特許第6792520号(P6792520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6792520-検知システム 図000002
  • 特許6792520-検知システム 図000003
  • 特許6792520-検知システム 図000004
  • 特許6792520-検知システム 図000005
  • 特許6792520-検知システム 図000006
  • 特許6792520-検知システム 図000007
  • 特許6792520-検知システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792520
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】検知システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   A61B5/00 102C
   A61B5/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-115269(P2017-115269)
(22)【出願日】2017年6月12日
(65)【公開番号】特開2019-160(P2019-160A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元
(72)【発明者】
【氏名】藤村 香央里
(72)【発明者】
【氏名】中村 亨
(72)【発明者】
【氏名】大田 幸由
【審査官】 清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−178982(JP,A)
【文献】 特開2013−020190(JP,A)
【文献】 特開2008−293794(JP,A)
【文献】 特開平07−185952(JP,A)
【文献】 特開2013−183840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/22
G16H 10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と受け部とを備えたウェアラブル装置であって、前記挿入部の前記受け部への挿入、及び前記挿入部の前記受け部からの抜き取りにより、利用者への取り付け及び前記利用者からの取り外しが可能なウェアラブル装置に備えられた加速度センサによって生成された加速度に関するデータ、及び前記ウェアラブル装置に備えられたマイクによって生成された音声に関するデータを取得する取得部と、
前記加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすか否か、及び、前記加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすか否か、を判定する加速度判定部と、
前記音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすか否か、及び、前記音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすか否か、を判定する音声判定部と、
前記加速度判定部によって前記加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすと判定され、かつ、前記音声判定部によって前記音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすと判定された場合、前記ウェアラブル装置が取り付けられたことを検知し、前記加速度判定部によって前記加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすと判定され、かつ、前記音声判定部によって前記音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすと判定された場合、前記ウェアラブル装置が取り外されたことを検知する検知部と、
を有し、
前記挿入部は、前記ウェアラブル装置が利用者に取り付けられる際に前記受け部に係止される凸部であって、前記挿入部の前記受け部への挿入方向に対して対称でない形状の凸部を有し、
前記ウェアラブル装置は、前記利用者から取り外される際には、前記凸部が前記受け部に当接することにより弾性変形し、当該弾性変形が解除されると当該当接が解除されることを特徴とする検知システム。
【請求項2】
前記ウェアラブル装置は、前記挿入部を有するベルトと、前記受け部を有する本体と、を有し、
前記本体は、前記ベルトが前記利用者に装着された状態で、前記ベルトへ取り付け可能及び前記ベルトから取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT時代を迎えウェアラブル装置を用いて、個人が健康データ等のライフログデータを測定し、健康管理を行うクラウドサービスが普及している。また、自分自身の健康管理だけではなく、例えば、保険会社等の第三者が個人で測定したデータを活用し、保険の割引に日々の健康データ使うサービスが始まっている。
【0003】
第三者のデータ活用においては、サービス利用者による替え玉やねつ造のリスクがある。そのため、ウェアラブル装置から取得したデータを第三者が活用するために、生体認証等の認証技術を活用し、取得した心電位や心拍等のデータがどのユーザのものか識別する必要がある。そこで、本人認証を行うとともに、他人への付け替えやロックしたままの抜き外しを防止するために、各種センサにより継続的に着脱を監視する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−41199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術には、ウェアラブル装置の取り付け及び取り外しを精度良く検知することができない場合があるという問題がある。例えば、特許文献1には、加速度センサによって測定された加速度を用いてウェアラブル装置が装着されているか否かを判定することが記載されているが、ウェアラブル装置が振動が発生している環境にある場合、検知精度が劣化することや、検知自体が困難になることが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検知装置は、挿入部と受け部とを備えたウェアラブル装置であって、前記挿入部の前記受け部への挿入、及び前記挿入部の前記受け部からの抜き取りにより、利用者への取り付け及び前記利用者からの取り外しが可能なウェアラブル装置に備えられた加速度センサによって生成された加速度に関するデータ、及び前記ウェアラブル装置に備えられたマイクによって生成された音声に関するデータを取得する取得部と、前記加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすか否か、及び、前記加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすか否か、を判定する加速度判定部と、前記音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすか否か、及び、前記音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすか否か、を判定する音声判定部と、前記加速度判定部によって前記加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすと判定され、かつ、前記音声判定部によって前記音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすと判定された場合、前記ウェアラブル装置が取り付けられたことを検知し、前記加速度判定部によって前記加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすと判定され、かつ、前記音声判定部によって前記音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすと判定された場合、前記ウェアラブル装置が取り外されたことを検知する検知部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ウェアラブル装置の取り付け及び取り外しを精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の本体の取り付け及び取り外しについて説明するための図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の本体の取り付け及び取り外しについて説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の受け部及び挿入部について説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置に備えられたマイコンの構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置に備えられたマイコンの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態の構成]
以下に、本願に係る検知システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。また、第1の実施形態では、ウェアラブル装置が検知システムとして機能する。検知システムは、複数の装置を含んでいてもよいし、1台の検知装置であってもよい。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の斜視図である。図1に示すように、ウェアラブル装置1は、本体10及びベルト11を有する。本体10は、ウェアラブル装置が有する。ベルト11は、利用者の手首等に装着される。また、本体10は、ベルト11が利用者に装着された状態で、ベルト11への取り付け及びベルト11からの取り外しが可能である。
【0011】
本実施形態において検知システムとして機能するウェアラブル装置1は、本体10がベルト11に取り付けられたことをウェアラブル装置1が利用者に取り付けられたこととして検知し、本体10がベルト11から取り外されたことをウェアラブル装置1が利用者から取り外されたこととして検知する。ただし、本発明におけるウェアラブル装置の取り付け及び取り外しは本実施形態の例に限られない。例えば、本発明の実施形態には、検知システムが、ベルト11が利用者の手首に取り付けられたこと及び利用者の手首から取り外されたこと検知するような実施形態も含まれる。
【0012】
図2及び図3は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の本体の取り付け及び取り外しについて説明するための図である。図2に示すように、本体10には、受け部101が備えられている。また、ベルト11には、挿入部111が備えられている。挿入部111は、例えばクリップである。また、受け部101は、例えばクリップ受けである。
【0013】
図2に示すように、ウェアラブル装置1が利用者に取り付けられていない場合、挿入部111は、受け部101に挿入されていない。そして、ウェアラブル装置1が利用者に取り付けられる際は、挿入部111が受け部101に挿入される。
【0014】
図3に示すように、ウェアラブル装置1が利用者に取り付けられている場合、挿入部111は受け部101に挿入されている。そして、ウェアラブル装置1が利用者から取り外されるは、挿入部111が受け部101から抜き取られる。このように、ウェアラブル装置1は、挿入部111と受け部101とを備え、挿入部111の受け部101への挿入、及び挿入部111の受け部101からの抜き取りにより、利用者への取り付け及び利用者からの取り外しが行われる。
【0015】
ここで、挿入部111が受け部101に挿入される際、及び挿入部111が受け部101から抜き取られる際には、本体10の運動に係る加速度が変化し、さらに、音が発生することが考えられる。例えば、図2に示すように、挿入部111は、ウェアラブル装置1が利用者に取り付けられる際に受け部101に係止される凸部111Aを有する。そして、ウェアラブル装置1が利用者から取り外される際には、特に挿入部111と受け部101が接する部分は、凸部111Aが受け部101に当接することにより弾性変形し、当該弾性変形が解除されると当該当接が解除される。凸部111Aは、例えばフックである。
【0016】
このため、ベルト11を固定し、本体10をベルト11から取り外す場合、本体10のベルト11から離れる方向の加速度は、弾性変形の発生とともに減少し、当該加速度が弾性変形の解除とともに急激に増加する。
【0017】
また、ベルト11を固定し、本体10をベルト11から取り外す場合にも弾性変形が発生する。この場合、本体10のベルト11から離れる方向の加速度は、弾性変形の発生とともに増加し、当該加速度が弾性変形の解除とともに急激に減少する。言い換えると、本体10のベルト11に近づく方向の加速度は、弾性変形の発生とともに減少し、当該加速度が弾性変形の解除とともに急激に増加する。
【0018】
このように、ベルト11に取り付ける場合と、ベルト11から取り外す場合の本体10の加速度の変化は特徴的であり、少なくともベルト11に対する相対的な方向が互いに異なる。また、図2及び図3に示すように、挿入部111の形状が挿入方向に対して対称でない場合、ベルト11に取り付ける場合と、ベルト11から取り外す場合とでは、弾性変形の度合いが異なるため、本体10の加速度の絶対値の変化が異なる。
【0019】
また、挿入部111が受け部101に挿入される際、及び挿入部111が受け部101から抜き取られる際には、凸部111Aと受け部101との間で摺動音が発生する。前述の通り、ベルト11に取り付ける場合と、ベルト11から取り外す場合とでは、本体10の加速度が異なるため、発生する摺動音の特徴が異なる。
【0020】
また、挿入部111が受け部101に挿入される際は、弾性変形が解除された際に、凸部111Aが受け部101に衝突し、衝突音が発生する。一方で、挿入部111が受け部101から抜き取られる際には、弾性変形が解除された際には、凸部111Aは受け部101の外部にあるため、衝突音は発生しない。
【0021】
このように、挿入部111が受け部101に挿入される際と、及び挿入部111が受け部101から抜き取られる際とでは、本体10の加速度の変化及び発生する音の特徴が異なる。なお、本体10の加速度の変化及び音の特徴の相違は、本実施形態で説明したものに限られない。
【0022】
また、受け部101及び挿入部111の形状は、図2及び3に示すものに限られない。例えば、受け部101及び挿入部111は、図4に示すような形状であってもよい。図4は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の受け部及び挿入部について説明するための図である。図4に示すように、受け部101には、挿入部111の挿入を抑止する抑止部101Aが備えられていてもよい。これにより、挿入部111が受け部101に挿入される際に、抑止部101Aと接触した際に衝突音が発生する。
【0023】
ここで、図5を用いて、ウェアラブル装置1の構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の構成の一例を示す図である。図5に示すように、ウェアラブル装置1は、プロセッサモジュール2及び筐体3を有する。また、プロセッサモジュール2は、加速度センサ21、マイク22、通信モジュール23、マイコン24、及び温度センサ25等のセンサを有する。また、筐体3には、受け部101及び挿入部111が含まれる。ここでは、プロセッサモジュール2は、本体10に備えられていることとする。
【0024】
加速度センサ21は、本体10の加速度を測定し、加速度に関するデータを生成する。加速度センサ21は、例えば各時刻における所定の方向の加速度をデータとして生成する。マイク22は、音声を測定し、音声に関するデータを生成する。マイク22は、例えば、各時刻における測定した音声の波形、及び測定した音声から取得可能な特徴量の平均、分散等の統計情報をデータとして生成する。
【0025】
マイコン24は、ウェアラブル装置1の制御等を行う。マイコン24の構成については後述する。通信モジュール23は、他の装置との間でデータ通信を行う。通信モジュール23は、例えば、利用者が有する携帯型端末等との間で無線通信を行う。また、通信モジュール23は、インターネットに接続可能であってもよい。温度センサ25は、温度を測定する。温度センサ25は、例えば利用者の体温の測定に用いられる。また、ウェアラブル装置1には、温度センサ25以外のセンサが備えられていてもよい。
【0026】
図6を用いて、マイコン24の構成について説明する。図6は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置に備えられたマイコンの構成の一例を示す図である。図6に示すように、マイコン24は、記憶部241及び制御部242を有する。マイコン24は、検知装置として機能する。
【0027】
記憶部241は、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部241は、マイコン24で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部241は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。
【0028】
制御部242は、マイコン24全体を制御する。制御部242は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部242は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部242は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部242は、取得部2421、加速度判定部2422、音声判定部2423、検知部2424及び通知部2425を有する。
【0029】
取得部2421は、挿入部111と受け部101とを備えたウェアラブル装置1であって、挿入部111の受け部101への挿入、及び挿入部111の受け部101からの抜き取りにより、利用者への取り付け及び利用者からの取り外しが可能なウェアラブル装置1に備えられた加速度センサ21によって生成された加速度に関するデータ、及びウェアラブル装置1に備えられたマイク22によって生成された音声に関するデータを取得する。
【0030】
加速度判定部2422は、加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすか否か、及び、加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすか否か、を判定する。第1の取り付け条件及び第1の取り外し条件は、あらかじめウェアラブル装置1の取り付け及び取り外しを行った際に加速度センサ21によって生成された加速度に関するデータを基に作成することができる。
【0031】
例えば、第1の取り付け条件は、加速度の閾値であってよい。この場合、加速度判定部2422は、加速度センサ21から取得した加速度が、第1の取り付け条件として設定された加速度の閾値を超えたか否かを判定する。また、第1の取り付け条件は、加速度の変化量の閾値であってよい。この場合、加速度判定部2422は、加速度センサ21から取得した加速度の変化量が、第1の取り付け条件として設定された加速度の変化量の閾値を超えたか否かを判定する。同様に、第1の取り外し条件は、加速度の閾値、又は加速度の変化量の閾値であってよい。また、第1の取り付け条件には、加速度の方向がベルト11に近づく方向(図2の下方向)であることが含まれていてもよい。また、第1の取り外し条件には、加速度の方向がベルト11から離れる方向(図2の上方向)であることが含まれていてもよい。
【0032】
また、音声判定部2423は、音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすか否か、及び、音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすか否か、を判定する。第2の取り付け条件及び第2の取り外し条件は、あらかじめウェアラブル装置1の取り付け及び取り外しを行った際にマイク22によって生成された音声に関するデータを基に作成することができる。
【0033】
例えば、第2の取り付け条件は、音声の波形であってよい。この場合、音声判定部2423は、マイク22から取得した音声の波形と、第2の取り付け条件として設定された音声の波形との合致度合いを計算し、当該合致度合いが閾値以上であるか否かを判定する。また、例えば、第2の取り付け条件は、音声の特徴量の統計情報であってよい。この場合、音声判定部2423は、マイク22から取得した音声の特徴量の統計情報と、第2の取り付け条件として設定された音声の特徴の統計情報との合致度合いを計算し、当該合致度合いが閾値以上であるか否かを判定する。同様に、第2の取り外し条件は、音声の波形、又は音声の特徴量の統計情報であってよい。
【0034】
検知部2424は、加速度判定部2422によって加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすと判定され、かつ、音声判定部2423によって音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすと判定された場合、ウェアラブル装置1が取り付けられたことを検知し、加速度判定部2422によって加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすと判定され、かつ、音声判定部2423によって音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすと判定された場合、ウェアラブル装置1が取り外されたことを検知する。
【0035】
例えば、加速度判定部2422によって、加速度センサ21から取得した加速度が第1の取り付け条件として設定された加速度の閾値を超えたと判定され、かつ、音声判定部2423によって、マイク22から取得した音声の波形と第2の取り付け条件として設定された音声の波形との合致度合いが閾値以上であると判定された場合、検知部2424は、ウェアラブル装置1が取り付けられたことを検知する。
【0036】
例えば、加速度判定部2422によって、加速度センサ21から取得した加速度が第1の取り外し条件として設定された加速度の閾値を超えたと判定され、かつ、音声判定部2423によって、マイク22から取得した音声の波形と第2の取り外し条件として設定された音声の波形との合致度合いが閾値以上であると判定された場合、検知部2424は、ウェアラブル装置1が取り外されたことを検知する。
【0037】
通知部2425は、検知部2424によってウェアラブル装置1の取り付け又は取り外しが検知された場合、取り付け又は取り外しが検知された旨の通知を行う。通知部2425は、例えば、通信モジュール23を介して、当該通知をインターネット上のサーバに対して行ってもよい。
【0038】
[第1の実施形態の処理]
図7を用いて、検知装置として機能するマイコン24の処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置に備えられたマイコンの処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
取得部2421は、加速度センサ21から加速度に関するデータを取得し、マイク22から音声に関するデータを取得する(ステップS101)。次に、加速度判定部2422は、取得部2421によって取得された加速度データが取り付け条件又は取り外し条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。
【0040】
加速度判定部2422によって、加速度データが取り付け条件を満たすと判定された場合(ステップS102、取り付け条件を満たす)、音声判定部2423は、取得部2421によって取得された音声データが取り付け条件を満たすか否かを判定する(ステップS103)。音声判定部2423によって、音声データが取り付け条件を満たすと判定された場合(ステップS103、Yes)、検知部2424は、ウェアラブル装置1が取り付けられたことを検知する(ステップS104)。
【0041】
加速度判定部2422によって、加速度データが取り外し条件を満たすと判定された場合(ステップS102、取り外し条件を満たす)、音声判定部2423は、取得部2421によって取得された音声データが取り外し条件を満たすか否かを判定する(ステップS105)。音声判定部2423によって、音声データが取り外し条件を満たすと判定された場合(ステップS105、Yes)、検知部2424は、ウェアラブル装置1が取り外されたことを検知する(ステップS106)。
【0042】
加速度判定部2422によって、加速度データが取り付け条件及び取り外し条件のいずれも満たさないと判定された場合(ステップS102、No)、音声判定部2423によって、音声データが取り付け条件を満たさないと判定された場合(ステップS103、No)、及び、音声判定部2423によって、音声データが取り外し条件を満たさないと判定された場合(ステップS105、No)、マイコン24は処理を終了する。
【0043】
[第1の実施形態の効果]
取得部2421は、挿入部111と受け部101とを備えたウェアラブル装置1であって、挿入部111の受け部101への挿入、及び挿入部111の受け部101からの抜き取りにより、利用者への取り付け及び利用者からの取り外しが可能なウェアラブル装置1に備えられた加速度センサ21によって生成された加速度に関するデータ、及びウェアラブル装置1に備えられたマイク22によって生成された音声に関するデータを取得する。また、加速度判定部2422は、加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすか否か、及び、加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすか否か、を判定する。また、音声判定部2423は、音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすか否か、及び、音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすか否か、を判定する。また、検知部2424は、加速度判定部2422によって加速度に関するデータが第1の取り付け条件を満たすと判定され、かつ、音声判定部2423によって音声に関するデータが第2の取り付け条件を満たすと判定された場合、ウェアラブル装置1が取り付けられたことを検知し、加速度判定部2422によって加速度に関するデータが第1の取り外し条件を満たすと判定され、かつ、音声判定部2423によって音声に関するデータが第2の取り外し条件を満たすと判定された場合、ウェアラブル装置1が取り外されたことを検知する。このように、本実施形態の検知システムは、加速度だけでなく音に基づいてウェアラブル装置1の取り付け及び取り外しの検知を行う。このため、本実施形態によれば、例えば振動が発生している場合であっても精度良くウェアラブル装置1の取り付け及び取り外しを検知することができる。
【0044】
挿入部111は、ウェアラブル装置1が利用者に取り付けられる際に受け部101に係止される凸部を有してもよい。この場合、ウェアラブル装置1は、利用者から取り外される際には、凸部が受け部101に当接することにより弾性変形し、当該弾性変形が解除されると当該当接が解除される。これにより、ウェアラブル装置1が取り外される場合に、ウェアラブル装置1に特徴的な加速度及び音を発生させることができるため、ウェアラブル装置1の取り外しの検知精度をさらに向上させることができる。
【0045】
ウェアラブル装置1は、挿入部111が備えられたベルト11と、受け部101が備えられた本体10と、を有する。また、本体10は、ベルト11が利用者に装着された状態で、ベルト11への取り付け及びベルト11からの取り外しが可能である。これにより、利用者がベルト11を装着したまま本体10の取り付け及び取り外しを行った場合であっても検知を行うことができる。
【0046】
ベルトに導電性の部分を作っておき、取り付けられた状態では当該導電性の部分に電流が流れるようにして、取り付け状態を検出する方法が考えられるが、ベルトに電流を流す仕組みが必要となり、本実施形態と比べて製造コストが高くなる場合がある。
【0047】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0048】
例えば、マイコン24と同様の処理部を備えたスマートフォン等の情報端末が、ウェアラブル装置1で生成された加速度又は音声に関するデータを取得し、検知システム又は検知装置として機能するようにしてもよい。また、例えば、マイコン24と同様の処理部を備えたインターネット上のサーバが、通信モジュール23を介して、ウェアラブル装置1で生成された加速度又は音声に関するデータを取得し、検知システム又は検知装置として機能するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 ウェアラブル装置
2 プロセッサモジュール
3 筐体
10 本体
21 加速度センサ
22 マイク
23 通信モジュール
24 マイコン
25 温度センサ
101 受け部
111 挿入部
241 記憶部
242 制御部
2421 取得部
2422 加速度判定部
2423 音声判定部
2424 検知部
2425 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7