(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面において、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現する。また、以下の各図に示すXYZ座標系を適宜用いて方向を説明する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、適宜、図中の矢印の方向が+方向(例、+X方向)であり、その反対方向が−方向(例、−X方向)であるとする。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るエンコーダ装置100の一例を示す図である。
図1(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図1(C)については後述する。
図1(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置100は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部40と、を備えている。エンコーダ装置100は、例えば、モータ等の駆動部101に取り付けられる。エンコーダ装置100は、駆動部101の回転軸102の回転情報(回転位置情報)を検出する。回転軸102は、例えばモータのシャフト(回転子)であるが、負荷に接続される作用軸(出力軸)でもよい。作用軸は、例えば、モータのシャフトに変速機などの動力伝達部を介して接続される。エンコーダ装置100が検出した回転情報は、例えば、駆動部101の制御部に供給される。この制御部は、エンコーダ装置100から供給された回転情報を使って、回転軸102の回転を制御する。
【0012】
回転情報は、回転軸102の回転の数を表す多回転情報、及び回転軸102の1回転未満の角度位置(回転角)を表す角度位置情報を含む。多回転情報は、例えば、1回転、2回転というように回転の数を整数で表した情報でもよいし、360°、720°というように回転の数を角度(例、360°の整数倍)で表した情報でもよい。角度位置情報は、90°、120°、270°といった情報であり、回転情報は、例えば、1回転と90°(450°)というように、1回転未満の回転角と1回転以上の回転角とを区別可能な情報である。なお、回転情報、多回転情報、及び角度位置情報の少なくとも一つは、度(°)以外の次元(例、ラジアン)で表されてもよいし、その数値が2進数など(例、所定のビット数のデジタルデータ)で表されてもよい。
【0013】
回転部10は、スケール11を有する。スケール11は、例えばモータ等の駆動部101の回転軸102の反負荷側に固定される。反負荷側は、回転軸102のうち駆動部101の回転軸102によって駆動される回転対象物が接続される側とは反対側である。スケール11が反負荷側に配置される場合、回転対象物がある負荷等などからの汚れ(例、油)がスケール11まで飛散して付着することが抑制される。
【0014】
スケール11は、例えば、円盤状の部材であり、+Z側の上面及び−Z側の下面がXY平面に平行な板状のものが用いられる。スケール11は、回転軸102に固定され、回転軸102に対して垂直(XY平面に平行)またはほぼ垂直に配置される。また、スケール11中心は、回転軸102の回転の中心軸AXを通るように配置される。スケール11の素材は任意であり、例えば、金属、樹脂等により形成される。
【0015】
スケール11は、パターン12を備えている。パターン12は、スケール11の上面に円環状(リング状)に設けられる。パターン12の中心は、例えばスケール11の中心にほぼ一致する。パターン12は、同心円状に形成されるインクリメンタルパターン及びアブソリュートパターンの少なくとも一方を含む。パターン12は、例えば光反射パターンであるが、これに限定するものではなく、光透過パターンであってもよい。
【0016】
検出部20は、スケール11のうちパターン12が形成された面に対向して配置される。検出部20は、パターン12に対して光を照射する光照射部と、パターン12に照射されて反射した光を検出する受光部と、を有している。光照射部は、例えば発光ダイオード(LED)等の固体光源を含む。光照射部は、発光ダイオード以外の固体光源(例、レーザダイオード)を含んでもよいし、ランプ光源を含んでもよい。受光部としては、例えば光電素子などが用いられる。受光部によって読み取られた光は、電気信号として有線または無線により例えば不図示の制御装置に送信される。
【0017】
ケース部30は、回転部10及び検出部20を収容する。ケース部30は、駆動部101のうち本体部103に取り付けられる。ケース部30は、円筒部31及び蓋部32を有している。円筒部31は、ボルト等の不図示の固定部材により、本体部103の+Z側の面に固定されている。円筒部31は、回転部10の周囲を囲んで配置される。円筒部31は、中心軸が回転軸102の中心軸AXと一致するように配置される。蓋部32は、円筒部31の+Z側の端面に配置される。蓋部32は、例えば、不図示の固定部材により、円筒部31に固定されるが、円筒部31と一体に形成されたものでもよい。蓋部32は、回転部10のスケール11と対向するように配置される。
【0018】
支持部40は、基板41及び接続部42を有する。基板41は、例えば矩形の板状であり、スケール11に対して中心軸AXの軸線方向に所定間隔を空けて配置される。基板41は、スケール11に平行またはほぼ平行に配置される。また、基板41は、蓋部32に対しても平行またはほぼ平行に配置される。
【0019】
基板41の−Z側の面には、検出部20が取り付けられる。基板41は、検出部20に電気的に接続される回路を有してもよい。基板41は、中心軸AXの軸線方向に貫通された貫通部41aを有している。貫通部41aには、軸受43を介して回転軸102が貫通される。基板41は、軸受43によって回転軸102の中心軸AXの軸線周り方向に回転可能に支持されている。この軸受43により、回転軸102が回転した場合でも基板41が回転することなく回転軸102に基板が支持される。また、基板41は、軸受43で支持されることによりスケール11との間隔を一定に維持する。これにより、検出部20は、パターン12に対する距離を一定に維持することができる。
【0020】
接続部42は、基板側ハブ44と、ケース側ハブ45と、スライダ46と、を有している。これら基板側ハブ44、ケース側ハブ45、及びスライダ46は、オルダムカップリング47を構成する。
図1(C)は、接続部42を−X方向に見たときの一例を示す図である。
図1(A)及び(C)に示すように、基板側ハブ44は、基板41の+Z側の上面に固定されている。基板側ハブ44は、例えば、Y方向に延びる凸部を備える。ケース側ハブ45は、蓋部32の−Z側の面に固定されている。ケース側ハブ45は、例えば、X方向に延びる凸部を備える。
【0021】
スライダ46は、Z方向において基板側ハブ44とケース側ハブ45との間に配置される。スライダ46は、−Z側の面に基板側凹部46aを有している。基板側凹部46aは、Y方向に沿って溝状に形成されている。基板側凹部46aには、基板側ハブ44の凸部が嵌め込まれる。スライダ46は、基板側凹部46aに基板側ハブ44の凸部が嵌め込まれた状態で、基板側ハブ44に対してY方向に相対的に移動可能であり、また、基板側ハブ44に対してX方向への相対的な移動が規制される。
【0022】
スライダ46は、+Z側の面にケース側凹部46bを有している。ケース側凹部46bは、X方向に沿って溝状に形成されている。ケース側凹部46bには、ケース側ハブ45の凸部が嵌め込まれる。スライダ46は、ケース側凹部46bにケース側ハブ45の凸部が嵌め込まれた状態で、ケース側ハブ45に対してX方向に相対的に移動可能であり、また、ケース側ハブ45に対してY方向への相対的な移動が規制される。
【0023】
このように、スライダ46は、基板側ハブ44とケース側ハブ45とにそれぞれ連結されるため、基板41は、X方向またはY方向に移動可能であるが、例えば、中心軸AXを軸とする回転方向への移動は規制される。一方、基板41は、軸受43によって回転軸102に支持されているから、回転軸102が移動すると回転軸102の移動に伴って移動する。したがって、基板41は、オルダムカップリング47から一定の規制を受けつつ、回転軸102の移動に応じて移動することになる。基板41に固定されている検出部20も、基板41と同様に、オルダムカップリング47からの規制を受けつつ、回転軸102の移動に応じて移動する。
【0024】
回転軸102が偏心移動する場合、この回転軸102の移動に伴って基板41がXY面に沿って移動する。なお、回転軸102の偏心移動は、中心軸AXと直交する平面に沿った方向に回転軸102が移動することをいう。例えば、基板41が回転軸102とともにX方向に移動する場合、基板側ハブ44及びスライダ46がケース側ハブ45に対してX方向に移動する。また、例えば、基板41が回転軸102と一体でY方向に移動する場合、基板側ハブ44がスライダ46(及びケース側ハブ45)に対してY方向に移動する。このように、接続部42は、回転軸102が偏心移動する場合、検出部20のX方向及びY方向への移動を許容し、検出部20が中心軸AXまわりに回転するのを規制するように、検出部20を支持する。
【0025】
したがって、検出部20は、回転軸102が偏心移動する場合、基板41とともに回転軸102と一体なってX方向及びY方向に移動する。また、回転軸102が偏心移動する場合、回転部10は回転軸102とともに回転軸102と同一方向に移動する。これにより、回転軸102が偏心移動する場合、検出部20は、回転部10に追従してX方向及びY方向に移動する。このように、支持部40は、回転軸102の移動に追従して移動することにより、検出部20と回転部10のパターン12とを位置合わせする。
【0026】
次に、本実施形態に係るエンコーダ装置100において、回転軸102の偏心による検出誤差を低減する原理を説明する。
図2は、偏心による検出誤差が生じる原理を説明する図である。まず、
図2(A)には、検出部20が回転軸102の偏心移動に追従しない場合を示す。
図2(A)に示すように、例えば、回転軸102は、中心軸AXがXY座標平面の位置J1(r,0)に配置され、回転時には、中心軸AXが原点(0,0)を中心とした円を描くように偏心移動するものとする。この場合において、検出部20は、例えばパターン12のうちX軸に重なる位置P1に配置されたパターン12aからの反射光を検出するとする。
【0027】
この状態から、回転軸102が図中の反時計回りに角度θ回転する場合、中心軸AXが位置J2(rcosθ,rsinθ)に偏心移動する。仮に、中心軸AXがJ1に位置したまま回転軸102が回転した場合には、位置P1に対して時計回りに角度θ離れた位置Q1のパターン12bが反時計回りに移動し、位置P1に配置される。この場合、検出部20は、位置P1に配置される当該パターン12bからの反射光を検出する。
【0028】
しかしながら、偏心によって回転軸102の中心軸AXが位置J1から位置J2に移動する場合、パターン12bがX軸から+Y側にずれた位置Q2に配置される。このとき、検出部20はX軸上に配置されたままであるため、パターン12のうちX軸に重なる位置Q3には、パターン12cが配置される。したがって、検出部20は、パターン12cからの反射光を検出する。パターン12bの位置Q2に対して、パターン12cの位置Q3は、中心軸AXを中心として時計回りに角度βずれた位置である。よって、検出部20では、角度βに相当する検出誤差が生じる。
【0029】
ここで、位置Q3の座標は、中心軸AXからパターン12aまでの半径をRとすると、
(rcosθ+Rcos(−β),rsinθ+Rsin(−β))
である。
【0030】
位置Q3はX軸に重なる位置であるため、Y座標が0である。よって、
rsinθ+Rsin(−β)=0 であり、これより角度βは、
β=sin
−1((rsinθ)/R) である。
【0031】
これに対して、第1実施形態に係るエンコーダ装置100は、回転軸102が偏心移動する場合、検出部20が回転部10及び回転軸102とともにX方向及びY方向に移動する。このため、
図2(B)に示すように、偏心によって回転軸102の中心軸AXが位置J1から位置J2に移動した場合、検出部20が中心軸AXの移動方向と同一方向に追従して移動する。これにより、検出部20とパターン12との相対位置が変化することが抑制される。この場合、検出部20は、X軸上から移動して、位置Q2に配置されるパターン12bからの反射光を検出する。
【0032】
以上のように、第1実施形態に係るエンコーダ装置100は、回転軸102(回転部10)の回転情報を精度よく取得可能である。エンコーダ装置100は、検出部20が回転軸102の中心軸AXに交差する方向(X方向、Y方向)に回転部10及び回転軸102とともに移動可能である。このため、回転軸102が偏心移動する場合であっても、回転部10のパターン12と検出部20との相対的な位置関係がずれることを抑制でき、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。
【0033】
なお、本実施形態において、オルダムカップリング47は上記した構成に限定されない。例えば、基板41が中心軸AXまわりに回転するのを規制しつつ、X方向及びY方向に移動可能とする任意の構成を適用することができる。また、オルダムカップリング47において、スライダ46が基板側ハブ44及びケース側ハブ45に対してX方向及びY方向にそれぞれ移動可能であることに限定されず、XY平面において直交する二方向に移動可能に設定されたものであれば適用可能である。また、基板41は、矩形板状の部材が用いられることに限定されず、例えば円盤状のものが使用されてもよい。
【0034】
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係るエンコーダ装置200の一例を示す図である。
図2(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図2(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置200は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部140とを備えている。第2実施形態では、支持部140の構成が第1実施形態とは異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0035】
支持部140は、基板41及び接続部142を有している。基板41の構成は第1実施形態と同様である。接続部142は、基板側平行ばね144と、ケース側平行ばね145と、ばね支持部146とを有している。基板側平行ばね144は、基板41の+Z側の面に取り付けられている。基板側平行ばね144は、Y方向に延びた状態で配置されている。基板側平行ばね144は、Y方向の剛性が高く、Y方向に弾性変形をしない、またはY方向にほとんど弾性変形しないものであり、X方向に弾性変形可能である。
【0036】
ケース側平行ばね145は、蓋部32の−Z側の面に取り付けられている。ケース側平行ばね145は、X方向に延びた状態で配置されている。ケース側平行ばね145は、X方向の剛性が高く、X方向に弾性変形をしない、またはX方向にほとんど弾性変形しないものであり、Y方向に弾性変形可能である。ばね支持部146は、基板側平行ばね144とケース側平行ばね145との間に配置される。ばね支持部146は、基板側平行ばね144及びケース側平行ばね145の両方にそれぞれ固定される。
【0037】
上記のように構成されたエンコーダ装置200は、回転軸102が偏心移動する場合、この回転軸102とともに基板41が移動する点は第1実施形態と同様である。例えば、基板41が回転軸102とともにX方向に移動する場合、基板側平行ばね144がX方向に弾性変形して基板41の移動を許容する。また、例えば、基板41が回転軸102とともにY方向に移動する場合、ケース側平行ばね145がY方向に弾性変形して基板41の移動を許容する。
【0038】
また、基板側平行ばね144、ケース側平行ばね145及びばね支持部146により、基板41及び検出部20のZ方向への移動が規制される。このように、接続部143は、回転軸102が偏心移動する場合、検出部20のX方向及びY方向への移動を許容し、検出部20のZ方向への移動を規制するように、検出部20を支持する。
【0039】
したがって、検出部20は、回転軸102が偏心移動する場合、基板41と共に回転軸102と一体でX方向及びY方向に移動する。また、回転軸102が偏心移動する場合、回転部10は回転軸102と一体でX方向及びY方向に移動する。よって、回転軸102が偏心移動する場合、検出部20は、回転部10及びパターン12に追従してX方向及びY方向に移動する。このように、支持部140は、回転軸102の移動に追従して移動することにより、検出部20と回転部10のパターン12とを位置合わせする。
【0040】
以上のように、第2実施形態に係るエンコーダ装置200は、回転軸102の回転情報を精度よく取得可能である。エンコーダ装置200は、検出部20が回転軸102の中心軸AXに交差する方向(X方向、Y方向)に回転部10及び回転軸102とともに移動し、回転軸102が偏心移動する場合であっても、回転部10のパターン12と検出部20との相対的な位置関係がずれることを抑制でき、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。
【0041】
また、接続部142は、基板側平行ばね144及びケース側平行ばね145を用いるため、基板41が移動した場合は、基板側平行ばね144及びケース側平行ばね145の一方または双方が弾性変形している。従って、基板41が元の位置に戻った場合(すなわち回転軸102が元の位置に戻った場合)、基板41は、基板側平行ばね144及びケース側平行ばね145の一方または双方の弾性力により元の位置に復帰する。このように基板側平行ばね144及びケース側平行ばね145の弾性力を利用することにより、検出部20を容易に回転軸102の移動に追従させることができる。
【0042】
[第3実施形態]
図4は、第3実施形態に係るエンコーダ装置300の一例を示す図である。
図4(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図4(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置300は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部40と、シール部50と、を備えている。第3実施形態では、シール部50が設けられている点で第1実施形態と異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0043】
シール部50は、基板41と円筒部31との間に配置されている。シール部50は、ゴムまたは樹脂等の弾性変形が可能な材料を用いて形成される。シール部50は、基板41のX方向及びY方向への移動に対して弾性変形可能である。シール部50は、基板41の外周及び円筒部31の内周に隙間なく設けられる。シール部50は、ケース部30に囲まれる空間のうち、基板41の−Z側の空間を基板41の+Z側の空間に対して封止する。シール部50は、弾性変形が可能であるため、基板41がX方向及びY方向に移動した場合でも伸縮することにより上記した封止を維持することができる。
【0044】
このように、第3実施形態に係るエンコーダ装置300は、第1実施形態と同様に回転軸102の回転情報を精度よく取得可能であることに加えて、シール部50が設けられるため、オルダムカップリング47等から異物が発生した場合に、この異物が検出部20あるいはパターン12などに付着することを抑制できる。これにより、エンコーダ装置300は、高精度な回転情報の取得を長時間にわたって維持することができる。
【0045】
[第4実施形態]
図5は、第4実施形態に係るエンコーダ装置400の一例を示す図である。
図5(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図5(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置400は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部340と、を備えている。第3実施形態では、支持部340の構成が第1実施形態とは異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0046】
支持部340は、基板341と、接続部42と、ガイド部343とを有している。基板341は、例えばスケール11とほぼ同一寸法及び同一形状の円盤状に形成される。基板341は、回転軸102の+Z側に離間して、中心位置が中心軸AXに一致またはほぼ一致するように配置される。基板341は、スケール11に対してZ方向に所定間隔をあけて配置される。基板341は、スケール11と平行またはほぼ平行に配置される。基板341の−Z側の面には、検出部20が取り付けられる。基板341は、検出部20に電気的に接続される回路を有してもよい。接続部42は、基板側ハブ44が基板341の+Z側の面に固定されている。接続部42の他の構成については、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0047】
ガイド部343は、円筒状に形成される。ガイド部343は、スケール11の外縁に固定されており、スケール11と一体に回転する。また、ガイド部343の内周面は、基板341の外縁に当接している。基板341は、ガイド部343(スケール11)が回転する場合でも接続部42に保持されており回転しない。なお、ガイド部343と基板341との間に摩擦が生じるので、ガイド部343の内周面のうち基板341との当接部分は、摩擦を軽減するための構成や処理等が施されていてもよい。ガイド部343は、基板341をZ方向に支持する支持部343aを有している。この支持部343aにより、基板341とスケール11との間隔が維持される。なお、ガイド部343と駆動部101との間にも摩擦を軽減するための構成や処理等が施されていてもよい。この場合、例えば、すべり摩擦を転がり摩擦にするためにガイド部343と駆動部101との間に玉軸受のようにボールを入れてもよい。
【0048】
上記のように構成されたエンコーダ装置400は、回転軸102が偏心移動する場合、回転軸102と一体で回転部10及びガイド部343が移動する。このガイド部343の移動により、基板341が回転部10及びガイド部343とともにX方向及びY方向に移動する。このため、回転軸102が偏心移動する場合でも、この移動に追従して検出部20が同一方向に移動する。これにより、検出部20は、回転軸102が偏心移動した場合に、スケール11のパターン12に対して位置合わせされた状態が維持される。すなわち、検出部20とパターン12との位置ずれが生じるのを抑制される。
【0049】
以上のように、第4実施形態に係るエンコーダ装置400は、第1実施形態と同様に回転軸102の回転情報を精度よく取得可能である。エンコーダ装置400は、検出部20が回転軸102の中心軸AXに交差する方向(X方向、Y方向)に回転部10及び回転軸102とともに移動可能である。このため、回転軸102が偏心移動する場合であっても、回転部10のパターン12と検出部20との相対的な位置関係がずれることを抑制でき、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、ガイド部343と基板341とを摺動するようにしているがこれに限定されない。例えば、ガイド部343と基板341との間にローラまたはフリーボール等を配置して両者間の摩擦を低減してもよい。
【0051】
[第5実施形態]
図6は、第5実施形態に係るエンコーダ装置500の一例を示す図である。
図6(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図6(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置500は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部440と、を備えている。第5実施形態では、支持部440の基板441構成が第4実施形態とは異なり、他の構成については第4実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0052】
支持部440は、基板441と、接続部42と、ガイド部343と、を有している。基板441は、円板状であり、外径がスケール11よりも小径に形成される。基板441の−Z側の面には、検出部20が取り付けられる。基板441は、検出部20に電気的に接続される回路を有してもよい。基板441は、スケール11に対してZ方向に所定間隔をあけて配置される。基板441は、スケール11と平行に配置される。
【0053】
基板441の外周部には、径方向の外側に突出してガイド部343の内周面に当接する複数の突出部441aが設けられている。突出部441aは、中心軸AXの軸線周り方向に所定の間隔で複数設けられている。本実施形態では、突出部441aが中心軸AXの軸線周りの方向に等間隔で3つ設けられた構成を例に挙げているが、これに限定するものではなく、2つまたは4つ以上設けられてもよく、また、中心軸AXまわりに不等間隔に設けられてもよい。
【0054】
接続部42は、基板側ハブ44が基板441の+Z側の面に固定されている。接続部42の他の構成については、上記各実施形態と同様の構成であり、ガイド部343は第4実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0055】
上記のように構成されたエンコーダ装置500は、回転軸102が偏心移動する場合、回転軸102と一体で回転部10及びガイド部343が移動する。このガイド部343の移動により、基板441が回転部10及びガイド部343とともにX方向及びY方向に移動する。このため、回転軸102が偏心移動する場合でも、この移動に追従して検出部20が同一方向に移動する。これにより、検出部20は、回転軸102が偏心移動した場合に、スケール11のパターン12に対して位置合わせされた状態が維持される。すなわち、検出部20とパターン12との位置ずれが生じるのを抑制される。
【0056】
以上のように、第5実施形態に係るエンコーダ装置500は、第4実施形態と同様に、回転軸102の回転情報を精度よく取得可能である。また、エンコーダ装置500は、基板441とガイド部343との間が突出部441aによって部分的に当接されている。このため、基板の外縁全体がガイド部343に当接する場合に比べて、基板441とガイド部343との間の摩擦が低減される。
【0057】
なお、本実施形態では、突出部441aとガイド部343とが摺動しているが、これに限定されない。例えば、突出部441aの先端部分にローラまたはフリーボール等を配置して両者間の摩擦を低減してもよい。また、突出部441aは、Z方向から見たときに円弧状に形成されるがこれに限定されない。例えば、突出部441aは、Z方向から見て三角形状に形成されてもよい。
【0058】
[第6実施形態]
図7は、第6実施形態に係るエンコーダ装置600の一例を示す図であり、XZ平面に平行な平面による断面図である。
図7に示すように、エンコーダ装置600は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部540とを備えている。第6実施形態では、支持部540の構成が第1実施形態とは異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0059】
支持部540は、基板541と、接続部42と、調心軸受543と、弾性部材551と、支持板552と、ギャップ用軸受553と、吸収部554と、を有している。基板541は、円盤状に形成されている。基板541の−Z側の面には、検出部20が取り付けられる。基板541は、検出部20に電気的に接続される回路を有してもよい。基板541は、後述するギャップ用軸受553により、スケール11に対してZ方向に所定間隔をあけて、スケール11と平行に配置される。
【0060】
基板541は、中心が中心軸AXにほぼ一致するように配置され、中央部が開口されている。基板541の開口部分には、円筒状の軸受支持部541aを備えている。接続部42は、基板側ハブ44が基板541の+Z側の面に固定されている。また、接続部42は、ケース側ハブ46が吸収部554を介してケース部30の蓋部に固定されている。接続部42の他の構成については、上記各実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0061】
調心軸受543は、内輪が回転軸102に取り付けられ、かつ、外輪が軸受支持部541aに固定されている。したがって、基板541は、調心軸受543を介して回転軸102に保持され、かつ、回転軸102が回転した場合でも回転しない。また、調心軸受543により、基板541は、中心軸AXと直交する平面に対して傾斜する方向に移動可能である。
【0062】
弾性部材551は、例えばコイルスプリング等が用いられ、基板541と支持板552との間に配置される。支持板552は、例えば円板状に形成され、例えばケース部30の円筒部31に固定される。支持板552の中央部には、開口部552aが形成されている。開口部552aは、少なくとも回転軸102の径よりも大きい径である。開口部552aは、
図7に示すように、例えば軸受支持部541aの外径よりも大きい径であってもよい。例えば弾性部材551は、基板541に対して−Z方向に弾性力を作用させることで、当該弾性力により基板541を回転部10側に押し付ける。なお、弾性部材551の個数または配置は任意である。
【0063】
ギャップ用軸受553は、基板541とスケール11との間に配置される。ギャップ用軸受553は、基板541とスケール11とのZ方向の間隔を保持する。ギャップ用軸受553は、基板541に対してスケール11を回転可能に支持する。ギャップ用軸受553は、例えば、中心軸AXまわりの3カ所に配置されるが、基板541とスケール11との間隔を保持することができれば個数または配置は任意である。
【0064】
吸収部554は、例えばゴム等の弾性変形可能な材料を用いて形成される。吸収部554は、オルダムカップリング47のZ方向への移動または傾きを吸収するものとして用いられる。ただし、吸収部554を配置するか否かは任意であり、吸収部554はなくてもよい。なお、吸収部554を配置しない場合、オルダムカップリング47のZ方向への移動または傾きは、オルダムカップリング47内で吸収させてもよい。
【0065】
図8(A)は、エンコーダ装置600の回転軸102が傾斜する状態を示す図である。
図8(A)では、一部の構成を省略して表している。
図8(A)に示すように、エンコーダ装置600は、回転軸102が傾斜する場合、当該回転軸102と一体でスケール11が傾斜する。このとき、基板541は、弾性部材551の弾性力によりスケール11側に押し付けられ、かつ、ギャップ用軸受553によってスケール11と同様に傾斜する。
【0066】
基板541が傾くことより、オルダムカップリング47も傾くが、この傾きを吸収部554が変形することにより吸収する。なお、基板541は、ギャップ用軸受553によりスケール11との間隔が保持される。この場合、弾性部材551の弾性力により基板541がスケール11側に押し付けられるため、基板541がギャップ用軸受553に対して+Z側に離れることを抑制できる。このように、スケール11と検出部20との間の相対的な位置関係が保持される。したがって、回転軸102がZ方向から傾いた状態でも検出部20が正確にパターン12を読み取るので、検出誤差を抑制することができる。
【0067】
図8(B)は、エンコーダ装置600の回転軸102が中心軸AXの軸線方向に移動する状態を示す図である。
図8(B)では、
図8(A)と同様に、一部の構成を省略している。
図8(B)に示すように、エンコーダ装置600は、回転軸102が中心軸AXの軸線方向に移動した場合、弾性部材551及びギャップ用軸受553によって回転部10のZ方向の移動に追従して基板541もZ方向に移動する。このとき、オルダムカップリング47もZ方向に移動するが、この移動を吸収部554が変形することにより吸収する。このように、スケール11と検出部20との間の相対的な位置関係が保持される。したがって、回転軸102がZ方向に移動した状態でも検出部20が正確にパターン12を読み取るので、検出誤差を抑制することができる。
【0068】
また、図示しないが、回転軸102が傾斜せずに、基板541が中心軸AXと直交する平面(XY平面)に対して傾く場合がある。基板541は、調心軸受543で支持されているので回転軸102に対してZ方向に揺動可能である。したがって、基板541が回転軸102に対して傾いた場合であっても、上記した
図8(A)と同様に、弾性部材551及びギャップ用軸受553によって回転部10の傾きに追従して基板541も傾いた状態となる。これにより、スケール11と検出部20との間の相対的な位置関係が保持され、回転部10が傾いた状態でも検出部20が正確にパターン12を読み取るので、検出誤差を抑制することができる。
【0069】
以上のように、第6実施形態に係るエンコーダ装置600は、第1実施形態と同様に、回転軸102の回転情報を精度よく取得可能である。エンコーダ装置600は、回転軸102がZ方向に対して傾斜する場合、または回転軸102がZ方向に移動する場合、回転部10が回転軸102に対して傾く場合であっても、検出部20が回転部10に追従して移動するため、回転部10のパターン12と検出部20との相対的な位置関係がずれることを抑制し、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。なお、第6実施形態では、調心軸受543を用いているがこれに限定されず、他の形態の軸受を用いてもよい。
【0070】
[第7実施形態]
図9は、第7実施形態に係るエンコーダ装置700の一例を示す図である。
図9(A)はXZ平面に平行な平面による断面図、(B)は−Z方向に見たときの平面図である。
図6(A)及び(B)に示すように、エンコーダ装置700は、回転部10と、検出部20と、ケース部30と、支持部640と、を備えている。第7実施形態では、支持部640の構成が第1実施形態とは異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0071】
支持部640は、複数の駆動素子641と、素子支持部642と、を有している。駆動素子641は、それぞれ検出部20に取り付けられる。駆動素子641としては、例えば圧電素子等が用いられる。複数の駆動素子641は、検出部20をX方向、Y方向、Z方向、X方向を軸とする回転方向、Y方向を軸とする回転方向、及びZ方向を軸とする回転方向に移動させることができるように配置される。駆動素子641のそれぞれは、例えば制御部650によって駆動量または駆動タイミング等が制御される。駆動素子641は、素子支持部642を介してケース部30の円筒部31や蓋部32に支持される。
【0072】
なお、
図9(A)に示すように、エンコーダ装置700は、回転軸102の偏心移動、傾斜、Z方向への移動を検出して検出結果を制御部650に出力するセンサ651を備えてもよい。センサ651は、回転軸102に代えて回転部10の一部を検出することにより回転軸102の偏心移動等を検出してもよい。
【0073】
制御部650は、センサ651の検出結果に基づいて駆動素子641を駆動し、検出部20を移動させて回転部10のパターン12と検出部20との相対位置が変動しないように制御する。なお、センサ651を配置するか否かは任意である。センサ651がない場合、制御部650は、不図示の記憶部に記憶された制御内容に基づいて各駆動素子641を駆動してもよい。また、制御部650は、例えば、検出部20における検出結果に基づいて、パターン12のうちインクリメンタルパターンとアブソリュートパターンとの位相差から回転軸102の偏心移動等を算出し、この算出結果を用いて各駆動素子641を駆動してもよい。
【0074】
以上のように、第7実施形態に係るエンコーダ装置700は、回転情報を精度よく取得可能である。エンコーダ装置700は、駆動素子641及び制御部650により、検出部20を回転軸102(回転部10)の移動に追従させることができる。このため、回転部10のパターン12と検出部20との相対的な位置関係がずれることを抑制し、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。
【0075】
[駆動装置]
次に、駆動装置について説明する。
図10は、駆動装置MTRの一例を示す図である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。この駆動装置MTRは、電動モータを含むモータ装置である。駆動装置MTRは、回転軸102と、回転軸102を回転駆動する本体部(駆動部)BDと、回転軸102の回転情報を検出するエンコーダ装置ECと、本体部BDを制御する制御部MCと、を備える。
【0076】
回転軸102は、負荷側端部SFaと、反負荷側端部SFbとを有する。負荷側端部SFaは、減速機など他の動力伝達機構に接続される。反負荷側端部SFbには、スケール(図示せず)が固定される。エンコーダ装置ECは、上述した実施形態で説明したエンコーダ装置である。
【0077】
この駆動装置MTRは、エンコーダ装置ECの検出結果を使って、制御部MCが本体部BDを制御する。駆動装置MTRは、誤差が抑制された回転情報を用いて本体部BDを制御するので、回転軸102の回転位置を精度よく制御することができる。駆動装置MTRは、モータ装置に限定されず、油圧や空圧を利用して回転する軸部を有する他の駆動装置であってもよい。
【0078】
[ステージ装置]
次に、ステージ装置について説明する。
図11は、ステージ装置STGを示す図である。このステージ装置STGは、
図10に示した駆動装置MTRの回転軸102のうち負荷側端部SFaに、回転テーブル(移動物体)TBを取り付けた構成である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0079】
ステージ装置STGは、駆動装置MTRを駆動して回転軸102を回転させると、この回転が回転テーブルTBに伝達される。その際、エンコーダ装置ECは、回転軸102の回転情報(例、回転位置)等を検出する。従って、エンコーダ装置ECからの出力を用いることにより、回転テーブルTBの角度位置を検出することができる。なお、駆動装置MTRの負荷側端部SFaと回転テーブルTBとの間に減速機等が配置されてもよい。
【0080】
このようにステージ装置STGは、エンコーダ装置ECが出力する回転情報において誤差が抑制されるので、回転テーブルTBの位置を精度よく制御することができる。なお、ステージ装置STGは、例えば、マシニングセンタ等の工作機械に備える回転テーブル等に適用できる。
【0081】
[ロボット装置]
次に、ロボット装置について説明する。
図12は、ロボット装置RBTを示す斜視図である。なお、
図12には、ロボット装置RBTの一部(関節部分)を模式的に示した。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。このロボット装置RBTは、第1アームAR1と、第2アームAR2と、関節部JTとを有している。第1アームAR1は、関節部JTを介して、第2アームAR2と接続されている。
【0082】
第1アームAR1は、腕部104、軸受104a、及び軸受104bを備えている。第2アームAR2は、腕部105および接続部105aを有する。接続部105aは、関節部JTにおいて、軸受104aと軸受104bの間に配置されている。接続部105aは、回転軸SF2と一体的に設けられている。回転軸SF2は、関節部JTにおいて、軸受104aと軸受104bの両方に挿入されている。回転軸SF2のうち軸受104bに挿入される側の端部は、軸受104bを貫通して減速機RGに接続されている。
【0083】
減速機RGは、駆動装置MTRに接続されており、駆動装置MTRの回転を例えば100分の1等に減速して回転軸SF2に伝達する。
図12に図示しないが、駆動装置MTRの回転軸102のうち負荷側端部は、減速機RGに接続されている。また、駆動装置MTRの回転軸102のうち反負荷側端部には、エンコーダ装置ECのスケール(図示せず)が取り付けられている。
【0084】
ロボット装置RBTは、駆動装置MTRを駆動して回転軸102を回転させると、この回転が減速機RGを介して回転軸SF2に伝達される。回転軸SF2の回転により接続部105aが一体的に回転し、これにより第2アームAR2が、第1アームAR1に対して回転する。その際、エンコーダ装置ECは、回転軸102の回転情報(例、回転位置等)を検出する。従って、エンコーダ装置ECからの出力を用いることにより、第2アームAR2の角度位置を検出することができる。
【0085】
このようにロボット装置RBTは、エンコーダ装置ECが誤差を抑制した回転情報を出力するので、第1アームAR1と第2アームAR2との相対位置を精度よく制御することができる。なお、ロボット装置RBTは、上記の構成に限定されず、駆動装置MTRは、関節を備える各種ロボット装置に適用できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。
【0087】
また、上記した実施形態は、検出部20が1つであるがこれに限定されない。例えば、2つ以上の検出部20が配置されてもよい。この場合、各検出部20は同じ支持部40(基板41)等に支持されてもよく、また、別に形成された支持部(基板)に支持されてもよい。
【0088】
また、上記した実施形態は、回転軸102に取り付けられた回転部10(スケール11)のパターン12を、ケース部30に保持された検出部20により検出する構成を示しているが、これに限定されない。例えば、検出部20が回転部10に固定され、パターン12が支持部40の基板41等に形成されたものでもよい。この場合であっても、回転軸102が移動するとパターン12も移動し、検出部20がパターン12の移動に追従することとなる。したがって、検出部20とパターン12との相対的な位置が変動しないので、回転軸102(回転部10)の回転情報を誤差なく取得することができる。