(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1結合線路部は、仮想の基準線に対して所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置された複数の第1傾斜部と、前記基準線に対して前記第1傾斜部と反対方向に前記所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置され、隣り合う前記第1傾斜部の端部同士を連結する複数の第2傾斜部と、を一体に有しており、
前記第2結合線路部は、前記誘電体基板の厚さ方向の一方から見て前記第1結合線路部と同じ形状に形成されている、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の90度ハイブリッド回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0012】
図1(a)は、本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路の斜視図、
図1(b)は誘電体基板を透視した斜視図である。また、
図2(a)は、90度ハイブリッド回路の表面側から見た平面図、
図2(b)は表面側から裏面を透視した図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、90度ハイブリッド回路1は、誘電体基板2と、第1ポートP1と第2ポートP2とを導通する第1導体3と、第3ポートP3と第4ポートP4とを導通する第2導体4と、を備えている。第1導体3及び第2導体4は、誘電体基板2に形成された導体パターンからなる。
【0014】
本実施の形態では、第1ポートP1が入力ポートとなり、第2ポートP2及び第3ポートP3が出力ポートとなる。つまり、第1ポートP1から入力された信号は第2ポートP2と第3ポートP3に分配され出力される。第2ポートP2から出力される信号の電力と、第3ポートP3から出力される信号の電力とは略等しくなる。また、第2ポートP2から出力される信号の位相と、第3ポートP3から出力される信号の位相の位相差は90度となる。第4ポートP4はアイソレーションポートとなり、第1ポートP1から信号を入力しても第4ポートP4からは信号が出力されない(あるいは出力される信号の電力が非常に小さい)。
【0015】
本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1では、第1導体3の一部と第2導体4の一部とが誘電体基板2の表裏面で対向した結合線路(カップリングライン)5が形成されている。以下、結合線路5を構成する第1導体3の一部を第1結合線路部51、結合線路5を構成する第2導体4の一部を第2結合線路部52と呼称する。結合線路5の詳細については後述する。
【0016】
まず、第1導体3と第2導体4の結合線路5以外の部分の具体的な形状等について説明する。以下の説明では、説明の簡略化のために、
図2(a)における上下方向を幅方向、左右方向を長さ方向、紙面方向を厚さ方向という。
【0017】
第1ポートP1と第4ポートP4は、誘電体基板2の幅方向における一端部に設けられている。また、第2ポートP2と第3ポートP3は、誘電体基板2の幅方向における他端部に設けられている。第1ポートP1と第3ポートP3とは幅方向に対向して設けられており、第2ポートP2と第4ポートP4とは幅方向に対向して設けられている。全てのポートP1〜P4は、誘電体基板2の同じ面(表面という)に設けられている。
【0018】
第1導体3は、その全体が誘電体基板2の表面に形成されている。第1導体3は、上述の第1結合線路部51と、第1ポートP1から幅方向に沿って延出された直線状の第1ポート接続部31と、第1ポート接続部31の先端部から長さ方向に延出され、その先端部が第1結合線路部51の一端部に接続される第1連結部32と、第2ポートP2から幅方向に沿って延出された直線状の第2ポート接続部34と、第2ポート接続部34の先端部から長さ方向に延出され、その先端部が第1結合線路部51の他端部に接続される第2連結部33と、を一体に有している。第1ポートP1は、第1ポート接続部31、第1連結部32、第1結合線路部51、第2連結部33、及び第2ポート接続部34を介して、第2ポートP2に接続されている。
【0019】
第1ポート接続部31と第2ポート接続部34の幅方向に沿った長さは等しく、第1連結部32と第2連結部33の長さ方向に沿った長さは等しい。第1結合線路部51は、インピーダンス調整のために、第1及び第2ポート接続部31,34よりも線路幅が広く形成されている。第1及び第2連結部32,33は、第1及び第2ポート接続部31,34の先端部から延出され第1及び第2ポート接続部31,34と線路幅が等しい定幅部81と、定幅部81の先端部と第1結合線路部51とを接続し定幅部81側から第1結合線路部51側にかけて徐々に線路幅が広くなるように形成されている拡幅部82と、を有している。詳細は後述するが、本実施の形態では、第2導体4にスルーホール93を形成しているので、拡幅部82のスルーホール93側の縁部は、スルーホール93からの距離が等しくなるよう湾曲した形状に形成されている。第1導体3は、全体として、平面視で180度回転対称の形状に形成されている。
【0020】
第2導体4は、誘電体基板2の表面と裏面とに分割して形成されている。第2導体4は、上述の第2結合線路部52と、第3ポートP3から幅方向に沿って延出された直線状の第3ポート接続部41と、第3ポート接続部41の先端部と第2結合線路部52の一端部とを連結する第3連結部42と、第4ポートP4から幅方向に沿って延出された直線状の第4ポート接続部44と、第4ポート接続部44の先端部と第2結合線路部52の他端部とを連結する第4連結部43と、を一体に有している。第3ポートP3は、第3ポート接続部41、第3連結部42、第2結合線路部52、第4連結部43、及び第4ポート接続部44を介して、第4ポートP4に接続されている。
【0021】
第3ポート接続部41と第4ポート接続部44の幅方向に沿った長さは等しく、第1導体3の第1ポート接続部31及び第2ポート接続部34の幅方向に沿った長さとも等しい。また、第3連結部42と第4連結部43の長さ方向に沿った長さは等しく、第1導体3の第1連結部32及び第2連結部33の長さ方向に沿った長さとも等しい。
【0022】
第2結合線路部52は、インピーダンス調整のために、第3及び第4ポート接続部41,44よりも線路幅が広く形成されている。また、第2結合線路部52は、誘電体基板2の裏面に形成されている。第3及び第4連結部42,43は、誘電体基板2の表裏面に分割して形成されている。
【0023】
第3及び第4連結部42,43は、誘電体基板2の表面に形成され、第3及び第4ポート接続部41,44の先端部から長さ方向に延出された線路幅が一定の定幅部91と、誘電体基板2の裏面に形成され、スルーホール93を介して定幅部91の先端部と接続されており、かつ、スルーホール93側から第2結合線路部52側にかけて徐々に線路幅が広くなるように形成されている拡幅部92と、を有している。第2導体3は、全体として、平面視で180度回転対称の形状に形成されている。
【0024】
このように、本実施の形態では、第2導体4は、第2結合線路部52を含むその一部(第2結合線路部52と拡幅部92)が誘電体基板2の裏面に形成され、誘電体基板2の表面に形成され第3及び第4ポートP3,P4から延びる他部(第3及び第4ポート接続部41,44及び定幅部91)とスルーホール93を介して電気的に接続されている。
【0025】
誘電体基板2の裏面には、ほぼ全面にグランドパターン7が形成されている。誘電体基板2の裏面の中央部(幅方向及び長さ方向の中央部)に、グランドパターン7を除去した矩形状の領域を形成し、この領域に、結合線路5を配置している。第1〜第4ポート接続部31,34,41,44及び定幅部81,91の一部の裏面には、グランドパターン7が形成されている。つまり、第1〜第4ポート接続部31,34,41,44及び定幅部81,91の一部は、その裏面にグランドパターン7が形成されたマイクロストリップ線路からなる。
【0026】
(結合線路5の説明)
次に、結合線路5について説明する。結合線路5は、第1導体3の一部である第1結合線路部51と、第2導体4の一部である第2結合線路部52とを、誘電体基板2の表裏面に対向して形成し、互いに電磁結合させた線路である。
【0027】
本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1では、第1結合線路部51は、当該第1結合線路部51を両側から挟み込むように第1グランドパターン61が形成されたコプレーナ線路からなる。同様に、第2結合線路部52は、当該第2結合線路部52を両側から挟み込むように第2グランドパターン62が形成されたコプレーナ線路からなる。結合線路5は、伝送する信号の中心波長の1/4の長さに形成される。
【0028】
コプレーナ線路では、第1及び第2結合線路部51,52とグランドパターン61,62間に強い電磁界が生じるため、誘電体基板2を構成する誘電体の影響を受けにくく、誘電損が小さい。そのため、誘電正接が比較的大きい安価な誘電体基板2を用いることが可能になる。つまり、第1及び第2結合線路部51,52をコプレーナ線路とすることで、低損失かつ低コストの90度ハイブリッド回路1を実現できる。
【0029】
第2グランドパターン62は、誘電体基板2の裏面に形成されており、グランドパターン7からグランドパターン7を除去した中央部の領域に突出するように形成されている。第1グランドパターン61は、誘電体基板2の厚さ方向の一方から見て第2グランドパターン62と略同じ形状(誘電体基板2の厚さ方向の中心に対して対称な形状)に形成されている。第1グランドパターン61と第2グランドパターン62とは、複数のスルーホール63を介して互いに電気的に接続されている。
【0030】
第1グランドパターン61は、その縁部が第1結合線路部51の縁部に沿うように形成されており、第1グランドパターン61と第1結合線路部51間の隙間は略一定の幅(ここでは1mm程度)とされる。同様に、第2グランドパターン62は、その縁部が第2結合線路部52の縁部に沿うように形成されており、第2グランドパターン62と第2結合線路部52間の隙間は略一定の幅(ここでは1mm程度)とされる。
【0031】
ところで、第1ポートP1から第2ポートP2への信号伝送は、コプレーナ線路である第1結合線路部51を介して行われる。コプレーナ線路では、誘電体基板2を構成する誘電体の影響を受けにくく空気の誘電率が優勢となるため、信号の伝搬スピードが比較的早い。
【0032】
これに対して、第1ポートP1から第3ポートP3への信号伝送は、結合線路5を介して行われる。結合線路5では、誘電体基板2を挟んで電磁結合されていることから、電磁界分布は誘電体基板2を構成する誘電体内で強くなる。そのため、誘電体基板2を構成する誘電体の影響を受けやすく、信号の伝搬スピードが比較的遅くなる。
【0033】
そのため、例えば第1及び第2結合線路部51,52を単に直線状に形成した場合には、信号の伝搬スピードの差異の影響により、第2ポートP2から出力される信号の位相と第3ポートP3から出力される信号の位相との位相差が90度からずれてしまい、電気特性が悪化してしまうおそれがある。
【0034】
そこで、本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1では、第1結合線路部51を、その両端の直線距離よりも線路長が長くなるように複数回屈曲して形成した。第2結合線路部51は、誘電体基板2の厚さ方向の一方から見て第1結合線路部51と同じ形状(誘電体基板2の厚さ方向の中心に対して対称な形状)に形成される。
【0035】
本実施の形態では、第1結合線路部51は、長さ方向に沿った仮想の基準線Cに対して所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置された複数の第1傾斜部51aと、基準線Cに対して第1傾斜部51aと反対方向に所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置され、隣り合う第1傾斜部51aの端部同士を連結する複数の第2傾斜部51bと、を一体に有しており、全体としてジグザグ形状(三角波形状)に形成されている。
【0036】
図2(a)における上側の縁部でかつ下方に凸となっている頂部aと、
図2(a)における下側の縁部でかつ情報に凸となっている頂部bとは、共に幅方向において同じ位置(第1結合線路部51の幅方向における中心位置、図示の基準線Cと重なる位置)に位置している。つまり、基準線Cよりも幅方向の一方の第1結合線路部51は、幅方向の外方に頂角が臨み底辺が長さ方向に沿って形成された2等辺三角形状の導体を長さ方向に隙間なく整列配置した形状となり、幅方向の他方の第1結合線路部51は、頂角が反対を向いた同じ形状の2等辺三角形状の導体を長さ方向に半周期ずらして隙間なく整列配置した形状となっている。
【0037】
第2結合線路部52は、誘電体基板2の厚さ方向の一方から見て第1結合線路部51と同じ形状に形成されている。つまり、第2結合線路部52は、仮想の基準線Cに対して所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置された複数の第3傾斜部52aと、基準線Cに対して第3傾斜部52aと反対方向に所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置され、隣り合う第3傾斜部52aの端部同士を連結する複数の第4傾斜部52bと、を一体に有しており、全体としてジグザグ形状(三角波形状)に形成されている。第3傾斜部52aは、第1傾斜部51aと誘電体基板2を挟んで対向しており、第4傾斜部52bは、第2傾斜部51bと誘電体基板2を挟んで対向している。
【0038】
図3(a)に破線Aで示すように、第1ポートP1,第2ポートP2間で信号を伝送するコプレーナ線路では、電磁界が第1結合線路部51と第1グランドパターン61間に集中するため、その電気長が第1結合線路部51の縁部の長さと略一致する。
【0039】
これに対して、
図3(b)に破線Bで示すように、第1ポートP1,第3ポートP3間で信号を伝送する結合線路5では、電磁界が第1結合線路部51と第2結合線路部52間に集中するため、その電気長は、導体中心位置を滑らかに辿る経路の長さと略等しくなり、第1結合線路部51の縁部の長さよりも短くなる。
【0040】
よって、第1及び第2結合線路部51,52をジグザグ形状とすることで、伝搬スピードが比較的速いコプレーナ線路の電気長を長くし、伝搬スピードが比較的遅い結合線路の電気長を短くすることができ、第1ポートP1から第2及び第3ポートP2,P3に至る信号の伝搬時間を一致させることが可能になる。その結果、第2及び第3ポートP2,P3の出力位相差を精度よく90度に保つことが可能になる。
【0041】
なお、第1及び第2結合線路部51,52はジグザグ形状(三角波形状)に限定されず、例えば、正弦波形状としてもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、第1傾斜部51aと第2傾斜部51b(あるいは第3傾斜部52aと第4傾斜部52b)を連結する角部が尖った形状となっているが、
図4に示すように、角部53が面取りされた形状となっていてもよい。これにより、パターニングにより第1導体3及び第2導体4を形成しやすくなり、製造コストも削減できる。
【0043】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1では、第1ポートP1と第2ポートP2とを導通する第1導体3の一部と、第3ポートと第4ポートとを導通する第2導体4の一部とが誘電体基板2の表裏面で対向した結合線路5が形成されており、結合線路5を構成する第1導体3の一部である第1結合線路部51と、結合線路5を構成する第2導体4の一部である第2結合線路部52とが、コプレーナ線路からなる。
【0044】
結合線路5を用いた90度ハイブリッド回路1とすることで、4つの1/4波長線路を組み合わせた従来のブランチラインタイプの90度ハイブリッド回路と比較して、小型化することが可能になる。
【0045】
また、結合線路5をコプレーナ線路とすることで、誘電体基板2を構成する誘電体の誘電正接の影響が小さくなり、マイクロストリップ構造の1/4波長線路を用いた従来の90度ハイブリッド回路と比較して、誘電損が抑制される。また、誘電体基板2を構成する誘電体の影響を受けにくいことから、誘電正接が大きい安価な誘電体基板2を用いることが可能になり、コスト削減に寄与する。
【0046】
本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1を試作したところ、帯域1.6GHz〜2.2GHzで良好な特性が得られ、比帯域30%以上の広帯域な90度ハイブリッド回路1が得られた。つまり、本実施の形態によれば、小型で広帯域かつ低損失の90度ハイブリッド回路1を実現できる。
【0047】
また、90度ハイブリッド回路1は、誘電体基板2に導体パターンをパターニングすることで形成可能であり、製造が容易である。また、結合線路5がコプレーナ線路となっているため、例えば、単に導体同士を対向させたような場合と比較して、結合線路の特性インピーダンスを調整し易く設計が容易である。
【0048】
本実施の形態に係る90度ハイブリッド回路1は、例えば、アンテナ装置における周波数合成器や、2分配器として用いることができる。
【0049】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0050】
[1]誘電体基板(2)と、前記誘電体基板(2)に形成された導体パターンからなり、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とを導通する第1導体(3)と、前記誘電体基板(2)に形成された導体パターンからなり、第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを導通する第2導体(4)と、を備え、前記第1導体(3)の一部と前記第2導体(4)の一部とが前記誘電体基板(2)の表裏面で対向した結合線路(5)が形成されており、前記結合線路(5)を構成する前記第1導体(4)の一部である第1結合線路部(51)は、当該第1結合線路部(51)を両側から挟み込むように第1グランドパターン(61)が形成されたコプレーナ線路からなり、前記結合線路(5)を構成する前記第2導体(4)の一部である第2結合線路部(52)は、当該第2結合線路部(52)を両側から挟み込むように第2グランドパターン(62)が形成されたコプレーナ線路からなる、90度ハイブリッド回路(1)。
【0051】
[2]前記第1結合線路部(51)は、その両端の直線距離よりも線路長が長くなるように複数回屈曲して形成されており、前記第2結合線路部(52)は、前記誘電体基板(2)の厚さ方向の一方から見て前記第1結合線路部(51)と同じ形状に形成されている、[1]に記載の90度ハイブリッド回路(1)。
【0052】
[3]前記第1〜第4ポート(P1〜P4)が前記誘電体基板(2)の表面に設けられており、前記第1導体(3)は、前記誘電体基板(2)の表面に形成されており、前記第2導体(4)は、前記第2結合線路部を含むその一部が前記誘電体基板(5)の裏面に形成され、前記誘電体基板(2)の表面に形成され前記第3及び第4ポート(P3,P4)から延びる他部とスルーホール(63)を介して電気的に接続されている、[1]または[2]に記載の90度ハイブリッド回路(1)。
【0053】
[4]前記第1グランドパターン(61)と前記第2グランドパターン(62)とが、スルーホール(63)を介して互いに電気的に接続されている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の90度ハイブリッド回路(1)。
【0054】
[5]前記第1結合線路部(51)は、仮想の基準線(C)に対して所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置された複数の第1傾斜部(51a)と、前記基準線(C)に対して前記第1傾斜部(51a)と反対方向に前記所定角度傾斜した直線状に形成されると共に、互いに平行に整列配置され、隣り合う前記第1傾斜部(51a)の端部同士を連結する複数の第2傾斜部(51b)と、を一体に有しており、前記第2結合線路部(52)は、前記誘電体基板(2)の厚さ方向の一方から見て前記第1結合線路部(51)と同じ形状に形成されている、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の90度ハイブリッド回路(1)。
【0055】
[6]前記第1傾斜部(51a)と前記第2傾斜部(51b)とを連結する角部が、面取りされた形状となっている、[5]に記載の90度ハイブリッド回路(1)。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0057】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。