(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態を説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0013】
[表示装置付きミラー]
図1は、実施形態における表示装置付きミラー100を例示する図である。また、
図2は、
図1のA−A断面概略図である。なお、
図1及び
図2において、X方向は表示装置付きミラー100の幅方向、Y方向は表示装置付きミラー100の厚さ方向、Z方向は表示装置付きミラー100の高さ方向である。
【0014】
本実施形態の表示装置付きミラー100は、
図1に示すように、正面図において、透光部1と鏡面部2とを有する。本実施形態の表示装置付きミラー100は、
図2に示すように、一方の面に金属薄膜20を有し、他方の面に透光部1を有するように遮光部40が形成されている透明面材10を有し、透明面材10の他方の面には前記透光部1に対応する位置に粘着層11を介して表示装置30の画像を表示する表示部が接合されている。
【0015】
本実施形態の表示装置付きミラー100は、透明面材10の一方の面に金属薄膜20を設け、他方の面に遮光部40を設けている領域において、表示装置のオン時およびオフ時に鏡面部2となる。そして、本実施形態の表示装置付きミラー100は、表示装置30のオン時には、透光部1に表示画像が表示され、表示装置30のオフ時には、透光部1が鏡面となる。その結果、表示装置のオフ時には、透光部1と鏡面部2との境界が視認されず、一体のミラーが得られる。
【0016】
なお、以下において、透明面材10の表示装置30を設けた面を背面、透明面材10の金属薄膜20を設けた面を前面として説明する。
【0017】
<透明面材>
透明面材10は、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス等の無機ガラス、もしくはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等からなる透明樹脂である。また、透明面材10は、複数のガラス板が中間膜で貼り合わされた合わせガラス、またはガラス板と透明樹脂もしくは透明樹脂と透明樹脂とが中間膜で貼り合わされた積層体であってもよい。合わせガラス及び積層体に用いられる中間膜は公知の材料を使用できる。例えば、PVB(ポリビニルブチラール)やEVA(エチレンビニルアセテート)等が挙げられる。
【0018】
なお、合わせガラスおよび積層体を構成する無機ガラスおよび透明樹脂の数は限定されない。例えば、3枚の無機ガラスを有する合わせガラスでもよい。
【0019】
透明面材10が無機ガラスである場合には、例えば化学強化処理又は物理強化処理等の表面強化処理が施されていてもよい。
【0020】
本実施形態における透明面材10は矩形であるが、矩形以外の任意の形状であってもよい。また、透明面材10の厚さは、例えば2〜6mmである。
【0021】
透明面材10は、金属薄膜20及び遮光部40を有し、遮光部40が透光部1を形成するように設けられている。金属薄膜20及び遮光部40は、透明面材10の同一の面上に設けられてもよく、それぞれ異なる面上に設けられてもよい。透光部1と鏡面部2との境界の視認性を低減するために、遮光部40が金属薄膜20と表示装置30との間に形成されていることが好ましい。
【0022】
<金属薄膜>
透明面材10の一面には、金属薄膜20が設けられている。透明面材10の一面に金属薄膜20を設けることで、透明面材10を単独で用いた場合よりも可視光線(光の波長が400〜600nmの範囲。以下同じ。)が反射される。そして、透明面材10の背面に遮光部40を設けると、透明面材10に鏡面部2が形成される。
【0023】
金属薄膜20は透明面材10の前面(表示部と対向しない面)に設けることが好ましい。これにより、可視光線を反射する効果がより顕著になり、表示装置付きミラーの意匠性が向上する。
【0024】
金属薄膜20は、金属、金属酸化物または金属窒化物の膜である。金属薄膜は、単一の膜からなってもよく、複数の膜で構成されてもよい。金属薄膜20は、透明面材10の表面に直接形成してもよく、金属薄膜20を有するフィルムを透明面材10に粘着層で貼合して形成してもよい。この場合の粘着層は限定されない。
【0025】
金属薄膜20の可視光線の平均反射率は、例えば10〜90%である。前記平均反射率は、反射像を鮮明にする場合には50%超で90%以下が好ましく、表示装置30の透過像を鮮明にしたい場合には、20〜50%が好ましい。平均反射率が20〜50%の範囲にあれば、表示装置30がオフ時の透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーにできる。表示装置30のオン時に透光部1で鮮明な表示画像を表示でき、表示装置30のオフ時に透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーが得られる点で、金属薄膜20の可視光線の平均反射率は、25〜45%がより好ましく、30〜40%がさらに好ましい。ここで、像再現性に優れたミラーとは、ミラー面に像の存在を確認できる程度では無く、像の色と形状が明確に理解できる程度の再現性をいう。
【0026】
金属薄膜20は、可視光線の平均透過率が高いことが好ましく、赤外線(光の波長が800〜2000nmの範囲。以下同じ。)を反射する膜であることが好ましい。可視光線の平均透過率を高くすることで、透明面材10の背面(表示部と対向する面)に粘着層11を介して接合されている表示装置30から出射された光を十分に透過できて、鮮明な像を表示できる。また、赤外線の反射率を高くすることで、外部の熱が透明面材10から内部へと伝わらず、表示装置30の熱損傷を低減できる。
【0027】
金属薄膜20の可視光線の平均透過率は、50%以上が好ましい。平均透過率が50%以上であれば、表示装置30がオン時の透光部1で鮮明な表示画像を表示できる。表示画像の鮮明性を向上させる点で、平均透過率は55%以上がより好ましく、60%以上がより好ましい。一方で、表示装置30がオフ時の透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーを得るためには、金属薄膜20の可視光線の平均透過率は80%以下が好ましい。
【0028】
金属薄膜20の赤外線の平均反射率は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。赤外線の平均反射率が5%以上であれば、表示装置30の熱損傷を低減できる。
【0029】
金属薄膜20の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、湿式コーティング法等が挙げられる。金属薄膜20で使用される材料に応じて適切な成膜方法を採用すればよい。なお、上記した成膜方法は、透明面材10に直接成膜する場合および、フィルムに成膜する場合で同様である。
【0030】
金属薄膜20の金属材料としては、Si、Sn、Zn、Al、Ti、InまたはCrが好ましい。金属酸化物は上記した金属の酸化物が好ましい。金属窒化物は、上記した金属の窒化物が好ましい。金属薄膜20の典型的な材料としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、Al、コバルト酸化物が挙げられる。
【0031】
金属薄膜20の膜厚は全体で、50〜500nmが好ましく、100〜200nmがより好ましい。複数の金属薄膜で構成される場合、各金属薄膜の膜厚は自由に設定できるが、全体の膜厚を上記した範囲とすることが好ましい。
【0032】
金属薄膜20の表面(透明面材10を設けていない側の面)には、金属薄膜20の前記した分光特性を低減させない範囲で樹脂薄膜(図示しない)を設けてもよい。樹脂薄膜をもうけることで、防汚性能や易清浄性を付与できるため好ましい。樹脂薄膜としては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。フッ素樹脂の樹脂薄膜層を設けると、樹脂薄膜は蒸着法、前記した樹脂からなるフィルムを粘着層により貼合して形成できる。
【0033】
<遮光部>
透明面材10の一面には、透光部1を有するように遮光部40が形成されている。遮光部40が形成されていない領域は、透明面材10の前面側から視認した際に透光部1となる。そして、遮光部40が形成された領域は、透明面材10の前面側から視認した際に鏡面部2となる。
【0034】
遮光部40は、透明面材10の背面(表示部と対向する面)に設けることが好ましい。これにより、遮光部40と透光部1との境界部がより目立たなくなり、意匠性が向上する。
【0035】
遮光部40の色は、表示装置30のオフ時の表示面の色と近い色が好ましい。この構成をとることにより、表示装置30のオフ時に透光部1と鏡面部2との境界がさらに不鮮明になる。その結果、表示装置付きミラー100の透光部1と鏡面部2とが一体のミラーが得られる。
【0036】
表示装置30が液晶表示装置の場合、表示面は黒色に近い色であるため、遮光部40は黒色が好ましい。
【0037】
遮光部40は、可視光線(光の波長が400〜600nm)の平均透過率が1%以下であることが好ましく、実質的に0%がより好ましい。遮光部40の平均透過率が1%以下であれば、透明面材10の前面側から視認した際に背面を視認できず、鏡面として十分に機能する。
【0038】
透光部1の形状は矩形に限定されず、表示装置の大きさ、表示装置の表示像等に応じて自由に変更できる。
【0039】
遮光部40の形成方法としては、透明面材10に直接形成する方法、遮光部を有する面材を透明面材10に貼合して形成する方法、可視光線の平均透過率が上記した範囲の樹脂フィルムを貼合する方法等が挙げられる。
【0040】
透明面材10に直接形成する方法としては、例えばセラミック顔料を含む塗料を用いたスクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
【0041】
遮光部を有する面材を透明面材10に貼合して形成する方法としては、前記した方法で他の面材に遮光部を形成し、他の面材と透明面材10とをPVB(ポリビニルブチラール)等を介して貼合する方法が挙げられる。
【0042】
可視光線の平均透過率が上記した範囲の樹脂フィルムを貼合する方法としては、例えば、黒色のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを粘着層により透明面材10に貼合する方法が挙げられる。
【0043】
透明面材10の透光部1の数、透光部1を設ける位置、面積、形状は限定されない。したがって、表示装置付きミラー100の遮光部40は、透光部1の数、位置、面積および形状等の所望の設計に応じた形となるように形成される。
【0044】
<表示装置>
透明面材10の透光部1に対応する位置の背面には、粘着層11を介して表示装置30の画像を表示する表示部が接合されている。表示装置30は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等である。表示装置30は、例えば不図示の記憶装置に記憶されている画像や、ネットワークを介して接続するコンピュータやサーバ等から送信される画像を表示する。
本実施形態の表示装置付きミラー100では、表示装置30として、液晶ディスプレイ装置を使用している。液晶ディスプレイ装置においては、表示パネル31が粘着層11を介して透明面材10に接合している。そして、表示パネル31の背面側にバックライト32が配置される。
【0045】
本実施形態の表示装置付きミラー100は、表示装置30の画像を表示する表示部と透明面材10とが粘着層11を介して接合されているので、透明面材10の透光部1の背面において、表示装置30で表示される表示像が反射されにくくなる。その結果、表示装置30のオン時において、透明面材10の前面側に鮮明な表示画像を表示できる。
【0046】
表示装置30の画像を表示する表示部の面積は、透光部1の面積よりも大きいことが好ましい。この場合、表示部の外周縁が遮光部40に重複するように設けられている。この構成をすると、透明面材10の前面から表示部の外周縁が見えなくなることで、透光部1に表示される画像が、透明面材10の前面側に浮き上がって見える効果が得られる。
【0047】
表示装置30は、表示パネル31とバックライト32とを保護する筺体を有してもよい。筺体は、粘着層11とは別の粘着層(図示しない)を介して遮光部40に接合されることが好ましい。これにより、透明面材10の前面側から表示装置付きミラー100を見ても、筺体と透明面材10との接合部分は確認できず、意匠性に優れる。
【0048】
<粘着層>
本実施形態の表示装置付きミラー100は、表示装置30の画像を表示する表示部と透明面材10の透光部1とが粘着層11を介して接合されている。この構成により、表示装置付きミラー100は、表示装置30のオフ時には、透光部1が鏡面となり透光部1と鏡面部2との境界が不鮮明となる。その結果、表示装置30のオフ時には、表示装置付きミラー100は一体のミラーとして機能する。さらに、表示装置30のオン時には、透明面材10の透光部1の背面において、表示画像の反射が低減される。その結果、表示装置30のオン時において、透明面材10の前面側に鮮明な表示画像を表示できる。さらに、透光部1を通過する表示画像の光の強度が低下しにくいので、表示装置30の光の強度を高くする必要がない。そのため、表示装置30の光の強度を高くすることによる発熱や電力消費を低減できる。
【0049】
粘着層11は、25℃で1Hzにおける貯蔵せん断弾性率G’が、10
3Pa〜10
7Paであることが好ましい。貯蔵せん断弾性率G’がこの範囲にあれば、粘着層11と透明面材10および表示装置30とが十分に濡れて、かつ、粘着層11の形状が維持されるので、表示装置30と透明面材10とを強固に固定できる。粘着層11の貯蔵せん断弾性率G’は、10
4Pa〜10
6Paであることがより好ましく、貯蔵せん断弾性率G’が10
4Pa〜10
5Paであることがさらに好ましい。
【0050】
粘着層11の厚さは、例えば0.03mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜1mmがより好ましい。粘着層11の厚さが0.03mm以上であれば、透明面材10の前面側から外力等が加わった際に、粘着層11が外力による衝撃を十分に低減し、表示装置30を保護できる。また、表示装置30と透明面材10との間に、粘着層11の厚さ未満の寸法の異物が混入しても、粘着層11の厚さが変化しないため、異物混入による視認性への影響が抑制される。さらに、表示装置30の表示部の視認性を確保する観点から、粘着層11の厚さは2mm以下であることが好ましい。
【0051】
[他の表示装置付きミラーの例]
図3A及び
図3Bは、透明面材10として前記無機ガラス又は透明樹脂の一枚を用いた例の断面図である。
図4A〜
図4Jは、透明面材10として合わせガラス又は積層体を用いた例の断面図である。本発明の表示装置付きミラーは、これらのような形態とすることができる。
【0052】
図3Aに示す表示装置付きミラー101Aは、透明面材10の前面に金属薄膜20と遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、透明面材10の背面は、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0053】
図3Bで示す表示装置付きミラー101Bは、透明面材10の背面に金属薄膜20と遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、透明面材10の背面は粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0054】
図4A〜
図4Jは透明面材10として、第1のガラス板と第2のガラス板をPVB(ポリビニルブチラール)の中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスを用いた例である。以下の説明では、透明面材10の前面(表示部と対向しない面)のガラス板を第1のガラス板10Aとし、透明面材10の背面(表示部と対向する面)のガラス板を第2のガラス板10Bとして説明する。
【0055】
図4Aに示す表示装置付きミラー102Aは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接しない面に金属薄膜20と遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、透明面材10の第2のガラス板10Bは、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0056】
図4Bに示す表示装置付きミラー102Bは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接しない面に金属薄膜20を有し、中間膜13と接する面に遮光部40を有している。そして、透明面材10の第2のガラス板10Bは、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0057】
図4Cに示す表示装置付きミラー102Cは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接しない面に金属薄膜20を有している。そして、透明面材10の第2のガラス板10Bの中間膜13と接する面に遮光部40を有し、中間膜13と接しない面は、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0058】
図4Dに示す表示装置付きミラー102Dは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接しない面に金属薄膜20を有している。そして、透明面材10の第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面に遮光部40を有し、同じ面が粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0059】
図4Eに示す表示装置付きミラー102Eは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接する面に金属薄膜20および遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、透明面材10の第2のガラス板10Bは、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0060】
図4Fに示す表示装置付きミラー102Fは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接する面に金属薄膜20を有している。そして、第2のガラス板10Bの中間膜13と接する面に遮光部40を有し、中間膜13と接しない面は、粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0061】
図4Gに示す表示装置付きミラー102Gは、透明面材10の第1のガラス板10Aの中間膜13と接する面に金属薄膜20を有している。そして、第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面に遮光部40を有し、同じ面が粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0062】
図4Hに示す表示装置付きミラー102Hは、透明面材10の第2のガラス板10Bの中間膜13と接する面に金属薄膜20と遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面は粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0063】
図4Iに示す表示装置付きミラー102Iは、透明面材10の第2のガラス板10Bの中間膜13と接する面に金属薄膜20を有し、中間膜13と接しない面に遮光部40を有している。そして、第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面は粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0064】
図4Jに示す表示装置付きミラー1−2Jは、透明面材10の第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面に金属薄膜20と遮光部40を有する。遮光部40は、金属薄膜20と表示装置30との間に形成されている。そして、第2のガラス板10Bの中間膜13と接しない面は粘着層11を介して表示装置30の表示部と接合されている。
【0065】
以上、実施形態に係る表示装置付きミラーについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【0066】
[従来の表示装置を有するミラー]
図5に従来の表示装置を有するミラー200の断面概略図を示す。
図5に示すように、従来の表示装置を有するミラー200は、一方の面に金属薄膜20を有し、他方の面に透光部1が設けられるように遮光部40が形成されている透明面材10を有し、透明面材10の他方の面には前記透光部1に対向して表示装置30が配置されている。
【0067】
表示装置を有するミラー200は、表示装置30の筺体の周辺部が図示しない粘着層により遮光部40と接合されているので、透光部1の背面側と表示装置30との間には空気層12ができる。この構成では、表示装置30のオフ時には、透光部1と鏡面部2との境界が鮮明となる。その結果、表示装置を有するミラー200は、表示装置30のオフ時には、透光部1と鏡面部2とが鮮明になり、意匠性が低い。さらに、この構成では、表示装置30のオン時には、透光部1の背面および表示装置30の前面で多重反射が起こる。その結果、表示装置を有するミラー200は、表示装置30のオン時には、透明面材10の前面側から視認した際に表示画像が不鮮明になる。また、表示画像の光の強度を高くするためには、表示装置30の光の強度を高くする必要がある。
【0068】
<表示装置付きミラーの設置例>
本実施形態における表示装置付きミラー100は、例えば店舗の間仕切りや柱等に設けられ、顧客が表示装置30に表示される商品の情報や売り場案内等を取得するのに用いることができる。さらに、衣料品店に設けられる場合には、顧客が色やデザインの異なる様々な商品を試着した姿を仮想的に表示装置30に表示し、顧客に様々な商品を試着した姿を確認させることができる。また、衣料品店の試着室に設けられる場合には、カメラにより試着している顧客の後ろ姿を撮影して表示装置30に表示し、顧客に商品を試着した後ろ姿を確認させることができる。なお、表示装置付きミラー100の用途は上記例に限られるものではない。
【0069】
以上で説明したように、本実施形態の表示装置付きミラー100によれば、表示装置30が透明面材10の透光部1の背面に粘着層11を介して接合されることで、表示装置30に表示される画像の視認性が向上する。
【0070】
本国際出願は、2015年4月21日に出願された日本国特許出願2015−087075号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2015−087075号の全内容を本国際出願に援用する。