特許第6792471号(P6792471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社荏原製作所の特許一覧

<>
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000002
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000003
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000004
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000005
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000006
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000007
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000008
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000009
  • 特許6792471-カップリングガードおよび機械装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792471
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】カップリングガードおよび機械装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/84 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   F16D3/84 A
   F16D3/84 V
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-18304(P2017-18304)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2018-123929(P2018-123929A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】姜 世ゴ
【審査官】 古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0264209(US,A1)
【文献】 実開昭63−18020(JP,U)
【文献】 実開昭53−99455(JP,U)
【文献】 特開2009−103192(JP,A)
【文献】 中国実用新案第201486923(CN,U)
【文献】 特開2016−205581(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0216187(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/84
F04D 1/00−13/16
F04D 17/00−19/02
F04D 21/00−25/16
F04D 29/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機の駆動軸と回転機械の回転軸とを連結するカップリングを覆うためのカップリングガードであって、
前記カップリングの上方の位置で互いに接続可能な2つのカバー部材を備え、
前記2つのカバー部材のそれぞれは、
前記2つのカバー部材を締結する締結具が挿入可能な締結穴が形成されたカバー本体と、
前記カバー本体から内側に向かって延びる壁部と、
前記カバー本体の下端に接続され、前記原動機および前記回転機械が固定可能なベースに形成された差込孔に挿入可能な差込部とを備えていることを特徴とするカップリングガード。
【請求項2】
前記差込部は、前記カバー本体の下端から内側に向かって延びており、前記カバー本体の幅方向と平行に延びていることを特徴とする請求項1に記載のカップリングガード。
【請求項3】
前記カバー本体は、その上端から上方に延びるフランジを有しており、
前記締結穴は、前記フランジに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカップリングガード。
【請求項4】
前記差込孔は、前記駆動軸および前記回転軸を通る中心軸線と平行に延びており、
前記カップリングガードは、前記差込部が前記差込孔に挿入された状態で、前記中心軸線と平行に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカップリングガード。
【請求項5】
原動機と、
回転機械と、
前記原動機および前記回転機械が固定され、差込孔が形成されたベースと、
前記原動機の駆動軸と前記回転機械の回転軸とを連結するカップリングと、
前記カップリングを覆うカップリングガードとを備え、
前記カップリングガードは、前記カップリングの上方の位置で互いに接続可能な2つのカバー部材を備えており、
前記2つのカバー部材のそれぞれは、
前記2つのカバー部材を締結する締結具が挿入可能な締結穴が形成されたカバー本体と、
前記カバー本体から内側に向かって延びる壁部と、
前記カバー本体の下端に接続され、前記差込孔に挿入可能な差込部とを備えていることを特徴とする機械装置。
【請求項6】
前記差込部は、前記カバー本体の下端から内側に向かって延びており、前記カバー本体の幅方向と平行に延びていることを特徴とする請求項5に記載の機械装置。
【請求項7】
前記カバー本体は、その上端から上方に延びるフランジを有しており、
前記締結穴は、前記フランジに形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の機械装置。
【請求項8】
前記差込孔は、前記駆動軸および前記回転軸を通る中心軸線と平行に延びており、
前記カップリングガードは、前記差込部が前記差込孔に挿入された状態で、前記中心軸線と平行に移動可能であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の機械装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプなどの回転機械の回転軸を、モータなどの原動機の駆動軸と連結するためのカップリングを覆うカップリングガードおよび該カップリングガードを備えた機械装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機械の回転軸を、カップリング(軸継手)を介して原動機の駆動軸に連結して、駆動軸を回転させることにより、回転軸を回転させる機械装置が知られている。このような機械装置は、例えば、ポンプ装置である。ポンプ装置は、原動機であるモータと回転機械であるポンプとを有し、モータの駆動軸は、ポンプの回転軸にカップリングを介して連結される。ポンプ装置では、モータの駆動軸のトルクがカップリングを介してポンプの回転軸に伝達され、結果として、回転軸に固定された羽根車が回転される。
【0003】
高速回転するカップリング、ポンプの回転軸の露出部分、およびモータの駆動軸の露出部分に人間が接触しないように、通常、カップリングおよび該カップリングの周辺を覆うカップリングガードが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−205581号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0264209号明細書
【特許文献3】特開2014−74456号公報
【特許文献4】特開2014−173680号公報
【特許文献5】特開2016−205445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カップリングガードは、回転軸および/または駆動軸を取り囲む壁部材を有しないタイプの開放型カップリングガードと、該壁部材を有するタイプの密閉型カップリングガードとに大別される。近年、カップリングガードは、開放型カップリングガードから密閉型カップリングガードに置き換えられる傾向にある。
【0006】
しかしながら、密閉型カップリングガードは、多数の部品から構成されており、複雑な構造を有している。したがって、ポンプ装置へのカップリングガードの取り付けは、2つ以上(一般的には、3つ、または4つ以上)の締結具を使用して行われる。結果として、カップリングガードを取り付ける作業、および取り外す作業には、多くの時間がかかり、作業性が悪くなる。この問題は、ポンプ装置だけでなく、回転機械の回転軸をカップリングを介して原動機の駆動軸に連結させる全ての機械装置で発生し得る。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、取り付け作業および取り外し作業を容易に行うことができるカップリングガードおよび該カップリングガードを備えた機械装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、原動機の駆動軸と回転機械の回転軸とを連結するカップリングを覆うためのカップリングガードであって、前記カップリングの上方の位置で互いに接続可能な2つのカバー部材を備え、前記2つのカバー部材のそれぞれは、前記2つのカバー部材を締結する締結具が挿入可能な締結穴が形成されたカバー本体と、前記カバー本体から内側に向かって延びる壁部と、前記カバー本体の下端に接続され、前記原動機および前記回転機械が固定可能なベースに形成された差込孔に挿入可能な差込部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記差込部は、前記カバー本体の下端から内側に向かって延びており、前記カバー本体の幅方向と平行に延びていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記カバー本体は、その上端から上方に延びるフランジを有しており、前記締結穴は、前記フランジに形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記差込孔は、前記駆動軸および前記回転軸を通る中心軸線と平行に延びており、前記カップリングガードは、前記差込部が前記差込孔に挿入された状態で、前記中心軸線と平行に移動可能であることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様は、原動機と、回転機械と、前記原動機および前記回転機械が固定され、差込孔が形成されたベースと、前記原動機の駆動軸と前記回転機械の回転軸とを連結するカップリングと、前記カップリングを覆うカップリングガードとを備え、前記カップリングガードは、前記カップリングの上方の位置で互いに接続可能な2つのカバー部材を備えており、前記2つのカバー部材のそれぞれは、前記2つのカバー部材を締結する締結具が挿入可能な締結穴が形成されたカバー本体と、前記カバー本体から内側に向かって延びる壁部と、前記カバー本体の下端に接続され、前記差込孔に挿入可能な差込部とを備えていることを特徴とする機械装置である。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記差込部は、前記カバー本体の下端から内側に向かって延びており、前記カバー本体の幅方向と平行に延びていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記カバー本体は、その上端から上方に延びるフランジを有しており、前記締結穴は、前記フランジに形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記差込孔は、前記駆動軸および前記回転軸を通る中心軸線と平行に延びており、前記カップリングガードは、前記差込部が前記差込孔に挿入された状態で、前記中心軸線と平行に移動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、差込部を差込孔に挿入し、かつカバー部材を締結具によって連結するだけの簡単な作業によってカップリングガードを機械装置に取り付けることができる。したがって、カップリングガードの取り付けおよび取り外しを容易にすることができ、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】機械装置の概略斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るカップリングガードを備えた機械装置の概略斜視図である。
図3図2に示すカップリングガードをモータ側から見た図である。
図4図4(a)は、2つのカバー部材を締結する締結具を示す図であり、図4(b)は、締結具が挿入可能な締結穴を示す図である。
図5】カップリングガードとモータとの間の隙間およびカップリングガードとポンプとの間の隙間を示す図である。
図6】差込部および差込孔の拡大断面図である。
図7図6をB線方向から見た図である。
図8】組み立てられる前のカップリングガードを示す図である。
図9図9(a)、図9(b)、および図9(c)はベースとカップリングガードとの相対位置を決定する充填物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1乃至図9において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、機械装置100の概略斜視図である。機械装置100は、例えば、ポンプ装置である。したがって、以下、機械装置の一例であるポンプ装置について説明する。
【0015】
ポンプ装置100は、原動機であるモータ2と、回転機械であるポンプ3とを備えている。モータ2およびポンプ3は、ベース8上に固定されている。モータ2の駆動軸5は、モータ2のモータケーシング2aからポンプ3に向かって延びており、ポンプ3の回転軸7は、ポンプ3のポンプケーシング3aからモータ2に向かって延びている。モータ2の駆動軸5は、カップリング(軸継手)10を介してポンプ3の回転軸7に連結される。本実施形態では、ポンプ3の回転軸7の中心軸線は、モータ2の駆動軸5の中心軸線と一直線に並んでいる。ポンプ3の回転軸7と、モータ2の駆動軸5の共通の中心軸線は、符号CLが付された二点鎖線で描かれている。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係るカップリングガード1を備えた機械装置100の概略斜視図である。カップリング10、モータ2の駆動軸5の露出部分、およびポンプ3の回転軸7の露出部分は、カップリングガード1によって覆われる。このカップリングガード1は、例えば、陸上横軸ポンプ用カップリングガードであり、上述した密閉型カップリングガードである。以下、図面を参照して、カップリングガード1の詳細について説明する。
【0017】
図3は、図2に示すカップリングガード1をモータ2側から見た図である。図4(a)は、2つのカバー部材20,20を締結する締結具21を示す図であり、図4(b)は、締結具21が挿入可能な締結穴22を示す図である。図4(a)および図4(b)では、図3をA線方向から見たときのカバー部材20が描かれている。
【0018】
カップリングガード1は、カップリング10の上方の位置で互いに接続可能な2つのカバー部材20,20を備えている。これらカバー部材20,20は、同一の形状を有しており、中心軸線CLに関して対称に配置されている。以下、1つのカバー部材20について説明する。
【0019】
カバー部材20は、カバー本体25と、カバー本体25の内面25aから内側に向かって、すなわち、軸5,7(またはカップリング10)に向かって延びる壁部26と、カバー本体25の下端25bに接続され、ベース8に形成された差込孔28に挿入可能な差込部27とを備えている。カバー本体25には、2つのカバー部材20,20を締結する締結具21が挿入可能な締結穴22が形成されている(図4(b)参照)。
【0020】
カバー本体25は、カップリング10の上方まで延びており、カップリング10の上方に向かうにつれて徐々に湾曲する形状を有している。カバー本体25の下端25bは、ベース8の上面8aの上方に位置しており、かつ壁部26の下端の下方に位置している。
【0021】
カバー本体25の幅方向の長さはカップリング10の全長よりも長い。本実施形態では、カバー本体25は、カップリング10、モータ2の駆動軸5の露出部分、およびポンプ3の回転軸7の露出部分を覆う長さを有している。ここで、幅方向とは、中心軸線CLと平行な方向を意味する。
【0022】
カバー本体25は、その上端から上方に延びるフランジ30を有している。フランジ30は中心軸線CLと平行に延びており、カバー本体25と一体的に形成されている。一実施形態では、カバー本体25とフランジ30とは別部材であってもよい。フランジ30の中央には、締結穴22が形成されている。締結具21は、ボルトと、該ボルトに係合するナットから構成されている。
【0023】
2つのフランジ30,30を接触させた状態で、締結具21を構成するボルトは締結穴22,22に挿入され、ナットはボルトに係合される。このようにして、フランジ30,30は締結具21で締結され、結果として、カバー部材20,20は互いに連結される。図3に示すように、これらカバー部材20,20の連結によって形成されるカップリングガード1は、アーチ状の外形形状を有する。ただし、カップリングガード1の外形形状は本実施形態には限定されない。
【0024】
カバー部材20,20が連結されると、カバー本体25,25の間には、互いに隣接する壁部26が位置する。図3に示すように、これら2つの壁部26,26は、互いに平行に並んでおり、中心軸線CLに対して垂直な垂直壁である。2つの壁部26は、駆動軸5(および回転軸7)が貫通可能な貫通穴32を有しており、駆動軸5(および回転軸7)を取り囲んでいる。この貫通穴32の直径は駆動軸5(または回転軸7)の直径よりも僅かに大きい。
【0025】
図3に示すように、壁部26,26の間には、隙間D1が形成されている。この隙間D1は、人間の指がカップリングガード1の内部の軸5,7およびカップリング10に到達しない程度の大きさである。一実施形態では、隙間D1の大きさは、JISB9707:2002(ISO13852:1996)に規定された大きさである。
【0026】
フランジ30は、壁部26の端面26aの内側の位置においてカバー本体25の上端に接続されている。したがって、2つのカバー部材20,20が連結されると、壁部26,26の間には隙間D1が形成される。
【0027】
図3に示すように、壁部26,26の下端とベース8の上面8aとの間には、隙間D2が形成されている。この隙間D2は、人間の指がカップリングガード1の内部の軸5,7およびカップリング10に到達しない程度の大きさである。一実施形態では、隙間D2の大きさは、JISB9707:2002(ISO13852:1996)に規定された大きさである。
【0028】
壁部26は、カバー本体25のモータ側端部(原動機側端部)およびポンプ側端部(回転機械側端部)の両方に配置されている(図2および図3参照)。すなわち、カバー部材20,20のそれぞれは、2つの壁部26を備えている。言い換えれば、カップリングガード1は、合計4つの壁部26を備えている。このような構成により、カップリングガード1は、人間の指がカップリングガード1内の駆動軸5、回転軸7、およびカップリング10に接触することを確実に防止することができる。
【0029】
図5は、カップリングガード1とモータ2との間の隙間T1およびカップリングガード1とポンプ3との間の隙間T2を示す図である。図5に示すように、カップリングガード1は、隙間T1が形成されるように、モータ2のモータケーシング2aと対向している。同様に、カップリングガード1は、隙間T2が形成されるように、ポンプ3のポンプケーシング3aと対向している。これら隙間T1,T2は、人間の指がこれら隙間T1,T2を通過して、軸5,7およびカップリング10に到達しない程度の大きさを有している。一実施形態では、隙間T1,T2の大きさは、JISB9707:2002(ISO13852:1996)に規定された大きさである。
【0030】
上述したように、カバー部材20は、ベース8に形成された差込孔28に挿入可能な差込部27を備えている。図6は差込部27および差込孔28の拡大断面図である。図7図6をB線方向から見た図である。図6および図7に示すように、差込部27はカバー本体25の下端から内側、すなわち、軸5,7(またはカップリング10)に向かって延びており、カバー本体25の幅方向(すなわち、中心軸線CL)と平行に延びている。差込部27の幅方向の長さはカバー本体25の幅方向の長さと同一である。差込部27は壁部26の下端よりも下方に位置しており、差込部27と壁部26との間には、隙間が形成されている。
【0031】
機械装置は、ベース8に形成された2つの差込孔28を備えている(図1および図2参照)。これら2つの差込孔28は、中心軸線CLに関して対称に配置されており、互いに反対方向を向いている。より具体的には、2つの差込孔28は、ベース8の外側、すなわち、中心軸線CLから離間する方向を向いている。
【0032】
ベース8には、その上面8aから上方に突出する出っ張り部8bが形成されており、差込孔28はこの出っ張り部8bに形成されている。本実施形態では、出っ張り部8bはベース8と一体的に形成されているが、出っ張り部8bはベース8とは異なる部材から構成されてもよい。
【0033】
差込孔28は、中心軸線CL、すなわち、差込部27と平行に延びており、その長さは差込部27の長さよりも長い。したがって、差込部27が差込孔28に挿入された状態で、カップリングガード1は、中心軸線CLと平行に移動可能である(図7の矢印参照)。このような構成により、カップリングガード1は、カップリングガード1とモータ2との間の隙間T1およびカップリングガード1とポンプ3との間の隙間T2を調整することができる。
【0034】
図8は組み立てられる前のカップリングガード1を示す図である。まず、2つのカバー部材20,20を互いに近接する方向に移動して、差込部27を差込孔28に挿入する。差込部27を差込孔28に挿入した後、締結穴22,22が接続されるように、フランジ30,30を接触させ、この状態で、カバー本体25,25を締結具21によって接続する。結果として、カップリングガード1は、ベース8に連結される。
【0035】
差込部27はカバー本体25の下端25aから内側に延びているため、差込部27が差込孔28に挿入された状態では、カバー部材20の鉛直方向への移動は制限される。したがって、カップリングガード1はベース8から離間することなく、中心軸線CLと平行に移動可能である。
【0036】
図9(a)、図9(b)、および図9(c)は、ベース8とカップリングガード1との相対位置を決定する充填物35を示す図である。図9(a)では、差込部27の両側の隙間に詰められた充填物35が示されており、図9(b)では、差込部27の左側の隙間に詰められた充填物35が示されており、図9(c)では、差込部27の右側の隙間に詰められた充填物35が示されている。
【0037】
差込孔28は差込部27よりも大きいため、差込孔28と差込部27との間には隙間が形成される。ベース8に連結されたカップリングガード1は中心軸線CLと平行に移動し、カップリングガード1とベース8との相対位置が調整される。その後、差込孔28と差込部27との間の隙間に充填物35を詰めることにより、カップリングガード1とベース8との相対位置が決定される。すなわち、カップリングガード1はベース8に固定される。
【0038】
本実施形態によれば、カップリングガード1をベース8に連結するための締結具は不要であり、カップリングガード1およびベース8の両方に締結具を挿入するための締結穴を形成する必要はない。差込部27を差込孔28に挿入し、かつカバー部材20,20を1つの締結具21によって締結するだけの簡単な作業によってカップリングガード1を機械装置に取り付けることができる。したがって、カップリングガード1の取り付けおよび取り外しを容易にすることができ、作業性を向上することができる。さらに、カップリングガード1の構造はシンプルである。
【0039】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 カップリングガード
2 モータ
2a モータケーシング
3 ポンプ
3a ポンプケーシング
5 駆動軸
7 回転軸
8 ベース
8a 上面
8b 出っ張り部
10 カップリング
20 カバー部材
21 締結具
22 締結穴
25 カバー本体
26 壁部
26a 端面
27 差込部
28 差込孔
30 フランジ
32 貫通穴
35 充填物
100 ポンプ装置(機械装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9