(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータに、撮影部の撮影画像内からマーカを検出させ、当該マーカに基づき所与のオブジェクトを登場させた仮想空間の画像を、前記撮影画像に合成して表示部に表示させてユーザのプレイするゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記撮影画像に映された対象マーカを用いて前記仮想空間を設定する仮想空間設定手段、
前記撮影画像に映された基準マーカを用いて、前記仮想空間における前記撮影部側からのアクション方向を決定して所与のアクションを実行するアクション実行制御手段、
前記仮想空間における前記アクションの結果に基づいて、前記ゲームを進行制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
前記アクション実行制御手段は、所与の飛翔体オブジェクトが前記装置の所定の発射部位又は当該発射部位の近傍位置から前記アクション方向に沿って飛翔するように制御する、
請求項3〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のARを利用したシューティングゲームは、主にARマーカでアクション対象(例えばシューティングゲームであれば攻撃対象)を出現させる形態であり、ユーザは基本的に大きく移動しない或いは同じ位置でプレイすることを前提としていた。そのため、アクション対象のARマーカのみを配置するという技術であった。
【0007】
本発明は、アクション対象を出現させるための第1のARマーカの他に第2のARマーカを使用した従来にないARゲームを実現するための技術を提供するために考案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための第1の発明は、コンピュータに、撮影部の撮影画像内からマーカを検出させ、当該マーカに基づき所与のオブジェクトを登場させた仮想空間の画像を、前記撮影画像に合成して表示部に表示させてゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記撮影画像に映された対象マーカを用いて前記仮想空間を設定する仮想空間設定手段(例えば、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、仮想3次元空間設定部214、
図20のステップS12)、
前記撮影画像に映された基準マーカを用いて、前記仮想空間における前記撮影部側からのアクション方向を決定して所与のアクションを実行するアクション実行制御手段(例えば、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、アクション実行制御部218、
図16のアクション方向ベクトル740、
図20のステップS14)、
前記仮想空間における前記アクションの結果に基づいて、前記ゲームを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、ゲーム進行制御部222、
図20のステップS20)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
第1の発明によれば、アクション対象を出現させるための第1のARマーカである対象マーカの他に、第2のARマーカである基準マーカを用いる。この基準マーカによって、撮影部側からのアクション方向が決定されて所与のアクションが実行される。このため、従来にないARゲームを実現できる。
【0010】
第2の発明は、ゲームプレイを行うプレイ空間に前記対象マーカが配置され、前記ゲームプレイにおいて、前記撮影部および前記表示部を備える装置(例えば、
図2の銃型コントローラ5)と、前記基準マーカとを前記ユーザが具備し、前記コンピュータは前記装置に備えられ或いは前記装置とは別体として構成された、第1の発明のプログラムである。
【0011】
第2の発明によれば、ユーザが撮影部および表示部を備える装置と、基準マーカとを具備してプレイする新しいスタイルのARゲームを実現できる。
【0012】
第3の発明は、前記基準マーカが、前記撮影部の撮影範囲内に位置する前記装置の所定位置に設けられ、前記アクション実行制御手段は、前記撮影部と前記基準マーカとの物理的な位置関係、並びに、前記撮影画像中の前記基準マーカの位置及び大きさを用いて前記アクション方向を決定する、第2の発明のプログラムである。
【0013】
第3の発明によれば、基準マーカも装置に設けられて、しかも、撮影部の撮影範囲内に位置する所定位置に設けられる。したがって、対象マーカを認識する同じ撮影画像で基準マーカをも認識することができる。よって、基準マーカに基づくアクション方向の決定を比較的容易に実現し、ユーザが装置を持ってプレイ空間を移動しながらプレイする場合にも、プレイ空間と仮想空間との対応関係を比較的簡単に把握・追尾することが可能となる。
【0014】
第4の発明は、前記撮影部と前記基準マーカとの物理的な位置関係は、前記撮影部による撮影画像の縁部に前記基準マーカが映る位置関係である、第3の発明のプログラムである。
【0015】
第4の発明によれば、基準マーカが撮影される撮影画像中の位置は、撮影画像の縁部のため、ゲームプレイの邪魔にはなることはない。
【0016】
第5の発明は、前記撮影画像に映っている前記基準マーカの画像部分を隠す表示制御を行う隠蔽表示制御手段(例えば、
図8の隠蔽オブジェクト20、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、隠蔽表示制御部220、
図20のステップS42)、として前記コンピュータを更に機能させるための第3又は第4の発明のプログラムである。
【0017】
第5の発明によれば、ゲーム画面に基準マーカが映らないように隠すことができる。
【0018】
第6の発明は、前記隠蔽表示制御手段が、ゲーム進行上の情報を表示する情報表示体(例えば、
図8の情報表示体21)、を前記基準マーカの画像部分に表示させる、第5の発明のプログラムである。
【0019】
第6の発明によれば、基準マーカを単に隠すだけでなく、情報表示体で隠すことができるため、基準マーカを表示させないことと、ゲーム進行上の情報を表示することとの一石二鳥となる。
【0020】
第7の発明は、前記アクション実行制御手段が、所与の飛翔体オブジェクトが前記装置の所定の発射部位又は当該発射部位の近傍位置から前記アクション方向に沿って飛翔するように制御する、第3〜第6の何れかの発明のプログラムである。
【0021】
第7の発明によれば、アクション方向に飛翔体オブジェクトを飛ばすARゲームを実現できる。例えば、飛翔体オブジェクトを銃弾に相当するオブジェクトとすれば、ARシューティングゲームが実現できる。
【0022】
第8の発明は、前記装置が、前記撮影部が前記ユーザの頭部正面方向を撮影し、前記表示部がHMD(Head Mounted Display)である頭部装着型の装置であり、前記基準マーカが、前記ユーザが把持する把持体(例えば、
図22の剣型コントローラ8)に設けられており、前記基準マーカの位置をトラッキングするトラッキング制御手段(例えば、
図22のサーバシステム1100、制御基板1150)、として前記コンピュータを更に機能させ、前記アクション実行制御手段は、前記トラッキングされた前記基準マーカの位置変化に基づいて、前記アクション方向を決定する、第2の発明のプログラムである。
【0023】
第8の発明によれば、ユーザが頭部に撮影部を備えたHMDを装着し、基準マーカを備えた把持体を具備してプレイする新しいスタイルのARゲームを実現できる。
【0024】
第9の発明は、前記アクション実行制御手段が、所与の飛翔体オブジェクトを前記アクション方向に沿って飛翔させる制御を行う、第1〜第6及び第8のうちの何れかの発明のプログラムである。
【0025】
第9の発明によれば、アクション方向に飛翔体オブジェクトを飛ばすARゲームを実現できる。例えば、飛翔体オブジェクトを銃弾に相当するオブジェクトとすれば、ARシューティングゲームが実現できる。
【0026】
第10の発明は、前記基準マーカが複数種類有り、前記アクション実行制御手段が、前記撮影画像中の前記基準マーカの種類に応じて、前記アクションを変更する、第1〜第9の何れかの発明のプログラムである。
【0027】
第10の発明によれば、ユーザはゲーム中のアクションを、基準マーカの種類を変更することで変更することができるようになる。
【0028】
第11の発明は、前記仮想空間中に所与の攻撃対象オブジェクトを登場させ、前記撮影画像に映された前記対象マーカから前記基準マーカに向かって移動させる対象オブジェクト制御手段(例えば、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、対象オブジェクト制御部216、
図20のステップS42)として前記コンピュータを更に機能させ、前記アクション実行制御手段は、前記攻撃対象オブジェクトを攻撃するための前記アクションを実行する、第1〜第10の何れかの発明のプログラムである。
【0029】
第11の発明によれば、攻撃対象オブジェクトが基準マーカに向かって迫ってくるように攻撃対象オブジェクトの動作を制御できる。よって、ゲームの興趣をより高めることができる。
【0030】
第12の発明は、撮影部の撮影画像内からマーカを検出し、当該マーカに基づき所与のオブジェクトを登場させた仮想空間の画像を、前記撮影画像に合成して表示部に表示させてゲームを進行制御するAR体験提供装置であって、前記撮影画像に映された対象マーカを用いて前記仮想空間を設定する仮想空間設定手段(例えば、
図1のサーバシステム1100、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、仮想3次元空間設定部214、
図20のステップS12)と、前記撮影画像に映された基準マーカを用いて、前記仮想空間における前記撮影部側からのアクション方向を決定して所与のアクションを実行するアクション実行制御手段(例えば、
図1のサーバシステム1100、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、アクション実行制御部218、
図16のアクション方向ベクトル740、
図20のステップS14)と、
前記仮想空間における前記アクションの結果に基づいて、前記ゲームを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、
図1のサーバシステム1100、
図11の処理部200、ゲーム管理部210、ゲーム進行制御部222、
図20のステップS20)と、を備えたAR体験提供装置である。
【0031】
第12の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するAR体験提供装置を実現できる。
【0032】
第13の発明は、前記撮影部と、前記表示部と、を備えた請求項12に記載のAR体験提供装置であって、前記対象マーカが配置されたプレイ空間を、前記AR体験提供装置を具備したユーザが移動しながらゲームプレイを行うAR体験提供装置である。
【0033】
第13の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するAR体験提供装置を実現できる。
【0034】
第14の発明は、前記撮影部の撮影範囲内となる前記AR体験提供装置の所定位置に設けられた前記基準マーカ、を備え、前記アクション実行制御手段は、前記撮影部と前記基準マーカとの物理的な位置関係、並びに、前記撮影画像中の前記基準マーカの位置及び大きさを用いて前記アクション方向を決定する、第13の発明のAR体験提供装置である。
【0035】
第14の発明によれば、第3の発明と同様の効果を奏するAR体験提供装置を実現できる。
【0036】
第15の発明は、前記ユーザが所持可能な銃形状を有する第12〜第14の何れかの発明のAR体験提供装置である。
【0037】
第15の発明によれば、仮想の射撃体験の提供に好適な形状を有したAR体験提供装置を実現できる。
【0038】
第16の発明は、前記撮影部が、前記ユーザの頭部正面方向を撮影し、前記表示部は、HMD(Head Mounted Display)である、第13の発明の頭部装着型のAR体験提供装置である。
【0039】
第16の発明によれば、第8の発明と同様の効果が得られる頭部装着型のAR体験提供装置を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1実施形態として、遊戯施設内でARシューティングゲームを実行する例を説明する。
【0042】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態のゲームシステム1000は、専用のAR体験施設1400と、サーバシステム1100と、無線式ヘッドホン1200と、ユーザ端末1500を搭載した銃型コントローラ5と、を有し、全体として1つのAR体験提供装置を構成している。
【0043】
AR体験施設1400は、複数の部屋を所定の順路で連結した施設である。各部屋が、それぞれゲームステージに相当し、各部屋の壁には、攻撃対象となるARオブジェクト(攻撃対象オブジェクト)を発生させるためのARマーカである対象マーカ71が、単数又は複数設けられている。
【0044】
プレーヤ2は、無線式ヘッドホン1200を頭に装着し、銃型コントローラ5を携えて、あたかも特殊部隊が建屋に突入し、各部屋に潜んでいる攻撃対象オブジェクトを次々掃討していくかのようにしてシューティングゲームを楽しむ。
【0045】
サーバシステム1100と、無線式ヘッドホン1200と、ユーザ端末1500とは、通信回線9を介して無線によりデータ通信可能に接続されている。図示の例では、シングルプレイをイメージしているので、プレーヤ2は一人であり、無線式ヘッドホン1200も銃型コントローラ5もそれぞれ1台ずつ図示しているが、マルチプレイの場合には、無線式ヘッドホン1200と銃型コントローラ5とを1セットとしたプレーヤの人数分が、サーバシステム1100とデータ通信することになる。
【0046】
サーバシステム1100は、制御基板1150を搭載する。図示はされていないが、サーバ管理者がサーバシステム1100を管理するためのキーボードやモニタなども適宜設けるとしてもよい。
【0047】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0048】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、1)ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、2)ユーザであるプレーヤがユーザ端末1500でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、3)ゲームで利用可能な様々なアイテムをオンラインでユーザに販売するオンラインショッピング機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0049】
なお、サーバシステム1100は単体として記しているが、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
【0050】
図2は、本実施形態におけるゲームプレイの操作を入力するための装置である銃型コントローラ5の構成例を示す図である。銃型コントローラ5は、所謂アサルトライフルを模した形状のコントローラ本体51と、その上部に設けられた端末ホルダ52と、当該ホルダにより着脱自在に支持されたユーザ端末1500と、ポンプアクション部54と、トリガ55と、トリガ操作通信機56と、ARマーカ切換機構部60と、基準マーカ70と、を有する。
【0051】
図3は、ユーザ端末1500の構成例を示す図である。
ユーザ端末1500は、プレーヤであるユーザがゲームプレイのために個別に使用するコンピュータであって、通信回線9を介してサーバシステム1100にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、銃型コントローラ5に装着することができる適当な大きさであるならば携帯型ゲーム装置や、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、などでもよい。
【0052】
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、背面カメラユニット1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイの対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0053】
背面カメラユニット1520は、ユーザ端末1500の背面側(タッチパネル1506を正面として裏側)を撮影する手段であり、例えば、レンズやフィルターなどの光学系部品と、オートフォーカス機構と、カラーイメージセンサと、当該センサで撮影した画像の画像データを生成・出力する画像処理ICとを有する。すなわち、背面カメラユニット1520は、撮影した画像データをリアルタイムに制御基板1550へ出力することができる。
【0054】
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
【0055】
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、背面カメラユニット1520で撮影した画像データをリアルタムに取得するための回路、などが含まれている。
【0056】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、本実施形態のゲームのユーザ端末としての機能を実現させるためのクライアントプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0057】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はクライアントプログラムや各種設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途用意されるメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0058】
図2に示すように、ユーザ端末1500は、背面カメラユニット1520の撮影方向を、銃型コントローラ5の銃口方向に向けた姿勢で、端末ホルダ52に装着・固定される。
【0059】
トリガ55は、本実施形態におけるプレーヤがアクション操作を入力するためのトリガスイッチであって、コントローラ本体51に内蔵されている不図示の内蔵バッテリー及びトリガ操作通信機56と電気的に接続されている。
【0060】
トリガ操作通信機56は、コントローラ本体51に内蔵されており、不図示の内蔵バッテリーにより駆動する。そして、トリガ55が操作された場合に所定のトリガ操作信号をユーザ端末1500へ送信する。或いは、サーバシステム1100へ送信するとしてもよい。ユーザ端末1500は、トリガ操作信号を受信すると逐一、同様の信号をサーバシステム1100へ送信する。
【0061】
なお、トリガ操作通信機56が、トリガ操作信号を直接サーバシステム1100へ送信する構成であってもよい。或いは、トリガ操作通信機56を、トリガ55への操作に応じて銃口から所定波長の光(例えば、赤外線)を前方へ照射する発光器に置き換えても良い。この場合、背面カメラユニット1520で所定波長の光が撮影されたタイミングをトリガ操作が合ったタイミングとして処理する。
【0062】
ARマーカ切換機構部60は、端末ホルダ52よりも銃口寄りの位置に固定されており、複数の基準マーカ70のうちの何れかを、ポンプアクション部54へのポンプアクション操作に応じて切り換えて、背面カメラユニット1520へ向けて展示表示する。ARマーカ切換機構部60により展示表示される基準マーカ70は、背面カメラユニット1520の撮影範囲内に含まれ、常に撮影される。
【0063】
図4は、ARマーカ切換機構部60の正面図である。
図5は、同機構部の
図4におけるA−A断面図である。ARマーカ切換機構部60は、多角柱体(本実施形態では三角柱体)を横倒しした回転体61を、銃型コントローラ5の銃身方向に交差する横向きの枢軸62で回転自在に支持している。
【0064】
回転体61の各面には、異なる種類の基準マーカ70(70a、70b、…)が1面に1マーカずつ設けられている。基準マーカ70は、予め回転体61の各面に印刷或いは貼設されているとしても良いが、本実施形態ではプレーヤ2自らが着脱することが可能に構成されている。例えば、プレーヤ2が、カード状(例えば、トレーディングカード状)の基準マーカ70を、施設利用時に貰うまたは貸与されるか、別途購入するか、雑誌や店頭のキャンペーンとして配られたたものを入手し、プレイ開始前に自身が使用する銃型コントローラ5の回転体61に設けられたホルダ構造部(例えば、溝)に差し込んで装着する。
【0065】
回転体61の側部一方側には、回転体61の各面に対応するように複数の係合突起65が突設されており、その時銃口側に位置する1つの係合突起65には、連携爪66が掛けられている。
【0066】
連携爪66は、ポンプアクション部54(
図2参照)に対して回転体61に接近/離間するように揺動自在に連結されており、図示されない弾性体(例えば、髭バネなど)により回転体61に接近する方向へ付勢されている。
【0067】
また、回転体61の側部他方側には、ラチェット機構64が設けられており、所定以上のトルクでのみ回転体61が所定方向に回転するように回転を規制している。
【0068】
図6は、ARマーカ切換機構部60の動作を説明するための状態遷移図である。
ポンプアクション部54(
図2参照)は、コントローラ本体51の銃身方向に沿って所定範囲で進退動可能に設けられている。
【0069】
図6(1)に示すように、回転体61の何れかの基準マーカ70が、ユーザ端末1500に向けられた状態を「展示状態」とする。この展示状態が、ゲームプレイ中の基本状態となり、基準マーカ70が背面カメラユニット1520で撮影されることになる。
【0070】
プレーヤ2は、ポンプアクション部54を、ストック側(手前)に引いて銃口側へ戻すと、回転体61を回転させて次の面に装着されている基準マーカ70を展示する状態に切り換えできる。
【0071】
すなわち、
図6(2)〜
図6(4)に示すように、ポンプアクション部54をストック側に引くと、連携爪66もストック側に連れられて移動する。この時、連携爪66はそのとき銃口側にある係合突起65に係合しており、ラチェット機構64が許す回転方向(図示の例では時計回り方向)へ回転体61が連れ回る。
【0072】
図6(5)に示すように、やがてポンプアクション部54がストック方向の移動限界まで到達すると、回転体61は新しい展示状態となり、背面カメラユニット1520に向けられる面が切り変わる。
【0073】
図6(6)〜
図6(7)に示すように、ポンプアクション部54を銃口方向に戻し始めると、連携爪66も一緒に銃口方向へ移動する。この移動過程では、先程まで係合していた係合突起65との係合は解除され、連携爪66は回転体61に向けて接近するように付勢されながら(図示の例では、反時計回りに立ち上がるように付勢されながら)、そして、連携爪66のツメ先が爪受け部67(
図5参照)を滑りながら移動する。
【0074】
図6(8)に示すように、やがてポンプアクション部54が銃口方向の移動限界まで到達すると、連携爪66のツメ先も最も銃口側の係合突起65の銃口側まで至り、ツメ先が当該係合突起65に掛けられた状態、つまり
図6(1)の展示状態に復元される。
【0075】
なお、本実施形態では、基準マーカ70の展示切り換えをポンプアクション操作としたので、ARマーカ切換機構部60の構成及び動作は
図4及び
図5に示したようになったが、これに限らない。展示切り換えをレバー操作や、ダイヤルの回転操作により実現することも可能であり、それに応じてARマーカ切換機構部60の構成も適宜変更するものとする。例えば、回転体61の枢軸62と一体のダイヤルを設け、当該ダイヤルを回すことで展示切り換えするとしてもよい。
【0076】
図7は、ユーザ端末1500の背面カメラユニット1520で撮影された撮影画像の例を示す図である。背面カメラユニット1520により、銃型コントローラ5の銃口方向を向けたAR体験施設1400の様子が撮影される。その撮影画像W2には、壁10や床11が映され、壁10に設けられた対象マーカ71も映される。また、撮影画像W2の外縁部には、基準マーカ70が映される。
【0077】
図8は、ゲーム画面例を示す図であって、
図7の撮影画像W2に基づくゲーム画面例を示している。ゲーム画面W4は、本実施形態ではユーザ端末1500のタッチパネル1506にて表示される。ゲーム画面W4では、撮影画像W2に対象マーカ71が映っていると、当該ARマーカが認識され、ARオブジェクトを配置するための仮想3次元空間が設定され、そこに認識されたARマーカに対応づけられているARオブジェクトが撮影画像W2に合成されて表示される。すなわち、壁10や床11といった3次元空間が認識され、実空間と同じサイズで同じ姿勢の仮想3次元空間が形成される。仮想3次元空間に実空間の壁10や床11に対応する基準面が形成され、対象マーカ71に対応づけられるARオブジェクトである攻撃対象オブジェクト6が当該基準面に規制された領域に出現され自動制御される。
【0078】
攻撃対象オブジェクト6は、本実施形態におけるアクション対象となるARオブジェクトであって、そのデザインはゲーム内容に応じて適宜設定可能である。本実施形態はシューティングゲームなので、攻撃対象オブジェクト6は人型モンスターのデザインを有している。そして、攻撃対象オブジェクト6は、床11に対応する基準面上を、仮想3次元空間に設定された基準マーカ70の位置に向かって接近し、攻撃するようにその動作が自動制御される。これが、プレーヤ2の目には、攻撃対象オブジェクト6が自身に向かって近づき攻撃をしてくるように見える。
【0079】
なお、仮想3次元空間の設定方法は、採用するAR技術により次のようにして決めることができる。
本実施形態ではシングルプレイを想定しているので、仮想3次元空間はゲーム画面W4を撮影する仮想カメラ・プレーヤ視点を座標原点とし、対象マーカ71が壁10や床11の何れかに設定されているとの前提に基づいて、仮想3次元空間内に攻撃対象オブジェクト6の行動範囲を規定する基準面を設定する。そして、対象マーカ71の撮影画像内の位置と見え方により仮想カメラに対する相対位置と相対姿勢を逐一割り出し、相対位置と相対姿勢の変化に応じて攻撃対象オブジェクト6の位置や姿勢も連動制御する。
【0080】
もし、本実施形態のARゲームを、複数のプレーヤ2がチームを作って、同時にAR体験施設1400の中でプレイするマルチプレイ型のゲームとして実現する場合には、何れかのユーザ端末1500をマスター機として、当該マスター機に対応する仮想カメラに基づいて仮想3次元空間を設定する。そして、他ユーザ端末にて表示させる仮想3次元空間次元の画像は、同じ対象マーカ71の当該他ユーザ端末における見え方によって、マスター機との相対位置と相対姿勢を逐一割り出し、相対位置と相対姿勢の変化に応じて攻撃対象オブジェクト6の位置や姿勢も連動制御するものとする。勿論、この手法以外であっても構わない。
【0081】
話をゲーム画面W4に戻すと、基準マーカ70は撮影範囲内に位置しているため、本来であれば、ゲーム画面W4に表示されてしまうところである。図示の例のように本実施形態では、端末ホルダ52とARマーカ切換機構部60との位置関係から、基準マーカ70はゲーム画面W4の辺縁部に映るよう構成されている。
【0082】
背面カメラユニット1520と展示表示されている基準マーカ70との物理的な位置関係が所定位置関係にあるので、撮影画像中の基準マーカ70の位置及び大きさも既知(固定)となる。換言すると、仮想3次元空間を撮影する仮想カメラと基準マーカ70との位置関係は既知(さらに固定)とされている。
【0083】
そこで、背面カメラユニット1520を発して基準マーカ70を通る方向を「アクション方向」として設定する。そして、トリガ55が操作されると、仮想3次元空間の所定位置(画像内に映っている銃型コントローラ5の銃口位置)に飛翔体オブジェクト4を配置して、アクション方向に移動制御する。つまり、銃から仮想の弾丸が発射されたかのように表示制御する。
【0084】
出現する飛翔体オブジェクト4の種類は、そのとき展示表示されている基準マーカ70の種類によって決まる。つまり、プレーヤ2が基準マーカ70を切り換えることで、異なる種類の飛翔体オブジェクト4を出現・移動させることができる。
【0085】
ここで言う、飛翔体オブジェクト4の種類は、見かけは勿論のこと1度に出現する飛翔体オブジェクト4の数や、移動する方向、攻撃対象オブジェクト6に与えるダメージや、ダメージ範囲などの違いを有する。例えば、トリガ55を1回引くごとに1つの飛翔体オブジェクト4を出現・移動させたり、1回引くごとに3つの飛翔体オブジェクト4をそれぞれのアクション方向別に移動させたり、液体状やガス状の飛翔体オブジェクト4を出現・移動させたり、見かけ上はライン状の様に見える光線状の飛翔体オブジェクト4を出現・移動させたり、といった様々な種類を設定することができる。
【0086】
つまり、プレーヤ2は、ARマーカ切換機構部60に装着する基準マーカ70の種類の選択と、プレイ中に展示表示する基準マーカ70の切り換えによって、戦況に応じた攻撃手段の切り換えをしながらプレイすることができる。
【0087】
さて、出現・移動制御された飛翔体オブジェクト4は、仮想3次元空間に設定された壁10や床11の基準面にヒットするか、攻撃対象オブジェクト6にヒットすると消去される。飛翔体オブジェクト4が攻撃対象オブジェクト6にヒットすると、当該攻撃対象オブジェクトにはダメージが蓄積される。1つの飛翔体オブジェクト4当たりのダメージは、飛翔体オブジェクト4の種類により決まる。そして、所定の耐久値を超えるダメージが蓄積すると、当該攻撃対象オブジェクトは撃破される。例えば、霧散するような撃破演出表示とともに当該攻撃オブジェクトは消去される。
【0088】
逆に攻撃対象オブジェクト6が基準値以上、基準マーカ70の位置、つまりはプレーヤ2の仮想3次元空間における位置に接近すると、一定時間毎にプレーヤ2にダメージが蓄積される。そして、所定の耐久値以上にダメージが蓄積するとゲームオーバとなる。
【0089】
なお、ゲーム画面W4中、基準マーカ70の位置には、これを覆い隠す隠蔽オブジェクト20が表示される。隠蔽オブジェクト20のデザインはゲーム内容に応じて適宜設定可能であるが、本実施形態では残段数や、プレーヤ2が受けたダメージの蓄積値と耐久値との関係などの各種ゲームに関する情報を表示する情報表示体21と兼用する。
【0090】
また、
図7及び
図8では、対象マーカ71を壁10に張られたポスターと仮定して描いたが対象マーカはポスターに限るものではない。
図9は、対象マーカ71の別例を示す図である。対象マーカ71は、AR体験施設1400に設けられた部屋の置物で構成されてもよい。例えば、つり棚72とその上に置かれた置物73の全体で1つの対象マーカ71bとすることもできる。すなわち、これらの画像を予め撮影して当該ARマーカを認識するための辞書データとして設定しておけばよい。
また、
図10に示すように、単数又は複数の写真74やイラスト画像等の画像をもって1つの対象マーカ71cとすることもできる。その他、壁紙の特徴的な模様、家具の模様、などを更に含めて対象マーカ71を構成するとしてもよい。
【0091】
また、AR体験施設1400を使用せず、プレーヤ宅でのプレイを想定する場合には、プレーヤが所有するもの(例えば、ポスターや、写真、カレンダーなど)を撮影して対象マーカとして登録する構成であってもよい。
【0092】
[機能構成の説明]
図11は、本実施形態におけるゲームシステム1000の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるゲームシステム1000は、操作入力部100と、撮影部102と、処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、記憶部500とを備える。
【0093】
操作入力部100は、ゲーム操作を入力するための手段である。
図1の例では、銃型コントローラ5がこれに該当する。より具体的には、ユーザ端末1500と、その背面カメラユニット1520と、トリガ55と、トリガ操作通信機56とがこれに該当する。
【0094】
撮影部102は、実空間を撮影して、撮影した画像データを処理部200へ出力する。いわゆるライブビューの画像データが処理部200へ出力される。
図1の例では、ユーザ端末1500と、その背面カメラユニット1520とがこれに該当する。
【0095】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号等に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲームシステム1000の動作を統合的に制御する。
図1の例では、サーバシステム1100の制御基板1150、ユーザ端末1500がこれに該当する。
【0096】
そして、本実施形態の処理部200は、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、を含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0097】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びアカウント(ユーザID)に紐付けられるデータの記憶管理を行う。本実施形態では、1)アカウントの付与制御と、2)ゲーム内課金に使用される当該アカウントに紐付けられる仮想口座の設定と入出金制御すなわち電子決済に関する制御と、3)ログイン/ログアウトの管理と、4)ユーザに関する個人情報の登録管理と、を行う。勿論、これら以外のデータについての管理を適宜含めることもできる。
【0098】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のARゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、本実施形態のゲーム管理部210は、ARに係る処理は勿論のこと、ユーザ端末1500と通信を行いながらユーザ端末1500へゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。そして、ゲーム管理部210は、ARシューティングゲームの進行に必要な各種処理を行うことができる。そして、これらに伴ってゲームプレイの制御に必要な各種データを記憶部500に記憶させることができる。
【0099】
具体的には、本実施形態のゲーム管理部210は、ARマーカ認識部212と、仮想3次元空間設定部214と、対象オブジェクト制御部216と、アクション実行制御部218と、隠蔽表示制御部220と、ゲーム進行制御部222と、を有する。
【0100】
ARマーカ認識部212は、撮影部102で撮影された画像に映っているARマーカを検出・認識する処理を行う。
【0101】
仮想3次元空間設定部214は、撮影部102で撮影された画像に映っている画像とそこに映っている対象マーカ71に基づいて3次元空間を認識し、ARオブジェクトを配置する仮想3次元空間を設定する。
【0102】
対象オブジェクト制御部216は、攻撃対象オブジェクト6(
図8参照)の動作を自動制御する。具体的には、仮想3次元空間中に所与の攻撃対象オブジェクトを登場させ、撮影画像に映された対象マーカ71から基準マーカ70に向かって移動させることで、プレーヤ2に向かって攻撃する動作をするように制御する。
【0103】
アクション実行制御部218は、撮影画像に映された基準マーカ70を用いて、仮想3次元空間における撮影部102側からのアクション方向を決定して所与のアクションを実行する。
【0104】
具体的には、アクション実行制御部218は、撮影部102と基準マーカ70との物理的な位置関係、並びに、撮影画像中の基準マーカ70の位置及び大きさを用いてアクション方向を決定する。本実施形態では、銃型コントローラ5の銃身方向、射撃方向を決定する。そして、撮影されている基準マーカ70の種類に対応づけられる種類の飛翔体オブジェクト4(
図8参照)が銃型コントローラ5の所定の発射部位(例えば、背面カメラユニット1520の撮影画像W2に映っている銃口位置)或いは当該発射部位の近傍位置からアクション方向に沿って飛翔するように制御する。つまり、銃型コントローラ5で攻撃対象オブジェクト6を攻撃するためのアクションを実行する。
【0105】
隠蔽表示制御部220は、撮影画像W2に映っている基準マーカ70の画像部分を隠す表示制御を行う。本実施形態では、ゲーム進行上の情報を表示する情報表示体21を兼ねた隠蔽オブジェクト20をゲーム画面W4に表示させる制御を行う(
図8参照)。
【0106】
ゲーム進行制御部222は、仮想3次元空間におけるアクション実行制御部218によるアクションの結果に基づいて、ゲームを進行制御する。
【0107】
本実施形態のARゲームはシューティングゲームなので、具体的には次の処理を実行することができる。1)飛翔体オブジェクト4と攻撃対象オブジェクト6とのヒット判定。2)飛翔体オブジェクト4がヒットした攻撃対象オブジェクト6へのダメージ蓄積。3)蓄積したダメージが所定の耐久値に達した攻撃対象オブジェクト6の撃破処理。4)撃破した攻撃対象オブジェクト6の数に応じたゲーム成績の更新。5)ゲーム成績に応じたプレーヤレベルの更新。6)基準マーカ70から所定距離まで近接した攻撃対象オブジェクト6の検知によるプレーヤへのダメージ蓄積。7)プレーヤ2のダメージがプレーヤ用に設けられた所定の耐久値に達した場合のゲームオーバ処理。8)ゲームプレイ中に試用されたアイテムの消費管理。9)ゲーム終了時のデータセーブ処理。勿論、これら以外も適宜ゲーム進行に関する処理を実行することができる。
【0108】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0109】
音生成部290は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、ゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、それらに基づく音声信号を音出力部390へ出力する。
【0110】
音出力部390は、音声信号を放音する。
図1の例では無線式ヘッドホン1200がこれに該当する。
【0111】
画像生成部292は、ゲームプレイ画面等を生成し、画像表示部392へ出力することができる。
【0112】
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいてゲーム画面を表示する。
図1の例ではユーザ端末1500と、そのタッチパネル1506とが該当する。
【0113】
記憶部500は、処理部200にゲームシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例ではサーバシステム1100の制御基板1150が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージがこれに該当する。また、ユーザ端末1500の制御基板1550が搭載するICメモリ1552もこれに該当する。
【0114】
図12は、本実施形態における記憶部500が記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態における記憶部500は、サーバプログラム503と、クライアントプログラム505と、基準マーカ定義データ510と、対象マーカ定義データ512と、攻撃対象オブジェクト出現パターンデータ520と、攻撃対象オブジェクト定義データ530と、飛翔体オブジェクト定義データ540と、を予め記憶する。また、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0115】
サーバプログラム503は、サーバシステム1100にゲームサーバとして機能を実現させるためのプログラムである。
【0116】
クライアントプログラム505は、ユーザ端末1500へゲームクライアントとして必要な機能を実現させるためのプログラムである。
【0117】
基準マーカ定義データ510は、基準マーカ70を認識するためのデータであって、基準マーカ70の種類毎に用意される。1つの基準マーカ定義データ510は、基準マーカ種類と、認識辞書データとを格納する。
【0118】
対象マーカ定義データ512は、対象マーカ71を認識するためのデータであって、対象マーカ71の種類毎に用意される。1つの対象マーカ定義データ512は、対象マーカ種類と、認識辞書データとを格納する。
【0119】
攻撃対象オブジェクト出現パターンデータ520は、認識された対象マーカ71に対応してどのように攻撃対象オブジェクトを出現させるかを定義するデータである。使用される対象マーカの数だけ用意される。1つの攻撃対象オブジェクト出現パターンデータ520は、例えば
図13に示すように、当該パターンを適用する対象マーカを示す適用対象マーカ種類521と、出現順522と対応付けられた出現タイミング523および出現攻撃対象オブジェクト種類524を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。
【0120】
図12に戻って、攻撃対象オブジェクト定義データ530は、登場する攻撃対象オブジェクトの種類毎に用意され、当該種類の攻撃対象オブジェクト6を定義する各種データを格納する。1つの攻撃対象オブジェクト定義データ530は、例えば
図14に示すように、固有の攻撃対象オブジェクト種類531と、ARキャラクタの3DCGオブジェクトを表示させるための攻撃対象オブジェクトモデルデータ533と、攻撃対象オブジェクト動作パターンデータ534と、攻撃対象オブジェクト初期能力パラメータ値リスト535とを含む。
【0121】
図12に戻って、飛翔体オブジェクト定義データ540は、基準マーカ70に基づいてプレーヤのアクションに係り登場するARオブジェクトを定義するデータであって、本実施形態では飛翔体オブジェクト4の種類毎に用意される。
1つの飛翔体オブジェクト定義データ540は、例えば
図15に示すように、固有の飛翔体オブジェクト種類541と、アクション別飛翔体データセット550と、適用要件560とを格納する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0122】
アクション別飛翔体データセット550は、当該飛翔体オブジェクトを構成する個別の飛翔体毎に用意される。1つのアクション別飛翔体データセット550は、1)飛翔体オブジェクトモデルデータ551と、2)当該飛翔体オブジェクトを基準マーカ70に対して相対的に何処に出現させるかを示す出現相対位置座標552と、3)出現後、アクション方向に対してどのように移動制御させるかを定義するアクション方向基準移動パターン553と、4)ダメージ範囲用コリジョンエリア554と、5)ダメージ量555とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0123】
適用要件560は、当該飛翔体オブジェクト定義データを適用する要件を示している。本実施形態では、どの種類の基準マーカ70に対応づけられるかを示す適用基準マーカ種類561と、当該飛翔体モデルを利用できるプレーヤの技量を示すプレーヤレベル範囲562とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、特定のアイテムを使用した場合にのみ当該飛翔体オブジェクトを利用可能にするならば、使用するべきアイテムの種類の情報を含めると好適である。
【0124】
図12に戻って、ユーザ管理データ600は、登録ユーザ毎に用意され、固有の識別情報であるアカウントと紐付けられる各種データを格納する。一つのユーザ管理データ600には、例えば、アカウントと、セーブデータを含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0125】
プレイデータ700は、プレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲーム管理に必要な各種データを格納する。1つのプレイデータ700は、例えば
図16に示すように、プレーヤアカウント701と、プレイ開始日時702と、プレーヤレベル703と、ARマーカ認識データ710と、空間認識データ720と、アクション方向ベクトル740と、隠蔽オブジェクト制御データ742と、プレーヤコリジョンエリア制御データ744と、プレーヤ蓄積ダメージ746と、攻撃対象オブジェクト出現管理データ750と、攻撃対象オブジェクト制御データ760と、飛翔体オブジェクト制御データ770と、ゲーム成績データ790と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0126】
プレーヤレベル703は、ゲーム開始時にプレーヤのユーザ管理データ600からコピーされ、ゲーム進行に応じて更新される。
【0127】
ARマーカ認識データ710は、撮影画像W2(
図7参照)に映っているARマーカの認識毎に用意される。1つのARマーカ認識データ710は、例えば
図17に示すように、固有のマーカ認識ID711と、認識開始時刻712と、マーカ種類713と、マーカ位置座標714と、マーカ姿勢715と、マーカサイズ736と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0128】
マーカ位置座標714及びマーカ姿勢715は、背面カメラユニット1520を仮想カメラ(或いは仮想視点ともいう)と見立てて、仮想カメラから見た仮想3次元空間におけるARマーカの位置座標及び姿勢を示している。マーカサイズ736は、背面カメラユニット1520から当該マーカまでの撮影距離に相当する。
【0129】
空間認識データ720は、撮影画像W2(
図7参照)に映された対象マーカ71を用いて決定される攻撃対象オブジェクト6が行動可能な仮想空間を設定するデータである。
具体的には、空間認識データ720は、実空間の壁10毎の面に相当する仮想3次元空間における基準面を示す壁基準面認識データ721と、実空間の床11に相当する床基準面認識データ722とを含む。これらが、仮想3次元空間次元空間における攻撃対象オブジェクト6の行動範囲を規定することになる。勿論、基準面は壁10や床11に限らず、天井や家具などの障害物の面を認識したデータも適宜含めることができる。また、より詳細なデータ構成は採用する空間認識技術による。
【0130】
図12に戻って、アクション方向ベクトル740は、撮影画像に映された基準マーカ70を用いて決められる、プレーヤのアクションに係るオブジェクトの制御(本実施形態では飛翔体オブジェクト4の移動制御)の基準となる方向を示す。本実施形態では、仮想空間における撮影部側からのアクション方向の単位ベクトルであって、具体的には銃型コントローラ5の銃身方向を示すように設定される。
【0131】
隠蔽オブジェクト制御データ742は、隠蔽オブジェクト20(
図8参照)の表示制御データである。
【0132】
プレーヤコリジョンエリア制御データ744は、プレーヤ2へのダメージ判定に使用されるコリジョンエリアを制御するためのデータである。仮想カメラまたは基準マーカ70の位置に基づいて定義される。
【0133】
攻撃対象オブジェクト出現管理データ750は、認識されたARマーカのうち対象マーカ71毎に用意され、当該対象マーカに対応づけられる攻撃対象オブジェクト6の出現を管理するためのデータを格納する。1つの攻撃対象オブジェクト出現管理データ750は、例えば、どの対象マーカに対応するかを示す適用対象マーカ種類と、出現済順番と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0134】
攻撃対象オブジェクト制御データ760は、ゲームに出現・登場された攻撃対象オブジェクト6毎に用意され、当該攻撃対象オブジェクト6の動作制御に係る各種データを格納する。1つの攻撃対象オブジェクト制御データ760は、例えば
図18に示すように、固有の攻撃対象オブジェクトID761と、攻撃対象オブジェクト種類762と、対応マーカ認識ID763(
図17のマーカ認識ID711に呼応)と、攻撃対象オブジェクト位置座標764と、攻撃対象オブジェクト姿勢765と、攻撃対象オブジェクト動作制御データ766と、攻撃対象オブジェクト蓄積ダメージ767と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0135】
図16に戻って、飛翔体オブジェクト制御データ770は、仮想3次元空間に配置された飛翔体オブジェクト4毎に用意され、その動作や表示の制御に必要な各種データを格納する。1つの飛翔体オブジェクト制御データ770は、例えば
図19に示すように、固有の飛翔体オブジェクトID771と、飛翔体オブジェクト種類772と、飛翔体オブジェクトモデルデータ773と、出現時刻774と、飛翔体オブジェクト位置座標775と、飛翔体オブジェクト姿勢776と、飛翔体オブジェクト動作制御データ777と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。
【0136】
[動作の説明]
次に、ゲームシステム1000における処理の流れについて説明する。ここで説明する処理の流れは、サーバシステム1100がサーバプログラム503を実行し、ユーザ端末1500がクライアントプログラム505を実行することにより実現される。
なお、プレーヤ2は予め自身が所有する基準マーカ70を選抜して、銃型コントローラ5のARマーカ切換機構部60に装着しているものとする。
【0137】
図20〜
図21は、本実施形態のゲームシステム1000における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
先ず
図20に示すように、ゲームシステム1000はログイン処理を実行し、ログインしたユーザ向けに新たなプレイデータ700(
図16参照)を用意して、ログインユーザのユーザ管理データ600(
図12参照)のセーブデータから必要なデータを読み出す(ステップS2)。本実施形態では、プレーヤレベル703が引き継がれる。
【0138】
次に、ゲームシステム1000は、実空間の撮影を開始して(ステップS10)、ARマーカの認識と空間認識とを開始し(ステップS12)、アクション方向の逐次更新を開始する(ステップS14)。
【0139】
具体的には、ユーザ端末1500が背面カメラユニット1520による撮影を開始して逐一撮影画像W2(
図7参照)の画像に映っているARマーカを認識して、ARマーカ認識データ710の元データを作成し、サーバシステム1100へ送信する。また、ユーザ端末1500が認識しているARマーカのうち対象マーカ71を用いた空間認識処理を行って空間認識データ720の元データを作成して、サーバシステム1100へ送信する。そして、サーバシステム1100が、認識されたARマーカのうちの基準マーカ70に基づいてアクション方向ベクトル740を決定する。
【0140】
或いは、ユーザ端末1500が撮影画像W2の画像データを逐一サーバシステム1100へ送信して、サーバシステム1100にてARマーカの認識と空間認識処理を実行し、ARマーカ認識データ710と空間認識データ720とアクション方向ベクトル740とを決定するとしてもよい。
【0141】
次に、ゲームシステム1000は、プレーヤコリジョンエリアを設定し(ステップS16)、隠蔽オブジェクト20兼情報表示体21の配置と表示を開始する(ステップS18)。これ以降、プレイデータ700(
図16参照)のプレーヤコリジョンエリア制御データ744及び隠蔽オブジェクト制御データ742は、逐次最新の状態に更新される。
【0142】
そして、ゲームシステム1000は、プレーヤ蓄積ダメージ746を「0」に初期化するとともにゲーム成績データ790を初期化してゲーム進行制御を開始する(ステップS20)。
【0143】
ゲーム開始してから、新たな対象マーカ71が認識されると(ステップS40のYES)、ゲームシステム1000は、当該新たな対象マーカ71に対応する攻撃対象オブジェクト出現パターンデータ520(
図13参照)に従って、当該マーカに対応づけられる攻撃対象オブジェクト6をゲームに出現・登場させる制御と、その動作制御とを開始する(ステップS42)。これにより、プレイデータ700には、攻撃対象オブジェクト出現管理データ750と、攻撃対象オブジェクト制御データ760が作成され管理される(
図16参照)。
【0144】
ゲーム開始後、攻撃対象オブジェクト6のコリジョンエリアとプレーヤコリジョンエリアとが衝突すると、プレーヤにダメージを付与するダメージ蓄積処理を実行する(ステップS44)。
【0145】
図21に移って、ゲーム開始後、トリガ55の操作がなされると、ゲームシステム1000は攻撃操作が入力されたと判断し(ステップS50のYES)、飛翔体オブジェクト定義データ540(
図15参照)を参照して、その時認識されている基準マーカ70に対応する飛翔体オブジェクト4の種類を決定し(ステップS52)、当該飛翔体オブジェクトを仮想3次元空間に配置してゲームに登場させてその移動制御を開始する(ステップS54)。これにより、プレイデータ700には飛翔体オブジェクト制御データ770(
図16参照)が作成され、逐次最新の状態に更新される。
【0146】
そして、移動制御された飛翔体オブジェクト4が攻撃対象オブジェクト6に衝突すると、当該飛翔体オブジェクト4に設定されているダメージ量を、当該攻撃対象オブジェクト6へ付与するダメージ蓄積処理を実行する(ステップS56)。この場合、衝突した飛翔体オブジェクト4の飛翔体オブジェクト制御データ770を削除し、当該飛翔体オブジェクトを仮想3次元空間から消去する。
【0147】
また、移動制御された飛翔体オブジェクト4が、空間認識データ720の壁基準面認識データ721や床基準面認識データ722の示す基準面に衝突した場合には、衝突した飛翔体オブジェクト4の飛翔体オブジェクト制御データ770を削除し、当該飛翔体オブジェクトを仮想3次元空間から消去する(ステップS58)。
【0148】
次に、ゲームシステム1000は、蓄積ダメージが耐久値に達した攻撃対象オブジェクトを消滅させる(ステップS80)。すなわち、所定の撃破演出を表示させつつ、当該攻撃対象オブジェクト6を仮想3次元空間から消去し、その攻撃対象オブジェクト制御データ760を削除する。
【0149】
そして、ゲームシステム1000は攻撃対象オブジェクト6を撃破したので、その分のポイントを付与するなどのゲーム成績データ590を更新し(ステップS82)、最新のゲーム成績に応じてプレーヤレベル703を更新する(ステップS84)。
【0150】
次に、ゲームシステム1000は、ゲーム終了条件を満たすかを判定する(ステップS90)。本実施形態では、プレーヤ2の蓄積ダメージが所定の耐久値に達した場合と、予定されている全ての対象マーカ71の攻撃対象オブジェクト6が撃破された場合に、肯定判定する。
【0151】
ゲーム終了条件が満たされるまでは(ステップS90のNO)、ステップS40〜S90が繰り返される。つまり、プレーヤ2は、AR体験施設1400の中を進むにつれて見えてくる対象マーカ71の攻撃対象オブジェクト6と戦闘するAR体験を楽しむことができる。
【0152】
ゲーム終了条件が満たされたならば(ステップS90のYES)、ゲームシステム1000は、プレーヤのユーザ管理データ600のセーブデータ610を更新して(ステップS92)、一連の処理を終了する。
【0153】
以上、本実施形態によれば、アクション対象を出現させるための第1のARマーカである対象マーカ71の他に、第2のARマーカである基準マーカ70を用いる。この基準マーカ70によって、撮影部(背面カメラユニット1520)側からのアクション方向が決定されて所与のアクションが実行される。このため、従来にないARゲームを実現できる。
【0154】
また、第2のARマーカをプレーヤが別途入手した実体としてのARマーカのなかから選択して使用できるので、トレーディングカードのような収集と、それを使ったARゲームとの両方を楽しめるようになる。
【0155】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、プレーヤが具備するコントローラ装置の構成が異なる。以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0156】
図22は、本実施形態におけるゲームシステム1000Bの機能構成例を示す図である。本実施形態のゲームシステム1000Bは、第1実施形態のユーザ端末1500を代替する要素としてHMD(Head Mounted Display)1500Bを備える、また第1実施形態における銃型コントローラ5を代替する要素として剣型コントローラ8を備える。
【0157】
HMD1500Bは、正面に第1実施形態の背面カメラユニット1520に相当する正面カメラユニット1520Bを有し、サーバシステム1100とデータ通信可能に無線通信接続する。つまり、第1実施形態では、プレーヤ2が銃型コントローラ5のユーザ端末1500のタッチパネル1506が照準であるかのように覗きながらプレイするのに対して、本実施形態ではプレーヤ2が頭部にHMD1500Bを装着してプレイする。
【0158】
剣型コントローラ8は、プレーヤ2が把持する把持体であって、剣をモチーフとした外観デザインを有する。剣型コントローラ8は、多角柱の棒状を有する刃部分と、柄部分とが鍔分を挟んで連結された棒状の形状を有しており、刃部分は柄部分に対して段階的に回転可能に連結されているまた、刃部分の多角柱の各側面には、それぞれ1つずつ基準マーカ70を着脱自在に装着できるようになっている。
【0159】
図23は、本実施形態における撮影画像W2Bの例を示す図である。
HMD1500Bの正面カメラユニット1520Bで撮影される撮影画像W2には、プレーヤ2が把持する剣型コントローラ8の基準マーカ70が映る。
【0160】
図24は、本実施形態におけるゲーム画面W4Bの例を示す図である。
本実施形態のゲーム画面W4Bでは、剣型コントローラ8の刃部分に、基準マーカ70を隠蔽する隠蔽オブジェクト20Bが表示される。図示の例では、光の刃がそこにあるかのように見せる隠蔽オブジェクト20Bが示されているが、隠蔽オブジェクト20Bの形態はゲームの世界観に応じて適宜デザインを設定できる。そして、アクションを表現するARオブジェクトとして飛翔体オブジェクト4cを出現・表示させる。
【0161】
本実施形態における攻撃操作入力は、剣による攻撃と同様に、剣型コントローラ8を振ることにより実現される。また、本実施形態では、隠蔽オブジェクト20Bと情報表示体21とは兼用されない。
【0162】
図25は、本実施形態におけるゲームシステム1000Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。
ゲームシステム1000Bは、ゲーム管理部210にトラッキング制御部224を有し、基準マーカ70の仮想3次元空間における位置をトラッキングすることができる。
そして、本実施形態のアクション実行制御部218は、トラッキングにより剣型コントローラ8を振ったのに相当する所定基準以上の移動が検出されると攻撃操作入力されたものと見なす。そして、その時のトラッキング方向に基づいてアクション方向を決定する。より具体的には、トラッキングされた軌跡の交差方向をアクション方向として設定し、飛翔体オブジェクト4を出現させアクション方向に移動制御する。いわば、剣を振ることにより、飛翔体オブジェクト4を剣を振って発射させたかのように表示制御することができる。なお、トラッキングは、撮影画像中の基準マーカ70の位置を検出・追尾することで実現できる。
【0163】
図26は、本実施形態におけるプレイデータ700Bのデータ構成例を示す図である。
本実施形態のプレイデータ700Bは、第1実施形態が含む各種データに加えて、基準マーカ70の所定時間分の仮想3次元空間における位置と姿勢のトラッキングデータである基準マーカトラッキングデータ792と、情報表示体21の表示制御に必要な情報を格納する情報表示体制御データ794とを更に含む。
【0164】
図27〜
図28は、本実施形態のゲームシステム1000Bにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。基本的には、第1実施形態のゲームシステム1000と同様の処理の流れを有するが、
図27に示すように、第1実施形態のステップS14に代えて、基準マーカ70のトラッキングを開始する(ステップS15)。また、
図28に示すように、攻撃操作入力を検出して飛翔体オブジェクト4の種類を決定するその前後に、その時の基準マーカトラッキングデータ792でトラッキングされている所定時間過去分までのトラッキング軌跡に基づいてアクション方向ベクトル740を設定する(ステップS53)。
【0165】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0166】
なお、本実施形態では、実空間を撮影するカメラ(正面カメラユニット1520B)と、基準マーカ70との相対位置関係が非固定なタイプの装置の例として剣型コントローラ8を例示したが、コントローラ装置のデザインはこれにかぎらない。ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、格闘アクションをモチーフとしたゲーム内容であれば、基準マーカ70が装着できるグローブなどであってもよい。RPGをモチーフとしたゲーム内容であれば、魔術師の使う魔法の杖のようなデザインであっても良い。害虫退治をモチーフとするならば、手持ちの噴霧缶のようなデザインでも良いだろう。基準マーカ70をユーザ(プレーヤ)が具備し、撮影部により撮影可能である構成であればよい。
【0167】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0168】
[その1]
例えば、上記実施形態では、ゲームシステム1000(またはゲームシステム1000B)を、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムで実現されるオンラインゲームとして構成したが、サーバシステム1100を省略し、ユーザ端末1500がスタンドアローンで実行するARゲームとして実現する構成も可能である。
すなわち、
図29に示すゲームシステム1000Cのように、無線式ヘッドホン1200及びトリガ操作通信機56がユーザ端末1500と無線通信する構成とする。そして、ゲームシステム1000の機能構成、特に処理部200が担う機能を、サーバシステム1100ではなくユーザ端末1500による演算処理等で実現する構成とすればよい。
【0169】
また、マルチプレイの場合は、複数のユーザ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。その場合、何れかのユーザ端末1500に第1実施形態のサーバシステム1100としての機能を担わせる。或いは、複数のユーザ端末1500でゲーム管理部210が有する機能を分担して担う構成としてもよい。
【0170】
[その2]
また、上記実施形態では基準マーカ70は、トレーディングカードのように実体が存在するものとして説明したが、実体の無い電子データであってもよい。
その場合、例えば第1実施形態をベースとすると、
図30に示すようにARマーカ切換機構部60に代えて、表示面を背面カメラユニット1520に向けた小型フラットパネルディスプレイ75と、当該表示パネルの表示を制御する表示制御装置76と、ポンプアクション部54へのポンプ操作を検出して表示制御装置76へ出力するプッシュスイッチ77と、を搭載する。
【0171】
表示制御装置76は、ゲーム開始前にサーバシステム1100と無線通信し、ログインプレーヤのユーザ管理データ600から、当該プレーヤが所有する基準マーカ70のデータを取得して記憶する。そして、プッシュスイッチ77でポンプ操作が検出される都度、所有する基準マーカ70のデータに基づいて、小型フラットパネルディスプレイ75で表示する基準マーカ70を切り換え表示する。
【0172】
こうした構成でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、表示制御装置76を、ユーザ端末1500やトリガ操作通信機56が兼ねる構成としてもよい。
【0173】
[その3]
また、上記実施形態では、ARシューティングゲームを例示したが、ゲームジャンルやゲーム内容は適宜設定可能である。
【0174】
例えば、昆虫採集をテーマとするゲーム内容とするならば攻撃対象オブジェクト6すなわちアクション対象ARオブジェクトに実在或いは仮想の昆虫のデザインを与え、狩猟をテーマのゲーム内容とするならば、実在或いは仮想の生き物のデザインを与える。そして、アクションとして、捕獲ネットや麻酔弾をデザインした飛翔体オブジェクト4が発射される構成とすればよい。
【0175】
また、建物の外壁塗り替えをテーマとするゲーム内容とするならば、アクション対象ARオブジェクトは、塗り替え対象箇所を示す。
【0176】
そして、アクション対象に目がけてプレーヤが何らかのアクションをするシーンが含まれるゲームならば、そのゲームジャンルはシューティングゲームに限らず、RPGやアクションゲーム、その他のジャンルでも良い。