(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6791862
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ルテイン又はルテインエステルを含むマイクロカプセル
(51)【国際特許分類】
A61K 31/047 20060101AFI20201116BHJP
A61K 31/215 20060101ALI20201116BHJP
A61K 9/50 20060101ALI20201116BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20201116BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20201116BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20201116BHJP
【FI】
A61K31/047
A61K31/215
A61K9/50
A61K47/36
A61P3/02
A23L33/105
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-541080(P2017-541080)
(86)(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公表番号】特表2018-509392(P2018-509392A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2016052619
(87)【国際公開番号】WO2016124784
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2019年1月29日
(31)【優先権主張番号】15154154.7
(32)【優先日】2015年2月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミューゼアス,ニナ
(72)【発明者】
【氏名】クリルボ,インゲ−リセ
【審査官】
渡部 正博
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−512390(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103735532(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0170247(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/154788(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0148099(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0026124(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0303913(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/003536(WO,A1)
【文献】
Pakistan Journal of Nutrition,2008年,Vol.7, No.3,pp.395-399
【文献】
XIAO-YING QV; ZENG ZHI-PING; JIANG JIAN-GUO,PREPARATION OF LUTEIN MICROENCAPSULATION BY COMPLEX COACERVATION METHOD AND ITS PHYSICOCHEMICAL PROPERTIES AND STABILITY ,FOOD HYDROCOLLOIDS,2011年 8月,VOL:25, NR:6,PAGE(S):1596 - 1603,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.foodhyd.2011.01.006
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A23L 33/00−33/29
A61K 9/00−9/72
A61K 47/00−47/69
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセル中に存在して分散特性を有する唯一の薬剤である天然のアカシアゴム及び場合により他の1つ以上のマトリックス構成成分を含むマトリックス中に埋め込まれた、ルテイン及びルテインエステルから選択される少なくとも1つの活性物質を含むマイクロカプセルであって、遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の3〜15%であり、添加された乳化剤を全く含まず、哺乳類タンパク質を含まない、マイクロカプセル。
【請求項2】
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の4〜13%である、請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の5〜10%である、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
少なくとも1つの抗酸化剤及び/又は可塑剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
前記アカシアゴムが、アカシアセネガルから得られた品質のものである、請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
添加された乳化剤が全くない前記天然のアカシアゴムの水溶液中に、融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物のエマルジョンを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロカプセルであって、前記ルテイン又はルテインエステル濃縮物が食用油中に場合により融解又は溶解した、マイクロカプセル。
【請求項7】
融解又は溶解した、非晶性ルテインエステル濃縮物のエマルジョンを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを製造する方法であって、
・ルテイン又はルテインエステル濃縮物を融解又は溶解するステップ、
・前記天然のアカシアゴム、及び場合により他の前記マトリックス構成成分の水溶液を準備するステップ、
・前記水溶液、及び前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物を混合するステップ、
・得られた調製物を乳化剤の添加なしに均質化するステップ、
・このようにして得られた混合物を微細に分割し、乾燥して、前記天然のアカシアゴムの中に埋め込まれたルテイン又はルテインエステルをそれぞれ含む大量の粒子を調製するステップ
を含む方法。
【請求項9】
前記ルテインエステル濃縮物が、植物油の群から選択される食用油の中に融解又は溶解される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ルテインエステル濃縮物が、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、MCT油、ヤシ油又は水素添加ヤシ油から選択される食用油の中に融解又は溶解される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
天然のアカシアゴムの前記水溶液が、前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物に、均質化の前に加えられる、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物が、天然のアカシアゴムの前記水溶液に、均質化の前に加えられる、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
均質化のさらなるステップを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
高圧均質化のさらなるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを含む製品。
【請求項16】
錠剤、栄養補助食品、食品、補助食品、乳製品、医薬品若しくは動物薬、飼料若しくは補助飼料、飲料、個人ケア製品又は生活用品である、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを含む錠剤、栄養補助食品又は食品であって、前記天然のアカシアゴムが、アカシアセネガルから得られた品質のものである、前記錠剤、栄養補助食品又は食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然のアカシアゴムの親水コロイドマトリックス中に埋め込まれた活性物質としてルテイン又はルテインエステルを含むマイクロカプセル、該マイクロカプセルを製造する方法、並びにその応用及び該マイクロカプセルを含む製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ルテインはキサントフィルであり、花などの植物、特にマリゴールドの花、及び緑色葉菜に見られる天然カロテノイドである。ルテインはたとえばマリゴールド、ホウレンソウ、ケール及びブロッコリの花弁から抽出することができる。特にマリゴールドはルテインに富んでおり、脂肪酸とのルテインエステルとして見出される。ルテインは機能性食品及びヘルスケア製品などの全ての種類の組成物において黄色色素として用いることができ、その薬学的効果及び用途はよく知られている。
【0003】
遊離ルテインとしてのルテインは
【化1】
の化学構造を有している。
【0004】
マリゴールドに見られる典型的なルテインエステルはモノ-又はジ-パルミテートであり、これらのエステルは遊離ルテインとは異なった特性を有している。遊離ルテインの分子量は約569g/モルであり、一方ジパルミテートの分子量は約1046g/モルである。
【0005】
遊離ルテインの融点は約190℃であり、一方天然ルテインエステル混合物の融点範囲は約50〜約80℃である。
【0006】
中国特許出願第102389108A号には、ルテインエステル結晶、油相及び水相の両方のための抗酸化剤及び乳化剤、フィラー、壁材料並びに油を含むルテインエステルマイクロカプセル粉末、並びにこれを製造する方法が開示されている。適用されるフィラー材料は加工アラビアゴム又は加工デンプン、例えばOSA変性アラビアゴム又はOSA変性デンプンである。該出願はマイクロカプセル粉末を作成するために水溶性乳化剤と油溶性乳化剤の両方が必要であると主張している。製剤中で乳化剤を用いることには、粉末粒子の中に空気が閉じ込められて中空の球を形成するという欠点がある。取り込まれた空気及びマイクロカプセルの多孔性により、ルテイン又はルテインエステルが化学的劣化を受ける。乳化剤の使用にはさらに、調製物がより高価になり、乳化剤を水相及び油相それぞれの中の他の成分と十分に混合しなければならないために製造に時間がかかるという欠点がある。さらに、粉末製剤中の成分のリストが多くなる。
【0007】
EP第1794238B1号には、イソマルト及び加工デンプンなどの保護コロイドをカプセル化材料として用いるマイクロカプセル化方法によって得られる、結晶ルテインなどの1つ以上のカロテノイドを含む、カロテノイド含有乾燥粉末が開示されており、ここで結晶カロテノイドの最初の懸濁液は摩砕されている。
【0008】
EP第1898721B1号には、結晶ルテインなどの少なくとも1つ以上のカロテノイド、加工デンプン及びスクロースを含む水性カロテノイド含有懸濁液が開示されており、ここで結晶カロテノイドの最初の懸濁液は摩砕されている。
【0009】
WO第2014/154788号には、ルテイン粒子及びマトリックス材料としてのマルトデキストリンを含む粉末状組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】中国特許出願第102389108A号
【特許文献2】EP第1794238B1号
【特許文献3】EP第1898721B1号
【特許文献4】WO第2014/154788号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主目的は、ルテイン又はルテインエステル濃縮物及びアカシアゴムをベースとし、より進んだクリーンラベルを有し成分数が少なくなると見込まれる、改善された製品を提供することである。これらは最終製品においてより強く、より長続きする色の印象を有するか作り出し、現状の製品に比べてより安定で、かつ酸化に対してより感受性が低いと見込まれる。これらは化学的安定性がより高く、組成がより天然に近いと見込まれる。これらはより容易に、かつより良い費用効率で製造されると見込まれる。
【0012】
別の目的は、錠剤、栄養補助食品、及び牛乳製品などの乳製品に用いることができるルテイン又はルテインエステル濃縮物及びアカシアゴムをベースとし、ルテイン及び/又はルテインエステルの適切なカプセル化による高い安定性並びに改善された酸素バリア性を有する、改善された製品を提供することである。
【0013】
良好な着色特性を有する製品を提供することも目的である。
【0014】
さらに別の目的は、そのような製品を製造するための費用効率が良い方法を提供することである。
【0015】
最後に、哺乳類又は魚タンパク質を含まない製品を提供することも目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、天然のアカシアゴム及び場合により他の1つ以上のマトリックス構成成分を含むマトリックスの中に埋め込まれた、ルテイン及びルテインエステルから選択される少なくとも1つの活性物質を含むマイクロカプセルであって、遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量はマイクロカプセルの全重量の0.5〜25%であり、添加された乳化剤を全く含まない、マイクロカプセルに関する。
【0017】
特に、マイクロカプセルは添加された油相乳化剤を全く含まない。
【0018】
驚くべきことに、本発明のマイクロカプセルはアカシアゴムの他に分散剤を全く添加することなく提供できることが見出された。したがって、アカシアゴムはマイクロカプセル中に存在して分散特性を有する唯一の薬剤である。伝統的には、また従来技術によれば、十分に小さな粒径を確実にするために伝統的な乳化剤がマイクロカプセル中に含まれており、乳製品及び食品などのマイクロカプセルを含む最終製品の外観及び色にとっては粒径が小さなことが重要である。添加された伝統的な乳化剤が全く存在しないということは、製造中の発泡が避けられるという点で、ルテイン及びルテインエステルを含む従来技術のマイクロカプセルと比べて有利である。製造中に発泡するとマイクロカプセル中に空気が取り込まれ、空気は最終製品中のルテイン又はルテインエステルの化学的安定性を低下させる。最後に、添加される乳化剤が全くない製品は、クリーンラベルという利点がある。
【0019】
別の態様において、本発明は本発明によるマイクロカプセルを製造する方法であって、
・ルテイン又はルテインエステル濃縮物を融解又は溶解するステップ、
・天然のアカシアゴム及び前記場合により他のマトリックス構成成分の水溶液を準備するステップ、
・前記水溶液と前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物とを混合するステップ、
・得られた調製物を乳化剤の添加なしに均質化するステップ、
・このようにして得られた混合物を微細に分割し、乾燥して、前記天然のアカシアゴムの中に埋め込まれたルテイン又はルテインエステルをそれぞれ含む大量の粒子を調製するステップ
を含む方法に関する。
【0020】
第3の態様において本発明は、本発明の方法に従って得られる本発明のマイクロカプセルに関する。
【0021】
第4の態様において本発明は、本発明のマイクロカプセルを含む製品、特に錠剤、栄養補助食品及び食品に関する。
【0022】
定義
本発明に関して、明細書中で他に定義しない限り、以下の用語は以下を含むことを意味する。
【0023】
ルテインエステル濃縮物は、約50〜80℃の融解範囲を有する暗橙褐色の含油樹脂又は顆粒状粉末である。これは典型的には70〜85%のルテインエステルを含み、遊離ルテインの量の約半分に相当する。これは油の中で溶解し又は融解することができる。
【0024】
ルテインエステル濃縮物はルテインに関するEFSA(欧州食品安全機関、European Food Safety Authority)の規格(Directive 2008/128/EC(E 161b))に適合する。ルテインの主な着色成分は、ルテイン及びその脂肪酸エステルが主な部分を占めるカロテノイドからなる。種々の量の他のカロテン及びゼアキサンチンエステルなどのキサントフィルエステルも濃縮物中に存在する。ルテインは植物材料中に天然に存在する脂質、油及びワックスを含むことがある。ルテインエステル濃縮物は最低60%の全カロテノイドエステルを含む。
【0025】
天然アカシアゴムは、本発明に関して、分散特性を有する保護親水コロイドと定義される。アカシアゴムは化学的に改質されていないという意味で天然である。本発明に関して、これは以下の定義による伝統的な乳化剤(界面活性剤)と理解すべきではない。アカシアゴムはアカシアセネガル(acacia Senegal)又はアカシアセイヤル(acacia Seyal)の幹及び枝からの乾燥浸出液である。アカシアゴムは異なった品質のものが市販されている。カプセル化にはアカシアセネガルをベースとする品質が好ましい。
【0026】
乳化剤は親水性の頭部と疎水性の尾部を有する物質であると定義される。乳化剤は非イオン性、アニオン性及びカチオン性乳化剤に分類することができる。乳化剤はHLB値(親水性-親油性バランス)によって油溶性(低HLB値)又は水溶性(高HLB値)であり得る。両方の種類をエマルジョンに加えると相乗的に作用することが多い。食品に許可されている典型的な乳化剤には、グリセロール脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、アスコルビルパルミテート及びアスコルビルステアレートが含まれる。
【0027】
分散は、1つの相(連続相)を第2の相(分散相)と混合して分散体を調製することであって、2つの相が混和性でないことを意味する。それぞれの相の性質は液体、固体、又は気体でもよい。
【0028】
均質化は、分散相の液滴/粒子の寸法を低減させるために分散体を処理することを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のマイクロカプセルの1つの実施形態において、遊離ルテインとして計算した前記少なくとも1つの活性物質の含量はマイクロカプセルの全重量の1〜20%、好ましくは3〜15%、より好ましくは4〜13%、たとえばマイクロカプセルの全重量の5〜10%である。
【0030】
本発明のマイクロカプセルの第2の実施形態において、天然アカシアゴムはアカシアセネガルから得られた品質のものである。
【0031】
本発明のマイクロカプセルの第3の実施形態において、マイクロカプセルはたとえばt-ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、EDTA若しくはその塩、トコフェロール、TBHQ、エトキシキン、プロピルガレート、及びローズマリー若しくはオレガノ抽出物などのハーブ抽出物から本質的になる群、又はこれらを含む群から選択される少なくとも1つの抗酸化剤を含む。
【0032】
マイクロカプセルの第4の実施形態において、マイクロカプセルはたとえば炭水化物及び炭水化物アルコールから本質的になる、又はこれらを含む群から選択される少なくとも1つの可塑剤を含み、その例はスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、転化糖、グルコースシラップ、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、タガトース、プルラン、ラフチロース(オリゴフルクトース)、デキストリン、マルトデキストリン、グリセリン及びそれらの混合物である。
【0033】
第5の実施形態において、マイクロカプセルは活性物質としてルテインエステルを含む。遊離のルテインのマイクロカプセルを含む従来技術の製品と比較して、該マイクロカプセルは、ルテインエステルがルテインの天然型であるというさらなる利点を有する。マリゴールド抽出物から遊離のルテインを生産するためには厳しい条件下での鹸化が必要である。マイクロカプセル中のルテインエステルを用いれば、この処理ステップを避けることができる。この実施形態の特定の形態において、マイクロカプセルは非晶性ルテインエステル濃縮物から製造した。
【0034】
第6の実施形態において、マイクロカプセルは天然アカシアゴムの乳化剤なしの水溶液中に融解又は溶解したルテイン若しくはルテインエステル濃縮物のエマルジョンから調製され、前記ルテイン又はルテインエステル濃縮物は、植物油などの食用油中に場合により融解又は溶解されている。
【0035】
第7の実施形態において、マイクロカプセルは非晶性ルテインエステルから調製される。
【0036】
本発明のマイクロカプセルの第8の実施形態において、ルテイン/ルテインエステルの液滴は、0.02〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜5μm又は0.2〜1.5μm、特に0.1〜0.5μmのフラウンホーファー回折によって決定される平均径D[4;3]を有する。D[4;3]という用語については実施例の緒言で説明する。
【0037】
マイクロカプセルは、抗ケーキング剤として、たとえばリン酸三カルシウム並びにシリケート、とりわけ二酸化ケイ素及びケイ酸ナトリウムアルミニウムから本質的になる、又はこれらを含む群から選択される従来の添加剤をさらに含んでもよい。
【0038】
大量の粒子を製造するための水中油調製物の混合物の分割及び乾燥は、噴霧冷却、改良噴霧冷却、噴霧乾燥、改良噴霧乾燥又はシート乾燥及び粉砕などの任意の従来法で行うことができる。たとえばWO第91/06292A1号を参照されたい。
【0039】
本発明の方法の1つの実施形態において、ルテイン又はルテインエステル濃縮物が、たとえばヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、MCT油、ヤシ油又は水素添加ヤシ油から本質的になる、又はこれらを含む群から選択される植物油の中で融解又は溶解される。油の中でルテイン又はルテインエステルを融解又は溶解することによって、分散及び均質化を助け、適用される温度を低くすることができる。
【0040】
本発明の方法は第2の実施形態において高圧均質化などの均質化のさらなるステップを含んでよい。
【0041】
本発明の方法の第3の実施形態において、アカシアゴムの水溶液が、融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物に、均質化の前に加えられる。水相を油相に加えることによって、ルテイン又はルテインエステルの物理的な損失を最小化することができる。
【0042】
本方法の第4の実施形態において、融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物が、アカシアゴムの水溶液に、均質化の前に加えられる。
【0043】
本方法の第5の実施形態において、ルテイン又はルテインエステル濃縮物が、アカシアゴムの水溶液に加えられ、均質化の前の加熱の間に融解される。これはより簡単な方法であり、物理的損失が最小化されるため、ルテイン又はルテインエステルが均質化の前に油中で融解又は溶解しない場合には好ましい。
【0044】
本発明の方法の第6の実施形態において、ルテイン/ルテインエステルの液滴が、0.02〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜5μm又は0.2〜2μm、特に0.1〜1μmのフラウンホーファー回折によって決定される平均径D[4;3]になるまで、均質化が継続される。D[4;3]という用語については実施例の緒言で説明する。
【0045】
本方法の第7の実施形態において、ルテインエステル濃縮物が融解又は溶解される。ルテインエステルは遊離ルテインよりも低い融点を有し、そのため本発明のこの実施形態においてルテインエステルを大気圧下で融解又は溶解して本方法において直接これを用いることができる。この方法にはより穏和な条件が含まれ、したがって遊離ルテインを用いる方法よりも費用効率が良い。
【0046】
ルテイン又はルテインエステル濃縮物を融解することは、溶媒の使用を節約できるため費用効率が良い。これは、遊離ルテインに比べて融点が低く、したがって融解に必要な熱エネルギーが少ないルテインエステルについて特に当てはまる。
【0047】
本発明は、本発明のマイクロカプセル又は本発明に従って製造されたマイクロカプセルを含む製品にも関する。そのような製品の例は、錠剤、栄養補助食品、乳製品、食品、補助食品、医薬品若しくは動物薬、飼料若しくは補助飼料、飲料、個人ケア製品又は生活用品である。
【実施例】
【0048】
ルテインエステル及び遊離ルテインの含量の決定
マイクロカプセル中のルテインエステル及び遊離ルテインの含量は以下のようにして決定する。アルカラーゼ及び熱を用いる穏和なアルカリ性条件下で、ルテイン又はルテインエステルをマイクロカプセルから放出させる。エタノール及びジエチルエーテルを2:5の比で用いてルテイン又はルテインエステルを抽出し、この抽出物のアリコートを既知量のエタノールに溶解する。特定の波長で紫外/可視吸光度を測定し、ランバート-ベール式により既知の吸光係数から濃度を計算する。ラムダ(最大)=約446nmにおける吸光度を用いれば、ルテインエステルを含むマイクロカプセル中のルテインエステルの含量は吸光係数E
1%1cm=1373を用いて計算することができる。相当する遊離ルテインの含量は、同じ測定から吸光係数E
1%1cm=2550を用いて計算することができる。遊離ルテインを含むマイクロカプセルについては、遊離ルテインの含量を計算するために吸光係数E
1%1cm=2550を用いる。
【0049】
粒径(油滴径)の測定
均質化は従来の均質化装置を用いて行う。均質化は油滴がフラウンホーファー回折によって決定される所望の平均径D[4;3]になるまで行う。D[4;3]という用語は体積で重みづけした平均直径を意味する(Operators Guide, Malvern Mastersizer 2000, Malvern Instruments Ltd., 1998/1999, UK, Chapter 6, page 6.3を参照されたい)。
【0050】
錠剤安定性の測定
1錠あたり約2mgのルテインエステル(即ち1mgのルテイン)を含むマルチビタミンミネラル錠剤を調製した。錠剤をHDPE容器に満たし、アルミナの蓋で密封した。錠剤を40℃、相対湿度75%で6か月保存した。3か月及び6か月の保存後、それぞれの場合においてルテインエステルの含量を分析した。
【0051】
[実施例1]
天然のアカシアゴム514g、スクロース171g、及びアスコルビン酸ナトリウム18gを、撹拌しながら65℃で600gの水に溶解した。ルテインエステル濃縮物180g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)17.2gを撹拌しながら加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を、流動剤として二酸化ケイ素を含む天然のコーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0052】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して11.3%のルテインエステル含量を有し、これは6.08%の遊離ルテインに相当した。
【0053】
[実施例2]
容器Aの中で、天然のアカシアゴム1541g、スクロース382g、及びアスコルビン酸ナトリウム54gを、撹拌しながら65℃で1800gの水に溶解した。容器Bの中で、ルテインエステル濃縮物540gを、MCT油137g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)48.2gとともに60〜90℃で融解した。容器Bの油相を撹拌しながら容器Aの水相に加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を、流動剤として二酸化ケイ素を含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0054】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して10.9%のルテインエステル含量を有し、これは5.87%の遊離ルテインに相当した。
【0055】
[実施例3]
容器Aの中で、天然のアカシアゴム1541g、スクロース382g、及びアスコルビン酸ナトリウム54gを、撹拌しながら65℃で1800gの水に溶解した。容器Bの中で、ルテインエステル濃縮物540gを、水素添加ヤシ油137g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)48.2gとともに60〜90℃で融解した。容器Bの油相を撹拌しながら容器Aの水相に加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を、流動剤として二酸化ケイ素を含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0056】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して12.2%のルテインエステル含量を有し、これは6.57%の遊離ルテインに相当した。
【0057】
[実施例4]
容器Aの中で、天然のアカシアゴム1541g、スクロース382g、及びアスコルビン酸ナトリウム54gを、撹拌しながら65℃で1800gの水に溶解した。容器Bの中で、ルテインエステル濃縮物540gを、水素添加ヤシ油137g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)48.2gとともに60〜90℃で融解した。容器Bの油相を撹拌しながら容器Aの水相に加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を700barで高圧ホモジナイザーに通した後、流動剤として二酸化ケイ素を含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0058】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して10.0%のルテインエステル含量を有し、これは5.38%の遊離ルテインに相当した。
【0059】
[実施例5]
容器Aの中で、天然のアカシアゴム1750g、スクロース584g、及びアスコルビン酸ナトリウム62.5gを、撹拌しながら65℃で2700gの水に溶解した。容器Bの中で、ルテインエステル濃縮物625gを、ヒマワリ油62.5g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)44.6gとともに60〜90℃で融解した。容器Aの水相を撹拌しながら容器Bの油相に加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を800barで高圧ホモジナイザーに通した後、流動剤としてリン酸三カルシウムを含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0060】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して8.6%のルテインエステル含量を有し、これは4.63%の遊離ルテインに相当した。
【0061】
[実施例6]
天然のアカシアゴム1743g、スクロース581g、及びアスコルビン酸ナトリウム50gを、撹拌しながら65℃で2000gの水に溶解した。ルテインエステル濃縮物500g、ヒマワリ油50g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)35.7gを撹拌しながら加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を800barで高圧ホモジナイザーに通した後、流動剤としてリン酸三カルシウムを含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0062】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して10.1%のルテインエステル含量を有し、これは5.44%の遊離ルテインに相当した。
【0063】
[実施例7]
天然のアカシアゴム1743g、スクロース581g、及びアスコルビン酸ナトリウム50gを、撹拌しながら65℃で1700gの水に溶解した。ルテインエステル濃縮物500g、ヒマワリ油50g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)35.7gを撹拌しながら加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を800barで高圧ホモジナイザーに通した後、流動剤としてリン酸三カルシウムを含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、40〜150℃で乾燥した。
【0064】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して9.3%のルテインエステル含量を有し、これは5.0%の遊離ルテインに相当した。
【0065】
[実施例8]
容器Aの中で、天然のアカシアゴム1750g、スクロース584g、及びアスコルビン酸ナトリウム62.5gを、撹拌しながら65℃で1800gの水に溶解した。容器Bの中で、ルテインエステル濃縮物625gを、ヒマワリ油62.5g及び混合トコフェロール(70%濃縮物)44.6gとともに60〜90℃で融解した。容器Aの水相を撹拌しながら容器Bの油相に加え、ルテインエステル液滴が1.0μm未満の平均粒径D[4;3]になるまで均質化した。粘度を水で調節し、分散液を800barで高圧ホモジナイザーに通した後、流動剤としてリン酸三カルシウムを含む天然コーンスターチに噴霧した。形成された粒子を粉末の含水率が5%未満になるまで空気中、50〜150℃で乾燥した。
【0066】
得られた乾燥粉末は、紫外/可視分光法で決定して10.6%のルテインエステル含量を有し、これは5.70%の遊離ルテインに相当した。
【0067】
実施例に従って調製したマイクロカプセルの安定性を錠剤中及びミルク中で試験した。
【0068】
[実施例9]
錠剤の調製
1錠剤あたり約2mgのルテインエステルを含むマルチビタミンミネラル錠剤を用いてルテインエステルマイクロカプセル粉末の化学的安定性を試験した。錠剤はHDPE容器に包装し、その蓋をヒートシールアルミニウム箔で密封した。錠剤を40℃及び相対湿度75%で6か月保存した。3か月及び6か月の保存後、それぞれの場合についてルテインエステル含量を分析した。結果は下の表1に示す通りである。
【0069】
【表1】
【0070】
[実施例10]
ミルクの調製
ルテイン濃度20ppmに相当する量のルテインエステルマイクロカプセル粉末を冷却したミルクに溶解した。溶液を60℃に加熱し、均質化して、95℃で10分殺菌した。ミルクをボトルに入れ、冷所(10℃未満)に3週間保存した。コロイドの安定性(リングの形成)を毎週目視で評価した。
【0071】
実施例4に従って調製したマイクロカプセルを含む粉末をミルク中で試験した。保存2週間後にミルク中にリングの形成は観察されず、試料はこの用途において十分な安定性を有していた。
【0072】
本発明はこれまでに述べた実施例に限定されるものではなく、多くのやり方で変形させることができる。たとえば、ルテイン若しくはルテインエステルの代わりに、又は前記ルテイン若しくはルテインエステルと組み合わせて、以下のカロテノイド又はそのエステル、即ちゼアキサンチン、β-カロテン、α-カロテン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β-クリプトキサンチン、シトラナキサンチン及びβ-アポ-8'-カロテノイドも用いることができる。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
天然のアカシアゴム及び場合により他の1つ以上のマトリックス構成成分を含むマトリックス中に埋め込まれた、ルテイン及びルテインエステルから選択される少なくとも1つの活性物質を含むマイクロカプセルであって、遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の0.5〜25%であり、添加された乳化剤を全く含まない、マイクロカプセル。
(実施形態2)
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の1〜20%である、実施形態1に記載のマイクロカプセル。
(実施形態3)
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の3〜15%である、実施形態1又は2に記載のマイクロカプセル。
(実施形態4)
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の4〜13%である、実施形態1から3のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態5)
遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の5〜10%である、実施形態1から4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態6)
少なくとも1つの抗酸化剤及び/又は可塑剤をさらに含む、実施形態1から5のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態7)
前記アカシアゴムが、アカシアセネガルから得られた品質のものである、実施形態1から6のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態8)
前記天然のアカシアゴムの乳化剤非存在下の水溶液中に、融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物のエマルジョンから製造された、実施形態1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセルであって、前記ルテイン又はルテインエステル濃縮物が食用油中に場合により融解又は溶解している、マイクロカプセル。
(実施形態9)
非晶性ルテインエステル濃縮物から製造される、実施形態1から8のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態10)
実施形態1から9のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを製造する方法であって、
・ルテイン又はルテインエステル濃縮物を融解又は溶解するステップ、
・前記天然のアカシアゴム、及び場合により他の前記マトリックス構成成分の水溶液を準備するステップ、
・前記水溶液、及び前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物を混合するステップ、
・得られた調製物を乳化剤の添加なしに均質化するステップ、
・このようにして得られた混合物を微細に分割し、乾燥して、前記天然のアカシアゴムの中に埋め込まれたルテイン又はルテインエステルをそれぞれ含む大量の粒子を調製するステップ
を含む方法。
(実施形態11)
前記ルテインエステル濃縮物が、植物油、たとえばヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、サフラワー油、MCT油、ヤシ油又は水素添加ヤシ油のような食用油の中に融解又は溶解される、実施形態10に記載の方法。
(実施形態12)
天然のアカシアゴムの前記水溶液が、前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物に、均質化の前に加えられる、実施形態10又は11に記載の方法。
(実施形態13)
前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物が、天然のアカシアゴムの前記水溶液に、均質化の前に加えられる、実施形態10又は11に記載の方法。
(実施形態14)
高圧均質化などの均質化のさらなるステップを含む、実施形態10から13のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態15)
天然のアカシアゴム及び場合により他の1つ以上のマトリックス構成成分を含むマトリックス中に埋め込まれた、ルテイン及びルテインエステルから選択される少なくとも1つの活性物質を含むマイクロカプセルであって、遊離ルテインとして計算される前記少なくとも1つの活性物質の含量が、前記マイクロカプセルの全重量の0.5〜25%であり、前記マイクロカプセルが添加された乳化剤を全く含まず、
・ルテイン又はルテインエステル濃縮物を融解又は溶解するステップ、
・前記天然のアカシアゴム、及び場合により他の前記マトリックス構成成分の水溶液を準備するステップ、
・前記水溶液と前記融解又は溶解したルテイン又はルテインエステル濃縮物とを混合するステップ、
・得られた調製物を乳化剤の添加なしに均質化するステップ、
・このようにして得られた混合物を微細に分割し、乾燥して、前記天然のアカシアゴムの中に埋め込まれたルテイン又はルテインエステルをそれぞれ含む大量の粒子を調製するステップ
を含む方法によって得られる、マイクロカプセル。
(実施形態16)
実施形態1から9及び15のいずれか一項に記載のマイクロカプセル又は実施形態10から14のいずれか一項に従って製造されたマイクロカプセルを含む製品。
(実施形態17)
錠剤、栄養補助食品、食品、補助食品、乳製品、医薬品若しくは動物薬、飼料若しくは補助飼料、飲料、個人ケア製品又は生活用品である、実施形態16に記載の製品。
(実施形態18)
実施形態1から9及び15のいずれか一項に記載のマイクロカプセル又は実施形態10から14のいずれか一項に従って製造されたマイクロカプセルを含む錠剤、栄養補助食品又は食品であって、前記天然のアカシアゴムが、アカシアセネガルから得られた品質のものである、前記錠剤、栄養補助食品又は食品。