(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の乳含有飲食品の必須成分であるβ−1,3−1,4−グルカンについて説明する。
上記β−1,3−1,4−グルカンは1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を主体とするグルコース重合体を主成分とするものである。
上記β−1,3−1,4−グルカンの由来としては主に穀物が挙げられ、中でもイネ科植物が好ましい。イネ科植物の例としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができる。特にこれらイネ科植物から抽出によって得られた水溶性β−1,3−1,4−グルカンが好ましい。
尚、β−1,3−1,4−グルカンは、穀物以外の単子葉類植物等からも得ることができる。また、抽出以外には、分級等の方法によってもβ−1,3−1,4−グルカンを得ることができる。
【0011】
本発明においては、上記β−1,3−1,4−グルカンの50質量%以上、特に50〜100質量%がイネ科植物抽出物由来であることが、本発明の効果をより高く引き出すことができる点で好ましい。
【0012】
上記イネ科植物から抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンは、その抽出方法に特に制限はなく、公知の方法を用い、抽出原料となるイネ科植物に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。また、固液分離された抽出液そのもの、抽出液より公知の方法で抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンを濃縮した液体や固体状のもの、又は抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、何れの製造方法で得たものでも、何れの形態のものでも、又は何れの純度のものでも使用可能である。もちろん、水溶性β−1,3−1,4−グルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用することもできる。
【0013】
抽出には、植物全体を原料とできるが、βグルカンの含有量の比較的高い種子を用いることが好ましい。該種子としては全体を粉砕したもの(全粒粉)をはじめ、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽又は胚乳部分の何れを用いることもできる。好ましくは、大麦類若しくはオーツ麦類の全粒粉又はそれらの穀粒を外周部より搗精した胚乳部分若しくはその際発生する糠;米糠;小麦又はトウモロコシ類のフスマ又は胚芽等であり、更に好ましくは、大麦類若しくはオーツ麦類の全粒粉又はそれらの穀粒を外周部より搗精した胚乳部分若しくはその際発生する糠である。
【0014】
β−1,3−1,4−グルカンのイネ科植物からの抽出方法についてさらに詳しく説明すると、イネ科植物中のβ−1,3−1,4−グルカンは、水溶性高分子として水に溶解させることができ、例えば、イネ科植物の穀類粉末に、水、温水、熱水若しくは塩溶液、酸性若しくはアルカリ性の水溶液、又は有機溶媒等を用いて、対粉末2〜100倍量の溶媒にて任意の時間及び任意の温度で抽出することができる。更に抽出液を固液分離してβ−1,3−1,4−グルカンを得ることができる。これらの中でも、水、温水又は熱水で抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンが好ましく、温度4℃以上80℃以下の温水で抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンがより好ましい。更に抽出時に抽出促進剤等を加えることもできる。
【0015】
具体的には、例えば、大麦又はオーツ麦から高分子量のβ−1,3−1,4−グルカンを得る方法として、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(例えば特公平4−11197号公報等参照)、大麦又はオーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和又はアルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万の水溶性βグルカンを得る方法(例えば特公平6−83652号公報等参照)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にて水溶性βグルカンを抽出する方法(例えば特開平11−225706号公報等参照)等が挙げられる。
【0016】
また、得られた水溶性β−1,3−1,4−グルカンを更に公知の方法で低分子化することもできる。上記のβ−1,3−1,4−グルカンを低分子化する方法としては、公知である多糖類の加水分解反応の何れもが利用可能である。例えば、水溶性多糖類は、酸存在下で加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して低分子化することができる。また、酵素による加水分解反応を利用した低分子化も有効であり、このような酵素としては、1,3−βグルカナーゼ等を用いることができる。また、抽出時に抽出溶媒中にセルラーゼを含有させることにより低分子化することもできる。更にまた、国際公開第98/13056号パンフレット又は特開2002−97203号公報等に記載の方法により、低分子化された水溶性β−1,3−1,4−グルカンを、原料穀物から直接抽出することにより得ることもできる。また、特開2002−105103号公報に記載の抽出促進剤等を使用することもできる。
【0017】
本発明においては、いかなる重量平均分子量を持つβ−1,3−1,4−グルカンも使用可能であるが、分子量の低下と共に水溶性が増すため、重量平均分子量300万以下、好ましくは50万以下、更に好ましくは10万以下のものがよい。このような分子量範囲とするために、必要に応じて、例えば、イネ科植物から抽出して得た水溶性β−1,3−1,4−グルカンを、水溶性が良くなるように、上述したような公知の方法で低分子化することができ、直接低分子量の水溶性β−1,3−1,4−グルカンを抽出することもできる。
【0018】
尚、本明細書中、重量平均分子量及び後述する特定の分子量領域の割合に使用する分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準β−1,3−1,4−グルカン(メガサイム社製)換算の分子量であり、具体的には、以下の装置及びカラムで測定した値を採用する。
・装置 EcoSEC HLC8320GPC(東ソー株式会社)
・カラム TSK GEL G6000PWXL(東ソー株式会社)−Shodex Sugar SB-802(昭和電工)
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 Milli-Q水によるイソクラチック溶出
・流速 0.5ml/min
・測定温度 60℃(カラム、インレット、RI)
・検出 RI及びUV(280nm)による検出(45℃)
・分析時間 20分
・試料濃度 1mg/ml
・サンプル注入量 50μl
・GPC解析ソフト(HLC8320GPC、EcoSECデータ解析 Ver.1.07、東ソー株式会社)
【0019】
本発明の乳含有飲食品における上記β−1,3−1,4−グルカンの含有量は、β−1,3−1,4−グルカン純分として0.0001〜0.1質量%、好ましくは0.001〜0.09質量%、更に好ましくは0.006〜0.08質量%、最も好ましくは0.01〜0.07質量%である。0.0001質量%未満であると本発明の効果が見られず、また0.1質量%を超えると本発明の効果が急激に低下するほか、異味や雑味が生じる場合がある。
【0020】
尚、本発明において、β−1,3−1,4−グルカン含量の測定には、McCleary法(酵素法)を利用することができる。具体的には、β−1,3−1,4−グルカン含量測定キット(型番K−BGLU)(メガザイム社製)を用いて以下の手順で測定することができる。先ず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけた測定サンプルについて、予め水分含有量を測定(赤外線水分計、型番FD−230、Kett社製)し、無水物質量W(mg)を算出する。これとは別に、この測定サンプル10mgを17mlチューブに取り、50%(v/v)エタノール溶液を200μl加え、分散させる。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温する。よく混合し、更に2分間、湯浴中で加熱する。遠心分離にて上清を得て、50℃に冷却後、5分間放置してから、チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、50℃にて1時間反応させる。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を5ml加えて、静かに混合する。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得る。上清100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシダーゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間反応させる。3mlのグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定する。これとは別に、グルコース100μgを含む3mlのグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ溶液の510nmにおける吸光度(EG)を測定する。これらの測定結果から、次式によりβ−1,3−1,4−グルカン含量は求められる。
【0021】
β−1,3−1,4−グルカン含量(%,w/w)=(EA)×(F/W)×8.46
式中、F及びWは次の通りである。
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度EG)
W=無水物質量(mg)
【0022】
本発明においては、高純度に精製されたβ−1,3−1,4−グルカンを乳含有飲食品にそのまま含有させることもできるが、β−1,3−1,4−グルカンが上記含有量となるように、水溶性β−1,3−1,4−グルカン以外のイネ科植物から抽出された成分も混在している抽出βグルカン(以下、βグルカン含有組成物ということもある)を含有させることが好ましい。
乳含有飲食品にβグルカン含有組成物を含有させた場合、β−1,3−1,4−グルカンのほかにマルトース等の低分子成分や澱粉等の多糖類も併存することになる。β−1,3−1,4−グルカンと上記低分子成分が併存した場合に、本発明の効果がより強調される。この理由は明らかではないものの、β−1,3−1,4−グルカンと低分子成分との間の何らかの作用により相乗効果が起きているものと思われる。
【0023】
本発明においては、上記低分子成分の割合を調節するために、アミラーゼ等の加水分解酵素によって酵素処理することにより、共存する澱粉等の多糖類を加水分解することができる。
【0024】
上記βグルカン含有組成物を使用する場合のβグルカン含有組成物に含まれるβ−1,3−1,4−グルカンの好ましい含有量は、5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%である。
【0025】
上記βグルカン含有組成物は、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の割合が30〜95%であることが好ましく、35〜90%であることがより好ましく、40〜80%であることが更に好ましい。
また、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の割合が5〜70%であることが好ましく、10〜65%がより好ましく、20〜60%が更に好ましい。
標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000及び1000以下の領域の割合が上記範囲となることで、本発明の効果がより顕著なものとなる。
尚、GPCにおける各分子量領域の割合は、上記したGPC測定により得られたクロマトグラムから、全体の領域の面積に対する標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の面積割合、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の面積割合として算出するものとする。上記標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域とは、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000と標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量200000に挟まれた領域をいうものとし、上記標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域とは、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000と0で挟まれた領域をいうものとする。
【0026】
本発明の乳含有飲食品は、乳風味を有するものであれば特に制限はされないが、例えば、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、れん乳、醗酵乳、乳酸菌飲料、粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー等の乳製品、又はヨーグルト、プリン、フラワーペースト、乳性飲料、乳類入り炭酸飲料等の乳等を主原料とする食品、更にこれらを含有する食品等を挙げることができる。
【0027】
上記乳含有飲食品は、本発明の効果がより高い点で、乳含有飲食品の固形分基準で、乳固形分を20質量%以上含有していることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、最も好ましくは50〜100質量%である。
【0028】
最後に、本発明の乳風味の増強方法について説明する。
本発明の乳風味の増強方法は、乳含有飲食品にβ−1,3−1,4−グルカンを0.0001〜0.1質量%含有させるものであり、好ましくは0.001〜0.09質量%、より好ましくは0.006〜0.08質量%、最も好ましくは0.01〜0.07質量%含有させる。0.0001質量%未満であると呈味改善効果が見られず、また0.1質量%を超えると本発明の効果が急激に低下し、本発明の効果が不十分となってしまう。
β−1,3−1,4−グルカンは、例えば、通常の方法で乳含有飲食品を製造した後、出来上がった乳含有飲食品に添加することにより含有させることができ、あるいは乳含有飲食品の製造の際にβ−1,3−1,4−グルカンを他の原料と共に使用して乳含有飲食品を製造することにより含有させることもできる。
本発明の乳風味の増強方法に関し、特に言及しない点については、先に述べた本発明の乳含有飲食品についての詳細な説明を適宜適用することができる。
【実施例】
【0029】
以下に本発明の実施例等を挙げるが、本発明は以下の実施例等によって限定されるものではない。
【0030】
〔調製例1〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Aの調製
大麦の粉砕物(全粒粉、以下同じ)1000gを5リットルの水に分散させ、60℃で3時間撹拌して抽出処理を行った。抽出液を遠心分離した後、上澄み液を−20℃で凍結させ、続いてこの凍結物を融解させ、得られた溶液中のβグルカンを含有する固形分を濾過し乾燥した。収量は26gであった。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Aとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:72質量%、分子量5000〜200000の割合:67%、分子量1000以下の割合:5%、ただし、分子量は標準β−1,3−1,4−グルカン換算のものを基準とした。以下同じ。)
【0031】
〔調製例2〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bの調製
大麦の粉砕物1000gを9リットルの水に分散させ、α−アミラーゼを1500ユニット添加した後、60℃で3時間反応させて、抽出処理を行うと共に酵素処理を行った。反応液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を207g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:18質量%、分子量5000〜200000の割合:44%、分子量1000以下の含有量:55%)
【0032】
〔調製例3〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Cの調製
大麦の粉砕物1000gを9リットルの水に分散させ、セルラーゼを35ユニット添加した後、60℃で3時間反応させて、抽出処理を行うと共に酵素処理を行った。反応液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を185g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Cとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:28質量%、分子量5000〜200000の割合:58%、分子量1000以下の含有量:42%)
【0033】
〔調製例4〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Dの調製
大麦の粉砕物100gを9リットルの水に分散させ、60℃で3時間撹拌して抽出処理を行った。抽出液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を145g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Dとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:32質量%、分子量5000〜200000の割合:50%、分子量1000以下の含有量:16%)
【0034】
〔実施例1〕
市販の低脂肪乳(乳固形分:8.5質量%、脂肪分:1.0質量%)に、上記調製例で得られたβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物A〜Dを、β−1,3−1,4−グルカン純分としての含有量がそれぞれ[表1]に示す量となるように添加、溶解して、様々なβ−1,3−1,4−グルカン含有量の乳飲料A〜D(アルファベットは添加したβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物に対応)を製造し、乳風味試験を行なった。乳風味試験においては、下記評価方法に従って乳風味強度及び乳味質の評価を行なった。
【0035】
<乳風味強度及び乳味質の評価方法>
10人のパネラーに、上記乳飲料A〜Dと、対照として用意したβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物無添加の低脂肪乳を舐めさせ、その乳風味強度及び乳味質について、それぞれ下記のパネラー評価基準により評価させ、その合計点数について下記評価基準で評価を行ない、それらの結果を表1に記載した。
【0036】
(乳風味強度のパネラー評価基準)
対照に比べあきらかに強化された乳風味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された乳風味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の乳風味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い乳風味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
乳風味を感じない・・・・・・・・・・・・・・・ −2点
(乳風味強度評価基準)
◎+ :10人のパネラーの合計点が17〜20点
◎ :10人のパネラーの合計点が13〜16点
○ :10人のパネラーの合計点が10〜12点
△ :10人のパネラーの合計点が5〜9点
× :10人のパネラーの合計点が0〜4点
××:10人のパネラーの合計点が0点未満
【0037】
(乳味質のパネラー評価基準)
乳風味以外の風味を全く感じない・・・・・・・・・・・・・・・・・2点
乳風味以外の風味を感じるが、乳風味として違和感がない・・・・・・1点
乳風味以外の異味・雑味を感じ、且つ乳風味として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味・雑味を感じる・・・・・・・・・・・・・・・・・−1点
(乳味質評価基準)
◎ :10人のパネラーの合計点が16〜20点
○ :10人のパネラーの合計点が10〜15点
△ :10人のパネラーの合計点が5〜9点
× :10人のパネラーの合計点が0〜4点
××:10人のパネラーの合計点が0点未満
【0038】
【表1】
【0039】
〔実施例2〕
市販レギュラーコーヒー(粉末)45質量部を、お湯620質量部で抽出し、コーヒー抽出液を得た。このコーヒー抽出液370質量部に、砂糖35量部、牛乳(乳固形分:12.8質量%)95質量部、及び前記β−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.5質量部を添加し、混合、溶解してコーヒー飲料Aを得た(固形分に占める乳固形分:17質量%)。
一方、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを無添加とした以外は同様の配合・製法で、対照のコーヒー飲料Bを得た。
コーヒー飲料Aとコーヒー飲料Bを比較試飲したところ、コーヒー飲料Aは、コーヒー飲料Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
【0040】
〔実施例3〕
市販の紅茶葉6.5質量部を、お湯500質量部で抽出し、紅茶抽出液を得た。この紅茶抽出液370質量部に、砂糖20質量部、牛乳(乳固形分:12.8質量%)50質量部、及び前記β−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.5質量部を加え、ミルクティーAを作製した(固形分に占める乳固形分:24質量%)。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを無添加とした以外は同様の配合・製法で、対照のミルクティーBを得た。
ミルクティーAとミルクティーBを比較試飲したところ、ミルクティーAは、ミルクティーBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
【0041】
〔実施例4〕
市販のココアパウダー(純ココア)12質量部及び砂糖8質量部に熱湯10質量部を加え、ダマが出来ないよう、よく混合し、氷水で充分冷やした後、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.2質量部、及び牛乳(乳固形分:12.8質量%)150質量部を加え、アイスミルクココアAを作製した(固形分に占める乳固形分:49質量%)。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを無添加とした以外は同様の配合・製法で、対照のアイスミルクココアBを得た。
アイスミルクココアAとアイスミルクココアBを比較試飲したところ、アイスミルクココアAは、アイスミルクココアBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
【0042】
〔実施例5〕
市販のドリンクヨーグルト(乳固形分:8.5質量%)100質量部にβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.1質量部を加えて良く混合し、ドリンクヨーグルトAを作製した(固形分に占める乳固形分:約60質量%)。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを添加していない上記の市販のドリンクヨーグルトを、対照のドリンクヨーグルトBとした。
ドリンクヨーグルトAとドリンクヨーグルトBを比較試飲したところ、ドリンクヨーグルトAは、ドリンクヨーグルトBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
【0043】
〔実施例6〕
牛乳200質量部を加温し、砂糖50質量部、及びβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.3質量部を加えて溶かし、更に予め粉末ゼラチン5質量部を25質量部の水で膨潤させておいた膨潤ゼラチン30質量部を加え、ゼラチンが溶けるまで湯煎加熱した。粗熱をとったあと、ゼリー型に分注し、冷蔵庫で冷却して固め、ミルクゼリーAを作製した(固形分に占める乳固形分:24質量%)。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを無添加とした以外は同様の配合・製法で、対照のミルクゼリーBを得た。
ミルクゼリーAとミルクゼリーBを比較試食したところ、ミルクゼリーAは、ミルクゼリーBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。