBi
2O
5などの金属酸化物;ポリアセンチレンなどの導電性高分子;Li−Co−Ni系材料などを使うことができる。
【0040】
前記分離膜は陽極と陰極の間に介装され、高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性の薄膜が使われる。分離膜の気孔の直径は一般的に0.01〜10μmであり、厚さは一般的に5〜300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラスファイバー又はポリエチレンなどから作られたシート又は不織布などが使われる。電解質としてポリマーなどの固体電解質が使われる場合には、固体電解質が分離膜を兼ねることもできる。
【0041】
前記リチウム塩含有非水系電解液は、非水電解液とリチウム塩からなる。非水電解液としては非水系有機溶媒、有機個体電解質、無機固体電解質などが使われるが、これらにのみ限定されるものではない。