(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793904
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】マグネトロン、マグネトロンスパッタリングチャンバー及びマグネトロンスパッタリング装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/35 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
C23C14/35 B
C23C14/35 D
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-523034(P2019-523034)
(86)(22)【出願日】2017年10月26日
(65)【公表番号】特表2019-535899(P2019-535899A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CN2017107831
(87)【国際公開番号】WO2018077216
(87)【国際公開日】20180503
【審査請求日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】201610930978.7
(32)【優先日】2016年10月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊玉杰
(72)【発明者】
【氏名】張同文
【審査官】
有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0144703(US,A1)
【文献】
特開平04−228567(JP,A)
【文献】
特開平06−136531(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0246314(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/023952(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第104746025(CN,A)
【文献】
特開2005−002382(JP,A)
【文献】
特表2008−500457(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0146084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心を有するマグネトロンであって、
極性が反対の第1外磁極と第1内磁極を含み、
前記第1外磁極は、円弧形の第1サブ磁極と、2つの円弧形の第2サブ磁極と、2つの円弧形の第3サブ磁極とを含み、
2つの前記第3サブ磁極の一端は、前記第1サブ磁極の両端とそれぞれ接続されており、2つの前記第3サブ磁極の他端は、2つの前記第2サブ磁極の一端とそれぞれ接続されており、
前記第1サブ磁極及び2つの前記第2サブ磁極の円心は、いずれも前記回転中心と重なり、
前記第1内磁極は、前記第1外磁極の内側に位置し、前記第1内磁極は円弧形状であり、
前記第1内磁極と前記第1外磁極との間に第1磁場軌道が形成され、
前記回転中心から一半径方向に沿って発射された直線は、前記第1磁場軌道を少なくとも連続2回通過し、前記直線が連続2回通過する前記第1磁場軌道の磁場方向は反対である、
ことを特徴とする、マグネトロン。
【請求項2】
前記マグネトロンは、極性が反対の第2外磁極と第2内磁極とをさらに含み、
前記第2外磁極と前記第2内磁極との間には第2磁場軌道が形成され、前記回転中心は前記第2磁場軌道の中に位置し、
前記第1磁場軌道は前記第2磁場軌道を取り囲んで設置される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマグネトロン。
【請求項3】
2つの前記第2サブ磁極は同一円周上に位置し、2つの前記第2サブ磁極の他端同士は接続されておらず、
前記第1内磁極の円心は、前記回転中心と重なっている、
ことを特徴とする、請求項2に記載のマグネトロン。
【請求項4】
前記第2外磁極は円弧形状であり、前記第2外磁極の両端は、2つの前記第2サブ磁極の他端とそれぞれ接続されており、この接続箇所は前記回転中心の一方側に位置し、前記第2外磁極の中間寄りの部分は前記回転中心の他方側に位置し、
前記第2内磁極は、前記第1内磁極と前記第2外磁極との間に設けられている、
ことを特徴とする、請求項3に記載のマグネトロン。
【請求項5】
前記第2内磁極と前記第1内磁極とは、接続されている、
ことを特徴とする、請求項4に記載のマグネトロン。
【請求項6】
前記第2外磁極と前記第1外磁極とは接続されておらず、前記第2内磁極と前記第1内磁極とは接続されていない、
ことを特徴とする、請求項3に記載のマグネトロン。
【請求項7】
前記第2内磁極の形状は、V字形、U字形またはY字形を含み、V字形またはU字形の開口は、前記回転中心に対して外側を向いている、
ことを特徴とする、請求項4に記載のマグネトロン。
【請求項8】
前記第1サブ磁極の円心角を角αとし、2つの前記第2サブ磁極の他端それぞれと前記回転中心との2本の接続線の間の夾角を角βとしたとき、前記角α対前記角βの比の値は3.5よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項3に記載のマグネトロン。
【請求項9】
前記第1内磁極の円心と前記回転中心は重なっている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマグネトロン。
【請求項10】
前記直線が前記第1磁場軌道を通過する回数は偶数である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマグネトロン。
【請求項11】
前記第1磁場軌道の前記直線方向における幅は等しい、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマグネトロン。
【請求項12】
前記第1磁場軌道の幅は、10〜60mmの範囲の値を取る、
ことを特徴とする、請求項11に記載のマグネトロン。
【請求項13】
前記第1磁場軌道の幅は、15mm〜35mmの範囲の値を取る、
ことを特徴とする、請求項12に記載のマグネトロン。
【請求項14】
前記第2磁場軌道の幅は、10〜60mmの範囲の値を取る、
ことを特徴とする、請求項2に記載のマグネトロン。
【請求項15】
磁性薄膜の堆積に用いられるマグネトロンスパッタリングチャンバーであって、
請求項1〜14のいずれか一項に記載のマグネトロンを含み、
前記マグネトロンは前記回転中心を中心に回転して、ターゲットの表面を走査するために用いられ、
前記マグネトロンスパッタリングチャンバーには、水平磁場を形成するためのバイアス磁場装置がさらに設置されている、
ことを特徴とする、マグネトロンスパッタリングチャンバー。
【請求項16】
マグネトロンスパッタリングチャンバーを含むマグネトロンスパッタリング装置であって、
前記マグネトロンスパッタリングチャンバーとして請求項15に記載のマグネトロンスパッタリングチャンバーを用いる、
ことを特徴とする、マグネトロンスパッタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロニクス分野に関し、具体的には、マグネトロン、マグネトロンスパッタリングチャンバー及びマグネトロンスパッタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、集積回路製造プロセルではプロセッサのサイズを顕著に小さくすることが可能となったが、依然として集積化インダクタやノイズ抑制器等の重要デバイスにおいて、高周波化、マイクロ化、集積化等の面で多くの困難に直面している。これらの課題を解決するため、高磁化強度、高透磁率、高共振周波数、高抵抗率を備えた軟磁性薄膜材料がますます注目を集めている。
【0003】
軟磁性薄膜材料は、主として高透磁率と高磁化強度、および低保磁力、低損失等の性能に注目が集まっているが、軟磁性薄膜材料が発展した主要な原因の一つは、そのカットオフ周波数にある。軟磁性薄膜の面内1軸異方性磁場を調整することで、軟磁性薄膜材料のカットオフ周波数を調節できる。軟磁性薄膜の面内1軸異方性磁場を調整する一般的方法として磁場誘起堆積があるが、これにはプロセスが簡単で、製造ステップを増やす必要がなく、チップへのダメージが小さい等のメリットがあり、工業生産において最初に選ばれる方法である。
【0004】
一方、スパッタリング効率とターゲット利用率を高めるには、ターゲットの背後にマグネトロンを設ける必要があり、マグネトロンにより発生する磁場により電子の運動軌跡を長くして、電子とプロセスガスとが衝突する確率を高め、これによってプラズマの密度を高くして、スパッタリング効率とターゲット利用率を向上させることができる。
【0005】
マグネトロンスパッタリングチャンバーにおいては、通常
図1a、
図1bに示すマグネトロンを用いて磁性薄膜を堆積させる。具体的には、
図1aに示す対称キドニー形マグネトロンは、回転中心31に沿って回転してターゲット3の表面を走査する。該対称キドニー型マグネトロンは、外磁極221と内磁極222とを含み、両者をターゲット3上へ正投影した形状はいずれもクローズした環状で、かつ極性が反対になっており、外磁極221と内磁極222の間に磁場軌道223が形成される。
【0006】
図1bは、
図1aのマグネトロンに類似した、非対称キドニー型マグネトロンを示し、該マグネトロンの外磁極221と内磁極222の形状は非対称形で、外磁極221は、外ヨーク2211と、外ヨーク2211に設置された複数の外マグネット2212を含み、内磁極222は、内ヨーク2221と、内ヨーク2221に設置された複数の内マグネット2222を含む。
【0007】
上記2種類のマグネトロンを使用して、マグネトロンスパッタリング装置で軟磁性薄膜を作成すると、スパッタリングにより形成される薄膜の均一性が低く、通常は、>20%である(計算方法は、薄膜厚さの標準分散/薄膜厚さの平均値)。プロセス上では磁性薄膜の均一性は≦5%が要求される。したがって、
図1a及び
図1bに示す2種類のマグネトロンでは、磁性薄膜の均一性に対する要求を満たすことができない。
【0008】
本発明は、従来技術における技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とし、スパッタリングにより形成された薄膜の均一性が低いという従来技術における技術的課題を解決できるマグネトロン、マグネトロンスパッタリングチャンバー及びマグネトロンスパッタリング装置を提供する。
【0009】
本発明の提供するマグネトロンは、回転中心を有するマグネトロンであって、極性が反対の第1外磁極と第1内磁極とを含み、前記第1外磁極は、
円弧形の第1サブ磁極と、2つの円弧形の第2サブ磁極と、2つの円弧形の第3サブ磁極とを含み、2つの前記第3サブ磁極の一端は、前記第1サブ磁極の両端とそれぞれ接続されており、2つの前記第3サブ磁極の他端は、2つの前記第2サブ磁極の一端とそれぞれ接続されており、前記第1サブ磁極及び2つの前記第2サブ磁極の円心は、いずれも前記回転中心と重なり、前記第1内磁極は、前記第1外磁極の内側に位置し、
前記第1内磁極は円弧形状であり、前記第1内磁極と前記第1外磁極の間に第1磁場軌道が形成され、前記回転中心から一半径方向に沿って発射された直線は、前記第1磁場軌道を少なくとも連続2回通過し、前記直線が連続2回通過する前記第1磁場軌道の磁場方向は反対である。
【0010】
前記マグネトロンは、極性が反対の第2外磁極と第2内磁極とをさらに含み、前記第2外磁極と前記第2内磁極の間には第2磁場軌道が形成され、前記回転中心は前記第2磁場軌道の中に位置し、前記第1磁場軌道は前記第2磁場軌道を取り囲んで設置されることが好ましい。
【0011】
2つの前記第2サブ磁極は同一円周上に位置し、2つの前記第2サブ磁極の他端同士は接続されておらず
、前記第1内磁極の円心は
、前記回転中心と重なっていることが好ましい。
【0012】
前記第2外磁極は円弧形状であり、前記第2外磁極の両端は2つの前記第2サブ磁極の他端とそれぞれ接続されており、この接続箇所は前記回転中心の一方側に位置し、前記第2外磁極の中間寄りの部分は前記回転中心の他方側に位置し、前記第2内磁極は、前記第1内磁極と前記第2外磁極との間に設けられていることが好ましい。
【0013】
前記第2内磁極と前記第1内磁極とは、接続されていることが好ましい。
【0014】
前記第2外磁極と前記第1外磁極とは接続されておらず、前記第2内磁極と前記第1内磁極は接続されていないことが好ましい。
【0015】
前記第2内磁極の形状は、V字形、U字形またはY字形を含み、V字形またはU字形の開口は、前記回転中心に対して外側を向いていることが好ましい。
【0016】
前記第1サブ磁極の円心角を角αとし、2つの前記第2サブ磁極の他端それぞれと前記回転中心との2本の接続線の間の夾角を角βとしたとき、前記角α対前記角βの比の値は3.5よりも大きいことが好ましい。
【0017】
前記第1内磁極の円心と前記回転中心は重なっていることが好ましい。
【0018】
前記直線が前記第1磁場軌道を通過する回数は偶数であることが好ましい。
【0019】
前記第1磁場軌道の前記直線方向における幅は等しいことが好ましい。
【0020】
前記第1磁場軌道の幅は、10〜60mmの範囲の値を取ることが好ましい。
【0021】
前記第1磁場軌道の幅は、15mm〜35mmの範囲の値を取ることが好ましい。
【0022】
前記第2磁場軌道の幅は、10〜60mmの範囲の値を取ることが好ましい。
【0023】
別の技術案として提供する本発明のマグネトロンスパッタリングチャンバーは、磁性薄膜の堆積に用いられ、本発明の上述のマグネトロンを含み、前記マグネトロンは前記回転中心を中心に回転して、ターゲットの表面を走査するために用いられ、前記マグネトロンスパッタリングチャンバーにはさらに、水平磁場を形成するためのバイアス磁場装置が設置されている。
【0024】
他の技術案として提供する本発明のマグネトロンスパッタリング装置は、マグネトロンスパッタリングチャンバーを含み、前記マグネトロンスパッタリングチャンバーとして本発明の上述のマグネトロンスパッタリングチャンバーを用いる。
【0025】
本発明は、以下の有益な効果を奏する。
【0026】
本発明の提供するマグネトロンは、第1内磁極と第1外磁極との間に第1磁場軌道を形成し、回転中心から一半径方向に沿って発射された直線が第1磁場軌道を少なくとも連続2回通過し、かつ直線が連続2回通過する第1磁場軌道の磁場方向が反対である。これにより、従来技術と比べて薄膜の均一性を向上させることができる。
【0027】
特に、バイアス磁場を用いたマグネトロンスパッタリング装置で軟磁性薄膜を作成する場合に、本発明の提供する上記マグネトロンを採用することで、直線が連続2回通過する第1磁場軌道の磁区の方向が異なるようにすることができ、これにより、ターゲットからスパッタされた、直線が2回連続で通過する第1磁場軌道にそれぞれ対応する磁性材料は、バイアス磁場の反発力と吸引力をそれぞれ受けて、バイアス磁場の吸引力を受けた磁性材料は加工用ワークの周縁部方向に移動し、バイアス磁場の反発力を受けた磁性材料は、加工用ワークの中心方向に移動する。これにより、加工用ワークの周縁領域と中心領域とに堆積する磁性材料の数量の差異を補償して、薄膜の均一性を向上させることができる。
【0028】
本発明の提供するマグネトロンスパッタリングチャンバーは、本発明の提供する上記マグネトロンを採用することで、薄膜の均一性を向上させることができる。
【0029】
本発明の提供するマグネトロンスパッタリング装置は、本発明の提供する上記マグネトロンスパッタリングチャンバーを用いることで、薄膜の均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1a】
図1aは、従来のマグネトロンの第1の構造模式図である。
【
図1b】
図1bは、従来のマグネトロンの第2の構造模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係るマグネトロンの動作原理の模式図である。
【
図4a】
図4aは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第1の構造模式図である。
【
図4b】
図4bは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第2の構造模式図である。
【
図5a】
図5aは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第3の構造模式図である。
【
図5b】
図5bは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第4の構造模式図である。
【
図5c】
図5cは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第5の構造模式図である。
【
図5d】
図5dは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第6の構造模式図である。
【
図5e】
図5eは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第7の構造模式図である。
【
図5f】
図5fは、本発明の実施例に係るマグネトロンの第8の構造模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係るマグネトロンスパッタリングチャンバーの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
当業者がよりよく本発明の技術案を理解できるよう、以下、図面を組み合わせて本発明の提供するマグネトロン、マグネトロンスパッタリングチャンバー及びマグネトロンスパッタリング装置を詳細に説明する。
【0032】
図3に示すように、本発明の実施例の提供する別のタイプのマグネトロンは、回転中心Oを有し、また、極性が反対の第1外磁極101と第1内磁極102とを含む。ここで、第1外磁極101は回転中心Oを取り囲む環状構造である。第1内磁極102は第1外磁極101の内側に位置し、第1内磁極102と第1外磁極101との間に第1磁場軌道が形成されている。回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線Lは、該第1磁場軌道を連続2回通過し、該直線Lが連続2回通過する第1磁場軌道の磁場方向は反対である。
【0033】
つまり、第1外磁極101と第1内磁極102との間は間隔があいており、回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線Lは、この間隔を2回通過する。一回目に通過する間隔がH1、二回目に通過する間隔がH2であり、間隔H1の磁場方向と間隔H2の磁場方向とは反対になっている。
【0034】
従来技術における
図1a及び
図1bのような2種類のマグネトロンを使用した場合、次のような問題がある。すなわち、バイアス磁場のマグネトロンスパッタリング装置で軟磁性薄膜を作成したとき、スパッタリングにより形成される薄膜の均一性が低く、通常は、>20%になる(計算方法は、薄膜厚さの標準分散/薄膜厚さの平均値)。プロセス上では磁性薄膜の均一性は≦5%が要求される。したがって、
図1a及び
図1bに示す2種類のマグネトロンでは、磁性薄膜の均一性に対する要求を満たすことができない。
【0035】
以下、上記2種類のマグネトロンを使用したとき薄膜の均一性が低くなる原因について詳細に説明する。具体的には、
図2に示すように、バイアス磁場は加工用ワークSの両側に設置された第1柱状マグネット75と第2柱状マグネット76によって生じる。ここで、第1柱状マグネット75はN極を加工用ワークSに向け、第2柱状マグネット76はS極を加工用ワークSに向けている。これをベースとし、外磁極221と内磁極222の間の磁場軌道223の、加工用ワークSの左側領域(第1柱状マグネット75に近い領域)に対応する部分の磁区方向と、第1柱状マグネット75の磁極方向は反対であり、磁場軌道223の、加工用ワークSの右側領域(第2柱状マグネット76に近い領域)に対応する部分の磁区方向と、第2柱状マグネット76の磁極方向は同一である。このため、ターゲットからスパッタされた加工用ワークSの左側領域に対応する磁性材料は、第1柱状マグネット75の吸引作用を受けて左にずれ、同時に、加工用ワークSの右側領域に対応する磁性材料は、第2柱状マグネット76の反発作用を受けて、同様に左にずれる。したがって、堆積形成される磁性薄膜は右から左に徐々に厚くなり、薄膜の均一性が低くなってしまい、磁性薄膜の均一性に対する要求を満たすことができない。
【0036】
上記の技術的課題を解決するため、本発明実施例のマグネトロンを使用して、バイアス磁場を用いたマグネトロンスパッタリング装置で軟磁性薄膜を作成する場合、ターゲットからスパッタされた上記間隔H1と間隔H2にそれぞれ対応する磁性材料の磁性方向が異なり、具体的には、上記間隔H1に対応する磁性材料の磁性方向が1´、上記間隔H2に対応する磁性材料の磁性方向が2´になる。この場合、磁性方向が1´である左側の磁性材料は、第1柱状マグネット75の吸引力を受けて加工用ワークSの周縁部へずれ、同時に磁性方向が2´である左側の磁性材料は、第1柱状マグネット75の反発力を受けて加工用ワークSの中心へずれる。同様に、磁性方向が1´である右側の磁性材料は、第2柱状マグネット76の反発力を受けて加工用ワークSの中心へずれ、磁性方向が2´である右側の磁性材料は、第2柱状マグネット76の吸引力を受けて加工用ワークSの周縁部へずれる。これにより、本発明実施例のマグネトロンはバイアス磁場と連携して、加工用ワークSの周縁部領域と中心領域に堆積する磁性材料の数量の差異を補償して、薄膜の均一性を向上させることができる。本発明実施例のマグネトロンを利用して得られる磁性薄膜の均一性は≦5%であり、工業上の磁性薄膜の均一性に対する要求を満たすことができる。
【0037】
また、本発明実施例のマグネトロンを非磁性薄膜のスパッタリング堆積に用いた場合にも、均一性の高い薄膜を得ることができる。
【0038】
なお、本発明実施例のマグネトロンは、以下の条件を満たした場合、加工用ワークの表面全体の均一なスパッタリングを実現でき、特に、小型サイズの加工用ワーク上の磁性薄膜のスパッタリング均一性をより高めることができる。満たすべき条件とは、第1外磁極101と第1内磁極102は、回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線Lの存在する方向に沿って交互に設置され、かつ(
図3における間隔H1と間隔H2のように)一定距離の間隔を空けていること、第1外磁極101と第1内磁極102との間に第1磁場軌道103が形成されていること、回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線Lが第1磁場軌道103を連続2回通過し、該直線Lが連続2回通過する第1磁場軌道の磁場方向が反対であること、である。
【0039】
本発明実施例のマグネトロンが、ターゲットの周縁部でのみ上記条件を満たせば、少なくとも加工用ワークの周縁部にスパッタされた磁性薄膜の均一性を向上させることができるため、大型サイズの加工用ワークの磁性薄膜の均一なスパッタリングに適用することができる。
【0040】
上記直線Lが第1磁場軌道103を通過する回数は、偶数であることが好ましい。このようにすることで、磁場方向が反対の少なくとも2つの第1磁場軌道103が存在して、吸引作用を受ける磁性材料と、反発作用を受ける磁性材料がペアになって出現することが保証され、薄膜の均一性をより向上させることができる。該偶数は、2でもよいし、2より大きくてもよい。
【0041】
次に、本発明実施例のマグネトロンのいくつかの構造について詳細に説明する。具体的には、第1タイプのマグネトロンの構造は、
図4aに示すとおり、第1外磁極101が、円弧形状の第1サブ磁極101aと2つの円弧形状の第2サブ磁極101bとを含み、2つの第2サブ磁極101bの一端は、第1サブ磁極101aの両端とそれぞれ接続されており、2つの第2サブ磁極101bの他端は、第1サブ磁極101aの中心に近づくように延伸し、2つの第2サブ磁極101bは同一円周上に位置し、2つの第2サブ磁極101bの他端同士は接続されていない。上記第2サブ磁極101bと第1サブ磁極101aの接続箇所は、なめらかな曲線で移行している。また、第1内磁極102は、第1外磁極101の内側に位置し、円弧形状である。第1サブ磁極101a、2つの第2サブ磁極101b及び第1内磁極102の円心は、いずれも回転中心と重なっている。もちろん、実際の応用においては、第1サブ磁極101a、2つの第2サブ磁極101b及び第1内磁極102の円心は、回転中心Oでなくてもよく、回転中心Oを第1内磁極102の内側に配置しさえすれば、磁性薄膜の均一性が実現できる。
【0042】
上記第1外磁極101は、第1サブ磁極101aと2つの第2サブ磁極101bにより構成される非クローズ式磁極である。このようなマグネトロンは、スパッタ電源がRF電源の場合に適用できる。
【0043】
第2タイプのマグネトロンの構造は、
図4bに示すように、第1外磁極101が円弧形状の第3サブ磁極101cと円弧形状の第4サブ磁極101dとを含み、第4サブ磁極101dは第3サブ磁極101cの内側に位置し、両者の円心はいずれも回転中心Oと重なり、第4サブ磁極101dの両端は、第3サブ磁極101cの両端とそれぞれ接続されている。第1内磁極102は円弧形状であり、該第1内磁極102の円心と回転中心Oとは重なっている。もちろん、実際の応用においては、第3サブ磁極101cと第4サブ磁極101dの円心は、回転中心Oでなくてもよく、回転中心Oを第1内磁極102の内側に配置しさえすれば、磁性薄膜の均一性が実現できる。
【0044】
上記のように、第1外磁極101は第3サブ磁極101cと第4サブ磁極101dにより構成されるクローズ式磁極であり、このようなマグネトロンはスパッタ電源が直流電源の場合に適用可能である。
【0045】
なお、本発明は
図4a、
図4bに示す第1外磁極101と第1内磁極102の形状に限定されず、実際の応用においては、第1外磁極101と第1内磁極102はその他の任意の形状を採用してもよく、回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線Lが、第1磁場軌道103を連続2回通過し、該直線Lが連続2回通過する第1磁場軌道103の磁場方向が反対でありさえすれば、本発明の目的を実現できる。
【0046】
ターゲットに対するフルターゲット走査を実現するために、マグネトロンはさらに極性が反対の第2外磁極と第2内磁極とを含み、
図5aに示す軌道B−A−Fのように、両者の間に第2磁場軌道203を形成することができる。また、回転中心Oは第2磁場軌道203内に位置する。第1磁場軌道103は第2磁場軌道203を取り囲んで設置され、ターゲットの周縁部分を走査するのに用いられる。第2磁場軌道203はターゲットの中心部分を走査するのに用いられる。このようにすることで、マグネトロンが回転中心Oを中心に回転するとき、走査範囲を回転中心Oおよびその周辺部分まで広げることができるため、走査のブラインドゾーンが生じることを回避でき、ターゲットに対するフルターゲット走査を実現し、磁性薄膜の均一性をより向上させるだけでなく、ターゲットの利用率を高めることができる。
【0047】
次に、第2外磁極と第2内磁極とを有するマグネトロンの構造について詳細に説明する。
図5a〜
図5dに示すマグネトロンは、いずれも
図4aに示すマグネトロンをベースに改良したものである。具体的には、第1タイプのマグネトロンの構造は、
図5aに示すように、第1外磁極101が円弧形状の第1サブ磁極101aと、2つの円弧形状の第2サブ磁極101bとを含み、ここで2つの第2サブ磁極101bの一端は第1サブ磁極101aの両端にそれぞれ接続されており、2つの第2サブ磁極101bの他端は第1サブ磁極101aの中心に近づくように延伸し、2つの第2サブ磁極101bは同一円周上に位置し、2つの第2サブ磁極101bの他端同士は接続されていない。上記第2サブ磁極101bと第1サブ磁極101aの接続箇所は、なめらかな曲線で移行している。また、第1内磁極102は第1外磁極101の内側に位置し、円弧形状である。第1サブ磁極101a、2つの第2サブ磁極101b及び第1内磁極102の円心は、いずれも回転中心Oと重なっている。
【0048】
第2外磁極201は円弧形状であり、該第2外磁極201の両端は2つの第2サブ磁極101bの他端とそれぞれ接続されており、この接続箇所は回転中心の一方側に位置し、第2外磁極201の中間寄りの部分は回転中心の他方側に位置する。すなわち、第2外磁極201は回転中心Oに向かって凹む構造に形成されている。また、第2内磁極202は第1内磁極102と第2外磁極201との間に設けられ、第2内磁極202と第1内磁極102とは接続されている。
【0049】
第2外磁極201と第2サブ磁極101bの磁極極性は同じであるため、第2外磁極201の両端を2つの第2サブ磁極101bの他端にそれぞれ接続することで加工しやすくなり、例えば、第2外磁極201と第2サブ磁極101bを一体成形で同時に作成することができる。同様に、第2内磁極202と第1内磁極102の磁極極性は同じであるため、第2内磁極202と第1内磁極102とを接続することで、加工しやすくなる。
【0050】
第2内磁極202の形状は、V字形(
図5a参照)、U字形(
図5b参照)またはY字形(
図5c参照)を含むが、これらに限定されない。ここで、V字形またはU字形の開口は、回転中心Oに対して外側を向いている。
【0051】
上記のマグネトロンは、大型サイズの加工用ワーク(例えば、8インチまたは12インチのウエハ)に磁性薄膜を堆積するのにより適している。これは、加工用ワークのサイズが大きい場合、それに応じてターゲットのサイズを大きくする必要があり、バイアス磁場の磁場減衰が早くなるが、このことは加工用ワークの周縁部に対して影響が大きく、中心部への影響は小さいので、加工用ワークの周縁部に対応するように第1磁場軌道103を設けることで、加工用ワークの周縁部に堆積する磁性薄膜の均一性を改善し、同時に加工用ワークの中心部に対応するように第2磁場軌道203を設けて、ターゲットに対するフルターゲット走査を実現し、走査のブラインドゾーンが生じることを回避し、磁性薄膜のスパッタリングの均一性を向上させることができるためである。
【0052】
第1磁場軌道103の、回転中心Oから一半径方向に沿って発射された直線L方向上の幅は、等しいことが好ましい。すなわち、
図3に示すように、間隔H1の幅が間隔H2の幅と等しいことが好ましい。こうすることで、間隔H1と間隔H2とにおける磁区の数がほぼ同じになり、吸引力と反発力を受ける磁性材料の数量もほぼ同じになる。さらに、加工用ワークの周縁に向かって移動する磁性材料と、加工用ワークの中心に向かって移動する磁性材料の数量がほぼ同じになり、これにより磁性薄膜の均一性が向上する。
【0053】
上記第1磁場軌道103の上記直線L方向上の幅は、10mm〜60mmの範囲の値を取ることが好ましく、15mm〜35mmがより好ましい。この幅の範囲で、磁場の減衰速度に応じて、磁性材料に対して吸引力または反発力をおよぼす磁場軌道のペアの数をできるだけ多く設けることで、磁性薄膜の均一性を効果的に向上させることができる。
【0054】
図5bに示すように、第1円弧101aの円心角を角αとし、2つの第2サブ磁極101bの他端それぞれと回転中心Oとの2本の接続線の間の夾角を角βとしたとき、角α対角βの比の値は3.5よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、円周方向における第1磁場軌道103の配置を一定比率範囲内に制御することができるため、大型サイズの加工用ワークを加工するとき、その周縁部の磁性薄膜の均一性を効果的に向上させることができる。
【0055】
さらに、
図5dに示すように、上記角αを360度に近づけることがより好ましく、こうすることで加工用ワークに堆積される磁性薄膜の均一性がより高くなる。
【0056】
なお、
図5a〜
図5dに示すマグネトロンは、第2外磁極201の両端が第1外磁極101の両端とそれぞれ接続されてクローズ式の外磁極を形成している。しかし本発明はこれに限らず、実際の応用においては、両者は互いに独立していてもよい。
【0057】
図5e及び
図5fに示す第2タイプのマグネトロンの構造と第1タイプのマグネトロンの構造(
図5a〜
図5d)との相違は、
図4aに示すマグネトロンをベースとして、第2外磁極201と第1外磁極101とが接続されていないこと、また第2内磁極202と第1内磁極102とが接続されていないことである。第2外磁極201と第2内磁極202との間に第2磁場軌道203が形成され、回転中心Oは第2磁場軌道203内に位置する。
【0058】
このように、第2外磁極201と第1外磁極101とが互いに独立しているため、両者の磁性は関連しておらず、また、第2内磁極202と第1内磁極102とが互いに独立しているため、両者の磁性は関連していない。このように、第2内磁極202と第2外磁極201との磁性が反対であることのみ保証されればよい。
【0059】
実際の応用において、第2外磁極201と第2内磁極202は、曲線、直線、あるいはその他の任意の形状であってもよく、回転中心Oを第2磁場軌道203の中に囲うことができさえすればよい。
【0060】
図5e及び
図5fに示す第2タイプのマグネトロンは、加工用ワークの周縁部の磁性薄膜を均一にするとともに、フルターゲット走査を実現できる。また、
図5e及び
図5fに示す第2タイプのマグネトロンは、スパッタ電源がRF電源の場合に適用可能である。
【0061】
本発明実施例の上記各種構造のマグネトロンでスパッタリングプロセスを行って得られる磁性薄膜の均一性は、いずれも≦5%であり、3%にすら達し、非常に高い薄膜均一性を有する。
【0062】
上記のように、本発明実施例のマグネトロンは、加工用ワークの周縁領域と中心領域とに堆積される磁性材料の数量の差異を補償して、薄膜の均一性を向上させることができる。また、本発明のマグネトロンは、非磁性薄膜のスパッタリング堆積に利用した場合にも、均一性の高い薄膜を得ることができる。
【0063】
別の技術案として、本発明はさらに磁性薄膜の堆積に用いるマグネトロンスパッタリングチャンバーを提供する。該チャンバーは、本発明の上記マグネトロンを含み、該マグネトロンは回転中心に沿って回転して、ターゲットの表面を走査するために用いられる。また、マグネトロンスパッタリングチャンバーには水平磁場を形成するためのバイアス磁場装置がさらに設置されている。
【0064】
上記バイアス磁場装置を設置することで、載置装置4の上方に水平磁場(磁場強度は50〜300Gsに達する)を形成することができ、加工用ワークSの表面に堆積される磁性材料の磁区を水平方向に沿って配列することができる。これにより、磁区の配列方向に沿って磁化容易軸が形成され、磁区の配列方向と垂直な方向に磁化困難軸が形成される。すなわち、面内異方性磁場が形成され、ひいては面内異方性の磁性薄膜を得ることができるので、大型サイズの加工用ワーク(例えば8インチや12インチのウエハ)に磁性薄膜を堆積することに適している。
【0065】
以下、本発明のマグネトロンスパッタリングチャンバーの具体的実施形態を詳細に説明する。具体的には、
図6に示すように、マグネトロンスパッタリングチャンバーは本体1と、マグネトロンユニット2と、ターゲット3と、載置装置4と、上シールド5と、下シールド6と、バイアス磁場装置とを含む。ここで、ターゲット3は本体1の天井部に設置される。加工用ワークSを載置する載置装置4は、本体1の底部にターゲット3と対向して設置される。上シールド5は本体1の側壁頂部に固定され、本体1の側壁の内側を取り囲むように設置される。下シールド6は本体1の側壁頂部に固定され、上シールド5よりも外側に位置する。下シールド6には載置装置4と本体1の側壁との間を取り囲む凹溝が形成されており、上シールド5と下シールド6は、本体1の側壁と載置装置4より下の部分とがプラズマにより腐食しないよう保護する。
【0066】
マグネトロンユニット2はターゲット3の上方に設置され、絶縁材料からなるホルダー21とマグネトロン22とを含む。ホルダー21は開口を有する筺体構造で、開口端がターゲット3上に固定されている。マグネトロン22はホルダー21内に設置され、ホルダー21の天井部に固定されている。また、ホルダー21内にはターゲット3を冷却するための脱イオン水23が充填されている。マグネトロン22はターゲット3の表面を走査するものであり、マグネトロン22は回転中心を中心として自転する。該回転中心とターゲット3の中心とが対応している。
【0067】
バイアス磁場装置は、ネジ8で下シールド6の凹溝内に固定されおり、第1マグネット群と第2マグネット群とを含む。ここで、第1マグネット群は複数の第1柱状マグネット75を含み、第2マグネット群は複数の第2柱状マグネット76を含む。複数の第1柱状マグネット75は載置装置4を取り囲んで円弧状に配列され、複数の第2柱状マグネット76も載置装置4を取り囲んで円弧状に配列され、かつ複数の第1柱状マグネット75と複数の第2柱状マグネット76とは対称に設置されている。また、第1柱状マグネット75と第2柱状マグネット76とは載置装置4に向けた磁極が異なり、具体的には、第1柱状マグネット75の載置装置4に向けた磁極はN極で、第2柱状マグネット76の載置装置4に向けた磁極はS極である。
【0068】
本発明実施例のマグネトロンスパッタリングチャンバーは、本発明実施例の上記マグネトロンを採用することで、加工用ワーク上に形成される薄膜の均一性がバイアス磁場の存在によって低くなるという問題を回避して、薄膜の均一性を向上させることができる。
【0069】
さらに別の技術案として、本発明はマグネトロンスパッタリング装置を提供する。該マグネトロンスパッタリング装置は、本発明実施例の上記マグネトロンスパッタリングチャンバーを含む。
【0070】
本発明実施例のマグネトロンスパッタリング装置は、本発明実施例の上記マグネトロンスパッタリングチャンバーを採用することで、加工用ワーク上に形成される薄膜の均一性がバイアス磁場の存在によって低くなるという問題を回避して、薄膜の均一性を向上させることができる。
【0071】
なお、以上の実施形態は本発明の原理を説明するための例示的な実施形態にすぎず、本発明はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の主旨と実質から逸脱せずして各種の変更や改良が可能であり、これら変更や改良は本発明の保護範囲に属するとみなされる。
【符号の説明】
【0072】
図面の符号は以下を含む。マグネトロンスパッタリングチャンバー1、マグネトロンユニット2、ホルダー21、マグネトロン22、外磁極221、外ヨーク2211、外マグネット2212、内磁極222、内ヨーク2221、内マグネット2222、磁場軌道223、脱イオン水23、ターゲット3、載置装置4、加工用ワークS,上シールド5、下シールド6、第1マグネット群の柱状マグネット75、第2マグネット群の柱状マグネット76、ネジ8、第1外磁極101、第1サブ磁極101a、第2サブ磁極101b、第3サブ磁極101c、第4サブ磁極101d、第1内磁極102、第1磁場軌道103、回転中心31、回転中心O、回転中心の一半径方向に発射した直線L、第2外磁極201、第2内磁極202、第2磁場軌道203。