(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、シラン化合物あるいはシランカップリング剤でナノ粒子の表面を均一に修飾するための、pH調整、分散剤(界面活性剤)添加、粉砕処理などの工程を必要としない、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒に安定分散することのできる酸化セリウムナノ粒子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有する、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子(以下、コアシェル型ナノ粒子ということもある。)が、シェルに水酸基を有することにより、プロトン性の極性溶媒で良好な分散性を示し、事前に分散処理を行うことなく極性溶媒中で特定のシラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方で表面修飾することができ、簡便に非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒に対し安定に均一分散が可能な表面改質されたコアシェル型ナノ粒子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、前記二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有する、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子が、下記一般式(1)で表されるシラン化合物、下記一般式(2)で表されるシランカップリング剤のいずれか、または両方の少なくとも1種類以上で表面修飾されていることを特徴とする表面改質コアシェル型ナノ粒子。
【化1】
〔式中、R
1とR
2は独立して、R
1は、炭素数が1から18のアルキル基あるいはアリール基あるいはビニル基を示し、R
2は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、nは、1または2である。〕
【化2】
〔式中、Xは、ビニル基、エポキシ含有基(グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基)、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ含有基、イソシアネート基、ウレイド基を示し、R
3とR
4は独立して、R
3は、炭素数が1から5のアルキレン基あるいは、Xがグリシドキシ基の場合、1個の酸素原子をエーテル結合の形で含んでいる炭素の総数が2から5のアルキレン基あるいはフェニレン基を示し、R
4は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、qは、0または1である。〕
2.前記シェル部分を構成する高分子が、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのいずれかが架橋した構造を有することを特徴とする1.に記載の表面改質コアシェル型ナノ粒子。
3.前記シェル部分を構成する高分子が、カルボン酸で修飾されていることを特徴とする1.または2.に記載の表面改質コアシェル型ナノ粒子。
4.1.から3.のいずれかに記載の表面改質コアシェル型ナノ粒子の非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒分散液。
5.酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、前記二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有する、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、
下記一般式(1)で表されるシラン化合物、下記一般式(2)で表されるシランカップリング剤のいずれか、または両方の少なくとも1種類以上で表面修飾することを特徴とする表面改質コアシェル型ナノ粒子の製造方法。
【化3】
〔式中、R
1とR
2は独立して、R
1は、炭素数が1から18のアルキル基あるいはアリール基あるいはビニル基を示し、R
2は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、nは、1または2である。〕
【化4】
〔式中、Xは、ビニル基、エポキシ含有基(グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基)、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ含有基、イソシアネート基、ウレイド基を示し、R
3とR
4は独立して、R
3は、炭素数が1から5のアルキレン基あるいは、Xがグリシドキシ基の場合、1個の酸素原子をエーテル結合の形で含んでいる炭素の総数が2から5のアルキレン基あるいはフェニレン基を示し、R
4は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、qは、0または1である。〕
6.前記球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子をカルボン酸処理した後、表面修飾することを特徴とする5.に記載の表面改質コアシェル型ナノ粒子の製造方法。
7.前記カルボン酸が、酢酸であることを特徴とする6.に記載の表面改質コアシェル型ナノ粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の表面改質された球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子(以下、表面改質コアシェル型ナノ粒子という。)は、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒への安定均一分散が可能であり、対象樹脂に均一に分散することができる。また、その製造工程において、pH調整、分散剤(界面活性剤)添加、粉砕処理などの事前の分散工程が不要であるため、ナノ粒子を添加する対象樹脂の性能低下やコストアップを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0012】
「球状単分散酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子(コアシェル型ナノ粒子)」
本発明で使用する球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子は、酸化セリウムの粒径2nm以上4nm以下の一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、その二次粒子表面に10wt%以上35wt%以下のシェル部分とからなる高分子の層が存在する構造を有する、平均粒径が10nm以上200nm以下、変動係数が0.25以下の球状単分散コアシェル型酸化セリウム微粒子である。コアシェル型ナノ粒子としては、例えば、特開2008−111114号公報、特開2008−115370号公報、特開2009−196843号公報、特開2010−155931号公報に開示されているコアシェル型ナノ粒子を好適に使用できる。
【0013】
シェルを形成する高分子は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが架橋した構造を有するものであり、ポリビニルピロリドン(PVP)が架橋した構造を有する高分子が、コアシェル型ナノ粒子を合成する際に使用するポリビニルピロリドン(PVP)〔架橋前〕の分子量の制御により、コアシェル型ナノ粒子の粒径を容易に調整できる点で好適である。
コアシェル型ナノ粒子におけるシェル部分の割合は、80℃で乾燥し、大気中で冷却した粉体を、800℃まで加熱したときの重量減少から求められる。また、TG−DTA測定から、シェル部分の水酸基、付着水分を除いた架橋PVPの量が求められる。
【0014】
コアシェル型ナノ粒子は、シェル部分となる高分子の層に存在する水酸基の存在により親水性を有し、プロトン性の極性溶媒には良好な分散安定性を示すが、非プロトン性極性溶媒および無極性溶媒に対しては分散安定性が低い。コアシェル型ナノ粒子は、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒にプロトン性極性溶媒を組み合わせることにより分散可能な場合があるが、樹脂化する場合には、一般的に樹脂の硬化前に分散に使用した溶媒を除去する必要があり、その際、プロトン性極性溶媒が先に留去されてしまうと、残存した非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒に対して分散性が低下してしまい、ナノ粒子の凝集が生成し、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒に対して良好な混和性と親和性を示す対象樹脂に均一に分散させることができない。
それに対し、シェル部分となる高分子の層に存在する水酸基に、特定のシラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方を反応させた表面改質コアシェル型ナノ粒子は、親水性が低下し、非プロトン性極性溶媒および無極性溶媒に対して安定に均一分散可能になる。
【0015】
本明細書において、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径とは、走査電子顕微鏡(SEM)観察で求められる粒径であり、SEM写真に撮影された50個以上のナノ粒子の粒径の平均値(d)を意味する。変動係数(c)は、前記SEM観察粒径の分布から標準偏差(s)を計算し、c=s/dで求められる。また、二次粒子を構成する一次粒子の粒径は、X線回折(XRD)装置により測定された回折ピークの半値幅を使用して、Hallの式から求めた結晶子サイズ(一次粒子)の大きさである。
【0016】
分散液作製時点の沈殿の発生の有無により、良好な分散液が得られたか否かは確認できるが、動的光散乱(DLS)法(DLS法では、分散ナノ粒子の粒径は、分散液中の粒子サイズに起因するブラウン運動、粒子の拡散速度の違いから求められる。)の平均粒径からその分散性を評価することができる。
本明細書において、DLS法による分散ナノ粒子の平均粒径は、市販の動的光散乱(DLS)法粒径測定装置を用い、B型粘度計を用いて測定した粘度と、文献に記載の屈折率とを使用し、キュムラント解析法により求める。
一般に、DLS法で求められる平均粒子径の測定値は、主に分散媒中での凝集粒子径の大きさが計測されるものであるが、測定条件および解析手法により振れが生じる。従って、これらの振れを考慮すれば、DLS法で求めた平均粒子径が、SEM観察で求めた平均粒子径の1.2倍以上3.0倍以下であれば、分散媒中でナノ粒子はほとんど凝集せずに存在しており、分散性が良好であると判断される。
【0017】
「カルボン酸処理」
コアシェル型ナノ粒子を、カルボン酸で処理すると、シェル部分を構成する高分子層にカルボキシル基が導入され、シラン化合物、シランカップリング剤による表面修飾反応の反応性を向上させることができる。そのため、シラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方による表面修飾を行なう場合には、コアシェル型ナノ粒子をカルボン酸で処理することが好ましい。カルボン酸としては、炭素数が1又は2であるモノカルボン酸、又は、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、特に限定されないが、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。カルボン酸処理後のコアシェル型ナノ粒子のプロトン性極性溶媒の分散性の観点から、酢酸が好ましい。カルボン酸の添加処理は、特開2015−120853号公報にあるようにシェルの高分子層を減量する効果もあるが、本願においては反応に必要な量のカルボキシル基の導入ができればよく、コアシェル型ナノ粒子1gに対して、カルボン酸0.01g以上10g以下が好ましい。添加するカルボン酸量が多すぎると、余剰のカルボン酸を除去するために余分な労力が必要となる。
なお、カルボン酸処理は、後述するシラン化合物もしくはシランカップリング剤による表面修飾反応と同時に行うことができる。
【0018】
「シラン化合物」
本発明で使用するシラン化合物は、下記一般式(1)で表される。
【化5】
〔式中、R
1とR
2は独立して、R
1は、炭素数が1から18のアルキル基あるいはアリール基(フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基)あるいはビニル基を示し、R
2は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、nは、1または2である。〕
【0019】
一般式(1)で示されるシラン化合物のR
1における炭素数が1から18のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、1−メチルウンデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−へプタデシル基、n−オクタデシル基が挙げられ、好ましくは炭素の総数が6から12の直鎖アルキル基であり、具体的にはn−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基である。より好ましくは炭素の総数が10から12の直鎖アルキル基であり、具体的にはn−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基である。
一般式(1)で示されるシラン化合物のR
1におけるアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、好ましくは、フェニル基である。
【0020】
一般式(1)で示されるシラン化合物のR
2における炭素数が1から5のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基等が挙げられ、好ましくは炭素の総数が1から2のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基である。
一般式(1)で示されるシラン化合物のR
2における炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の直鎖状アルコキシアルキル基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等の分岐状アルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0021】
一般式(1)で示されるシラン化合物としては、以下が挙げられる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン等、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β―メトキシエトキシ)シラン等が挙げられ、好ましくは、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシランであり、より好ましくは、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシランである。
【0022】
「シランカップリング剤」
本発明で使用するシランカップリング剤は、下記一般式(2)で表される。
【化6】
〔式中、Xは、ビニル基、エポキシ含有基(グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基)、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ含有基、イソシアネート基、ウレイド基を示し、R
3とR
4は独立して、R
3は、炭素数が1から5のアルキレン基あるいは、Xがグリシドキシ基の場合、1個の酸素原子をエーテル結合の形で含んでいる炭素の総数が2から5のアルキレン基あるいはフェニレン基を示し、R
4は、炭素数が1から5のアルキル基あるいは炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基あるいは水素原子を示し、qは、0または1である。〕
【0023】
一般式(2)で示されるシランカップリング剤は、有機材料と作用する有機官能性基と無機材料と作用する反応基を分子内にあわせ持つ化合物であり、有機官能性基Xとしては、ビニル基、エポキシ含有基(グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基)、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアネート基、ウレイド基が、添加対象の樹脂との結合性と、分散溶媒として使用する非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒の比誘電率により適宜選択できるが、好ましくはアミノ含有基であり、具体的にはアミノ基、N−2(アミノエチル)3−アミノ基である。
【0024】
一般式(2)で示されるシランカップリング剤のR
3における炭素数が1から5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、クロチル基(2−ブテニル基)、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1,3−ペンタジエニル基、1,4−ペンタジエニル基、2,4−ペンタジエニル基等が挙げられ、好ましくは炭素の総数が1から3のアルキレン基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
一般式(2)で示されるシランカップリング剤のR
3におけるXがグリシドキシ基の場合、1個の酸素原子をエーテル結合の形で含んでいる炭素の総数が2から5のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0025】
一般式(2)で示されるシランカップリング剤のR
4における炭素数が1から5のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられ、好ましくは炭素の総数が1から2のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基である。
一般式(2)で示されるシランカップリング剤のR
4における炭素の総数が2から8のアルコキシアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の直鎖状アルコキシアルキル基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等の分岐状アルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0026】
一般式(2)で示されるシランカップリング剤は具体的には、以下が例示される。ビニルシランカップリング剤としては、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルアリルシラン、アリルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランカップリング剤としては、3−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。(メタ)アクリロキシシランカップリング剤としては、3−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。イソシアネートシランカップリング剤としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。ウレイドシランカップリング剤としては、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシランである。
【0027】
これらシラン化合物およびシランカップリング剤は、それぞれ2種類以上を組み合わせて使用することも可能であり、またシラン化合物とシランカップリング剤を1種類以上組み合わせて使用することも可能である。
なお、これら本発明で使用するシラン化合物およびシランカップリング剤は、市販品を使用することができる。
【0028】
「表面修飾方法」
酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有する、コアシェル型ナノ粒子は、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類;メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコキシアルコール類などのプロトン性極性溶媒に安定に均一分散することができる。プロトン性極性溶媒に均一に分散した沈殿物のない安定分散液中のコアシェル型ナノ粒子に対し、シラン化合物やシランカップリング剤で表面修飾反応を行うことで、非プロトン性極性溶媒および無極性溶媒に対して安定に均一分散可能な、表面改質コアシェル型ナノ粒子を得ることができる。
【0029】
一方、従来技術である沈殿物や凝集物が存在する分散液へのシラン化合物やシランカップリング剤での表面修飾では、均一な表面修飾を行なうことは困難であり、分散のためにミルなどによる粉砕・分散工程が必要であった。また、粉砕・分散工程などを施しても均一に表面修飾されたナノ粒子が得られているとは限らず、表面修飾後にも粉砕・分散工程が必要であった。それに対し、コアシェル型ナノ粒子は、簡単な撹拌、場合によってはわずかな超音波分散などにより、プロトン性極性溶媒に安定均一分散が可能である。
プロトン性極性溶媒は、水と前記有機溶媒を組み合わせて、シラン化合物、もしくはシランカップリング剤に存在する、アルコキシ基あるいはイソシアネート基の加水分解速度を調整することができ、必要により加水分解促進のための酸あるいは塩基の触媒を添加することもできる。
【0030】
表面修飾は、コアシェル型ナノ粒子を1wt%以上50wt%以下含有するプロトン性極性溶媒分散液に対し、少なくとも1種類以上のシラン化合物、少なくとも1種類以上のシランカップリング剤のいずれか、または両方を、コアシェル型ナノ粒子0.5gに対し、1mmol以上10mmol以下、好ましくは、2mmol以上8mmol以下添加し、アルコキシ基あるいはイソシアネート基を直接あるいは加水分解させてから、ナノ粒子表面の水酸基と反応させることにより、コアシェル型ナノ粒子のシェル部分に反応・結合させることで行う。シラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方を10mmolより多く添加すると、余剰のシラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方を除去することに余分な労力が必要となる。反応温度は、20℃以上100℃以下、反応時間は、0.5時間以上30時間以下が好ましい。シラン化合物とシランカップリング剤の種類と組み合わせとは、コアシェル型ナノ粒子を添加する対象樹脂との結合性と、分散溶媒として使用する非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒などの比誘電率により、適宜選択できる。
【0031】
「分散溶媒」
本明細書において、非プロトン性極性溶媒とは、比誘電率が10以上の解離性のHをもたない溶媒を意味する。また、無極性溶媒とは、一般に無極性あるいは低極性溶媒として示される、比誘電率が10未満の溶媒を意味する。表面改質コアシェル型ナノ粒子の分散溶媒としては、以下が挙げられる。非プロトン性極性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。無極性溶媒としては、ジエチルエーテル等のエーテル類や直鎖状ないし芳香族炭化水素(ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類などが挙げられる。
また、非プロトン性極性溶媒同士、あるいは無極性溶媒同士を組み合わせて使用することも可能である。
【0032】
以上に詳述したが、コアシェル型ナノ粒子の製造、カルボン酸処理、シラン化合物、シランカップリング剤のいずれか、または両方での表面修飾、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒への分散などの各工程で、遠心分離・乾燥などにより粉末を取り出すことも可能であるが、精密ろ過・溶媒置換などにより、粉末を取り出すことなく、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒分散液を製造することも可能である。
表面改質コアシェル型ナノ粒子の粉末は、非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒に混和性と親和性のある対象樹脂あるいはそれらの原料となるモノマー中に容易に分散させることができる。また、表面改質コアシェル型ナノ粒子の非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒分散液に、前記した対象樹脂あるいはそれらの原料となるモノマーを加えて混合し、溶媒を留去することで、均一に表面改質コアシェル型ナノ粒子が分散した樹脂組成物を得ることができる。
【0033】
なお、表面改質コアシェル型ナノ粒子の非プロトン性極性溶媒あるいは無極性溶媒への分散安定性は、分散液を密封容器に入れ、室温で放置して観察し、外観、沈殿物の発生有無や沈殿物の量で判断できる。1時間以上の分散安定があればモノマーへの添加作業は可能であるが、分散安定な期間が長ければ、分散液の長期保存も可能となり、より有用である。また、分散液が透光性を保持していれば、透明封止材等の用途にも用いることができ、更に有用である。
【実施例】
【0034】
[実施例1]
(球状単分散酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子(コアシェル型ナノ粒子)の製造)
エチレングリコール(EG:和光純薬工業株式会社製)に、ポリビニルピロリドン(PVP:シグマアルドリッチジャパン合同会社製)と硝酸セリウム六水和物(株式会社高純度化学研究所製)を加え、撹拌し、完全に溶解させた。PVPの濃度は、50kg/m
3、硝酸セリウム六水和物の濃度は、0.12kmol/m
3であり、PVPの分子量は、カタログ値で55,000であった。
【0035】
PVPと硝酸セリウムが溶解したEGを、有機合成装置CC200(柴田科学株式会社製)を用いて、加熱還流した。この装置では、フラスコは、アルミニウムブロックを用いて加熱しており、アルミニウムブロックの温度が、設定温度である。また、フラスコ上部には、還流させるための冷却器が存在する。
設定温度は、165℃、設定温度に達してからの加熱還流時間は、60分とした。設定温度は、165℃であるが、実際の液温は、158から166℃であった。設定時間経過後、有機合成装置からフラスコを取り出し、室温の水に、フラスコを浸し、急冷させ、コアシェル型ナノ粒子が含まれる分散液を得た。
【0036】
次に、遠心分離機を使って、液体と、コアシェル型ナノ粒子とを分離した。このとき、未反応物や余分なポリマーを取り除くために、水及びエタノールで洗浄した。分析を行うために、得られたコアシェル型ナノ粒子の一部を、80℃で乾燥させ、乾燥粉体を得た。
乾燥粉体の走査電子顕微鏡(SEM)像からコアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、21.5nmであり、その変動係数は、0.166であった。動的光散乱法によるこの水分散コアシェル型ナノ粒子の粒径を測定したところ、48.6nmであり、DLS法で求めた平均粒子径は、SEM観察で求めた平均粒子径の2.3倍であった。また、水に再分散させると、沈殿の無い、小粒径ナノ粒子分散液特有の透明感のある良好な水分散液が得られ、コアシェル型ナノ粒子が良好に溶媒中に分散していることを数値的にも視覚的にも確認できた。
【0037】
(カルボン酸処理(酢酸処理))
コアシェル型ナノ粒子8.64wt%を含む水分散液を調製した。この水分散液55mlに、水30mlと酢酸31.25mlを加え、撹拌しながら80℃で3時間過熱することで、シェル部分を酢酸処理した。遠心分離機を使って洗浄し、10ml中にコアシェル型ナノ粒子0.5gを含む水分散液を得た。
(シラン処理および分散液)
酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、n−デシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、25℃で20時間撹拌した。次に、撹拌したまま、混合液を100℃のホットプレートで1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、分散液は透光性を有し、放置後30日後も分散しており、沈殿が生じないことが確認できた。
【0038】
[実施例2]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、3−アミノプロピルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で2時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0039】
[実施例3]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1.5時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0040】
[実施例4]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、フェニルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0041】
[実施例5]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、ジフェニルジメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0042】
[実施例6]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子水分散液10ml(10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれる。)と酢酸0.1mlをビーカーに入れ室温にて10〜30分程度撹拌後、n−ヘキシルトリメトキシシラン8mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1.5時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置3日後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0043】
[実施例7]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、n−オクチルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0044】
[実施例8]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、n−ヘキシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0045】
[実施例9]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、3−アミノプロピルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で2時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置5日後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0046】
[実施例10]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、フェニルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置2時間後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0047】
[実施例11]
実施例1において製造、酢酸処理の工程を経たコアシェル型ナノ粒子水分散液10mlをビーカーに入れ、ジフェニルジメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置2時間後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0048】
[実施例12]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう水分散液を調製し、当該水分散液10mlをビーカーに入れ、n−ドデシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で3時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、分散液は透光性を有し、放置2時間後も分散しており、沈殿が生じないことが確認できた。この分散液は、透光性を有しており、長時間放置しても、沈殿を生じないことが期待できる。
【0049】
[実施例13]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう水分散液を調製し、当該水分散液10mlをビーカーに入れ、n−ドデシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で3時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置2時間後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0050】
[実施例14]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子水分散液10mlと酢酸0.3mlをビーカーに入れ室温にて10〜30分程度撹拌後、n−オクチルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で2時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置12時間後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0051】
[実施例15]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子水分散液10mlと酢酸0.1mlをビーカーに入れ室温にて10〜30分程度撹拌後、n−ヘキシルトリメトキシシラン8mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1.5時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置12時間後、沈殿はあるが、分散していることが確認できた。
【0052】
[実施例16]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子水分散液10mlと酢酸0.1mlをビーカーに入れ室温にて10〜30分程度撹拌後、n−デシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で1.5時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をメチルイソブチルケトンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度メチルイソブチルケトン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、放置2時間後、沈殿は少量であり、分散していることが確認できた。
【0053】
[実施例17]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、水10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子水分散液10mlと酢酸0.1mlをビーカーに入れ室温にて10〜30分程度撹拌後、n−ドデシルトリメトキシシラン4mmolとメタノール6.3mlの混合液を滴下し、混合液を約100℃で3時間加熱した。加熱により水分を含む固めのペーストが生成した。液体状の水分を除き、10mlのメタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を使って、液体と表面改質コアシェル型ナノ粒子とを分離した。更にメタノールを加えて分散させ、ホットプレート上で100℃1時間、続いて真空下で100℃1時間の乾燥を行い、粉末を得た。この粉末をトルエンに分散させ遠心分離で洗浄し、再度トルエン10mlに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、分散液は透光性を有し、放置1時間後も分散しており、沈殿が生じないことが確認できた。この分散液は、透光性を有しており、長時間放置しても、沈殿を生じないことが期待できる。
【0054】
[実施例18]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、1−メトキシ−2プロパノール10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子1−メトキシ−2プロパノール分散液10mlと水0.7mlと酢酸0.4mlを100mlナスフラスコに入れ室温で30分撹拌後、n−デシルトリメトキシシラン2mmolとメタノール2.5mlの混合液を滴下し、混合液を100℃のオイルバスで1時間加熱した。エバポレーターにより溶媒分を除去し表面改質コアシェル型ナノ粒子が含まれるペーストを得た。このペーストをトルエンに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、分散液は透光性を有し、放置30日後も分散しており、沈殿が生じないことが確認できた。
【0055】
[実施例19]
実施例1において製造されたコアシェル型ナノ粒子を用いて、1−メトキシ−2プロパノール10ml中に0.5gのナノ粒子が含まれるよう調整したナノ粒子1−メトキシ−2プロパノール分散液10ml(10ml中にナノ粒子1.0gのナノ粒子が含まれる。)と水0.7mlと酢酸0.4mlを100mlナスフラスコに入れ室温で30分撹拌後、n−ドデシルトリメトキシシラン2mmolとメタノール2.5mlの混合液を滴下し、混合液を100℃のオイルバスで1時間加熱した。エバポレーターにより溶媒分を除去し表面改質コアシェル型ナノ粒子が含まれるペーストを得た。このペーストをトルエンに分散させた。得られた分散液を密封容器に入れ、室温で放置したところ、分散液は透光性を有し、放置30日後も分散しており、沈殿が生じないことが確認できた。