(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの界面活性剤を更に含む、任意選択で少なくとも1つのアニオン性界面活性剤及び少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
食器洗い用洗剤組成物、洗濯洗剤組成物、染着除去/前処理組成物又は硬質表面用クリーニング組成物と更に定義される、任意選択で自動食器洗い用(ADW)洗剤組成物と更に定義される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「周囲温度」又は「室温」という用語は、約20℃〜約30℃の温度を指す。通常、室温は、約20℃〜約25℃の範囲である。本明細書で言及されているすべての粘度測定は、別段指示がない限り25℃にて測定した。以下の略語は、本明細書において以下の意味を有する:「Me」は、メチルを意味し、「Et」は、エチルを意味し、「Pr」はプロピルを意味し、「Bu」はブチルを意味し、「g」はグラムを意味し、「ppm」は100万分の1部を意味し、「h」は時間を意味し、「GC/MS」はガスクロマトグラフィー及び質量分析を意味し、「NMR」は核磁気共鳴を意味する。
【0013】
「ヒドロカルビル」は、置換又は非置換であってよい一価炭化水素基を意味する。ヒドロカルビル基の具体的な例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
【0014】
「アルキル」は、非環状、分岐又は非分岐の飽和一価炭化水素基を意味する。アルキルは、Me、Et、Pr(例えばイソ−Pr及び/又はn−Pr)、Bu(例えばイソ−Bu、n−Bu、tert−Bu及び/又はsec−Bu)、ペンチル(例えばイソ−ペンチル、ネオ−ペンチル及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシル並びに分岐した6〜12個の炭素原子の飽和一価炭化水素基により例示されるが、それらに限定されない。アルキル基は、1〜30、あるいは1〜24、あるいは1〜20、あるいは1〜12、あるいは1〜10、あるいは1〜6個の炭素原子を有し得る。
【0015】
「アルケニル」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の一価炭化水素基を意味する。アルケニルは、ビニル、アリル、メタリル、プロペニル及びヘキセニルにより例示されるが、それらに限定されない。アルケニル基は、2〜30、あるいは2〜24、あるいは2〜20、あるいは2〜12、あるいは2〜10、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
【0016】
「アルキニル」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の一価炭化水素基を意味する。アルキニルは、エチニル、プロピニル及びブチニルにより例示されるが、それらに限定されない。アルキニル基は、2〜30、あるいは2〜24、あるいは2〜20、あるいは2〜12、あるいは2〜10、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
【0017】
「アリール」は、環状、完全に不飽和の炭化水素基を意味する。アリールは、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル及びナフチルにより例示されるが、それらに限定されない。単環式アリール基は、5〜9、あるいは6〜7、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17、あるいは10〜14、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。
【0018】
「アラルキル」は、ペンダント及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基は、トリル、キシリル、メシチル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。
【0019】
「アルケニレン」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の二価炭化水素基を意味する。「アルキレン」は、非環状、分岐又は非分岐の飽和二価炭化水素基を意味する。「アルキニレン」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の二価炭化水素基を意味する。「アリーレン」は、環状の完全不飽和二価炭化水素基を意味する。
【0020】
「炭素環」及び「炭素環式」は、それぞれ、炭化水素環を意味する。炭素環は、単環式環であってよく、あるいは縮合、架橋又はスピロ多環式環であってよい。単環式炭素環は、3〜9、あるいは4〜7、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式炭素環は、7〜17、あるいは7〜14、あるいは9〜10個の炭素原子を有し得る。炭素環は、飽和又は部分的に不飽和であってよい。
【0021】
「シクロアルキル」は、飽和炭素環を意味する。単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルにより例示される。「シクロアルキレン」は、二価飽和炭素環を意味する。
【0022】
別の基、例えばヒドロカルビル基に関連して使用されている「置換されている」という用語は、別段指示がない限り、1個以上の水素原子が、ヒドロカルビル基において別の置換基で置き換えられていることを意味する。そのような置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素、臭素及びヨウ素、ハロゲン原子含有基、例えばクロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル及びノナフルオロヘキシル、酸素原子、酸素原子含有基、例えば(メタ)アクリル及びカルボキシル、窒素原子、窒素原子含有基、例えばアミン、アミノ官能基、アミド官能基及びシアノ官能基、硫黄原子、並びに硫黄原子を含有する基、例えばメルカプト基が挙げられる。
【0023】
M、D、T及びQ単位は、一般的に、R
uSiO(
4−u)/2として表されている(式中、uは、M、D、T及びQに対してそれぞれ3、2、1及び0であり、Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基である)。M、D、T、Qは、分子構造の残部に連結するケイ素原子に共有結合した、1個の(モノ)、2個の(ジ)、3個の(トリ)又は4個の(クアッド)酸素原子を指定する。
【0024】
洗剤組成物
トリシロキサンを含む洗剤組成物が提供される。洗剤組成物は、単に洗剤と呼ばれ得る。「洗剤」という用語は、一般的に、洗い及びクリーニングプロセスを意図されている、石鹸及び/若しくは他の界面活性剤を含有する任意の物質、組成物、製剤又は調製物を意味する。適切な洗剤組成物は、任意の形態(例えば液体、ゲル、粉末、ペースト、バー、ケーキ、成形片、造形品など)であってよく、家庭用、業務用、又は産業用の目的のために、市場に出されてよく、又はその目的で使用されてよい。
【0025】
洗剤組成物は、特定の形態に限定されない。典型的には、洗剤組成物は、食器洗い用、洗濯又は硬質表面洗いに適している形態である。「洗い」という用語は、一般的に、洗濯物、布、食器及び他の軟質又は硬質表面のクリーニングを意味する。様々な実施形態において、洗剤組成物は、液体(濃縮物及び希釈形態を含む)、ゲル又は粉末の形態である。形態の組み合わせ、例えば、液体、ゲル、及び/又は粉末(易流動性粉末及び圧縮粉末を含む)から選択される少なくとも2つの形態を含む、例えばポーチ又はサシェも利用してよい。
【0026】
一般的に洗剤とみなされる他の生成物は:一般的に、生地、家庭用リネンなどの浸漬(予洗い)、すすぎ、クリーニング又はブリーチを意図されている補助洗い調製物、一般的に、布の洗いを補完しようとするプロセスにおいて、布の感触を変更するよう意図されている洗濯用織物柔軟剤、一般的に、家庭内のあらゆる目的のクリーナー、及び/又は他の表面(例えば材料、生成物、機構、機械設備、運搬手段及び関連装備、機器、装置など)のクリーニングを意図されているクリーニング調製物、並びに、一般的に、他の任意の洗い及びクリーニングプロセスを意図されている他のクリーニング及び洗い調製物が挙げられる。
【0027】
トリシロキサン
トリシロキサンは、洗剤添加剤と呼ばれ得る。多くの実施形態において、トリシロキサンは、欧州議会及び洗剤審議会の法令(EC)No.648/2004による要件を満たし、これは、EC No.907/2006及び551/2009を含めた、それに後続するあらゆる修正事項/添付書類と共に、参照により本明細書に組み込む。トリシロキサンは、概して、EC No.648/2004に従って定義される「界面活性剤」ではない。「界面活性剤」という用語は、具体的には、EC No.648/2004を参照すると、一般的には、表面活性を有し、水の表面張力の低下、並びに水/空気界面における拡散単層又は吸着単層の形成、並びにエマルション及び/又はマイクロエマルション及び/又はミセルの形成、並びに水−固体界面での吸着が可能な性質及び大きさの、1個以上の親水性、及び1個以上の疎水性基からなる洗剤に使用される任意の有機物質及び/又は調製物と定義される。この点において、追加の態様は、以下の実施例のセクションを参照して認識され得る。
【0028】
少なくとも1個のカルビノール官能基を有するトリシロキサンが提供される。「カルビノール」という用語は、炭素原子に結合しているヒドロキシル基(C−OH)を指し、ケイ素原子に結合しているヒドロキシル基(Si−OH)とは区別される。カルビノール官能基は、一般的に、非加水分解性部分によりシロキサン骨格に連結している。トリシロキサンは、カルビノール官能トリシロキサン、ヒドロキシ官能トリシロキサン、いくつかの例において、ポリオール官能トリシロキサンとも呼ばれる。
【0029】
シリコーン業界で理解されているように、トリシロキサンは、一般的に、両側にMユニット、すなわち、末端Mユニットが配置されているDユニットを含む。更に、トリシロキサンは、一般的に、T及びQ単位をいずれも含まない。
【0030】
様々な実施形態において、トリシロキサンは、1〜6個、あるいは2〜5個、あるいは3〜4個のカルビノール官能基を有する。トリシロキサンのカルビノール官能基(複数可)は、典型的には、少なくとも洗剤組成物に組み込む前に、より典型的には、洗剤組成物(例えば洗い用)に組み込んだ後、及びその最終使用の前に、遊離したままである。カルビノール官能基は、一般的に、親水性であるため、水性用途に有用である一方、シロキサン骨格は、疎水性に有用である。
【0031】
トリシロキサンは、(A)初期トリシロキサンと(B)有機化合物との反応生成物を含む。「初期」という用語は、成分(A)が、成分(A)及び(B)の反応を経由して形成された本発明のトリシロキサンと異なることを意味する。「有機」という用語は、炭素を含む、あるいは炭素及び水素を含む成分(B)を意味する。多くの実施形態において、成分(B)は、ケイ素を含まない。
【0032】
様々な実施形態において、反応生成物は、本質的に、成分(A)及び(B)からなる。本明細書で使用されているように、「本質的に、〜からなる(consisting essentially of)」という語句は、一般的に、特定の実施形態に対して具体的に列挙されている構成要素/成分を包含する。更に、「本質的に、〜からなる」という語句は、一般的に、その特定の実施形態の基本的及び/又は新規な特性に著しく影響を及ぼさない追加の又は任意選択の構成要素/成分の存在を包含し、可能にする。ある実施形態において、「本質的に、〜からなる」は、反応生成物の合計重量に基づく追加の、又は任意選択の成分が≦10、≦5又は≦1重量パーセント(重量%)存在することを許容する。他の実施形態において、反応生成物は、成分(A)及び(B)からなる。
【0033】
本明細書で使用されているように、「(A)」及び「(B)」の指定は、特定の順序を必要とする、又は、ある成分の、他の成分と比較した特別な重要性を指示するとは解釈されない。具体的には、様々な実施形態の説明には、羅列が使用され得る。明示的に別段の定めをした場合を除き、羅列の使用は、任意の特定の順序又は成分の数に関して本発明を限定すると解釈されるべきではない。羅列の使用は、羅列されている成分又はステップと組み合わせられる、又はそれにまとめられる任意の追加の成分又はステップを、本発明の範囲から排除すると解釈されるべきでもない。
【0034】
成分(A)
成分(A)は、ペンダントケイ素結合官能基を有する。ペンダントケイ素結合官能基は、一般的に、水素原子、エポキシ含有基、エチレン性不飽和基及びアミン基から選択される。「ペンダント」ケイ素結合官能基は、トリシロキサンのDユニットに連結する。
【0035】
ある実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、水素原子である。他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、エポキシ含有基である。エポキシ含有基は、エポキシ基、又は、非加水分解性部分によりシリコーン骨格に連結するエポキシ基であってよい。他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、エチレン性不飽和基である。成分(A)に対する適切なエチレン性不飽和基は、アルケニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、プロペニル、ヘキセニルなどが挙げられる。ある実施形態において、成分(A)は、ペンダントケイ素結合アルケニル基、例えばアリル基を有する。更に他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、アミン基である。
【0036】
典型的には、成分(A)は、水素原子、エポキシ含有基、エチレン性不飽和基及びアミン基から選択される末端ケイ素結合官能基を含まない。これらが存在する場合、そのような「末端」ケイ素結合官能基は、トリシロキサンのM単位のうちの少なくとも1つに連結するであろう。
【0037】
典型的には、成分(A)は、ポリオキシアルキレン基を含まない。これらが存在する場合、ポリオキシアルキレン基は、例えば、エチレンオキシド(ethylene oxide、EO)、プロピレンオキシド(propylene oxide、PO)、ブチレンオキシド(butylene oxide、BO)、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタンス、及び/又は環状エポキシド、例えばシクロヘキセンオキシド又はエキソ−2,3−エポキシノルボランの重合によって付与され得る。当業界で一般的なポリオキシアルキレン部分は、オキシエチレン単位(C
2H
4O)、オキシプロピレン単位(C
3H
6O)、オキシブチレン単位(C
4H
8O)、又はそれらの混合物が挙げられる。ある実施形態において、トリシロキサンは、ポリエーテルフリー、例えばPEGフリー、PEOフリー、POEフリー、PPGフリー、PPOXフリー、POPフリー、PTMGフリー、PTMEGフリー又はPTHFフリーと呼ばれることがある。そのような頭字語は、当業界で理解される。多くの実施形態において、トリシロキサンは、ポリオキシアルキレン基を含まない。
【0038】
様々な実施形態において、成分(A)は、以下の一般式(A1):
(R
13SiO
1/2)(R
1R
2SiO
2/2)(R
13SiO
1/2) (A1)
のものである。
【0039】
上式(A1)において、各R
1は、独立して選択されるヒドロカルビル基である。ある実施形態において、各R
1は、独立して選択されるC
1−C
6アルキル基である。特定の実施形態において、各R
1は、メチル基である。R
2は、ペンダントケイ素結合官能基である。
【0040】
ある実施形態において、R
2は、水素原子であり、成分(A)は、水素トリシロキサンと呼ばれ得る。他の実施形態において、R
2は、エポキシ含有基であり、成分(A)は、エポキシ官能トリシロキサンと呼ばれ得る。他の実施形態において、R
2は、エチレン性不飽和基であり、成分(A)は、アルケニル官能トリシロキサンと呼ばれ得る。更に他の実施形態において、R
2は、アミン基であり、成分(A)は、アミン官能トリシロキサンと呼ばれ得る。
【0041】
成分(B)
成分(B)は、少なくとも1個のヒドロキシル(−OH)官能基を有する。ヒドロキシル官能基は、成分(A)に関して一般的に不活性である。「一般的に不活性」は、ヒドロキシル官能基(複数可)の反応が意図されていないことを意味する。具体的には、ヒドロキシル官能基は、例えばSi−H基と反応性であるが、反応は、トリシロキサンの形成中に最小化される、又は一般的に避けられ、その結果、すべてのヒドロキシル基の大多数が遊離したままである。成分(B)のヒドロキシル官能基(複数可)は、当業界で理解されている方法により、例えば、反応条件の管理、添加の順序、一時的なブロッキング/キャッピングなどにより、トリシロキサンの形成中の副反応から保護され得る。トリシロキサンのカルビノール官能基(複数可)は、典型的には、トリシロキサンのDユニットに連結し、一般的には、少なくとも成分(B)のヒドロキシル官能基(複数可)、任意選択で、開いたエポキシ環(エポキシ環は、成分(A)及び(B)の反応前に存在する)により付与される。ヒドロキシル官能基(複数可)は、末端及び/又はペンダント(トリシロキサンのDユニットから吊り下がった基/部分に対する)であってよい。
【0042】
成分(B)は、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基と反応性の官能基も有する。具体的には、トリシロキサンは、以下の条件に従う。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基が水素原子である場合、成分(B)の官能基は、エチレン性不飽和基である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がエポキシ含有基である場合、成分(B)の官能基は、アミン基である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がエチレン性不飽和基である場合、成分(B)の官能基は、水素原子である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基である場合、成分(B)の官能基は、エポキシ含有基である。成分(B)の官能基は、末端、内部又はペンダントであってよい。様々な実施形態において、成分(B)の官能基は、末端である。
【0043】
成分(B)に対する適切なエチレン性不飽和基は、アルケニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、プロペニル、ヘキセニルなどが挙げられる。様々な実施形態において、成分(B)は、末端アルケニル基、例えばアリル基を有する。成分(B)として適切なアリル化合物の具体的な例としては、アリルグリセロール、アリルジグリセロール、アリルグリシジルエーテル(AGE)、アリルソルビトールなどが挙げられる。アリルグリセロールは、アリルオキシエタノールとも呼ばれ得る。アリルグリセロールは、アリルモノグリセロール又はアリルオキシ1,2−プロパンジオールとも呼ばれ得る。成分(B)として有用な他の化合物は、エポキシド、例えばグリシドール及び4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシドが挙げられる。少なくとも1個のエポキシ及び/又は少なくとも1個のエチレン性不飽和基、並びに、一般的には1〜6個のヒドロキシル基(複数可)を有する他の化合物も想定される。
【0044】
他の実施形態において、成分(B)は、アミン化合物、例えば第二級アミンであってよく、但し少なくとも1個のヒドロキシル官能基も存在することを条件とする。成分(B)として適切な他のアミン化合物は、アルカノールで修飾したアミン、例えば一般的に:HNRR’(式中、R及びR’は、アルキル及び/又はアルカノール官能基である)が挙げられる。R又はR’のうち1つは、典型的には、第二級ヒドロキシル官能基を含有して、ヒドロキシル官能基(複数可)を示す。成分(B)として適切なアルカノールアミンの具体的な例としては、ジイソプロパノールアミン(diisopropanol amine、DIPA)、ジエタノールアミン(diethanol amine、DEA)などが挙げられる。少なくとも1個のアミン基、及び一般的には1〜6個のヒドロキシル基を有する他の化合物も想定される。
【0045】
様々な実施形態において、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、水素原子であり、成分(B)は、以下の成分(B1)〜(B6):
【0048】
他の実施形態において、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、エポキシ含有基であり、成分(B)は、以下の成分(B7)〜(B10):
【0051】
ある実施形態において、成分(B)は、成分:(B1)、(B2)、(B3)、(B4)、(B5)、(B6)、(B7)、(B8)、(B9)又は(B10)である。成分(A)及び(B)の組み合わせを利用してよい。
【0052】
他の実施形態において、成分(A)及び(B)の官能基が入れ替わる場合、例えば、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基であり、成分(B)の官能基がエポキシ含有基である場合、成分(B)がエポキシ化合物であり、但し少なくとも1個のヒドロキシル官能基も存在することを条件とする。これらの実施形態において、成分(B)は、エポキシ官能ポリオールであってよい。そのようなエポキシポリオールは、成分(B7)〜(B10)と同様の成分から選択され得るが、アミン基は、一般的に、エポキシ含有基、例えばエポキシ基(示されていない)で置き換えられる。上で明白に例証されていないが、成分(B)として適切な他の化合物も利用され得ることは、理解されるべきである。
【0053】
更に他の実施形態において、成分(B)は、水素原子を有し、但し少なくとも1個のヒドロキシル官能基も存在することを条件とする。これらの実施形態において、水素原子は、ケイ素結合水素原子(Si−H)であり、これは、一般的に、成分(A)がエチレン性不飽和基を含む例で必要とされる。成分(B)のそのようなSi−H官能基は、最初の、初期有機化合物とシラン、ポリシロキサンなどの反応により付与され得る。そのような反応は、シリコーン業界における当業者により理解される。
【0054】
トリシロキサン
様々な実施形態において、トリシロキサンは、以下の一般式(I):
(R
13SiO
1/2)(R
1R
3SiO
2/2)(R
13SiO
1/2) (I)
のものである。
【0055】
上式(I)において、各R
1は、式(A1)で上に記載されている。R
3は、典型的には、1〜6個のヒドロキシル基を有する有機基である。様々な実施形態において、R
3は、以下の基(i)〜(x):
【0058】
ある実施形態において、R
3は、上記一般式(I)において、基:(i)、(ii)、(iii)又は(iv)である。他の実施形態において、R
3は、上記一般式(I)において、基:(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)、又は(x)である。
【0059】
他の実施形態において、成分(A)及び(B)の官能基が入れ替わる場合、例えば、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基であり、成分(B)の官能基がエポキシ含有基である場合、R
3は、基ii)からiv)又はvii)と同様の基から選択され得るが、アミン及びエポキシ含有基により付与される部分が、一般的に入れ替わる/逆になる(示されていない)。当業者は、そのような入れ替わった構造、関連した構造、及び他の実施形態のトリシロキサンに適している他の構造を認識するであろう。
【0060】
トリシロキサンを形成する方法
トリシロキサンを形成する方法も提供される。この方法は、1)成分(A)を準備するステップ、及び2)成分(B)を準備するステップを含む。この方法は、3)成分(A)及び(B)を反応させて、トリシロキサンを形成するステップを更に含む。成分(A)及び(B)は、上に記載されている通りである。成分(A)及び(B)のそれぞれを、得ることができる、又は形成することができる。例えば、成分(A)及び(B)の一方又は両方は、化学物質の供給業者、例えばMidland、MIのDow Corningから商業的に得られる。そうでなければ、成分(A)及び(B)の一方又は両方は、それぞれの出発原料から形成できる。
【0061】
この方法の第1の一般的な実施形態において、ステップ1)は、1a)水素トリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、エポキシ含有基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(A)、具体的にはエポキシ官能トリシロキサンである。更に、ステップ3)は、3a)成分(B)及びステップ1a)で形成された反応中間体を反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(B)は、アミン化合物である。任意選択で、この方法は、ステップ1a)後に、未反応のエポキシ化合物を除去するステップ1b)を、及び/又はステップ3a)後に、未反応成分(B)を除去するステップ3b)を更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して、例えばストリッピング、蒸発、真空吸引などを経由して遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の第1の一般的な実施形態の例は、
図1で例証されている。
【0062】
この方法の第2の一般的な実施形態において、ステップ2)は、2a)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有するアミン化合物と、エチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させて、エチレン性不飽和基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(B)である。更に、ステップ3)は、3a)成分(A)及びステップ2a)で形成された反応中間体を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(A)は、水素トリシロキサン(又はシリコーンハイドライド)である。任意選択で、この方法は、2b)ステップ2a)後に、未反応の化合物を除去するステップ、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(A)を除去するステップを更に含む。ここでも、そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して遂行されてもよい。他の反応物、分散媒、及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の第2の一般的な実施形態の例は、
図2で例証されている。
【0063】
この方法の第3の一般的な実施形態(示されていない)において、ステップ1)は、1a)水素トリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するアミン化合物を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、アミン基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(A)、具体的にアミン官能トリシロキサンである。更に、ステップ3)は、3a)成分(B)、及びステップ1a)で形成された反応中間体を反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(B)は、エポキシ化合物、例えばグリシドールである。任意選択で、この方法は、1b)ステップ1a)後に、未反応のアミン化合物を除去するステップ、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(B)を除去するステップを更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の関連した実施形態において、アミン官能トリシロキサン(A)は、当業界で理解されている別の手段で作ることができる。例えば、クロロプロピル官能トリシロキサンは、アンモニアと反応させて、成分(A)を形成することができる。当業者は、トリシロキサンを形成するための成分(A)として適切なアミン官能トリシロキサンを得る他の手段を容易に認識できる。
【0064】
この方法の第4の一般的な実施形態において(ここで示されている)、ステップ2)は、2a)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有するエポキシ化合物と、エチレン性不飽和基を有するアミン化合物を反応させて、エチレン性不飽和基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(B)である。更に、ステップ3)は、3a)成分(A)及びステップ2a)で形成された反応中間体を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(A)は、水素トリシロキサン(又はシリコーンハイドライド)である。任意選択で、この方法は、2b)ステップ2a)後に、未反応の化合物を除去するステップ、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(A)を除去するステップを更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して、再度遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。
【0065】
成分(A)及び(B)は、様々な量で反応させて、トリシロキサンを形成できる。それぞれの官能基の数に基づき、成分は、1:1の化学量論的混合比(A:B)で利用され得る。より高い比もより低い比も利用してよい。例えば、過剰な成分(A)又は(B)は、トリシロキサン、又はトリシロキサンを含む組成物のある最終使用/用途に望ましいことがある。反応条件は、特に限定されない。ある実施形態において、反応は、室温から還流温度で1〜24、あるいは1〜10時間行われる。
【0066】
成分(C)
例えばSi−Hとエチレン性不飽和基の間のヒドロシリル化(又は添加)反応は、典型的には、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で起こる。ヒドロシリル化触媒は、当技術分野の従来のものであってよい。例えば、ヒドロシリル化触媒は、白金族金属を含有する触媒であってよい。「白金族」は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金、並びにそれらの錯体を意味する。本明細書において有用なヒドロシリル化触媒の非限定的な例は、米国特許第3,159,601号、第3,220,972号、第3,296,291号、第3,419,593号、第3,516,946号、第3,715,334号、第3,814,730号、第3,923,705号、第3,928,629号、第3,989,668号、第5,036,117号、第5,175,325号及び第6,605,734号に記載されており、そのそれぞれは、開示されているヒドロシリル化触媒に関して参照することにより、本明細書に組み込む。
【0067】
ヒドロシリル化触媒は、白金金属、担体、例えばシリカゲル若しくは粉末木炭に堆積させた白金金属、又は白金族金属の化合物若しくは錯体である。典型的なヒドロシリル化触媒は、六水和物形態若しくは無水形態でクロロ白金酸、及び/又は、クロロ白金酸と脂肪族不飽和有機ケイ素化合物、例えばジビニルテトラメチルジシロキサン、若しくは米国特許第6,605,734号に記載されているアルケン−白金−シリル錯体を反応させることを含む方法により得られる白金を含有する触媒が挙げられる。例は:(COD)Pt(SiMeCl
2)
2である(式中、「COD」は、1,5−シクロオクタジエンである)。これらのアルケン−白金−シリル錯体は、例えば0.015モルの(COD)PtCl
2と0.045モルのCOD及び0.0612モルのHMeSiCl
2を混合することにより調製され得る。
【0068】
適切な白金触媒の一タイプは、Karstedtの米国特許第3,715,334号及び第3,814,730号に記載されているKarstedt触媒である。Karstedt触媒は、典型的には溶媒、例えばトルエン中に約1重量%の白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。別の適切な白金触媒のタイプは、末端脂肪族不飽和を含有するクロロ白金酸と有機ケイ素化合物との反応生成物である(米国特許第3,419,593号に記載されている)。
【0069】
使用されるヒドロシリル化触媒の量は、特に限定されず、典型的には、特定の触媒に依存する。ヒドロシリル化触媒は、典型的には、成分(A)又は(B)100万部を基準として、固体(すべての非溶媒成分)の合計重量パーセントに対して、少なくとも2ppm、より典型的には4〜200ppmの白金を得るのに十分な量で利用される。様々な実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、同基準に基づいて1〜150重量ppmの白金を得るのに十分な量で存在する。ヒドロシリル化触媒は、単一化学種、又は2つ以上の異なる化学種の混合物として添加され得る。
【0070】
成分(D)
トリシロキサン及び/又はそれらの成分は、典型的には、(D)分散媒中に形成される、及び/又は得られる。適切な分散媒(又は担体、希釈剤、溶媒又はビヒクル)は、直鎖状及び環状両方のシリコーン、有機油、有機溶媒並びにそれらの混合物を含む。溶媒の具体的な例は、米国特許第6,200,581号で見出すことができ、これは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。様々な実施形態において、分散媒は、揮発性シロキサン、有機溶媒又はそれらの組み合わせを含む。
【0071】
ある実施形態において、分散媒は、25℃にて、1〜1,000mm
2/秒の範囲の粘度を有する低粘度シリコーン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、又は揮発性メチルエチルシロキサンである。適切なシリコーン/シロキサンは、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル−3−{(トリメチルシリポキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル−3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン及びペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン及びポリジフェニルシロキサンが挙げられる。
【0072】
適切な有機溶媒は、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンなど)、脂肪族又は脂環式炭化水素(例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど)、アルコール(例えばメタノール、イソプロパノールなど)、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル及び芳香族ハロゲン化物が挙げられる。適切な炭化水素は、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C
11−C
13)、Isopar H(C
11−C
12)及び水添ポリデセンが挙げられる。適切なハロゲン化炭化水素は、ジクロロメタン、クロロホルム及び四塩化炭素が挙げられる。適切なエーテル及びエステルは、ネオペンタン酸イソデシル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチルヘキシル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル、ネオペンタン酸トリデシル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether acetate、PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether、PGME)、ネオペンタン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル/ジカプリン酸プロピレングリコール及びパルミチン酸オクチルが挙げられる。独立した化合物として、又は分散媒への成分として適切な追加の有機分散媒は、脂肪、油、脂肪酸及び脂肪族アルコールが挙げられる。適切な担体/溶媒の追加の例は、米国特許出願公開第2010/0330011号に「分散媒」として記載されており、これは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。
【0073】
望ましくない副反応/反応生成物を防止するために、分散媒は、トリシロキサンを形成するために利用される反応物/反応中間体に対して、不活性であるべきである。例えば、分散媒は、エポキシ、Si−H、エチレン性不飽和、及び/又はアミン官能基を有するべきではない。使用される分散媒の量は、特に限定されない。分散媒の組み合わせを利用してもよい。
【0074】
洗剤組成物(洗剤)
洗剤組成物は、様々な用途に利用され得、一般的には、特定の用途に限定されない。例えば、洗剤組成物は、食器洗い用洗剤組成物(例えば自動食器洗い用(auto dishwashing detergent、ADW)洗剤組成物)、洗濯洗剤組成物、染着除去/前処理組成物又は硬質表面用洗剤組成物(例えば自動車ケア用洗剤)であってよい。更なる洗剤用途は:個人用ケア及び個人用クレンジング製品(例えばボディウォッシュ、シャンプー及びコンディショナー)、食器手洗い用、自動食器洗い用及び食器洗い用添加剤を含む食器洗い用製品、洗濯洗剤(例えば手洗い用/自動洗濯機用洗剤)、織物柔軟剤、カーペットクリーナー及び洗濯助剤(例えばしみ及び染着除去剤)を含む洗濯ケア製品、多目的クリーナー、オーブン、窓/ガラス、金属、台所、床、浴室面のクリーナー、デスケーラー、排水管洗浄剤、精練剤、家庭用殺菌剤/消毒剤、並びに家庭用ケアワイプ及びフロアクリーニングシステムを含む表面ケア製品と、トイレ用ケアのためのシスタン内デバイス、リムブロック及び液体、並びに液体、フォーム、ゲル及びタブレットを含むトイレ用ケア製品が挙げられる。
【0075】
様々な実施形態において、クリーニング組成物は、水溶液、ゲル又は粉末であってよい。クリーニング組成物は、洗いプロセスの前に、それ自体を洗濯物に直接小分けしてよく、又はスプレー、ロールオン及び/又は接着パッチを経由して(やはり洗濯物に直接)小分けしてよい。そのようなクリーニング組成物は、自動又は手洗いプロセスの洗い及び/又はすすぎ段階内にも送達してもよい。
【0076】
トリシロキサンは、洗剤組成物中に様々な量で利用され得る。具体的な最終使用/用途のための適切な量は、慣例的実験により容易に決定できる。トリシロキサンの組み合わせを利用してもよい。
【0077】
ある実施形態において、トリシロキサンは、100重量部の洗剤組成物を基準として、約0.001〜約20、あるいは約0.001〜約15、あるいは約0.001〜約10、あるいは約0.01〜約5、あるいは約0.01〜約1重量部の量で存在する。そのような範囲は、一般的に、「最終」又は「消費者向け」洗剤組成物に関連する。上記量は、それ自体を大幅に増加又は減少させて、濃度及び/又は形態における変化に寄与することができる。例えば、洗剤組成物が濃縮物、ゲル又は粉末の形態である実施形態において、上記量は、約10%、25%、50%、100%、200%、300%、400%、500%、又はそれ以上に増加させてよい。洗剤組成物が希釈される場合、上記量は、類似した手段で減少させてよい。
【0078】
様々な実施形態において、洗剤組成物は、少なくとも1つの分散剤を更に含む。洗剤組成物に関連する様々なタイプの従来の分散剤を利用してよい。特定の実施形態において、分散剤は、プロピレングリコールを含む。分散剤は、ある実施形態のトリシロキサンの相溶性を向上させること、及び/又は洗剤組成物中のその量を増加させることに有用である。分散剤は、溶媒であってもよい。
【0079】
ある実施形態において、分散剤は、100重量部の洗剤組成物を基準として、約0.01〜約50、あるいは約0.1〜約40、あるいは約0.1〜約30、あるいは約0.1〜約25、あるいは約1〜約20、あるいは約2〜約15、あるいは約2〜約10、あるいは約2〜約5重量部の量で存在する。そのような範囲は、一般的に、「最終」又は「消費者向け」の洗剤組成物に関連する。上記量は、それ自体を増加又は減少させて、濃度及び/又は形態における変化に寄与することができる。例えば、洗剤組成物が濃縮物、ゲル又は粉末の形態である実施形態において、上記量は、約10%、25%、50%、100%、200%、300%、400%、500%以上に増加させてよい。洗剤組成物が希釈される場合、上記量は、類似した手段で減少させてよい。
【0080】
洗剤組成物は、当業界で理解される任意の数の従来の化合物、又は添加剤を更に含み得、そのような成分は、様々な量で利用され得る。そのような追加の成分は、トリシロキサンに加えて、洗剤組成物の第1又は第2の補充成分又は助剤成分であってよい。様々な追加の成分は、以下により詳細に記載されている。ある成分は、異なる専門用語で分類され得るが、その理由は、成分をそのような用語で分類するためでしかないことは認識されるべきであり、用語は、その機能に限定されることを意味しない。利用される場合、追加の成分(複数可)は、洗剤組成物中に様々な量で存在し得る。当業者は、特定の洗剤組成物の適切な量を容易に決定できる。
【0081】
洗剤組成物に適している追加の成分の例としては、界面活性剤、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性(両性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な更なる成分としては、研磨剤、酸、アルカリ/塩基、抗微生物剤、再付着防止剤、スケール防止剤、ブリーチ、ビルダー、キレート剤、着色剤、錯化剤、腐食防止剤、電解質、酵素、増量剤、抽出物、柔軟剤、フィラー、蛍光性白色化剤、芳香剤/香料、発泡防止剤、製剤補助剤、ヒドロトロープ、マイクロファイバー、乳白剤、防腐剤、加工助剤、レオロジー変更剤、塩、石鹸、汚れ放出ポリマー、溶媒、溶解度改良剤、泡調整剤、油、増粘剤、酸化剤、粘度調整剤又はそれらの組み合わせを含む洗剤組成物に適している。これらの成分などのいくつか及び他のものに対する更なる例は、以下である。
【0082】
様々な実施形態において、洗剤組成物は、水を含む水性洗剤組成物(例えば脱塩水及び/又はDI水)である。他の溶媒、担体又は希釈剤も、水に加えて、かつ/又は、水の代わりに利用できる。他の適切な溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−ブトキシエタノール、ブチルジグリコール及びアルキルグリコールエーテルが挙げられる。適切な溶媒の更なる例としては、アルカノールアミン及びアルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。適切なアルカノールアミンは、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びN−エチルジエタノールアミンが挙げられる。ある実施形態において、アルカノールアミンは、エタノールアミンである。適切なエタノールアミンの更なる例としては、モノエタノールアミン(monoethanolamine、MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン及びジメチルエタノールアミンが挙げられる。
【0083】
ある実施形態において、水は、100重量部の洗剤組成物を基準として、約50〜約95、あるいは約55〜約90、あるいは約60〜約80、あるいは約60〜約70重量部の量で存在する。そのような量は、上に記載したように増加又は減少させて、例えば、洗剤組成物の濃縮又は希釈に寄与することができる。いくつかの実施形態において、洗剤組成物は、水を実質的にから完全に含まない。
【0084】
洗剤組成物に適切なアニオン性界面活性剤の例としては、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(linear alkylbenzene sulfonate、LAS)、アルコールエトキシレート及びアルキル硫酸塩が挙げられ、洗剤組成物に適切な非イオン性界面活性剤は、アルコールエトキシレートが挙げられ;洗剤組成物に適切なカチオン性界面活性剤は、四級アンモニウム化合物が挙げられ;洗剤組成物に適切な両性界面活性剤は、イミダゾリン及びベタインが挙げられる。更なる適切な界面活性剤は、以下に記載されている。
【0085】
洗剤組成物に適しているアニオン性界面活性剤は、脂肪族アルコール硫酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩/アルキルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。この文脈における更なる例は、C
12−C
18脂肪族アルコール硫酸塩(fatty alcohol sulfate、FAS)、例えばBASF CorporationのSULFOPON(登録商標)K 35、C
12脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、例えばBASF CorporationのTEXAPON(登録商標)N70、第二級C
13−C
17アルカンスルホン酸塩(alkanesulfonate、SAS)、例えばClariantのHOSTAPUR(登録商標)SAS 93、及び直鎖状C
8−C
18アルキルベンゼンスルホン酸塩、具体的にはLASである。「硫酸塩」及び「スルホン酸塩」という用語は、塩の形態で存在する、関連性があるアニオン性化合物以外に、遊離酸、すなわち詳細には対応するアルキル硫酸又はアルキルスルホン酸も含む。
【0086】
ある実施形態において、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤は、100重量部の洗剤組成物を基準として、約0.1〜約25、あるいは約1〜約15、あるいは約2〜約10、あるいは約3〜約7重量部の量で存在する。そのような量は、上に記載したように増加又は減少させて、例えば、洗剤組成物の濃縮又は希釈に寄与することができる。
【0087】
洗剤組成物に適している非イオン性界面活性剤は、ポリアルキレンオキシド界面活性剤(ポリオキシアルキレン界面活性剤、又はポリアルキレングリコール界面活性剤としても公知である)が挙げられる。適切なポリアルキレンオキシド界面活性剤は、ポリオキシプロピレン界面活性剤及びポリオキシエチレングリコール界面活性剤が挙げられる。このタイプの適切な界面活性剤は、合成有機ポリオキシプロピレン(PO)ポリオキシエチレン(EO)ブロックコポリマーである。これらの界面活性剤は、一般的に、EOブロック及びPOブロック、PO単位の中心ブロック、並びにPO単位にグラフトしたEOを有するブロック、又はPOブロックが付着したEOの中心ブロックを含むジブロックポリマーを含む。更に、この界面活性剤は、分子内にEO又はPOの更なるブロックを有し得る。界面活性剤は、ブチレンオキシド(BO)ブロックも含み得、2種又は3種のアルキレンオキシドのランダムな組み込み、例えばEO/PO/BO、EO/PO/PO、EO/EO/POなどを含み得る。そのような界面活性剤は、当技術分野で「ヘテリック」ブロック界面活性剤と呼ばれ得る。
【0088】
洗剤組成物に適している追加の非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレートが挙げられる。適切なアルコールアルコキシレートは、直鎖状アルコールエトキシレートが挙げられる。追加のアルコールアルコキシレートは、アルキルフェノールエトキシレート、分岐アルコールエトキシレート、第二級アルコールエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、アルキルアミンエトキシレート(アルコキシレート化アルキルアミンとしても公知である)、獣脂アミンエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、ソルビタルオレエートエトキシレート、エンドキャッピングエトキシレート又はそれらの組み合わせが挙げられる。更なる非イオン性界面活性剤は、アミド、例えば脂肪族アルカノールアミド、アルキルジエタノールアミド、ココナッツジエタノールアミド、ラウラミドジエタノールアミド、ココアミドジエタノールアミド、ポリエチレングリコールココアミド、オレイン酸ジエタノールアミド又はそれらの組み合わせが挙げられる。なお更なる非イオン性界面活性剤は、ポリアルコキシル化脂肪族塩基、ポリアルコキシル化アミド、グリコールエステル、グリセロールエステル、酸化アミン、リン酸エステル、アルコールリン酸エステル、脂肪族トリグリセリド、脂肪族トリグリセリドエステル、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレートリン酸エステル、アルキルポリサッカリド、ブロックコポリマー、アルキルポリグルコシド又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
ある実施形態において、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、100重量部の洗剤組成物を基準として、約0.1〜約25、あるいは約1〜約15、あるいは約2〜約10、あるいは約2〜約5重量部の量で存在する。上に記載したようにそのような量を増加又は減少させて、例えば、洗剤組成物の濃縮又は希釈に寄与することができる。他のタイプの界面活性剤も、類似した量で利用できる。
【0090】
洗剤組成物に適切な界面活性剤成分の更なる非限定的な例は、BASF Corporationから、LUTENSOL(登録商標)、例えばLUTENSOL(登録商標)XP 80、LUTENSOL(登録商標)TO 8、LUTENSOL(登録商標)GD 70の商品名、TETRONIC(登録商標)、例えばTETRONIC(登録商標)304の商品名、PLURAFAC(登録商標)、例えばPLURAFAC(登録商標)SLF180及びPLURAFAC(登録商標)LF 711の商品名、並びに、LUTENSIT(登録商標)、例えばLUTENSIT(登録商標)AS 2230の商品名で市販されている。更なる非限定的な例は、Huntsmanから、EMPILAN(登録商標)、例えばEMPILAN(登録商標)KB及びEMPILAN(登録商標)KCの商品名、SURFONIC(登録商標)、例えばSURFONIC(登録商標)L12の商品名、TERIC(登録商標)、例えばTERIC(登録商標)12Aの商品名、並びにECOTERIC(登録商標)、例えばECOTERIC(登録商標)B30及びECOTERIC(登録商標)B35の商品名で市販されている。更なる非限定的な例は、Crodaから、NatSurf(商標)、例えばNatSurf(商標)265の商品名で市販されている。更なる非限定的な例は、Stepanから、BIO−SOFT(登録商標)、例えばBIO−SOFT(登録商標)N1、BIO−SOFT(登録商標)N23、BIO−SOFT(登録商標)N91及びBIO−SOFT(登録商標)S−101の商品名、STEPANATE(登録商標)、例えばSTEPANATE(登録商標)SXSの商品名、並びにSTEOL(登録商標)、例えばSTEOL(登録商標)CS−330の商品名で市販されている。なお更なる非限定的な例は、Air Productsから、NONIDET(登録商標)並びにTOMADOL(登録商標)、例えばTOMADOL(登録商標)1−7及びTOMADOL(登録商標)25−7の商品名で市販されている。
【0091】
洗剤組成物に適切な研磨剤の例としては、方解石、長石、クオーツ、砂又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な酸の例としては、有機酸、無機酸又はそれらの組み合わせが挙げられる。適切な有機酸の更なる例としては、乳酸、酢酸、ギ酸、アスコルビン酸、シュウ酸、ヒドロキシマレイン酸、メタンスルホン酸、マンデル酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸、例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸、クエン酸、酒石酸、パモン酸、アルギン酸、ゲンチシン酸、ラクトビオン酸、コハク酸、トリクロロイソシアヌル酸、マレイン酸及びアクリル酸のポリマー、並びにそれらのコポリマーを含む直鎖又は分岐カルボン酸が挙げられる。適切な無機酸の例としては、塩酸、次亜塩素酸及び亜塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、リン酸、アミドスルホン酸/スルファミン酸、過酸及び亜リン酸が挙げられる。
【0092】
洗剤組成物に適切なアルカリの例としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な抗微生物剤の例は、パイン油、四級アンモニウム化合物、次亜塩素酸ナトリウム、トリクロカルバン、トリクロサン又はそれらの組み合わせを含む。洗剤組成物に適切な再付着防止剤の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリカルボン酸塩、ポリエチレングリコール、ケイ酸ナトリウム又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物の適切なブリーチの例としては、塩素ブリーチ及び酸素ブリーチ、例えば次亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム又はそれらの組み合わせが挙げられる。ある酸素ブリーチと組み合わせるととりわけ有用な、少なくとも1つのブリーチ活性化物質も利用できる。
【0093】
洗剤組成物に適切なスケール防止剤の例としては、あるポリマー成分が挙げられる。ポリマー成分は、当技術分野では、分散剤及び/又はスケール防止剤と呼ばれ得る。様々な実施形態において、ポリマー成分は、カルボキシレート官能性ポリマー又は修飾カルボキシレート官能性ポリマーを含む。ある実施形態において、ポリマー成分は、ポリアクリル酸(polyacrylic acid、PAA)及び/又はアクリル/マレイン酸コポリマーを含む。一実施形態において、ポリマー成分は、PAAを含む。適切なポリマーの他の例としては、約1,000〜約400,000の分子量を有するポリアクリレート、並びに他の部分と組み合わせたアクリル酸系ポリマーが挙げられる。これらは、マレイン酸、メタクリル酸;ホスホネート、マレイン酸及び酢酸ビニル、アクリルアミド;スルホフェノールメタリルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びナトリウムスチレンスルホネート、メタクリル酸メチル、メタリルスルホン酸ナトリウム及びスルホフェノールメタリルエーテル、ポリマレエート、ポリメタクリレート、ポリアスパルテート、エチレンジアミンジスクシネート、有機ポリホスホン酸及びそれらの塩と組み合わせたアクリル酸を含む。適切なポリマー成分の例は、BASF Corporationから、SOKALAN(登録商標)、例えばSOKALAN(登録商標)CP 5、SOKALAN(登録商標)CP 42、SOKALAN(登録商標)CP 50、SOKALAN(登録商標)PA 25 CL及びPA SOKALAN(登録商標)PA 30 CL、SOKALAN(登録商標)CP 10 S、SOKALAN(登録商標)CP 12 S及びSOKALAN(登録商標)13 Sの商品名で市販されている。「CP」は、一般的に、コポリマーを指定する一方、「PA」は、一般的に、ポリアクリレートを指定する。
【0094】
洗剤組成物に適切なビルダーの例としては、金属クエン酸塩、複合リン酸塩、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム(ゼオライト)又はそれらの組み合わせが挙げられる。あるビルダー、例えばクエン酸ナトリウムも、水の硬度を調整するために利用できる。洗剤組成物に適切なキレート剤の例としては、アミノカルボキシレート及びその塩、例えばメチルグリシン−N−N−二酢酸(methylglycine−N−N−diacetic acid、MGDA)、ニトリロ三酢酸(nitrilotriacetic acid、NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(hydroxyethylethylenediaminetriacetic acid、HEDTA)、N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタミネート(N,N−bis(carboxymethyl)−L−glutamate、GLDA)、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(diethylenetriaminepentaacetic acid、DTPA)又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0095】
洗剤組成物に適切な着色剤の例としては、顔料、色素又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な腐食防止剤の例は、ケイ酸ナトリウムである。洗剤組成物に適切な酵素の例としては、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な柔軟剤の例としては、四級アンモニウム化合物が挙げられる。洗剤組成物に適切な蛍光性白色化剤(蛍光増白剤とも呼ばれる)の例としては、無色蛍光化合物が挙げられる。
【0096】
洗剤組成物に適切なヒドロトロープの例としては、スルホン酸塩、例えばキシレンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩及びジヘキシルナトリウムスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、例えばオクチル硫酸ナトリウム、尿素、イソプロパノール及び他のアルコール、例えばエチルアルコール、アルコールアルコキシレート、グリコール、例えばヘキシレングリコール及びプロピレングリコール、米国特許第3,563,901号、及び米国特許第4,443,270号に記載されているものが挙げられ、これらは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。適切なヒドロトロープ成分の非限定的な例は、BASF Corporationから、TEXAPON(登録商標)、例えばTEXAPON(登録商標)842の商品名で市販されている。
【0097】
ある実施形態において、少なくとも1つのヒドロトロープは、100重量部の洗剤組成物を基準として、約0.1〜約25、あるいは約0.1〜約15、あるいは約0.5〜約10、あるいは約1〜約5重量部の量で存在する。そのような量は、上に記載したように増加又は減少させて、例えば、洗剤組成物の濃縮又は希釈に寄与することができる。
【0098】
洗剤組成物に適切な乳白剤の例としては、ポリマー、二酸化チタン、酸化亜鉛又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な防腐剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチレンジアミン四酢酸、グルタルアルデヒド又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な加工助剤の例としては、クレイ、ポリマー、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、溶媒又はそれらの組み合わせが挙げられる。洗剤組成物に適切な泡調整剤の例としては、泡安定剤及び泡抑制剤、例えばアルカノールアミド、酸化アルキルアミン、リン酸アルキル、シリコーン、石鹸又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0099】
洗剤組成物に適している追加のタイプ、形態、使用及び成分は、米国特許:第4,492,646号、第5,750,483号、第5,762,647号、第6,169,063号、第6,274,539号、第6,521,587号、第7,867,966号、第7,994,111号、第8,158,570号、第8,246,696号、第8,268,016号、第8,512,480号、第8,691,880号及び第8,715,369号、米国特許出願公開第2004/0005991号、第2011/0112005号、第2013/0261043号、第2013/0274167号、第2013/0327364号、第2014/0261561号、第2014/0106439号及び第2015/0329802号国際公開公報第2008/122388号、第2011/089410号、第2014/037700号及び第2016/008765号及びカナダ特許第2576300号に記載されており、そのそれぞれは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。当業者は、従来の洗剤配合物は、本発明のトリシロキサン(複数可)の包含に寄与するように調整できることを認識する。
【0100】
洗剤組成物は、典型的には、約5〜約13、あるいは約6〜約12、あるいは約7〜約11、あるいは約7〜約10、又は、こうした値の最低値から最高値の間における任意の範囲のpHを有する。洗剤組成物のpHは、一般的に、洗剤組成物を形成するために利用される成分のタイプ及び量により付与される。必要に応じて、pH緩衝液系、例えばリン酸塩緩衝液又はクエン酸塩緩衝液は、pHの安定化剤に使用してよいが、これらは要件ではない。
【0101】
ある実施形態において、洗剤組成物は、洗剤組成物を環境的に更に許容できるようにするリン含有化合物を実質的に含まない。リンを含まないとは、リン含有化合物が添加されていない組成物、混合物又は成分を指す。リン含有化合物は、リンを含まない組成物、混合物又は成分が汚染されることで存在するはずであり、生じた洗剤組成物におけるリン含有化合物のレベルは、各100重量部の洗剤組成物を基準として、典型的には、約0.5、あるいは約0.1、あるいは約0.01重量%をそれぞれ下回る。様々な実施形態において、洗剤組成物は、リン含有化合物を完全に排除する。
【0102】
様々な実施形態において、洗剤組成物は、塩素含有成分を含まない。塩素を含有する成分の例としては、一般的には、強酸化剤の群に属する塩素ブリーチが挙げられ、そのすべてが自らの分子内に1個以上の塩素原子を有する。当業界で使用される塩素ブリーチの具体的な例としては、塩素化イソシアヌレート、塩素化リン酸三ナトリウム、次亜塩素酸塩及び次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。塩素含有成分を含まないとは、一般的に、洗剤組成物が、塩素を含む意図的に添加される成分、例えば塩素ブリーチ、例として次亜塩素酸ナトリウムの添加を含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、いくらか少量の(some trace amount of)塩素、例えば1つ以上の成分に存在する微量の塩素を含む。
【0103】
様々な実施形態において、洗剤組成物は、100重量部の洗剤組成物を基準として、それぞれ約0.50〜ゼロ(0)近く、あるいは約0.25〜0近く、あるいは約0.10〜0重量%近くの量で塩素を含む。ある実施形態において、洗剤組成物は、塩素を完全に排除する。
【0104】
いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、ブリーチ成分を含まない。塩素ブリーチは、広く使用されているブリーチ成分になることが多いが、他のブリーチは、非塩素系ブリーチ、例えば洗い水中で活性酸素を放出する過酸化化合物が挙げられる。非塩素系ブリーチの更なる例としては、過ホウ酸塩/過ホウ酸ナトリウム、一過硫酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素及び有機過酸が挙げられる。様々な実施形態において、洗剤組成物は、100重量部の洗剤組成物を基準として、ブリーチ成分を、約15〜ゼロ(0)近く、あるいは約10〜0近く、あるいは約5.0〜0近く、あるいは約1.0〜0重量%近くの量で含む。ある実施形態において、洗剤組成物は、ブリーチ成分を完全に排除する。
【0105】
洗剤組成物を形成する方法
洗剤組成物は、様々な方法により形成され得る。典型的には、洗剤組成物は、単に、すべての成分を一緒に組み合わせること、例えば混合することにより形成される。洗剤組成物は、特定の製造方法に一切限定されない。当業者は、特定の洗剤組成物、形態及び/又はそれらの最終使用に基づき、適切な製造方法を容易に決定できる。
【0106】
様々なトリシロキサン及び関連した形成方法、並びにそのようなトリシロキサンを含む洗剤組成物を例証する以下の実施例は、本発明を例証し、限定しないように意図されている。
【実施例】
【0107】
実施例1:ヘプタメチルトリシロキサン及び2−アリルオキシエタノールのヒドロシリル化
13.29gのヘプタメチルトリシロキサン(98%、TCI America)及び20gのトルエン(≧99.5%、Fisher Scientific)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、電磁撹拌機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、40℃に加熱した。シリンジに、7.87gの2−アリルオキシエタノール(98%、Aldrich)を充填し、シリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、2−アリルオキシエタノールを、〜250μL/分で反応に計量供給した。〜5%の2−アリルオキシエタノールを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中の108.8μLの1%白金錯体を添加した。反応物は最初に発熱し、残りの2−アリルオキシエタノールを添加すると、59.5℃の最高温度に到達した。合計6.82gの2−アリルオキシエタノールを添加した。反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0108】
生じた試料を、活性炭で処理し、濾過した。未反応のヘプタメチルトリシロキサン(BisH)及びトルエンを、ロータリーエバポレーター(Rotovap)を使用して3時間ストリッピングした(75℃、<10mbar)。次いで、試料を室温にて0.15torrで24時間保った。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物を確認し、ごく微量の異性体が留まった。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−2−アリルオキシエタノール、99.46重量%、及び2−アリルオキシエタノール異性体、0.54重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、1個のヒドロキシル官能(−OH)基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0109】
【化5】
【0110】
実施例2:ヘプタメチルトリシロキサン及びトリメチロールプロパンアリルエーテルのヒドロシリル化
10.75gのヘプタメチルトリシロキサン(98%、TCI America)及び20gのトルエン(≧99.5%、Fisher Scientific)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、電磁撹拌機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、40℃に加熱した。シリンジに、11.37gのトリメチロールプロパンアリルエーテル(98%、Aldrich)を充填し、シリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、トリメチロールプロパンアリルエーテルを、〜250μL/分で反応に計量供給した。〜5%のトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加した後で、87.9μLのヘキサメチルジシロキサン中の1%白金錯体を添加した。反応物は最初に発熱し、残りのトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加すると58.9℃の最高温度に到達した。合計9.44gのトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加した。反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0111】
生じた試料を、活性炭で処理し、濾過した。未反応のBisH及びトルエンは、ロータリーエバポレーターを使用して1時間ストリッピングした(60℃、<10mbar)。次いで、試料を室温にて0.2torrで24時間保った。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物、並びに〜4.37重量%の異性体、及び0.1重量%未満の溶媒が留まったことを確認した。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−トリメチロールプロパンアリルエーテル、95.58重量%、トリメチロールプロパンアリルエーテル異性体、4.37重量%、及びトルエン、0.05重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、2個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0112】
【化6】
【0113】
実施例3:トリシロキサンモノグリセロールの調製
125.58gの1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(BisH)、22.5gのアリルグリセロール及び168gのイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、IPA)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、かき混ぜ機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、70℃に加熱した。0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を添加した。反応物は最初に発熱した。25.2gのアリルグリセロール、16.8gのIPA、及び0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第2のステップとして添加した。25.2gのアリルグリセロール、12.6gのIPA、及び0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第3のステップとして添加した。16.8gのアリルグリセロール、12.6gのIPA、及び0.209gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第4のステップとして添加した。合計89.7gのアリルグリセロールを合計125.58gのBisHに対して添加した。反応を70℃にて6時間保ち、次いで冷却した。
【0114】
試料を活性炭で処理し、濾過した。未反応のBisH及びIPAは、真空ポンプを使用して2時間ストリッピングした(80℃、<10mmHg)。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物を確認し、ごく微量の異性体が留まった。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−アリルグリセロール、96.50重量%、及びアリルグリセロール異性体、3.50重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、すぐ下で例証されているように、2個のヒドロキシル官能基を有する。
【0115】
【化7】
【0116】
実施例4:BisH及びアリルグリセロールのヒドロシリル化
12.096gのBisH及び20.00gのIPAを、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、40℃に加熱した。シリンジに、7.904gのアリルグリセロールを充填し、次いでシリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、アリルグリセロールを、669μL/分で反応に計量供給した。〜5%のアリルグリセロールを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(98.98μL)を添加して、18ppm Pt触媒を得た。反応物を発熱させ、アリルグリセロールをすべて添加した後で60℃に冷却した。次いで、反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0117】
未反応のBisH及びIPAは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、95.36重量%、及び異性体、4.64重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、2個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0118】
【化8】
【0119】
実施例5:ヘプタメチルトリシロキサン及びアリルグリシジルエーテルのヒドロシリル化
71.22gのBisH及び43.78gのアリルグリシジルエーテル(allyl glycidyl ether、AGE)を、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、60℃に加熱した。一旦60℃にて、この溶液(24.42μL)にIPA中のKarstedt触媒の1%溶液を添加して、8ppm Ptを得た。反応物を発熱させ、75℃に冷却した。反応を、75℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0120】
未反応のBisH、過剰なAGE及びAGE異性体は、単に減圧蒸留のみを使用して3時間ストリッピングした(90℃、5mmHg)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE、100.00重量%。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0121】
【化9】
【0122】
実施例6:BisH−AGE及びジエタノールアミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された83.430gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、26.056gのジエタノールアミン(DEA)及び30.000gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0123】
IPAは、単に減圧蒸留のみを3時間使用して除去した(45℃、〜5mmHg)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。減圧蒸留後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE−DEA、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0124】
【化10】
【0125】
実施例7:BisH−AGE及びジイソプロパノールアミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された、65.849gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、26.052gのジイソプロパノールアミン(DIPA)、及び30.000gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0126】
IPAは、単に減圧蒸留のみを3時間使用して除去した(45℃、〜5mmHg)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。減圧蒸留後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE−DIPA、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0127】
【化11】
【0128】
実施例8:BisH及びアリルジグリセロールのヒドロシリル化
56.81gのBisH及びアリルジグリセロールの合計(合計71.19g)の半分を、窒素パージ下で反応フラスコ中において混合し、45℃に加熱した。一旦45℃にて、IPA中の1%溶液のKarstedt触媒(25.48μL)を添加して、8ppm Ptを得た。反応物を発熱させ、80℃に冷却した。アリルジグリセロールのもう半分を反応溶液に添加した。一旦、反応を再度発熱し、70℃に冷却した。次いで、反応を70℃にて4時間保ち、次いで、冷却した。
【0129】
反応後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−アリルジグリセロール、88.88重量%、及び異性体、11.12重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、すぐ下で例証されているように3個のヒドロキシル官能基を有する。
【0130】
【化12】
【0131】
実施例9:BisH及びアリルキシリトールのヒドロシリル化
9.739gのアリルキシリトール及び20.017gのIPAを、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、50℃に加熱した。シリンジに、10.261gのBisHを充填し、次いでシリンジポンプに入れた。一旦50℃にて、BisHを881μL/分で反応に計量供給した。〜5%のBisHを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(83.96μL)を添加して、16ppm Ptを得た。反応物を発熱させ、すべてのBisHを添加した後で、60℃に冷却した。次いで、反応を、60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0132】
未反応のBisH及びIPAは、Rotovapを使用して3〜5時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−アリルキシリトール、97.74重量%、及び異性体、2.86重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、4個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0133】
【化13】
【0134】
実施例10:BisH−AGE−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された5.516gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、1.984gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、5.250gのメタノール及び12.250gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、反応が完了するまでこれらの条件で保った。
【0135】
IPA及びメタノールは、Rotovapを使用してストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE−トリス、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、4個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0136】
【化14】
【0137】
実施例11:BisH−AGE及びn−メチルグルカミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された15.824gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、9.176gのn−メチルグルカミン(n−methylglucamine、NMG)、8.750gのメタノール及び16.250gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、反応が完了するまでこれらの条件で保った。
【0138】
メタノール及びIPAは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE−NMG、98.20重量%、及びIPA、1.80重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、6個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0139】
【化15】
【0140】
実施例12:AGE及びDIPAのエポキシ開環反応
12.855gのAGE、12.500gのDIPA及び24.645gのトルエンを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0141】
トルエンは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:AGE−DIPA、99.70重量%、及びトルエン、0.30重量%。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている(各Rがプロパノール基である場合)。
【0142】
【化16】
【0143】
実施例13:BisH及びアリルAGE−DIPAのヒドロシリル化
1.2594gのBisH、実施例12で生成された1.266gのアリルAGE−DIPA材料、及び2.052gのIPAは、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、60℃に加熱した。一旦60℃にて、この溶液に、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(20.26μL)を添加して、30ppm Ptを得た。反応物を発熱させ、70℃に冷却した。次いで、反応は70℃にて完了まで保った。
【0144】
反応は、未反応のSi−Hピークが、H1 NMRスペクトルにおいて〜4.56ppmで存在しなくなった場合完了とみなす。IPAは、Rotovapを使用して4時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:BisH−AGE−DIPA、89.77重量%、AGE−DIPA異性体、9.99重量%、及びIPA、0.24重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0145】
【化17】
【0146】
実施例14(予想):BisH及びアリルソルビトールのヒドロシリル化
10.3gのアリルソルビトール及び20.017gのIPAは、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、50℃に加熱する。シリンジに、10.3gのBisHを充填し、次いでシリンジポンプに入れる。一旦50℃にて、BisHを反応容器に881μL/分で計量供給する。〜5%のBisHを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(83.96μL)を添加して、16ppm Ptを得る。反応物を発熱させ、BisHのすべてを添加した後で、60℃に冷却する。次いで、反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却する。
【0147】
未反応のBisH及びIPAは、Rotovapを使用して5時間ストリッピングする(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下のように推定される:BisH−アリルソルビトール、96.0重量%、及び異性体、4.0重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、5個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0148】
【化18】
【0149】
界面活性の評価
トリシロキサンポリエーテル材料を含む様々なトリシロキサン材料を、EUの洗剤に関する指示(「指示」、EC No.648/2004)の観点において研究した。多くのトリシロキサンポリエーテル材料、とりわけ高レベルのポリエチレンオキシドを含有するものは、指示によれば「界面活性剤」として分類可能であったことが見出された。したがって、そのような界面活性剤は、この指示の対応する生分解性要件により制限を受ける。対照的に、他のトリシロキサン材料は、この指示によれば分類可能な界面活性剤の範囲外になることが見出された。したがって、そのような「非界面活性剤」は、一般的には、非水溶性流体である、又は水中で固体微粒子を形成するとみなされ、それ自体は、この指示の対応する生分解性要件により制限を受けない。このように、ある非界面活性トリシロキサンは、欧州では洗剤組成物として利用されるが、その理由は、このトリシロキサンが指示に従っているためである。
【0150】
指示は、本質的には、材料が界面活性剤として分類される場合、材料は、ある生分解プロトコールに合格しなければならないとしている。界面活性剤は、一般的に:
1)水中に材料が0.5重量%の濃度で、水の表面張力を≦45ダイン/cmに低下させること(又は≦45mN/m)、
2)空気/水界面において拡散又は吸着単層を形成すること、
3)エマルション、マイクロエマルション及び/又はミセルを形成すること、
4)並びに水/固体界面で吸着することが可能である材料と定義されていた。
【0151】
生分解要件は、一般的には、材料の遊離CO
2/モルの量により決定される。あるいは、生分解は、分解プロセス中に消費される酸素の量により測定できる。シリコーン材料は、通常、分解し遊離CO
2を遊離しない、又は、酸素を消費することで、この要件を満たさない。このようにして、シリコーン材料が本当に界面活性剤であるかどうかを決定するためにプロトコールが開発される。このプロトコールを利用することにより、主にEO含有量が高いトリシロキサンポリエーテル材料が存在すると、界面活性剤であり、更に、一般に生分解基準に不合格とみなされる。
【0152】
水溶液、流体又は混合物の表面張力は、当業界で理解される様々な方法により容易に判定できる。一般的に、安定な溶液又は混合物に関しては、平衡法、例えばWilhelmyプレート法又はDu Nouyリング法を利用してよい。あるいは、より動的な系として、ペンダントドロップ法を利用してよい。この技術により、各測定で新生表面が生じる。この方法は、表面張力測定に影響を及ぼし、表面張力値を人為的に低くし得る、不溶性の疎水性不純物又は油が存在する可能性を減少させるにも有用である。
【0153】
上記指示及びプロトコールの観点において、ポリエチレンオキシド基を含有するトリシロキサンポリエーテル材料、及び上記実施例に従って形成されたトリシロキサンを含む様々なトリシロキサン材料を評価した。指示に対して確立したプロトコールにより、評価したポリエチレンオキシド材料を含有するトリシロキサンポリエーテルのそれぞれを界面活性剤として分類した。そのような「界面活性剤」は、EUの洗剤組成物のため市場に出すことはできず、それを利用することはできない。いかなる特定の理論にも制限又は限定されないが、すべてのPO又はEO/PO基を含有し、比においてEOのレベルが低いトリシロキサンポリエーテルの一部は、溶解度が低くなることがあり、したがってこのプロトコールにより非界面活性が示されることになり得るとみられる。
【0154】
そのような界面活性剤を評価/分類する例は、
図3のフロー図で例証されている。
図3で例証されているプロトコールを参照すると、最初の評価は、試験される材料の0.5重量%の混合物は、水中に可溶性であるか否かである。混合物は、20℃にて、蒸留水に0.5%の材料を添加し、電磁撹拌棒で1時間混合することにより調製された。例えば、透明、又はわずかにかすんだ混合物を形成することにより指し示されるように、材料が水に可溶性である場合、次いで表面張力(σ)が判定される。σが>45mN/mである場合、材料は界面活性剤と分類されない。σが≦45mN/mであり、ミセルが存在しない場合、材料は界面活性剤と分類されない。反対に、ミセルが存在する場合、材料は界面活性剤と分類される。
【0155】
材料が水に可溶性ではなく、エマルションが存在しない(その代わり、例えば固体粒子又はゲルが存在する)場合、その結果、材料は界面活性剤と分類されない。エマルションが存在し(例えば液滴が存在する)、エマルションが安定である場合、次いで、σが判定される。σが>45mN/mである場合、材料は界面活性剤と分類されない。反対に、σが≦45mN/mである場合、材料は界面活性剤と分類される。
【0156】
材料が水に可溶性ではなく、エマルションが存在し(例えば液滴が存在する)、エマルションが安定ではない場合、その結果、エマルションは遠心分離される。エマルションの(透明な)主相(又は上澄み)を、更に研究し、σを判定する。σが>45mN/mである場合、材料は界面活性剤と分類されない。反対に、σが≦45mN/mであり、ミセルが存在しない場合、材料は界面活性剤と分類されない。反対に、ミセルが存在する場合、材料は界面活性剤と分類される。
【0157】
このプロトコールの観点において、実施例1、2、3、4、6〜10及び13で形成されたトリシロキサンは、非界面活性剤と分類された。具体的には、これらのトリシロキサンのそれぞれは、前述のプロトコール/フロー図に従って、界面活性剤となることができなかった。そのような「非界面活性剤」は、EUの洗剤組成物用に市場に出されている可能性がある、又はEUの洗剤組成物に利用される可能性がある。これらは、世界中の至る所で使用されている可能性があることも明らかである。
【0158】
大部分が1又は2個のヒドロキシル基を有するトリシロキサンを含む、いくつかのトリシロキサンは、不安定であり、かつ/又は水溶性ではない1つ以上の油層を形成した。そのような油層は、水中に、安定なエマルション又はミセルを形成しないこともある。ヒドロキシル基の数が、トリシロキサン当たり3又は4個に増加するにつれて、一般的に、状況は変化する。安定ではない別個の油層が形成され、相が分離するのに加えて、これらの材料のいくつかは、固体微粒子又はゲルを形成し得る。水中でこれらの材料の0.5重量%混合物を終夜混合した後でさえ、可溶化しなかった。実施例14は、類似した結果を有すると考えられる。これらはいずれも、「非界面活性剤」とみなされる。類似した数のヒドロキシル基を含有する他のトリシロキサン組成物は、類似した非界面活性挙動を呈するとみられる。
【0159】
実施例11に関しては、プロトコール/フロー図によれば、界面活性剤とみなされる。例えば、実施例11のトリシロキサンは、一般的に不溶性であり、かすんだ混合物を形成し、安定であり、≦45ダイン/cmの水性表面張力を示した。この点において、実施例11の更なる評価により、様々な結果が得られることは認識されるべきである。更に、そのような材料は、世界中の至る所で、及び/又は、異なるタイプの組成物/用途のために、使用できることも認識されるべきである。
【0160】
上記トリシロキサン材料のいくつかは水中で不溶性とされるため、材料を洗剤のベース(chassis)又はマトリックスと相溶性にする手段を評価した。不溶性トリシロキサンの溶解度を改善する選択肢の1つは、洗剤のベースにおける分散剤(又は可溶化剤)の濃度を上昇させることと見出された。
【0161】
以下の2つの表は、2つの例示的な洗剤組成物を示し、一方は、分散剤を低いレベルで有するものであり(表1)、もう一方は分散剤を著しく高いレベルで有するものである(表2)。実施例1から14のものを含むトリシロキサン材料は、洗剤組成物のホール(hole)に利用できる。
【0162】
【表1】
【0163】
【表2】
【0164】
溶媒はDI水である。
【0165】
分散剤は、Fisher Scientificから市販されているプロピレングリコールである。
【0166】
ヒドロトロープは、Stepanから市販されているキシレンスルホン酸ナトリウムの41%活性溶液である。
【0167】
中和剤は、Fisher Scientificから市販されている45% KOH溶液である。
【0168】
アニオン性界面活性剤1は、Stepanから市販されている直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸の96%活性溶液である。
【0169】
非イオン性界面活性剤は、Air Productsから市販されている100%活性エトキシ化C
11アルコール(7モル、EO平均)である。
【0170】
アニオン性界面活性剤2は、Stepanから市販されているラウレス硫酸ナトリウム(3モル、EO平均)の28%活性溶液である。
【0171】
水の硬度調整剤は、Fisher Scientificから市販されているクエン酸ナトリウムである。
【0172】
トリシロキサンは、洗剤組成物1に不溶性であり、一般的に洗剤組成物2に可溶性であることが見出された。いずれかの特定の理論に制限されるものではないが、この点において、分散剤のレベルを上昇させることにより、トリシロキサンの溶解度は補助されるとみられる。当業者は、慣例的な実験により、他の適切な洗剤組成物を容易に決定できる。
【0173】
用語「含んでいる(comprising)」又は「含む(comprise)」は、本明細書においてこれらの最も広い意味で使用され、「含むんでいる(including)」、「含む(include)」、「から本質的になる(consist(ing)essentially of)」、及び「からなる(consist(ing)of)」という概念を意味し、包含する。実例を列記する「例えば(for example)」「例えば(e.g.,)」、「例えば(such as)」及び「が挙げられる(including)」の使用は、列記されている例のみに限定しない。したがって、「例えば(for example)」又は「例えば(such as)」は、「例えば、それらに限定されないが(for example, but not limited to)」又は「例えば、それらに限定されないが(such as, but not limited to)」を意味し、他の類似した、又は同等の例を包含する。本明細書で使用されている「約(about)」という用語は、機器分析により測定した、又は試料を取り扱った結果としての数値のわずかなバリエーションを、合理的に包含若しくは説明する働きをする。そのようなわずかなバリエーションは、数値の±0〜10、±0〜5又は±0〜2.5%の規模であってよい。更に、「約」という用語は、ある範囲の値に関連する場合、数値の両方に当てはまる。更に、「約」という用語は、明確に記載されていない場合でも、数値に当てはまることがある。
【0174】
一般的に、本明細書で使用されている、ある範囲の値におけるハイフン「−」又はダッシュ「−」は、「から(to)」又は「から(through)」であり、「>」は「〜を上回る(above)」又は「超(greater−than)」であり、「≧」は「少なくとも(at least)」又は「以上(greater−than or equal to)」であり、「<」は「〜を下回る(below)」又は「未満(less−than)」であり、「≦」は「多くとも(at most)」又は「以下(less−than or equal to)」である。前述の特許出願、特許、及び/又は特許出願公開のそれぞれは、個別の基準で、特に1つ以上の非限定的な実施形態における参照により明示的にその全体を本明細書に組み込む。
【0175】
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載されている表現、及び特定の化合物、組成物又は方法に限定されず、これらは、添付の特許請求の範囲内にある特定の実施形態の間で変化し得ることが、理解されるべきである。様々な実施形の詳細な特徴又は態様について記載している、本明細書で依拠とされたいずれかのマーカッシュグループに関しては、異なる、特別な、及び/又は想定外の結果が、他の全マーカッシュメンバーとは無関係のそれぞれのマーカッシュグループの各メンバーから得られることは理解されるべきである。マーカッシュグループの各メンバーは、個々に、及び、又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。
【0176】
本発明の様々な実施形態の記載を依拠とする任意の範囲及び部分的範囲は、独立して、及び包括的に、添付の特許請求の範囲内にあることも理解されるべきであり、全体値及び/又は小数値を含むすべての範囲を、そのような値が本明細書で明確に書かれていなくても、説明し、想定することが理解される。当業者は、列挙された範囲及び部分的範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、可能にし、そのような範囲及び部分的範囲は、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに描かれ得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1〜0.9」の範囲は、更に、下方の3分の1、すなわち、0.1〜0.3、中央の3分の1、すなわち、0.4〜0.6、及び上方の3分の1、すなわち、0.7〜0.9に描かれ得、これらは、個々に、及び包括的に、添付の特許請求の範囲内であり、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「以下」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むと理解されるべきである。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲などを本質的に含み、各部分範囲は、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。最終的に、開示した範囲内の個々の数が依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。例えば、「1〜9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに、小数点を含む個々の数(又は分数)、例えば4.1を含み、これは、依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。
【0177】
本発明は、実例となる手段で本明細書に記載されており、使用されている用語は、限定せずに説明する文言の性質であることが意図されていると理解されるべきである。本発明の多くの修正形態及び変形形態が、上記教示を踏まえて可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲内に具体的に記載されているもの以外に、別の方法で実践してもよい。独立請求項及び従属請求項、単一及び複数の従属請求項の両方の、主題のすべての組み合わせが、本明細書において明確に想定されている。